トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般

【発明の名称】 炊飯器
【発明者】 【氏名】北村 信雄
【課題】内鍋内の温度をより正確に検知することができ、信頼性の高い蓋センサの取付構造を提供することができる炊飯器を提供すること。

【解決手段】内鍋と、前記内鍋を収納し外郭を形成する本体と、前記本体の上方に位置する蓋体と、前記蓋体の内側に取り付けられる内蓋と、蓋センサと、を有する炊飯器において、前記内蓋は、前記蓋センサが貫通する貫通孔を有し、前記蓋センサは、前記蓋体に取り付けられ、その先端部は、前記貫通孔を貫通し、前記蓋体の閉蓋時において、前記内鍋の上面より内方に位置する炊飯器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内鍋と、前記内鍋を収納し外郭を形成する本体と、前記本体の上方に位置する蓋体と、前記蓋体の内側に取り付けられる内蓋と、蓋センサと、を有する炊飯器において、
前記内蓋は、前記蓋センサが貫通する貫通孔を有し、
前記蓋センサは、前記蓋体に取り付けられ、その先端部は、前記貫通孔を貫通し、前記蓋体の閉蓋時において、前記内鍋の上面より内方に位置することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記貫通孔に筒状のカバー部材を設け、前記カバー部材は、前記蓋センサを包囲することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記カバー部材は、その側壁部に複数の穴またはスリットを有することを特徴とする請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記カバー部材は、上部にシール部を有し、前記カバー部材の取付時、前記シール部は前記蓋体に当接し、前記蓋体の閉蓋時において、前記内鍋と、前記蓋体と前記内蓋との間の空間と、を分離することを特徴とする請求項2または3に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、特に内鍋に入れた被加熱物の温度をより正確に検知することができる蓋センサの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に炊飯器は、誘導コイル、保温ヒータ及び蓋ヒータ等の例えば複数個の加熱手段を持ち、これら加熱手段を駆使して自動的に炊飯及び保温を行いユーザーに最適なご飯等を提供する器具として広く知られている。
【0003】
そして、例えば図12に示すようにお米に充分な水を吸水させるための吸水工程、火力をあげてお米を炊き上げるための昇温・炊き上げ工程、その後のむらし工程からなる炊飯工程と、炊飯工程後の保温工程とを有し、各工程では、ワークコイル、保温ヒータ及び蓋ヒータ等の複数個の加熱手段が内鍋の温度を検知する温度センサの検出信号に基づいてその出力が制御され、最適な工程制御が行われている。
【0004】
この温度センサは、通常、内鍋の底部中央にその先端が内鍋に当接する形態で設けられており、間接的に内鍋内の被加熱物の温度を検知している。しかしながら、このような温度センサでの検知は、間接的検知であり被加熱物の温度を正確に検知することができにくいという問題を有している。
【0005】
このような問題を解決するものとして、図13に示すものが提案されている。即ち、図に示すように蓋体に温度センサを設け、内鍋内の被加熱物の温度をより正確に検知しようとするものである。
【0006】
具体的には、蓋体(蓋上部材及び蓋下部材を有する)の蓋下部材1の下方には、図示しない蓋ヒータを取り付ける固定板2が固定され、更にその固定板2の下方には、内蓋3が着脱自在に取り付けられている。そして、それら蓋下部材1、固定板2及び内蓋3には、中心が一致する貫通孔が設けられ、蓋センサSは、その基部が蓋下部材1の貫通孔に固定され、その中央部が固定板2の貫通孔に嵌合される環状パッキン4に嵌入され、その先端の検知部が内蓋3の貫通孔3aに位置する形態で取り付けられる。そして、蓋センサSは、同じような取付形態で複数個設けられている。
【0007】
蓋センサS先端の検知部を内蓋3の貫通孔3aから突出しない位置に設けることにより、炊飯時におねば等が検知部に付着し検知機能が低下したり、開蓋時に検知部に手が当たって怪我をしたり、或いは検知部が変形したり破損したりする弊害を防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
