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【発明の名称】 NaCl含有インスリン製剤
【発明者】 【氏名】エルスベス・ノルップ
【氏名】リセロッテ・ラングクヤー
【氏名】スベント・ハーベルント
【課題】優れた化学的安定性を有するインスリン製剤の提供。

【解決手段】ヒトインスリンまたはその類似体もしくは誘導体、グリセロールおよび/またはマンニトール、並びに5から100mMのハロゲン化物を含んであるインスリン製剤。該ハロゲン化物が、アルカリまたはアルカリ土類ハロゲン化物、好ましくは塩化物、より好ましくは塩化ナトリウムであり、100〜250mM、より好ましくは140〜250mM、より一層好ましくは160〜200mMのグリセロールおよび/またはマンニトールを含むインスリン製剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトインスリン、その類似体および/またはその誘導体、
グリセロールおよび/またはマンニトール、および
5〜100mMのハロゲン化物を含んでなる水性インスリン製剤。
【請求項2】
該ハロゲン化物が、アルカリまたはアルカリ土類ハロゲン化物、好ましくは塩化物、より好ましくは塩化ナトリウムである、請求項1に記載のインスリン製剤。
【請求項3】
100〜250mM、より好ましくは140〜250mM、より一層好ましくは160〜200mMのグリセロールおよび/またはマンニトールを含む、請求項1または2に記載のインスリン製剤。
【請求項4】
B28位がAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaでありB29位がLysまたはProであるヒトインスリン類似体、またはデス(B28-B30)、デス(B27)またはデス(B30)ヒトインスリンを含む、前記請求項のいずれか1項に記載のインスリン製剤。
【請求項5】
B28位がAspまたはLysでありB29位がLysまたはProであるヒトインスリン類似体、好ましくは、AspB28ヒトインスリンまたはLysB28ProB29ヒトインスリンである、請求項4に記載のインスリン製剤。
【請求項6】
デス(B30)ヒトインスリンを含む、請求項4に記載のインスリン製剤。
【請求項7】
5〜60mM、好ましくは5〜40mMのハロゲン化物を含む、前記請求項のいずれか1項に記載のインスリン製剤。
【請求項8】
1以上の親油性置換基を有するヒトインスリン誘導体、好ましくはアシル化インスリンを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインスリン製剤。
【請求項9】
該インスリン誘導体が、B29-Nε-ミリストイル-デス(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイル-デス(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-ミリストイルヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイルヒトインスリン、B28-Nε-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B28-Nε-パルミトイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B30-Nε-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン、B30-Nε-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン、B29-Nε-(N-パルミトイル-γ-グルタミル)-デス(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-(N-リトコリル-γ-グルタミル)-デス(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-デス(B30)ヒトインスリンおよびB29-Nε-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンよりなる群から選ばれる、請求項8に記載のインスリン製剤。
【請求項10】
該インスリン誘導体が、B29-Nε-ミリストイル-デス(B30)ヒトインスリンである、請求項9に記載のヒトインスリン製剤。
【請求項11】
10〜100mM、好ましくは10〜70mMのハロゲン化物を含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載のインスリン製剤。
【請求項12】
インスリン類似体およびインスリン誘導体を含む、前記請求項のいずれか1項に記載のインスリン製剤。
【請求項13】
60〜300nmol/ml、好ましくは240〜1200nmol/mlのヒトインスリン、インスリン類似体またはインスリン誘導体を含む、前記請求項のいずれか1項に記載のインスリン製剤。
【請求項14】
100Uのインスリン当たり10〜40μgのZn、好ましくは、100Uのインスリン当たり10〜26μgのZnを含む、前記請求項のいずれか1項に記載のインスリン製剤。
【請求項15】
0〜5mg/ml、好ましくは0〜4mg/mlのフェノール性化合物を含む、前記請求項のいずれか1項に記載のインスリン製剤。
【請求項16】
0.5〜4.0mg/ml、好ましくは0.6〜4.0mg/mlのm-クレーゾール、または0.5〜4.0mg/ml、好ましくは1.4〜4.0mg/mlのフェノール、またはそれらの混合物を含む、請求項15に記載のインスリン製剤。
【請求項17】
前記請求項のいずれか1項に記載のインスリン製剤を含んでなる非経口用医薬製剤。
【請求項18】
ヒトインスリンまたはその類似体もしくは誘導体を含むインスリン製剤の化学的安定性を改善する方法であって、グリセロールおよび/またはマンニトールと5〜100mMのハロゲン化物とを該製剤に加えることを含んでなる方法。
【発明の詳細な説明】【発明の概要】
【0001】
緒言
本発明は、優れた化学的安定性を有する、ヒトインスリンまたはその類似体もしくは誘導体を含んでなる水性インスリン製剤に関する。さらに、本発明は、そのようなインスリン製剤を含んでなる非経口製剤、インスリン製剤の化学的安定性を改善する方法に関する。
