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システムキッチン - 特開2009−233195(P2009−233195A) | j-tokkyo
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【発明の名称】 システムキッチン
【発明者】 【氏名】武田 宏二
【氏名】佐藤 稔
【氏名】矢野 裕美
【氏名】坪井 宏之
【氏名】永石 昌之
【氏名】立木 翔一
【課題】用途に適したシャワー吐水流の形態および整流吐水流の形態を形成することができるシステムキッチンを提供する。

【解決手段】カウンターと、シンクと、水栓と、を備え、前記水栓は、前記シンクの前面よりも後方側であって前記カウンターの上面よりも上方側に位置するように設けられたシャワー吐水部と、前記シャワー吐水部の上方側かつ前方側に設けられた整流吐水部と、を有し、前記シャワー吐水部は、前記シンクの底面に対して傾斜した方向に吐水流を放出すること、を特徴とするシステムキッチンが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンターと、
シンクと、
水栓と、
を備え、
前記水栓は、前記シンクの前面よりも後方側であって前記カウンターの上面よりも上方側に位置するように設けられたシャワー吐水部と、
前記シャワー吐水部の上方側かつ前方側に設けられた整流吐水部と、
を有し、
前記シャワー吐水部は、前記シンクの底面に対して傾斜した方向に吐水流を放出すること、を特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
前記シャワー吐水部からのシャワー吐水流の軌跡と、前記整流吐水部からの整流吐水流の軌跡と、が、吐水流の放出から着水までの間において交差すること、を特徴とする請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項3】
前記シャワー吐水流の流量と、前記整流吐水流の流量とが等しい場合において、
前記シャワー吐水部はシャワー吐水流を放出し、
前記整流吐水部は、前記シャワー吐水流の軌跡と、整流吐水流の軌跡と、が吐水流の放出から着水までの間において交差するように前記整流吐水流を放出すること、を特徴とする請求項1または2記載のシステムキッチン。
【請求項4】
前記整流吐水流は、前記シンクの底面に対して垂直な方向に形成されること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のシステムキッチン。
【請求項5】
前記シャワー吐水流の放出方向と、前記整流吐水流の放出方向と、が交差すること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のシステムキッチン。
【請求項6】
前記シャワー吐水部は、前記水栓の前記カウンターの上面に対して傾斜した面に設けられ、
前記整流吐水部は、前記水栓の前記傾斜した面と異なる角度に傾斜した面に設けられたこと、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のシステムキッチン。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般に、システムキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
調理中などにおいては、包丁や野菜、食器などに付着している汚れを落とすために、洗浄が行われる。このような洗浄における洗い動作は、2種類に分けることができる。一方は、汚れの少ないものを洗う動作であり、これを「簡単洗い」と呼ぶことにする。他方は、汚れの落ち難いものを洗う動作であり、これを「丁寧洗い」と呼ぶことにする。
【0003】
「簡単洗い」は、主にすすぎ洗いを行う動作であり、具体的には、包丁、まな板、あるいは汚れの少ない野菜などを洗う動作である。洗浄時間は短く、例えば約2秒程度である。これに対して、「丁寧洗い」は、主にこすり洗いを行う動作であり、具体的には泥汚れ、油汚れ、あるいは肉や魚の「ヌメリ」などを洗う動作である。洗浄時間は、「簡単洗い」よりも長く、例えば約10秒以上である。
【0004】
また、この他にも、泥付き野菜、葉物野菜などをまとめて洗う「準備洗い」、食器、鍋、フライパンなどを洗う「片付け洗い」などに分類することもできる。
【0005】
この場合、いずれの洗い動作であっても、洗浄効果や作業性を向上させて、食器などの洗浄を素早く終了させることが好ましい。
一方、システムキッチンにおいては洗い動作の他にも、例えば、鍋やコップなどに水を汲む「水汲み」動作が行われる。
【0006】
そのため、システムキッチンに備えられる水栓は、洗い動作と水汲み動作に適したものとすることが好ましい。ここで、一般的には、洗い動作にはシャワー吐水流が好ましく、水汲み動作には整流吐水流が好ましいといえる。
