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【発明の名称】 組織抽出・収集装置
【発明者】 【氏名】ロバート・エス・ペッシェ
【氏名】シェルビー・クック
【氏名】クリスチャン・ディマッテオ
【氏名】ケビン・ラヌキ
【氏名】ロバート・ブーク
【課題】組織工学および移植の適用などで使用可能な、組織を抽出・収集するための方法および装置を提供する。

【解決手段】一実施形態では、装置は外側チューブを含んでよい。回転可能なシャフトは、外側チューブの内部に配され、遠位端部に形成された組織採取先端部を有してよく、組織採取先端部は、その回転によって組織を切除するのに有効である。切除組織を受けて収集するための組織収集装置が含まれてよく、組織収集装置は、中に収集された組織の量を表示してよい。いくつかの実施形態では、組織収集装置は、収集された組織の量を表示するために並進移動してよい。多くの場合、本明細書で開示される装置は、組織採取先端部が軟組織を切除し、骨に接触したときには(または接触直後に)停止するように組織採取先端部を駆動させるよう構成された駆動機構を含んでよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織抽出・収集装置において、
外側チューブと、
前記外側チューブの内部に回転可能に配されたシャフトであって、その遠位端部に配された組織採取先端部を有しており、前記組織採取先端部は、その回転によって組織を切除するのに有効である、シャフトと、
前記外側チューブから切除組織および流体の流れを受けるために前記外側チューブに連結された組織収集装置であって、前記組織収集装置は、その中に収集された切除組織の量を、前記組織収集装置に含まれる1つ以上の表示器によって表示するよう構成される、組織収集装置と、
を具備する、組織抽出・収集装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記組織収集装置は、その中に収集された切除組織の量を、前記組織収集装置の少なくとも一部の転位を表示する1つ以上の表示器によって表示するよう構成される、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
前記組織収集装置は、
実質的に透明な部分、および、前記実質的に透明な部分を通して少なくとも部分的に見ることができるように前記組織収集装置の中に配された組織収集室と、
前記実質的に透明な部分または前記組織収集室のいずれかに配されて、前記組織収集室の中の組織の量に対応する前記組織収集室の転位を表示する1つ以上の可視表示器と、
を具備する、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の組織収集装置において、
前記可視表示器は、約50〜1000mgの組織が前記組織収集室の中に配されたときを表示するよう構成される、組織収集装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、
前記組織収集装置は、
中を通る流体の流れを受けるための、注入口および排出口を有する容器と、
前記容器の内部に配された組織収集室と、
を具備する、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、
前記組織収集室は、その長さ方向軸に沿って並進移動可能であり、よって、前記容器を通る流体の流れが、前記容器の内部で前記組織収集室を並進移動させるのに有効となる、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、
前記組織収集室の前記長さ方向軸に沿って前記組織収集室を付勢する付勢要素、
をさらに具備し、
前記容器を通る流体の流れは、前記付勢要素に打ち勝って、前記組織収集室の前記転位が前記組織収集室の中の組織の量に対応するように、前記容器の内部で前記組織収集室を並進移動させる、装置。
【請求項8】
請求項5に記載の装置において、
前記組織収集室は、組織を収集しかつ流体を通すためのろ過要素を含む、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、
前記ろ過要素は、メッシュ、フィルタ、スクリーン、および穿孔された表面のうちのいずれかを具備する、装置。
【請求項10】
請求項5に記載の装置において、
前記組織収集室の少なくとも一部は、前記容器の中に形成された管腔を横切って延び、よって、前記容器を通る実質的に全ての流体の流れが、前記組織収集室を通って流れるようになる、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、
前記組織収集装置は、
実質的に透明な部分、および、前記実質的に透明な部分を通して少なくとも部分的に見ることができるように前記組織収集装置の中に配された組織収集室を含み、
前記実質的に透明な部分または前記組織収集室のいずれかに配されて、前記組織収集装置の中の組織の量を表示する1つ以上の可視表示器をさらに具備する、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の組織収集装置において、
前記可視表示器は、約50〜1000mgの組織が前記組織収集装置の中に配されたときを表示するよう構成される、組織収集装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置において、
ハンドルハウジングであって、そこから前記外側チューブが延びる、ハンドルハウジング、
をさらに具備する、装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、
前記組織採取先端部を回転させるための、前記シャフトに連結された駆動機構、
をさらに具備する、装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、
真空源に連結するためのポート、
をさらに具備し、
前記真空源は、前記組織収集装置の少なくとも一部を通して組織を引き込むのに有効である、装置。
【請求項16】
組織を抽出および収集するための方法において、
回転可能なシャフトの遠位端部に形成された回転可能な組織採取先端部で組織を切除することと、
前記切除された組織を真空力によって組織収集装置に運ぶことと、
前記組織収集装置の中に収集された切除組織の量を、前記組織収集装置に含まれる1つ以上の表示器によって表示することと、
を具備する、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記組織収集装置の中に収集された切除組織の量を、前記組織収集装置の一部の転位を表示する1つ以上の表示器によって表示すること、
をさらに具備する、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
表示することは、前記組織収集室の転位が前記組織収集室の中の組織の量に対応するように、前記組織収集装置の中の容器の内部で組織収集室を移動させることを具備する、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、
表示することは、前記組織収集装置の実質的に透明な部分に配された1つ以上の可視表示器を提供することを具備し、前記1つ以上の可視表示器は、前記組織収集室の中の組織の量に対応する前記組織収集室の転位の程度を表示する、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、
前記組織収集装置から切除組織を除去すること、
をさらに具備する、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、
組織を除去することは、前記組織収集装置を通るように流体の流れを方向付けることを具備する、方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、
組織の足場に切除組織を沈着させること、
をさらに具備する、方法。
【請求項23】
組織抽出装置において、
シャフトの遠位端部に回転可能に配された組織採取先端部であって、前記組織採取先端部は、その回転によって組織を切除するのに有効である、組織採取先端部と、
前記組織採取先端部に連結され、前記組織採取先端部にトルクを適用するのに有効な駆動機構であって、前記組織採取先端部は、軟組織を切除するよう回転し、前記組織採取先端部が骨に接触したときには、骨の汚染物を実質的に含まない組織標本を生成するように、十分速く回転を停止する、駆動機構と、
を具備する、装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置において、
前記適用されるトルクは、1N・cm〜5N・cmの範囲にある、装置。
【請求項25】
請求項23に記載の装置において、
前記適用されるトルクは、2N・cm〜3N・cmの範囲にある、装置。
【請求項26】
請求項23に記載の装置において、
前記駆動機構は、前記組織採取先端部を約100rpm〜5000rpmの速度で回転させるのに有効である、装置。
【請求項27】
請求項23に記載の装置において、
前記駆動機構は、前記組織採取先端部を約2000rpm〜3000rpmの速度で回転させるのに有効である、装置。
【請求項28】
請求項23に記載の装置において、
前記組織採取先端部に連結された前記駆動機構は、前記組織採取先端部にトルクを適用するのに有効であり、よって、前記組織採取先端部は、軟組織を切除するよう回転し、前記組織採取先端部が骨に接触したときには、約10%未満の骨の汚染物を有する組織標本を生成するように、十分速く回転を停止する、装置。
【請求項29】
請求項23に記載の装置において、
前記組織採取先端部に連結された前記駆動機構は、前記組織採取先端部にトルクを適用するのに有効であり、よって、前記組織採取先端部は、軟組織を切除するよう回転し、前記組織採取先端部が骨に接触したときには、約5%未満の骨の汚染物を有する組織標本を生成するように、十分速く回転を停止する、装置。
【請求項30】
請求項23に記載の装置において、
前記組織採取先端部に連結された前記駆動機構は、前記組織採取先端部にトルクを適用するのに有効であり、よって、前記組織採取先端部は、軟骨を切除するよう回転し、前記組織採取先端部が骨に接触したときには、約10%未満の骨の汚染物を有する組織標本を生成するように、十分速く回転を停止する、装置。
【請求項31】
請求項23に記載の装置において、
前記組織採取先端部に連結された前記駆動機構は、前記組織採取先端部にトルクを適用するのに有効であり、よって、前記組織採取先端部は、患者の膝の軟骨を切除するよう回転し、前記組織採取先端部が骨に接触したときには、約10%未満の骨の汚染物を有する組織標本を生成するように、十分速く回転を停止する、装置。
【請求項32】
請求項23に記載の装置において、
前記駆動機構は、前記適用されるトルクを提供するよう構成されたモーターおよび1つ以上のギアを具備する、装置。
【請求項33】
請求項23に記載の装置において、
前記組織採取先端部を通して切除組織を取り出すために前記組織採取先端部に連結された真空源、
をさらに具備する、装置。
【請求項34】
請求項23に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、切除組織を中に受けるための管腔を有する、装置。
【請求項35】
請求項23に記載の装置において、
前記組織採取先端部から切除組織を受けるために前記組織採取先端部に連結された組織収集装置、
をさらに具備し、
前記組織収集装置は、組織の足場を含んでいる、装置。
【請求項36】
組織抽出装置において、
シャフトの遠位端部に回転可能に配された組織採取先端部であって、前記組織採取先端部は、その回転によって、生存可能な組織標本を切除するのに有効である、組織採取先端部と、
前記組織採取先端部に連結され、前記組織採取先端部を回転させるのに有効な、駆動機構と、
を具備する、装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置において、
前記生存可能な組織標本の少なくとも約50%の細胞は、前記組織標本から遊走することのできる生きた細胞に相当する、装置。
【請求項38】
請求項36に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、切除組織を中に受けるための管腔を有する、装置。
【請求項39】
請求項36に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、実質的に円筒形または円錐形の先端部であって、その中に形成された1つ以上の開口部を備えて切除組織が前記開口部を通過するのを可能にする、先端部を具備する、装置。
