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【発明の名称】 吸収性物品
【発明者】 【氏名】栗原 涼子
【課題】立体ギャザーの中間に、長手方向に亘って左右一対の表面ギャザーを備えた吸収性物品において、フィット性を維持し、違和感を感じることなく、体液の漏れ防止を図る。

【解決手段】透液性トップシート3とバックシート2との間に吸収体4が介在されるとともに、表面側両側部に長手方向に亘って表面側に起立する左右一対の立体ギャザーBS、BSが設けられた吸収性物品において、前記左右一対の立体ギャザーBS、BSの間には、長手方向に亘って表面側に起立する左右一対の表面ギャザー20、20が設けられ、この表面ギャザー20は、該表面ギャザー20の表面側から生理用ナプキン1の略長手方向に沿って付与された左右対のエンボス8、8を基端として起立するとともに、平面視で前記左右対のエンボス8,8の離間幅を生理用ナプキン1の長手方向に亘って漸次変化させることにより、起立高さを任意に変化させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性トップシートとバックシートとの間に吸収体が介在されるとともに、表面側両側部に長手方向に亘って表面側に起立する左右一対の立体ギャザーが設けられた吸収性物品において、
前記左右一対の立体ギャザーの間には、長手方向に亘って表面側に起立する左右一対の表面ギャザーが設けられ、この表面ギャザーは、該表面ギャザーの表面側から吸収性物品の略長手方向に沿って付与された左右対のエンボスを基端として起立するとともに、平面視で前記左右対のエンボスの離間幅を吸収性物品の長手方向に亘って漸次変化させることにより、起立高さを変化させたことを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記左右対のエンボスの離間幅は、排血口対応部において相対的に狭くし、排血口対応部の前後部分において相対的に広く設定してある請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記左右対のエンボスの離間幅は、排血口対応部において相対的に広くし、排血口対応部の前後部分において相対的に狭く設定してある請求項1記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記左右対のエンボスは、吸収性物品の長手方向中間部において、前記表面ギャザーの先端又はその近傍を通過し、その前後部において離間幅を広く設定することにより、吸収性物品の長手方向に少なくとも複数の起立部分を有するようにしてある請求項1記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収性物品の長手方向両端部において、前記表面ギャザーの内面側を透液性トップシートの表面に接着し起立させないようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、透液性トップシートとバックシートとの間に吸収体が介在されるとともに、表面側両側部に長手方向に亘って表面側に起立する左右一対の立体ギャザーが設けられ、この左右一対の立体ギャザーの間に、長手方向に亘って表面側に起立する左右一対の表面ギャザーを備えた吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パンティライナー、生理用ナプキン、失禁パッドなどの吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性トップシートとの間に綿状パルプ等からなる吸収体を介在したものが知られている。
【0003】
この種の吸収性物品にも幾多の改良が重ねられ、体液の漏れを防止するために種々の手段が講じられている。このような体液漏れ防止手段の一つとして、下記特許文献1では、股下部の幅方向両端部の透液性トップシート上に、腹側部から背側部にかけて左右一対のギャザーシートが設けられる吸収性物品において、このギャザーシート間に、一定の間隔を有して前記透液性トップシートの一部が突出して形成された左右一対の突出部が備えられる吸収性物品が開示されている。また下記特許文献2では、吸収体と重ねられ体液の吸収面を形成する表面材に、前記吸収面の略中央部の両脇に複数のひだが配された吸収性物品が開示されている。
【特許文献1】特開2004−24308号公報
【特許文献2】特開平6−169948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2記載の吸収性物品に備えられる突出部及びひだは、いずれも腹側部から背側部にかけて一定の起立高さで設けられるため、身体の部位によっては吸収性物品の表面と身体との密着性が失われ、逆に漏れや違和感の原因となっていた。
【0005】
そこで本発明の主たる課題は、立体ギャザーの中間に、長手方向に亘って左右一対の表面ギャザーを備えた吸収性物品において、フィット性を維持し、違和感を感じることなく、体液の漏れ防止を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性トップシートとバックシートとの間に吸収体が介在されるとともに、表面側両側部に長手方向に亘って表面側に起立する左右一対の立体ギャザーが設けられた吸収性物品において、
