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【発明の名称】 熱電発電システムと方法
【発明者】 【氏名】新藤 尊彦
【氏名】伊藤 義康
【氏名】中谷 祐二郎
【氏名】若松 建吾
【氏名】佐々木 恵一
【課題】熱エネルギーを直接電気に変換する熱電変換モジュールを用いて連続的な発電を可能にし、最小限の設備で単位面積当たりの発電量を大きくする。

【解決手段】熱源部1と、この熱源部1から熱エネルギーが供給され、温度差による熱電変換により発電する熱電変換モジュール部3と、熱源部1から供給される熱エネルギーが蓄熱され、熱源部1から熱電変換モジュール部3に供給される熱エネルギーが低下すると蓄熱された熱エネルギーを熱電変換モジュール部3に供給する蓄熱部2とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源部と、この熱源部から熱エネルギーが供給され、温度差による熱電変換により発電する熱電変換モジュール部と、前記熱源部から供給される熱エネルギーが蓄熱され、前記熱源部から前記熱電変換モジュール部に供給される熱エネルギーが低下すると蓄熱された熱エネルギーを前記熱電変換モジュール部に供給する蓄熱部とを備えたことを特徴とする熱電発電システム。
【請求項2】
請求項1記載の熱電発電システムにおいて、前記熱源部と前記蓄熱部との間、前記熱源部と前記熱電変換モジュール部との間、及び前記蓄熱部と前記熱電変換モジュール部との間を断熱材からなる配管により連結すると共に、これら各配管に熱エネルギーの供給先を切替える切替手段を設けたことを特徴とする熱電発電システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の熱電発電システムにおいて、前記蓄熱部は、蓄熱の熱媒体が、水、絶縁油、シリコゲルの何れかであることを特徴とする熱電発電システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の熱電発電システムにおいて、蓄熱部は、蓄熱の熱媒体と相変化材料とから構成されていることを特徴とする熱電発電システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4記載の熱電発電システムにおいて、蓄熱部は、内側を断熱構造とした蓄熱槽を備えていることを特徴とする熱電発電システム。
【請求項6】
請求項5記載の熱電発電システムにおいて、蓄熱槽の断熱構造の材料は、レンガ又はセラミック或いはガラスであることを特徴とする熱電発電システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の熱電発電システムにおいて、前記熱電変換モジュール部は、ビスマス(Bi)とテルル(Te)を主成分とする熱電変換材料から構成されていることを特徴とする熱電発電システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5、請求項7の何れかに記載の熱電発電システムにおいて、熱変換モジュール部の高温面と熱媒体間に熱流速制御材を配置したことを特徴とする熱電変換システム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れかに記載の熱電発電システムにおいて、熱源部は、ピークカット用の発電機の排熱を回収して熱源とすることを特徴とする熱電変換システム。
【請求項10】
熱源部に供給可能な熱エネルギーを有するとき、熱源部から熱エネルギーを温度差による熱電変換により発電する熱電変換モジュール部に供給すると同時に、前記熱源部から熱エネルギーを蓄熱部に供給して蓄熱する第1のステップと、前記熱源部の熱エネルギーが低下し供給不可能になると前記蓄熱部に蓄熱された熱エネルギーを前記熱電変換モジュール部に供給して前記熱源部からの熱による場合と同等の発電を継続させる第2のステップと、前記熱源部の熱エネルギーが上昇し供給可能な熱エネルギーに回復すると前記蓄熱部から前記熱電変換モジュール部への蓄熱による熱エネルギーの供給を停止すると同時に前記熱源から前記熱電変換モジュール部及び前記蓄熱部に熱エネルギーを供給する第3のステップからなることを特徴とする熱電発電方法。
【請求項11】
請求項10記載の熱電発電方法において、前記蓄熱部の蓄熱方法として、顕熱蓄熱と潜熱蓄熱の両方で行うことを特徴とする熱電発電方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、熱エネルギーを有効利用して連続的な発電を可能にした熱電発電システムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、自然環境への配慮から太陽光や風力による自然エネルギーを利用した太陽光発電や風力発電などの普及が進められている。しかし、このような自然エネルギーを活用した発電においては、太陽発電、風力発電ともに常時必要な太陽光や風力が得られないため、不定期な発電となる。
【0003】
そこで、従来では、二次電池等の蓄電部を併用することが一般的に行われ、太陽発電や風力発電で得られた電気を蓄電部に蓄え、太陽発電や、風力発電により負荷に必要な電気を供給できないときは蓄電部に蓄えられた電気を負荷に供給するシステムが採用されている。(例えば、特許文献1〜特許文献3)。
【特許文献1】特開2007−330057号公報
【特許文献2】特開2007−330051号公報
【特許文献3】特開2007−335157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように太陽発電、風力発電は、ともに連続稼動での発電が困難なため、単位面積当たりの発電量は小さい。また、太陽発電、風力発電は、ともに不定期な頻度での発電のため、二次電池等の蓄電部を併用した場合、蓄電部としては最大の容量設計となって、大きな充電設備が必要である。このため、全体のシステムが高価になるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、熱エネルギーを直接電気に変換する熱電変換モジュールを用いて連続的な発電を可能にすることにより、最小限の設備で単位面積当たりの発電量を大きくできる安価な熱電発電システムと方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段により熱電発電システムを構成するものである。
