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【発明の名称】 皮膚化粧料
【発明者】 【氏名】森 忍
【課題】肌に持続的につやを付与することができる皮膚化粧料の提供。

【解決手段】次の成分(A)〜(E):
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(E):
(A)単糖、糖アルコール、酸化糖ラクトン、及び重合度2〜20のこれらのオリゴマーから選ばれる1種以上 0.2〜20質量%、
(B)25℃における粘度が10,000mm2/s以上の高重合度ジメチルポリシロキサン
0.05〜5質量%、
(C)水溶性造膜性ポリマー 0.2〜20質量%、
(D)油性成分 1〜20質量%、
(E)水 35〜98.55質量%
を含有する皮膚化粧料。
【請求項2】
皮膚のつや付与用である請求項1記載の皮膚化粧料。
【請求項3】
更に、(F)成分(A)以外のポリオールを含有する請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
【請求項4】
ボディローションである請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項5】
皮膚に塗布後、摩擦したとき、皮膚のグロス値が塗布前と比較して1.0〜4.0上昇する請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項6】
次の成分(A)〜(E):
(A)単糖、糖アルコール、酸化糖ラクトン、及び重合度2〜20のこれらのオリゴマーから選ばれる1種以上 0.2〜20質量%、
(B)25℃における粘度が10,000mm2/s以上の高重合度ジメチルポリシロキサン
0.05〜5質量%、
(C)水溶性造膜性ポリマー 0.2〜20質量%、
(D)油性成分 1〜20質量%、
(E)水 35〜98.55質量%
を含有する皮膚化粧料を塗布後、摩擦することを特徴とする皮膚のつや出し方法。
【請求項7】
次の成分(a)〜(e):
(a)デキストリン及びソルビトールから選ばれる1種又は2種以上
0.2〜20質量%、
(b)25℃における粘度が100万mm2/s以上の高重合度ジメチルポリシロキサン
0.05〜5質量%、
(c)ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体から選ばれる1種又は2種以上 0.2〜20質量%、
(d)油性成分 1〜20質量%、
(e)水 35〜98.55質量%
を含有する皮膚化粧料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ボディローション等の皮膚化粧料は、主に保湿を目的として使用されている。
近年、保湿効果に加え、魅力的な肌の「みえ」を与えるボディローションが求められている。特に、肌が美しく見える「つや」を付与することが望まれているが、そのような機能を実現した例を未だ見ることができない。化粧料に油性原料を配合したり、ポリマー皮膜を形成させたりすることで、つやを付与することは容易に想到されるが、油性原料によるつやは持続性に劣り、ポリマー皮膜によるつやは、ポリマーを多量に配合する必要があり、感触が悪く、皮膜が剥がれやすいなどの問題があった。特に衣服その他との摩擦によって、つやは低下していくことが一般的であるため、これらのつや付与成分を多量に用いても、初期にはギラついた過度のつやがあり、それが短期間で失われていくものしか得られなかった。
【0003】
また、特許文献1には、特定の高重合度シリコーン油と水添レシチンを含有し、皮膚に健康的なツヤと柔軟なハリを付与する皮膚用化粧料が記載されている。
しかしながら、このような化粧料においても、十分なつやを得ることはできず、つやを付与する効果が持続するものでもなかった。
【特許文献1】特開2005−8540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、肌に持続的につやを付与することができる皮膚化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、特定の糖類、高重合度ジメチルポリシロキサン、水溶性造膜性ポリマー及び油性成分を特定の割合で組み合わせて用いることにより、肌に持続的につやを付与することができる皮膚化粧料が得られることを見出した。
【0006】
本発明は、次の成分(A)〜(E):
(A)単糖、糖アルコール、酸化糖ラクトン、及び重合度2〜20のこれらのオリゴマーから選ばれる1種以上 0.2〜20質量%、
(B)25℃における粘度が10,000mm2/s以上の高重合度ジメチルポリシロキサン
0.05〜5質量%、
(C)水溶性造膜性ポリマー 0.2〜20質量%、
(D)油性成分 1〜20質量%、
(E)水 35〜98.55質量%
を含有する皮膚化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の皮膚化粧料は、肌に十分なつやを付与することができ、摩擦によりそのつやが向上し、しかもその効果が持続するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で用いる成分(A)は、単糖、糖アルコール、酸化糖ラクトン、及び重合度2〜20のこれらのオリゴマーから選ばれるものである。
単糖としては、例えば、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、フルクトース、ソルボース等が挙げられる。
