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【発明の名称】 アスベスト処理システム
【発明者】 【氏名】豊田 哲郎
【氏名】シュウツキナ スベトラーナ
【氏名】波多野 伸美
【氏名】鈴木 伸介
【氏名】小西 尚
【氏名】富高 英樹
【氏名】服部 佳良
【課題】第1に、熱エネルギーのコスト負担が低減され、第2に、大量処理が可能であり、第3に、無害化処理が確実に実現され、第4に、更に安全性にも優れ、第5に、リサイクル材等としての有効利用も可能なスラグとして排出する、アスベスト処理システムを提案する。

【解決手段】アスベストを含むアスベスト廃材Aの無害化処理システムであって、前処理手段1,主処理手段2,後処理手段3を有している。前処理手段1の溶融炉12は、投入されたアスベスト廃材Aを粉砕化すると共に、ホウ砂その他の融点降下剤Bを混入して混合材C化する。主処理手段2は、アスベスト廃材Aの混合材Cを低温熱分解し、溶融化,ガラス化,非繊維化し、スラグFとして排出する。後処理手段3は、排出される排気ガスDを、熱利用すると共にクリーン化する。なお、このシステムは車載も可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスベストを含むアスベスト廃材の無害化処理システムであって、前処理手段と主処理手段とを有しており、
該前処理手段は、投入された該アスベスト廃材を粉砕化すると共に、ホウ砂その他の融点降下剤を混入して混合材化し、
該主処理手段は、該アスベスト廃材の混合材を低温熱分解し、溶融化,ガラス化,非繊維化して排出すること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載したアスベスト処理システムにおいて、該前処理手段は、その粉砕化部が、
該アスベスト廃材を不活性ガス雰囲気下で細かく粉状に粉塵化する密閉型シュレッターと、その飛散粉塵濃度を検出可能なセンサと、該センサが高濃度を検出した場合にミスト噴射により該粉塵を沈塵化するミスト噴射機とを、備えていること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載したアスベスト処理システムにおいて、該前処理手段は、該アスベスト廃材を不活性ガス雰囲気下で細かく粉状に粉塵化すると共に、事後、該混合材をパック詰めすること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載したアスベスト処理システムにおいて、該前処理手段は、該アスベスト廃材を破砕すると共に、砕かれた該アスベスト廃材と、水と、石灰又は高炉スラグと、該ホウ砂その他の融点降下剤とを混合し、
もって、略セメント状に固められると共に、処理し易い大きさ毎に分けられた該混合材とすること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【請求項5】
請求項2,3又は4に記載したアスベスト処理システムにおいて、該前処理手段付近の外部に、飛散粉塵濃度を検出可能なセンサが隣接付設されており、
該センサは、該前処理手段に投入前や投入後の該アスベスト廃材から、細かい粉状の粉塵が発生して付近に飛散した場合、これを検出可能となっていること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載したアスベスト処理システムにおいて、該主処理手段は溶融炉よりなり、該アスベスト廃材の混合材を、昇温段階の低温領域で低温熱分解すると共に、より中高温領域で、酸化鉄とバナジウム,その他の機能性付与材を添加し、もってスラグ化されたリサイクル材として排出すること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載したアスベスト処理システムにおいて、該主処理手段は、該溶融炉として還元炉が使用されており、該スラグとして還元スラグを排出すること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【請求項8】
請求項6に記載したアスベスト処理システムにおいて、該主処理手段は、該溶融炉として酸化炉が使用されており、該スラグとしてセラミックス灰よりなる酸化スラグを排出すること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載したアスベスト処理システムにおいて、該処理システムは車輌に搭載されており、該アスベスト廃材の解体,排出現場に移動可能であり、その該主処理手段は電気炉よりなること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載したアスベスト処理システムにおいて、更に後処理手段を有しており、該後処理手段は、該主処理手段にて生成された高温の排気ガスの熱利用部と、該排気ガスの冷却部と、該排気ガス中の有害成分の吸着除去部と、該排気ガスを吸引して外部へと排出する集塵機とを、順に備えていること、を特徴とするアスベスト処理システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、アスベスト処理システムに関する。すなわち、アスベストを含むアスベスト廃材を、無害化処理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景》