【0007】
本発明は、熱源部と、この熱源部から熱エネルギーが供給され、温度差による熱電変換により発電する熱電変換モジュール部と、前記熱源部から供給される熱エネルギーが蓄熱され、前記熱源部から前記熱電変換モジュール部に供給される熱エネルギーが低下すると蓄熱された熱エネルギーを前記熱電変換モジュール部に供給する蓄熱部とを備えたものである。
【0008】
また、本発明は、熱源部に供給可能な熱エネルギーを有するとき、熱源部から熱エネルギーを温度差による熱電変換により発電する熱電変換モジュール部に供給すると同時に、前記熱源部から熱エネルギーを蓄熱部に供給して蓄熱する第1のステップと、前記熱源部の熱エネルギーが低下し供給不可能になると前記蓄熱部に蓄熱された熱エネルギーを前記熱電変換モジュール部に供給して前記熱源部からの熱による場合と同等の発電を継続させる第2のステップと、前記熱源部の熱エネルギーが上昇し供給可能な熱エネルギーに回復すると前記蓄熱部から前記熱電変換モジュール部への蓄熱による熱エネルギーの供給を停止すると同時に前記熱源から前記熱電変換モジュール部及び前記蓄熱部に熱エネルギーを供給する第3のステップからなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、熱エネルギーを蓄熱部に供給して蓄熱し、熱源部からの熱の供給が途切れたときは蓄熱部に蓄熱された熱エネルギーを熱電変換モジュール部に供給して直接電気に変換することにより連続的な発電が可能になり、しかも最小限の設備で単位面積当たりの発電量を大きくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明による熱電発電システムの第1の実施形態を示す構成図である。
【0012】
第1の実施形態における熱電発電システムは、熱源部1、蓄熱部2及び熱電変換モジュール部3から構成され、これら熱源部1と蓄熱部2との間、熱源部1と熱電変換モジュール部3との間、及び蓄熱部2と熱電変換モジュール部3との間を配管4a,4b,4cによりそれぞれ連結すると共に、配管4a〜4cに開閉弁5a〜5cを設ける。この場合、配管4a,4b,4cの材質としては、熱損失を低減するため、断熱材が用いられる。
【0013】
上記熱源部1は、例えば電力のピークカット用として導入される発電機の排熱を回収して熱源とするものである。
【0014】
また、蓄熱部2は、熱媒体として熱源の温度、媒質(固体、液体)により水、絶縁油、シリコゲル等が適宜選択して使用される。
【0015】
さらに、熱電変換モジュール部3は、ビスマス(Bi)とテルル(Te)を主成分とする熱電変換材料からなる複数の熱電変換モジュールから構成され、低温面と高温面との温度差により発電するものである。
【0016】
ここで、蓄熱部とその蓄熱槽の構造例について、図2(a),(b)及び図3によりそれぞれ説明する。
【0017】
図2(a),(b)は、蓄熱が熱媒体と相変化材料(PCM)とから構成された蓄熱部2の異なる構造例を示す断面図である。
【0018】
図2(a)に示す蓄熱部2は、蓄熱槽21内に熱媒体22とともに相変化材料が充填された複数の球状容器23を収容したものであり、また、図2(b)に示す蓄熱部2は、蓄熱槽21内に熱媒体22とともに相変化材料が充填された複数の筒状容器24を収容したものである。
【0019】
このような構造の蓄熱部2によれば、球状容器23又は筒状容器24は、いずれも熱媒体22との接触面積が大きいので、熱媒体22から球状容器23又は筒状容器24を介して多量の熱が相変化材料に伝導されて蓄熱される。
【0020】
したがって、熱源部1からの熱は、蓄熱部2で熱媒体(顕熱蓄熱)と相変化材料(潜熱蓄熱)の両方で蓄えられるので、熱媒体だけの場合に比べて多量の熱を蓄えことが可能となり、その分蓄熱部2を小型にできる。
【0021】
また、図3は蓄熱槽の構造例を示す断面図である。
【0022】
図3に示す蓄熱槽21は、外側レンガ21a、中間レンガ21b及び内側レンガ21cからなる3層構造として箱形に形成したものである。この場合、内側レンガ21cより中間レンガ21b、外側レンガ21aに向けて順次気孔率の高いレンガを使用し、内側レンガ21cを断熱構造としている。
【0023】
なお、断熱構造を有する材料として、レンガに代えて、セラミックやガラスを用いてもよい。
【0024】
したがって、このような構造の蓄熱槽21を用いることで、蓄熱部3の設置場所の環境による影響が少ないので、屋内外を問わずに何処にでも設置することができる。
【0025】
次に熱電変換モジュール部3の構成例について、図4(a),(b)によりそれぞれ説明する。
【0026】
図4(a),(b)は、熱電変換モジュール部3の異なる構造例を示す断面図である。
【0027】
図4(a)に示す熱電変換モジュール部3は、熱電変換モジュール31の高温面側と熱媒体33との間にそれぞれの接触面積が等しい矩形状の熱流速制御材32を配置したものであり、図4(b)に示す熱電変換モジュール部3は、熱電変換モジュール31の高温面側と熱媒体33との間に熱媒体33側の接触面積を熱電変換モジュール31の高温面側の接触面積より大きな形状の熱流速制御材34を配置したものである。
【0028】
この熱流速制御材32,34は、熱源から熱変換モジュールへの熱流速を制御するものであり、材質及び形状を調整することにより熱電変換モジュール31の高温面を所定の温度に制御することが可能となる。
【0029】