【請求項40】
請求項39に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、前記1つ以上の開口部の周囲に少なくとも部分的に配された切断用表面であって、前記組織採取先端部の回転によって組織を切断するよう構成された、切断用表面をさらに具備する、装置。
【請求項41】
請求項36に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、その回転によって、実質的に骨を含まない生存可能な組織標本を切除するのに有効である、装置。
【請求項42】
請求項36に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、その回転によって、生存可能な軟組織標本を切除するのに有効である、装置。
【請求項43】
請求項36に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、その回転によって、生存可能な軟骨組織標本を切除するのに有効である、装置。
【請求項44】
請求項36に記載の装置において、
前記組織採取先端部から切除組織を受けるために前記組織採取先端部に連結された組織収集装置、
をさらに具備し、
前記組織収集装置は、組織の足場を含んでいる、装置。
【請求項45】
組織抽出装置において、
シャフトの遠位端部に回転可能に配された組織採取先端部であって、その回転によって組織小片を切除するのに有効であり、前記切除された組織小片の少なくともいくつかは、約0.01mm〜3mmの範囲のサイズを有する、組織採取先端部と、
前記組織採取先端部に連結され、前記組織採取先端部を回転させるのに有効な駆動機構と、
を具備する、装置。
【請求項46】
請求項45に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、その回転によって組織小片を切除するのに有効であり、前記切除された組織小片の少なくとも約90%は、それぞれ、約0.01mm〜3mmの範囲のサイズを有する、組織小片である、装置。
【請求項47】
請求項45に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、その回転によって組織小片を切除するのに有効であり、前記切除された組織小片の少なくとも約50%は、それぞれ、約0.01mm〜1mmの範囲のサイズを有する、組織小片である、装置。
【請求項48】
請求項45に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、1つ以上の開口部の周囲に少なくとも部分的に配された切断用表面であって、前記組織採取先端部の回転によって組織を切断するよう構成された、切断用表面をさらに具備する、装置。
【請求項49】
請求項48に記載の装置において、
前記1つ以上の開口部は、直径が約1〜3mmの範囲にある、装置。
【請求項50】
請求項45に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、その回転によって軟組織小片を切除するのに有効であり、前記切除された軟組織小片の少なくともいくつかは、それぞれ約0.01mm〜3mmの範囲のサイズを有する組織小片である、装置。
【請求項51】
請求項45に記載の装置において、
前記組織採取先端部は、その回転によって軟骨組織小片を切除するのに有効であり、前記切除された軟骨組織小片の少なくともいくつかは、それぞれ約0.01mm〜3mmの範囲のサイズを有する組織小片である、装置。
【請求項52】
請求項45に記載の装置において、
前記組織採取先端部から切除組織を受けるために前記組織採取先端部に連結された組織収集装置、
をさらに具備し、
前記組織収集装置は、組織の足場を含んでいる、装置。
【発明の詳細な説明】【開示の内容】
【0001】
本願は、2003年9月11日に出願された米国出願第10/661,460号、名称「Tissue Extraction and Maceration Device」(現在、米国特許公報第2005/0059905号として公開されている)の一部継続出願であり、上記出願に関する教示は、参照によりその全てが本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔分野〕
概して、本願は、組織を抽出および収集するための方法および装置に関する。
【0003】
〔背景〕
組織移植片は、外傷、感染症、または慢性的な変性疾患、関節整形手術、および口腔/顎顔面の手術によって引き起こされる組織の間隙、損傷、または他の欠陥部を治療するために、しばしば使用される。また、骨移植片は、骨折、骨の間隙、または他の欠陥部を治療するために使用され得る。移植片は基礎構造を提供し、宿主組織がこの基礎構造の中に再生し、治癒することができる。いったん植え込まれると、生きた細胞が、移植片の多孔性のミクロ構造の中に一体化して新しい組織を支持し、新しい組織が成長して損傷領域を修復するようになる。
【0004】
組織の損失または機能不全は、人の保健医療において最も頻度が高く、かつ費用のかかる問題の1つである。近年、移植は、自家移植片および同種移植片を準備するという移植から、生合成および組織工学による生体置換(biosynthetic and tissue-engineered living replacements)へと進化している。組織工学により、患者の自己細胞の標本から発生する、移植可能な機能組織置換物(functional tissue replacements)の増殖が可能となっている。自己細胞は、生検を使用して患者から組織を採取することによって入手され、次に、細胞が組織標本から抽出されて、実験室で適切な数に培養される。これらの生きた細胞は、次に、立体的な天然または合成の足場またはマトリクスの中に設置され、分化および組織成熟を確実にする組織特有の培養条件の下で保たれる。適切な条件および信号を提供されれば、細胞は、患者の欠陥部位の中に植え戻されることができる生きた組織(living tissue)を作り出すための様々なマトリクス材料を分泌するだろう。
【0005】
現在の組織工学処置は、多段階の処理を伴う。第1に、患者の身体から組織標本を除去するために、生検が実行される。様々な生検装置が当技術分野で周知であり、例えば、組織標本を切り取るのに有効な、高圧流体ジェット(high-pressure fluid jets)が含まれる。いったん生検処置が完了したら、組織標本は実験室に送られ、そこで細胞が組織標本から離される。次に、離された細胞は、第2の外科処置において、その後の成長および最終的な患者への植え戻しのための立体的な足場に設置されてよい。
【0006】
現在の処置は効果的であることが判明しているが、それらは、非常に時間がかかり高価で、また、複数の外科処置を伴い得る。したがって、組織標本を入手して処理するためのさらに効率的かつ効果的な方法および装置の必要性が存在している。また、細胞の生存能力を最大にし、効率的で使い易い小型の装置を外科医に提供する、改良された組織抽出装置の必要性が依然として残っている。
【0007】
〔概要〕
一実施形態では、外側チューブ、および、外側チューブの内部に回転可能に配されたシャフトを含む、組織抽出・収集装置が提供される。シャフトは、その遠位端部に配された組織採取先端部を有してよく、組織採取先端部は、回転によって組織を切除するのに有効であってよい。加えて、装置は、外側チューブから切除組織および流体の流れを受けるために外側チューブに連結された組織収集装置を有してよい。いくつかの実施形態では、組織収集装置は、収集された切除組織の量を1つ以上の表示器によって表示するよう構成されてよい。他の実施形態では、組織収集装置は、収集された切除組織の量を、組織収集装置の一部の転位を表示する1つ以上の表示器によって表示するように構成されてよい。
【0008】
広く様々な変形体が可能である。いくつかの実施形態では、例えば、組織抽出・収集装置は、ハンドルハウジングであって、そこから外側チューブが延びる、ハンドルハウジングをさらに含んでよい。他の実施形態では、電気モーター、または、モーターおよび/もしくは伝動機構などの駆動機構が、シャフトに連結され、例えば約100〜5000rpmの範囲の速度でシャフトを回転させるのに有効であってよい。駆動機構は、電池により動力を供給されてよい。ある例示的実施形態では、組織抽出・収集装置は、真空源を含んでよく、この真空源は、組織収集装置に連結され、組織収集装置の少なくとも一部を通して組織を引き込むのに有効である。
【0009】
組織収集装置は、様々な構成を有してよい。一実施形態では、組織収集装置は、中を通る流体の流れを受けるための、注入口および排出口を有する容器、ならびに、容器を通る流体の流れを受けるための、容器の中に配された組織収集室を含んでよい。組織収集室は、組織を収集しかつ流体を通すための、メッシュ、フィルタ、スクリーン、または穿孔された表面などのろ過要素を含んでよい。いくつかの実施形態では、組織収集室は、可動式に配されてよい。例えば、組織収集室は、その長さ方向軸に沿って並進移動可能であってよく、よって、容器を通る流体の流れが、容器の内部で組織収集室を並進移動させるのに有効となる。バネまたはエラストマー要素などの付勢要素が、長さ方向軸に沿って組織収集室を付勢するために含まれてよい。このような実施形態では、容器を通る流体の流れは、付勢要素に打ち勝って、組織収集室の転位が組織収集室の中の組織の量に対応するように、容器の内部で組織収集室を並進移動させるのに有効であってよい。いくつかの実施形態では、組織収集室の少なくとも一部は、容器の中に形成された管腔を横切って延びてよく、よって、容器を通る実質的に全ての流体の流れが、組織収集室を通って流れるようなる。
【0010】
また、組織収集装置は、容器の実質的に透明な部分、または、組織収集室に配された基準線などの1つ以上の可視表示器を含み、組織収集装置の中の収集された組織の量を示してよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の可視表示器は、組織収集室の中の組織の量に対応する、組織収集室の転位の程度を表示してよい。いくつかのケースでは、組織収集室の可視表示器は、容器の可視表示器と照合されるか、または、組み合わせられてよい。なおさらなる実施形態では、組織収集装置は、組織収集室に配された1つ以上の可視表示器を含み、組織収集室の中の組織の量に対応し得る組織収集室の転位の程度を示してよい。例えば、可視表示器は、約50〜1000mgの組織が組織収集装置または組織収集室に配されたときを表示するよう構成されてよい。
【0011】
別の実施形態では、例示的組織抽出装置は、シャフトの遠位端部に回転可能に配された組織採取先端部を含んでよい。組織採取先端部は、その回転によって組織を切除するのに有効であってよい。組織採取先端部はまた、その中に切除組織を受けるための管腔を有してよい。駆動機構が、組織採取先端部に連結され、組織採取先端部にトルクを適用してよく、よって、組織採取先端部は、(患者の膝からの軟骨を含めた)軟骨などの軟組織を切除するよう回転し、組織採取先端部が骨に接触したときには、回転を停止する。組織採取先端部は、骨の汚染物を実質的に含まない組織標本を生成するよう、十分速く停止してよい。いくつかの実施形態では、このような組織標本は、約10%未満の骨の汚染物を有し、他の実施形態では、約5%未満(より望ましくは約1%)の骨の汚染物を有し得る。いくつかの実施形態では、適用されるトルクは、約1〜5N・cmの範囲にあってよく、または、他の実施形態では、約2〜3N・cmの範囲にあってよい。駆動機構は、適用されるトルクを提供するよう構成されたモーターおよび1つ以上のギアを含んでよい。駆動機構は、約100rpm〜5000rpmの速度で、または、いくつかの実施形態では、約2000rpm〜3000rpmの速度で、組織採取先端部を回転させるのに有効であってよい。組織抽出装置はまた、他の様々な特徴部を有してよい。例えば、組織抽出装置は、組織採取先端部を通して切除組織を取り出すために組織採取先端部に連結された真空源を含んでよい。組織抽出装置はまた、組織採取先端部から切除組織を受けるために組織採取先端部に連結された組織収集装置を含んでよく、この組織収集装置は組織の足場を含んでいる。
【0012】