そこで、用途に応じた吐水流に切り換えることができる吐水装置が提案されている(特許文献1、2を参照)。
【特許文献1】特許第3947364号公報
【特許文献2】特開平11−229462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1(特許第3947364号公報)、特許文献2(特開平11−229462号公報)に開示がされた技術では、シャワー吐水流と整流吐水流とが水栓のほぼ同じ位置から放出されるようになっている。
例えば、特許文献1(特許第3947364号公報)に開示がされた技術では、シャワー吐水部が設けられた領域の中心に整流吐水部が設けられている。そのため、水栓のほぼ同じ位置からシャワー吐水流または整流吐水流が放出されるようになっている。
【0008】
一方、特許文献2(特開平11−229462号公報)に開示がされた技術では、吐水口部を軸方向に移動させることにより吐水流の種類を切り換えるようにしている。そのため、切り換え後に吐水流が放出される位置は、シャワー吐水流であっても整流吐水流であってもほぼ同じ位置となる。
ここで、水汲み動作のためには、水平面に対して垂直な方向に整流吐水流が形成される方が作業がしやすい。一方、洗い動作のためには、水平面に対して傾斜した方向にシャワー吐水流が形成される方が、洗浄面積を大きくできるなどのために好ましいといえる。そのため、シャワー吐水流と整流吐水流とが水栓のほぼ同じ位置から放出されると、それぞれの用途に適した吐水流の形態とならなくなるおそれがある。また、洗い動作や水汲み動作などに応じて作業場所が大幅に変更されることになり、使用者の身体の負荷が増加するおそれがある。その結果、システムキッチンの使い勝手が悪くなるおそれがある。
【0009】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、用途に適したシャワー吐水流の形態および整流吐水流の形態を形成することができるシステムキッチンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、カウンターと、シンクと、水栓と、を備え、前記水栓は、前記シンクの前面よりも後方側であって前記カウンターの上面よりも上方側に位置するように設けられたシャワー吐水部と、前記シャワー吐水部の上方側かつ前方側に設けられた整流吐水部と、を有し、前記シャワー吐水部は、前記シンクの底面に対して傾斜した方向に吐水流を放出すること、を特徴とするシステムキッチンが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、用途に適したシャワー吐水流の形態および整流吐水流の形態を形成することができるシステムキッチンが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明の実施形態は、カウンターと、シンクと、水栓と、を備え、前記水栓は、前記シンクの前面よりも後方側であって前記カウンターの上面よりも上方側に位置するように設けられたシャワー吐水部と、前記シャワー吐水部の上方側かつ前方側に位置する整流吐水部と、を有し、前記シャワー吐水部は、前記シンクの底面に対して傾斜した方向に吐水流を放出すること、を特徴とするシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、用途に適したシャワー吐水流の形態および整流吐水流の形態を形成することができる。
第2の発明の実施形態は、第1の発明の実施形態において、前記シャワー吐水部からのシャワー吐水流の軌跡と、前記整流吐水部からの整流吐水流の軌跡と、が、吐水流の放出から着水までの間において交差すること、を特徴とするシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、水汲み動作に適した整流吐水流を形成することができる。
【0013】
第3の発明の実施形態は、第1の発明の実施形態または第2の発明の実施形態において、前記シャワー吐水流の流量と、前記整流吐水流の流量とが等しい場合において、前記シャワー吐水部はシャワー吐水流を放出し、前記整流吐水部は、前記シャワー吐水流の軌跡と、整流吐水流の軌跡と、が吐水流の放出から着水までの間において交差するように前記整流吐水流を放出すること、を特徴とするシステムキッチンである。このシステムキッチンによれば、水汲み動作に適した整流吐水流を形成することができる。
第4の発明の実施形態は、第1〜3のいずれか1つの発明の実施形態において、前記整流吐水流は、前記シンクの底面に対して垂直な方向に形成されること、を特徴とするシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、垂直な方向から整流吐水流が行われるので水汲み動作が容易となる。
【0014】