しかしながら、上記従来のものは、その検知部が内蓋3の位置にあり、内鍋から離れているとともに、検知領域は内蓋3の貫通孔3aのほぼ下方の限られた狭い領域であるため、検知精度は十分といえず、必然的に複数個の蓋センサSを設けざるを得ないという問題を有していた。
【0009】
また、図11に示すように、従来例のように蓋センサSの検知部の位置を内蓋と同じ位置に配置した場合、白抜きの丸形で示す温度データ(理想データに近いもの)に対し、白塗りの正方形(内蓋からの飛出し量0mm)で示すデータとなり検知精度は十分といえるものではなく、必然的に複数個設けざるを得なかった。
【特許文献1】特開2008−180
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、内鍋内の温度をより正確に検知することができ、信頼性の高い蓋センサの取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。
【0012】
請求項1に係る発明では、内鍋と、前記内鍋を収納し外郭を形成する本体と、前記本体の上方に位置する蓋体と、前記蓋体の内側に取り付けられる内蓋と、蓋センサと、を有する炊飯器において、前記内蓋は、前記蓋センサが貫通する貫通孔を有し、前記蓋センサは、前記蓋体に取り付けられ、その先端部は、前記貫通孔を貫通し、前記蓋体の閉蓋時において、前記内鍋の上面より内方に位置する構成。
【0013】
請求項2に係る発明では、前記貫通孔に筒状のカバー部材を設け、前記カバー部材は、前記蓋センサを包囲する構成。
【0014】
請求項3に係る発明では、前記カバー部材は、その側壁部に複数の穴またはスリットを有する構成。
【0015】
請求項4に係る発明では、前記カバー部材は、上部にシール部を有し、前記カバー部材の取付時、前記シール部は前記蓋体に当接し、前記蓋体の閉蓋時において、前記内鍋と、前記蓋体と前記内蓋との間の空間と、を分離する構成。
【0016】
そしてこれらの構成により、内鍋内の温度をより正確に検知し、内鍋内の温度に適した炊飯制御が可能となる。また、カバー部材により蓋センサをカバーするとともに、より広い領域の温度を検知することができるため蓋センサの信頼性が高まる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明は、蓋センサを蓋体、例えば蓋体の一部である蓋下部材に取り付け、その先端部を内鍋の上面よりも内方に位置させることにより、内鍋内の被加熱物の温度に近い温度であって、検知部周囲のより広い領域の温度を検知することができるため、より適正な炊飯制御を行うことができる。
【0018】
例えば、内鍋内の蒸気温度を早急且つ正確に検知することができるため、被加熱物の温度を上昇させるための昇温工程と沸騰を継続させる炊き上げ工程との切り換えるための検知手段として利用することができる。更に、従来の底センサでは難しかった昇温工程途上での被加熱物の温度検出が底センサよりも実際に近い形で検出することができるため、被加熱物の理想的な温度カーブに基づいた加熱制御を行うことができる。更に保温工程でも従来よりも乾燥やベチャつきを抑えた保温制御をすることができる。
【0019】
また、従来のように蓋センサを複数個設けなくとも1個の蓋センサで対応することができ、その分生産コストを低減することができる。
【0020】
請求項2に係る発明では、貫通孔に筒状のカバー部材を設け、蓋センサをカバー部材で包囲することにより、炊飯時に蓋センサにおねばが付着する弊害、並びに、開蓋時に検知部に手が当たって怪我をしたり、或いは検知部が変形したり破損したりする弊害を防止することができる。また、内蓋を取り外すことによりカバー部材を同時に取り外すことができるため、蓋センサおよびその周辺部を容易に清掃することができる。
【0021】
請求項3に係る発明は、カバー部材の側壁部に複数の穴またはスリットを設けることにより、カバー部材の本来の機能を生かすことができるとともに、カバー部材の内部に空気が滞留し、適正な温度検知ができなくなる弊害を防止することができる。また、検知部周囲のより広い領域の温度を検知することができるため、より適正な炊飯制御を行うことができる。
【0022】
請求項4に係る発明は、カバー部材の上部にシール部を一体に形成し、カバー部材の取付時、内鍋と、蓋体と内蓋との間の空間と、を分離することにより、蓋体と内蓋との間の空間におねば等が浸入する弊害を防止することができる。
【実施例】
【0023】
