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【発明の名称】 デイジーから得られる中性脂質吸収抑制剤及びサポニン化合物並びにその用途
【発明者】 【氏名】村岡 修
【氏名】吉川 雅之
【氏名】森川 敏生
【氏名】松田 久司
【課題】キク科植物であるデイジーの花部より得られる中性脂質吸収抑制剤、中性脂質吸収抑制効果を有するヒト又は動物用医薬もしくは食品、さらに、デイジーの花部の抽出成分を分離、精製することにより得ることができる新規サポニン化合物を提供する。

【解決手段】デイジーの花部、水もしくは低級脂肪族アルコールの含水物等によりデイジーの花部を抽出して得られる抽出液、又は前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、又は該抽出液等を分離、精製して得られるサポニン化合物を含む中性脂質吸収抑制剤。該中性脂質吸収抑制剤を含有するヒト又は動物用医薬及び食品。並びに該抽出液等を分離、精製することにより得ることができる新規サポニン化合物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デイジーの花部、デイジーの花部を、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により抽出して得られる抽出液、又は前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキスを有効成分として含むことを特徴とする中性脂質吸収抑制剤。
【請求項2】
下記構造式(1)で表されることを特徴とするサポニン化合物。
【化1】


【請求項3】
下記構造式(2)で表されることを特徴とするサポニン化合物。
【化2】


【請求項4】
下記構造式(26)で表されることを特徴とするサポニン化合物。
【化3】


【請求項5】
下記構造式(27)で表されることを特徴とするサポニン化合物。
【化4】


【請求項6】
下記構造式(28)で表されることを特徴とするサポニン化合物。
【化5】


【請求項7】
下記構造式(29)で表されることを特徴とするサポニン化合物。
【化6】


【請求項8】
下記構造式(32)で表されることを特徴とするサポニン化合物。
【化7】


【請求項9】
下記構造式(37)で表されることを特徴とするサポニン化合物。
【化8】


【請求項10】
請求項2ないし請求項9のいずれか1項に記載のサポニン化合物、及び下記の構造式(42)で表されるサポニン化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を有効成分として含むことを特徴とする中性脂質吸収抑制剤。
【化9】



[式中、Rは下記式IIで表される置換基である。]
【化10】


【請求項11】
請求項1又は請求項10に記載の中性脂質吸収抑制剤を含有することを特徴とするヒト又は動物用の医薬品。
【請求項12】
請求項1又は請求項10に記載の中性脂質吸収抑制剤を含有することを特徴とする食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、キク科(Asteraceae)植物であるデイジーの花部、その抽出物もしくは抽出エキス、又はこれらから得られるサポニン化合物を含有する中性脂質吸収抑制剤、及びその中性脂質吸収抑制剤を含有する医薬や健康食品に関する。本発明は、さらに、デイジーの花部、その抽出物又は抽出エキスから得られる新規サポニン化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デイジー(学名:Bellis perennis L.)は、和名をヒナギク(雛菊)、エンメイギク(延命菊)及びチョウメイギク(長命菊)などとも称される多年生植物である。西洋諸国では古くから、デイジーの若葉、蕾や花部などをサラダに加えて食用としても用いており、また、その根部は薬用としてリウマチや傷の治療、去痰薬などとしても用いられていた(非特許文献1)。又、非特許文献1等では、これまでに、デイジーの含有成分としてその根部について数種のサポニン成分などが報告されている。しかし、花部についての詳細な含有成分の探索やその生物活性評価などの科学的研究は殆ど実施されていなかった。
【非特許文献1】Li W., Asada Y., Koike K., Nikaido T., Furuya T., Yoshikawa T., Tetrahedron, 61, 2921−2929 (2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、デイジーの花部に関する詳細な含有成分の探索、及びその薬剤としての作用についての研究に基づいてなされたもので、デイジーの花部より得られ、中性脂質吸収抑制作用を有する薬剤(中性脂質吸収抑制剤)を提供することを目的とする。本発明は、又、これらを含有するヒト又は動物用医薬、及び、この中性脂質吸収抑制剤を含有する食品を提供することを目的とする。本発明は、さらに、デイジーの花部より得ることができる新規サポニン化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、デイジーの花部や、デイジーの花部を水や低級脂肪族アルコール等により抽出して得られた抽出液、前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキスについて、又、前記抽出液や抽出エキスより分離、精製して得られる化合物について、中性脂質吸収抑制作用としての活性評価の指標として、マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質上昇抑制作用、及びリパーゼ阻害作用を検討した。その結果、デイジーの花部、デイジーの花部を水や低級脂肪族アルコール等による抽出液や抽出エキスがこの作用を示すことを見出した。さらに、抽出液や抽出エキスより分離、精製して得られる化合物の中に、中性脂質吸収抑制作用を示す化合物が含まれていることを見出した。さらに又、抽出液や抽出エキスより分離、精製して得られる化合物の中に新規なサポニン化合物があることも見出した。以下に示す態様の本発明は、これらの結果に基づいて、完成されたものである。
【0005】
本発明は、その第1の態様として、デイジーの花部、デイジーの花部を、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により抽出して得られる抽出液、又は前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキスを有効成分として含むことを特徴とする中性脂質吸収抑制剤を提供する(請求項1)。
【0006】
本発明者は、さらに、前記の抽出液又は抽出エキスを分離、精製を行い、分離、精製された化合物の諸物性を測定し、構造解析を行った結果、前記の抽出液又は抽出エキスには、下記の構造式(1)〜(39)のいずれかの構造式で表される新規なサポニン化合物、及び下記の構造式(40)〜(58)のいずれかの構造式で表される既知のサポニン化合物が含まれていることを見出した。
【0007】
即ち、デイジーの花部の抽出により得られる新規なサポニン化合物は、以下に示す構造式(1)〜(39)のいずれかの構造式で表される化合物である。
【0008】
【化1】