アスベストつまり石綿は、マグネシウムやケイ素を含有した構造で微小針状結晶組織の繊維状天然鉱物よりなり、耐熱性,化学的安定性,耐薬品性,耐摩擦性,絶縁性等々に優れており、例えばスレート材,建材,吹付材,被覆材,断熱材,保温材,パッキン材,防音材,絶縁材,ブレーキライニング材,その他の用途に広く加工使用されてきた。
しかしながら、このようなアスベスト製品から出る繊維粉塵について、近年、その吸入による発ガン性その他の健康障害が認められ、大きな社会問題となっている。
そこで最近は、アスベスト製品の使用規制と廃棄とが急務とされており、アスベスト製品の解体,除去,廃棄現場から排出されたアスベスト廃材の処理が、大きなテーマとなっている。特に、スレート材,その他の建材として使用されたアスベスト廃材の無害化処理が、大きなテーマとなっている。
【0003】
《従来技術》
アスベスト廃材は、従来、特定管理物質,特定管理産業廃棄物として、厳重な特別管理型の最終処分場で埋立処理されており、処理コスト負担が膨大なものとなっていた。
そこで最近、その粉塵飛散の危険を回避し安全性を確保しつつ無害化する処理システムが、各種提案されている。すなわち、厳重な特別管理型の最終処分場での埋立処理によらず、一般安定型の最終処分場での埋立処理等を可能とする技術が、各種提案されている。
例えば、1,000℃以上例えば1,500℃程度の高温で、アスベスト廃材を熱分解して、溶融化,ガラス化,非繊維化してしまう処理システムが、提案されている。更に最近は、1,000℃以下の比較的低温で、アスベスト廃材を熱分解して、溶融化,ガラス化,非繊維化する処理システムも提案されている。
【0004】
《先行技術文献情報》
この種のアスベスト処理システムとしては、例えば、次の特許文献1,2,3,4中や、特許文献5,6中に示されたものがある。
特許文献1,2,3,4は、前者つまり高温でのアスベスト処理システムに関し、特許文献5,6は、後者つまり比較的低温でのアスベスト処理システムに関する。
【特許文献1】特開昭62−237984号公報
【特許文献2】特公平4−28648号公報
【特許文献3】特許第3120308号公報
【特許文献4】特開平4−226677号公報
【特許文献5】特許第3830492号公報
【特許文献6】特許第3747246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような従来例については、次の問題が指摘されていた。
《第1の問題点》
第1に、1,000℃以上の高温でのアスベスト処理システムに関しては、エネルギーコスト負担が難点となっており、実用化の大きな障害となっていた。
すなわち、例えば特許文献1,2,3,4に示された技術は、いずれも1,000℃以上例えば1,500℃程度の高温処理を要し、処理室内を処理中は常時、例えば1,500℃程度の高温に維持し続けることを要し、熱エネルギー消費負担が膨大である、という問題が指摘されていた。
【0006】
《第2の問題点》
第2に、1,000℃以下の低温でのアスベスト処理システムに関しては、上述したエネルギーコスト負担の問題は解消されるものの、大量処理性が難点となっており、現状では実用化検討段階に留まっている。
例えば特許文献5,6に示された技術は、加圧処理,減圧処理,浸漬処理等が必須的であり、その分、処理工程が複雑化し処理コストも嵩む等により、アスベスト廃材の大量処理に本格採用されるには至っていない。
【0007】
《第3の問題点》
第3に、更に同システムは、アスベスト廃材の無害化処理の精度,確実性,安定性等にも若干不安が指摘されており、この面からも実用化検討段階に留まっている。
例えば特許文献4,5等に示された技術は、1,000℃以下でのアスベスト処理システムとしては評価できる。しかしながら、アスベスト廃材を、精度高く確実に、溶融化,ガラス化,非繊維化して完全に無害化するシステムとしては、未だ確立されていない。確実性を担保するまでには、システムとして確立されていない。
【0008】
《本発明について》
本発明のアスベスト処理システムは、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、コスト負担が低減され、第2に、大量処理が可能であり、第3に、無害化処理が確実に実現され、第4に、安全性にも優れ、第5に、排出スラグのリサイクル材等としての有効利用も可能な、アスベスト処理システムを提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
《請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については次のとおり。
請求項1のアスベスト処理システムは、アスベストを含むアスベスト廃材の無害化処理システムであって、前処理手段と主処理手段とを有している。