前記左右一対の立体ギャザーの間には、長手方向に亘って表面側に起立する左右一対の表面ギャザーが設けられ、この表面ギャザーは、該表面ギャザーの表面側から吸収性物品の略長手方向に沿って付与された左右対のエンボスを基端として起立するとともに、平面視で前記左右対のエンボスの離間幅を吸収性物品の長手方向に亘って漸次変化させることにより、起立高さを変化させたことを特徴とする吸収性物品が提供される。
【0007】
上記請求項1記載の発明では、左右一対の立体ギャザーの間に、長手方向に亘って表面側に起立する左右一対の表面ギャザーを設けた吸収性物品であって、この表面ギャザーが、該表面ギャザーの表面側から吸収性物品の略長手方向に沿って付与された左右対のエンボスを基端として起立するとともに、平面視で前記左右対のエンボスの離間幅を吸収性物品の長手方向に亘って漸次変化させることにより、起立高さを変化させる構造としてあるため、身体の部位に応じた起立高さで表面ギャザーを形成することができるようになり、身体とのフィット性を維持したまま、違和感を生じることなく、体液の漏れ防止を図ることができるようになる。
【0008】
請求項2に係る本発明として、前記左右対のエンボスの離間幅は、排血口対応部において相対的に狭くし、排血口対応部の前後部分において相対的に広く設定してある請求項1記載の吸収性物品が提供される。
【0009】
上記請求項2記載の発明では、前記左右対のエンボスの離間幅を、排血口対応部において相対的に狭くし、排血口対応部の前後部分において相対的に広く設定することにより、表面ギャザーの起立高さが、排血口対応部では相対的に低くなり、その前後部分では相対的に高くなる。このため、排血口対応部では吸収性物品表面と排血口とが密着して、体液を素速く吸収できるようになるとともに、その前後部分では排血口の斜め前後方向へ拡散しようとする経血等をブロックして漏れを防止できるようになっている。
【0010】
請求項3に係る本発明として、前記左右対のエンボスの離間幅は、排血口対応部において相対的に広くし、排血口対応部の前後部分において相対的に狭く設定してある請求項1記載の吸収性物品が提供される。
【0011】
上記請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の吸収性物品とは対称的に、前記左右対のエンボスの離間幅を、排血口対応部において相対的に広くし、排血口対応部の前後部分において相対的に狭く設定したものである。このため、表面ギャザーの起立高さは、排血口対応部において相対的に高くなり、その前後部分において相対的に低くなる。これにより、排血口対応部の表面ギャザーの起立高さが高くなり、経血等の横方向の拡散を防止できるとともに、着用者に外観上の安心感を抱かせることもできるようになる。
【0012】
請求項4に係る本発明として、前記左右対のエンボスは、吸収性物品の長手方向中間部において、前記表面ギャザーの先端又はその近傍を通過し、その前後部において離間幅を広く設定することにより、吸収性物品の長手方向に少なくとも複数の起立部分を有するようにしてある請求項1記載の吸収性物品が提供される。
【0013】
上記請求項4記載の発明では、前記左右対のエンボスを、吸収性物品の長手方向中間部において、前記表面ギャザーの先端又はその近傍を通過し、その前後部において離間幅を広く設定することにより、吸収性物品の長手方向に少なくとも複数の起立部分が形成されるようにしてあるため、漏れが発生しやすい部分のみ表面ギャザーを起立させることができ、装着時の違和感をより軽減できるようになる。
【0014】
請求項5に係る本発明として、前記吸収性物品の長手方向両端部において、前記表面ギャザーの内面側を透液性トップシートの表面に接着し起立させないようにしてある請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
【0015】
上記請求項5記載の発明では、前記吸収性物品の長手方向両端部において、前記表面ギャザーの内面側を透液性トップシートの表面に接着し起立させないことで、装着時に違和感を与えないようになっている。
【発明の効果】
【0016】
以上詳説のとおり本発明によれば、立体ギャザーの中間に、長手方向に亘って左右一対の表面ギャザーを備えた吸収性物品において、フィット性が維持でき、違和感が生じることなく、体液の漏れ防止を図ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔生理用ナプキン1の基本構造〕
図1は本発明に係る生理用ナプキン1の展開図であり、図2は図1のII−II線矢視図、図3は図1のIII−III線矢視図である。
【0018】