さらに別の実施形態では、例示的組織抽出装置は、シャフトの遠位端部に回転可能に配された組織採取先端部、および、組織採取先端部に連結され、組織採取先端部を回転させるのに有効な、駆動機構を含んでよい。組織抽出装置は、組織採取先端部から切除組織を受けるために組織採取先端部に連結された組織収集装置を含んでよく、この組織収集装置は、組織の足場を含んでいる。組織採取先端部は、広く様々な特徴部を有してよい。例えば、組織採取先端部は、その回転によって、(軟組織標本、軟骨組織標本、および/または、実質的に骨の材料を含まない組織の見本などの)生存可能な組織標本を切除するのに有効であってよい。例えば、いくつかの実施形態では、組織標本の少なくとも約50%の細胞、より好ましくは70%より多い細胞は、組織標本から遊走(migration)することのできる生きた細胞に相当する。さらに、組織採取先端部は、実質的に円筒形または円錐形の先端部を含んでよく、この先端部はその中に形成された1つ以上の開口部を備えて切除細胞がその開口部を通過するのを可能にする。組織採取先端部は、1つ以上の開口部の周囲に少なくとも部分的に配された切断用表面であって、組織採取先端部の回転によって組織を切断するよう構成された、切断用表面を含んでよい。
【0013】
さらに別の実施形態では、例示的組織抽出装置は、シャフトの遠位端部に回転可能に配された組織採取先端部、および、組織採取先端部に連結され、組織採取先端部を回転させるのに有効な、駆動機構を含んでよい。組織抽出装置はまた、組織採取先端部から切除組織を受けるために組織採取先端部に連結された組織収集装置を含んでよく、この組織収集装置は、組織の足場を含んでいる。組織採取先端部は、広く様々な特徴部を有してよい。例えば、組織採取先端部は、その回転によって、(軟組織小片、および/または軟骨組織小片などの)組織小片を切除するのに有効であってよく、少なくともいくつかの切除組織小片は、それぞれ0.01mm〜3mmの範囲のサイズを有する組織小片である。例えば、いくつかの実施形態では、切除組織小片の少なくとも約90%は、それぞれ約0.01mm〜3mmの範囲のサイズを有する組織小片であり、他の実施形態では、切除組織小片の少なくとも約50%は、それぞれ約0.01mm〜1mmの範囲のサイズを有する組織小片である。組織採取先端部は、1つ以上の開口部の周囲に少なくとも部分的に配された切断用表面を有してよく、その回転によって組織を切断するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の開口部は、直径が約2mmであってよい。
【0014】
他の態様では、組織を抽出および収集するための方法が提供される。様々な技術が使用されてよい。しかしながら、一実施形態では、例示的方法は、回転可能なシャフトの遠位端部に形成された回転可能な組織採取先端部で組織を切除すること、および、切除組織を真空力によって組織収集装置に運ぶことを含んでよい。方法はまた、組織収集装置の中に収集された切除組織の量を、組織収集装置の1つ以上の表示器によって表示することを含んでよい。切除組織の量を表示するためには、例えば、収集された組織の量が表示器に比較されてよく、または、組織収集装置の一部の転位が表示されてもよい。例えば、組織収集室の転位が組織収集室の中の組織の量に対応するように、組織収集装置の容器の内部で組織収集室が移動され(例えば、並進移動され)てよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の可視表示器が組織収集装置の実質的に透明な部分に配されてよく、1つ以上の可視表示器は、組織収集室の中の組織の量に対応する組織収集室の転位の程度を表示してよい。方法はまた、例えば、組織収集装置を通るように流体の流れを方向付けることによって遂行され得る、組織収集装置から切除組織を除去すること、および、組織の足場に切除組織を沈着させることを含んでよい。
【0015】
〔図面の簡単な説明〕
本発明は、添付の図面と共に考慮される以下の詳細な説明により、さらに十分に理解されるであろう。
【0016】
〔詳細な説明〕
本明細書に開示される装置の構造、機能、製造および使用ならびに方法の原理の包括的理解を提供するために、ある例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態のうちの1つ以上の例が、添付の図面に例示されている。当業者は、本明細書に特に記述され、かつ添付図面に図示される装置および方法は非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。一例示的実施形態と関連して図示または説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせられてよい。このような改変および変更は、本発明の範囲に含まれることが意図されている。
【0017】
概して本願は、組織を抽出および/または収集するために有用な方法および装置を提供する。本願は、組織を抽出し、分離(macerate)させるため、および、随意に、組織の足場に組織を沈着させるための装置および方法を提供する。方法および装置は、適切な量の生存可能な組織標本、および、適切な形状および/またはサイズの組織小片を含有する生存可能な組織標本を、組織の足場に組み込むため抽出するために、または、他の組織工学技術において、使用されてよい。例えば、いくつかのケースでは、方法および装置は、多くのケースで流体環境(fluid environment)において、身体から軟骨または他の組織を採取し、採取された軟骨または他の組織を処理するために使用されてよい。さらに、いくつかのケースでは、方法および装置は、望ましくない量の下層の骨(または、他の下層の組織)を採取することなく軟骨を採取および処理するために使用されてよい。しかしながら、上記は専ら例示であり、本明細書に記載される方法および装置は、様々な目的および処置のための生検および組織採取を含め、広い適用性を有することが理解されるべきである。
【0018】
図1A〜図1Bに示されるように、装置10は、概して、実質的に開放した遠位端部12bを有する外側チューブ12、および、外側チューブ12の内部に回転可能に配されたシャフト14(図1B)を含み、開放した遠位端部12bは、組織表面に位置させられ、かつ、好ましくは、組織表面と密封部を形成するよう構成される。シャフト14は、図1Bに示されるように、シャフト14が外側チューブ12の内部に完全に配されている、第1の近位位置と、シャフト14の遠位端部14bの一部が外側チューブ12の遠位端部12bの開口部を通って延びている、第2の遠位位置(不図示)との間で移動することができる。装置10はまた、シャフト14が遠位位置に移動されたときに組織標本を切除するのに有効な、シャフト14の遠位端部14bに形成された組織採取先端部16、および、組織採取先端部16に近位の位置でシャフト14に連結された切断部材18を含む。切断部材18は、組織採取先端部16によって切除された組織標本を分離させるのに有効である。例示的実施形態では、装置10の構成要素は、外側チューブ12の一部の周囲に延び、かつ装置10の操作を容易にする形状を有する、外側ハウジング26の内部に位置付けられる。
【0019】
装置は、片手を使用して作動され得る、単純なオールインワンの装置を提供できるという点で、特に有利であり得る。装置は、効果的に生存可能な組織標本を除去し、除去された組織の量を制御し、かつ、既定のサイズを有する小片に組織標本を分離させるよう設計されている。
【0020】
装置10の外側チューブ12は、図2Aおよび図2Bにさらに詳細に示されており、実際にいかなる形状、サイズ、および構成を有してもよい。図示された実施形態では、外側チューブ12は、概して細長い円筒形の形状を有し、近位端部12aおよび遠位端部12bを含み、それら端部の間を内側管腔12cが延びている。外側チューブ12の近位端部12aは、開放または閉鎖されてよいが、好ましくは、以下に論じられるように、駆動機構に接続されるよう構成される。外側チューブ12の遠位端部12bは、少なくとも部分的に開放しており、組織表面に接して留まるよう構成されてよい。遠位端部12bは、外側チューブ12の内側管腔12cと組織表面との間に密封部を提供するよう構成される形状をさらに有してよい。図2Bに示されるように、外側チューブ12の遠位端部12bは、装置10の長さ方向軸Lに対して角度αで配される。角度αは様々であってよいが、一例示的実施形態では、遠位端部12bは、軸Lに対して約30度〜70度の範囲で、より好ましくは約40度で、角度をなす。使用の際、遠位端部12bと組織表面との間に作り出された密封部は、外側チューブ12の内側管腔12cに異物が入るのを防ぐという点で、特に有利である。角度をなした遠位端部12bが好ましいが、外側チューブ12の遠位端部12bは、他の様々な構成を有してよく、遠位端部12bには随意に、組織表面への設置および/または組織表面との密封された接続を容易にする他の特徴部が含まれてよい。非限定的な例として、外側チューブ12の遠位端部12bの縁部壁は、組織表面への外側チューブ12の安全な位置付けを容易にするために縁部壁に形成された、うね13などの表面特徴部を含んでよい。当業者は、他の技術が、組織表面上での外側チューブ12の位置を保つのを助けるために使用されてよいことを、理解するだろう。
【0021】
別の実施形態では、外側チューブ12は、組織収集装置に装置10を噛み合わせるための、または、別の方法で組織標本が収集されるのを可能にするための、サイドアーム20を含んでよい。サイドアーム20は、好ましくは、装置10の近位端部12aに隣接して配され、好ましくは、サイドアーム20は、チューブ12の長さ方向軸Lに対し実質的に横向きの方向に延びる。サイドアーム20は随意に、外側チューブ12の一部の周囲に延び、かつ、サイドアーム20に取り付けられる、第2チューブ21によって、外側チューブ12に連結されてよい。サイドアーム20は、チューブ12の内側管腔12cと連絡する内側管腔20cを含み、よって、チューブ12の遠位端部12bの中に流れてチューブ12の内側管腔12cを通る全ての材料が、外側チューブ12の近位端部12aを通って出るのではなく、サイドアーム20の内側管腔20cの中に入るようになる。サイドアーム20の遠位端部20bは、図6に関してさらに詳細に論じられるように、組織収集装置に形成された入口ポートと噛み合うための、遠位端部20bに形成されたコネクタ22を含んでよい。コネクタ22は、実際に、サイドアーム20が噛み合うよう構成される組織収集装置のタイプにしたがういかなる構成を有することもができるが、コネクタ22は、好ましくは、サイドアーム20と組織収集装置との間に耐流体密封部(a fluid-tight seal)を提供すべきである。サイドアーム20はまた、装置10によって、組織、および、組織と共に収集されたあらゆる流体を引き込むため装置10の内部に真空を作り出すために使用されてよい。真空源は、組織収集装置の一部であってよく、または、随意に、別個の真空源が、サイドアーム20と噛み合うよう提供されてよい。当業者は、真空源が外側チューブ12のいかなる部分に連結してもよいこと、および、外側チューブは他の様々な形を有してよいが、外側チューブはその中に組織標本を保持するのに少なくとも効果的であるべきことを理解するだろう。
【0022】
装置10はまた、随意に、外側チューブ12の近位端部12aの一部およびサイドアーム20の周囲に延びる外側ハウジング26を含み、装置10の操作を容易にしてよい。外側ハウジング26は、実際にいかなる形状およびサイズを有してもよいが、好ましくは、外側ハウジング26は、ユーザの手の中に合うよう構成される。一例示的実施形態では、外側ハウジング26は、外側チューブ12の回転を可能にするための、外側ハウジング26の遠位部分に形成された回転部材26aを含んでよい。示されるように、回転部材26aは、ハウジング26に回転可能に連結され、回転部材26aは、外側チューブ12の周囲に位置付けられて取り付けられる。結果として、回転部材26aは、外側チューブ12の遠位端部12bの位置を制御するために使用され、それによって、組織表面への外側チューブ12の遠位端部12bの適切な設置を容易にすることができる。回転部材26aは、好ましくは、自由に回転可能なのではなく、制御された形で回転可能であり、よって、使用の間、外側チューブ12の位置が保たれ得るようになる。
【0023】