そして該前処理手段は、投入された該アスベスト廃材を粉砕化すると共に、ホウ砂その他の融点降下剤を混入して混合材化する。該主処理手段は、該アスベスト廃材の混合材を低温熱分解し、溶融化,ガラス化,非繊維化して排出すること、を特徴とする。
【0010】
請求項2については、次のとおり。請求項2のアスベスト処理システムでは、請求項1において、該前処理手段は、その粉砕化部が、該アスベスト廃材を不活性ガス雰囲気下で細かく粉状に粉塵化する密閉型シュレッターと、その飛散粉塵濃度を検出可能なセンサと、該センサが高濃度を検出した場合にミスト噴射により該粉塵を沈塵化するミスト噴射機とを、備えていることを特徴とする。
請求項3については、次のとおり。請求項3のアスベスト処理システムでは、請求項1において、該前処理手段は、該アスベスト廃材を不活性ガス雰囲気下で細かく粉状に粉塵化すると共に、事後、該混合材をパック詰めすることを特徴とする。
請求項4については、次のとおり。請求項4のアスベスト処理システムでは、請求項1において、該前処理手段は、該アスベスト廃材を破砕すると共に、砕かれた該アスベスト廃材と、水と、石灰又は高炉スラグと、該ホウ砂その他の融点降下剤と、を混合する。もって、略セメント状に固められると共に、処理し易い大きさ毎に分けられた該混合材とすること、を特徴とする。
請求項5については、次のとおり。請求項5のアスベスト処理システムでは、請求項2,3又は4において、該前処理手段付近の外部に、飛散粉塵濃度を検出可能なセンサが隣接付設されている。そして該センサは、該前処理手段に投入前や投入後の該アスベスト廃材から、細かい粉状の粉塵が発生して付近に飛散した場合、これを検出可能となっていること、を特徴とする。
【0011】
請求項6については、次のとおり。請求項6のアスベスト処理システムでは、請求項1において、該主処理手段は溶融炉よりなる。そして、該アスベスト廃材の混合材を、昇温段階の低温領域で低温熱分解すると共に、より中高温領域で、酸化鉄とバナジウム,その他の機能性付与材を添加し、もってスラグ化されたリサイクル材として排出すること、を特徴とする。
請求項7については、次のとおり。請求項7のアスベスト処理システムでは、請求項6において、該主処理手段は、該溶融炉として還元炉が使用されており、該スラグとして還元スラグを排出すること、を特徴とする。
請求項8については、次のとおり。請求項8のアスベスト処理システムでは、請求項6において、該主処理手段は、該溶融炉として酸化炉が使用されており、該スラグとしてセラミックス灰よりなる酸化スラグを排出すること、を特徴とする。
【0012】
請求項9については、次のとおり。請求項8のアスベスト処理システムでは、請求項1において、該処理システムは車輌に搭載されている。そして、該アスベスト廃材の解体,排出現場に移動可能であり、その該主処理手段は電気炉よりなること、を特徴とする。
請求項10については、次のとおり。請求項10のアスベスト処理システムでは、請求項1において、更に後処理手段を有している。そして該後処理手段は、該主処理手段にて生成された高温の排気ガスの熱利用部と、該排気ガスの冷却部と、該排気ガス中の有害成分の吸着除去部と、該排気ガスを吸引して外部へと排出する集塵機とを、順に備えていること、を特徴とする。
【0013】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)解体,廃棄されたアスベスト廃材は、このアスベスト処理システムにて、無害化処理される。
(2)まずアスベスト廃材は、本システムの前処理手段に投入され、粉砕化され融点降下剤が混入されて、混合材となる。
(3)前処理手段としては、アスベスト廃材を細かく粉状に粉塵化するタイプ、更にパック詰めするタイプ、大まかに破砕して略セメント状に固化させるタイプ、等々が代表的である。
(4)それから、アスベスト廃材の混合材は、本システムの主処理手段の溶融炉、例えば還元炉や酸化炉において低温熱分解された後、機能性付与材が添加される。
(5)このようにして、アスベスト廃材は、溶融化,ガラス化,非繊維化され、無害化されたリサイクル材のスラグとなって排出される。
(6)なお後処理手段では、排気ガスが熱利用され,クリーン化される。
(7)さて、本発明のアスベスト処理システムによると、まず、粉砕化され混合材化されたアスベスト廃材が、高温熱分解によらず低温熱分解されるので、熱エネルギー負担が大幅に低減される。
(8)又、このシステムは複雑な処理によらず、簡単容易なプロセスをシステム化してなるので、大量処理が可能となる。特に、略セメント状に固めるタイプはプロセスが簡略化される。
(9)そして、このシステムは、前処理手段の粉砕化プロセスと融点降下剤混入プロセスと、主処理手段の低温熱分解プロセスとを、組合わせて採用したことにより、無害化処理が、精度高く確実かつ安定的に実現される。特に、細かく粉塵化するタイプでは、これらが顕著となる。
(10)しかも、このシステムの前処理手段において、密閉型シュレッター,粉塵センサ,ミスト噴射機等を採用したタイプや、パック詰めするタイプ、粉塵センサを隣接付設するタイプ、更にはシステム全体を車輌搭載するタイプ、等々にあっては安全性が一段と向上する。