したがって、高価なコントローラやインバータを使わなくても熱電変換モジュール31から目的の電気を得ることができる。
【0030】
次にこのように構成された熱電発電システムの作用について述べる。
【0031】
いま、発電機の稼動により発生する熱が熱源部1に回収されているものとすれば、このとき開閉弁5a,5bは開放状態、また、開閉弁5cは閉路状態にあり、熱源部1の熱は熱媒体を介して蓄熱部2と熱電変換モジュール部3に供給されている。
【0032】
したがって、蓄熱部2に蓄熱が行われると同時に、熱電変換モジュール部3では熱電変換による発電が行われる。
【0033】
このような状態にあるとき、発電機の稼動停止等により熱源部1の熱が低下し、熱電変換モジュール部3での発電量が低下すると、開閉弁5a,5bの閉路により熱源部1と蓄熱部2との間の熱の移動が遮断されると同時に、熱源部1から熱電変換モジュール部3への熱の供給が停止されるが、このとき開閉弁5cの開放により蓄熱部2に蓄熱された熱が熱電変換モジュール部3に供給される。
【0034】
したがって、熱電変換モジュール部3では熱源部1から供給される熱が断たれても、蓄熱部2から供給される熱により継続して熱源部1からの熱による発電量と同等の発電が行われる。
【0035】
その後、発電機の稼動が再開され、熱源部1の熱が上昇すると、開閉弁5cの閉路により蓄熱部2から熱電変換モジュール部3への熱の供給を停止すると同時に、開閉弁5a,5bの開放により熱源部1からの熱が熱電変換モジュール部3に供給され、熱電変換による発電が行われると共に、これと並行して蓄熱部2への熱供給により蓄熱が行われる。
【0036】
以上のような操作を繰返すことで、熱変換モジュール部3は、常時同じ電力量の発電を行うことができる。
【0037】
なお、開閉弁5a〜5cの開放、閉路は、熱源部1における熱エネルギーの温度の低下又は上昇を監視して手動又は自動のいずれで行ってもよい。
【0038】
このように本実施形態では、熱源部1に回収された熱エネルギーを熱電変換モジュール部3に供給して熱電変換により発電すると同時に、熱エネルギーを蓄熱部2に供給して蓄熱し、熱源部1からの熱の供給が途切れたときは蓄熱部2に蓄熱された熱エネルギーを熱電変換モジュール部3に供給して連続的な発電を可能にしたので、最小限の設備で単位面積当たりの発電量を大きくすることができ、システム全体を安価になし得る。
【0039】
また、本実施形態では、ピークカット用の発電機の排熱を熱源とする熱電発電システムとしているので、日中の発電機の稼動中は発電機からの排熱で熱電変換モジュール部3での発電と蓄熱部2への蓄熱を行い、夜間の発電機の停止時には蓄熱部2に蓄熱した熱で熱電変換モジュール部3での発電を行うことが可能となり、24時間連続して発電することができる。
【0040】
なお、本発明は、上記し且つ図面に示す実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で種々変形して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による熱電発電システムの第1の実施形態を示す構成図。
【図2】(a),(b)は、同実施形態において、蓄熱が熱媒体と相変化材料とから構成された蓄熱部の異なる構造例を示す断面図。
【図3】同実施形態における蓄熱槽の構造例を示す断面図。
【図4】(a),(b)は、同実施形態における熱電変換モジュール部の異なる構造例を示す断面図。
【符号の説明】
【0042】
1…熱源部、2…蓄熱部、3…熱電変換モジュール部、4a,4b,4c…配管、5a,5b,5c…開閉弁、21a…外側レンガ、21b…中間レンガ、21c…内側レンガ、22…熱媒体、23…球状容器、24…筒状容器、31…熱電変換モジュール、32,34…熱流速制御材、33…熱媒体

特許の図
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成20年3月28日(2008.3.28)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久

【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎

【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹

【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克

【識別番号】100101812
【弁理士】
【氏名又は名称】勝村 紘

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎

【識別番号】100100952
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 鉄也

【識別番号】100070437
【弁理士】
【氏名又は名称】河井 将次

【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志

【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志

【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子

【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓

【識別番号】100127144
【弁理士】
【氏名又は名称】市原 卓三

【識別番号】100141933
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 元
【公開番号】 特開2009−247049(P2009−247049A)
【公開日】 平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願番号】 特願2008−87761(P2008−87761)