図1は炊飯器の全体縦断面図を示し、図2は図1の温度センサである蓋センサ近傍の拡大断面図を示し、図3〜図5は蓋センサ取付具の一部であるキャップの斜視図、横断面図および縦断面図を示し、図6、図7は蓋センサ取付具の他の一部であるキャップ受具の斜視図および正面図を示し、図8〜図10はカバー部材の平面図、正面図および縦断面図を示し、図11は蓋センサの内蓋からの飛出し量に対する温度上昇カーブの比較図を示す。なお、炊飯器の内鍋は金属製のものでもよいが、以下においては土鍋として説明する。
【0024】
炊飯器10の全体を図1に示す。炊飯器10は、本体11及び蓋体30からなる。炊飯器本体11は、合成樹脂製の一体成形品からなる外ケース12を有し、この外ケース12の内部には、陶磁器製の内鍋である土鍋13が着脱自在にセットされるとともに、この土鍋13の外側には当該土鍋13の形状に沿った保護枠である内ケース14が設けられる。この内ケース14は、例えばポリエチレンテレフタレート等の耐熱性の合成樹脂製のもので、その底部中央にはサーミスタからなるセンターセンサ15を臨ませるためのセンサ挿入孔が設けられる。
【0025】
内ケース14の上端は外ケース12の上端と肩部材16を介して一体的に結合される。内ケース14の外側には、土鍋13を誘導加熱する底部ワークコイル18及び側部ワークコイル19が設けられる。これら底部ワークコイル18及び側部ワークコイル19は、内ケース14の底部、及び底部から周側部に至る湾曲部の各位置に、内ケース14の底部中央を中心として同心円状にそれぞれ設けられている。
【0026】
これら底部ワークコイル18及び側部ワークコイル19の外側には合成樹脂製のコイル支持台20が設けられており、このコイル支持台20がネジ等で内ケース14に取り付けられることにより、底部ワークコイル18及び側部ワークコイル19は図示する所定位置に位置決め固定される。コイル支持台20の外側には、磁界閉込用のフェライトコア20aが設けられる。また、内ケース14の上部の外周側部には、保温ヒータ22が設けられる。
【0027】
前記土鍋13は、焼成セラミックスやガラスなどの陶磁器製のもので、この土鍋13の底部には、内ケース14の底部と当接するリング状の脚部13aが形成されている。なお、この脚部13aはリング状のものに限らず、局部的に形成したり、放射状に形成するものでも良い。
【0028】
この脚部13aは、内ケース14の底部側の底部ワークコイル18と湾曲部側の側部ワークコイル19との間に設けられるとともに、内ケース14との間に一定の隙間が生じるように所定高さに形成される。また、この土鍋13には、底部ワークコイル18及び側部ワークコイル19のそれぞれに対向する箇所に金属被膜からなる底部発熱体18a及び側部発熱体19aが設けられる。
【0029】
そして、土鍋13と内ケース14との間の隙間には、耐熱プレート21が設けられる。この耐熱プレート21は、中央に貫通口21aを有する円盤状の耐熱部材であり、底部発熱体18aの熱が下方へ伝わるのを防止している。
【0030】
これら底部発熱体18a及び側部発熱体19aは、例えば銀ペーストなどを塗布、焼成するなどして形成される。土鍋13の脚部13aは、凹凸のある表面になっているので発熱体を形成することが難しいが、この脚部13aの形成箇所は、底部ワークコイル18及び側部ワークコイル19のいずれの対向位置から外れているため、炊飯性能への影響はない。なお、発熱体は、銅箔やステンレス製の網(ラス)などのような金属製のものを予め土鍋13の内部に一体的に埋め込んだ構成としても良い。
【0031】
炊飯スイッチが入れられると底部ワークコイル18及び側部ワークコイル19により誘起される渦電流に起因したジュール熱により前記底部発熱体18a及び側部発熱体19aが加熱され、両発熱体の加熱により土鍋13が加熱される。
【0032】
さらに、土鍋13の底部のセンターセンサ15が当接する中央部は、他の部分よりも強度を損なわない程度に若干薄肉に形成されている。土鍋13の中央部を薄肉にすることにより、底部発熱体18a及び側部発熱体19aからの熱が容易にこの薄肉の中央部まで伝導するので、センターセンサ15の検出精度を高めることができ、底部ワークコイル18及び側部ワークコイル19への通電電力を適切に制御することができる。
【0033】
符号23は操作部を構成する操作パネルであり、該操作パネル23には、例えば炊飯スイッチ、保温スイッチ、白米、早炊き、無洗米等の各種メニューを設定するメニュースイッチ、時間を設定するタイマースイッチ及び設定を取り消す取消しスイッチ等からなる各種スイッチ24、並びに液晶表示部25が配設される。