(11)更に、このシステムでは、事後の有効利用も期待される。すなわち、排出されるスラグは、機能性が付与されたリサイクル材よりなり、更に還元スラグやセラミック灰等の酸化スラグよりなる。なお、排気ガスも熱利用される。
(12)さてそこで、本発明のアスベスト処理システムは、次の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0014】
《第1の効果》
第1に、コスト負担が低減される。すなわち、本発明のアスベスト処理システムでは、その主処理手段において、アスベスト廃材を低温領域で低温熱分解してしまう。
そこで、前述した高温処理を要するこの種従来例に比し、熱エネルギー消費負担が大幅に低減される等、ランニングコストが削減される。低温,低コストでアスベストの無害化処理が実現される。
【0015】
《第2の効果》
第2に、大量処理が可能である。すなわち、本発明のアスベスト処理システムでは、前処理手段でのアスベスト廃材の粉砕化と混合材化、および主処理手段での低温熱分解により、無害化処理が達成される。
前述したこの種従来例のように、加圧処理,減圧処理,浸漬処理等を要することなく、その分、処理工程が複雑化せず処理コストも低減される等により、アスベスト廃材の大量無害化処理が、容易に実現可能である。
更に前処理手段において、アスベスト廃材を大まかに破砕して、略セメント状に固める方式を採用した場合は、細かく粉状に粉塵化する方式に比し、処理コストが一段と低減され、大量処理に一段と有利となる。
【0016】
《第3の効果》
第3に、無害化処理が確実に実現される。すなわち、本発明のアスベスト処理システムでは、アスベスト廃材を、粉砕化,融点降下剤との混合材化,そして熱分解により、精度高く確実かつ安定的に無害化処理する。特に、アスベスト廃材を細かく粉塵化する方式を採用した場合は、熱分解が一段とスムーズ化し、処理の精度,確実性,安定度等が一層向上する。
前述したこの種従来例に比し、処理実現のためのプラント条件,システム体系が最適化,具体化,明示化されており、アスベスト廃材の無害化が確実に実現される。勿論、厳重な特別管理型の最終処分場ではなく、一般安定型の最終処分場での廃棄,埋立処理が可能となり、更に、処分場以外での一般的な埋立利用や海洋投棄等も可能となり、道路の路盤材や路面材、その他各種資源としての再利用も期待される。
【0017】
《第4の効果》
第4に、安全性にも優れている。すなわち、本発明のアスベスト処理システムにおいて、前処理手段に密閉型シュレッターを採用した場合は、飛散粉塵濃度検出用のセンサにて作動するミスト噴射機が併用されるので、外部の作業者等へのアスベスト粉塵飛散の危険が回避され、安全である。更に、パック詰めする方式を採用した場合は、アスベスト廃材を細かく粉塵化するにもかかわらず、外部へのアスベスト粉塵飛散の危険が低減され、安全性が向上する。
又、飛散粉塵濃度検出用のセンサが、前処理手段付近に外部付設されているので、この面からも、アスベスト粉塵の外部飛散への注意喚起が容易であり、安全性が向上する。他方、このアスベスト処理システムを車輌に搭載する方式よりなる場合は、オンサイトで無害化処理が実施でき、この面からも安定性が向上する。
【0018】
《第5の効果》
第5に、排出スラグのリサイクル材等としての有効利用も、可能である。すなわち、本発明のアスベスト処理システムでは、主処理手段にて機能性付与材が添加されたリサイクル材として、スラグを排出する。更に、還元炉の場合は、還元スラグとして排出し、酸化炉の場合は、セラミックス灰として排出する。
アスベスト廃材は、溶融化,ガラス化,非繊維化され,完全無害化されたスラグとなると共に、このように機能性を付与されて排出され、広く各種利用に供される。
例えば、酸化鉄とバナジウムが添付された場合は、磁性を帯びた路面材等としてのニーズに対応できる。又、還元スラグの場合は、酸素の付着が容易であり、海洋投棄した際に藻や海草の生育が助長されるようになる。セラミックス灰よりなる酸化スラグの場合は、その抗菌性により埋立処理した際に殺菌作用が付加される。又、生成された排気ガスは、後処理手段でその熱が有効利用可能である。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
《図面について》
以下、本発明のアスベスト処理システムを、図面に示した発明を実施するための最良の形態に基づいて、詳細に説明する。
図1,図2,図3,図4は、本発明を実施するための最良の形態の説明に供し、正断面説明図である。そして、図1は第1例、図2は第2例、図3は第3例、図4は第4例を示す。
【0020】
《本発明の概要について》
本発明のアスベスト処理システムは、アスベストを含むアスベスト廃材Aの無害化処理システムであって、前処理手段1と主処理手段2と後処理手段3とを、有している。
前処理手段1は、投入されたアスベスト廃材Aを粉砕化すると共に、ホウ砂その他の融点降下剤Bを混入して、混合材C化する。主処理手段2は、アスベスト廃材Aの混合材Cを低温熱分解し、溶融化,ガラス化,非繊維化して、排出する。後処理手段3は、付随的に排出される排気ガスDを、熱利用すると共にクリーン化して、排出する。
