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【発明の名称】 血管等を縫合する縫合装置および縫合方法
【発明者】 【氏名】コントス,スタブロス
【課題】出血防止及び傷の治癒促進を同時に提供し、血栓症等の合併症の発症を抑え、処置材料を体内に残さず、患者の安全を向上する。

【解決手段】貫通して第一の針開口まで延びる第一針内腔を有する、近端部分;第二針内腔と前記第一針開口に対面する第二針開口を含む、末端部分:前記第一針開口と前記第二針開口との間に画定され、かつ、解剖学的構造のある部分を受けるように構成された、組織受け間隙;前記近端部分と前記末端部分との間に配置され、かつ、前記組織受け間隙を画定する、接続部分;前記第一針内腔を通って前記第二針内腔の中へ前進できる、第一針部材;前記第一針部材が前記第二針内腔の中へ前進した後、前記第二針内腔を通って前記第二針内腔の中へ前進できる、第二針部材;及び、第一の端で前記第一針部材に接続され、かつ、第二の端で前記第二針部材に接続される、縫合糸を備える、解剖学的構造中の穿刺創を密閉する密閉装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的構造中の穿刺創を密閉する密閉装置において、
貫通して第一の針開口まで延びる第一の針内腔を有する近端部分と、
組織受け間隙を越えて第一の針開口に面し、第二の針内腔に開いた第二の針開口を含む末端部分と、
前記近端及び末端部分の間に結合され前記近端及び末端部分からずれて組織受け間隙を形成し、それによって、接続部分が解剖学的構造中の穿刺創内に受け入れられるとき、前記組織受け間隙内に受け入れられた前記解剖学的構造の部分が前記穿刺創の中央軸を含む平面の1つの側面に位置する接続部分とを備える密閉装置。
【請求項2】
さらに、前記近端部分を通じて、前記近端部分の末端に末端方向に形成された流体入口開口まで延びるフラッシュバック内腔を備える、請求項1に記載の密閉装置。
【請求項3】
前記流体入口開口が接続部材中に形成される、請求項2に記載の密閉装置。
【請求項4】
さらに、第一の針を備え、その際、前記第二の針内腔が、前記第一の針が末端方向に挿入されるとき、前記第一の針の近端が前記第二の針開口の末端の前記第二の針内腔の内部にあるような寸法である、請求項1に記載の密閉装置。
【請求項5】
さらに、第二の針を備え、その際、前記第二の針内腔が、前記第一の及び第二の針が末端方向に挿入されるとき、前記第一の針の近端と前記第二の針の近端が前記第二の針開口の末端の前記第二の針内腔の内部にあるような寸法である、請求項4に記載の密閉装置。
【請求項6】
前記接続部材の最小断面積が前記末端部分の最大断面積と少なくとも同じ大きさである、請求項1に記載の密閉装置。
【請求項7】
前記接続部材の前期最小断面積が前記末端部分の前記最小断面積にほぼ等しい、請求項6に記載の密閉装置。
【請求項8】
前記接続部材と前記末端部分がほぼ管状である、請求項6に記載の密閉装置。
【請求項9】
前記近端部分の最小断面積が前記接続部材の前記最小断面積と少なくとも同じ大きさである、請求項6に記載の密閉装置。
【請求項10】
前記第一の針内腔の断面積が前記第二の針内腔の断面積より小さい、請求項1に記載の密閉装置。
【請求項11】
前記第一の針内腔と前記第一の及び第二の針開口が共通軸に沿って延びる、請求項1に記載の密閉装置。
【請求項12】
前記近端部分と前記接続部材がほぼ剛体の材料から形成される、請求項11に記載の密閉装置。
【請求項13】
前記末端部分が、末端方向に延びる可撓チューブを伴う剛体近端を含む、請求項12に記載の密閉装置。
【請求項14】
前記近端部分と前記接続部材と前記末端部分の近端とが一体式に形成される請求項13に記載の密閉装置。
【請求項15】
さらに、末端に針の近端を受け入れる針押し部材を備える、請求項1に記載の密閉装置。
【請求項16】
解剖学的構造中の穿刺創を密閉する密閉装置において、
貫通して第一の針開口まで延びる第一の針内腔を有する近端部分と、
第二の針内腔に開いた第二の針開口を有する末端部分と、
前記近端部分の末端と前記末端部分の近端の間に結合された接続部材であって、前記接続部材が前記末端部分の最大断面積と少なくとも同じ大きさの最小断面積を有し、前記接続部材が前記近端及び末端部分からずれて相互間に組織受け間隙を形成する接続部材とを備える密閉装置。
【請求項17】
解剖学的構造中の穿刺創を密閉する密閉装置において、
貫通して第一の針開口まで延びる少なくとも1つの第一の針内腔を有する近端部分と、
各第二の針開口が対応する第二の針内腔に開いた少なくとも1つの第二の針開口を有する末端部分と、
前記近端部分の末端と前記末端部分の近端の間に結合された接続部材であって、前記接続部材が前記近端及び末端部分からずれて相互間に組織受け間隙を形成し、その際、前記密閉装置が、前記接続部材が穿刺創を通じて延びるように配置されるとき、全ての第二の針開口が前記穿刺創の中央軸を含む平面の1つの側面に位置する接続部材とを備える密閉装置。
【請求項18】
解剖学的構造中の穿刺創を密閉する密閉装置において、
貫通して第一の針開口まで延びる少なくとも1つの第一の針内腔を有する近端部分と、
各第二の針開口が対応する第二の針内腔に開いた少なくとも1つの第二の針開口を有する末端部分と、
前記近端部分の末端と前記末端部分の近端の間に結合された接続部材であって、前記接続部材が前記近端及び末端部分からずれて相互間に組織受け間隙を形成し、その際前記近端部分と前記接続部材とが互いに非対称である接続部材とを備える密閉装置。
【請求項19】
解剖学的構造中の穿刺創を密閉する密閉装置において、
貫通して第一の針開口まで延びる少なくとも1つの第一の針内腔を有する近端部分と、
各第二の針開口が対応する第二の針内腔に開いた少なくとも1つの第二の針開口を有する末端部分と、
前記近端部分の末端と前記末端部分の近端の間に結合された接続部材であって、前記接続部材が前記近端及び末端部分からずれて相互間に組織受け間隙を形成し、その際、前記密閉装置が、前記接続部材が穿刺創を通じて延びるように配置されるとき、前記第二の針開口が前記穿刺創の中央軸を含む平面の第一の側面に位置し、前記末端部分が前記第一の側面の反対側の前記平面の第二の側面上に針開口を含まない接続部材とを備える密閉装置。
【請求項20】
解剖学的構造中の穿刺創を密閉する密閉方法において、
組織受け間隙によって分離された針出口開口と針入口開口とを含む装置を前記穿刺創に挿入するステップと、
前記針出口開口が前記解剖学的構造の近端側に位置し、前記針入口開口が前記解剖学的構造の末端側に位置し、前記解剖学的構造の第一の部分が前記組織受け間隙内に受け入れられるように前記装置を配置するステップと、
前記針出口開口を通じて前記装置を出て、前記解剖学的構造の前記第一の部分に貫通し、前記針入口開口を通じて前記装置に再び入る、末端方向で縫合糸の第一の部分に結合された第一の針を前記装置を通じて挿入するステップと、
前記解剖学的構造の第二の部分が、前記針出口及び針入口内腔の間の前記組織受け間隙内に位置するように前記装置を回転させるステップと、
前記針出口開口を通じて前記装置を出て、前記解剖学的構造の前記第二の部分に貫通し、前記針入口開口を通じて前記装置に再び入る、末端方向で縫合糸の第二の部分に結合された第二の針を前記装置を通じて挿入するステップと、
前記解剖学的構造から前記装置を引き抜くステップと、
前記穿刺創の側面を互いに引っ張るために、縫合糸の前記第一の及び第二の部分を引き締めるステップとを含む密閉方法。
【請求項21】
縫合糸の前記第一の及び第二の部分が1つの連続した長さの縫合糸を形成する、請求項20に記載の密閉方法。
【請求項22】
前記穿刺創が血管中に形成される、請求項20に記載の密閉方法。
【請求項23】
前記装置を配置する前記ステップが、前記装置を通じて延びるフラッシュバック内腔を通る血管の流れを観察することによって行われる、請求項22に記載の密閉方法。
【請求項24】
前記第一の及び第二の針を前記針入口内腔に挿入する前記ステップが、前記第一の及び第二の針が前記針入口内腔に挿入されるとき、前記第一の及び第二の針の各々の近端が前記針入口内腔内に完全に受け入れられるように行われる、請求項20に記載の密閉方法。
【請求項25】
前記第一の及び第二の針が針押し部材を使用して挿入される、請求項24に記載の密閉方法。
【請求項26】
