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【発明の名称】 昇降機構および昇降寝台並びに撮影装置
【発明者】 【氏名】泉原 彰
【課題】小型で昇降幅が大きい昇降機構を実現させる。

【解決手段】ベース331と、上部昇降台332と、下端がベース331に、上端が上部昇降台332にそれぞれ接続されており、上下方向に伸縮自在である伸縮構造体335と、第1のリンク333と第2のリンク334とを有し、第1のリンク333の一端333aをベース331に回動可能に結合し、第2のリンク334の一端334aを上部昇降台332に回動可能に結合し、第1のリンク333の他端333bと第2のリンク334の他端334bとを回動自在に結合してなる、くの字形のリンク機構部337と、第1のリンク333の一端333aを中心に回動させる回動駆動部336とを備える構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースの上方に位置する上部昇降台と、
下端が前記ベースに、上端が前記上部昇降台にそれぞれ接続されており、上下方向に伸縮自在である伸縮構造体と、
第1のリンクと第2のリンクとを有し、前記第1のリンクの一端を前記ベースに回動可能に結合し、前記第2のリンクの一端を前記上部昇降台に回動可能に結合し、前記第1のリンクの他端と前記第2のリンクの他端とを回動自在に結合してなる、くの字形のリンク機構と、
前記第1のリンクおよび前記第2のリンクのうちいずれか一方のリンクを、該一方のリンクの一端を中心に回動させる回動駆動部とを備える昇降機構。
【請求項2】
前記回動駆動部は、モータと、該モータの軸回転運動を減速変換して前記一方のリンクに伝える減速機とを有する請求項1に記載の昇降機構。
【請求項3】
前記第1のリンクと前記第2のリンクとは互いに等しい長さを有し、
前記第1のリンクの一端と前記第2のリンクの一端とは上下方向で実質的に重なる請求項1または請求項2に記載の昇降機構。
【請求項4】
前記伸縮構造体は、前記リンク機構を囲って上下に開口を有する筒状部材を複数重ねて有し、隣接する前記筒状部材同士が上下方向に相対的にスライドして伸縮する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の昇降機構。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の昇降機構と、被検体が載置される天板であって該昇降機構によって昇降される天板とを備える昇降寝台。
【請求項6】
前記天板を水平な所定の方向に移動可能に支持し、前記昇降機構によって昇降される天板支持部を有する請求項5に記載の昇降寝台。
【請求項7】
前記昇降機構から前記所定の方向に所定の距離を置いて配される補助板であって、前記天板が前記所定の方向に一定量以上移動したときに、少なくとも一部が該天板と上下方向で重なる補助板と、
前記補助板を昇降させる補助板昇降機構と、
前記補助板が前記一定量以上移動した天板の下面に当接するよう、前記補助板昇降機構を制御する制御手段とをさらに備える請求項6に記載の昇降寝台。
【請求項8】
前記補助板昇降機構は、前記昇降機構と実質的に同じ機構を有している請求項7に記載の昇降寝台。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の昇降寝台と、前記昇降寝台の前記天板に載置された被検体を撮影して画像情報を生成する撮影手段とを備える撮影装置。
【請求項10】
請求項5に記載の昇降寝台と、前記昇降寝台の天板に載置された前記被検体が撮影空間に配置されるよう前記天板の長手方向に移動し、前記被検体を撮影して画像情報を生成する可動型の撮影手段とを備える撮影装置。
【請求項11】
前記撮影手段は、前記被検体を挟んで相対向するX線管とX線検出器とを含むX線撮影系を前記被検体の回りに回転させて投影データを取得するガントリ手段を含む請求項9または請求項10に記載の撮影装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降機構、およびその昇降機構を有する昇降寝台、並びにその昇降寝台を用いて被検体を撮影する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の分野において、昇降機構によってテーブル等を昇降させる装置が利用されている。例えば、X線CT撮影では、被検体を載置するための寝台として、一般に、昇降機構を有する昇降寝台が用いられる。