なお、アスベスト,アスベスト製品,アスベスト廃材A,その問題点等については、背景技術欄の技術的背景として、前述した所に準じる。
本発明のアスベスト処理システムは、概略このようになっている。以下、これらについて詳述する。
【0021】
《前処理手段1について》
まず、各例を参照して、このアスベスト処理システムの前処理手段1について説明する。前処理手段1の前処理室では、外部からアスベスト廃材Aが投入されると共に、投入されたアスベスト廃材Aが、まず粉砕化される。
粉砕化の意義に関しては、アスベスト廃材Aを全体的に細かく粉状に粉塵化する程度の段階から、アスベスト廃材Aを全体的に大まかに割り,砕いて破砕化する程度の段階(勿論、同時に少量ながら粉塵化されたものも付随的に発生する)迄、その中間の各種程度の段階をも含む、広い概念として把握される(本明細書において、粉砕化とは、このように広い意味で使用する)。
そして、このように粉砕化されたアスベスト廃材Aは、次に、ホウ砂,その他の融点降下剤Bが混入され、もって混合材Cとなる。アスベスト廃材Aとホウ砂との比率は、約1:5程度である。溶融助剤(溶融剤)である融点降下剤Bとしては、ホウ砂(硼砂、つまり四ホウ酸ナトリウムNa・10HO)が代表的であるが、更に広く、ホウ酸ナトリウム、ホウ砂と炭酸ナトリウムの混合物、ホウ酸、ホウ酸と炭酸ナトリウムの混合物、更には塩化カルシウム,炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,その他のアルカリ融解剤も、使用可能である。
前処理手段1は、概略このようになっている。
【0022】
《図1の前処理手段1について》
次に、図1の例の前処理手段1について説明する。図1中に示されたアスベスト処理システムの前処理手段1は、その粉砕化部4が、アスベスト廃材Aを不活性ガス雰囲気下で細かく粉状に粉塵化する密閉型シュレッター5と、その飛散粉塵濃度を検出可能なセンサ6と、センサ6が高濃度を検出した場合に、ミスト噴射により瞬時に該粉塵を沈塵化するミスト噴射機7とを、備えている。
このような図1の前処理手段1について、更に詳述する。まず、粉砕化部4の粉砕化室に配設された密閉型シュレッター5は、アスベスト廃材Aの投入後に密閉された例えば窒素雰囲気下において、つまり防塵・防爆仕様下において、アスベスト廃材Aを細かく粉状となるまで粉砕して、粉塵化する。
密閉型シュレッター5としては、公知公用方式のものが各種使用可能であるが、例えば自己衝突粉砕化方式のクロスシュレッター(佐藤工業製)が使用される。
【0023】
センサ6は、このような密閉型シュレッター5が配設された粉砕化部4の粉砕化室内に配設され、粉塵化されて飛散,浮遊するアスベスト廃材Aの粉塵濃度を検出,測定して、常時モニター管理する。
このセンサ6としては、空気中における(繊維状)微粒子の数を瞬時に検知,カウントする自動計測器が使用されるが、例えば、(株)ハットリ工業製の商品名「FNMファイバーネットワークモニター」(なお特願2006−288118関係)が、使用される。
ミスト噴射機7は、粉砕化部4の粉砕化室に付設されており、センサ6のアスベスト粉塵濃度の検出値が所定値以上に達した緊急時において、飛散,浮遊するアスベスト粉塵に対して瞬時に水等の微粒子状のミストを噴射し、もって、水分等を付着させて、極く短時間のうちに下部へと落下,沈塵せしめる。このミスト噴射機7としては、例えば、(株)ハットリ工業製の商品名「FIBER SHUT」(なお特願2006−288119関係)が、使用される。
【0024】
図1中の8は、融点降下剤Bとの混合部である。すなわち、上述によりミスト噴射機7が作動することのない常時は、粉砕化部4の粉砕化室で粉塵化されたアスベスト廃材Aは、次に混合部8に供給され、融点降下剤Bと混合されて、混合材C化される。
他方、このような前処理手段1付近の外部には、飛散粉塵濃度を検出可能なセンサ9が、隣接付設されている。このセンサ9は、前処理手段1に投入前や投入後のアスベスト廃材Aから、細かく粉状に粉砕されたアスベスト廃材Aの粉塵が発生して、付近に飛散した場合、これを検出可能となっている。
すなわち、前処理手段1に投入前のアスベスト廃材Aからは、自然発生的にアスベスト廃材Aの粉塵が飛散,浮遊する可能性がある。又、前処理手段1に投入されて粉砕されるアスベスト廃材Aからは、アスベスト廃材Aの粉塵が前処理手段1内から外部に漏出して、付近に飛散,浮遊する可能性もある。
このような場合に、センサ9は、これらを検出可能となっている。センサ9の構成等については、センサ6について前述した所に準じる。
図1の前処理手段1は、このようになっている。
【0025】
《図2の前処理手段1について》
次に、図2の例の前処理手段1について説明する。図2中に示されたアスベスト処理システムの前処理手段1は、アスベスト廃材Aを不活性ガス雰囲気下で細かく粉状に粉塵化すると共に、事後、混合材Cをパック詰めするようになっている。
このような図2の前処理手段1について、更に詳述する。図示例では、前述した図1の例と同様に、その粉砕化部4が、密閉型シュレッター5とセンサ6とミスト噴射機7とを備えている。又同様に、この粉砕化部4の次に、融点降下剤Bと混合して混合材Cとする混合部8が、配設されている。