第5の発明の実施形態は、第1〜第4のいずれか1つの発明の実施形態において、前記シャワー吐水流の放出方向と、前記整流吐水流の放出方向とが交差すること、を特徴とするシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、洗い動作や水汲み動作などのそれぞれの用途に適した吐水流を個別的に形成させることができる。
第6の発明の実施形態は、第1〜第5のいずれか1つの発明の実施形態において、前記シャワー吐水部は、前記水栓の前記カウンターの上面に対して傾斜した面に設けられ、前記整流吐水部は、前記水栓の前記傾斜した面と異なる角度に傾斜した面に設けられていること、を特徴とするシステムキッチンである。
このシステムキッチンによれば、洗い動作や水汲み動作などのそれぞれの用途に適した吐水流を個別的に形成させることができる。
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係るシステムキッチンを例示するための模式斜視図である。
本実施の形態にかかるシステムキッチン10は、水栓20と、シンク30と、カウンター60と、を備えている。水栓20には、整流吐水部22と、シャワー吐水部24と、が設けられている。シンク30は、平滑かつ略水平なシンク底面34と、シンク前面36と、シンク左側面37aと、シンク右側面37bと、シンク後面38と、を備えている。また、システムキッチン10には、カウンター60の左側方および右側方の少なくともいずれかに延在する調理台(図示せず)を備えるようにすることもできる。なお、本願明細書において「整流」とは水流が略一本の吐水流となる場合を意味し、「シャワー」とは水流が複数本の吐水流となる場合または膜状の吐水流となる場合を意味するものとする。また、「水」という場合には、「湯」や「温水」をも含むものとする。
【0016】
水栓20は、使用者から見てシンク30の奥側、すなわちシステムキッチン10の後方で、かつカウンター上面62に設けられている。水栓20の下部、すなわちカウンター60に取り付けられている近傍の部分は、カウンター上面62に対して垂直になるように設けられている。そして、所定の寸法よりも上方に位置する上部は、カウンター上面62に対して傾斜して設けられている。この場合、傾斜角度θは、例えば、カウンター上面62に対して60°程度とすることができる。なお、傾斜角度θについては後述する。
【0017】
また、カウンター上面62とシンク後面38との連接部分(略稜線部分)に、ある一定の角度で傾斜した図示しない設置面を設け、この設置面に対して垂直に設けられる直線状の水栓とすることもできる。また、シンク後面38からカウンター上面62に対して水平方向に所定の寸法だけ延在させ、先端をさらにカウンター上面62に対して垂直方向に所定の寸法だけ延在させるとともに、所定寸法より上方に位置する部分をカウンター上面62に対して傾斜させたような形状の水栓とすることもできる。また、シンク30の後方であって、カウンター上面62に対して垂直な壁面に設けられ、この壁面から水平方向に所定の寸法だけ延在させ、先端をカウンター上面62に対して傾斜させたような形状の水栓とすることもできる。
【0018】
また、水栓の形状は例示したものに限定されるわけではなく、少なくともシャワー吐水部からカウンター上面62(シンクの底面34)に対して傾斜した方向に吐水流が放出されるような形状であればよい。なお、水栓の形状と整流吐水部22、シャワー吐水部24とに関しては後述する。また、水栓の設置場所も適宜変更することができる。
また、水栓20は、シンク前面36よりも後方側であってカウンター60の上面よりも上方側に位置する吐水部(整流吐水部22、シャワー吐水部24)を有している。また、整流吐水部22およびシャワー吐水部24は、カウンター上面62に対して傾斜した状態でシンク30に向かって設けられている。そのため、吐水部(整流吐水部22、シャワー吐水部24)からカウンター上面62に対して傾斜した方向から吐水流を放出することができる。
【0019】
図2は、水栓の吐水部を例示するための模式図である。
なお、図2(a)は、吐水部の模式正面図であり、図2(b)は、図2(a)におけるA−A矢視断面を表す模式断面図であり、図2(c)は、図2(a)におけるB−B矢視断面を表す模式断面図である。
【0020】
水栓20は、その先端近傍に設けられた整流吐水部22と、整流吐水部22の下方に設けられたシャワー吐水部24と、を備えている。また、水栓20は、整流吐水部22へ水を導くための整流用配水管23と、シャワー吐水部24へ水を導くためのシャワー用配水管25と、を備えている。
図2に示すように、シャワー吐水部24には、一端を開口し、上下方向を長手方向とする略直方体形状の貯留部24bが設けられている。そして、貯留部24bの開口部分を覆うように散水孔を有する図示しない散水板(図3、図5〜図8を参照)が設けられている。そのため、本実施形態の水栓20は、整流吐水流とシャワー吐水流と、を放出することができる。整流吐水流とシャワー吐水流との切替は、例えば水栓20の先端に設けられた図示しない切替部手段によって行うことができる。この切替部手段は、水栓20の根元や、カウンター上面62に設けられていてもよい。