【0003】
昇降機構としては、例えば、平行リンク(link)機構と直線方向に伸縮するアクチュエータ(actuator)とを有し、アクチュエータの伸縮運動をリンクの回動運動に変換して昇降動作を実現させる昇降機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−231091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなアクチュエータとしては、一般的に、シリンダ(cylinder)構造のアクチュエータが知られている。シリンダ構造のアクチュエータでは、その構造上、最短長が最伸長の半分以下にならず、アクチュエータの最伸長に対する伸縮幅が比較的小さい。そこで、このような昇降機構では、アクチュエータをリンク機構における回動の支点近くに取り付けるとともに、回動するリンクの長さを、昇降幅が十分確保される程度の長さに設定する必要がある。
【0005】
しかし、このように構成された昇降機構では、そのリンクの長さが影響して、リンク機構のサイズ(size)が大きくなり、小型化が難しくなる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、小型で昇降幅が大きい昇降機構、およびその昇降機構を有する昇降寝台、並びにその昇降寝台を用いて被検体を撮影する撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点では、本発明は、ベース(base)と、前記ベースの上方に位置する上部昇降台と、下端が前記ベースに、上端が前記上部昇降台にそれぞれ接続されており、上下方向に伸縮自在である伸縮構造体と、第1のリンクと第2のリンクとを有し、前記第1のリンクの一端を前記ベースに回動可能に結合し、前記第2のリンクの一端を前記上部昇降台に回動可能に結合し、前記第1のリンクの他端と前記第2のリンクの他端とを回動自在に結合してなる、くの字形のリンク機構と、前記第1のリンクおよび前記第2のリンクのうちいずれか一方のリンクを、該一方のリンクの一端を中心に回動させる回動駆動部とを備える昇降機構を提供する。
【0008】
第2の観点では、本発明は、前記回動駆動部が、モータ(motor)と、該モータの軸回転運動を減速変換して前記一方のリンクに伝える減速機とを有する上記第1の観点の昇降機構を提供する。
【0009】
第3の観点では、本発明は、前記第1のリンクと前記第2のリンクとは互いに等しい長さを有し、前記第1のリンクの一端と前記第2のリンクの一端とは上下方向で実質的に重なる上記第1の観点または第2の観点の昇降機構を提供する。
【0010】
第4の観点では、本発明は、前記伸縮構造体が、前記第1のリンクおよび前記第2のリンクを囲って上下に開口を有する筒状部材を複数重ねて有し、隣接する前記筒状部材同士が上下方向に相対的にスライド(slide)して伸縮する上記第1の観点から第3の観点のいずれか1つの観点の昇降機構を提供する。
【0011】
第5の観点では、本発明は、前記第1の観点から第4の観点のいずれか1つの観点の昇降機構と、被検体が載置される天板であって該昇降機構によって昇降される天板とを備える昇降寝台を提供する。
【0012】
第6の観点では、本発明は、前記天板を水平な所定の方向に移動可能に支持し、前記昇降機構によって昇降される天板支持部を有する上記第5の観点の昇降寝台を提供する。
【0013】
第7の観点では、本発明は、前記昇降機構から前記所定の方向に所定の距離を置いて配される補助板であって、前記天板が前記所定の方向に一定量以上移動したときに、少なくとも一部が該天板と上下方向で重なる補助板と、前記補助板を昇降させる補助板昇降機構と、前記補助板が前記一定量以上移動した天板の下面に当接するよう、前記補助板昇降機構を制御する制御手段とをさらに備える上記第6の観点の昇降寝台を提供する。
【0014】
第8の観点では、本発明は、前記補助板昇降機構が、前記昇降機構と実質的に同じ機構を有している上記第7の観点の昇降寝台を提供する。
【0015】
第9の観点では、本発明は、上記第6の観点から第8の観点のいずれか1つの観点の昇降寝台と、前記昇降寝台の前記天板に載置された被検体を撮影して画像情報を生成する撮影手段とを備える撮影装置を提供する。
【0016】