そして、図1の例とは異なり、この混合部8の次にパック化部10が配設されており、このパック化部10は、混合材Cを適宜大きさ,個数の袋容器、例えば樹脂袋内にそれぞれ詰め込んで密封,パック化する。
なお、図2の前処理手段1付近の外部にも、センサ9が隣接付設されている。
図2の例の前処理手段1は、このようになっている。
【0026】
《図3の前処理手段1について》
次に、図3の例の前処理手段1について説明する。図3中に示されたアスベスト処理システムの前処理手段1は、アスベスト廃材Aを破砕すると共に、砕かれたアスベスト廃材Aと、水と、石灰又は高炉スラグと、ホウ砂その他の融点降下剤Bとを混合し、もって、略セメント状に固められると共に処理し易い大きさ毎に分けられた混合材Cとする。
このような図3の前処理手段1について、更に詳述する。まず、その粉砕化部4は、アスベスト廃材Aを、全体的に大まかに割り,砕いて破砕する。その際、細かく粉状に粉塵化されたアスベスト廃材Aも付随的に発生するが、比較的少量である。
それから次に、このように大まかに割られ,砕かれたアスベスト廃材Aは、混合部8において、まず、水を加えつつ、石灰H又は高炉スラグとを加えて略セメント状化された後、ホウ砂その他の融点降下剤Bが更に加えられる。
このようにして、砕かれたアスベスト廃材Aは、飛散性,浮遊性のあるその粉塵と共に、石灰H又は高炉スラグおよびホウ砂等にて被覆され,包み込まれつつ、略セメント状に固められた混合材Cとなる。そして、このような略セメント状に固められた混合材Cは、分配部11にて、移動や処理に適した大きさ毎に分けられる。
なお、図3の前処理手段1付近の外部にも、センサ9が隣接付設されている。
図3の前処理手段1は、このようになっている。
【0027】
《主処理手段2について》
次に、各例を参照して、各例共通に用いられている主処理手段2について説明する。このアスベスト処理システムの主処理手段2の主処理室には、前処理手段1から、粉砕化されたアスベスト廃材Aの混合材Cが供給される。
そして、主処理手段2の主処理室は、代表的には溶融炉12よりなり、アスベスト廃材Aの混合材Cを、昇温段階の低温領域13で低温熱分解すると共に、中高温領域14で、酸化鉄とバナジウム,その他の機能性付与材Eを添加し、もって、スラグF化されたリサイクル材として排出する。
【0028】
このような主処理手段2について、更に詳述する。主処理手段2の溶融炉12としては、図1,図2の例では、例えば高炉等の還元溶融炉が使用されており、例えばコークス等が併用供給される。図3の例では、例えば電気炉等の酸化溶融炉が使用されている。なお、溶融炉12として、還元溶融炉を使用するか酸化溶融炉を使用するかは、自由に選択,変更可能である。
粉砕化されたアスベスト廃材Aの混合材Cは、このような溶融炉12において、まず昇温段階の低温領域13で低温熱分解され、もって溶解化,凝固化,ガラス質化,非繊維化される。
つまり、構造的にはその化学式が分解されると共に、形状的には粒状化される。低温領域13温度は、前述したように融点降下剤Bが混入されており、更には粉砕化されていることも加わり、例えば、約600℃程度から約800℃程度で良い。更に、約500℃程度以上でも可能であり、約1,000℃程度以下でも良く、少なくとも1,100℃を越えることはない。
【0029】
そして溶融炉12では、このような溶融化,ガラス化,非繊維化の後,上記低温領域13よりは高温の中高温領域14、例えば、約1,000℃程度や約1,100℃程度、又はそれらより若干高い温度、例えば約1,500℃程度において、機能性付与材Eが添加される。
すなわち溶融炉12内では、低温領域13より後の中高温領域14において、まず、先の低温領域13でのアスベスト廃材Aの混合材Cの溶融化,ガラス化,非繊維化が不十分で,モレ等があった場合は、この中高温領域14の温度を利用して、完全に溶融化,ガラス化,非繊維化されてしまう。
これと共に溶融炉12内では、その中高温領域14の温度を利用して、事後の利用度向上の為に機能性付与材Eが添加される。機能性付与材Eとしては、酸化鉄と磁性材例えばバナジウムとが代表的であるが、これらの機能性付与材Eは、中高温領域14の温度下では、スムーズに添加されてしまう。
【0030】
さて、主処理手段2の溶融炉12では、このようなステップを辿ることにより、粉砕化されたアスベスト廃材Aの混合材Cは、溶融化,ガラス化,非繊維化,つまり無害化される。そして、リサイクル材としても利用可能な粒状や粉状のスラグFとなって、主処理手段2の溶融炉12の底部から、排出される。
なお、溶融炉12が還元炉よりなる場合、スラグFは、還元スラグとして排出され、溶融炉12が酸化炉よりなる場合、スラグFは、セラミックス灰よりなる酸化スラグとして排出される。なお、図1,図2,図3中のGは、溶融炉12の下部から内部に供給されるエアーである。
主処理手段2は、このようになっている。
【0031】
《後処理手段3について》