【0009】
【化2】


【0010】
【化3】


【0011】
【化4】


【0012】
【化5】


【0013】
【化6】


【0014】
【化7】


【0015】
【化8】


【0016】
【化9】


【0017】
【化10】


【0018】
【化11】


【0019】
【化12】


【0020】
【化13】


【0021】
【化14】


【0022】
【化15】


【0023】
【化16】


【0024】
【化17】


【0025】
【化18】


【0026】
【化19】


【0027】
【化20】


【0028】
【化21】


【0029】
【化22】


【0030】
【化23】


【0031】
【化24】


【0032】
【化25】


【0033】
【化26】


【0034】
【化27】


【0035】
【化28】


【0036】
【化29】


【0037】
【化30】


【0038】
【化31】


【0039】
【化32】


【0040】
【化33】


【0041】
【化34】


【0042】
【化35】


【0043】
【化36】


【0044】
【化37】


【0045】
【化38】


【0046】
【化39】


【0047】
なお、構造式(1)〜(39)のいずれかの構造式で表される新規サポニン化合物を、それぞれ、以下のように命名した。
【0048】
構造式(1)の化合物:ペレニソシドI(perennisoside I)
構造式(2)の化合物:ペレニソシドII(perennisoside II)
構造式(3)の化合物:ペレニソシドIII(perennisoside III)
構造式(4)の化合物:ペレニソシドIV(perennisoside IV)
構造式(5)の化合物:ペレニソシドV(perennisoside V)
構造式(6)の化合物:ペレニソシドVI(perennisoside VI)
構造式(7)の化合物:ペレニソシドVII(perennisoside VII)
構造式(8)の化合物:ペレニソシドVIII(perennisoside VIII)
構造式(9)の化合物:ペレニソシドIX(perennisoside IX)
構造式(10)の化合物:ペレニソシドX(perennisoside X)
構造式(11)の化合物:ペレニソシドXI(perennisoside XI)
構造式(12)の化合物:ペレニソシドXII(perennisoside XII)
構造式(13)の化合物:ペレニソシドXIII(perennisoside XIII)
構造式(14)の化合物:ペレニソシドXIV(perennisoside XIV)
構造式(15)の化合物:ペレニソシドXV(perennisoside XV)
構造式(16)の化合物:ペレニソシドXVI(perennisoside XVI)
構造式(17)の化合物:ペレニソシドXVII(perennisoside XVII)
構造式(18)の化合物:ペレニソシドXVIII(perennisoside XVIII)
構造式(19)の化合物:ペレニソシドXIX(perennisoside XIX)
構造式(20)の化合物:ペレニサポニンA(perennisaponin A)
構造式(21)の化合物:ペレニサポニンB(perennisaponin B)
構造式(22)の化合物:ペレニサポニンC(perennisaponin C)
構造式(23)の化合物:ペレニサポニンD(perennisaponin D)
構造式(24)の化合物:ペレニサポニンE(perennisaponin E)
構造式(25)の化合物:ペレニサポニンF(perennisaponin F)
構造式(26)の化合物:ペレニサポニンG(perennisaponin G)
構造式(27)の化合物:ペレニサポニンH(perennisaponin H)
構造式(28)の化合物:ペレニサポニンI(perennisaponin I)
構造式(29)の化合物:ペレニサポニンJ(perennisaponin J)
構造式(30)の化合物:ペレニサポニンK(perennisaponin K)
構造式(31)の化合物:ペレニサポニンL(perennisaponin L)
構造式(32)の化合物:ペレニサポニンM(perennisaponin M)
構造式(33)の化合物:ペレニサポニンN(perennisaponin N)
構造式(34)の化合物:ペレニサポニンO(perennisaponin O)
構造式(35)の化合物:ペレニサポニンP(perennisaponin P)
構造式(36)の化合物:ペレニサポニンQ(perennisaponin Q)
構造式(37)の化合物:ペレニサポニンR(perennisaponin R)
構造式(38)の化合物:ペレニサポニンS(perennisaponin S)
構造式(39)の化合物:ペレニサポニンT(perennisaponin T)
【0049】
又、デイジーの花部の抽出により得られる既知のサポニン化合物は、以下に示す構造式(40)〜(58)のいずれかの構造式で表される化合物である。
【0050】
【化40】


【0051】
構造式(40):上記構造式(A)で、R及びRがともに水素の場合。
構造式(41):上記構造式(A)で、Rが下記式Iで表される置換基であり、Rが水素の場合。
構造式(42):上記構造式(A)で、Rが下記式IIで表される置換基であり、Rが水素の場合。
構造式(43):上記構造式(A)で、Rが下記式IIで表される置換基であり、Rがアセチル基(CHCO−)の場合。
【0052】
【化41】


【0053】
【化42】


【0054】
【化43】


【0055】
構造式(44):上記構造式(B)で、R及びRがともにβ−D−グルコピラノシルであり、R及びRがともにアセチル基であり、Rがα−L−ラムノピラノシルである場合。
構造式(45):上記構造式(B)で、R、R及びRがともに水素であり、R及びRがともにβ−D−グルコピラノシルである場合。
構造式(46):上記構造式(B)で、R、R及びRがともに水素であり、Rがα−L−ラムノピラノシルであり、Rがβ−D−グルコピラノシルである場合。
構造式(47):上記構造式(B)で、R及びRがともにβ−D−グルコピラノシルであり、R及びRがともに水素であり、Rがα−L−ラムノピラノシルである場合。
【0056】
【化44】


【0057】
構造式(48):上記構造式(C)で、Rが水素である場合。
構造式(49):上記構造式(C)で、Rがβ−D−グルコピラノシルである場合。
構造式(50):上記構造式(C)で、Rがβ−D−グルクロノピラノシルである場合。
構造式(51):上記構造式(C)で、Rが6−メチルβ−D−グルクロノピラノシルである場合。
【0058】
【化45】


【0059】
構造式(52):上記構造式(D)で、Rがα−L−ラムノピラノシル(1→6)β−D−グルコピラノシルであり、Rが水素の場合。
構造式(53):上記構造式(D)で、Rがβ−D−グルコピラノシルであり、Rがメチル基である場合。
構造式(54):上記構造式(D)で、Rがβ−D−グルクロノピラノシルであり、Rがメチル基である場合。
構造式(55):上記構造式(D)で、Rがα−L−ラムノピラノシル(1→6)β−D−グルコピラノシルであり、Rがメチル基である場合。
構造式(56):上記構造式(D)で、Rがα−L−ラムノピラノシル(1→6)β−D−ガラクトピラノシルであり、Rがメチル基である場合。
【0060】
【化46】