図1Bに戻って参照すると、装置10は、外側チューブ12の内部に配され、かつ、外側チューブ12を通って延びる、内側シャフト14をさらに含んでいる。内側のシャフト14はまた、様々な形状およびサイズを有してよいが、好ましくは、近位端部14aおよび遠位端部14bを有する、概して細長い円筒形部材である。シャフト14の近位端部14aは、シャフト14を回転させるのに有効な駆動機構22に連結するよう、外側チューブの近位端部12aから外に延びてよい。実際に、シャフト14を回転させるために、いかなる駆動機構22が使用されてもよい。図1Aに示され、図1Bに部分的に示されるように、駆動機構22は、ハウジングの内部に配されるモーター(不図示)の形態をしている。例えばドリルまたは電気モーターシステムなどのモーターは、シャフト14を回転させるのに有効である。駆動機構22は、好ましくは、シャフト14に噛み合わせられるだけであり、よって、駆動機構22は、近位位置と遠位位置との間で、シャフト14と共に移動することができる。一例示的実施形態では、モーターは好ましくは、約100rpm〜5000rpmの範囲の速度で作動される。比較的低い作動速度が、組織標本に損傷を与える危険性を減少させるために、好ましい。当業者は、実際にいかなる駆動機構が使用されてもよいこと、および、意図される使用にしたがって、駆動機構の速度は様々であってよいことを、理解するだろう。
【0024】
シャフト14の近位端部14aはまた、近位位置と遠位位置との間でシャフト14を移動させるのに有効なトリガー機構24を含んでいる。トリガー機構24は様々な構成を有してよいが、図1Aおよび図1Bは、外側チューブ12の一部の周囲に配される外側ハウジング26に連結されたトリガー機構24を図示している。トリガー機構24は、外側ハウジング26の内部に旋回可能に配され、プルロッド25によって駆動機構22に連結される。結果として、トリガー機構24が、例えば人の指を使用して作動されると、トリガー24は、プルロッド25を回転させて駆動機構22を遠位方向に引き、それによって、駆動機構22がシャフト14を遠位位置に移動するようにさせる。シャフト14は、好ましくは、以下にさらに詳細に論じられるように、シャフトの遠位端部14bの一部のみが、外側チューブ12から外に延びるのを可能にするよう十分な距離を移動する。
【0025】
トリガー機構24が作動された後に、シャフト14が近位位置に戻るのを可能にするために、装置10は、シャフト14を近位位置に付勢するのに有効な付勢要素を含んでよい。付勢要素は、例えばバネ28などの様々な構成を有してよく、トリガー機構24、駆動機構22、および/または、シャフト14に連結されてよい。図1B〜図2Bに示されるように、バネ28は、シャフト14の近位端部14aの周囲に配され、外側チューブ12の近位端部12aのすぐ近位に位置付けられる。バネ28の一部は、随意に、外側チューブ12にサイドアーム20を噛み合わせるために外側チューブ12の近位端部12aの周囲に延びる第2チューブ21の内部に配されてよい。
【0026】
使用の際、バネ28は、駆動機構22と外側チューブ12との間で圧縮され、それによって、駆動機構22および内側シャフト14を近位位置に押し戻すのに有効な付勢力を作り出す。バネ28はまた、駆動機構22と外側チューブ12との間に強固な停止を作り出すのに有効であり、それによって、内側シャフト14が外側チューブ12の遠位端部12bから延びることができる距離を制限する。一例示的実施形態では、シャフト14は、約1mm〜5mmの範囲の、より好ましくは約3mmの距離、近位位置と遠位位置との間を移動する。当業者は、シャフト14を近位位置と遠位位置との間で移動させるために、他の様々な技術が使用されてよいことを理解するだろう。
【0027】
内側シャフト14の遠位端部は、遠位位置へと移動されると外側チューブ12から延びるよう構成されており、好ましくは、組織標本を回収するよう構成される組織採取先端部16を含んでいる。組織採取先端部16は、様々な構成を有してよいが、好ましくは、組織を引き裂くことなく、またはそうでなければ、組織に損傷もたらすことなく、生存可能な組織標本を回収するよう構成される。さらに詳細には、組織採取先端部16は、潰れた組織または引き裂かれた組織ではなく、きれいに切断された組織の迅速な除去を可能にすべきである。非限定的な例として、図3A〜図3Dは、使用されてよい組織採取先端部16a〜16dのいくつかの実施形態を図示している。図3Aおよび図3Bはそれぞれ、シャフト14の回転によって組織の中に切り込むのに有効な、スカラップ形のパラメーター(scalloped parameter)を有する実質的に半円筒形の組織採取先端部16a、16bを図示している。図3Aでは、組織採取先端部16aは、より大きい組織標本を入手するために実質的に中空であり、一方、図3Bでは、組織採取先端部16bは実質的に中実であり、スカラップが表面を横切って延びて採取先端部16bにうねを形成している。図3Cおよび図3Dは、組織採取先端部16c、16dの代替の実施形態を図示している。特に、図3Cは、いくつかの切断歯17を有する中空の円錐形の部材を図示しており、この切断歯17は、円錐形の部材の外側表面の周囲に形成され、当該表面から突き出ている。切断歯17は、チーズおろし器と同様の機能を果たし、つまり、切断歯17は、組織を貫いていくつかの小さな組織標本を除去し、これらの組織標本は、中空の円錐の内側に収集される。図3Dは、図3Cに図示された組織採取先端部16Cによく類似している組織採取先端部16dであるが、実質的に円筒形の形状を有し、かつ、実質的に平坦な遠位端部を含む組織採取先端部16dを図示している。
【0028】
装置10と共に使用される採取先端部16は、様々な構成、形状、およびサイズを有することができるが、採取先端部16は、好ましくは、既定の量の組織を回収するのに有効である。一例示的実施形態では、採取先端部16によって回収される、組織標本ごとの既定の組織の容積は、約0.5cm〜1.5cmの範囲にあり、より好ましくは、約0.9cmである。当業者は、本発明による装置と共に、様々な組織採取先端部が使用されてよいこと、および、図3A〜図3Dは単に例示的実施形態を図示していることを理解するだろう。
【0029】
シャフト14の遠位端部14bはまた、切断部材18を含んでよく、この切断部材18は、好ましくは、組織採取先端部16にすぐ近位の位置で、シャフト14の周囲に配される。切断部材18は、様々な形状およびサイズを有してよいが、好ましくは、組織採取先端部16によって切除された組織標本を分離させるのに有効である。組織採取先端部16と同様に、切断部材18は、組織を引き裂くのではなく、切断するのに有効で、生存可能な組織標本が入手されるのを可能にすべきである。非限定的な例として、図4A〜図4Fは、本発明による装置と共に使用されてよい切断部材18a〜18fのいくつかの実施形態を図示している。概して、各切断部材18a〜18fは、切断部材に形成された1つ以上の刃19を含み、この刃19は、矩形、湾曲した形状、三角形、正方形、または不規則な形状などの特定の形状を有する。さらに詳細には、図4Aは、切断部材に形成された、湾曲したつまりC字型の2つの刃19a、19aを有する切断部材18aを図示している。図4Bは、実質的に三角形の3つの刃19b、19b、19bを有する切断部材18bを図示しており、これらの刃19b1、19b2、19b3は、シャフトから延びており、お互いから等距離に位置付けられている。図4Cは、切断部材18cを形成するただ1つの三角形の刃19cを図示している。図4Dは、切断部材18aに類似しているが、切断部材に形成された湾曲したつまりC字型の3つの刃19d、19d、19dを有する切断部材18dを図示している。図4Eは、切断部材18bに類似しているが、実質的に三角形の4つの刃19b、19b、19b、19bを有する切断部材18eを図示しており、これらの刃19b1、19b2、19b3、19b4は、シャフトから延びており、お互いから等距離に位置付けられている。図4Fは、切断部材に形成された三角形の2つの刃の19f、19fを有する切断部材18fを図示している。例示的実施形態では、様々な切断要素18が図示されているが、切断要素は、約0.7mm〜1.3mmの範囲の直径、より好ましくは約1.0mmの直径を有する小片に組織を分離させるのに有効である。
【0030】
装置10はまた、随意に、図5に示されるように、サイジングスクリーン32を含んでよく、このサイジングスクリーン32は、外側チューブ12を通過することが可能な組織小片のサイズを制御するよう構成される。サイジングスクリーン32は、好ましくは、切断部材18のすぐ近位に配され、中に形成されたいくつかの開口部34を含んでよく、これらの開口部34は、開口部34のサイズより小さいサイズを有する組織小片が開口部34を通過するのを許容するサイズを有する。開口部34は、形状およびサイズにおいて様々であってよいが、一例示的実施形態では、開口部34は、約0.7mm〜1.3mmの範囲の、より好ましくは約1.0mmの直径dを有する。結果として、開口部34のサイズよりも小さいサイズを有する組織小片のみが、サイジングスクリーン32を通過することが可能となる。残りの組織小片は、開口部34のサイズより大きいサイズを有しており、開口部34を通過できるほど小さくなるまで切断部材18によって切除され続けるだろう。全ての組織標本が適切なサイズに切除されることを保証するために、切断部材18およびサイジングスクリーン32は、好ましくは、お互いに実質的に接近して位置付けられ、よって、(好ましくは真空力によって)サイジングスクリーン32に対して維持されている組織小片が、切断部材18と接触するようになる。別の実施形態では、サイジングスクリーン32は、組織標本の切除を容易にすることができる。特に、各開口部は、開口部の円周より大きいサイズを有する組織を切断するのに有効な上流縁部(upstream edge)を有することができる。
【0031】
使用の際、装置10は、外側チューブ12の内側管腔12cの内部に真空を作り出すのに有効な真空源に(好ましくはサイドアーム20を介して)接続され、外側チューブの遠位端部12bは、図7Aに示されるように、組織表面50に接するように位置付けられる。モーター22は、シャフト14を回転させるために稼動され、次に、トリガー24が絞られて、モーター22およびシャフト14を遠位方向に前進させる。結果として、組織採取先端部16は、外側チューブ12の遠位端部12bから外に、組織の中へと延びるだろう。シャフト14が回転しているので、組織採取先端部16は、回転して組織標本を切除するだろう。トリガー24が解放されると、付勢要素28により、シャフト14が近位位置に戻る。トリガー24は、好ましくは、一度だけ発動され、シャフトを組織の中へと迅速に前進させ、組織標本を入手する。いったん標本が入手されると、真空力がサイジングスクリーン32に向けて組織標本を引き込み、そこにおいて、回転している切断部材18が組織を分離させる。いったん、分離された小片がサイジングスクリーン32の開口部34を通り抜けるよう十分小さくなると、小片は、外側チューブ12の内側管腔12bを通して、好ましくは、サイドアーム20の内側管腔20cを通して、引き込まれる。追加的な組織の標本は、組織表面に外側チューブ12の遠位端部12bを位置付けし直し、トリガー24を発動させて別の組織を入手することによって、得られる。図7Bは、組織標本が除去され、外側チューブ12の遠位端部12bが第2の標本を入手するために位置付けし直された、組織表面50を図示している。
【0032】
前述したように、組織標本は、組織収集装置の中に収集されてよい。実際にいかなる組織収集装置が使用されてもよいが、図6は、組織収集装置40の一例示的実施形態を図示している。組織収集装置40は、概して、中に組織の足場が配されている内側室を有するハウジングを含んでいる。装置40は、分離された標本を組織の足場に沈着させ、かつ、組織標本と共に入手された余分な流体を収集するのに、有効である。装置40は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、2003年3月28日に出願された、「組織収集装置と方法(Tissue Collection Device and Methods)」と題する米国特許出願第10/402,266号(現在、米国特許公報第2004/0193071号として公開されている)に、さらに詳細に記載されている。装置10と組織収集装置40との組み合わせは、組織標本がシングルステップで切除され、分離され、組織の足場に沈着されるのを可能にするという点で、特に有利である。
【0033】
図8A〜図11Bは、組織抽出・収集装置90の別の例示的実施形態を図示しており、この装置は、概して、ハンドルハウジング100、および、ハンドルハウジング100から遠位に延び、かつ、随意に、斜角付き先端部104を含む、外側チューブ102を含んでよい。組織採取先端部106が、(図12の切断具組立体500の分解組立図にさらに詳細に示される)外側チューブ102を通って延びる内側シャフト110の遠位端部108に位置付けられてよい。内側シャフト110は、外側チューブを通って延びてよく、よって、組織採取先端部106の少なくとも一部が露出されるようなる。近位端部118で、内側シャフト110は、駆動連結部111を介して、モーター114および動力移送組立体116などの駆動機構112に連結されてよい。電池パック120などの携帯型電力源、または他の電源が、ハンドルハウジング100のスイッチ122の制御を受けて、モーター114に電力を供給してよい。駆動機構112は、内側シャフト110および組織採取先端部106を回転させ、よって、組織採取先端部106は、それが適用される組織を切除するのに有効となり得る。いくつかの実施形態では、駆動機構112は、組織採取先端部106が、例えば骨など、ある組織に適用されると、「選択的採取」を行って汚染物を削減するよう失速するか、またはそうでなければ止まるよう構成されてよい。