【0002】
発明の背景
糖尿病は、真性糖尿病および尿崩症と同様の過剰な尿排泄を伴うヒトにおける障害の総称である。真性糖尿病は、グルコースを利用する能力がほぼ完全に失われる代謝障害である。全人口の約2%が糖尿病に罹患している。
【0003】
インスリンが1920年に導入されて以来、真性糖尿病の治療を改善するために絶えず進展が図られてきた。極端な血糖値にならないようにするために、糖尿病患者は、インスリンを各食事と共に投与する複数注射療法を受けることが多い。
【0004】
真性糖尿病の治療においては、レギュラーインスリン、Semilente(登録商標)インスリン、イソフェンインスリン、インスリン亜鉛懸濁液、プロタミン亜鉛インスリン、Ultralente(登録商標)インスリンなどの多種多様なインスリン製剤が提案され、使用されている。糖尿病患者は何十年間にもわたりインスリンで治療されるため、安全で生活の質を改善するインスリン製剤が大いに必要とされている。商業的に入手可能なインスリン製剤のいくつかは、迅速な作用発現により特徴づけられ、他の製剤は、比較的遅い作用発現を有するが多少なりとも持続作用を示す。速効性インスリン製剤は、通常、インスリンの溶液であり、一方、遅効性インスリン製剤は、亜鉛塩のみの添加またはプロタミンの添加または両方の組合せにより沈殿した結晶および/または無晶形態のインスリンを含有する懸濁液とすることが可能である。また、迅速な作用発現およびより長い作用持続時間の両方を有する製剤を使用する患者もいる。そのような製剤は、プロタミンインスリン結晶を懸濁させたインスリン溶液とすることが可能である。当該患者に望ましい比率でインスリン溶液と懸濁調製物とを混合することにより、自分自身で最終製剤を調製する患者もいる。
【0005】
ヒトインスリンは、それぞれ21アミノ酸および30アミノ酸を含有するいわゆるA鎖およびB鎖の2本のポリペプチド鎖よりなる。A鎖およびB鎖は、2個のシスチンジスルフィド架橋により互いに結合されている。他のほとんどの種からのインスリンは、同様の構造を有するが、ヒトインスリンと同じアミノ酸を鎖内の対応位置に含有していないことがある。
【0006】
遺伝子工学として知られる方法の開発により、ヒトインスリンに類似した多種多様のインスリン化合物を容易に製造することが可能になった。これらのインスリン類似体においては、1以上のアミノ酸が、ヌクレオチド配列にコードされうる他のアミノ酸で置換されている。前記のとおり、ヒトインスリンは、51アミノ酸残基を含有するため、多数のインスリン類似体が可能となることは明らかであり、実際のところ、興味深い特性を有する多種多様な類似体が製造されている。注射剤として関心が持たれる濃度のヒトインスリン溶液中では、インスリン分子は、六量体の会合形態で存在する(Brangeら, Diabetes Care 13, (1990), 923-954)。皮下注射後、血流による吸収速度は、分子のサイズに左右されると考えられ、この六量体形成を妨害または阻害するアミノ酸置換を有するインスリン類似体は、並外れて迅速な作用発現を有することが判明している(Brangeら, 同誌)。このことは、糖尿病患者にとって治療上非常に貴重である。
【0007】
ヒトインスリンの類似体に基づく医薬製剤は、例えば、Heinemannら, LuttermanらおよびWiefelsらにより“Frontiers in Insulin Phamacology” International Symposium in Hamburg, 1992で公開されている。
【0008】
さらに、米国特許第5 474 978号は、6個の単量体インスリン類似体、亜鉛イオンおよび少なくとも3個のフェノール誘導体分子よりなるヒトイスリン類似体六量体複合体を含む速効性非経口製剤を開示している。
【0009】
通常、インスリン製剤は、皮下注射により投与される。患者にとって重要なのは、インスリン製剤の作用プロフィール(すなわち、注射後の時間の関数としての、グルコース代謝に対するインスリンの作用)である。このプロフィールのうち、とりわけ、作用発現までの時間、作用の最大値および合計作用持続時間が重要である。種々の作用プロフィールを有する様々なインスリン製剤が、患者において望まれており、要求されている。1人の患者が、非常に異なった作用プロフィールを有するインスリン製剤を同じ日に使用することがあるかもしれない。要求される作用プロフィールは、例えば、患者が食べるいずれかの食事の時刻、量および組成に左右される。
【0010】
患者にとって同等に重要なのは、インスリン製剤の化学的安定性である。これは、特に、Penfill(登録商標)カートリッジ(これは、該カートリッジ全体が空になるまでインスリン製剤を貯蔵するものである)を含有する装置などのペン状の注射装置が頻繁に使用されるからである。これは、1.5〜3.0mlのカートリッジを含有する装置の場合、少なくとも1〜2週間は持ちこたえる。貯蔵中、インスリン構造内の共有的な化学変化が生じる。これは、より低活性で潜在的に免疫原性である分子[例えば、脱アミド化産物、より高分子量の変換産物(二量体、重合体など)]の形成につながることがある。インスリンの化学的安定性に関する総括的研究は、Jens Brange, “Stability of Insullin”, Kluwer Academic Publishers, 1994に記載されている。
【0011】
Acta Pharmaceutica Nordica 4(4), 1992, pp. 149-158は、0〜250mMの範囲の種々の濃度の塩化ナトリウムを含むインスリン製剤を開示している。しかしながら、該製剤の主要部分(これには、グリセロールをさらに含む全製剤が含まれる)は、相当に多量(すなわち、120mMの濃度にほぼ相当する0.7%)の塩化ナトリウムを含有する。この文献には、塩化ナトリウムは、一般には、インスリン製剤に対する安定化効果を有するが、グリセロールおよびグルコースは化学的劣化の増大を招くと記載されている。
【0012】
しかしながら、驚くべきことに、優れた化学的安定性のインスリン製剤を、グリセロールおよび/またはマンニトールおよびやや低濃度のハロゲン化物の存在下で得ることができることが、本発明で示された。
【0013】
発明の説明
本発明で用いる「ヒトインスリンの類似体」は、1以上のアミノ酸が欠失し及び/又は他のアミノ酸(コード不可能アミノ酸を含む)で置換されているヒトインスリン、または追加的アミノ酸を含む(すなわち、51個を超えるアミノ酸を含む)ヒトインスリンを意味する。