前記組織受け間隙の近端側から末端側に延びる前記装置の接続部分の最小断面積が、前記組織受け間隙から末端方向に延びる前記装置の末端部分の最大断面積と少なくとも同じ大きさである、請求項20に記載の密閉方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は一般に外科器具に関し、特に、組織管を通じてアクセスされる血管、内部器官、及び内部組織の穿刺創を縫合する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの外科処置では、血管及び他の内部構造にカテーテル及び/または外科装置を挿入する必要がある。例えば、血管疾患の治療では、カテーテルのような器具を血管に挿入して治療処置を行う必要があることが多い。こうした治療処置は多くの場合、血管の壁を穿刺し、その開口を通じて導入鞘を血管に挿入し、導入鞘を通じて処置カテーテルを血管中の目標位置に誘導することを伴う。もちろん、この処置を完了するためには、血管の壁の開口を密閉し、出血を防止する一方で傷の治癒を促進しなければならない。この密閉は普通、医師または他の訓練された医療専門家によって穿刺部位に直接圧力を加えることによって達成されてきた。しかし、この技術は時間がかかり、血栓症のような合併症につながることがあるが、これは患者にとって危険となりうる。
【0003】
他の密閉技術には、血管中の開口に密閉部材または材料(生体密閉材料であることが最も多い)の栓を当て、傷を密閉することが含まれる。しかし、密閉部材及び栓を正しく配置することは達成困難で、体内に残された材料は、例えば、材料が血流中に入った場合には、患者に対して重大な健康上の危険の原因となることがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、解剖学的構造中の穿刺創を密閉する密閉装置に向けられているが、この密閉装置は、第一の針開口まで貫通して延びる第一の針内腔を有する近端部分と、組織受け間隙を越えて第一の針開口に面し、第二の針内腔に開いた第二の針開口を含む末端部分と、近端及び末端部分の間に結合され、近端及び末端部分からずれて組織受け間隙を形成し、それによって、接続部分が解剖学的構造中の穿刺創中に受け入れられるとき、組織受け間隙中に受け入れられた解剖学的構造の一部が穿刺創の中心軸を含む平面の1つの側面に位置する接続部分とを備えている。
【0005】
さらに、本発明は、解剖学的構造中の開口を密閉する密閉方法に向けられているが、この密閉方法は、組織受け間隙によって分離された針出口開口と針入口開口とを含む装置を開口に挿入するステップと、針出口開口が解剖学的構造の近端側に配置され、針入口開口が解剖学的構造の末端側に配置され、解剖学的構造の第一の部分が組織受け間隙中に受け入れられるように装置を配置するステップとを含んでいる。縫合糸の第一の部分に結合された第一の針は末端で装置に挿入され、針出口開口を通じて装置を出て解剖学的構造の第一の部分に貫通し針入口内腔を通じて装置に再び入り、装置は、解剖学的構造の第二の部分が針出口と針入口内腔の間の組織受け間隙中に配置されるように回転される。次に、縫合糸の第二の部分に結合された第二の針が装置を通じて末端に挿入され、針出口開口を通じて装置を出て解剖学的構造の第二の部分に貫通し、針入口内腔を通じて装置に再び入り、装置は解剖学的構造から引き抜かれ、縫合糸の第一の及び第二の部分は締め付けられて開口の側面を互いに引っ張る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の第一の実施形態による縫合装置の断面の側面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態による縫合装置の断面の上面図である。
【図3A】図1の線3−3に沿って見た本発明の第一の実施形態による装置の断面図である。
【図3B】図1の線3−3に沿って見た本発明の第一の実施形態による装置の代替断面図である。
【図4A】図2の線4−4に沿って見た本発明の第一の実施形態による装置の断面図である。
【図4B】図2の線4−4に沿って見た本発明の第一の実施形態による装置の代替断面図である。
【図5】内部に誘導ワイヤが挿入された、身体内の血管の部分断面図である。
【図6A】本発明の第一の実施形態による装置が第一の希望位置で誘導ワイヤに受け入れられた、血管の部分断面図である。
【図6B】中央間隙に受け入れられた身体組織を通じて針が引き出された、図6Aに示されるような装置を伴う血管の部分断面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態による装置が第二の希望位置にある、血管の部分断面図である。
【図8】本発明の第一の実施形態による装置が血管から部分的に取り外された、血管の部分断面図である。
【図9】血管の壁を通じて延びる縫合糸ループに結び付けられ、血管の方向に押し付けられた引き結びを示す図である。
【図10】穿刺創を密閉する縫合糸を示す図である。
【図11】本発明の第二の実施形態による縫合装置の断面の側面図である。
【図12】図11の線12−12に沿って見た本発明の第二の実施形態による装置の断面図である。
【図13】本発明の第二の実施形態による穿刺針の断面図である。
【図14】本発明の第二の実施形態によるプランジャの側面図である。
【図15】本発明の第二の実施形態による装置が第一の希望位置にある、血管の部分断面図である。
【図16】本発明の第二の実施形態による装置が第一の希望位置にあり、そこで縫合糸が血管の壁を通過して縫合糸保持室に導入された、血管の部分断面図である。
【図17】本発明の第二の実施形態による装置が第二の希望位置にある、血管の部分断面図である。
【図18】第二の実施形態による装置が血管から部分的に引き抜かれた、血管の部分断面図である。
【図19】縫合糸がアンカー部材から切断され互いに結び付けられた、血管の部分断面図である。
【図20】本発明の第三の実施形態による縫合装置の末端部分の断面の側面図である。
【図21】本発明の第四の実施形態による装置の末端部分の断面図である。
【図22】本発明による縫合装置の第五の実施形態の側面図である。
【図23】装置が図22に示された位置から90°回転した、図22の縫合装置の側面図である。
【図24】線24−24に沿って見た図23の縫合装置の断面図である。
【図25】図22の縫合装置の側面図である。
【図26】線26−26に沿って見た図25の縫合装置の断面図である。
【図27】線27−27に沿って見た図25の縫合装置の断面図である。
【図28】線28−28に沿って見た図25の縫合装置の断面図である。
【図29】本発明による針受け本体の側面図である。
【図30】線30−30に沿って見た図29の針受け本体の断面図である。
【図31】本発明による縫合装置の別の実施形態の末端の側面図である。
【図32】本発明による結び目プッシャの側面図である。
【図33】線33−33に沿って見た図32の結び目プッシャの断面図である。
【図34】本発明による縫合糸クリンプ装置の断面図である。
【図35】図34の線35−35に沿って見た図34の縫合糸クリンプ装置の断面図である。
【図36】図35の線36−36に沿って見た図34の縫合糸クリンプ装置の断面図である。
【図37】本発明によるバレルの断面図である。
【図38】図37の線38−38に沿って見た図37のバレルの背面図である。
【図39】本発明によるピストンの側面図である。
【図40】図39の線40−40に沿って見た図39のピストンの側面図である。
【図41】図40の線41−41に沿って見た図39のピストンの前面図である。
【図42】本発明による例示グロメットを示す図である。
【図43】縫合糸を貫通させた、図34の縫合糸クリンプ装置の側面図である。
【図44】縫合糸を圧着する本発明による例示グロメットを示す図である。
【図44A】本発明による縫合装置のさらに別の例示実施形態を示す図である。
【図45】解剖学的構造、特に血管に挿入された誘導ワイヤの透視図である。
【図46】解剖学的構造に部分的に挿入された縫合装置の透視図である。
【図47】解剖学的構造中の希望位置に挿入された図46の縫合装置の透視図である。
【図48】本発明による針受け本体を伴う図26の縫合装置の透視図である。
【図49】部分的に展開された一対の穿刺創針を伴う図48の縫合装置の透視図である。
【図50】一対の穿刺創針が完全に展開し、ある長さの縫合糸が解剖学的構造中の開口に及ぶ、図49の縫合装置の透視図である。
【図51】本発明による縫合装置から取り外された後のある長さの縫合糸の透視図である。
【図52】縫合糸のある長さの結び目を押す、本発明による結び目プッシャの透視図である。
【図53】本発明による縫合装置の別の実施形態の側面図である。
【図54】本発明による針受け本体を含む、本発明による縫合装置の側面図である。
【図55】本発明による縫合装置のさらに別の例示実施形態の断面図である。
【図56】図55の線56−56に沿って見た図55の縫合装置の部分断面側面図である。
【図57】図55の線57−57に沿って見た図55の縫合装置の断面図である。
【図58】図55の線58−58に沿って見た図55の縫合装置の断面図である。
【図59】本発明による例示誘導ワイヤの側面図である。
【図60】内腔に挿入された図59の誘導ワイヤの側面図である。
【図61】図60の誘導ワイヤの上に挿入された図55の装置の側面図である。
【図62】部分的に展開した一対の針の例を伴う、図61の装置を示す図である。
【図63】完全に展開した一対の針の例を伴う、図61の装置を示す図である。