【0021】
後述するように、シャワー吐水部24から放出された直後の水の吐水流断面は、上下方向を長手方向とする偏平形状(例えば、略矩形形状)を呈している。そして、前述したように、水栓20の上部はカウンター上面62に対して傾斜角度θだけ傾斜しているので、シャワー吐水部24から放出される水もカウンター上面62に対して斜め方向からシンク底面34に向けて吐水されることになる。そのため、カウンター上面62を横切る際の吐水流の水平方向断面は、カウンター前縁64に対して垂直な方向を長手方向とする偏平形状(例えば、略矩形形状)を呈することになる。
【0022】
整流用配水管23は、水栓20の左側方寄りを通って、貯留部22bの左側方かつ下方に接続されている。一方、シャワー用配水管25は、水栓20の右側方寄りを通って、貯留部24bの右側方かつ下方に接続されている。
【0023】
水栓20の左右方向の幅寸法L2は、洗浄物の大きさに応じて適宜変更することができる。例えば、洗浄する対象は一般的に手、包丁や鍋などの調理器具、あるいは食材などであるが、幅寸法L2とともに後述する横幅寸法L5(図3を参照)を長くしすぎると小さなものを洗う際に余分に水を消費してしまうおそれがある。一方、幅寸法L2とともに後述する横幅寸法L5を短くしすぎると、狭い範囲にしか水がかからないため、大きなものを洗浄する際に手を大きく動かさなければならなくなる。
【0024】
この場合、例えば、調理中頻繁に行われる手や包丁などを洗うことを考慮に入れて水栓20の左右方向の幅寸法L2を設定するようにすることができる。例えば、幅寸法L2を約40mm程度、横幅寸法L5を約20mm程度とすれば、手や包丁の刃の部分を左右方向に移動させること無く短時間で「簡単洗い」を行うことができる。ただし、例示をした寸法に限定されるわけではなく、洗浄物の大きさなどに応じて適宜変更することができる。
【0025】
図3は、シャワー吐水部に設けられる散水板を例示するための模式図である。 なお、図3(a)は、散水板を正面から眺めた場合の模式図であり、図3(b)は、散水孔群を例示するための模式図である。
図3に例示をする散水板26は、貯留部24bの開口部分を覆うようにして水栓20のシャワー吐水部24に固定される。散水板26には、複数の散水孔群27が設けられている。また、散水孔群27は、シャワー吐水流を形成させるための散水孔27aを複数有している。図3(a)に示すように、例えば、散水孔群27を5行×2列に配列することができる。また、図3(b)に示すように、例えば、散水孔27aを同心円上に2列に配列することができる。この場合、例えば、散水孔27aの数を合計約30個程度とすることができる。そのため、貯留部24bを介して散水孔27aから水を放出させることができ、放出された水はシャワー吐水流となってシンク底面34に着水するようになっている。
図4は、洗浄対象の形状を例示するための模式図である。なお、図4(a)は、一般的な包丁を例示するための模式図であり、図4(b)は、使用者の手を例示するための模式図である。
本発明者の得た知見によれば、一般的な包丁の刃の長さL10は170mm程度である。また、刃の幅L11は30mm程度である。また、20〜69歳の人の手の幅寸法L12は、男性では、最大114.6mm程度、最小90.4mm程度、平均102.6mm程度である。また、女性では、最大103.1mm程度、最小80.8mm程度、平均91.8mm程度である。また、手の長さ(指先から手首までの長さ)L13は、男性では、最大197mm程度、最小165.6mm程度、平均181m程度である。また、女性では、最大181.2mm程度、最小154.4mm程度、平均167.3mm程度である。
【0026】
ここで、散水孔27aが設けられる領域の横幅寸法L5と縦幅寸法L6とについて説明をする。なお、図3に示すように、横幅寸法L5は、配設された散水孔27aのうち、最左端と最右端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法である。また、縦幅寸法L6は、配設された散水孔27aのうち、最上端と最下端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法である。
【0027】
システムキッチン10に設けられるシャワー吐水部24としては、包丁などの調理器具や使用者の手に対して水を広範囲に放出できることが好ましい。
【0028】
その中でも幅寸法が短い包丁に対して、水が包丁の幅の略全体わたって放出され、かつ包丁に当たらずにシンク30に直接着水することを抑制することが好ましい。これは、洗浄物に当たらず無駄になる水を抑制するためである。本発明者の得た知見によれば、一般的な包丁の刃の幅寸法L11(30mm程度)に対して横幅寸法L5を20mm程度とすれば、放出された水が包丁に当たらずにシンク30に直接着水することを抑制することができる。これにより、放出された水を洗浄のための水として有効に利用することができ、洗浄に使われない無駄な水を削減することができる。