【0034】
符号26はマイクロコンピュータが搭載されたマイコン基板、27は底部ワークコイル18及び側部ワークコイル19への通電制御を行うためのインバータ等を有する電源回路が搭載された電源基板、28は上記の各基板26、27を冷却する基板冷却用フアンである。
【0035】
前記蓋体30は、蓋上部材31及び蓋下部材32を有する。蓋上部材31は外周面を形成する樹脂製の部材であり、その中央には調圧ユニット33を有する。蓋下部材32は、蓋上部材31と同様に樹脂製の略リング状の部材であり、その中央部には金属製の放熱板34が取り付けられる。そして、放熱板34には土鍋13内の温度を検知するための後述する本発明の温度センサである蓋センサ40を取り付けるための貫通口34aが設けられる。また、前記調圧ユニット33は、内部に蒸気通路36及び蒸気弁37を有し、内部の蒸気圧を調圧する。更に、放熱板34の下方には着脱自在に内蓋35が取り付けられる。
【0036】
前記蓋体30は、炊飯器10の後方に設けられるヒンジ機構38に開方向の力を付与されて軸支され、炊飯器10の前方に設けられるロック部材39を押圧することにより開蓋される。
【0037】
マイクロコンピュータが搭載されたマイコン基板26には、マイコン制御ユニットが設けられ、図12のタイムチャートに示す炊飯及び保温制御が行われる。
【0038】
即ち、炊飯工程では、底部ワークコイル18および側部ワークコイル19の出力を所定値に上げることにより、まずお米に水を吸水させるための吸水工程が行われる。お米に充分な吸水が行われると、出力を急激に上げ、お米を一気に炊き上げる昇温工程が行われ、この昇温工程での昇温時間に基づいて内鍋内の米飯量である合数が判定され、その米飯量の合数に基づいて以後の炊き上げ時間が決定される。炊き上げ工程後、むらし工程で炊き上がったご飯を充分むらし、ご飯を最適な状態にして炊飯工程を終了する。炊飯工程が終了すると保温工程に移行し、所定時間保温される。これらの制御はマイクロコンピュータのメモリに記憶される所定のプログラムを実行することにより行われる。
【0039】
次に、本発明の温度センサである蓋センサ40およびその取付構造について説明する。蓋センサ40は、金属製の有底筒状のパイプにサーミスタ素子を封止する形態で形成されており、有底筒状パイプの円筒部40aには大径のフランジ40bを有し、更に先端側に近づくにつれ径が細くなり、その先端部40c内には図示しないサーミスタ素子が配置され、検出部を形成している。そして、先端部40cと反対側の円筒部40aの端部にはリード線41が接続されている。
【0040】
蓋センサ40は、キャップ42およびキャップ受具50により前記放熱板34に取り付けられる。蓋センサ40が取り付けられる放熱板34の位置は、中央より外周側にずれた位置で、且つ閉蓋状態で水平な箇所である。このような箇所に蓋センサ40を取り付けることにより、その先端部40cは土鍋13内に真下に向かって垂下する形態で取り付けられる。
【0041】
前記キャップ42は、図3に示すようにその外周部を六角形状とする有底筒状の樹脂製部材であり、中央部から垂下する筒状部43と外周端から垂下するスカート部44とを有するとともに、筒状部43内には上下に貫通する筒状の中央空間43aを有し、筒状部43とスカート部44との間には下方が開放された環状空間44aを有する。更に、スカート部44の内側面には、図4および図5に示す2個の係合突起45が内方に突き出る形態で径方向に対向して設けられている。
【0042】
前記キャップ受具50は、中央に上下に貫通する通孔51を有する筒状の樹脂部材であり、通孔51の下端には環状の絞り部51aが内方に突き出る形態で設けられる。キャップ受具50の下方寄りの外周には外方に付き出たリング状突起52が設けられる。
【0043】
そして、リング状突起52の上方に位置する上部筒状部53には、その外周側壁部に上端部から下方にかけて逆L字状の切り溝54が径方向に対向して2個設けられている。この切り溝54にはキャップ42の係合突起45が係合する。更に、上部筒状部53の下端部の外周側壁部には、切り溝54より円周方向に約90度離れて位置決めのための位置決め突起55が径方向に対向して2個設けられている。
【0044】
蓋センサ40を放熱板34の貫通口34aに取り付ける手順等について説明する。放熱板34の貫通口34aは、キャップ受具50の位置決め突起55を通る横断面の形状より若干大きい形状であり、その貫通口34aに下から上に向かってキャップ受具50の上部筒状部53および位置決め突起55を係合する。その際、キャップ受具50のリング状突起52の上面にはリング状のシール材56を載置しておく。貫通口34aにキャップ受具50が係合すると位置決め突起55によりキャップ受具50の回動が阻止される。