【0034】
据付用チューブ126が、外側チューブ102の一部の周囲に配されてよく(示されるように、据付用チューブ126は外側チューブ102の一部であってよい)、外側チューブ102と、内側シャフト110と、駆動機構112と、移送管124との間に連結を提供してよい。移送管124は、内側シャフト110の中に形成された管腔と連絡していてよい。以下にさらに詳細に記載するように、多くの実施形態では、内側シャフト110および駆動連結部111は、切除組織および切除組織と一緒になった任意の流体を、(多くの実施形態では、内側シャフト110が回転している間に)内側シャフト110から、移送管124の中に取り出すのを可能にするように構成されてよい。
【0035】
移送管124は、組織収集装置128に連結されてよく、この組織収集装置128は、図9A〜図11Bに示されるように、ハンドルハウジング100に位置させられてよい。組織収集装置128は、注入口1612および排出口1622を備えた容器130を含んでよい。注入口取付具132は、注入口1612と移送管124との間に連結を提供してよく、一方、排出口取付具134は、排出口1622と外部の真空源との間に連結を提供してよい。使用の際、組織収集装置128は、流体が真空源へと通過するのを可能にしながら、容器130の内部に切除組織を収集してよい。以下にさらに詳細に記載するように、多くの実施形態では、組織収集装置128は、例えば可視的に観察ポート138によって、または他の手段で、収集された組織の量を示し、かつ/または、定量化するための機構を含んでよい。いくつかの実施形態では、組織収集装置128は、図9Aおよび図11Bに示されるように、収集された組織を除去するために、ハンドルハウジング100から切り離されてよい。組織収集装置128はまた、図9Cに示されるように、装置90から組織収集装置128を外すことなく、ハンドルハウジング100から延ばされてよく、このことは、組織収集装置128の内容物をさらに詳細に見るのに、または他の機能において、有利となり得る。収集された組織は、組織の足場に沈着されるか、細胞を培養するために使用されるか、または広く様々な適用において使用されてよい。
【0036】
図8Aに戻ると、ハンドルハウジング100は、広く様々な形状を有してよいが、示されるように、ハンドルハウジング100は、一体化スイッチ122を備えた先細部分142およびベース部分144を有し、ベース部分144は、電池パック120を包含するようサイズ決めされてよい。示されるように、先細部分142は、モーター114を収容してよく、ベース部分144は電池パック120を収容してよいが、構成要素の場所は、様々であってよい。ハンドルハウジング100はまた、組織収集装置128を包含し、かつ、中に形成された観察ポート138を有し得る、部分146を有してよい。図9Aおよび図9Bに示されるように、ルアーフィット、バネ負荷ラッチ、または他のラッチなどの接続機構136が、ハンドルハウジング100の中に組織収集装置128を制御可能に保持しておくために、ハンドルハウジング100に提供されてよい。図10に見られるように、ハンドルハウジング100は、複数の部品から、より具体的には、右ハンドルハウジング300および左ハンドルハウジング302から、形成されてよく、これらは、例えばネジ、接着剤などによって、組み立てられるか、または接合されてよい。電池パック120のためのカバー140は、ハンドルハウジング100と一体化されてよい。いくつかの実施形態では、カバー140は、自由に取り外し可能なものであってよい。他の実施形態では、特に、装置90の1回の使用または限定回数の使用が望まれる適用では、カバー140は、永久的にラッチ留めされるよう構成されてよく(例えば、解除装置のない一方的なラッチ)、よって、電池または他の電源を装填した後、カバー140は、開放されるためには破壊されなければならず、電池の次の装填を防いでいる。ハンドルハウジング100は、ステンレス鋼、プラスチック、および/または、実際に生物学的に適合するあらゆる材料を含め、様々な材料で作製されてよく、これらの材料は、本明細書に記載された他の構成要素のいずれかまたは全てに使用されてもよい。当業者は、ハンドルハウジング100が、他の様々な構成を有してよいこと、および、そうした構成は、ハウジング100に収容された構成要素の設置にしたがって、様々であってよいことを、理解するだろう。
【0037】
前述したように、図12は、例示的な切断具小組立体500を図示しており、図13は、小組立体500の断面図を提供している。概して、切断具組立体500は、外側チューブ102を含んでよく、この外側チューブ102は、示されるように、据付用チューブ126に連結され、内側シャフト110を受ける。密封部502が、据付用チューブ126と、内側シャフト110と、および/または、駆動連結部111との間に、例えば耐流体式(fluid-tight)などの厳重な接続を形成するよう提供されてよい。据付用チューブ126はまた、移送管124への連結を提供することができ、この移送管124は、次に、組織収集装置128の注入口取付具132に連結されてよい。
【0038】
図14Aおよび図14Bは、外側チューブ102をさらに詳細に示している。外側チューブ102は、広く様々な構成を有してよいが、図示された実施形態では、外側チューブ102は、実質的に円筒形であり、外側チューブ102の近位端部702と遠位端部704との間に、中に形成された管腔700を含んでいる。当業者が理解するように、外側チューブ102は、円筒形である必要はなく、例えば矩形、正方形、卵形など、広く様々ないかなる断面形状で構造付けられてもよい。一例示的実施形態では、外側チューブの遠位端部704は、斜角付き先端部104を有する。斜角付き先端部104は、図8Bの詳細図に見られるように、例えばフードまたは保護カバーなどとして組織採取先端部106の一部を覆い、同時に、組織採取先端部106の別の部分を露出させるよう、サイズ決めされてよい。このような構成は、組織採取先端部106の他の部分(例えば被覆面で覆われた部分)による、不要な接触または損傷をもたらすことなく、部分的に露出された組織採取先端部106の一部分または側部での組織の切除を容易にするのに有利となり得る。斜角付き先端部104はまた、例えば、組織採取先端部106が外側チューブ102の中に後退可能である実施形態では、外側チューブ102が組織に押しつけられる際、組織に対して密封部を作り出すか、またはそうでなければ、組織に適応するのに、有利となり得る。図14Bに示されるように、斜角付き先端部104の遠位表面706は、S字型の外形を有してよい。他の実施形態では、斜角付き先端部104の遠位表面706は、直線状、角を成している、凹状、凸状、または他の形状であってよい。
【0039】
図15Aおよび図15Bに示されるように、据付用チューブ126は、外側チューブ102の近位端部702で、外側チューブ102に連結されてよい。据付用チューブ126は、広く様々な構成を有してよい。据付用チューブ126は、単一部品として形成されてよく、また、締まりばめ、接着剤またはネジなどの手段で、外側チューブ102に連結されてよく、または、他の実施形態では、例えばネジプレート812で接合され得る2つ以上の部品によって、構成されてよい。据付用チューブ126は、その中に形成された管腔802を有してよく、この管腔802は、内側シャフト110を受け入れるようサイズ決めされている。外側チューブ102の近位における管腔802は、駆動連結部111を受けるためにフランジ部分804の下で広くなってよい。連結部806が、管腔802の長さ方向軸から延びてよく、連結部806の中に形成された導管部つまり管腔808を有してよい。連結部806の外面は、ノッチ810を含んでよく、ノッチ810の上に設置されたときの移送管124の保持を高める。移送管124の構成はまた、広く様々であってよいが、図11Aおよび図11Bに示される実施形態では、移送管124は、可撓性の管状部材である。移送管124は、ゴムもしくは他のポリマーなどのエラストマー材料、または他の材料で形成されてよい。代替的に、移送管124は、剛性であるか、または、剛性セグメントを含んでよく、移送管124が据付用チューブ126上の連結部806などの他の構成要素と相互作用する所に密封部が提供されてよい。
【0040】
図16は、遠位端部108に組織採取先端部106を、近位端部118に駆動連結部111を備えた内側シャフト110を図示している。内側シャフトは、様々な構成を有してよいが、示されるように、内側シャフト110は、円筒形の形状をしており、外側チューブ102の内部に合うようにサイズ決めされ、好ましくは、外側チューブ102の中で自由に回転するようサイズ決めされる。内側シャフト110は、その近位端部118および遠位端部108の間に定められた内側管腔900を中に有してよく、管腔900は、駆動連結部111の中へと延びている。前述されたように、内側管腔900は、図17にさらに詳細に示されるように、組織採取先端部106から切除組織および流体を受けることができる。組織採取先端部106は、様々な構成を有してよい。多くの実施形態では、組織採取先端部106は、好ましくは、組織を引き裂くか、押しつぶすか、またはそうでなければ、損傷をもたらすことなく、生体組織標本採取して、生存能力を最大にするよう構成される。生存可能な組織標本は、中に1つ以上の生存可能な細胞を有してよく、組織標本から組織の足場に遊走でき、かつ/または、他の組織工学技術の組織移植片で使用され得る、ある割合の細胞を有してよい。例えば、いくつかの実施形態では、採取された組織標本の細胞の少なくとも約50%、より好ましくは70%より多くが、組織標本から遊走することができる生きた細胞に相当してよい。実際に、いかなるタイプの組織も、この装置で採取されてよく、そうした組織には、軟骨(患者の膝の特定の関節軟骨を含む)、線維軟骨、メニスカス組織(meniscal tissue)、靭帯組織、腱組織、皮膚組織、骨組織、筋肉組織、骨膜組織、心嚢組織、滑膜組織、神経組織、脂肪組織、腎組織、骨髄、肝組織、膀胱組織、すい臓組織、脾臓組織、椎間板組織、胚性組織(embryonic tissue)、歯周組織、管組織、血液、およびそれらの組み合わせが含まれる。軟骨修復に有用な一実施形態では、組織は、軟骨組織、メニスカス組織、靭帯組織、腱組織、骨膜組織、または滑膜組織を含んでよい。以下にさらに詳細に記載するように、組織採取先端部106は、骨組織汚染物を実質的に含まないか、またはほとんど有さない、生存可能な組織標本を採取するように、駆動機構112により駆動されてよい。
【0041】
図17A〜図17Bに示される一例示的実施形態では、組織採取先端部106は、実質的に円筒形の形状をしており、中空であってよく、つまり組織採取先端部106の中に形成された管腔を有してよい。いくつかの切断要素が、組織切断先端部106に配されてよい。切断要素は、様々な形状、構成およびサイズを有してよいが、一例示的実施形態では、切断要素は、約0.01〜3mmのサイズ範囲を有する小片に組織を細分化する(morselize)のに有効であってよい。しかしながら、組織の小片は、様々なサイズであってよい。例えば、他の実施形態では、細分化された組織小片は、1mm未満の範囲、約0.5〜1mmの範囲、約1〜2mmの範囲、または約2〜3mmの範囲のサイズを有してよい。いくつかの実施形態では、組織標本の中の切除組織小片の約90%以上が、このようなサイズ範囲内にあってよい。他の実施形態では、組織標本の中の切除組織小片の約50%以上が、このようなサイズの範囲内にあってよい。専ら例として、図25は、組織採取先端部106で採取された実際の組織小片を示している。多くの場合、特定のサイズの採取組織小片が、有利な点を有し得る。小さすぎる組織小片は、周縁部に多くの割合の細胞を有するかもしれず、採取の間、それらは死滅してしまう可能性が大きく、その結果、組織の生存能力は低いかもしれない。大きい組織小片は、周縁部に比較的少ない細胞を有するかもしれないが、他方で、細胞外マトリクスに包まれている、多くの細胞を有するかもしれず、したがって、外に遊走するのが遅くなり得る。
【0042】