第10の観点では、本発明は、上記第5の観点の昇降寝台と、前記昇降寝台の天板に載置された前記被検体が撮影空間に配置されるよう前記天板の長手方向に移動し、前記被検体を撮影して画像情報を生成する可動型の撮影手段とを備える撮影装置を提供する。
【0017】
第11の観点では、本発明は、前記撮影手段が、前記被検体を挟んで相対向するX線管とX線検出器とを含むX線撮影系を前記被検体の回りに回転させて投影データ(data)を取得するガントリ(gantry)手段を含む上記第9の観点または第10の観点の撮影装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上下方向に伸縮自在な伸縮構造体がベースと上部昇降台とに接続されることにより、上部昇降台の移動方向が上下方向に制限され、第1のリンクおよび第2のリンクの一方がその一端を中心に回動すると、他方もその一端を中心に回動して上部昇降台を上下動させるので、回動するリンクの長さを効率よく昇降幅に転換でき、小型で昇降幅が大きい昇降機構を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下より、本発明にかかる実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
【0020】
まず、本実施形態にかかるX線CT装置(撮影装置)1の全体構成について説明する。
【0021】
図1は、X線CT装置1の外観図である。図1に示すように、本装置1は、走査ガントリ(ガントリ手段)2、撮影テーブル(table)(昇降寝台)3、および操作コンソール(console)4を有する。
【0022】
なお、ここでは、説明を容易にするため、鉛直方向をy方向、撮影テーブル3の長手方向をz方向、y方向とz方向とに垂直な方向をx方向とする。
【0023】
走査ガントリ2は、撮影空間である空洞部2bを挟んで相対向するX線管とX線検出器とを含む不図示のX線撮影系を有している。走査ガントリ2は、このX線撮影系を、空洞部2bに搬送された被検体の回りで回転させて被検体の撮影を行い、投影データを収集する。
【0024】
撮影テーブル3は、天板に被検体を載置し、その天板をz方向に移動させることにより、被検体を走査ガントリ2の空洞部2bに搬送する。
【0025】
操作コンソール4は、操作者の入力情報に基づいて走査ガントリ2および撮影テーブル3を制御し、走査ガントリ2から投影データを得て被検体の断層画像を生成する。
【0026】
図2は、X線CT装置1の全体構成を示すブロック(block)図である。走査ガントリ2は、X線管21、コリメータ22(collimator)およびX線検出器23等を含み、X線照射・検出装置を構成する。X線管21から放射されるX線は、コリメータ22により、例えば扇状のX線ビーム(beam)すなわちファンビーム(fanbeam)X線となるように成形され、X線検出器23に照射される。
【0027】
X線検出器23は、ファンビームX線の広がり方向にアレイ(array)状に配列された複数のX線検出素子を有する。X線検出器23は、複数のX線検出素子をアレイ状に配列した、多チャンネル(channel)のX線検出器となっている。
【0028】
X線検出器23にはデータ収集部24が接続されている。データ収集部24は、検出器アレイを構成する個々のX線検出素子の検出データを収集する。X線管21からのX線の照射は、走査ガントリ2内のX線コントローラ(controller)25によって制御される。
【0029】
以上の、X線管21からX線コントローラ25までのものが、走査ガントリ2の回転部26に搭載されている。ここで、被検体は、回転部26の中心に位置する空洞部2b内の天板31上に、横臥状態で載置される。回転部26は、回転コントローラ25により制御されつつ回転し、X線管21からX線を曝射し、X線検出器23において被検体の透過X線を検出する。
【0030】
操作コンソール4は、コンソール制御部41、データ収集バッファ(buffer)42、入出力部43、記憶部44等を含む。コンソール制御部41にはデータ収集バッファ42が接続されており、さらにデータ収集バッファ42は、走査ガントリ2のデータ収集部24に接続されている。ここで、データ収集部24で収集されたデータがデータ収集バッファ42を通じてコンソール制御部41に入力される。
【0031】