【0014】
本発明で用いる「ヒトインスリンの誘導体」は、少なくとも1つの有機置換基が1以上のアミノ酸に結合しているヒトインスリンまたはその類似体を意味する。
【0015】
本発明において、単位「U」は6nmolに相当する。
【0016】
本発明は、水性インスリン製剤であって、ヒトインスリン、その類似体および/またはその誘導体、グリセロールおよび/またはマンニトール、および5〜100mMのハロゲン化物を含んでなる水性インスリン製剤に関する。
【0017】
前記インスリン製剤は、例えば、貯蔵後の二量体および重合体および脱アミドインスリンの生成の減少に反映される高い化学的安定性を有する。さらに、物理的安定性が、やや少量のハロゲン化物の存在により低下することはなく、インスリンが、インスリン製剤の長期保存により沈殿することはない。
【0018】
該ハロゲン化物は、アルカリまたはアルカリ土類ハロゲン化物、より好ましくは塩化物、例えば塩化ナトリウムである。
【0019】
グリセロールおよび/またはマンニトールは、好ましくは100〜250mM、より好ましくは140〜250mM、より一層好ましくは160〜200mMの濃度に相当する量で存在する。
【0020】
本発明は、ヒトインスリンの類似体および/または誘導体を含む製剤に関して特に有利である。したがって、本発明のインスリン製剤は、好ましくは、ヒトインスリンの速効性類似体[特に、B28位がAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaでありB29位がLysまたはProである類似体、またはデス(B28-B30)、デス(B27)またはデス(B30)ヒトインスリン]の1以上を含む。該インスリン類似体は、好ましくは、B28位がAspまたはLysでありB29位がLysまたはProであるヒトインスリンの類似体から選ばれる。最も好ましい類似体は、AspB28ヒトインスリンまたはLysB28ProB29ヒトインスリンである。
【0021】
この実施態様では、該インスリン製剤は、好ましくは、5〜60mM、より好ましくは5〜40mMのハロゲン化物を含む。
【0022】
もう1つの実施態様では、本発明のインスリン製剤は、持続作用プロフィールを有するインスリン誘導体(例えば、1以上の親油性置換基を有するインスリン)を含む。好ましい親油性インスリンは、アシル化インスリン、例えばWO 95/07931(Novo Nordisk A/S)に記載のもの、例えば、少なくとも6個の炭素原子を含むアシル置換基をLysB29のε-アミノ基が含有するヒトインスリン誘導体である。
【0023】
好ましいインスリン誘導体を以下に挙げる。
【0024】
B29-Nε-ミリストイル-デス(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイル-デス(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-ミリストイルヒトインスリン、B29-Nε-パルミトイルヒトインスリン、B28-Nε-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B28-Nε-パルミトイルLysB28ProB29ヒトインスリン、B30-Nε-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン、B30-Nε-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン、B29-Nε-(N-パルミトイル-γ-グルタミル)-デス(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-(N-リトコリル-γ-グルタミル)-デス(B30)ヒトインスリンおよびB29-Nε-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-デス(B30)ヒトインスリン、B29-Nε-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリン、最も好ましくは、B29-Nε-ミリストイル-デス(B30)ヒトインスリン。
【0025】
この実施態様では、該インスリン製剤は、好ましくは、10〜100mM、より好ましくは10〜70mMのハロゲン化物を含む。
【0026】
特定の実施態様では、本発明のインスリン製剤は、インスリン類似体およびインスリン誘導体を含む。
【0027】
本発明の好ましい実施態様では、該インスリン製剤は、
60〜300nmol/ml、好ましくは240〜1200nmol/mlのヒトインスリンまたはインスリン類似体もしくは誘導体、
100Uのインスリン当たり10〜40μgのZn、好ましくは、100Uのインスリン当たり10〜26μgのZn、および
0〜5mg/ml、好ましくは0〜4mg/mlのフェノール性化合物を含む。
【0028】
フェノール性化合物としては、0.5〜4.0mg/ml、好ましくは0.6〜4.0mg/mlのm-クレーゾール、または0.5〜4.0mg/ml、好ましくは1.4〜4.0mg/mlのフェノール、またはそれらの混合物が有利に使用される。
【0029】
本発明のインスリン製剤はさらに、インスリン製剤に一般的な他の成分、例えば、シトラートなどの亜鉛錯化剤およびリン酸緩衝液を含有することが可能である。
【0030】
本発明はさらに、本発明のインスリン製剤を含んでなる非経口医薬製剤に関する。
【0031】
さらに、本発明は、ヒトインスリンまたはその類似体もしくは誘導体を含むインスリン製剤の化学的安定性を改善する方法であって、グリセロールおよび/またはマンニトールと5〜100mMのハロゲン化物とを該製剤に加えることを含んでなる方法に関する。
【0032】
つぎに、以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は限定的であるとみなされるべきではない。
【0033】
実施例I
100U/mlのAspB28ヒトインスリン、2.6mg/mlのフェノール、16mg/mlのグリセロールならびに種々の量のZnおよび塩化ナトリウムを含有する溶液を調製した。pHは、7.2〜7.5の範囲の種々の値となった。37℃で4週間後における安定性に関するデータを、以下の表1に記載する。
【表1】