【図64】本発明による縫合装置のさらに別の例示実施形態の透視図である。
【図65】図64の装置の断面側面図である。
【図66】図65の線64−64に沿って見た図65の装置の断面図である。
【図67】血管中の第一の位置にある図64の装置の部分断面側面図である。
【図68】血管中の第二の位置にある図64の装置の部分断面側面図である。
【図69】血管から除去された後の図64の装置の部分断面透視図である。
【図70】図64の装置と共に使用される針/押し部材の断面側面図である。
【図70A】図64の装置と共に使用される代替針押し部材の断面側面図である。
【図71】本発明の追加実施形態による縫合装置の断面の側面図である。
【図72】血管に入る前の図71の縫合装置を示す図である。
【図73】本発明のさらに別の実施形態による縫合装置の断面の側面図である。
【図74】血管に入る前の図73の縫合装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここで図面を参照すると、そこでは同じ参符は同様または同一の要素を示し、図1から図8は、血管、内部器官等の穿刺創を縫合する、本発明の第一の実施形態による装置1を示す。装置1には、近端部分18と末端部分24とを有するほぼ円形断面の可撓チューブ16が含まれる。近端部分18は第一の端20から中央弓形部分22を通じて第二の端21に延び、それが末端部分24の近端23と嵌合する。中央弓形部分は好適には半径が2.54mm(0.100インチ)から15.24mm(0.600インチ)のほぼ円形である。可撓チューブ16は好適には、2つまたは3つの部分が互いに結合された、ポリウレタン、ポリエチレン等といった熱可塑性樹脂から構成される。可撓チューブ16の様々な部分は好適には押出し成形またはモールドの何れかによって形成される。当業者が認識するように、1つか2つの内腔を含む部分を押出し成形することはより経済的で、可撓チューブ16のさらに複雑で、曲がった区分を成形することが出来る。可撓チューブの長さは個々の状況の必要に適合するよう選択され、好適には長さ25.40mm(1インチ)から406.40mm(16インチ)である。
【0008】
可撓チューブ16には、近端部分18を通じて第一の端20から中央弓形部分22の近端の開口10に延びる大型内部針引き抜き内腔26が含まれる。図3A及び図3Bに見られるように、針引き抜き内腔26は好適には楕円形断面であり、可撓チューブ16の外側に開いた随意選択のスロット28を含むことがある。
【0009】
さらに、フラッシュバック内腔30は近端部分18に形成された開口31から中央弓形部分22を通じて延び、末端部分24に並んで形成された針保持ボア32及び32’に開く。図3Aに見られるように、フラッシュバック内腔30は円形断面で、2本の縫合糸41と2本の引っ張りコード43及び43’を同時に収容する寸法である。しかし、図3Bに示されるように、フラッシュバック内腔30の断面には好適には、縫合糸41のループ41’と2本の引っ張りコード43及び43’を受ける並列半球状溝45及び45’が含まれる。これは、第一の針37が引き出されるとき、第二の針37が針保持ボア32’から偶発的に引き出されないようにする役に立つ。針保持ボア32及び32’はそれぞれ、開口10の反対側で中央弓形部分22の末端の位置に形成される開口33及び33’から延びる。さらに、装置1を身体に挿入する際中央弓形部分22を真っ直ぐにするため、ほぼ直線の補強部材がフラッシュバック内腔30に挿入されることがある。また、装置1は直線状に製作され、身体への挿入後、曲がった補強部材が挿入されて装置1を曲げ、中央弓形部分22を形成することもある。
【0010】
図4A及び図4Bに見られるように、針保持ボア32及び32’は、各々針37を受ける形状の第一の部分35と、各々縫合糸41と引っ張りコード43及び43’を受ける形状の第二の部分39とを含む断面形状を有する。第一の部分35は、好適実施形態ではほぼ円形である針37の断面に対応する形状である。第二の部分39は、針37が入らないように縮小された寸法であり、第一の部分35から延び、縫合糸41と引っ張りコード43及び43’の1つを同時に収容する十分な大きさである矩形または三角形の突起である。縫合糸41は、好適には直径が0.10mm(0.004インチ)から0.25mm(0.010インチ)の範囲で長さが381.00mm(15インチ)から889.00mm(35インチ)であり、当業技術分野で周知のように「再吸収性」または「非再吸収性」材料の何れかである。引っ張りコード43及び43’は好適には非再吸収性材料から形成され、縫合糸41と同様の直径である。当業者が認識するように、引っ張りコード43及び43’の機能は、フラッシュバック内腔を通じて延びる針37の末端の間に結合された縫合糸41のループ41’によって満たされることがあり、その際、縫合糸41のループ41’が近端方向に延びるとき、針37は針保持ボア32及び32’を通じて近端に動かされる。
【0011】
第一の実施形態による装置1には一対の針が含まれるので、この装置は好適には、9.0フレンチ・サイズ以下(1フレンチ・サイズは直径3.30mm(0.13インチ)を表す)の穿刺創を閉鎖するのに使用される。従って、可撓チューブ16は、好適には6.0または8.0フレンチ・サイズである。本発明のさらに別の実施形態に関連して以下説明されるように、二対またはそれ以上の針37を利用する装置が利用され、9.0フレンチ・サイズより大きい穿刺創を閉鎖することもある。各針37は好適にはステンレス鋼から構成され、長さ50.80mm(2インチ)から203.20mm(8インチ)の間で、0.25mm(0.010インチ)から0.76mm(0.030インチ)の直径を有する。
【0012】
装置1が動作配置にあるとき、縫合糸41は針保持ボア32及び32’に受け入れられる2つの針37の末端の間に延びる。本発明の第一の実施形態では、随意選択の引っ張りコード43、43’は、各針37の末端から、針保持ボア32及び32’の第二の部分39を通り、フラッシュバック内腔30を経由して、開口31に延びる。しかしまた、縫合糸41は、針37の末端から、針保持ボア32及び32’の第二の部分39を通り、フラッシュバック内腔30を経由して、開口31に延びることもあり、その際開口31から延びる縫合糸ループ41’の一部は、以下説明されるように、引っ張りコード43及び43’の機能を提供する。
【0013】
最後に、誘導ワイヤ内腔34は、装置1の末端部分24を通じて、近端開口36から、装置1の第二の端に形成された末端開口38に延びる。
【0014】
動作の際、図5から図10に示されるように、血管(または身体内の他の構造)へのカテーテルの挿入を必要とする患者に対して侵襲性処置が行われるとき、導入鞘が、皮膚(S)を通り、血管(BV)の壁の穿刺創(P)を通じて患者の身体に挿入される。誘導ワイヤ44は穿刺創を通じて血管内の目標範囲に挿入され、カテーテルは導入鞘を通じ、誘導ワイヤ44に沿って、血管内の目標範囲に挿入される。処置が完了した後、カテーテルと導入鞘は引き抜かれ、誘導ワイヤ44はその位置に残される。次に誘導ワイヤ44の近端が誘導ワイヤ内腔34を通じて挿入され、装置1が身体に挿入され、中央弓形部分22が血管壁の穿刺創に隣接する部分にまたがるまで穿刺創を通じて誘導ワイヤ44に沿って動かされる。
【0015】
フラッシュバック内腔30と針引き抜き内腔26を観察することで、医師は装置1が希望位置にある時を判定する。すなわち、装置1が血管に十分に深く挿入されると、フラッシュバック内腔30内に血液が観察される。しかし、血液が針引き抜き内腔26内に観察されると、医師には装置1を血管に深く挿入しすぎたことが分かる。
【0016】
装置1が血管に挿入されると、可撓チューブ16は曲げられ、装置1は血管内に受け入れられ、血管に無理な力を加えることなく血管の方向に延びる。この位置で、開口33及び33’は、穿刺創の近端側に位置する開口10に面する穿刺創の末端側にある。
【0017】
図6Bに示されるように、医師は次に装置1を希望方向に回転させ、引っ張りコード43を開口31から引っ張り、ひいては針37の1つを針保持ボア32を通じて前方に引っ張るので、針37のとがった近端は、血管の壁を通じて引っ張られ、開口10に入り、針引き抜き内腔26内に延びる。すると針37は針引き抜き内腔26を通じて引っ張られ、血管の壁を通じて針引き抜き内腔26内に縫合糸41の第一の端を引き込む。針37は、針37の近端が針引き抜き内腔26の近端から突出するまで引っ張りコード43によって前方に引っ張られる。次に針37の近端が医師によって把握され、針引き抜き内腔26から引き出される。針37が確実に針引き抜き内腔26を通じて延びるようにするため、針37は好適には長さ少なくとも101.60mm(4インチ)である。
【0018】