【0045】
次いで、蓋センサ40をキャップ受具50の通孔51内に先端部40cが下になる形態で挿入する。蓋センサ40のフランジ40bの外径は通孔51の内径より若干小さく、且つ絞り部51aの内径より若干大きく形成されているため、図2で示すようにそのフランジ40bの下端は絞り部51aの上端に当接する形態で係止する。なお、フランジ40bの下端と絞り部51aの上端にはOリング57を介在させる。
【0046】
次いで、上方からキャップ42を被せる。キャップ受具50にキャップ42を被せると、キャップ42の環状空間44a内にキャップ受具50の上部筒状部53が嵌入し、キャップ受具50の通孔51内にキャップ42の筒状部43が嵌入する。キャップ受具50にキャップ42を被せる際、キャップ42の係合突起45がキャップ受具50の上下方向の切り溝54の位置にくるように合わせ、そのまま切り溝54に沿って下動することにより嵌入する。そして、キャップ42をキャップ受具50に嵌入した後、キャップ42を時計方向に回動して、キャップ42の係合突起45をキャップ受具50の水平方向の切り溝54内に嵌入する。その結果、キャップ42とキャップ受具50とは、所謂ヘリコイド結合により固定される。なお、上記手順は一例にすぎない。
【0047】
上記したように放熱板34の下方には、着脱自在に内蓋35が取り付けられているところ、この内蓋35には蓋センサ40が貫通するための貫通孔35aが設けられる。この貫通孔35aは、放熱板34の貫通口34aより大きく、貫通口34aとほぼ同心状に設けられるとともに、貫通口34aと同様に、中央より外周側にずれた位置で、且つ閉蓋状態で水平な箇所に設けられる。
【0048】
カバー部材60は、大径部61、小径部62およびシール部63を有する略筒状の樹脂製部材である。大径部61は、中央部に位置する部分であり、その外周には内蓋35の貫通孔35aに嵌合するリング溝64を有する。
【0049】
前記小径部62は、大径部61の下方に位置する部分であり、その外周には内外に貫通した複数個、例えば4個の穴65を有する。この穴65の開口面積はできるだけ大きくされ、この穴65を介してより多くの外気を導入可能にする。なお、この穴65は上下方向に設けられるようなスリットであってもよい。寧ろスリットの方がより多くの外気を取り入れることができて好ましいが、あまり開口面積を大きくすると蓋センサ40に多くのおねばが付着することになり好ましくない。
【0050】
前記シール部63は、大径部61の上方に位置する厚みの薄い部分であり、例えばシリコンゴムなどの弾性材からなる。そして、カバー部材60の取り付け時には、放熱板34の下面に当接する。カバー部材60の中央には、上下に貫通した通孔66を有し、カバー部材60の取り付け時には、この通孔66内に蓋センサ40が位置する。
【0051】
カバー部材60の取り付けは、大径部61のリング溝64を内蓋35の貫通孔35aの内周面に嵌合することにより行われる。放熱板34に蓋センサ40を取り付け、カバー部材60を内蓋35の貫通孔35aに嵌合した後、カバー部材60を取り付けた内蓋35を放熱板34の下方に取り付けて閉蓋すると図2で示す形態になる。
【0052】
即ち、蓋センサ40は、その先端部40cが土鍋13の上面Hより内方に位置し、カバー部材60は、蓋センサ40をその回りに十分の空間を有して包囲し、その下端は蓋センサ40の先端部40cと同じか若干長く、或いは若干短い位置を占める。また、カバー部材60のシール部63は、放熱板34の下面に当接し、土鍋13内と、放熱板34と内蓋35との間の空間67と、を分離し、おねばの空間67内への浸入を防止する。なお、蓋センサ40は、内蓋35から約10mm、或いは10mm以上飛び出させるとよい。
【0053】
カバー部材60をこのような形態で取り付けることにより、例え蓋センサ40の先端部40cが内蓋35より突出していたとしても開蓋時に手等が蓋センサ40に当たって怪我をしたり、或いは蓋センサ40が変形或いは破損する等の弊害が低減する。また、カバー部材60に穴65(或いはスリットでもよい。)を設けているため、土鍋13内のより広い範囲の温度を検知することができ、例えば1個のセンサのみでも適正な温度検知が可能になる。更に、例え蓋センサ40の回りにおねばが付着したとしても内蓋35を取り外すことにより容易に清掃することができる。
【0054】