【0034】
実施例II
溶解されたAspB28ヒトインスリンと種々の濃度の塩化ナトリウムとを含有するインスリン製剤を、以下のとおりに製造した。
【0035】
1.6mlの0.2N HClおよび49μlの塩化亜鉛溶液(40mg Zn/ml)を加えることにより、370.4mgのAspB28ヒトインスリンを水に溶解した。40mg/mlのグリセロール、3.75mg/gのフェノールおよび4.30mg/gのm-クレーゾールを含有する40gの溶液を、混合しながら該インスリン溶液に加えた。a)12.0mg/gのリン酸二ナトリウム二水化物+5μl/gの2N水酸化ナトリウム、b)12.0mg/gのリン酸二ナトリウム二水化物+5μl/gの2N水酸化ナトリウム+5mg/gの塩化ナトリウム、またはc)12.0mg/gのリン酸二ナトリウム二水化物+5μl/gの2N水酸化ナトリウム+10mg/gの塩化ナトリウムを含有する20gの溶液を、混合しながら加えた。pHをpH7.40±0.05に調整し、水を加えて100mlにした。該AspB28ヒトインスリン製剤を、Penfill(登録商標)カートリッジ内に導入し、25℃および37℃で安定性試験に付した。それらの2つの異なる温度にて13.5mMのリン酸塩濃度、19.6μg Zn/100UインスリンおよびpH=7.4で得た安定性データを、表2に要約する。
【表2】