次に、図1,図2,図3の各例を参照して、後処理手段3について説明する。このアスベスト処理システムは、更に後処理手段3を有しており、後処理手段3は、主処理手段2にて生成された高温の排気ガスDの熱利用部15と、排気ガスDの冷却部16と、排気ガスD中の有害成分の吸着除去部17と、排気ガスDを吸引すると共に外部排出する集塵機18とを、順に備えている。
このような後処理手段3について、更に詳述する。まず、主処理手段2の上部からは、還元ガスや酸化ガス等よりなる高温の排気ガスDが、付随的に生成,排出される。そして排気ガスDは、まず、後処理手段3の熱利用部15に、排出,供給される。熱利用部15は例えばボイラーよりなり、高温の排気ガスDの熱が有効利用される。
熱利用部15から排出された排気ガスDは、まだ高温なので冷却部16を介し、更に、含有成分を若干含有している可能性がある場合は、介装されることになる活性炭等の吸着除去部17を経由して、集塵機18にて吸引,集塵される。
そして集塵機18から、完全無害化ガスとなって大気放散される。なお、集塵機18にて集塵されたダストは、主処理手段2の溶融炉12へと再度送られて、再分解,溶融化,ガラス化、そしてスラグF化される。
後処理手段3は、このようになっている。
【0032】
《図4の車輌搭載について》
次に、このアスベスト処理システムの車輌搭載について、図4の例を参照して説明する。この図4の例のアスベスト処理システムは、車輌19に搭載されており、アスベスト廃材Aの解体,排出現場に移動可能であり、その主処理手段2の溶融炉12が、電気炉よりなる。
このような車輌19への搭載について、更に詳述する。図示例では、トラクター20で牽引されるトレーラー21上に、アスベスト処理システムを構成する前処理手段1,主処理手段2,後処理手段3等が搭載されている。
その前処理手段1については、前述した所に準じた構成よりなり、図示例では図1に示した前処理手段1が用いられている。主処理手段2の溶融炉12については、誘導加熱方式の電気炉が採用され、もってコンパクト化が実現されている。
後処理手段3は、前述した所に準じた構成よりなるが、図示例では、熱利用部15や吸着除去部17は設けられておらず、冷却部16と集塵機18のみが設けられている。前処理手段1にはセンサ9は、外部隣接付設されている。図中22は電源室である。
このアスベスト処理システムは、この図4のように車輌19へ搭載する方式、つまりアスベスト処理車とすることが可能である。
【0033】
《作用等》
本発明のアスベスト処理システムは、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)アスベスト製品を解体,除去,廃棄する作業現場からは、アスベスト廃材Aが排出される。そして、このアスベスト廃材Aは、本発明のアスベスト処理システムを用いて、無害化処理される。
【0034】
(2)まず、アスベスト廃材Aは、アスベスト処理システムの前処理手段1へと、搬入,投入される。そして前処理手段1において、粉砕化されると共に融点降下剤Bが混入され、もって混合材C化される。
【0035】
(3)前処理手段1としては、各種タイプが採用可能である。例えば、粉砕化部4と混合部8とからなるタイプ、そして粉砕化部4が、粉塵化用密閉型シュレッター5,センサ6,ミスト噴射機7等を備えたタイプ(図1の例を参照)や、更に、パック化部10が設けられたタイプ(図2の例を参照)や、破砕化用の粉砕化部4と略セメント状への混合部8と分配部11とからなるタイプ(図3の例を参照)が、代表的である。
【0036】
(4)このように、前処理手段1にて粉砕化されたアスベスト廃材Aの混合材Cは、次に、アスベスト処理システムの主処理手段2へと供給される。
そして混合材Cは、主処理手段2の溶融炉12において、まず低温熱分解された後、機能性付与材Eが添加される。溶融炉12としては、還元炉又は酸化炉が使用される。
【0037】
(5)このようなステップを辿ることにより、アスベスト廃材Aは、溶融化,ガラス化,非繊維化されて、無害化されると共に、リサイクル材化されたスラグFとなって、排出される。
【0038】
(6)なお、主処理手段2に付設された後処理手段3では、付随的に排出される排気ガスDが、熱利用されると共にクリーン化されて、排出される(図1、図2,図3の例を参照)。
【0039】
(7)さてそこで、この本発明のアスベスト処理システムによると、次のようになる。
まず、このアスベスト処理システムにおいて、アスベスト廃材Aは、前処理手段1で粉砕化されると共に、融点降下剤Bが混入された状態で、主処理手段2に供給されるので、その低温領域13でほとんど熱分解されてしまう。
このように、アスベスト廃材Aを中高温領域14で主に熱分解する訳ではなく、アスベスト廃材Aが中高温領域14で熱分解されることがあっても、それは補完的機能に過ぎない。従って、溶融炉12内を常時中高温領域14として維持する必要はなく、溶融炉12内は経時的,間欠的,一時的に中高温領域14化するに過ぎないので、その分、熱エネルギー負担が大幅に軽減される。
【0040】
(8)又、このアスベスト処理システムでは、前処理手段1での粉砕化プロセスや混合材C化プロセスと、主処理手段2での低温熱分解プロセスとを、組合わせたことにより、アスベスト廃材Aが無害化処理される。