その後、医師は、図7に示されるように、中央弓形部分22が、縫合糸41の第一の端が血管壁に貫通した点に対して希望位置で血管壁にまたがるまで装置1を回転させる。当業者が理解するように、この「希望位置」は普通穿刺創の反対側であるので、装置1は第一の針37が引き抜かれた後約180°回転させられる。装置1が第二の希望方向にあるとき、医師は開口31から引っ張りコード43’を引き出し、第二の針37を針保持ボア32’を通じて前方に動かすので、第二の針37のとがった近端は血管の壁を通じて引っ張られ、開口10に入り、針引き抜き内腔26内に延びる。第二の針37は、上記で説明されたように、針引き抜き内腔26を通じて引っ張られ、縫合糸41の第二の端を血管の壁を通じて針引き抜き内腔26内に引っ張る。
【0019】
図8から図10に示されるように、医師は身体から装置1を引き抜き、縫合糸41を針37の端部から取り外し、2端を引き結びに結合し、それを血管の方向に内側に動かし、引き締めて穿刺創を密閉する。もちろん、当業者が認識するように、縫合糸41の2端が血管壁を通じて引っ張られた後、2端を互いに固定する様々な他の方法が利用されることがある。
【0020】
図11から図19は、本発明の第二の実施形態による縫合装置を示す。第二の実施形態による装置1’の可撓チューブ16は好適には第一の実施形態の装置1と同様の寸法と可塑性で、以下説明する点だけが異なっている。さらに、当業者が認識するように、特に述べない限り、第一の実施形態に関連して上記で説明された各変形は他の全ての実施形態にも適用される。
【0021】
図12に見られるように、装置1’の近端部分18の断面は、円形断面のフラッシュバック内腔30を示す。この実施形態のフラッシュバック内腔30は、第一の端20から、近端部分18を通じて、開口68に隣接して形成された開口49に延びる。
【0022】
さらに、第一の実施形態の針引き抜き内腔26の代わりに、装置1’の近端部分18には、装置1’の第一の端20から中央弓形部分22の近端の開口52に延びるほぼ円形の穿刺創針チャネル50が含まれる。この穿刺創針チャネル50はまた、可撓チューブ16の表面を通じて、穿刺創針チャネル50の長さに沿って延びる随意選択のスロット54を含むことが示される。
【0023】
穿刺創針56は、近端58に直径の増大した把握表面58を有し、穿刺創針チャネル50に摺動式に受け入れられる。穿刺創針56には、把握表面58に形成された開口60から、穿刺創針50の末端62に形成された開口に延びる中央チャネル59が含まれる。1つの縫合糸41は、それぞれのアンカー部材64と一体式に形成されるかまたはそれに結合され、中央チャネル59内に受け入れられる。アンカー部材64はステンレス鋼コイルばねとして構成される。
【0024】
当業者が認識するように、穿刺創針56がその近端から末端に延びるスロットを備えている場合、縫合糸ループ41’は両端にアンカー部材64を有する1つの縫合糸41によって形成される。すなわち、縫合糸の第一の端が縫合糸保持室72に挿入された後、この縫合糸41の第一の長さがスロットを通じて引き出され、縫合糸41の第二の端に取り付けられた第二のアンカー部材は、上記で説明されたように、血管壁の第二の部分を通じて縫合糸保持室72に挿入される。その後、装置1’は身体から引き出され、縫合糸ループ41’の2端が互いに結び合わされて、周知の技術が使用され、結び目は血管の外側に出るように操作される。
【0025】
プランジャ66は中央チャネル59内に摺動式に受け入れられ、その際アンカー部材64は開口61とプランジャ66の末端の間に配置されるので、プランジャ66が末端の中央チャネル59内に動かされると、アンカー部材64は開口61の方向に移動する。
【0026】
中央弓形部分22の末端で開口52に向かい合う開口68は、針受けスロット70を通じて、針受けスロット70に対して増大した直径を有する縫合糸保持室72に延びる。当業者が認識するように、十分な剛性が維持され、アンカー部材の寸法が、縫合糸41が身体から装置1’を引き抜く際縫合糸保持室72から引き抜かれないようにするものである限り、アンカー部材の構造には多くの変形がなされうる。
【0027】
動作の際、図15から図19に示されるように、装置1’は、中央弓形部分22が血管壁をまたぎ、開口52と68が壁の両側(それぞれ近端と末端)にあるように配置され、第一の実施形態の装置1に関連して上記で説明されたように希望位置に回転される。
【0028】
装置1に関連して上記で説明されたように、フラッシュバック内腔30は、装置1’が希望位置にあるかを判定するために使用される。すなわち、装置1’が希望位置にあるとき、血液はフラッシュバック内腔30内だけで観察され、針チャネル50内では観察されない。すなわち、針チャネル50内の血液は、開口52が血管内の正しくない位置にあることを示す。装置1’が正しく配置されると、医師は把握表面58を押して穿刺創針56の鋭い末端を開口52から末端方向に、血管の壁を通じて開口56内に動かす。
【0029】
穿刺創針56が縫合糸保持室72に挿入されると、医師はプランジャ66を中央チャネル59内で末端に押し、アンカー部材64を縫合糸保持室72内に解放する。次に、穿刺創針56は縫合糸保持室72から引き抜かれ、プランジャ66は完全に中央チャネル59から引き抜かれる。
【0030】
装置1’が随意選択のスロット54を含む場合、縫合糸41は穿刺創針チャネル50からスロット54を通じて引き抜かれる。これによって、穿刺創針チャネル50の直径は、穿刺創針56が通過する十分な余裕を提供しつつ最小化される。次に第二のアンカー部材64と第二の縫合糸41が中央チャネル59に挿入される。
【0031】
図17に示されるように、医師は次に装置1’を第二の希望位置に再方向付けし、第一の実施形態に関連して上記で説明されたように、医師は把握表面58を押して穿刺創針56の鋭い末端を開口52から血管の壁を通じて開口56内に末端方向に動かすので、開口61は縫合糸保持室72内に入る。その後、医師はプランジャ66を中央チャネル59に挿入し、それを前方に押してアンカー部材64と第二の縫合糸41を縫合糸保持室72内に解放する。当業者が理解するように、この時点で第二の縫合糸41を挿入する代わりに、把握装置が中央チャネル59を通じて縫合糸保持室72に挿入されてアンカー部材64をつかんで回収し、それを中央チャネル59を通じて引き出すこともある。この場合、2本の個別の縫合糸41を互いに結び付ける必要なしに、縫合糸ループ41’の形成が可能である。
【0032】
次に医師は、図22に示されるように、身体から装置1’を引き抜くので、開口68から延びる縫合糸41の端部が切断されアンカー部材64から縫合糸が解放される。次に、図23及び図24に示されるように、縫合糸41の端部は互いに結び付けられ、もう一方の端部は互いに結び合わされて引き締められ、穿刺創を密閉する。
【0033】
当業者が理解するように、さらに大きな穿刺創の場合、穿刺創を密閉するために必要な数の縫合糸41を挿入するため、装置1’’が使用される。すなわち、サイズが9.0フレンチより大きな穿刺創を閉じるためには、1つの縫合糸41では不十分なことがある。従って、上記で説明されたように装置1’’を使用し約180°離れて2つの縫合糸41を挿入する代わりに、医師は、例えば、上記で説明された技術を使用して、4つの縫合糸41を90°間隔で挿入する。次に、装置1’’が身体から引き抜かれると、医師は、約180°分離された第一の対の縫合糸41を互いに結び合わせた後、第二の対を結ばなければならない。二対の縫合糸41は、色符号付けまたは何らかの同様の技術によって区別される。
【0034】
本発明の第三の実施形態による装置1’’が図25及び図26に示される。以下説明されるような修正された末端部分24を除いて、装置1’’の構造と動作は第一の及び第二の実施形態の何れかと同一である。
【0035】
すなわち、装置1’’の末端部分24は、近端部分18に対して可撓性が増大するように構成される。さらに、末端部分24には、応力を加えられていない状態で「J」形であるようにバイアスがかけられている。すなわち、末端部分24は、第二の端40に形成された末端開口38が近端に面するように曲げられている。これによって、装置1’’が血管を損傷することなく血管の内壁に接触するような装置1’’の挿入が容易になる。すなわち、第二の端40の可撓性と「J」形の形状によって、第二の端40は、血管の内層を貫通または損傷することなく、内層から偏向して離れている。もちろん、誘導ワイヤ44上に受けられたときは、末端部分24の「J」形の形状は目立たなくなる。しかし、バイアスは第二の端40のわずかな曲がりを維持し、血管内層の内側への装置1’’の衝撃をそらす。
【0036】
上記で説明されたように、サイズが9.0フレンチより大きな穿刺創を閉じるためには、1つの縫合糸41では不十分なことがある。すなわち、図21に示されるように、本発明の第四の実施形態による装置1’’’は、ほぼ楕円断面の可撓チューブ16中に形成された4つの針保持ボア32に並列に配置された4つの針37を受け入れる。楕円断面であることと4つの針に対応していること以外は、装置1’’’の構造と動作は、第一の実施形態による装置1のものと同様である。