図17A〜図17Bに示されるように、切断要素は、回転によって組織を切除するように組織採取先端部106の円周部の周囲に配され得る切断用表面1000であってよい。開口部1006が、組織採取先端部106の壁に形成されて、組織の切除片が先端部106の中に入るのを可能にしてよく、組織の切除片は、ポート1016を通って、内側シャフト110の内側管腔900の中へと出ていってよい。切断用表面1000のサイズおよび開口部1006のサイズは、組織を適切にサイズ決めされた小片に切除して、後の成長、および/または足場におけるそれら組織の組み込みを促進するよう、構成されてよい(または、他の適用のために構成されてよい)。例えば一実施形態では、開口部1006は、直径が約1mm〜3mmの範囲にあってよく、他の実施形態では、より好ましくは、直径が約2mmであってよい。この実施形態では、組織は、開口部1006を通して採取されるが、組織採取先端部106は、その遠位端部1010に1つ以上の切断用表面1008を有してよく、このことは、装置90に対する遠位の圧力を可能にし、また、組織採取先端部106が組織を切断するか、または組織の中に切り込むのを可能にすることで、有利となり得る。他の実施形態では、組織採取先端部106の遠位端部1010は、滑らかで、かつ/または、遠位端部1010に切断用表面を全く有さなくてよい。組織採取先端部106のベース部分1012は、固体であってよく、シャフト110に連結されてよい。
【0043】
図17A〜図17Bに図示される実施形態では、組織採取先端部106は、8つの切断用表面1000および8つの開口部1006を含んでいるが、様々な切断用表面および開口部が用いられてよい。加えて、図17A〜図17Bでは、切断用表面1000は、組織採取先端部106の回転によって組織を切除するように向きを定められるが、他の実施形態では、切断用表面1000は、組織採取先端部106の往復運動によって組織を切除できるように配されてよい。例えば、切断用表面1000は、開口部1006の周囲で、一方向より多くの方向に向きを定められてよい。
【0044】
図16に示されるように、また、図18Aおよび図18Bを更に参照すると、内側シャフト110は、駆動連結部111に噛み合わされてよい。実際に、いかなる形状およびサイズも可能であるが、図示された実施形態では、駆動連結部111は、円筒形のシャフト部分1102を含み、シャフト部分1102は、管腔900が管腔1112の中に延ばされるように、内側シャフト110に連結されるよう構成される。このように、シャフト部分1102は、内側シャフト110および管腔900へ延長部を提供してよく、よって、シャフト部分1102および内側シャフト110は共にシャフト902を構成し、管腔900が内側シャフト110および駆動連結部111を通って延びるようになる。1つ以上の開口部つまり出口ポート1106が、管腔900を定める側壁に形成されてよい。示されるように、出口ポートは、シャフト部分1102に形成される。他の実施形態では、出口ポートは、内側シャフト110に形成されてよい。出口ポート1106は、いかなる形状およびサイズであってもよいが、駆動連結部111の対向する側部上の矩形開口部として示されている。多くの実施形態では、出口ポート1106は、以下にさらに詳細に説明されるように、装置90の作動の間、組織および/または流体が出口ポート1106を通って引き込まれ得るように、サイズ決めされてよい。いくつかの実施形態では、出口ポート1106は、駆動連結部111ではなく、内側シャフト110に形成されてよい。駆動連結部111は、駆動機構112に係合するために、駆動連結部111の近位端部に配されたタブ1104をさらに含んでよい。示されるように、タブ1104は、2つの対向する表面1108、1110を提供する刃のような要素によって形成される。他の様々な構成のタブ1104が可能であり、それらには、様々な形状およびサイズ、表面特徴、多数の刃形要素(例えば、「X」形に交差している刃など)が含まれる。さらには、他の実施形態では、ギア、駆動シャフトなどを含め、他の種類の要素が、駆動連結部111を駆動機構112に連結するために使用されてよい。
【0045】
図13に戻ると、装置90の作動の間に切断具小組立体500を通る例示的な流体の流れが、矢印で表され得る。概して、専ら例として、使用の際、内側シャフト110は、外側チューブ102の内部で回転してよい。切除組織および流体は、内側シャフト110の中の管腔900を通って流れてよい。組織採取先端部106によって捕捉された切除組織および/または流体は、例えば真空力を受けて、内側シャフト106の遠位端部108から近位端部118に、さらに、駆動連結部111の中へと移動してよい。駆動連結部111の各出口ポート1106が移送管124への開口部と整列しているので、切除組織および流体は、真空によって移送管124の中に引き込まれ得る。例えば、図13は、2つの出口ポート1106を備えた駆動連結部111を示しており、1つの出口ポートが移送管124への開口部と整列している。当業者が理解するように、移送管124の中への流れの性質は、出口ポート1106のサイズおよび形状を変更することによって、変更されてよい。いくつかの実施形態では、駆動連結部111および/または据付用チューブ126は、領域602の内部に拡張された内部スペースを有してよく、このスペースは、例えば、出口ポート1106の周囲に円筒形の貯蔵部を形成し、よって、内側シャフト110が回転しても、出口ポート1106は、封鎖されずに、多くの場合または常に、移送管124と連絡しているようになる。このような実施形態は、移送管124を通る組織および/または流体の流れのいかなる間欠性も、削減または排除するために、有利となり得る。当業者が認識するように、上記は専ら例示のためのものであり、広く様々な変形体が可能である。
【0046】
駆動機構112はまた、様々な構成を有してよい。図19A〜図19Bに示されるように、一実施形態では、駆動機構112は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換するが、広く様々な駆動機構および電源が、(回転力などの)力を組織採取先端部106に伝えるために用いられてよいことが、理解されるべきである。図示された実施形態では、駆動機構112は、電気モーター114を含んでおり、電気モーター114は、実際に、いかなるACもしくはDCモーター、または同期もしくは非同期モーター、または他のタイプのモーターであってもよい。モーター114は、モーター据付台1200に配されてよく、モーター据付台1200は、例えばスリーブとしてモーター114を維持するよう、成形およびサイズ決めされてよい。保持クリップ1206が提供されて、モーター114の端部を横切って延び、モーター据付台1200に噛み合うタブを有することで、モーター114をモーター据付台1200の内部に固定させてよい。モーター据付台1200は、ハンドルハウジング100の内部など他の物体にモーター据付台1200を据え付けるために、外部表面から延びるブラケット1224、1226を有してよい。整列ピン1210が、モーター据付台1200から近位方向に延びてよい。駆動機構112はまた、出力ギア1202を含んでよく、この出力ギア1202は、示されるように、その内部表面に形成されたギア歯部1212を備えた中空の円筒の形態をしていてよい。出力ギア1202は、モーター据付台1200から整列ピン1210を受け入れるよう構成された車軸1234を有してよい。整列ピン1210と車軸1234との噛み合いは、モーター114の向きを定め、よって、モーター114のドライブスピンドル1214に取り付けられたピニオンギア1208が、出力ギア1202の内部に形成されたギア歯部1212と整合できるようになる。
【0047】
モーターと組織採取先端部106または他の切断要素との間に、いかなる種類の回転式連結が、使用されてもよい。様々な実施形態で、異なるサイズ、タイプ、および/または数のギアが提供されてよい。加えて、モーター114ならびにギア1208および1212は、約100rpm〜5000rpm、より好ましくは約2000〜3000rpmで、組織採取先端部106を回転させるよう選択されてよい。いくつかの実施形態では、ギア比およびトルクは、組織採取先端部106が骨に適用されたときではなく、軟組織に適用されたときに、組織採取先端部106を駆動させるよう構成されてよい。例えば、駆動機構は、組織採取先端部106が骨組織(例えば、採取されるべき組織が骨の軟骨の場合は、軟骨下の骨など)に接触したら十分速く停止して、約10%未満の骨組織汚染物、より好ましくは約5%未満の骨組織汚染物、またはより好ましくは約1%未満の骨組織汚染物を有する組織標本を生成するように、組織採取先端部を回転させるよう構成されてよい。上記のように、組織標本は、広く様々ないかなる組織タイプを含む生体組織標本であってもよい。このような結果は、約1〜5N・cm、より好ましくは約3〜4N・cmのトルクを組織採取先端部106に適用することによって、生成されてよい。モーターおよびギア比は、適切なトルクを達成するように調整されてよい。例えば、4N・cmのトルクを達成するために、モーターは、約1N・cmのトルクを提供して、約4対1のギア比を備えたギア機構に連結されてよい。出力ギア1202の近位面1236は、表面から先に延びる複数の三角形フィンガータブ1232を含んでよい。示されるように、フィンガータブ1232は、駆動連結部111のタブ1104を受けるために、2対で配列されてよい。使用の際、モーター114によって提供されたトルクは、ピニオンギア1208、出力ギア1202、およびフィンガータブ1232を回転させてよく、これにより、駆動連結部のタブ1104および内側シャフト110に回転力が適用されてよい。駆動機構112はまた、モータースピンドル1210に取り付け得る保持座金1204を含んで、ピニオンギア1208およびモーター据付台1202に対して出力ギア1202を固定させてよい。図20および図21A、図21Bは、上記のモーター据付台1200および出力ギア1202をそれぞれさらに詳細に図示している。
【0048】
駆動機構112は、モーター114への電気の流れを制御するためのスイッチ122をさらに含んでよい。示されるように、スイッチ122は、単極の押し発動式のタイプであり、スイッチ122の押下が回路を完成させ、スイッチ122への圧力を解放すると回路が開放する。しかしながら、実際に、ロッカースイッチ、スライドスイッチ、オン/オフボタン、単極式、二極式などを含め、いかなるタイプのスイッチも可能である。スイッチ122は、ワイヤ1216、1218に接続されてよい。ワイヤ1216は、正の電力端末(positive power terminal)1220に通じてよく、そこに、電池パック120などの電源の正の端部が接続されてよい。ワイヤ1218は、モーター114の正の端末1218に通じてよい。また、ワイヤ1238が、モーター114の負の端末1230に負の電力の端末(negative power terminal)1222を接続するように提供されてよい。示されるように、スイッチ122は、開放した正の回路を提供し、つまり、スイッチが開放しているとき、モーター114の正の端末1228は開放した回路であり、一方、モーター114の負の端末1230は、常に負の電力の端末1222に接続され、この負の電力の端末1222は電池パック120の負の端部に接続されている。しかしながら、実際に、開放した負の回路など、いかなる切り替え式回路構成も可能である。
【0049】
いくつかの実施形態では、駆動機構は、内側シャフト110および組織採取先端部106を一方向に回転させてよいが、他の実施形態では、シャフト110の回転は往復してもよく、または、回転の方向は、例えば、モーター114に代わりの極性を提供するAC電源またはスイッチ組立体を使用するなどして、ユーザ選択が可能であってよい。方向を逆にするために、極性を変更してよい。往復運動は、適切なモーターおよび電子技術を用いて達成されてよい。このような実施形態では、組織採取先端部106は、いずれの方向にも有効な切断用表面を有してよい。
【0050】