糖アルコールとしては、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール等が挙げられる。
【0009】
酸化糖ラクトンとしては、グルコン酸ラクトン、ガラクトン酸ラクトン、マンノ酸ラクトン等が挙げられる。
重合度2〜20のオリゴマーとしては、マルトース、ラクトース、セロビオース、スクロース、トレハロース等の二糖類、マルトトリオース、ラフィノース等の三糖類、スタキオース等の四糖類、デキストリン等のオリゴマーが挙げられる。これらの糖オリゴマーの重合度は数平均重合度であり、例えば浸透圧法、末端基定量法、GPC法等で求められる。
【0010】
成分(A)としては、特にグルコース、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、デキストリンが好ましい。デキストリンはデンプンの分解物であり、重合度及び分岐度の異なるものが種々存在する。デキストリンの分岐度は特に制限されないが、水溶性を示すものであることが好ましい。デキストリンの重合度は比較的低いものが好ましく、2〜15、特に3〜12が好ましい。
【0011】
成分(A)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.2〜20質量%、好ましくは1〜10質量%含有される。この範囲内であると、つやが持続し、また塗布時の肌のベタツキやヨレ等の問題が生じにくい。
【0012】
本発明で用いる成分(B)の高重合ジメチルポリシロキサンは、25℃における粘度が10,000mm2/s以上、好ましくは10万mm2/s以上、更に好ましくは100万〜1億mm2/sのものである。このような粘度の高重合度ジメチルポリシロキサンを用いることにより、持続性のある適度なつやが発現し、塗布時の感触にも優れる化粧料となる。なお、高重合度ジメチルポリシロキサンの粘度は、例えばコーンプレート式レオメーターで測定される。
【0013】
成分(B)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%含有される。この範囲内であると、塗布時の感触及びつやに優れる。
また、成分(A)と成分(B)の質量割合は、(A):(B)=100:1〜1:1、特に50:1〜2:1であるのが、摩擦に強く、持続性に優れるつやが与えられるので好ましい。
【0014】
成分(C)の水溶性造膜性ポリマーとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、ゼラチン、グアガム等の天然ポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース等の半合成ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体等の合成ポリマーが挙げられる。合成ポリマーにおいては、本発明の効果が失われない範囲で他のビニルモノマーを共重合しても良い。
【0015】
成分(C)としては、特にポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、およびそれらの共重合体が好ましい。
【0016】
成分(C)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.2〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%含有される。この範囲内であると、好ましい感触と適度で持続性のあるつやを発現する。
また、成分(A)と成分(C)の質量割合は、(A):(C)=100:1〜1:10、特に10:1〜1:1であるのが好ましい。この範囲であると、良い感触を維持しつつ、適度なつやを持続させることができる。
【0017】
成分(D)の油性成分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、ヤシ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ホホバ油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル等の液体油脂;カカオ脂、パーム油、パーム核油、硬化ヒマシ油等の固体油脂;ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、モクロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、流動イソパラフィン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等の高級脂肪酸;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分岐鎖かつまたは脂環式アルコール、成分(B)以外のシリコーン類などが挙げられる。
【0018】
成分(D)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.2〜20質量%、好ましくは2〜10質量%含有される。この範囲内であると、つやと使用感に優れ、また、エモリエント効果と使用感に優れる製剤をあたえる。
【0019】
成分(E)の水は、全組成中に35〜98.55質量%、特に50〜90質量%含有されるのが、塗布性、使用感、製剤の安定性等の点で優れ、持続性のあるつやを発現するので好ましい。
【0020】