【0037】
楕円断面であることによって、4つの針が並列に並ぶ平面での装置1’’’の剛性は増大するが、その平面に垂直に曲がる可撓性は保持される。装置1’’’の4つの針37は対になって互いに結合され、各対の針は、各対の針37が(約180°離れて)穿刺創の反対側の血管の壁を貫通するように配置される。装置1’’’が身体から取り出されると、各対は互いに結び合わされ、2つの結び目が引き締められて穿刺創を密閉する。
【0038】
もちろん、当業者が理解するように、第一の実施形態による装置1の各変形は、装置1’’’にも適用される。同様に、当業者が認識するように、4つの針37は、各々が縦に並べて直列に配置された2つの針37を保持する2つの針保持ボア32を有する装置1’’’に受け入れられる。
【0039】
図22は、本発明による縫合装置101のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、針137は同時に配置され、解剖学的構造中の開口内で装置101を回転させる必要を除去する。これは、剛体近端部分118と、中央部分122によって接続された可撓末端部分124とを有する細長い部材として形成された装置101によって達成される。近端部分118と末端部分124はどちらも、例えば、ほぼ円形の断面である。近端部分118の末端121は、例えば、近端部分118の残りの部分よりわずかに大きな直径を有し、止め221を形成する。中央部分122は、例えば、楕円形または長円形の断面である。さらに、本発明の装置(1、1”、等)の他の実施形態の中央弓形部分22と異なって、中央部分122はほぼ直線である。
【0040】
図23から見られるように、近端部分116は、例えば、一対の貫通して延びる軸方向内腔、すなわち、位置指示内腔200と縫合糸内腔130を有する。位置指示内腔200は、近端部分118の近端120の近端位置開口201から、中央位置122の中央位置開口202に延びる。中央部分122で、位置指示内腔200は、例えば、90°外側に曲がるので、位置指示内腔200は、中央位置開口202で終端となるまで半径方向外向きに通る。
【0041】
縫合糸内腔130は、近端部分118の近端120の近端縫合糸開口131から、末端部分124に配置された針室132に延びる。縫合糸内腔130は、中央部分122で中央縫合糸開口203にも接続される。中央縫合糸開口203は縫合糸内腔130から半径方向外向きに延びる。しかし、中央縫合糸開口203は、例えば、位置指示内腔200から反対方向に通るので、中央縫合糸開口203と中央位置開口203は、中央部分122の半径方向反対側にある。
【0042】
図24に示されるように、縫合糸内腔130は、例えば、ほぼ楕円形または長円形の断面であるが、位置指示内腔200は、例えば、ほぼ円形の断面である。
【0043】
細長い部材116のさらなる細部が図25に示される。末端部分124には、例えば、一対の針137を保持する、例えば、1つの軸方向針室132が含まれる。針137は針室132に完全には収容されない。その代わり、各針137の一部は針チャネル123を通じて延びる。
【0044】
各針チャネル123は、針室132から針チャネル開口133にほぼ軸方向に延びる。しかし、図25から見られるように、各針チャネル123はまた、針室132からそれぞれの針チャネル開口133に延びる際、わずかに外向きに通る。針チャネル開口133は、末端部分124の近端面233に現れ、例えば、末端部分124の近端面233の半径方向反対側に配置される。すなわち、針137が針チャネル123を出る際、針137はほぼ近端方向(図25で見て右側)だが、同時に互いに反対側の半径方向にわずかに外側に移動する。
【0045】
互いに半径方向反対側にあることに加えて、針チャネル開口133は各々、例えば、中央位置開口202及び中央縫合糸開口203から半径方向に90°ずれている。針チャネル開口133は、例えば、楕円中央部分122の短軸に半径方向で整合し、中央位置開口202と中央縫合糸開口203は、例えば、中央部分122の長軸上に配置されている。
【0046】
例えば、ある長さの縫合糸141の2つの区分は細長い部材116内に収容されている。ある長さの縫合糸141は2つに重ね合わされており、縫合糸ループ142は近端縫合糸開口131の外側に延びる。ある長さの縫合糸141の2つの区分は縫合糸開口131を通じて縫合糸内腔130に入り、中央縫合糸開口203を通じて縫合糸内腔130を出る。次に2つの区分は各々それぞれの針チャネル123に入り、最終的には針室132に移動する。ある長さの縫合糸141の各区分の端部は、針室132内のそれぞれ1つの針137の末端に接続される。
【0047】
図25から見られるように、この実施形態による装置101は、3つの区分に製造されるが、それはすなわち、近端部分118、中央部分122、及び針チャネル123を収容する末端部分124の近端を含む第一の区分と、針室132を収容する末端124の部分だけを含む第二の区分と、末端部分124の末端の柔らかい先端140だけを含む第三の区分とである。これらの様々な区分は好適には、例えば押出し成形またはモールドによって個別に形成された後、互いに取り付けられる。
【0048】
図26、図27及び図28は、それぞれ図25の線26−26、27−27、及び28−28に沿って見た装置101の断面図を示す。図26は内部に針室132を有する末端部分124を示す。針室132は、例えば2つの針137を収容し、各針137はある長さの縫合糸41の端部に接続される。図27は、中央部分122と、末端部分124の近端面233を示す。縫合糸141は、縫合糸内腔130と中央縫合糸開口202から針チャネル開口133に通る。図28は、内部に位置指示内腔201と縫合糸内腔130を有する近端部分118を示す。縫合糸内腔130はある長さの縫合糸141の2つの区分を収容する。
【0049】
装置101の針受け本体220が、例えば、図29及び図30に示される。図示されるような針受け本体220は、その長さの大部分でほぼ環状の断面を有する細長い部材である。突起222は、例えば、針受け本体220の近端221から半径方向外向きに延びる。突起222は針受け本体220を取り扱う際助けになる。
【0050】
針受け本体220は、軸方向に貫通して延びる装置内腔225を有する。装置内腔225は、例えば、全体として針受け本体220と同じ軸を共有する(すなわち、装置内腔225は針受け本体220内に半径方向の中心を有する)。装置内腔225は、近端部分118の外形とほぼ同じか、またはそれよりわずかに大きい直径である第一の内径と、第一の内径よりわずかに大きい第二の内径とを有するので、第一の内径を有する部分と第二の内径を有する部分との交差位置に隣接点227が形成される。
【0051】
装置内腔225の反対側では、例えば、一対の軸方向針受けチャネル226が延びる。
【0052】
針受け本体220の内径は細長い部材116の上に摺動式に配置出来るものである。針受け本体220は近端部分118から移動し、針受け本体220の隣接点227が細長い部材116の止め221に接触するまで末端方向に摺動する。この点で、針受け本体220は、(例えば製造工程の一部として)固定式または回転式に細長い部材に接合されるか、または細長い部材116と摺動式及び/または摩擦式に結合されたままとなる。後者の場合、例えば、皮膚の傷を閉じる場合やある種の腹腔鏡処置の際、望ましい場合針受け本体なしで装置101を使用することが可能である。
【0053】
図31は、末端部分124の末端に配置された先端140を示す。図から見られるように、先端140はJ形の細長い部材のことがある。しかし、先端140は、解剖学的構造と周囲組織の形状に合わせて、直線部材または何らかの他の形状として成形されることもある。先端140には、例えば、貫通して延びる軸方向誘導ワイヤ内腔138が含まれる。先端140は、例えば、軟質または可撓性材料から形成される。先端140の形状とその材料のために、先端140は解剖学的構造に容易に挿入される。
【0054】
本発明のこの実施形態による装置101にはまた、図32及び図33に示されるような結び目プッシャ300が含まれる。結び目プッシャ300には、例えば、円形断面を有する縦部材301が含まれる。ノブ302は縦部材301の近端に配置されている。縦部材301の末端は、例えば、丸くなっている。
【0055】
縦部材の末端は、内部に形成された軸方向スリット303を有する。スリット303は、例えば、ある長さの縫合糸141の2つかそれ以上の区分を収容するのに適した寸法だが、結び目がスリット303に入らない十分な小ささである一定の幅を有する。しかし、スリット303の深さは、スリットが縦部材301の末端から近端に延びるに連れて減少する。スリット303は、例えば、縦部材301の半径よりわずかに大きい初期深さを有し、スリットが近端に延びるに連れて、例えば直線的に、0まで減少する。
【0056】
