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高血圧治療剤および糖尿病治療剤の製造方法 - 特開2009−234966(P2009−234966A) | j-tokkyo
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【発明の名称】 高血圧治療剤および糖尿病治療剤の製造方法
【発明者】 【氏名】吉川 正明
【課題】天然物由来のアンジオテンシン変換酵素阻害作用、血圧降下作用に優れたラクトフェリン由来ペプチドを有効成分として含む、高血圧治療剤および糖尿病治療剤の製造方法を提供する。

【解決手段】ラクトフェリンを微生物起源のプロテアーゼで酵素処理し、ラクトフェリン由来ペプチドを得る工程を有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトフェリンを微生物起源のプロテアーゼで酵素処理し、ラクトフェリン由来ペプチドを得ることを特徴とする、高血圧治療剤の製造方法。
【請求項2】
前記微生物由来のプロテアーゼがサーモライシンである、請求項1記載の高血圧治療剤の製造方法。
【請求項3】
前記ラクトフェリン由来ペプチドが、ACE阻害活性または動脈弛緩作用を有する、請求項1または2記載の高血圧治療剤の製造方法。
【請求項4】
ラクトフェリンを微生物起源のプロテアーゼで酵素処理し、ラクトフェリン由来ペプチドを得ることを特徴とする、糖尿病治療剤の製造方法。
【請求項5】
前記微生物由来のプロテアーゼがサーモライシンである、請求項4記載の糖尿病治療剤の製造方法。
【請求項6】
前記ラクトフェリン由来ペプチドが、ACE阻害活性または動脈弛緩作用を有する、請求項4または5記載の糖尿病治療剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ラクトフェリンを微生物起源のプロテアーゼで酵素処理し、ラクトフェリン由来ペプチドを得ることを特徴とする、高血圧治療剤および糖尿病治療剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本人の三大死因の中で一部のがん(肺がん・胃がん・大腸がんなど)、心疾患(狭心症や脳卒中などの虚血性心疾患)、脳血管障害(脳卒中)や、そのリスクファクターである高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病などは、加齢よりもむしろ食生活や運動習慣、職場や家庭などのストレスといった、普段の生活習慣が原因となることがわかってきている。そして、これらを総称する生活習慣病を改善する(リスクを軽減する)ための医薬品、食品の開発は、医薬品業界、食品業界の責務である。
【0003】
とりわけ、高血圧や糖尿病のリスク軽減は、生活習慣病の予防、種々の疾病の併発を防止する目的で有効であると考えられるところ、高血圧を例にとった場合、その治療方法の主なものには、アンジオテンシン変換酵素を阻害する方法や動脈弛緩を弛緩させる方法があげられる。アンジオテンシン変換酵素を阻害する方法とは、アンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの変換酵素を阻害し、昇圧効果を示すアンジオテンシンIIの産生を抑えるというものである。
【0004】
ところで、これまでに多くのアンジオテンシン変換酵素阻害薬(以下、ACE阻害薬という)が開発されているが、優れたACE阻害作用を有する物質の探索は、高血圧治療剤を開発する目的から、なおも続けられている。そして、天然物中に見出されるACE阻害物質は極めて稀で、わずかにブラジル産や日本産蛇毒より得られたテプロタイドなどが知られているに過ぎない(特許文献1参照)が、近年その中で、牛乳由来タンパクであるラクトフェリンを由来とするペプチドにも、ACE阻害作用が見出されている。例えば、特許文献2に記載されているように、ラクトフェリンをペプシンで分解しすることによりACE阻害ペプチドを生成することが報告されているが、その活性は充分ではなく、現状では、優れた活性を示すACE阻害ペプチドの製造方法については、いまだ確立された方法はない。
【0005】
【特許文献1】特開昭58−177920号公報
【特許文献2】Chinese J. Physiology 49(2) 67-73(2006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、天然物由来のACE阻害作用、血圧降下作用に優れたラクトフェリン由来ペプチドを有効成分として含む、高血圧治療剤および糖尿病治療剤の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、ラクトフェリンを微生物起源のプロテアーゼ、特にはサーモライシンを用いて酵素処理し、ラクトフェリン由来ペプチドを得ることを特徴とする、高血圧治療剤および糖尿病治療剤の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ACE阻害作用、動脈弛緩作用を有し、血圧降下作用に優れたラクトフェリン由来のペプチドを有効成分として含む、高血圧治療剤および糖尿病治療剤の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、ラクトフェリンを微生物起源のプロテアーゼ、特にはサーモライシンを用いて酵素処理し、ラクトフェリン由来ペプチドを得ることを特徴とする、高血圧治療剤および糖尿病治療剤の製造方法に関する。
【0010】
なお、サーモライシンとは、バチルス・サーモプロテオリティカス(Bacillus thermoproteolyticus)が産生するプロテアーゼの1種であり、本発明の活性をもつ組成物は、当該サーモライシンを用いる場合に特に効果的に得られ、他の公知のプロテアーゼであるペプシン、トリプシン、キモトリプシンなどでタンパクを分解しても本発明の如き強力な作用をもつ組成物は得られない。
【0011】
本発明で用いるラクトフェリンは、牛乳やミルクホエータンパク質を陽イオンカラム樹脂を用いて得る。
【0012】
得られたラクトフェリン1gに対し、サーモライシンを10〜200重量%となるよう添加し、温度10〜60℃、pH4〜8、反応時間10分〜10時間、好ましくは、1〜6時間の反応条件下で疎水性アミノ酸のペプチド結合が分解率5%以上になるまで静置または撹拌下、反応を続けて目的物を得る。