本出願人は、実験により本発明の効果を実証した。以下に実験結果について説明する。図11にご飯上面温度を理想の温度上昇カーブとした場合における、蓋センサの内蓋からの飛出し量に対する温度上昇カーブの比較図を示す。ご飯上面温度は白塗りの丸形で示し、蓋センサの内蓋からの飛出し量を、10mmは黒塗りの丸形で示し、7mmは白塗りの三角形で示し、5mmは黒塗りの三角形で示し、0mmは白塗りの正方形で示す。なお、吸水工程での各データはほとんど差がないため1本の線で示し、昇温工程での各データを主に図示した。
【0055】
上記図からも明らかなように、蓋センサ40の先端部40cが土鍋13内に位置する黒塗りの丸形で示す飛出し量10mmの場合は理想の温度上昇カーブに近いデータが得られた。それに対し、白塗りの正方形で示す飛出し量0mmの場合は理想の温度上昇カーブからかなり遅れる温度上昇カーブとなった。
【0056】
蓋センサ40は、単独で炊飯制御を行うことができるが、センターセンサ15との併用で行ってもよい。制御の一例について説明すると、上記したように本発明の蓋センサ40は、昇温工程中での被加熱物の温度検出がセンターセンサ15よりも実際に近い形で検出できるため、特に昇温工程で利用できる。また、昇温工程での合数判定に利用できる。
【0057】
更に、沸騰開始ポイントを検出して、被加熱物の温度を上昇させるべく加熱する昇温工程と、沸騰を継続させる炊き上げ工程とを切り替えるための検出手段として利用できる。
【0058】
更に、保温工程においても被加熱物の温度検出が実際に近い形で検出できるため、乾燥やベチャつきを抑えた保温制御として利用できる。
【0059】
本発明は、前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能であり、例えば、加熱手段はヒータでもよく、内鍋も金属製等、どのような材質のものでもよく、更に蓋センサの検出部は必ずしも内鍋の上面より内方に位置しなくてもよく、例えば内鍋の上面近傍であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の炊飯器の全体断面図
【図2】図1の蓋センサ近傍の拡大断面図
【図3】本発明の蓋センサ取付具の一部であるキャップの斜視図
【図4】図3のA−A線の横断面図
【図5】図3のB−B線の縦断面図
【図6】本発明の蓋センサ取付具の他の一部であるキャップ受具の斜視図
【図7】本発明の蓋センサ取付具の他の一部であるキャップ受具の正面図
【図8】本発明のカバー部材の平面図
【図9】本発明のカバー部材の正面図
【図10】図8のC−C線の縦断面図
【図11】蓋センサの内蓋からの飛出し量に対する温度上昇カーブの比較図
【図12】炊飯・保温工程タイムチャート図
【図13】従来の蓋センサ取付図
【符号の説明】
【0061】
10…炊飯器 11…炊飯器本体
12…外ケース 13…土鍋
13a…脚部 14…内ケース
15…センターセンサ 16…肩部材
18…底部ワークコイル 18a…底部発熱体
19…側部ワークコイル 19a…側部発熱体
20…コイル支持台 20a…フェライトコア
21…耐熱プレート 21a…貫通口
22…保温ヒータ 23…操作パネル
24…種スイッチ 25…液晶表示部
26…マイコン基板 27…電源基板
28…冷却用ファン 30…蓋体
31…蓋上部材 32…蓋下部材
33…調圧ユニット 34…放熱板
34a…貫通口 35…内蓋
35a…貫通孔 36…蒸気通路
37…蒸気弁 38…ヒンジ機構
39…ロック部材 40…蓋センサ
40a…円筒部 40b…フランジ
40c…先端部 41…リード線
42…キャップ 43…筒状部
43a…中央空間 44…スカート部
44a…環状空間 45…係合突起
50…キャップ受具 51…通孔
51a…絞り部 52…リング状突起
53…上部筒状部 54…切り溝
55…位置決め突起 56…シール材
57…Oリング 60…カバー部材
61…大径部 62…小径部
63…シール部 64…リング溝
65…穴 66…通孔
67…空間
【出願人】 【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
【出願日】 平成20年3月28日(2008.3.28)
【代理人】 【識別番号】100116159
【弁理士】
【氏名又は名称】玉城 信一
【公開番号】 特開2009−233230(P2009−233230A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−85375(P2008−85375)