【0061】
本発明者は、さらに、前記の化合物のいくつかについて、中性脂質吸収抑制作用としての活性評価の指標として、マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質上昇抑制作用、及びリパーゼ阻害作用を検討した。その結果、前記の新規なサポニン化合物、及び前記の既知のサポニン化合物の中には、中性脂質吸収抑制作用を示すものがあることを見出し、本発明の第2の態様及び第3の態様を完成した。
【0062】
即ち、本発明は、その第2の態様として、デイジーの花部の抽出により得られ、中性脂質吸収抑制作用を示す以下の新規化合物を提供する。
【0063】
前記構造式(1)で表されることを特徴とするサポニン化合物(請求項2)。
前記構造式(2)で表されることを特徴とするサポニン化合物(請求項3)。
前記構造式(26)で表されることを特徴とするサポニン化合物(請求項4)。
前記構造式(27)で表されることを特徴とするサポニン化合物(請求項5)。
前記構造式(28)で表されることを特徴とするサポニン化合物(請求項6)。
前記構造式(29)で表されることを特徴とするサポニン化合物(請求項7)。
前記構造式(32)で表されることを特徴とするサポニン化合物(請求項8)。
前記構造式(37)で表されることを特徴とするサポニン化合物(請求項9)。
【0064】
又、本発明はその第3の態様として、前記構造式(1)で表されるサポニン化合物、構造式(2)で表されるサポニン化合物、構造式(26)で表されるサポニン化合物、構造式(27)で表されるサポニン化合物、構造式(28)で表されるサポニン化合物、構造式(29)で表されるサポニン化合物、構造式(32)で表されるサポニン化合物、構造式(37)で表されるサポニン化合物、及び構造式(42)で表されるサポニン化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を有効成分として含むことを特徴とする中性脂質吸収抑制剤を提供する。即ち、デイジーの花部の抽出により得られ、中性脂質吸収抑制作用を示すサポニン化合物を有効成分として含むことを特徴とする中性脂質吸収抑制剤である。
【0065】
前記の第1の態様及び第3の態様の中性脂質吸収抑制剤は、中性脂質吸収抑制作用を有するため、これを医薬に含有させることにより、中性脂質吸収抑制作用を有する医薬を得ることができる。即ち、本発明は、その第4の態様として、前記の第1の態様及び第3の態様の中性脂質吸収抑制剤を含有することを特徴とするヒト又は動物用の医薬を提供する。
【0066】
又、前記の第1の態様及び第3の態様の中性脂質吸収抑制剤を食品に含有させることにより、中性脂質吸収抑制作用を有する食品、例えば健康食品を得ることができる。即ち、本発明は、その第5の態様として、前記の第1の態様及び第3の態様の中性脂質吸収抑制剤を含有することを特徴とする食品を提供する。
【発明の効果】
【0067】
本発明の第1の態様、すなわち、デイジーの花部、デイジーの花部を、水、低級脂肪族アルコール等により抽出して得られる抽出液、又は前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキスを有効成分として含むことを特徴とする中性脂質吸収抑制剤は、中性脂質吸収抑制剤としての活性評価の指標として実施した、マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質吸抑制作用、又は/及び、リパーゼ阻害作用において活性を示し、中性脂質吸収抑制剤としての優れた活性を有する。
【0068】
又、本発明の第2の態様の新規なサポニン化合物、又は/及び、前記構造式(42)で表わされる既知のサポニン化合物を有効成分として含むことを特徴とする中性脂質吸収抑制剤、即ち本発明の第3の態様の中性脂質吸収抑制剤は、中性脂質吸収抑制剤としての活性評価の指標として実施した、マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質吸抑制作用、又は/及び、リパーゼ阻害作用において活性を示し、中性脂質吸収抑制剤としての優れた活性を有する。
【0069】
従って、本発明の第1の態様、第3の態様の中性脂質吸収抑制剤を含有させた医薬(第4の態様)は、優れた中性脂質吸収抑制作用を示す医薬であり、又、本発明の第1の態様、第3の態様の中性脂質吸収抑制剤を含有させた食品(第5の態様)は、優れた中性脂質吸収抑制作用を示す食品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
次に、本発明を実施するための最良の形態につき説明するが、本発明の範囲はこの実施の形態のみに限定されるものではない。
【0071】
本発明の第1の態様の中性脂質吸収抑制剤としては、
1)デイジーの花部を(抽出等の処理を行わずに)を有効成分として含むもの、
2)デイジーの花部を、水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物等により抽出して得られる抽出液を有効成分として含むもの、及び
3)前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキスを有効成分として含むもの、
を挙げることができる。
【0072】
1)デイジーの花部を(抽出等の処理を行わずに)を有効成分として含むものの場合は、デイジーの花部をそのまま用いることができるし、又は、粉砕、破砕、切断、すりつぶしなどによる形状変化を行ったもの、もしくは、乾燥などの調製を施したものを用いることもできる。
【0073】
2)デイジーの花部を、抽出して得られる抽出液を有効成分として含むものの場合、抽出液は、デイジーの花部をそのまま、水、低級脂肪族アルコール及び低級脂肪族アルコールの含水物より選ばれる抽出溶媒により抽出して得ることもできるが、デイジーの花部を、粉砕、破砕、切断、すりつぶしなどによる形状変化を行ったものを用いて、前記抽出溶媒により抽出する方法が、抽出効率の面で好ましい。
【0074】
抽出溶媒として用いられるアルコールとしては、例えば、炭素数1〜4の低級アルコール類が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール又はこれらの混液が挙げられる。抽出溶媒としては、水も用いられるが、好ましくは、これらのアルコール、又はこれらのアルコールに30容量%までの水を含有する含水アルコールが用いられる。前記のアルコールの中でもメタノール又はエタノールが好ましい。これらの抽出溶媒は、抽出材料に対して、好ましくは1〜50倍(重量)程度、より好ましくは10〜30倍程度用いられる。
【0075】
抽出温度は、室温〜溶媒の沸点の間で任意に設定できるが、例えば50℃〜抽出溶媒の沸点の範囲が好ましい。抽出は、振盪下、非振盪下又は還流下に、前記の被抽出材料、即ち、デイジーの花部をそのまま、又はデイジーの花部を粉砕、破砕、切断、すりつぶしなどによる形状変化を行ったもの等を、前記の抽出溶媒に浸漬することにより行うのが適当である。
【0076】
好ましい抽出時間は、抽出温度や抽出の際の振盪の有無等により変動し、特に限定されない。例えば、50℃以上で、抽出材料を振盪下に浸漬する場合には、30分間〜10時間程度行うのが適当であり、非振盪下に浸漬する場合には、1時間〜20日間程度行うのが適当である。又、抽出溶媒の還流下に抽出するときは、30分間〜数時間加熱還流するのが好ましい。なお、50℃より低い温度で浸漬して抽出することも可能であるが、その場合には、前記の時間よりも長時間浸漬するのが好ましい。抽出操作は、同一材料について1回だけ行ってもよいが、複数回、例えば2〜5回程度繰り返すのが好ましい。
【0077】
前記の抽出工程により得られた抽出液にはデイジーの花部の含有成分が溶出されている。本発明の中性脂質吸収抑制剤は、このようにして得られた抽出液をそのまま加え、有効成分として用いてもよいが、前記抽出液を濃縮して抽出エキスにしてもよい。濃縮は、低温で減圧下に行うのが好ましい。なお、濃縮する前にろ過してろ液を濃縮してもよい。抽出エキスは、濃縮したままの状態で用いることができるが、また、濃縮は乾固するまで行ってもよく、粉末状又は凍結乾燥品等として用いてもよい。濃縮する方法、粉末状及び凍結乾燥品とする方法は、当該分野での公知の方法を用いることができる。
【0078】
このようにして得られる抽出液又は抽出エキスを、精製処理に付し、含有される各成分に分離することができる。そして、分離された成分中には、中性脂質吸収抑制作用を有する前記の新規サポニン化合物や既知のサポニン化合物が含まれており、これらも中性脂質吸収抑制剤として用いることができる(本発明の第3の態様)。
【0079】
精製処理は、例えば、クロマトグラフ法、イオン交換樹脂を使用する溶離法、溶媒による分配抽出等を単独又は組み合わせて採用することができる。クロマトグラフ法としては、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、遠心液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を挙げることができ、これらのいずれか又はそれらを組み合わせで行う方法が挙げられる。この際の担体、溶出溶媒等の精製条件は、各種クロマトグラフィーに対応して適宣選択することができる。
【0080】
抽出液又は抽出エキスを、精製処理に付し、各成分に分離することにより、前記の構造式(1)〜(39)のいずれかで表される新規のサポニン化合物や前記の構造式(40)〜(58)のいずれかで表される既知のサポニン化合物を得ることができる。
【0081】
前記のように、デイジーの花部、デイジーの花部を水、低級脂肪族アルコールもしくは低級脂肪族アルコールの含水物により抽出して得られる抽出液、前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、構造式(1)で表されるサポニン化合物、構造式(2)で表されるサポニン化合物、構造式(26)で表されるサポニン化合物、構造式(27)で表されるサポニン化合物、構造式(28)で表されるサポニン化合物、構造式(29)で表されるサポニン化合物、構造式(32)で表されるサポニン化合物、構造式(37)で表されるサポニン化合物、及び構造式(42)で表されるサポニン化合物は、中性脂質吸収抑制剤としての活性評価の指標として実施した、マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質吸抑制作用、又は/及び、リパーゼ阻害作用において活性が見出された。従って、これらは中性脂質吸収抑制剤として用いることができる。
【0082】
さらに、本発明の中性脂質吸収抑制剤(第1の態様及び第3の態様)は、医薬や食品に適用することができ、この中性脂質吸収抑制剤を含有させることにより優れた中性脂質吸収抑制効果を有する医薬や食品、例えば健康食品を製造することができる。
【0083】
例えば、デイジーの花部、デイジーの花部の前記抽出液、前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、又は、構造式(1)、構造式(2)、構造式(26)、構造式(27)、構造式(28)、構造式(29)、構造式(32)、構造式(37)及び構造式(42)のいずれかの構造式で表されるサポニン化合物は、それぞれ単独で又は混合物として、そのままの状態で又は適当な媒体で希釈して、医薬品等の製造分野における公知の方法により散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤又は液剤等の種々の形態にして、医薬品として使用することができる。
【0084】
適当な媒体としては、医薬的に許容される賦形剤、例えば結合剤(例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガント又はポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば乳糖、砂糖、トウモロコシ澱粉、リン酸カルシウム、ソルビトール又はグリシン)、錠剤用滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカ)、崩壊剤(例えば馬鈴薯澱粉)又は湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)等が挙げられる。
【0085】
錠剤とする場合は、通常の製薬における周知の方法でコートしてもよい。液体製剤とする場合は、例えば水性又は油性の懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ又はエリキシルの形態であってもよい。又、使用前に水や他の適切な賦形剤と混合する乾燥製品として提供してもよい。
【0086】
こうした液体製剤は、通常の添加剤、例えば、ソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン水添加食用脂等の懸濁化剤、レシチン、ソルビタンモノオレエート、アラビアゴム等の乳化剤(食用脂を含んでもよい)、アーモンド油、分画ココヤシ油又はグリセリン、プロピレングリコールやエチレングリコールのような油性エステル等の非水性賦形剤、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル又はソルビン酸等の保存剤を含んでもよく、さらに所望により着色剤又は香料等を含んでもよい。
【0087】