前記生理用ナプキン1は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性バックシート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性トップシート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、この吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4を囲繞するクレープ紙5と、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも体液排出部を含むように前後方向に所定の区間内において表面側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSと、この左右一対の立体ギャザーBS、BSの間に、長手方向に亘って表面側に起立して設けられた左右一対の表面ギャザー20、20とから主に構成され、かつ前記吸収体4の周囲においては、その前後端縁部では前記不透液性バックシート2と透液性トップシート3及び前記表面ギャザー20を形成している表面ギャザー不織布21との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記不透液性バックシート2と、前記立体ギャザーBSを形成しているサイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、これら不透液性バックシート2とサイド不織布7とによる積層シート部分によって側方に突出するウイング状フラップW、Wが形成されているとともに、これよりも臀部側に位置する部分に第2ウイング状フラップW、Wが形成されている。
【0019】
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性バックシート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。前記不透液性バックシート2の非使用面側(外面)には1または複数条の粘着剤層(図示せず)が形成され、身体への装着時に生理用ナプキン1を下着に固定するようになっている。前記不透液性バックシート2としては、プラスチックフィルムと不織布とを積層させたポリラミ不織布を用いてもよい。
【0020】
次いで、前記透液性トップシート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高でソフトである点で優れている。前記透液性トップシート3として多数の透孔が形成されたメッシュ素材を使用した場合には、経血やおりもの等(以下、まとめて体液という。)が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなるため好ましい。
【0021】
前記透液性トップシート3の幅寸法は、図示例では、図2および図3の横断面図に示されるように、吸収体4の幅よりも若干短めとされ、吸収体4の中央部分を覆うだけに止まり、その表面側両側部には、吸収体4の幅よりも若干外側の範囲まで前記表面ギャザー不織布21が配設されている。
【0022】
前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえばフラッフ状パルプと吸水性ポリマーとにより構成されている。前記吸水性ポリマーは吸収体を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。吸収体4を囲繞するクレープ紙を設ける場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間にクレープ紙が介在することになり、吸収性に優れる前記クレープ紙によって体液を速やかに拡散させるとともに、これら経血等の逆戻りを防止するようになる。
【0023】
前記吸収体4は、単層の吸収体からなるものとしてもよいが、図2及び図3に示されるように、上層吸収体4Aと下層吸収体4Bとが積層された構造とされることが好ましい。前記下層吸収体4Bは、吸収体配置領域の外縁を画成する平面形状を有し、前記上層吸収体4Aは、幅方向中央部にナプキン長手方向に細長く区画される領域に、使用面側に高い吸収体の中高部6を形成するために配置される。この中高部6の厚みは、厚くし過ぎると吸収体4の剛性が上がり身体への密着性が低下するため3〜20mm、好ましくは5〜15mmとするのが好ましい。前記上層吸収体4Aの周縁に沿ってその近傍外側位置には、該上層吸収体4Aの表面側を覆うシート素材の表面側から、周方向に閉合するエンボス8が付与されているとともに、その内側にエンボス9が形成されている。また、前記エンボス8は上層吸収体4Aの外周とは限らず、上層吸収体4Aの上面から下層吸収体4B方向に向けてエンボス8を付与するようにしてもよい。この場合には、エンボス8による窪みが下層吸収体4Bに食い込むように高圧力の下で行うようにする。前記エンボス8は上層吸収体4Aの位置ズレを防止するとともに、中高部6をきっちりと画成するという目的もあるが、このエンボス8については更に詳しく後述する。
【0024】
前記立体ギャザーBSは前記透液性トップシート3とは別のサイド不織布7、具体的には経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの目的に応じて、適宜の撥水処理または親水処理を施した不織布素材を用いて構成されている。かかるサイド不織布7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくはゴワ付き感を無くすとともに、ムレを防止するために、坪量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。具体的には、坪量を8〜23g/mとして作製された不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するためにシリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