コンソール制御部41は、データ収集バッファ42を通じて収集した透過X線信号すなわち投影データを用いて画像再構成を行う。コンソール制御部41には、また、記憶部44が接続されている。記憶部44は、データ収集バッファ42に収集された投影データや再構成された断層画像情報および本装置の機能を実現するためのプログラム(program)等を記憶する。
【0032】
また、コンソール制御部41には、入出力部43が接続されている。入出力部43は、表示装置および操作装置を有し、コンソール制御部41から出力される断層画像情報やその他の情報を表示する。入出力部43は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等を操作装置から制御部41に入力する。操作者は表示装置を使用してインタラクティブ(interactive)に本装置を操作する。
【0033】
また、コンソール制御部41には、撮影テーブル3が接続されており、撮影テーブル3の高さ制御および天板の位置制御等を行う。これにより、天板上の被検体を、最適な画像取得位置に配置する。
【0034】
ここで、撮影テーブル3の構成について詳細に説明する。
【0035】
図3は、撮影テーブル3の構成を示す図であり、図3(A)は、撮影テーブル3の要部をx方向で見たときの側面図、図3(B)は、撮影テーブル3の要部をz方向で見たときの背面図である。
【0036】
撮影テーブル3は、図3に示すように、天板31、天板支持部32、および昇降機構部33を有している。
【0037】
天板31は、被検体を載置する載置面を有している。
【0038】
天板支持部32は、図3(A)に示すように、天板31をz方向に移動可能に支持する。具体的には、例えば、天板支持部32は、天板31を支持する不図示のローラ(roller)とローラを回転駆動するモータとを有し、このモータによってローラを回転させることにより、天板31をz方向に繰り出して移動する。天板支持部32は、昇降機構部33によって昇降され、同時に天板31も昇降される。なお、天板31には、ホームポジション(home position)があり、このホームポジションからz方向に移動することにより空洞部2bに移動する。
【0039】
昇降機構部33は、天板支持部32を昇降させる。昇降機構部33は、図3および図4に示すように、ベース331、上部昇降台332、伸縮構造体335、くの字形リンク機構部337、および回動駆動部336を有する。
【0040】
ベース331は、床面上に設置される基台である。なお、ここでは、ベース331は、直方体形状を有する。
【0041】
上部昇降台332は、ベース331の上方に位置し、天板支持部32を支持する。上部昇降台332は、例えば、板状の部材または構造体、あるいは水平方向に延びる複数の柱状部材または筒状部材で構成される枠状の構造体である。なお、ここでは、上部昇降台332は、略直方体形状を有し、下方に凸となるブラケット(bracket)3321を有する。
【0042】
くの字形リンク機構部337は、第1のリンク333と第2のリンク334とを有する。第1のリンク333の一端333aは、回動駆動部336を介してベース331と回動可能に結合される。第2のリンク334の一端334aは、上部昇降台332のブラケット3321と回動自在に結合部339で結合される。また、第1のリンク333の他端333bと第2のリンク334の他端334bとは、結合部338で回動自在に結合される。
【0043】
第1のリンク333と第2のリンク334とは、互いに等しい長さを有し、第1のリンク333の一端333aと第2のリンク334の一端334aとは上下方向で実質的に重なる。つまり、第1のリンク333と第2のリンク334とは、結合部338を通る水平軸に対して、上下対称となる。このような形態により、リンクの長さを昇降幅に最も効率よく転換できる。
【0044】
伸縮構造体335は、下端がベース331に、上端が上部昇降台332にそれぞれ接続されており、上下方向に伸縮自在な構造体である。また、伸縮構造体335は、ベース331と上部昇降台332とを平行に保ちつつ上下方向にのみ伸縮する。伸縮構造体335は、ここでは、図3(A)に示すように、第1のリンク333および第2のリンク334を囲って上下に開口を有する筒状部材3351を内外方向に複数重ねて有する。最も内側の筒状部材と最も外側の筒状部材のいずれか一方の筒状部材は、下端がベース331に接続されており、他方の筒状部材は、上端が上部昇降台332に接続される。隣接する筒状部材同士は、リニアガイド(linear guide)3352によって上下方向に相対的にスライド可能に結合される。リニアガイド3352の取り付け場所、数は特に限定されないが、筒状部材3351が十分な剛性を保って上下方向にスライドするよう配慮して設置する。これにより、伸縮構造体335は、上下方向にのみテレスコピック(telescopic)に伸縮する。このような形態により、くの字形リンク機構部337を外部から保護できる。なお、本実施形態では、筒状部材の数を3としているが、これに限定されない。