デイジーの花部、デイジーの花部の前記抽出液、前記抽出液を濃縮して得られる抽出エキス、又は、構造式(1)、構造式(2)、構造式(26)、構造式(27)、構造式(28)、構造式(29)、構造式(32)、構造式(37)及び構造式(42)のいずれかの構造式で表されるサポニン化合物は、それぞれ単独で又は混合物として、食品に含有させ、食品、例えば健康食品に中性脂質吸収抑制効果を与えることができる。
【0088】
ここで、健康食品とは、通常の食品よりも積極的な意味で、保健、健康維持・増進等を目的とした食品を意味する。食品又は健康食品の形態としては、例えば、液体又は半固形、固形の製品、具体的には散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤又は液剤等のほか、クッキー、せんべい、ゼリー、ようかん、ヨーグルト、まんじゅう等の菓子類、清涼飲料、お茶類、栄養飲料、スープ等の形態が挙げられる。これらの食品の製造工程において、あるいは最終製品に、前記の花部、抽出物、抽出エキス、及び/又は前記サポニン化合物を混合又は塗布、噴霧などにより添加して、健康食品とすることができる。
【0089】
本発明の医薬又は食品における、前記の花部、抽出物、抽出エキス、及び/又は前記サポニン化合物の使用量は、濃縮、精製の程度、活性の強さ等、使用目的、対象疾患や自覚症状の程度、使用者の体重、年齢等によって適宣調整される。例えば、医薬として成人について使用する場合は、1回の投与毎に、抽出液又は抽出エキスでは、1mg〜20g程度の範囲で使用し、この範囲内で精製度や水分含量等に応じて調整することが適当な場合が多い。又、前記サポニン化合物を使用する場合は、1mg〜1g程度が適当な場合が多い。
【0090】
また、健康食品として使用する場合は、食品の味や外観に悪影響を及ぼさない量、例えば、対象となる食品1kgに対して、前記の抽出液又は抽出エキス、前記サポニン化合物を、1mg〜20g程度の範囲で添加することが適当な場合が多い。
【実施例】
【0091】
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、実施例は本発明の範囲を限定するものではない。なお、以下の実施例では、特に記載がない限り、以下の各種溶媒、ろ紙、クロマトグラフィー用担体及びHPLCカラムを用いた。
【0092】
[溶媒]
メタノール:ナカライテスク社製、一級
クロロホルム:ナカライテスク社製、一級
HPLC用メタノール:関東化学社製、特級
HPLC用アセトニトリル:関東化学社製、特級
【0093】
[ろ紙] アドバンテック社製:No.2
【0094】
[クロマトグラフィー用担体]
順相シリカゲルカラムクロマトグラフ用担体:BW−200、150〜300メッシュ(富士シリシア社製)
逆相ODSカラムクロマトグラフ用担体:Chromatorex ODS1020T、100〜200メッシュ(富士シリシア社製)
多孔質ポリマーカラムクロマトグラフ用担体:ダイアイオンHP−20(日本練水社製)
【0095】
[HPLCカラム]
Cosmosil 5C18−MS−II、20mm(i.d.)×250mm(ナカライテスク社製)、
Cosmosil HILIC、20mm(i.d.)×250mm(ナカライテスク社製)及び
Wakopak Navi 30C−5、20mm(i.d.)×250mm(和光純薬工業社製)
【0096】
実施例1 デイジー花部のメタノール抽出エキスの調製
乾燥したデイジー花部3.0kgを粉砕し、これに約10倍量のメタノール(30L)を加え、加熱還流下3時間抽出した。抽出後ひだ折りろ紙でろ過した後、抽出残渣に新たに約10倍量のメタノール(30L)を加え、同様の抽出操作を計3回実施した。各抽出操作で得られた抽出液をあわせたものについて、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下溶媒を留去したところ、デイジー花部のメタノール抽出エキス775g(乾燥原料からの収率25.8%)を得た。
【0097】
実施例2 メタノール抽出エキスの分離及び精製
前記のメタノール抽出エキス(720g)に水(約6L)を加えて懸濁し、懸濁液に同容量の酢酸エチル(約6L)を加え、分液操作を実施し、酢酸エチル及び水移行部に分配した。得られた水移行部について、新たに同容量の酢酸エチルを加え、同様の分液操作を計3回実施した。各分液操作で得られた酢酸エチル移行部をあわせたものについて、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧下に溶媒を留去したところ、デイジー花部のメタノール抽出エキスの酢酸エチル移行部187.1gを得た。
【0098】
実施例3 水移行部の調製
実施例2で得られた水移行部を、多孔質ポリマーカラムカラムクロマトグラフィー(ダイアイオンHP−20:4.0kg、移動相:まず水にて溶出させその後メタノールにて溶出させた。)で順次溶出し、水溶出部(水にて溶出させた部分を濃縮したもの。350.0g)及びメタノール溶出部(メタノールにて溶出させた部分を濃縮したもの。180.0g)を得た。
【0099】
実施例4 メタノール溶出部の分離及び精製
前記メタノール溶出部(140.0g)を、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(3.0kg、移動相:クロロホルム/メタノール/水(20/3/1の下層部→10/3/1の下層部→6/4/1)→メタノール(ここに記載の順で移動相の組成を変えて溶出を行った。即ち、最初の組成の移動相での溶出がほぼ終了した時点で、次の組成の移動相に変え、同様にして組成を記載の順で変えた。以下の実施例、参考例でも、移動相の組成について同様に表されている場合は、同様にして、組成を変化させた場合である。))で順次溶出し、溶出画分1(0.85g)、2(5.67g)、3(2.41g)、4(1.24g)、5(7.73g)、6(96.05g)、7(10.11g)及び8(16.09g)を得た(溶出分は、溶出画分1〜8からなり、溶出画分に付けられた番号は溶出順を表す。括弧内の量は、各溶出画分の量を表す。)。
【0100】
参考例1
このうち、溶出画分2(5.67g)について、逆相ODSカラムクロマトグラフィー(200g、移動相:メタノール/水(40/60→50/50→70/30→80/20)→メタノール)にて分離、精製し、アピゲニン(48)(76.2mg)を得た(なお、化合物名の後の括弧内の数字は、当該化合物の構造を表す前記構造式の番号を表す。以下の実施例、参考例においても同様である。)。
【0101】
参考例2
溶出画分3(2.41g)について、逆相ODSカラムクロマトグラフィー(100g、移動相:メタノール/水(40/60→50/50→70/30→80/20)→メタノール)にて分離、精製し、アピゲニン7−O−β−D−グルクロニド(50)(20.0mg)及びメチルシリンゲート4−O−β−D−グルコピラノシド(57)(54.6mg)を得た。
【0102】
参考例3
溶出画分4(1.24g)について、逆相ODSカラムクロマトグラフィー(60g、移動相:メタノール/水(40/60→50/50→70/30→80/20)→メタノール)にて分離し、得られた画分(溶出画分4−1〜4−12)のうち、溶出画分4−4(151.9mg)について、更にHPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/水(10/16/74))にて分離、精製し、(Z)−3−ヘキセニル β−D−グルコピラノシド(58)(28.9mg)を得た。また、溶出画分4−5(179.6mg)について、更にHPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/水(20/16/64))にて分離、精製し、アピゲニン7−O−β−D−グルクロン酸メチルエステル(51)(16.3mg)を得た。
【0103】
参考例4
溶出画分5(7.73g)について、逆相ODSカラムクロマトグラフィー(300g、移動相:メタノール/水(40/60→50/50→70/30→80/20)→メタノール)にて分離し、得られた画分(溶出画分5−1〜5−12)のうち、溶出画分5−4(2217.0mg)は、アピゲニン7−O−β−D−グルコピラノシド(49)と同定された。また、溶出画分5−5(1190.8mg)のうち750.0mgについて、更にHPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/1%酢酸水溶液(26/16/58))にて分離、精製し、イソラムネチン3−O−β−D−グルコピラノシド(53)(360.0mg)を得た。また、溶出画分5−7(182.7mg)について、更にHPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/1%酢酸水溶液(35/16/49))にて分離、精製し、化合物20(9.1mg)を得た。また、溶出画分5−8(762.8mg)のうち、250.3mgについて、更にHPLC(カラム:Cosmosil HILIC、移動相:アセトニトリル/水(90/10))にて分離、精製し、化合物21(36.6mg)を得た。
【0104】
実施例5
溶出画分6(96.05g)について、逆相ODSカラムクロマトグラフィー(1.5kg,移動相:メタノール/水(30/70→40/60→50/50→70/30)→メタノール)にて分離し、順次溶出し、溶出画分6−1(1.398g)、6−2(3.418g)、6−3(1.148g)、6−4(1.290g)、6−5(0.800g)、6−6(3.179g)、6−7(1.680g)、6−8(2.317g)、6−9(1.216g)、6−10(1.682g)、6−11(4.850g)、6−12(50.269g)、6−13(13.375g)、6−14(2.208g)及び6−15(1.888g)を得た(溶出分は、溶出画分6−1〜6−15からなり、溶出画分6に付けられた番号は溶出順を表す。括弧内の量は、各溶出画分の量を表す。)。
【0105】
得られた溶出画分6−6(205.8mg)について、更にHPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/水(20/80))にて分離、精製し、ルチン(52)(24.8mg)を得た。また、溶出画分6−7(345.0mg)について、更にHPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/水(19/81))にて分離、精製し、イソラムネチン3−O−β−D−グルクロニド(54)(105.7mg)を得た。溶出画分6−8(343.9mg)について、更にHPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/水(18/82))にて分離、精製し、イソラムネチン3−O−β−D−グルコピラノシド(53)(8.6mg)、イソラムネチン3−O−ルチノシド(55)(31.8mg)及びイソラムネチン3−O−ロビノビオシド(56)(32.5mg)を得た。
【0106】
また、溶出画分6−11(1820mg)について、HPLC(カラム:Wakopak Navi 30C−5、移動相:アセトニトリル/メタノール/1%酢酸水溶液(32/16/52)及びカラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/水(25/16/59)、アセトニトリル/メタノール/1%酢酸水溶液(32/16/52)又はカラム:Cosmosil HILIC、移動相:アセトニトリル/水(90/10))にて分離、精製した(Wakopak Navi 30C−5により分離した溶出画分について、その予想される適正に応じて、ある画分はCosmosil 5C18−MS−IIで分離し、他の画分はCosmosil HILIC)で分離した、との意味である。以下の実施例、参考例でも、同様な操作を行った場合は、前記と同様に表す。)。得られた溶出画分には、ベルナルジオシドB(46)(112.2mg)からなる溶出画分が含まれていた。他の溶出画分は、化合物3a(10.5mg)、化合物26a(42.0mg)、化合物28(33.1mg)、化合物31(24.3mg)、及び化合物39(23.9mg)とした。
【0107】
また、溶出画分6−12(2015mg)について、HPLC(カラム:Wakopak Navi 30C−5、移動相:アセトニトリル/1%酢酸水溶液(40/60)及びカラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/1%酢酸水溶液(30/16/54、32/16/52又は35/16/49)又はカラム:Cosmosil HILIC、移動相:アセトニトリル/水(90/10))にて分離、精製した。得られた溶出画分には、ベリソシドE(42)(68.7mg)、ベリソシドF(43)(25.0mg)又はベリジオシドA(44)(35.3mg)からなる溶出画分が含まれていた。他の溶出画分は、化合物22(9.3mg)、化合物23(8.1mg)、化合物24(10.4mg)、化合物25(28.5mg)、化合物26(109.2mg)、化合物27(125.8mg)、化合物29(45.3mg)、化合物30(25.6mg)、化合物32(31.7mg)、化合物33(17.6mg)、化合物34(27.7mg)、化合物35(2.5mg)及び化合物36(2.5mg)とした。
【0108】
また、溶出画分6−13(782.5mg)について、HPLC(カラム:Wakopak Navi 30C−5、移動相:アセトニトリル/1%酢酸水溶液(33/67及び40/60))にて分離、精製した。得られた溶出画分には、ベリソシドD(41)(35.8mg)、ベリドシドE(42)(153.7mg)及びベリジオシドA(44)(26.0mg)からなる溶出画分が含まれていた。他の溶出画分は、化合物7(12.2mg)とした。溶出画分6−14(946.3mg)について、HPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/1%酢酸水溶液(40/60))にて分離、精製した。得られた溶出画分は、化合物1(122.4mg)、化合物2(110.2mg)、化合物8(75.7mg)及び化合物9(75.7mg)とした。