【0029】
また、図4において例示をしたように、調理器具や手などの洗浄物は170mm程度の長さを有するものが多い。しかしながら、これらの洗浄物の略全長に一度に水を放出すると、大流量の水を消費してしまう。本発明者の得た知見によれば、洗浄物の全長の略半分の長さに対して水を放出し、洗浄物上を流れる水によって残りの略半分の長さを洗い流すようにすれば、水の使用量を抑制しつつ洗浄効果を向上させることができる。
【0030】
ここで、使用者が「簡単洗い」を行う場合、洗浄物をシャワー吐水部24(散水孔27a)から放出された水に差し出し、洗浄を行うと同時に、洗浄の状態を目で確認したくなる。そのため、洗浄物の差し出される角度は、自然とカウンター上面に対し、略並行となり、水の進行方向に対し、斜めに差し出されることになる。その結果、縦幅寸法L6を洗浄物の全長の略半分の長さよりも短くしても、洗浄物上においては洗浄物の全長の略半分の長さ程度に水があたるようになる。本発明者の得た知見によれば、例えば、縦幅寸法L6を65mm程度とすれば、70mm程度から75mm程度の長さに相当する水を洗浄物にあてることができる。その結果、洗浄物の広範囲に水を当てることができるとともに、水の使用量を抑制することができる。
【0031】
ただし、散水孔27aが設けられる領域の横幅寸法L5と縦幅寸法L6は例示をした寸法に限定されるわけではない。この場合、縦幅寸法L6が横幅寸法L5よりも大きくなるようにすれば、洗浄物の大きさなどに応じて適宜変更することができる。
【0032】
吐水流は、水栓前面に対し、略垂直に流れている。吐水流が洗浄物を支える手と交わる方向から吐出されると、手が濡れてしまうため、都合が悪い。また、洗浄面を見やすくするという観点からは、使用者に対し向かってくる側、すなわち奥側から吐出されれば、視界を遮るものがないため好適である。また「簡単洗い」を行う場合、使用者は、シンク正面に対面して水栓を使うことより、シンクの左右の端に立って水栓を使うことが多い。そのような使い方に対し、略垂直から吐水流が吐出されると、洗浄面の見やすさ、水のかかりやすさの観点から最適である。
【0033】
次に、シャワー吐水部24に固定される散水板の変形例について例示をする。 図5〜図8は、シャワー吐水部24に固定される散水板の変形例を例示するための模式図である。
図5に示すように、散水板26aには散水孔群47が1つ設けられている。また、散水孔群47にも、水40をシャワー吐水流として放出するための散水孔27aが複数設けられている。例えば、散水孔27aを碁盤目状に配列することができる。この場合、例えば、散水孔27aの配列を9行、10列とし、その数を合計約90個程度とすることができる。
配設された散水孔27aのうち、最上端と最下端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法L16aと、最左端と最右端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法L15aと、を等しくすることができる。この場合、例えば、寸法L15a、16aとを20mm程度とすることができる。なお、散水孔27aは、図3に例示をした散水孔と同じものとすることができる。
このようにしても、貯留部24bを介して散水孔27aから水を吐水させることができる。また、放出させた水をシャワー吐水流としてシンク底面34に着水させることができる。
【0034】
図3に例示をする散水板26によれば縦方向(図の上下方向)に長い吐水をさせることができるが、図5に例示をする散水板26aの場合は縦方向(図の上下方向)に比較的短い吐水をさせることができるようになっている。
そのため、縦方向(図の上下方向)の寸法L16aは、図3に例示をする縦幅寸法L6よりも短くされている。
尚、散水孔27aの数やピッチ、列数や行数などは図示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0035】
図6に示すように、散水板26cには散水孔群57が1つ設けられている。また、散水孔群57にも、水40をシャワー吐水流として放出するための散水孔27aが複数設けられている。例えば、散水孔27aを同心円上に4列に配列することができる。この場合、例えば、散水孔27aの数を合計約60個程度とすることができる。
図6に例示をするものの場合には、散水孔27aが同心円上に配置されているので、 最上端と最下端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法L26aと、最左端と最右端に設けられたものの外縁の最も外側に位置する部分間の寸法L25aと、は等しくなる。 この場合、例えば、寸法L25a、26aとを20mm程度とすることができる。なお、散水孔27aは、図3に例示をした散水孔と同じものとすることができる。