縦部材301の末端はまた、例えば、内部に形成された円形くぼみ304を有する。くぼみ304はスリット303と交差し、細長い部材301を通る連続経路を形成する。くぼみ304は好適にはスリット303の幅より大きい半径を有し、一般にある長さの縫合糸141の結び目を収容する寸法である。すなわち、ある長さの縫合糸141の結び目はくぼみ304に挿入され、ある長さの結び目141の端部はスリット303を通じて引っ張られ、結び目を締め付ける。
【0057】
図34から図44は、縫合糸141を安定させる第二の例示装置と方法を示す。これらの図は、グロメット517によって縫合糸141の自由端を締め付ける、縫合糸クリンプ装置500を示している。一般に、圧着装置500には、バレル501とピストン503が含まれる。バレル501には、好適には円筒形状であるシャフト505が含まれ、さらに望ましい場合バレル・ハブ507が含まれることがある。同様に、ピストン503には好適には円筒形シャフト509が含まれ、ピストン・ハブ511が含まれることがある。ピストン503とバレル501は、ピストン503がバレル501に挿入されるような寸法である。
【0058】
バレル501の末端とピストン503は、ピストン503の末端がバレル501に挿入されるときに圧縮されるような構造である。すなわち、バレル501には内部カム表面513が含まれ、ピストン503には外部カム表面515が含まれる。ピストン503の末端はまたグロメット517を受け入れるよう構成されている。グロメット517はピストンが圧縮される際かしめられ、グロメット517に通された縫合糸141を締め付ける。
【0059】
ピストン503の末端には好適には一対のアーム519が含まれるが、これは可撓性で、ピストン503がバレル501内に進む際容易に圧縮される。可撓性をさらに向上させるために、ピストン503にはさらに、アーム519の基部に形成された逃がし穴521が含まれることがある。グロメット517を保持するために、アーム519は好適には、図39に最もよく例示されているようにくぼみ516を備えているが、この目的で任意の保持機構が使用されうる。さらに、図39及び図40に例示されているように、アーム519は好適には端部520の近くで横方向に圧縮され、ピストン503がバレル501内に完全に前進出来るようにする。
【0060】
グロメット517は好適には円形、例えば円錐曲線回転体の形状であり、例えば、金属、プラスチック、または生物学的材料といった、任意の適切な材料から形成される。グロメット517は好適には少なくとも部分的には再吸収性であるが、望ましい場合永久材料が使用されることがある。特に有利な構造では、グロメット517には複数の層が含まれる。例えば、グロメット517には、永久または吸収性材料の外部層によって取り囲まれた、シアノアクリレートまたはフィブリンといった接着剤の内部層が含まれることがある。また、グロメット517には、例えば、コラーゲンまたは接着剤の外部層によって取り囲まれた永久または吸収性材料の内部層が含まれることもある。
【0061】
図43及び図44に例示されているように、縫合糸141はバレル501に通され、バレル501の末端は血管の方向に向けられる。次に縫合糸141はグロメット517に通される。この目的で、グロメット517には、図42に示されるように、横方向スリット518が含まれることがある。引っ張り張力が縫合糸141に印加されると、ピストン503は、カム表面513及び515がアーム519を圧縮するまでバレル501に挿入される。この圧縮によってグロメット517がかしめられ、縫合糸141の上でグロメット517を締め付ける。この方法で、縫合糸141は、結び目を結ぶ必要なしに、迅速に安定化され、穿刺創を密閉する。
【0062】
バレル501には好適には止め523が含まれる。止め523は、異なった内径を有するバレル501の2つの区分の隣接点に形成される。すなわち、バレル501の末端は、バレル501の近端区分の直径よりわずかに小さい直径を有する。バレル501の末端の直径は好適には、ピストン503の外形に密接に対応するよう選択される。すなわち、ピストン503がバレル501内に進む際、ピストン503の外径とバレル501の内径の間に受け入れられた縫合糸141の部分は、逃がし穴521が止め523を越えて前進する際切断される。この方法で、縫合糸141の長い方の端部は自動的に縫合糸141のかしめられた区分から取り除かれる。
【0063】
図44Aは、本発明のさらに別の例示実施形態を示す。この実施形態では、制御アーム内腔163は、例えば、引き込み式アンカー160とアンカー制御アーム162を収容する形状である。すなわち、制御アーム内腔163の半径方向に外向きに延びる部分は、例えば、制御アーム開口161の方向に、後方に(すなわち近端方向に)傾斜していることがある。
【0064】
制御アーム162は、例えば、図44Aに示されるように、制御アーム内腔163の軸部分を通じて延び、近端位置開口201を出る。アンカー160は、制御アーム162の末端近くで制御アーム162に取り付けられる。アンカー160は、少なくとも部分的に、例えば、制御アーム内腔163の後方傾斜区分に保持される。
【0065】
例示実施形態では、アンカー160は可撓部材である。バイアスをかけられていない形状では、アンカー160の端部は曲がったアンカー・フック164を形成することがある。このバイアスをかけられていない形状は、例えば、図44Aに示されるように、アンカー・フック164が位置指示内腔制御アーム内腔163の外にある時得られる。アンカー・フック164が制御アーム内腔163の中にあるとき、位置指示内腔の内壁はアンカー・フック164にバイアスをかけ、ほぼ真っ直ぐな形状にする。
【0066】
当業者が理解するように、制御アーム162と、アンカー160は、引き込み位置と伸張位置の間で移動出来る。引き込み位置では、制御アーム162は末端方向に制御アーム内腔163内に突出し、アンカー・フック164を含むアンカー160は、制御アーム内腔163の中に引き込まれる。望ましい場合、いくつかの機能が利用され、制御アーム162の末端方向の移動を制限する。例えば、制御アーム止め166が、制御アームの縫合装置102の外側の部分に取り付けられることがある。制御アーム止め166は、制御アーム160が最末端位置に達するとき縫合装置101の末端に接触する。同様に、制御アーム162の末端が制御アーム内腔163の末端面に接触し、制御アーム162がそれ以上末端方向に移動するのを妨げることもある。また、制御アーム162の直径が末端から離れると増大することもあり、その場合制御アームの幅広い方の断面が、より小さい直径を有する制御アーム内腔163の末端部分に入るのがさまたげられる。他の構成も可能であり、望ましい場合、任意の適切な配置が利用される。
【0067】
制御アーム162が引き出されて伸張位置にあるとき、アンカー160は制御アーム開口161の外側に延び、アンカー・フックは曲がった、バイアスのかけられていない形状に戻る。
【0068】
実際には、アンカー160は、上記で説明されたような位置指示内腔200と共に、またはそれの代替案として動作する。縫合装置101は身体内に挿入され、、制御アーム162とアンカー160は、例えば、引き込み位置にある。装置101が希望位置に近付くと、制御アーム162とアンカー160は伸張位置に移動し、アンカー・フック164は血管の内側に接触し、縫合装置101を希望位置に保持する。上記で説明されたように血管が縫合されると、アンカー160は引き込まれ、縫合装置101は身体から取り出される。
【0069】
この実施形態による装置101の動作が図45から図52に示される。血管(または身体内の他の構造)へのカテーテルの挿入を必要とする患者に対して侵襲性処置が行われるとき、導入鞘が、皮膚(S)を通り、血管(BV)の壁の穿刺創(P)を通じて患者の身体に挿入される。誘導ワイヤ144は穿刺創を通じて血管内の目標範囲に挿入され、カテーテルは導入鞘を通じ、誘導ワイヤ144に沿って、血管内の目標範囲に挿入される。
【0070】
処置が完了した後、カテーテルと導入鞘は引き抜かれ、誘導ワイヤ144はその位置に残される。次に誘導ワイヤ144の近端が誘導ワイヤ内腔138を通じて挿入され、装置101が身体に挿入され、中央弓形部分122が穿刺創内に配置される(すなわち、穿刺創の両側の血管の壁が中央部分122を取り囲む)まで穿刺創を通じて誘導ワイヤ144に沿って移動する。穿刺創の周囲の壁の伸びが出来る限りわずかになるように、中央部分122の長軸は穿刺創の長さと整合している。
【0071】
位置指示内腔201を観察することで、医師は装置101が希望位置にある時を判定することが出来る。すなわち、装置101が血管に十分に深く挿入されると、位置指示内腔内に血液が観察され始める。また、アンカー160も、提供されるならば、装置101を位置決めするために使用される。
【0072】
装置101が血管に挿入される際、可撓先端140は曲がり、装置101は、血管を緊張させることなく血管内に受け入れられ、血管の方向に延びる。この位置で、針チャネル123は血管の内側にあり、針のとがった組織穿刺端は近端に、すなわち近端部分118の方向に面する。