【0109】
実施例6
溶出画分7(10.11g)について、逆相ODSカラムクロマトグラフィー(300g,移動相:メタノール/水(20/80→30/70→40/60→50/50→70/30)→メタノール)にて分離し、溶出画分7−1(796.8mg)、7−2(2520.6mg)、7−3(641.1mg)、7−4(713.4mg)、7−5(1910.7mg)、7−6(3098.7mg)、7−7(257.8mg)、7−8(286.5mg)及び7−9(361.2mg)を溶出した。(溶出分は、溶出画分7−1〜7−9からなり、溶出画分7に付けられた番号は溶出順を表す。括弧内の量は、各溶出画分の量を表す。)得られた溶出画分7−4(713.4mg)について、HPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/水(22/16/62))にて分離、精製し、アストルバタノシドD(45)(174.5mg)を得た。
【0110】
溶出画分7−5(1910.7mg)について、HPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/水(26/16/58)及びカラム:Cosmosil HILIC、移動相:アセトニトリル/水(90/10))にて分離、精製し、化合物3(31.5mg)、化合物4(26.4mg)、化合物12(150.2mg)、化合物13(51.1mg)、化合物18(272.3mg)及び化合物19(10.9mg)を得た。
【0111】
溶出画分7−6(450.5mg)について、HPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/水(30/16/54))にて分離、精製し、化合物5(14.2mg)、化合物6(20.4mg)、化合物10(42.4mg)及び化合物11(44.7mg)及び化合物37(81.4mg)、化合物38(28.2mg)及びベリサポニンBS1(40)(11.9mg)を得た。
【0112】
参考例5
溶出画分8(16.09g)について、逆相ODSカラムクロマトグラフィー(300g,移動相:メタノール/水(20/80→30/70→40/60→50/50→70/30)→メタノール)にて分離し、溶出画分8−1(3977.2mg)、8−2(759.6mg)、8−3(774.2mg)、8−4(5033.2mg)、8−5(427.2mg)、8−6(946.7mg)、8−7(2280.8mg)、8−8(2189.0mg)及び8−9(710.1mg)を得た。
【0113】
得られた溶出画分8−7(960.0mg)について、HPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/水(22/16/62))にて分離、精製し、化合物15(7.1mg)、化合物16(133.1mg)及び化合物18a(46.7mg)及びベリサポニンBS6(47)(43.6mg)を得た。溶出画分8−8(506.5mg)について、HPLC(カラム:Cosmosil 5C18−MS−II、移動相:アセトニトリル/メタノール/1%酢酸水溶液(20/16/64))にて分離、精製し、ペレニソシドXIV(14)(19.4mg)及びXVII(17)(70.4mg)及びベリサポニンBS6(47)(102.4mg)を得た。
【0114】
前記の実施例で得られた化合物1〜39のそれぞれについて、性状の観察を行い、旋光度、高分解能質量分析、赤外吸収スペクトル、質量分析、核磁気共鳴スペクトルの測定を行った。その結果を以下に示す。この測定結果に基づく構造解析により、以下に示すように、各化合物は、前記構造式(1)〜(39)のいずれかの構造式で表される新規なサポニン化合物であると認められた。(なお、化合物3a、化合物18a、化合物26aについても同様な測定を行い、それぞれ化合物3、化合物18、化合物26と同じ化合物であると認められた。)
【0115】
又、前記の実施例で得られた構造式(40)〜(58)の既知化合物については、それぞれについて、核磁気共鳴スペクトル、質量分析(MSスペクトル)等の物性測定を行い、各種物理化学デ−タの文献値との比較により、前記実施例で示す番号の構造式で表わされる既知化合物であると同定されたものである。
【0116】
なお、旋光度は、Horiba high sensitive SEPA−300 digital polarimeter(l=0.5)を用いて測定した。赤外吸収スペクトルは、Shimadzu FTIR−8100 spectorometerを用いて測定した。高分解能質量分析(High−resolution FAB−MS)および質量分析(FAB−MS)は、JEOL JMS−SX102A mass spectrometerを用いて測定した。水素及びおよび炭素核磁気共鳴スペクトル(1H及び13C−NMR)スペクトルは、JEOL JNM ECA−600 spectrometerを用いて測定し、TMSを内部標準として用いた。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、示唆屈折検出器Shimadzu RID−6A及びポンプShimadzu LC−6ADを用いて測定した。
【0117】
なお、以下のH−NMR及び13C−NMRによる構造解析に用いたナンバリングは、一般的なトリテルペンサポニンに基づいている。又、H−NMR及び13C−NMRの測定結果を示す表1〜表44での略号はそれぞれ以下に示す基を表す。
Glc :β−D−グルコピラノシル基
t−Glc :末端にあるβ−D−グルコピラノシル基
t−Glc−I:β−D−グルコピラノシル基の3位に結合した末端β−D−グルコピラノシル基
t−Glc−II:β−D−グルコピラノシル基の6位に結合した末端β−D−グルコピラノシル基
Rha :α−L−ラムノピラノシル基
i−Rha :内部にあるα−L−ラムノピラノシル基
t−Rha :末端にあるα−L−ラムノピラノシル基
Gal :β−D−ガラクトピラノシル基
Fuc :フコピラノシル基
Xyl :キシロピラノシル基
Ara(f) :アラビノフラノシル
Api :アピオフラノシル
【0118】
実施例で得られた化合物1〜39の性状: いずれも不定形粉末
【0119】
化合物1の物性測定値
・旋光度:[α]26: +16.1°(c=3.06,MeOH)
・高分解能質量分析(High−resolution positive−ion FAB−MS:以下の化合物2〜39についても同様である。):
理論値 C528221Na (M+Na): 1065.5246
実測値 : 1065.5253
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3442,1744,1655,1254,1075
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1065 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1041 (M−H),879(M−C11,529(M−C203315
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表1に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表2に示す。
以上の結果より、前記構造式(1)で表されるペレニソシドIであることが判った。
【0120】
化合物2の物性測定値
・旋光度:[α]26: +19.5°(c=2.76,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C528221Na (M+Na): 1065.5246
実測値 : 1065.5242
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1745,1655,1252,1070
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1065 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1041 (M−H),879(M−C11,529(M−C203315
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表1に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表2に示す。
以上の結果より、前記構造式(2)で表されるペレニソシドIIであることが判った。
【0121】
化合物3の物性測定値
・旋光度:[α]27: +1.7°(c=2.09,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C569025Na (M+Na): 1185.5669
実測値 : 1185.5660
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1256,1074
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1185 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1161 (M−H),999(M−C11,649(M−C203315
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表1に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表2に示す。
以上の結果より、前記構造式(3)で表されるペレニソシドIIIであることが判った。
【0122】
化合物4の物性測定値
・旋光度:[α]27: +4.6°(c=1.80,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C569025Na (M+Na): 1185.5669
実測値 : 1185.5665
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1655,1256,1076
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1185 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1161 (M−H),999(M−C11,649(M−C203315
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表1に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表2に示す。
以上の結果より、前記構造式(4)で表されるペレニソシドIVであることが判った。
【0123】
化合物5の物性測定値
・旋光度:[α]25: +7.1°(c=0.95,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C569025Na (M+Na): 1185.5669
実測値 : 1185.5663
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1655,1260,1074
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1185 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1161 (M−H),999(M−C11,691(M−C183114,529(M−C4119
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表1に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表2に示す。
以上の結果より、前記構造式(5)で表されるペレニソシドVであることが判った。
【0124】
化合物6の物性測定値
・旋光度:[α]25: +8.8°(c=1.35,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C569025Na (M+Na): 1185.5669
実測値 : 1185.5674
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1656,1256,1075
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1185 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1161 (M−H),999(M−C11,837(M−C122210
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表1に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表2に示す。
以上の結果より、前記構造式(6)で表されるペレニソシドVIであることが判った。
【0125】
【表1】