このように、複雑な処理を要することなく、簡単容易な各プロセスのシステム化と組合わせにより、コスト面にも優れつつ処理が行われるので、アスベスト廃材Aの大量無害化処理が可能となる。
なお前処理手段1として、アスベスト廃材Aを細かく粉塵化することなく、大まかに破砕して略セメント状に固める方式を採用すると(図3の例を参照)、細かく粉塵化しない分だけ処理が簡単容易であり処理コスト面にも優れており、大量無害化処理に一段と有利となる。
【0041】
(9)更に、このアスベスト処理システムでは、前処理手段1での粉砕化プロセスと、同前処理手段1での融点降下剤Bの混入プロセスと、主処理手段2での低温熱分解プロセスとを、システム化し組合わせて採用したことにより、アスベスト廃材Aの無害化処理が、確実に実現される。
粉砕化されると共に融点降下されたアスベスト廃材Aは、このような低温熱分解によって、精度高く確実かつ安定的に無害化される。特に、前処理手段1において、アスベスト廃材Aを細かく粉状に粉塵化する方式を採用した場合は(図1,図2の例等を参照)、前処理手段1での低温熱分解が、一段とスムーズに促進されるようになり、精度,確実性,安定度等が一層向上する。
【0042】
(10)しかも、このアスベスト処理システムでは、前処理手段1の粉砕化部4が、密閉型シュレッター5を採用し、アスベスト廃材Aを細かく粉状に粉塵化する方式の場合は、その飛散粉塵濃度検出用の監視センサ6の高濃度検出により、高濃度化し外部漏出の危険がある粉塵を、瞬時に沈塵化してしまうミスト噴射機7が、併用されている(図1,図2の例を参照)。
更に、前処理手段1において、混合材Cをパック詰めする方式を採用した場合は(図2の例を参照)、アスベスト廃材Aを細かく粉状に粉塵化されるにも拘わらず、事後の主処理手段2に向かう工程等において、アスベスト粉塵が外部に漏出,飛散する危険が回避される。又、前処理手段1と主処理手段2との間で、混合材Cを一時保管する際も、パック詰めされているので、同様に外部に漏出,飛散する危険が回避される。これらにより、外部へのアスベスト粉塵の外部漏出,飛散の危険が確実に回避され、安全性が確保される。
又、同様なセンサ9が、前処理手段1付近の外部に隣接付設され、アスベスト粉塵の外部飛散が常時監視されており、この面からも安全性が確保されている。
更に、このアスベスト処理システムを、車輌19に搭載する例では(図4の例を参照)、アスベスト廃材Aの解体,排出現場に移動して、オンサイトにて無害化処理可能なので、一段と安全性が向上する。つまり、解体,排出現場で無害化処理が完結するので、解体,排出現場から前処理手段1や最終処分場への運搬途中に、アスベスト粉塵が外部飛散するリスクが低減される。
【0043】
(11)更に、事後の有効利用も期待される。すなわち、このアスベスト処理システムでは、主処理手段2において、酸化鉄とバナジウム,その他の機能性付与材Eが添加され、もってスラグFが、機能性が付与されたリサイクル材として排出される。
又スラグFは、主処理手段2の溶融炉12が還元炉よりなる場合は、還元スラグとして排出され、溶融炉12が酸化炉の場合は、セラミック灰が酸化スラグとして排出される。
アスベスト廃材Aは、溶融化,ガラス化,非繊維化され,無害化されたスラグFとして排出されるだけでなく、図示例では、このように各種の機能性が付与されたスラグF等となって、排出される。なお、付随的に生成された排気ガスDは、後処理手段3の熱利用部15において、その熱が活用される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るアスベスト処理システムについて、発明を実施するための最良の形態の説明に供し、第1例の正断面説明図である。
【図2】同発明を実施するための最良の形態の説明に供し、第2例の正断面説明図である。
【図3】同発明を実施するための最良の形態の説明に供し、第3例の正断面説明図である。
【図4】同発明を実施するための最良の形態の説明に供し、第4例の正断面説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 前処理手段
2 主処理手段
3 後処理手段
4 粉砕化部
5 密閉型シュレッター
6 センサ
7 ミスト噴射機
8 混合部
9 センサ
10 パック化部
11 分配部
12 溶融炉
13 低温領域
14 中高温領域
15 熱利用部
16 冷却部
17 吸着除去部
18 集塵機
19 車輌
20 トラクター
21 トレーラー
22 電源室
A アスベスト廃材
B 融点降下剤
C 混合材
D 排気ガス
E 機能性付与材
F スラグ
G エアー
H 石灰
【出願人】 【識別番号】503075334
【氏名又は名称】豊田 哲郎
【出願日】 平成19年6月20日(2007.6.20)
【代理人】 【識別番号】100086092
【弁理士】
【氏名又は名称】合志 元延
【公開番号】 特開2009−604(P2009−604A)
【公開日】 平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願番号】 特願2007−162484(P2007−162484)