【0013】
分解率は、全窒素に対するアミノ態窒素の%で表す。ただし、Journal of Agricultural and food Chemistry 24 No.6 1090〜1093(1976)に基づいて測定する。
【0014】
得られたACE阻害剤含有組成物は、各種のペプチドの混合物であり、そのまま使用してもよく、後処理加工して用いてもよい。
【0015】
かくして得られたペプチドは、アンジオテンシン変換酵素作用を有し、血圧降下作用、ブラジキニン不活化抑制作用を示し、本態性高血圧、腎性高血圧、副腎性高血圧などの高血圧症の予防、治療剤、これらの疾患の診断剤や各種の病態において用いられる血圧降下剤、狭心病発作の閾値上昇、心筋梗塞の減少、うっ血性心不全における病態の改善剤として有用であり、かかるペプチドの投与経路としては、経口投与、非経口投与、直腸内投与のいずれでもよいが、経口投与が好ましい。かかるペプチドの投与量は化合物の種類、投与方法、患者の症状・年令等により異なるが、通常1回0.001〜1000mg、好ましくは0.01〜10mgを1日当たり1〜3回である。かかるペプチドは通常、製剤用担体と混合して調製した製剤の形で投与される。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、かつペプチドと反応しない物質が用いられる。
【0016】
具体的には、例えば乳糖、ブドウ糖、マンニット、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、庶糖、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、流動パラフィン、白色ワセリン、フルオロカーボン、非イオン界面活性剤、プロピレングリコール、水等があげられる。剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、坐剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、吸入剤、注射剤等があげられる。これらの製剤は常法に従って調製される。なお、液体製剤にあっては、用時、水または他の適当な媒体に溶解または懸濁する形であってもよい。また錠剤、顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、本発明の方法で製造したペプチドを水に溶解させて調製されるが、必要に応じて生理食塩水あるいはブドウ糖溶液に溶解させてもよく、また緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
【0017】
これらの製剤は、本発明の製造法でペプチドを0.01重量%以上、好ましくは0.5〜70重量%の割合で含有することができる。これらの製剤はまた、治療上価値ある他の成分を含有していてもよい。
【実施例】
【0018】
つぎに、実施例にもとづいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0019】
実施例1、比較例1〜4
10%ラクトフェリン(Tatua Nutritionals, Morrinsville, New Zealand)1gに水100mLを加え(以下、ラクトフェリン液という)、撹拌したのち、表1に示すプロテアーゼを作用させた後、100℃で10分間煮沸後放置して得た上清のACE阻害活性を測定した。
【0020】
(プロテアーゼの作用条件)
サーモライシン、トリプシン、キモトリプシンを作用させる場合は、反応液を水酸化ナトリウムでpH7.0とし、また、ペプシンを作用させる場合は、塩酸でpH1.6として、反応温度37℃で5時間静置反応を行った。
【0021】
酵素量は、ラクトフェリン液に対してすべて1/100重量部添加した。
【0022】
(ACE阻害活性の測定)
ACE活性は、CheungとCushmanの方法(Biochemical Pharmacology 20,1637(1971))に準じて以下の方法で行った。
【0023】
酵素基質;Bz(ベンジル)-Gly-His-Leu(86mgと水8mlに溶解した溶液)
酵素;うさぎの肺のアセトンパウダー(シグマ社製)(1gを50mMのリン酸緩衝液10ml中で粉砕した後、遠心分離した上清液)
【0024】
上記の酵素基質を100μl、酵素溶液を12μlおよび本発明の所定濃度のペプチドを混合し、水で全体を250μlとした後、37℃で30分間反応を行った。
【0025】
反応は、1NのHClを1250μl用いて終了させた。反応終了液も酢酸エチル1.5mlを入れ、Voltexで15秒撹拌し、それを遠心分離した。酢酸エチル層から1.0mlを取り出し、酢酸エチルを除去し、それに1mlの蒸留水を入れて残渣を溶解し、抽出された馬尿酸の紫外線吸収228nmの値(OD228)を測定した。
【0026】
阻害率は、阻害剤なしで反応したときのOD228を100%とし、反応時間0分のときのOD228を0%として求め、阻害率50%のときの阻害剤(本発明のペプチド)の濃度IC50(mg/ml)で活性を表示した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】


【0028】
表1に示されるように、サーモライシンを用いた実施例1のみが、IC50の値が低くなり、高いACE阻害活性が確認された。
【0029】
本実施の形態では、ACE阻害活性を例示して説明したが、本願発明は、高血圧治療剤のみならず、生活習慣病改善食品に応用することも可能である。
【出願人】 【識別番号】500333132
【氏名又は名称】日本サプリメント株式会社
【出願日】 平成20年3月26日(2008.3.26)
【代理人】 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太

【識別番号】100149630
【弁理士】
【氏名又は名称】藤森 洋介
【公開番号】 特開2009−234966(P2009−234966A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−81733(P2008−81733)