【0025】
前記サイド不織布7は、図2および図3に示されるように、幅方向中間部より外側部分を吸収体4の内側位置から吸収体側縁を若干越えて不透液性バックシート2の外縁までの範囲に亘ってホットメルトなどの接着剤によって接着し、これら前記サイド不織布7と不透液性バックシート2との積層シート部分により、ほぼ体液排出部に相当する吸収体側部位置に左右一対のウイングフラップW、Wを形成するとともに、これより臀部側位置に第2ウイング状フラップW、Wを形成している。これらウイング状フラップW、Wおよび第2ウイング状フラップW、Wの外面側にはそれぞれ粘着剤層12…,13…を備え、図6に示されるように、ショーツ30に対する装着時に、前記ウイング状フラップW、Wが折返し線RL位置にて反対側に折り返し、ショーツのクロッチ部分に巻き付けて止着するようになっている。
【0026】
一方、前記サイド不織布7の内方側部分はほぼ二重に折り返されるとともに、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された糸状弾性伸縮部材15が配設されるとともに、前記糸状弾性伸縮部材15の上側部位に複数本の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材16,16が両端または長手方向の適宜の位置が固定された状態で配設されている。この二重シート部分は前後端部では図3に示されるように、断面Z状に折り畳んで積層された状態で吸収体4側に接着されることによって、前記糸状弾性伸縮部材15配設部位を屈曲点として、断面く字状に内側に開口を向けたポケットP、Pを形成しながら表面側に起立する立体ギャザーBS、BSが形成されている。
【0027】
前記表面ギャザー20を形成する表面ギャザー不織布21は、図2および図3に示されるように、前記透液性トップシート3の両側部分から吸収体4の側縁を若干越えた部分までの範囲に亘って配設されている。これにより、生理用ナプキン1の表面側は、幅方向中央部の長手方向に亘って透液性トップシート3が、その両側には表面ギャザー不織布21、21が、さらにその両側にはサイド不織布7、7がそれぞれ表面に現れるようになっている。
【0028】
前記表面ギャザー不織布21としては、液透過性の素材であればよく、前記透液性トップシート3と同様の素材を使用することができる。ここで、前記透液性トップシート3として前述のメッシュ素材を使用し、表面ギャザー不織布21として不織布素材を使用することが好ましい。これにより、ナプキン1の幅方向中央部の長手方向に亘る部分では、透液性トップシート3が身体に接触するようになるため、液透過性に優れ、べた付きを抑えることができるとともに、その両側の長手方向に亘る部分では、表面ギャザー不織布21が身体に接触するようになるため、肌触りを良くすることができるようになり、装着者に快適な使用感を与えることができるようになる。
【0029】
この表面ギャザー不織布21には、表面側から生理用ナプキン1の略長手方向に沿って左右対のエンボス8が付与されるとともに、そのエンボス8より外側部分はホットメルトなどの接着剤によって下層シート材に接着されている。一方、表面ギャザー不織布21の内方側部分は、図4に示されるようにほぼ二重に折り返されるとともに、この二重シート内部の高さ方向先端部であって、少なくとも前記エンボス8が付与される範囲の長手方向に亘って、適宜の位置で固定された糸状弾性伸縮部材22が配設されている。これによって、前記立体ギャザーBS、BSの中間の前記エンボス8の形成領域には、略長手方向に沿って、前記エンボス8を基端として起立する左右一対の表面ギャザー20、20が形成されるようになっている。
【0030】
前記エンボス8は、図4に示されるように、少なくとも透液性トップシート3が介在された表面ギャザー不織布21上に付与するようにする。トップシート3が介在しない外側領域に及ぶと、表面ギャザー20が起立した際に吸収体4が露出してしまい、直接肌に触れるようになるため、好ましくない。そして、前記エンボス8は、図4に示されるように、透液性トップシート3が介在された表面ギャザー不織布21の表面側から下層吸収体4Bに若干食い込むように付与するのが好ましい。これにより、表面ギャザー20でブロックされた体液が吸収体4に吸収されやすくなる。さらに、表面ギャザー不織布21の二重に折り返された部分でエンボス8を施すことにより、表面ギャザー20の折返し状態が確実に維持できる。
【0031】
前記エンボス8が付与される長手方向範囲より前後側である生理用ナプキン1の長手方向両端部においては、装着時の違和感をなくすため、前記表面ギャザー不織布21の内面側を透液性トップシート3の表面にホットメルトなどの接着剤によって接着して起立させないようにし、表面ギャザー20を形成させないようにしてある。
【0032】
前記エンボス8は、透液性トップシート3の両側に配設される表面ギャザー不織布21、21の表面側からそれぞれ、ナプキン1の略長手方向に沿って左右対で付与されている。図1に示される例では、前記エンボス8は、ナプキン1の幅方向中央部に配設される吸収体4Aの中高部6の周囲を囲むとともに、中央部の透液性トップシート3及びその両側の表面ギャザー不織布21、21に跨り、ナプキン1の長手方向に細長く周方向に閉合する曲線状で施されることによって、前記表面ギャザー不織布21、21の表面において、ナプキン1の略長手方向に沿った左右対となっている。