電池パック120または他の電源は、様々な構成を有してよいが、図22に示されるように、電池パック120または他の電源は、実質的に矩形で、かつ、中に形成された4つの受け入れスロット1501を含んでいる、ケース1500を含んでいる。ケースは、様々な電源を収容するために様々な形状およびサイズを有してよいが、この実施形態では、4つの単三型電池1508が用いられる。逆電流器(spacer)1502が、ケース1500の底部に配されてよい。逆電流器1502は、例えばシリコンで作製されてよい。電池パックはまた、短絡バー(shorting bars)1504、1506を含んでよく、これらの短絡バー1504、1506は、電池1508の隣接する端末の間に電気接続を提供するために、電気伝導性材料で形成された矩形のバーであってよい。別の短絡バー1510が、電池1508の上表面に提供されてよく、これらの短絡バーは、1つの電気経路が4つの電池1508を通って定められるように、集合体として配列される。電池パック120は、上部密封部1512をさらに含んでよく、この上部密封部1512はまた、シリコン、または、ゴム、プラスチックなどの別の材料で作成されてよい。電源端末1514、1516もまた、提供されてよい。示されるように、端末1514は正の端末であり、端末1516は負の端末であり、これらの端末1514、1516は、図19Bに示される電力端末1220、1222にそれぞれ接続されてよい。他の実施形態では、端末1514および1220は同じ端末であってよく、端末1516および1222は同じ端末であってよい。カバー1518が、端末1514、1516の上に配されてよく、ネジ1520、ボルト、接着剤、締まりばめ、インターロックタブ、レール、または広く様々な他の任意の手段によって、所定の位置に固定されてよい。
【0051】
前述のように、組織抽出・収集装置90はまた、組織収集装置128を含んでよく、図10に示されるように、この組織収集装置128は、注入口取付具132を介して移送管124に連結されてよい。組織収集装置は、広く様々な構成を有してよいが、図23A〜図23Bの図示された実施形態では、組織収集装置は、注入口1612から排出口1622へと通る通路を定める容器130を含んでいる。示されるように、容器130は、実質的に透明な円筒形の管であるが、しかしながら、実際に、いかなる形状およびサイズのシャフト、ハウジング、カバーリング、円筒も使用されてよい。当業者が理解するように、容器130は実際に、組織および/または流体に容器130を通過させるのに適したいかなる形状およびサイズであってもよい。例えば、容器130は、矩形、正方形、卵形などの断面形状を有してよく、容器130の中に形成された、同じまたは異なる形状をした導管を有してよい。注入口取付具132は、移送管124に直接連結するよう構成された第1外側部分1600を有してよく、例えば、第1部分1600の直径は、移送管124が第1部分1600の上を滑ることができるか、またはその上に設置され得るような、直径であってよい。しかしながら、他の実施形態では、第1部分1600は、移送管124の相補的取付具に噛み合わされてよく、よって、組織収集装置128が装置90のハンドルハウジング100の中に挿入されたとき、および、接続機構136が係合されたときに、耐流体密封を提供する。他の実施形態では、追加的取付具、密封部、ラッチ、接着剤、または様々な任意の連結要素が用いられてよい。第2部分1602が、容器130に連結されるよう構成されてよい。排出口取付具134もまた、第1および第2部分を有してよく、第1部分1606は、例えば管、取付具、シャフトなどを介して、真空源に連結するよう構成されてよい。第2部分1604は、容器130に連結されるよう構成されてよい。排出口取付具134は、例えば排出口取付具134を回転させることで係合されるタブ、または他の手段を介して、容器130に取り外し可能に連結されて、容器130の内部の成分へのアクセスを可能にしてよい。容器130、注入口取付具132および排出口取付具134は、中に通路1612を定めてよく、この通路1612を通して、装置90の作動の間、切除組織および/または流体が、(例えば、排出口取付具に連結された真空源の力を受けて)流れてよい。
【0052】
図23Aおよび図23Bに示されるように、組織収集装置128は、組織収集室1620をさらに含んでよく、この組織収集室1620は、例示的実施形態では、フランジ付き領域1614およびろ過要素1616を備えた実質的に筒状の形状をしている。組織収集室1620は、容器130の中を流れる実質的に全ての組織および/または流体が組織収集室を通って流れるように、容器130の内部に合うよう成形およびサイズ決めされてよく、また、容器130の内部で移動するよう構成されてよい。例えば、フランジ付き部分1614は、容器130の内部開口部とほぼ同じ直径であってよく、組織収集装置1620と容器130の側壁との間を、ほとんどまたはまったく組織/流体に通過させず、しかしながら、容器130の内部での組織収集室1620の、例えば軸1610などの長さ方向軸に沿った並進移動を可能にする。他の実施形態では、フランジ付き部分1614は、比較的狭くてよく、いくらかの組織および/または流体が、組織収集室1620を通ることなく、排出口1622へと通過するのを可能にしてよい。ろ過要素1616は、その中または上に形成されたメッシュ、穿孔、フィルタ、スクリーン、または他の要素を有して、(切除組織などの)組織の小片を保持または捕捉しつつ、流体が通るのを可能にしてよい。メッシュおよび穿孔などの開口部のサイズは、(組織の足場などでの)後の使用に適した組織の小片を捕捉し、同時に他のものを通過させるよう、選択されてよいが、多くの実施形態では、サイズは、通過する組織の損失が最小となるようなサイズであってよい。例えば、一実施形態では、メッシュは、幅約0.5mmの開口部を有してよい。円筒形の形状として示されているが、ろ過要素1616は、広く様々な形状およびサイズを有してよい。例えば、ろ過要素1616は、フランジ付き部分1614の底部に配された、穿孔されたまたはメッシュのディスクを含んでよく、または、フランジ付き部分1614などからそれぞれ延びる複数の円筒を含んでよい。使用の際、流体の流れは、組織収集室1620のろ過要素1616の中に組織の小片を運ぶことができ、徐々に、(例えば穿孔またはメッシュなどの)ろ過要素1616を通る流体の流れを封鎖するか、または、妨げる。真空源によって排出口1622に向かって組織が収集され続け、流体が引き込まれ続けると、組織収集室1620は、容器130の内部で並進移動してよい(図示された実施形態では、このような並進移動は、軸1610に沿って、排出口1622および/または排出口取付具134に向かって起こり得る。)。組織収集室1620の並進移動または転位の程度は、以下に論じられるように、組織収集室1620の中に収集された組織の量を示すことに関連付けられてよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、組織収集装置128は、付勢要素1608をさらに含んでよく、この付勢要素1608は、軸1610などの軸に沿って(または少なくとも部分的に沿って)、組織収集室1620の並進移動を付勢するよう配列される。付勢要素1608は、様々な形態を有してよいが、図示された実施形態に示されるように、付勢要素に1608は、一端部で組織収集室1620に隣接し、かつ、反対側端部で排出口取付具134に隣接する、コイルバネの形態をしている。O-リング1626または座金が、容器130と排出口取付具134との間の界面に配されてよい。ろ過要素1616は、付勢要素1608によって受けられてよく、よって、ろ過要素1616が充満するのにしたがい、バネが徐々に圧縮されるようになる。したがって、付勢要素1608は、組織収集室1620への吸引力または真空力に対向することができる。前述のように、軸1610に沿った、容器130の内部での組織収集室1620の転位は、組織収集室1620の内部の組織の量を示すことに関連付づけられてよい。他のタイプのバネ、および(例えば可撓性のスペーサーまたはバンドなどの)エラストマー材料が、付勢要素1608を形成するために使用されてよい。
【0054】
可視基準表示器1618などの可視表示器が、容器130の内部での組織収集室1620の転位を表示するために、容器130に刻まれてよい。図示された実施形態では、可視表示器は基準線であるが、しかしながら、広く様々な可視表示器が可能である。例えば、他の実施形態では、複数の線が提供されてよく、各線は、組織収集室1620の中に収集された組織の量に対応し、かつ/または、収集された組織の量が特定の処置に適していることを表示する。加えて、範囲を表示する厚いバーが、提供されてよい。また、情報を伝達する色のパターンを備えた可視表示器が提供されてもよい。線などの対応する可視表示器が、組織収集室1620のフランジ付き部分1614に刻まれてよく、よって、使用の際、所望の量の組織が収集されると、容器130の線が、組織収集室1620の線に重なるようになる。使用の際、可視基準表示器1618または他の可視表示器は、容器130に形成された観察ポート138を通して見られてよい。
【0055】
透明であるとして示されているが、容器130は、不透明かつ/または半透明であってもよい。例えば、容器130は、透明または半透明の材料で部分的に形成されてよく、容器130の観察ポートを通して見られてよい。他の実施形態では、容器130は、不透明であってよく、可視表示器は、容器130の外側に延びてよく、例えば、可視表示器は、組織収集室1620に連結している突出タブであってよい。
【0056】
代替的に、組織収集室1620の並進移動または他の動きは、所望の量の組織が収集されたとき、収集された組織の量を表示するか、または、組織収集を終えるよう、フィードバック機構を稼動させてよい。一例示的実施形態では、フィードバック機構は、スイッチである。例えば、スイッチは、容器130の内部にプッシュタイプスイッチまたはボタンを含んでよく、組織収集室1620の動きによって、接触されるか、解放されるか、または別様に発動されるよう、注入口取付具132に、排出口取付具134に、または、容器130の内部に、配されてよい。スイッチは、表示照明、または可聴表示器もしくはアラームを稼動させてよく、あるいは、組織収集室1620の状態をコンピュータまたは電子システムに警告してよい。スイッチの発動はまた、真空源を停止させ、かつ/または、駆動機構112への電力を切断してもよい。
【0057】
また、組織収集室1620は、並進移動以外の動きを呈するよう構成されてよいことが、理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、容器130および組織収集室1620は、(例えば、容器130の内部、およびフランジ付き領域1614上に)形成されたネジ山を有してよく、このネジ山によって、組織収集室1620は、組織で充満すると回転することができる。(並進移動と同時に起こることができる)この回転は、スイッチを発動させてよく、または、容器130上の視覚基準表示器との関連で使用されてよい。このような実施形態では、視覚基準表示器は、収集された組織の適切な量を判断するために、容器130に長さ方向に印された基準線であってよい。
【0058】
組織収集装置128’の別の例示的実施形態が、図24A〜図24Bに示されており、この例示的実施形態は、組織収集室または他の要素の並進移動または他の動きを伴わなくてよい。示されるように、組織収集装置128’は、可視基準表示器1618’が配された容器130’を含んでよい。組織収集装置128’はまた、ろ過要素1616’が排出口取付具134’に接して配されるか、または取り付けられるように、構成されてよい。ろ過要素1616’は、流体が通るのを可能にし、同時に(例えば切除組織などの)組織の小片を保持または捕捉するために、ろ過要素1616’の中または上に形成されたメッシュ、穿孔、フィルタ、スクリーンまたは他の要素を有してよい。使用の際、真空の影響を受けて、流体は、(図24A〜図24Bには示されないが、いくつかの実施形態では、注入口1612’に連結された注入口取付具132’を有してよい)注入口1612’に入り、排出口1622’に向かって流れ、ろ過要素1616’を通過してよい。所望のサイズの組織小片は、流体に懸濁されることができ、ろ過要素1616’によって捕捉され、容器130’とろ過要素1616’との間のスペース1700に蓄積することができる。基準表示器1618’は、所望の量の組織が収集されたことを判断するために使用されてよい。装置128’は、組織の様々な量および小片のサイズのために構成されてよい。使用の際、組織が蓄積するのにしたがって、収集された組織のレベルは、表示器1618’に向かって増加し、表示器1618’に到達し、例えば、可視的に観測されてよい。収集された組織は、排出口1622’から注入口1612’に流体をポンプで送って、注入口1612’を通して組織を除去することによって、除去されてよい。
【0059】
当業者が理解するように、組織収集装置は、実際に、任意の量の組織を収集するよう、かつ/または、実際に、任意の量の組織が前述の任意の構成を通して収集されたときを表示するよう、構成されるか、またはサイズ決めされてよい。専ら例として、一実施形態では、組織収集装置128は、約50〜1000mgの範囲、より好ましくは約200〜400mgの範囲の採取された組織塊を収集および/または表示するよう構成されてよい。
【0060】