【0126】
【表2】


【0127】
化合物7の物性測定値
・旋光度:[α]25: +14.3°(c=0.71,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C589226Na (M+Na): 1227.5775
実測値 : 1227.5780
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1256,1077
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1227 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1203 (M−H),1041(M−C11,691(M−C203315,529(M−C264320
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表3及び表4に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表5及び表6に示す。
以上の結果より、前記構造式(7)で表されるペレニソシドVIIであることが判った。
【0128】
化合物8の物性測定値
・旋光度:[α]27: +11.9°(c=3.09,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C589225Na (M+Na): 1211.5825
実測値 : 1211.5833
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1744,1655,1256,1069
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1211 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1187 (M−H),1041(M−C11,1025(M−C11,879(M−C21,675(M−C203315,529(M−C264319
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表3及び表4に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表5及び表6に示す。
以上の結果より、前記構造式(8)で表されるペレニソシドVIIIであることが判った。
【0129】
化合物9の物性測定値
・旋光度:[α]27: +13.9°(c=3.79,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C589225Na (M+Na): 1211.5825
実測値 : 1211.5819
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1656,1256,1065
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1211 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1187 (M−H),1041(M−C11,1025(M−C11,879(M−C21,675(M−C203315,529(M−C264319
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表3及び表4に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表5及び表6に示す。
以上の結果より、前記構造式(9)で表されるペレニソシドIXであることが判った。
【0130】
化合物10の物性測定値
・旋光度:[α]25: +11.3°(c=1.97,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6410231Na (M+Na): 1389.6303
実測値 : 1389.6296
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1656,1256,1077
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1389 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1365 (M−H),1203(M−C11,1041(M−C122110,733(M−C244119,691(M−C264320,529(M−C325325
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表3及び表4に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表5及び表6に示す。
以上の結果より、前記構造式(10)で表されるペレニソシドXであることが判った。
【0131】
化合物11の物性測定値
・旋光度:[α]25: +31.2°(c=2.98,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6410231Na (M+Na): 1389.6303
実測値 : 1389.6298
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1251,1075
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1389 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1365 (M−H),1203(M−C11,1041(M−C122110,733(M−C244119,691(M−C264320,529(M−C325325
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表3及び表4に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表5及び表6に示す。
以上の結果より、前記構造式(11)で表されるペレニソシドXIであることが判った。
【0132】
【表3】


【0133】
【表4】


【0134】
【表5】


【0135】
【表6】


【0136】
化合物12の物性測定値
・旋光度:[α]27: +0.9°(c=2.53,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C548824Na (M+Na): 1143.5563
実測値 : 1143.5569
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1655,1260,1075
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1143 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1119 (M−H),957(M−C11,811(M−C1221,649(M−C183114,487(M−C244119
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表7及び表8に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表9及び表10に示す。
以上の結果より、構造式(12)で表されるペレニソシドXIIであることが判った。
【0137】
化合物13の物性測定値
・旋光度:[α]27: +7.6°(c=3.11,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C589426Na (M+Na): 1229.5931
実測値 : 1229.5924
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1655,1075
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1229 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1205 (M−H),1119(M−C,957(M−C1017,811(M−C162711,649(M−C223716,487(M−C284621
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表7及び表8に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表9及び表10に示す。
以上の結果より、構造式(13)で表されるペレニソシドXIIIであることが判った。
【0138】
化合物14の物性測定値
・旋光度:[α]23: −2.3°(c=1.30,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C609829Na (M+Na): 1305.6091
実測値 : 1305.6088
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1656,1260,1075
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1305 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1281 (M−H),1119(M−C11,957(M−C122110,811(M−C183114,649(M−C244119,487(M−C3024
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表7及び表8に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表9及び表10に示す。
以上の結果より、構造式(14)で表されるペレニソシドXIVであることが判った。
【0139】
化合物15の物性測定値
・旋光度:[α]25: −2.5°(c=0.56,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6210030Na (M+Na): 1347.6197
実測値 : 1347.6190
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1260,1076
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1347 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1323 (M−H),1161(M−C11,999(M−C122110,649(M−C264322,487(M−C325327
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表7及び表8に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表9及び表10に示す。
以上の結果より、構造式(15)で表されるペレニソシドXVであることが判った。
【0140】
化合物16の物性測定値
・旋光度:[α]27: +1.5°(c=3.58,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6410431Na (M+Na): 1391.6459
実測値 : 1391.6454
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1655,1260,1076
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1391 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1367 (M−H),1281(M−C,1119(M−C1017,811(M−C3716,649(M−C284721,487(M−C345726
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表7及び表8に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表9及び表10に示す。
以上の結果より、構造式(16)で表されるペレニソシドXVIであることが判った。
【0141】
【表7】


【0142】
【表8】


【0143】
【表9】


【0144】
【表10】


【0145】
化合物17の物性測定値
・旋光度:[α]27: −1.1°(c=3.27,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C609829Na (M+Na): 1305.6091
実測値 : 1305.6097
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1655,1230,1075
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1305 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1281 (M−H),1119(M−C11,957(M−C122110,811(M−C183114,649(M−C244119,487(M−C3024
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表11及び表12に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表13及び表14に示す。
以上の結果より、構造式(17)で表されるペレニソシドXVIIであることが判った。
【0146】
化合物18の物性測定値
・旋光度:[α]26: −3.8°(c=3.39,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C548823Na (M+Na): 1127.5614
実測値 : 1127.5619
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3440,1736,1655,1260,1063
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1127 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1103 (M−H),957(M−C11,941(M−C11,633(M−C183114,487(M−C244118
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表11及び表12に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表13及び表14に示す。
以上の結果より、構造式(18)で表されるペレニソシドXVIIIであることが判った。
【0147】
化合物19の物性測定値
・旋光度:[α]24: −7.5°(c=0.57,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C548823Na (M+Na): 1127.5614
実測値 : 1127.5619
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3451,1741,1655,1260,1061
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1127 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1103 (M−H),649(M−C183313,633(M−C183314
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表11及び表12に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表13及び表14に示す。
以上の結果より、構造式(19)で表されるペレニソシドXIXであることが判った。
【0148】
【表11】