【0036】
実施例III
溶解されたAspB28ヒトインスリンと種々の濃度の塩化ナトリウムとを含有するインスリン製剤を、以下のとおりに製造した。
【0037】
1.6mlの0.2N HClおよび49μlの塩化亜鉛溶液(40mg Zn/ml)を加えることにより、369.4mgのAspB28ヒトインスリンを水に溶解した。40mg/gのグリセロール、3.75mg/gのフェノールおよび4.30mg/gのm-クレーゾールを含有する40gの溶液を、混合しながら該溶液に加えた。24.0mg/gのリン酸二ナトリウム二水化物および11μl/gの2N水酸化ナトリウムを含有する10gの溶液を、混合しながら加えた。最後に、40mg/gの塩化ナトリウムを含有する種々の量(0g〜4.38g)の溶液を、表4に記載の塩化ナトリウム濃度になるまで、混合しながら加えた。pHをpH7.40±0.05に調整し、水を加えて100mlにした。該AspB28ヒトインスリン製剤を、Penfill(登録商標)カートリッジ内に導入し、25℃および37℃で安定性試験に付した。それらの2つの異なる温度で13.5mMのリン酸塩濃度で得た安定性データを、表3に要約する。
【表3】


【0038】
実施例IV
溶解されたAspB28ヒトインスリンと種々の濃度のリン酸塩および塩化ナトリウムとを含有するインスリン製剤を、以下のとおりに製造した。
【0039】
1.6mlの0.2N HClおよび49μlの塩化亜鉛溶液(40mg Zn/ml)を加えることにより、357.7mgのAspB28ヒトインスリンを水に溶解した。80mg/gのグリセロール、7.50mg/gのフェノールおよび8.60mg/gのm-クレーゾールを含有する20gの溶液を、混合しながら該溶液に加えた。24.0mg/gのリン酸二ナトリウム二水化物および11μl/gの2N水酸化ナトリウムを含有する種々の量(3.71g〜6.71g)の溶液を、混合しながら加え、最後に、40mg/gの塩化ナトリウムを含有する種々の量(0g〜3.65g)の溶液を、表6に記載の塩化ナトリウム濃度が得られるように、混合しながら加えた。pHをpH7.40±0.05に調整し、水を加えて100mlにした。該AspB28ヒトインスリン製剤を、Penfill(登録商標)カートリッジ内に導入し、25℃および37℃で安定性試験に付した。それらの2つの異なる温度、3つの異なるリン酸塩濃度および19.6μg Zn/100UインスリンおよびpH=7.4での安定性データを、表4、5および6に要約する。
【表4】


【表5】


【表6】


【0040】
実施例V
0.6mM B29-Nε-ミリストイル-デス(B30)ヒトインスリン、1.5〜4.0mg/mlのフェノール、5mMのリン酸ナトリウム、13.1μg/mlのZnならびに種々の量の塩化ナトリウムおよびマンニトールを含有する溶液を調製した。pHを7.4に調整した。25℃で13週間または37℃で8週間の貯蔵後の安定性データ(二量体および重合体の生成)を、以下の表7に示す。
【表7】


【0041】
実施例VI
0.6mM B29-Nε-ミリストイル デス(B30)ヒトインスリン、1.5mg/mlのフェノールおよび1.72mg/mlのm-クレーゾール、16mg/mlのグリセロールまたは36mg/mlのマンニトール、13.1μg/mlのZn、7mMのリン酸ナトリウム、および種々の量の塩化ナトリウムを含有する溶液を調製した。pHを7.5に調整した。25℃で13週間または37℃で8週間の貯蔵後の安定性データ(二量体および重合体の生成)を、以下の表8に示す。
【表8】


【出願人】 【識別番号】391032071
【氏名又は名称】ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【出願日】 平成21年5月7日(2009.5.7)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久

【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎

【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹

【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克

【識別番号】100100952
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 鉄也

【識別番号】100101812
【弁理士】
【氏名又は名称】勝村 紘

【識別番号】100070437
【弁理士】
【氏名又は名称】河井 将次

【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志

【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志

【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子

【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓

【識別番号】100127144
【弁理士】
【氏名又は名称】市原 卓三

【識別番号】100141933
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 元
【公開番号】 特開2009−235075(P2009−235075A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2009−112970(P2009−112970)