【0045】
回動駆動部336は、第1のリンク333を、その一端333aを中心に回動させる。ここでは、回動駆動部336は、モータと、このモータの出力軸の軸回転運動を減速変換して第1のリンク333に伝える減速機とを有する。具体的には、モータと減速機とが一体化された減速機付きモータをベース331に固定し、この減速機付きモータの出力軸を、第1のリンク333の一端333aに固着する構成とする。この出力軸を回転させると、第1のリンク333は、その出力軸を支点に回動する。なお、減速機としては、例えば、複数のギア(gear)により構成されるもの、ギアとギアに係合するベルト(belt)とにより構成されるもの等、種々考えることができる。
【0046】
次に、撮影テーブル3の動作について説明する。
【0047】
図4は、第1のリンク333と第2のリンク334とで構成されるくの字形リンク機構部337の動作を示す図である。
【0048】
第1のリンク333は、回動駆動部336の駆動により、一端333aを中心に回転する力を受ける。これにより、第1のリンク333の結合部338は、一端333aを中心とした円運動を行いつつ上下方向に移動する。
【0049】
一方、伸縮構造体335が上下方向にのみ伸縮可能であることから、上部昇降台332は上下方向にのみ移動可能となり、第2のリンク334の結合部339も上下方向にのみ移動可能となる。
【0050】
このため、結合部338の円運動を伴う上下方向の移動によって結合部339も上下方向に移動する。すなわち、結合部338が上方に移動すると結合部339も上方に移動して上部昇降台332が上昇し、天板支持部32および天板31が上昇する。逆に、結合部338が下方に移動すると結合部339も下方に移動して上部昇降台332が下降し、天板支持部32および天板31が下降する。
【0051】
このような本実施形態によれば、上下方向に伸縮自在な伸縮構造体335がベース331と上部昇降台332とに接続されることにより、上部昇降台332の移動方向が上下方向に制限され、第1のリンク333がその一端を中心に回動すると、第2のリンク334もその一端を中心に回動して上部昇降台332を上下動させるので、例えると、パンタグラフ(pantograph)の変形による昇降動作が、その左右対称軸に対して片側半分だけで行われ、回動するリンクの長さを効率よく昇降幅に転換でき、小型で昇降幅が大きい昇降機構部を実現できる。また、小型で昇降幅が大きい昇降寝台、この昇降寝台を用いて被検体を撮影する撮影装置を実現できる。
【0052】
なお、天板を横方向から支持部で支持して、その支持部を上下動させることにより、小型化を図るタイプ(type)の昇降機構も考えられるが、本実施形態による昇降機構は、天板の下に昇降機構を設けるタイプであり、先のタイプのように天板31の被検体を載置する載置面より高く突出する部分がない。そのため、本実施形態によれば、ストレッチャ(stretcher)で搬送されてきた被検体を、撮影テーブルの前後方向から天板に移動させる場合に、障害となる部分がなく、スムーズ(smooth)に被検体を移動することができる。
(第2の実施形態)
【0053】
本発明の第2の実施形態によるX線CT装置1sについて説明する。
【0054】
図5は、第2の実施形態によるX線CT装置1sの構成を示す図である。X線CT装置1sは、図5に示すように、走査ガントリ2、撮影テーブル3、操作コンソール4、補助テーブル5、および昇降制御部6を有する。これは、第1の実施形態における走査ガントリ2、撮影テーブル3、および操作コンソール4に、さらに、補助テーブル5および昇降制御部6を設けた構成である。よって、走査ガントリ2、撮影テーブル3、および操作コンソール4については、詳細な説明を省略する。
【0055】
補助テーブル5は、撮影テーブル3との間に走査ガントリ2を挟むように配置されており、走査ガントリ2の空洞部2bを通って移動してきた天板31の特に先端部を支持して、天板31のたわみを低減する。