【0149】
【表12】


【0150】
【表13】


【0151】
【表14】


【0152】
化合物20の物性測定値
・旋光度:[α]24: −7.8°(c=0.76,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C579024Na (M+Na): 1181.5720
実測値 : 1181.5724
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1260,1050
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1181 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1157 (M−H),1115(M−CO),1011(M−C11,649(M−C213314,503(M−C274318
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表15及び表16に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表17及び表18に示す。
以上の結果より、構造式(20)で表されるペレニサポニンAであることが判った。
【0153】
化合物21の物性測定値
・旋光度:[α]26: −13.4°(c=1.68,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C7111231Na (M+Na): 1483.7085
実測値 : 1483.7076
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1260,1080
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1483 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1459 (M−H),1115(M−C1625,649(M−C355521,503(M−C416525
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表15及び表16に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表17及び表18に示す。
以上の結果より、構造式(21)で表されるペレニサポニンBであることが判った。
【0154】
化合物22の物性測定値
・旋光度:[α]26: −13.3°(c=0.83,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6510428Na (M+Na): 1355.6612
実測値 : 1355.6617
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1735,1655,1261,1051
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1355 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1331 (M−H),1119(M−C,649(M−C294718,503(M−C5722
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表15及び表16に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表17及び表18に示す。
以上の結果より、構造式(22)で表されるペレニサポニンCであることが判った。
【0155】
【表15】


【0156】
【表16】


【0157】
【表17】


【0158】
【表18】


【0159】
化合物23の物性測定値
・旋光度:[α]26: −14.9°(c=0.68,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6510429Na (M+Na): 1371.6561
実測値 : 1371.6558
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1656,1261,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1371 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1347 (M−H),1219(M−C,1073(M−C1219,941(M−C2711,649(M−C294919
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表19及び表20に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表21及び表22に示す。
以上の結果より、構造式(23)で表されるペレニサポニンDであることが判った。
【0160】
化合物24の物性測定値
・旋光度:[α]26: −13.7°(c=0.83,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C7512034Na (M+Na): 1587.7559
実測値 : 1587.7556
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1656,1250,1051
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1587 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1563 (M−H),1417(M−C11,1287(M−C1117,1141(M−C172712,649(M−C396324
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表19及び表20に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表21及び表22に示す。
以上の結果より、構造式(24)で表されるペレニサポニンEであることが判った。
【0161】
【表19】


【0162】
【表20】


【0163】
【表21】


【0164】
【表22】


【0165】
化合物25の物性測定値
・旋光度:[α]24: −21.2°(c=1.97,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C7111432Na (M+Na): 1501.7191
実測値 : 1501.7188
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1260,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1501 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1477 (M−H),1219(M−C1219,795(M−C294718,649(M−C357722
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表23に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表24に示す。
以上の結果より、構造式(25)で表されるペレニサポニンFであることが判った。
【0166】
【表23】


【0167】
【表24】


【0168】
化合物26の物性測定値
・旋光度:[α]25: −19.5°(c=4.48,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6310028Na (M+Na): 1327.6299
実測値 : 1327.6296
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3450,1736,1638,1255,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1327 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1303 (M−H),1157(M−C11
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表25及び表26に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表27及び表28に示す。
以上の結果より、構造式(26)で表されるペレニサポニンGであることが判った。
【0169】
化合物27の物性測定値
・旋光度:[α]25: −30.9°(c=4.43,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6310028Na (M+Na): 1327.6299
実測値 : 1327.6305
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3450,1734,1638,1252,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1327 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1303 (M−H),1157(M−C11,649(M−C274318
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表25及び表26に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表27及び表28に示す。
以上の結果より、構造式(27)で表されるペレニサポニンHであることが判った。
【0170】
化合物28の物性測定値
・旋光度:[α]25: −22.0°(c=2.28,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6510429Na (M+Na): 1371.6561
実測値 : 1371.6558
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3450,1738,1638,1256,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1371 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1347 (M−H),1157(M−C1017,649(M−C294719
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表25及び表26に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表27及び表28に示す。
以上の結果より、構造式(28)で表されるペレニサポニンIであることが判った。
【0171】
【表25】


【0172】
【表26】


【0173】
【表27】


【0174】
【表28】


【0175】
化合物29の物性測定値
・旋光度:[α]25: −48.5°(c=1.20,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6710630Na (M+Na): 1413.6667
実測値 : 1413.6664
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1734,1638,1260,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1413 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1389 (M−H),649(M−C314920
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表29及び表30に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表31及び表32に示す。
以上の結果より、構造式(29)で表されるペレニサポニンJであることが判った。
【0176】
化合物30の物性測定値
・旋光度:[α]25: −47.1°(c=1.00,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6710630Na (M+Na): 1413.6667
実測値 : 1413.6674
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1734,1638,1260,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1413 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1389 (M−H),649(M−C314920
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表29及び表30に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表31及び表32に示す。
以上の結果より、構造式(30)で表されるペレニサポニンKであることが判った。
【0177】
化合物31の物性測定値
・旋光度:[α]26: −22.4°(c=1.64,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6911031Na (M+Na): 1457.6929
実測値 : 1457.6937
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3450,1736,1655,1260,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1457 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1433 (M−H),1115(M−C1423,649(M−C335321,503(M−C396225
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表29及び表30に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表31及び表32に示す。
以上の結果より、構造式(31)で表されるペレニサポニンLであることが判った。
【0178】
【表29】


【0179】
【表30】


【0180】
【表31】


【0181】
【表32】


【0182】
化合物32の物性測定値
・旋光度:[α]25: −24.2°(c=1.42,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C7311633Na (M+Na): 1543.7297
実測値 : 1543.7290
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1260,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1543 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1519 (M−H),649(M−C375923
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表33及び表34に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表35及び表36に示す。
以上の結果より、構造式(32)で表されるペレニサポニンMであることが判った。
【0183】
化合物33の物性測定値
・旋光度:[α]25: −26.6°(c=1.22,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C7311633Na (M+Na): 1543.7297
実測値 : 1543.7294
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1656,1261,1051
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1543 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1519 (M−H),649(M−C375923
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表33及び表34に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表35及び表36に示す。
以上の結果より、構造式(33)で表されるペレニサポニンNであることが判った。
【0184】
化合物34の物性測定値
・旋光度:[α]25: −24.2°(c=1.80,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C7712235Na (M+Na): 1629.7664
実測値 : 1629.7659
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1638,1261,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1629 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1605 (M−H),649(M−C416525
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表33及び表34に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表35及び表36に示す。
以上の結果より、構造式(34)で表されるペレニサポニンOであることが判った。
【0185】
【表33】


【0186】
【表34】


【0187】
【表35】


【0188】
【表36】


【0189】
化合物35の物性測定値
・旋光度:[α]26: −10.6°(c=0.25,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6710630Na (M+Na): 1413.6667
実測値 : 1413.6653
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1256,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1413 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1389 (M−H)
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表37及び表38に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表39及び表40に示す。
以上の結果より、構造式(35)で表されるペレニサポニンPであることが判った。
【0190】
化合物36の物性測定値
・旋光度:[α]26: −12.5°(c=0.23,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6710630Na (M+Na): 1413.6667
実測値 : 1413.6670
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1260,1051
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1413 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1389 (M−H),649(M−C314920
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表37及び表38に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表39及び表40に示す。
以上の結果より、構造式(36)で表されるペレニサポニンQであることが判った。
【0191】
【表37】