【0033】
ここで、前記表面ギャザー不織布21、21に施された左右対のエンボス8、8は、平面視でその離隔幅を生理用ナプキン1の長手方向に亘って漸次変化させて形成されている。これにより、エンボス8を基端として起立する表面ギャザー20の起立高さを任意に変化させるようにしている。
【0034】
次に、前記表面ギャザー20の起立高さを変化させるパターンについて詳述する。第1のパターンは、図1に示されるように、前記左右対のエンボス8,8の離隔幅が、排血口Hに対応する部分における前記エンボス8、8の離隔幅b1を相対的に狭く、排血口Hに対応する部分の前側部分における前記エンボス8、8の離隔幅b2及び後側部分における前記エンボス8、8の離隔幅b3を相対的に広く設定したものである。すなわち、エンボス8を基端として形成される表面ギャザー20の起立高さは、排血口Hに対応する部分で相対的に低く、その前後部分で相対的に高く形成されるようになる。これにより、排血口Hに対応する部分では、ナプキン表面と排血口とが密着して身体とのフィット性が維持できるとともに、体液の漏れが防止できるようになっている。さらに、排血口対応部分の前後部分では、排血口の斜め前後方向へ拡散しようとする体液をブロックして体液の漏れが防止できるようになっている。なお、図示例では、前側部分の離隔幅b2と後側部分の離隔幅b3とがほぼ同幅に形成されているが、身体の構造に応じて、前側部分の離隔幅b2を後側部分の離隔幅b3より相対的に広く形成しても良く、またその逆でも良い。
【0035】
第2のパターンは、図示しないが、前記第1のパターンとは対称的に、前記左右対のエンボス8、8の離隔幅が、排血口Hに対応する部分において相対的に広く、排血口Hに対応する部分の前側部分における前記エンボス8、8の離隔幅b2及び後側部分における前記エンボス8、8の離隔幅b3を相対的に狭く設定したものである。このように形成した場合、表面ギャザー20の高さは、排血口Hに対応する部分で相対的に高く形成される。これにより、体液の横漏れが効果的に防止できるとともに、着用者に横漏れに対して外観上の安心感を抱かせることもできるようになる。
【0036】
第3のパターンは、図5に示されるように、前記左右対のエンボス8、8が、生理用ナプキン1の長手方向中間部cにおいて、前記表面ギャザー20の先端又はその近傍を通過し、その前後部において離間幅を広く設定することにより、前記中間部cより前側部分の第1起立部分s1と前記中間部cより後側部分の第2起立部分s2とが設けられるようにしたものである。これにより、前記中間部cにおいては表面ギャザー20が形成されなくなるため身体との密着性が向上し、一方で前記起立部分s1、s2では、身体とナプキン表面との間に隙間が生じやすい部分をカバーでき、体液の漏れ防止と同時に身体へのフィット性が向上するようになっている。ここで、図5に示される例では、前記中間部cは排血口Hより後側の股下領域に設けられ、前記第1起立部分s1は中間部cより前側であって排血口Hを含む比較的長い範囲に亘って設けられ、前記第2起立部分s2は中間部cより後側であって臀部の溝部に対応する部分に設けられている。なお、前記中間部cにおけるエンボス8は、表面ギャザー20を形成する表面ギャザー不織布21の先端又はその近傍を通過していれば、表面ギャザー不織布21と透液性トップシート3とに跨って設けられてもよいし、透液性トップシート3上に延在して設けられてもよい。
【0037】
(他の実施形態例)
(1)図1に示される生理用ナプキン1において、透液性トップシート3と吸収体4との間に所謂セカンドシートとしての親水性繊維層を配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の生理用ナプキン1の展開図である。
【図2】その横断面図(図1のII−II線矢視図)である。
【図3】その横断面図(図1のIII−III線矢視図)である。
【図4】エンボス8付与前の状態を示す生理用ナプキン1の横断面図である。
【図5】他の形態例に係る生理用ナプキン1の展開図である。
【図6】ナプキンの装着状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1…生理用ナプキン、2…不透液性バックシート、3…透液性トップシート、4…吸収体、4A…上層吸収体、4B…下層吸収体、5…クレープ紙、6…中高部、7…サイド不織布、8…エンボス、20…表面ギャザー、21…表面ギャザー不織布、BS…立体ギャザー、W…ウイング状フラップ、W…臀部側ウイング状フラップ
【出願人】 【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
【出願日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【代理人】 【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志
【公開番号】 特開2009−233101(P2009−233101A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−83100(P2008−83100)