【0056】
補助テーブル5は、補助板52と、補助板昇降機構部53とを有する。
【0057】
補助板52は、撮影テーブル3の昇降機構部33からz方向に所定の距離を置いて配されており、補助板52の少なくとも一部は、天板31がホームポジションからz方向に一定量S以上移動したときに、その天板31と上下方向で重なるように配される。
【0058】
補助板昇降機構部53は、補助板52を昇降させる。補助板昇降機構部53は、昇降機構部33と実質的に同じ機構を有している。すなわち、補助板昇降機構部53は、図5に示すように、ベース531、上部昇降台532、第1のリンク533、第2のリンク534、伸縮構造体535、および回動駆動部536を有しており、これらは、撮影テーブル3における構成要素331〜336と、それぞれ対応している。
【0059】
昇降制御部6は、天板31がホームポジションからz方向に一定量S以上移動したときに、補助板52がその天板31の下面に当接するよう、補助板昇降機構部53の昇降状態を制御する。昇降制御部6は、昇降機構部33が制御されて天板31の高さ位置が変化したときには、補助板52の高さ位置がそれに追従して変化するように、補助板昇降機構部53を制御する。上記の一定量Sは、ホームポジションで停止している天板31の先端から補助板52の撮影テーブル3側の縁までのz方向における距離に相当する。昇降制御部6は、例えば、撮影テーブル3における天板31の高さ位置を特定する情報を、操作コンソール4あるいは撮影テーブル3から取得し、その情報に基づいて補助板昇降機構部53の回動駆動部536を制御する。なお、昇降制御部6は、天板31がある程度たわむことを考慮して、補助板52の高さ位置が、たわみのない理想的な天板を考えた場合より低くなるように、補助板昇降機構部53を制御する。
【0060】
このような第2の実施形態によれば、天板31が大きく移動したときには、補助テーブル5が天板31の特に先端部を支えるので、全体として両持ち構造の撮影テーブルとすることができ、天板31のたわみを低減することができる。これにより、撮影位置の理想からのずれ量を小さくすることができる。
【0061】
また、第2の実施形態によれば、昇降機構部33と補助板昇降機構部53とが実質的に同じ機構を有しているので、撮影テーブル3と補助テーブル5とで昇降機構部を共通化することができる。これにより、昇降機構部33と補助板昇降機構部53の制御方法も共通化して制御を簡単にすることができ、コスト(cost)も低減できる。また、この昇降機構部は小型であるから、補助テーブル5の占有空間を小さくすることができ、実用的な両持ち構造の撮影テーブルを実現できる。
(第3の実施形態)
【0062】
本発明の第3の実施形態によるX線CT装置1tについて説明する。
【0063】
図6は、第3の実施形態によるX線CT装置1tの構成を示す図である。X線CT装置1tは、図6に示すように、走査ガントリ2t、撮影テーブル3、および操作コンソール4を有する。これは、第1の実施形態における走査ガントリ2、撮影テーブル3、および操作コンソール4のうち、走査ガントリ2を走査ガントリ2tに変更した構成である。よって、撮影テーブル3および操作コンソール4については、詳細な説明を省略する。
【0064】
走査ガントリ2tは、撮影テーブル3の天板31に載置された被検体が撮影空間である空洞部2bに配置されるよう、ガントリ自身が天板31の長手方向すなわちz方向に移動し、被検体を撮影して画像情報を生成する可動型のX線CTガントリである。
【0065】
このようなX線CT装置1tでは、天板31におけるスキャン(scan)可能範囲は、走査ガントリ2tのz方向における可動範囲で定まり、走査ガントリ2tの可動範囲は、撮影テーブル3の昇降機構部33の位置によって制限される。したがって、スキャン可能範囲を広く取るためには、昇降機構部33は小型である方が有利である。
【0066】
また、本実施形態によれば、昇降機構部33を、リンク機構とアクチュエータとを組み合わせた従来の昇降機構と比較して小型化できるので、可動型のガントリを用いるX線CT装置において、スキャン可能範囲をより広くとることができる。
【0067】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の実施形態およびその変形例を考えることができる。