【0073】
望ましい場合、次に針受け本体220が近端部分118の周囲に導入され、止め221に達するまで近端部分118の上を摺動させられる。針受け本体は必要な場合回転され、針受け内腔226を針チャネル開口133と整合させる(針受け本体220が細長い部材116に固定式に取り付けられていないと想定した場合)。
【0074】
装置101の全ての構成要素が配置されると、操作員はある長さの縫合糸141のループ142を引っ張る。縫合糸が細長い部材116を通じて引き抜かれるに連れて、針137は針室132及び針チャネル123から引き出される。針137は穿刺創の両側で血管の壁に貫通し、針受け内腔226が存在する場合そこに入る。針137は、針137の近端が、針受け本体220が存在する場合その近端を出る十分な長さである。
【0075】
次に操作員は針137を把握してそれを血管壁及び/または針受け本体220から引き出し、図50に示されるように、ある長さの縫合糸141のループ142を縫合糸チャネル130を通じて引っ張り血管の中に戻す。次にある長さの縫合糸141は針137から分離され、針受け本体から引き抜かれる。ある長さの縫合糸141が結び合わされた後、結び目プッシャ300が使用され、結び目とある長さの縫合糸141全体を引き締めて、穿刺創を密閉する。もちろん、当業者が理解するように、代替的に上記で説明されたようなクリンプ装置500が利用されることもある。
【0076】
本発明による装置101の付加的な機能が図53に示される。針137は、針室132内に配置されたプラットフォーム150に取り外し式に植え込まれることがある。プラットフォーム150によって、ユーザは、ロッド(図示せず)を縫合糸内腔130と針室132に挿入することで針137が部分的に展開した後、針137を針室132に押し戻すことが出来る。ロッドは、プラットフォーム150を末端方向に押し、針137を同様に末端方向に移動させ、それらの初期位置に戻すために使用される。この機能は、例えば、ある長さの縫合糸141が完全な展開前に切断した場合や、針137の1つが障害物に遭遇した場合有用である。
【0077】
プラットフォーム150は、誘導ワイヤ44が利用され針137を展開する、本発明による縫合装置のさらに別の実施形態と併用する際特に有用である。図55に例示されるように、この実施形態による装置400には、装置400の全長を通じて延びる誘導内腔410が含まれる。誘導内腔410は誘導ワイヤ44を受けるように構成され、好適には、図58に例示されるように、装置400内の中心に配置される。装置400には、上記で説明されたように他の内腔及び室が含まれることがある。
【0078】
装置400のプラットフォーム150は好適には円筒形状であるが、その意味するところは、プラットフォーム150には好適には貫通するボアが含まれるということだけである。従って、理解されるように、「円筒形」という用語には、貫通するボアを有する任意の形状が含まれる。すなわち、プラットフォーム150は、ボアが誘導内腔410に整合するように配置される。この方法で、誘導ワイヤ44はプラットフォーム150を通じて延びる。
【0079】
装置400の誘導ワイヤ44には、ワイヤ44に結合された取り付け具420が含まれるが、「結合」という用語には、接着結合、機械的結合、溶接、または一体式配置を含む、取り付け具420とワイヤ44が取り付けられる任意の配置が含まれる。取り付け具420とプラットフォーム150は互いに選択的に嵌合するよう構成される。この目的で、任意の種類の嵌合機構が利用される。好適な嵌合機構には、雌ねじと雄ねじ、またはラグと溝の配置が含まれる。
【0080】
実際には、図60に例示されるように、誘導ワイヤ44が血管に挿入される。次に、装置400が誘導ワイヤ44の上に挿入される。装置400が、上記で説明されたものを含む任意の方法によって配置されたならば、誘導ワイヤ44は、取り付け具420とプラットフォーム150が接触するまで引き抜かれる。次に誘導ワイヤ44または装置400(または両方)が操作、例えば回転され、取り付け具420とプラットフォーム150を嵌合させる。次に、図61から図63に例示されているように、誘導ワイヤ44がさらに引き抜かれ、針137を展開する。この展開には縫合糸141を引っ張る必要がないため、縫合糸141が切断する可能性は最小化される。理解されるように、例示実施形態には縫合糸内腔130が含まれているが、縫合糸は望ましい場合装置400に完全に収容されることもある。
【0081】
本発明による装置101の実施形態は、1つのある長さの縫合糸141と一対の針137に関連して説明された。しかし、理解されるように、簡単な修正(例えば、より多くの針チャネル123を追加する、等)によって、多数の針を同時に展開することが出来るようになる。
【0082】
図64から図70は、ハンドル504と、チューブ502の末端に結合された中央部分506の間に延びるほぼ円形断面を有するチューブ502を含む、本発明のさらに別の実施形態による装置500を示す。中央部分506は弧に沿ってチューブ502の軸から離れて曲がるが、それによって中央部分506はチューブ502の軸の方向に戻り、末端部分508に接続する。すなわち、チューブ502の末端は、中央部分506によって形成される間隙を越えて末端部分508の近端に面する。中央部分506の断面積は末端部分508のそれにほぼ等しく、中央部分506と末端部分508両方の断面積はその全長に沿ってほぼ一定であるが、チューブ502の断面積は好適には中央部分506の末端部分508のそれと等しいか、それよりわずかに大きい。誘導ワイヤ内腔507は末端部分508の末端部を通じて延びる。
【0083】
針挿入内腔510は、チューブ502とハンドル504を通じて、ハンドル504の近端に形成された開口512から、チューブ502の末端に形成された開口514まで延びる。縫合糸取り外しスロット513は、ハンドル504とチューブ502を通じて延び、針挿入内腔510の内部を、針挿入内腔510の全長に沿って装置500の外側に開く。位置指示内腔516は、中央部分506の一部を通じてハンドル504内に形成された開口518から、中央部分506に形成された開口520まで延びる。末端部分508の近端に形成された針入口開口522は、末端部分508を通じて軸方向に延びる針受けチャネル524の中に延びる。針受けチャネル524は、この装置と共に使用される針526の長さの2倍以上の長さだけ延びる。初期の配置では、装置500内に針は受け入れられない。また、第一の針526の全てまたは一部が、第一の針526のとがった末端が針挿入内腔510内にある限り針挿入内腔510内に受け入れられることもある。以下説明されるように、使用の際、装置はまず患者に挿入され、次に、希望縫合位置にあるとき、第一の針526が、図65に示されるように開口512を通じて針挿入内腔510に挿入され、その後針プッシャ530が第一の針526の後方で針挿入内腔510を通じて摺動される。縫合糸528のループが一対の針526の近端の間に結合され、縫合糸取り外しスロット513は、縫合糸528が縫合糸取り外しスロット513を通じて針挿入内腔510から引き抜かれる際針526が針挿入内腔510内に保持されるような寸法である。
【0084】
この装置は好適にはハンドル504の近端から部分508の近端の針入口開口522までほぼ剛体であり、可撓チューブが末端部分508の近端から末端方向に延びている。この剛体構造によって開口514と522が処置の間互いに確実に整合される一方で、末端部分508の末端チューブの可撓性によって、末端部分508は、血管に無理な力を加えることなく曲がり、血管の方向に追従する。
【0085】
動作の際、図67に示されるように、患者に対して侵襲性処置が行われ、前に血管(または体内の他の構造)に挿入されたカテーテルが引き抜かれたとき、誘導ワイヤは、血管への穿刺創を通じて、組織管を通じて延びる位置に残されることがある。その場合穿刺創は密閉しなければならない。すなわち、誘導ワイヤの近端が誘導ワイヤ内腔507を通じて挿入され、装置500が身体に挿入されて、中央部分506が穿刺創に隣接した血管壁の部分にまたがり、開口514が血管壁に近接して位置し、針入口開口522が血管壁内に来るまで穿刺創を通じて誘導ワイヤに沿って移動させられる。ここで誘導ワイヤは引き抜かれる。
【0086】
位置指示内腔516と針挿入内腔510を観察することで、医師は装置500が希望位置にあるかを判定出来る。すなわち、装置500が血管に十分に深く挿入されると、血液が位置指示内腔516内に観察される。しかし、血液が針挿入内腔510内で観察される場合、医師には、装置500が血管に深く挿入され過ぎていることが分かる。血管内に正しく配置されると、装置500は(望ましい場合)指定された方向に回転される。ここで第一の針526を挿入するために装置500が正しく配置されると、医師は第一の針526とそれに取り付けられた縫合糸528のループの第一の端を開口512を通じて針挿入内腔510に挿入し、針526と縫合糸528を、針プッシャ530を使用し、針挿入内腔に沿って末端方向に押す。針526が末端方向に前進すると、針526の鋭い末端は開口514を出て、血管壁に貫通し、針入口開口522を通じて針受けチャネル524に入る。医師は、針526の近端が針受けチャネル524内に完全に受け入れられるまで針526を末端方向に前進させ続けた後、針プッシャ530を装置500から引き抜く。