使用の際、組織収集装置128は、ハンドルハウジング100の中に挿入され、接続機構136によって所定の位置でロックされてよい。装置90は、(好ましくは、組織収集装置128の排出口取付具134で)真空源に接続されてよく、この真空源は、内側シャフト110の管腔900の内部に真空を作成するのに有効である。電池は、電池パック120の中に積載されてよく、カバー140が、ハンドルハウジング100の所定の場所に置かれて、カバー140の中に電池パック120を包囲してよい。他の実施形態では、装置90は、他の電力源に接続されてよい。組織採取先端部106は、例えば身体の軟骨など、適切な組織の供給源の近くに位置付けられてよい。
【0061】
スイッチ122の発動により、電池パック120から電流がモーター114に送達されてよく、これによって、ギア1208、1202および駆動連結部111を介して内側シャフト110に回転力を供給することができる。内側シャフト110および組織採取先端部106の回転により、先端部106は、選択された組織部位から組織の小片を切除するのに有効であってよい。この組織は、組織採取部位に存在するあらゆる流体と共に(流体は、自然に発生する流体、および/または外科的に導入される流体である)、真空力によって、組織採取先端部106を通して内側シャフト110の管腔900の中に運ばれてよい。切除組織および流体は、駆動連結部111の壁に形成された1つ以上の出口ポート1106に、管腔900に沿って、運ばれてよい。各出口ポート1106が、移送管124への開口部に整列すると(すなわち、内側シャフト110および駆動連結部111が回転すると)、真空力の吸引が、組織および流体を引き込み、結果として、移送管124の中への間欠的な流れをもたらす。組織および流体は、移送管124を通って、注入口取付具132を過ぎ、組織収集装置128の中へと運ばれてよい。組織小片は組織収集室1616の中に収集されて、組織収集室1616を通る流体の流れを徐々に封鎖するか、妨げてよい。吸引によって、組織収集室1620は、組織収集装置の容器130の内部で(例えば並進移動するなど)移動することができ、このような移動は、例えば、ハンドルハウジング100に形成された観察ポート138を通して組織収集室1616の位置を見ることによる、例えば可視表示器または他の表示器を用いて、収集された組織の量に関連付けられてよい。前述のように、いくつかの例示的実施形態では、例えば約50〜1000mg、より好ましくは約200〜400mgが採取されるが、いかなる量も可能である。スイッチ122が解放されて、モーター114への電流を切断し、組織の採取を終わらせてよい。
【0062】
真空源が稼動を停止されて、排出口取付具134から取り外されてよく、組織収集装置128がハンドルハウジングの外に移動されてよく、排出口取付具134(または、いくつかのケースでは、注入口取付具132)が取り外されることによって、組織収集室1620がアクセスされ、かつ/または除去されるようにしてよい。他の実施形態では、組織収集装置128は、ハンドルハウジング100から除去されてよい。収集された組織は、組織インプラントを作り出す/増殖させるのに適した組織の足場またはマトリクス上に移されてよい。いくつかの実施形態では、組織は、組織収集室から組織を手動で除去することによって、組織収集装置128から除去されてよいが、しかしながら、他の実施形態では、流体の流れが、組織収集装置128を通って排出口1622から注入口1612へと向けられてよく(例えば、採取の間に組織を収集した流れと逆の流体の流れ)、これによって、収集された組織および流体は、注入口取付具132の外に流れることができるようになる。いくつかの実施形態では、食塩水が、排出口取付具134を通して注入されてよく、組織収集室1620の中の組織を追い出し、注入口取付具132を通して組織を放出させる。収集された組織はまた、組織の足場に組織を分散させるか、または(組織を刻むなどの)組織の他の処理をするための、組織分散装置の中に設置されてよい。収集された組織は、所望の手術部位で組織の足場の内部に植え込まれてよく、多くのケースでは、患者の軟組織、および/または骨の欠陥部を修復し、その部位の回復を促進する。
【0063】
組織を抽出するための装置および方法に関するさらなる情報は、米国特許公報第2004/0193071号を参照することで入手でき、その教示は参照によってその全てが本明細書に組み込まれる。
【0064】
本明細書に開示された装置は、1回使用した後に廃棄されるように設計されてよく、または、複数回使用されるように設計されてもよい。いずれのケースも、装置は、少なくとも1回使用した後で再利用のために再調整されてよい。再調整は、装置の分解ステップ、それに続く、特定の部品の洗浄または取替ステップ、および、その後の再組み立てステップのあらゆる組み合わせを含んでよい。特に、装置は、分解されることができ、任意の数の、装置の特定の部品または部分が、あらゆる組み合わせで選択的に取り替えられるか、または除去されてよい。特定の部分が洗浄され、かつ/または取り替えられると、装置は、再調整施設で、または外科処置の直前に外科チームによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。当業者は、装置の再調整は、分解、洗浄/取替、および再組み立てのための様々な技術を利用してよいことを認識するであろう。このような技術を使用すること、および結果として得られる再調整された装置は全て、本願の範囲内である。
【0065】
当業者は、前述した実施形態に基づいて、本発明のさらなる特徴および利点を認識するであろう。したがって、本願は、特許請求の範囲により示されるものを除いて、特に図示され説明された内容によって限定されるものではない。本明細書で言及された全ての刊行物および参考文献は、参照によりその全てが本明細書に明白に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1A】本発明の一実施形態による、組織抽出・分離装置の斜視図である。
【図1B】図1Aに示された組織抽出・分離装置の断面図である。
【図2A】図1Aおよび図1Bに示された組織抽出・分離装置の外側チューブの斜視図である。
【図2B】図2Aに示された外側チューブの断面図である。
【図3A】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される内側シャフトの採取先端部の一実施形態を図示している。
【図3B】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される内側シャフトの採取先端部の別の実施形態を図示している。
【図3C】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される内側シャフトの採取先端部のさらに別の実施形態を図示している。
【図3D】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される内側シャフトの採取先端部のさらに別の実施形態を図示している。
【図4A】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される切断部材の一実施形態を図示している。
【図4B】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される切断部材の別の実施形態を図示している。
【図4C】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される切断部材のさらに別の実施形態を図示している。
【図4D】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される切断部材のさらに別の実施形態を図示している。
【図4E】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される切断部材のさらに別の実施形態を図示している。
【図4F】本発明による、組織抽出・分離装置で使用される切断部材のさらに別の実施形態を図示している。
【図5】本発明による、組織抽出・分離装置で使用されるサイジングスクリーンの一実施形態を図示している。
【図6】本発明の別の実施形態による組織収集装置と噛み合った、図1Aに示された組織抽出・分離装置を図示している。
【図7A】組織表面に位置付けられた、本発明による組織抽出・分離装置を図示している。
【図7B】本発明による組織抽出・分離装置を使用して、組織標本が除去された組織表面を図示している。
【図8A】ハンドルハウジングを有する組織抽出・収集装置の別の例示的実施形態の前方斜視図であり、このハンドルハウジングは、そこから遠位方向に延びる外側チューブ、および、遠位端部に組織採取先端部を備えている。
【図8B】図8Aに示された装置の遠位端部の組織採取先端部の詳細図である。
【図9A】図8Aに示された組織抽出・収集装置の後方斜視図であり、組織収集装置は取り外された状態にある。
【図9B】図8Aに示された組織抽出・収集装置の後方斜視図であり、ハンドルハウジングに配された組織収集装置を示している。
【図9C】図8Aに示された組織抽出・収集装置の後方斜視図であり、組織収集装置は延ばされた位置にある。
【図10】図8Aに示された組織抽出・収集装置の分解組み立て図である。
【図11A】図8Aに示された組織抽出・収集装置の一部を切り欠いた図である。
【図11B】図8Aに示された組織抽出・収集装置の一部を切り欠いた図であり、組織抽出・収集装置に連結された組織収集装置を図示している。
【図12】切断具小組立体を形成し得る、図11Aに示された組織抽出・収集装置のいくつかの構成要素の分解組み立て図である。
【図13】図12に示された切断具組立体の垂直断面図であり、矢印で切断具組立体を通る例示的な組織および/または流体の流れを示している。
【図14A】図8A〜図11Bに示された外側チューブの底面図である。
【図14B】図8A〜図11Bに示された外側チューブの側面図である。
【図15A】図10〜図11Bに示された外側チューブおよび据付用チューブの側面図である。
【図15B】図10〜図11Bに示された外側チューブおよび据付用チューブの断面図である。
【図16】図12に示された内側シャフトの側面図であり、遠位端部に組織採取先端部、および、近位端部に駆動連結部を備えている。
【図17A】図16に示された組織採取先端部の遠位の斜視図である。
【図17B】図16に示された組織採取先端部の近位の斜視図である。
【図18A】図16に示された駆動連結部の遠位の斜視図である。
【図18B】図16に示された駆動連結部の近位の斜視図である。
【図19A】図10〜図11Bに示された駆動機構の組立図である。
【図19B】図19Aに示された駆動機構の分解組立図である。
【図20】図19A〜図19Bに示されたモーター据付台の斜視図である。
【図21A】図19A〜図19Bに示された出力ギアの近位の斜視図である。
【図21B】図19A〜図19Bに示された出力ギアの遠位の斜視図である。
【図22】図10〜図11Bに示された電池パックの分解組立図である。
【図23A】図8A〜図11Bに示された組織収集装置の分解組立図である。
【図23B】図23Aに示された組織収集装置の組立図である。
【図24A】組織収集装置の代替的実施形態の分解組立図である。
【図24B】図24Aに示された組織収集装置の組立図である。
【図25】本明細書に記載された方法および装置を使用して採取された生存可能な組織の標本例の写真である。
【出願人】 【識別番号】507083478
【氏名又は名称】デピュイ・ミテック・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DePuy Mitek,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【出願日】 平成21年3月26日(2009.3.26)
【代理人】 【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏

【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊

【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文

【識別番号】100157288
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 千恵
【公開番号】 特開2009−233333(P2009−233333A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2009−75658(P2009−75658)