本発明の皮膚化粧料は、更に(F)ポリオールを含有することができ、摩擦に強く、持続性に優れるつやが付与されるので好ましい。なお、成分(A)も広義のポリオールに属するが、ここでは成分(A)以外のポリオール類を指すものである。
かかるポリオールとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、分子量1000以下のポリエチレングリコール、分子量3000以下のポリプロピレングリコール等のアルキレングリコール誘導体が挙げられる。
【0021】
成分(F)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜20質量%、特に0.5〜10質量%含有されるのが、適度なつやが持続する点で好ましい。
【0022】
本発明の皮膚化粧料は、前記成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、界面活性剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、増粘剤、ゲル化剤、粉体、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、保湿剤、香料、着色剤、pH調整剤等を含有することができる。また、ビタミン類、血行促進剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の薬効成分、生理活性成分を含有することもできる。
界面活性剤としては各種の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。特に、安定な水中油型製剤を得るためには、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、デキストリン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が好適に用いられる。
【0023】
本発明の皮膚化粧料は、乳液、クリーム、ペースト、ゲル等の化粧品として受け入れられる任意の剤形とすることができる。特に、水中油型の乳化化粧料が好ましい。本発明の皮膚化粧料は前記成分を混合し、通常の方法に従って製造することができる。
【0024】
本発明の皮膚化粧料は、皮膚につやを付与することができ、ボディローションとして好適である。特に、皮膚に塗布後、摩擦したときに、皮膚のグロス値を塗布前と比べて1.0〜4.0上昇させることができる。グロス値の上昇幅がこの範囲よりも小さいとつやの向上が判別しにくく、この範囲よりも大きいと不自然なぎらつきに見える傾向がある。ここで、グロス値とは、鏡面光沢度と言われるもので、入射光に対する反射光の強度をガラス板を100とした時の相対値であらわすものであり、具体的にはJIS Z8741に従って測定される。
【0025】
また、本発明の皮膚化粧料は、皮膚に塗布した後、乾燥してから塗布した部分を更に手又は布等を用いてこする(摩擦する)ことにより、つやが保持されるか、または、より向上する。通常の皮膚化粧料においては、つやは初期に高く、経時的あるいは摩擦によって低下するのが一般的であるが、本発明の皮膚化粧料を使用する場合はつやが低下しないので、つやの変化が少ない。すなわち、本発明の皮膚化粧料は長時間に渡って自然なつやを保持することができる点で、きわめて好ましい特質を有している。
本発明の皮膚化粧料がこのような優れた特性を示す理由は明らかではないが、成分(A)の低分子量の糖類と成分(C)の水溶性造膜性ポリマーが相互作用して適度な皮膚追随性を有する皮膜を形成し、その皮膜を摩擦することによって、皮膜内に分散されていた成分(B)の高重合度シリコーンが表面にしみ出すことでつやが発現するものと推定される。
【実施例】
【0026】
実施例1
表1に示す組成の皮膚化粧料(ボディローション)を製造し、皮膚に塗布したときのつやを評価した。結果を表1に併せて示す。
【0027】
(製造方法)
油相成分(D,B)及び界面活性剤(POE(20)セトステアリルエーテル)を75℃で混合した。別途、水相成分(A,C,E,F)を75℃にて混合溶解した。両成分を同温度にて、卓上ミキサーを用いて撹拌翼で混合、乳化しながら室温まで放冷し、皮膚化粧料を得た。
【0028】
(評価方法)
あらかじめ水で充分洗浄した前腕内側部をエアドライヤーで3分間乾燥させた後、グロス値を測定した(初期)。次に当該部位(25×5cm2)に皮膚化粧料を2mg/mm2塗布し、再びエアドライヤーで3分間乾燥させた後、グロス値を測定した(直後)。さらに当該塗布乾燥部位を、ティッシュペーパーをあてた手で10回摩擦した後、グロス値を測定した(摩擦後)。直後、および、摩擦後のグロス値から初期のグロス値を引いたものをグロス変化量(ΔGU)として示した。
なお、グロス値の計測はコニカミノルタ製のグロスメーター(型式GM-268)を用い、入射角/受光角を60°/−60°に設定して行い、同一部位3回の測定の平均値を用いた。被検者の肌の初期グロス値は1.8であった。
【0029】
【表1】


【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成20年3月28日(2008.3.28)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
【公開番号】 特開2009−235026(P2009−235026A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−85698(P2008−85698)