【0087】
その後、医師は装置500を第二の方向に回転させ、その間位置指示内腔516と針挿入内腔510を観察して、図68に示されるように、血管壁が開口514と針入口開口522の間にあることを確認する。開口514と針入口開口522の間に受け入れられた血管壁の第二の部分は普通、第一の針が血管壁に貫通した点から約180°分離している。当業者が理解するように、例えば、血管を密閉する際医師が使用を希望する縫合糸の数に応じて、任意の角度の分離が達成される。装置500が第二の方向にあるとき、医師は第二の針526とそれに結合された縫合糸528のループの第二の端を開口512を通じて針挿入内腔510に挿入し、第一の針526についてなされたのと同様に、第二の針526の近端が針受けチャネル524内に完全に受け入れられるまで、針プッシャ530を使用し、針挿入チャネル510と血管壁を通じて第二の針526を前進させる。
【0088】
医師は装置500から針プッシャ530を引き抜いた後、身体から装置500を引き抜き、針526は末端部分508に受け入れられる。図69に示されるように、医師は次に針から縫合糸を切断し、縫合糸を引き締めて縫合糸ループ528を結び合わせ、穿刺創を密閉する。
【0089】
本発明のさらに別の実施形態による装置600が、図71及び図72に示される。以下説明されるような中央部分622、新しい回転要素602、及びフラッシュバック内腔630の構造を除いては、装置600の構造と動作は図64から図70の実施形態のものとほぼ同様である。
【0090】
中央部分622には、近端部分618と末端部分624の間に回転式に結合された回転式部材602が含まれる。すなわち、回転式部材622は、フラッシュバック内腔630の周囲を、例えば、180°回転する。これによって末端部分624の近端と近端部分618の末端の間に間隙が形成される。装置600には、回転式部材602に結合された回転要素604が含まれるので、回転要素604がユーザによって回転される際、回転式部材602は対応する角度だけ回転する。回転要素604は近端部分618の近端620に接続される。回転要素604は、近端部分618に摺動式に受け入れられたチューブ608を介して回転式部材602に結合され、その際チューブ608の内径はフラッシュバック内腔630の近端部分を形成する。このチューブ608の近端及び末端は、それぞれ回転要素604と回転式部材602に非回転式に結合される。もちろん、当業者が理解するように、フラッシュバック内腔630は、装置が血管内の動作位置にあるとき血管内に位置する任意の開口まで延びることがある。
【0091】
動作の際、装置600が患者の血管に挿入される前に、回転式部材602は医師により(回転要素604を使用して)、中央部分622の外面が近端部分618及び末端部分624の外面とほぼ連続する表面を形成するように配置される(図72参照)。この位置で、装置600は好適にはほぼ連続円筒を形成する。先行実施形態と同様、装置600は、開口633が血管内にあり、その一方で針出口開口610が血管の近端側で穿刺創の外側にあるように配置される。次に医師は、例えば、180°回転要素を回転し、回転式部材602の上部表面612を、近端部分618及び末端部分624の対応する部分から離れて回転させ、近端部分618と末端部分624の間に間隙605を形成する。次にユーザはフラッシュバック内腔630を通る血液の流れを検証し、血管壁が開口633と610の間に確実に配置されるようにする。すなわち、前の実施形態に関連して説明されたように、針637は針挿入チャネル626を通じて末端方向に挿入され、血管の壁を貫通して針受けチャネル632に入る。針637は、針全体が針受けチャネル632内に完全に受け入れられるまで末端方向に押される。次に装置は血管壁の開口内の第二の位置まで回転され、針637の第二ののものが血管壁の第二の部分で針受けチャネル632に挿入され、第二の針637は針受けチャネル632内に完全に受け入れられるに至る。次に回転要素602は、装置600がほぼ連続円筒を形成する位置まで回転して戻され、装置600は患者の身体から引き抜かれる。次に針637の間に結合されたある長さの縫合糸641の端部が互いに結合され、開口を密閉する。当業者が理解するように、回転式部材602は、間隙605が、針637が開口610及び632の間を十分通過できるものである限り、ここで示された180°以外の位置にも回転できる。
【0092】
図73及び図74は、本発明の追加実施形態による装置700を例示する。装置700の構造と動作は、以下説明されるような中央部分722、フラッシュバック内腔730及び追加膨張チューブ740の構造を除いては、図71及び図72の装置600のものとほぼ同様である。
【0093】
すなわち、中央部分722は、近端及び末端部分718及び724の間に位置する間隙内に配置される。中央部分722には、好適にはバルーンである膨張式部材742が含まれるが、これは、近端部分718の近端から近端部分718の末端に形成される膨張開口746まで延びる膨張チューブ740を介して膨張することが出来る。空気または他の流体が膨張チューブ740を介して膨張式部材742に供給されると、膨張式部材742は間隙714の反対側で中央部分722の表面から離れて膨張し、血管の壁を押す。これによって装置700は膨張式部材742の反対側の血管壁の部分を押し、血管壁のこの部分は、間隙714内で好適には深い、所定の位置に受け入れられる。
【0094】
動作の際、装置700が患者の血管に挿入されるとき、膨張式部材742は当初収縮状態にあり、フラッシュバック内腔730に隣接する装置700の表面に沿って延びる。装置700が、開口733が穿刺創の末端側にあり、開口710が穿刺創の近端側にあるように配置されるとき、医師は膨張チューブ740を通じて気体または液体を提供し、膨張式部材742を膨張させる。膨張式部材742は血管壁の第一の部分に接触し、血管壁の第一の希望貫通位置で装置700の開口733及び710を位置決めする助けになる。すなわち、膨張式部材742は、血管壁の開口を閉塞することで、密閉処置中血液の漏れを防止するために使用される。その後、ユーザは、上記で説明されたように、針挿入内腔726を通じて第一の針737を末端方向に挿入して第一の希望位置で血管の壁を貫通し、針受けチャネル732に入りそれを通じて縫合糸741のループの第一の端を引っ張る。第一の針737は、第一の針737全体が針受けチャネル732内に完全に受け入れられるまで末端方向に押される。
【0095】
次にユーザは装置700を穿刺創内の第二の位置に回転させる。その後、ユーザは、第二の針全体が針受けチャネル内に受け入れられ膨張式部材742を収縮させるまで、血管壁の第二の希望貫通位置を通じて第二の針737と、ある長さの縫合糸741の第二の端を挿入する。次に装置700は患者の身体から取り外され、縫合糸741のループの2つの端部は互いに結合され、開口を密閉する。
【0096】
当業者が理解するように、この装置の針は一度に穿刺創の片側だけで組織に貫通するので、近端部分の直径は末端及び中央部分と同じように小さく製作することが出来、針が穿刺創の両側で同時に展開するより大きな直径の装置で必要とされるように穿刺創をそれ以上伸ばす必要はない。
【0097】
上記で説明された実施形態には、当業者に明らかな多くの他の変形が存在する。理解されるように、これらの修正は、本明細書に添付の請求項によってのみ制限される、本発明の教示の範囲内である。さらに、様々な実施形態の動作が、血管の壁の開口を密閉することに関連して説明されたが、当業者が理解するように、本発明は様々な内部器官または構造の開口を密閉するためにも使用される。
【出願人】 【識別番号】501136064
【氏名又は名称】エックス−サイト,リミティド ライアビリティー カンパニー
【出願日】 平成21年7月22日(2009.7.22)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100110489
【弁理士】
【氏名又は名称】篠崎 正海

【識別番号】100145425
【弁理士】
【氏名又は名称】大平 和由

【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
【公開番号】 特開2009−233438(P2009−233438A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2009−171337(P2009−171337)