【0068】
例えば、本発明による昇降機構は、その実施形態を寝台の昇降機構に限定するものではなく、小型で大きい昇降幅が望まれるすべての昇降機構に適用可能である。
【0069】
また、本発明による昇降寝台は、その実施形態を撮影テーブルに限定するものではなく、撮影以外の用途、例えば、治療や手術を目的とした昇降テーブルにも適用可能である。
【0070】
また、本発明による撮影装置は、その実施形態をX線CT装置に限定するものではなく、被検体を天板に載置して昇降する調整作業が行われるすべての撮影装置に適用可能である。
【0071】
また、上記の第1の実施形態から第3の実施形態における伸縮構造体333と、上記の第2の実施形態における伸縮構造体533には、筒状部材の代わりに、複数のフレームを組み合わせてなる構造体を用いるようにしてもよい。
【0072】
また、上記の第1の実施形態から第3の実施形態において、上部昇降台332と天板支持部32とは一体形成されてもよい。
【0073】
また、上記の第1の実施形態から第3の実施形態において、第1のリンク333と第2のリンク334とは、それぞれ異なる長さを有していてもよい。
【0074】
また、上記の第1の実施形態から第3の実施形態において、第1のリンク333の一端333aをベース331に回動自在に結合し、第2のリンク334の一端334aを上部昇降台332に回動可能に結合し、回動駆動部336を、第2のリンク334をその一端334aを中心に回動させるよう、上部昇降台332側に設けてもよい。
【0075】
また、上記の第1の実施形態から第3の実施形態において、回動駆動部336が減速機付きモータである場合、この減速機付きモータの出力軸と回動させるリンクの回動中心とは、一致していなくてもよく、例えば、回動させるリンクの一端に回転ギアを固着させ、減速機付きモータの軸回転運動をベルトやギアを用いて上記回転ギアに伝える構成であってもよい。
【0076】
また、第3の実施形態において、撮影テーブル3の天板31は、z方向に移動可能でなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1の実施形態によるX線CT装置の外観図である。
【図2】第1の実施形態によるX線CT装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態による撮影テーブルの要部の構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態による撮影テーブルの昇降機構の動作を説明するための図である。
【図5】第2の実施形態によるX線CT装置の構成を示す図である。
【図6】第3の実施形態によるX線CT装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1、1s、1t X線CT装置(撮影装置)
2、2t 走査ガントリ(ガントリ手段)
2b 空洞部
3 撮影テーブル(昇降寝台)
4 操作コンソール
5 補助テーブル
6 昇降制御部
21 X線管
22 コリメータ
23 X線検出器
24 データ収集部
25 X線コントローラ
26 回転部
27 回転コントローラ
31 天板(天板)
32 天板支持部(天板支持部)
33 昇降機構部(昇降機構)
41 コンソール制御部
42 データ収集バッファ
43 入出力部
44 記憶部
52 補助板
53 補助板昇降部
331 ベース(ベース)
332 上部昇降台(上部昇降台)
333 第1のリンク
334 第2のリンク
335 伸縮構造体(伸縮構造体)
336 回動駆動部(回動駆動部)
337 くの字形リンク機構部(リンク機構)
338、339 結合部
3321 ブラケット
3351 筒状部材
3352 リニアガイド

【出願人】 【識別番号】300019238
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
【出願日】 平成20年3月28日(2008.3.28)
【代理人】 【識別番号】100106541
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 信和
【公開番号】 特開2009−233280(P2009−233280A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−86594(P2008−86594)