【0192】
【表38】


【0193】
【表39】


【0194】
【表40】


【0195】
化合物37の物性測定値
・旋光度:[α]27: −28.5°(c=3.88,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6610631Na (M+Na): 1417.6616
実測値 : 1417.6611
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3450,1736,1655,1260,1048
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1417 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1393 (M−H),1247(M−C11,1115(M−C1119,649(M−C304921
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表41及び表42に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表43及び表44に示す。
以上の結果より、構造式(37)で表されるペレニサポニンRであることが判った。
【0196】
化合物38の物性測定値
・旋光度:[α]26: +10.8°(c=1.85,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6610631Na (M+Na): 1417.6616
実測値 : 1417.6610
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1251,1048
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1417 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1393 (M−H),1247(M−C11,1115(M−C1119,649(M−C304921
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表41及び表42に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表43及び表44に示す。
以上の結果より、構造式(38)で表されるペレニサポニンSであることが判った。
【0197】
化合物39の物性測定値
・旋光度:[α]26: −28.8°(c=1.27,MeOH)
・高分解能質量分析:
理論値 C6810832Na (M+Na): 1459.6721
実測値 : 1459.6724
・赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1): 3445,1736,1655,1258,1049
・質量分析
positive−ion FAB−MS: m/z 1459 (M+Na)
negative−ion FAB−MS: m/z 1435 (M−H),1393(M−CO),1115(M−C1321
・核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(600MHz,ピリジン−d)のδを表41及び表42に、13C−NMR(150MHz,ピリジン−d)のδを表43及び表44に示す。
以上の結果より、構造式(39)で表されるペレニサポニンTであることが判った。
【0198】
【表41】


【0199】
【表42】


【0200】
【表43】


【0201】
【表44】


【0202】
実施例7 マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質上昇に対する抑制作用試験1
デイジーの花部抽出エキスについて、中性脂質吸収抑制作用の指標として、マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質上昇に対する抑制作用試験を実施した。試験方法を以下に示す。
【0203】
24〜26時間絶食させたddY系雄性ラット(体重約25〜30g)に、下記に示す被検物質を、表45に示す投与用量(ラット体重1Kg当りの投与量をmgで表した値。mg/kg,p.o.)を経口投与し、その30分後にオリーブ油(ラット体重1Kg当り5mL)を経口投与した。オリーブ油投与から2、4及び6時間後に眼窩静脈より採血し、市販キット“トリグリセリドEテストワコー(和光純薬社製)”を用いて血清中の中性脂質量を測定した(Yoshikawa M.et al.,J. Nat. Prod.,68,1360−1365(2005)の記載に準じる。)。
【0204】
[被検物質]
デイジー花部: デイジー花部を粉砕したもの。
MeOH抽出エキス: 実施例1で得られたメタノール抽出エキス。
EtOAc移行部: 実施例2で得られた酢酸エチル移行部。
O溶出部: 実施例3で得られた水溶出部。
MeOH溶出部: 実施例3で得られたメタノール溶出部。
クロフィブラート: 市販抗高脂血症薬(Tocris Cookson社製試薬)
【0205】
結果を、表45及び表46に示す。なお、オリーブ油投与を行わない以外は同様にして、血清中の中性脂質量を測定した値をControlとして表45及び表46に示した。又、オリーブ油投与及び被検物質投与を行わない以外は同様にして、血清中の中性脂質量を測定した値をNormalとして表45に示した。
【0206】
なお、表中の数値(血中中性脂質量)はthe mean(平均値)±S.E.M.(標準誤差)で示され、(*)印は0.05%及び(**)印は0.01%で有意差があることを意味している。
【0207】
【表45】


【0208】
前記表45の結果より、デイジーの花部のメタノール抽出エキスは、マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質上昇に対する抑制作用試験において有意な中性脂質吸収抑制作用を有することがわかり、その活性はメタノール溶出部に集約していることが認められた。メタノール溶出部の活性強度は、市販抗高脂血症薬のクロフィブラートよりも強力であった。
【0209】
実施例8 マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質上昇に対する抑制作用試験2
メタノール溶出部の活性強度は、クロフィブラートよりも強力であったので、メタノール溶出部から得られた下記のサポニン化合物(被検物質)について、実施例7と同様にマウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質上昇に対する抑制作用試験を実施した。結果を表46に示す。
【0210】
[被検物質]
構造式(1)のペレニソシドI: 実施例5で得られた化合物1。
構造式(2)のペレニソシドII: 実施例5で得られた化合物2。
構造式(12)のペレニソシドXII:実施例6で得られた化合物12。
実施例5で得られた構造式(42)のベリソシドE。
実施例5で得られた構造式(46)のベルナルジオシドB
参考例5で得られた構造式(47)のベリサポニンBS6。
【0211】
【表46】


【0212】
前記表46の結果より、デイジーの花部より見いだした新規サポニン化合物のペレニソシドI(1)及びペレニソシドII(2)及び既知サポニン化合物のベリソシドE(42)は、マウスを用いたオリーブ油誘発血中中性脂質上昇に対する抑制作用試験において有意な中性脂質吸収抑制作用を有することが認められた。
【0213】
実施例9 リパーゼ阻害作用試験1
デイジーの花部よりの抽出エキスについて、もうひとつの中性脂質吸収抑制作用の指標として、リパーゼ阻害作用試験を実施した。試験方法を以下に示す。
【0214】
基質としてトリオレイン−レシチン溶液(トリオレイン80mg、ホスファチジルコリン10mg及びタウロコール酸ナトリウム5mgに、0.1Mトリス緩衝液(0.1M NaCl含有、pH7.0)9mLを加え、10分間超音波処理をおこなった溶液)100μLに、下記の被験物質(サンプル溶液)5μLを加え、さらにトリス緩衝液を95μL加え、全量を200μLとした。37℃で3分間予備加温した後、リパーゼ溶液(EC3.1.1.3 TypeII,ブタ膵臓由来)50μLを加えて30分間反応させ、その後2分間沸騰水浴に入れ反応を停止させた。別に、各サンプルについて、リパーゼ溶液に代えてトリス緩衝液を50μL加え、同様の操作をおこなったものを盲検(Conc.:0μg/mL又は0μM)として調製した。生成したオレイン酸の量をNEFA Cキット法(NEFA C−テストワコー)により測定し、生成したオレイン酸の量の盲検の場合に対する減少割合を(Inhibition %)を計算した。結果を表47に示す。なお、表中の数値は平均値(N=2−4)で示される。なお、リパーゼはトリス緩衝液に溶解し、本実験条件下で約0.7 mmol/Lのオレイン酸が生成する濃度に調製した。被験サンプルはDMSOを用いて溶解し、希釈した。
【0215】
[被検物質]
MeOH抽出エキス: 実施例1で得られたメタノール抽出エキス。
EtOAc移行部: 実施例2で得られた酢酸エチル移行部。
MeOH溶出部: 実施例3で得られたメタノール溶出部。
O溶出部: 実施例3で得られた水溶出部。
【0216】
【表47】


【0217】
前記表47の結果より、デイジーの花部より得られるメタノール抽出エキスは、リパーゼ阻害作用を有することがわかり、その活性は酢酸エチル移行部及びメタノール溶出部に集約していること被検物質が認められた。
【0218】
実施例10 リパーゼ阻害作用試験2
そこで、下記のサポニン化合物を被検物質として、これらの化合物について、同様にリパーゼ阻害作用試験を実施した。結果を表48に示す。
【0219】
[被検物質]
構造式(1)のペレニソシドI: 実施例5で得られた化合物1。
構造式(2)のペレニソシドII: 実施例5で得られた化合物2。
構造式(12)のペレニソシドXII:実施例6で得られた化合物12。
構造式(26)のペレニサポニンG:実施例5で得られた化合物26。
構造式(27)のペレニサポニンH:実施例5で得られた化合物27。
構造式(28)のペレニサポニンI:実施例5で得られた化合物28。
構造式(29)のペレニサポニンJ:実施例5で得られた化合物29。
構造式(32)のペレニサポニンM:実施例5で得られた化合物32。
構造式(37)のペレニサポニンR:実施例6で得られた化合物37。
実施例5で得られた構造式(42)のベリソシドE。
実施例6で得られた構造式(45)のアステルバタノシドD。
実施例5で得られた構造式(46)のベルナルジオシドB
参考例5で得られた構造式(47)のベリサポニンBS6。
【0220】
【表48】


【0221】
前記表48の結果より、デイジーの花部より見いだした新規サポニンのペレニソシドI(1)及びII(2)ペレニサポニンG(26),H(27),I(28),M(32)及びR(37)及び既知サポニンのベリソシドE(42)は、リパーゼ阻害作用を有することが判明した。
【出願人】 【識別番号】000125347
【氏名又は名称】学校法人近畿大学
【識別番号】304026180
【氏名又は名称】株式会社ダイアベティム
【出願日】 平成20年3月26日(2008.3.26)
【代理人】 【識別番号】100094477
【弁理士】
【氏名又は名称】神野 直美

【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
【公開番号】 特開2009−234962(P2009−234962A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−81460(P2008−81460)