このようにしても、貯留部24bを介して散水孔27aから水を吐水させることができる。また、放出させた水をシャワー吐水流としてシンク底面34に着水させることができる。
【0036】
図3に例示をする散水板26によれば縦方向(図の上下方向)に長い吐水をさせるように成っているが、図6に例示をする散水板26cの場合は縦方向(図の上下方向)に比較的短い吐水をさせることができるようになっている。
そのため、縦方向(図の上下方向)の寸法L26aは、図3に例示をする縦幅寸法L6よりも短くなっている。
なお、散水孔27aの数やピッチなどは図示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、図5、図6に示す散水孔27aの孔の角度を中心から外側に向けて形成させることで、L15a、L25a、L16a、L26aの寸法を小さくしながらも、広い吐水範囲の吐水を得ることもできる。その場合、散水板の寸法を小さくできるため、スペース効率が向上する。
【0037】
図7に示すように、散水板26bには、合計3つの散水スリット28が設けられている。この場合、散水スリット28の横方向(図の左右方向)の寸法L15は、例えば、1mm程度とすることができる。一方、縦方向(図の上下方向)の寸法L6aは、例えば、65mm程度とすることができる。
【0038】
また、左側に設けられた散水スリット28の左端と、右側に設けられた散水スリット28の右端と、の間の寸法L5aは、例えば、20mm程度とすることができる。なお、図7に例示をしたものの場合には、寸法L5aが前述した横幅寸法L5に該当し、寸法L6aが縦幅寸法L6に該当することになる。
【0039】
ただし、例示をした寸法に限定されるわけではなく、洗浄物の大きさなどに応じて適宜変更することができる。また、散水スリット28の配設数についても、3つに限られるわけではなく適宜変更することができる。
図7に例示をしたもののように、複数の散水スリット28を備えた散水板26bを用いれば、複数の幕状の水を放出することができる。そのため、例えば、幅寸法が長い包丁などに対しても、水をその幅の略全体に当てることができる。また、洗浄物の全長の略半分の長さに対して連続した幕状の水を当てることができ、かつ洗浄物上を流れる水によって残りの略半分の長さを洗い流すこともできる。これにより、洗浄物の全長方向(長手方向)に対して効率よく水を当てることができるので、水の使用量を抑制することができる。
【0040】
図8に示すように、散水板26dには、矩形の4辺に設けられ互いに連接するスリットからなる散水スリット29が備えられている。そのため、スリットにより取り囲まれた領域29aからは水が放出されないので、散水スリット29から水が放出された場合、その中央には幕状の吐水流によって取り囲まれた部分が存在することになる。
散水スリット29の左端と右端との間の寸法L5bは、例えば、20mm程度とすることができる。また、散水スリット29の上端と下端との間の寸法L6bは、例えば65mm程度とすることができる。また、図7に例示をしたものと同様に、スリット部分の幅寸法L15は、例えば、1mm程度とすることができる。なお、図8に例示をしたものの場合には、寸法L5bが前述した横幅寸法L5に該当し、寸法L6bが縦幅寸法L6に該当することになる。
【0041】
ただし、例示をした寸法に限定されるわけではなく、洗浄物の大きさなどに応じて適宜変更することができる。また、散水スリット29の形状についても適宜変更することができる。例えば、任意の曲線や直線で構成されたスリットとすることもできる。また、スリット同士が連接されておらず、互いの間に水が放出されない部分を有していてもよい。
散水スリット29を備えた散水板26dを用いれば、外形寸法の大きな幕状の水を放出することができる。これにより、洗浄物の全長方向および幅方向に対して、幕状の連続した水を放出することができる。そのため、水をより広範囲に放出することができる。また、幕状の吐水流によって取り囲まれた部分には水が放出されないので、水の消費量を抑制することができる。
【0042】
次に、用途に適したシャワー吐水流の形態および整流吐水流の形態について例示をする。 「簡単洗い」や「丁寧洗い」などの洗い動作を行う際には、吐水範囲の広いシャワー吐水流とすることが好ましい。この場合、前述したように、カウンター上面62に対して傾斜した方向にシャワー吐水流が形成されれば、水栓20で視界を遮られることがないため、洗浄面が見やすく作業性がよい。また、傾斜した方向にシャワー吐水流が形成されれば、水平面内における洗浄面積を大きくすることができる。また、洗浄物の全長方向に対して効率よく水を当てることができるので、水の消費量を抑制することができる。また、システムキッチン10の前方への張り出しも少なくすることができるので、使用者はシンク30内およびその上方の領域を広く使用することができる。
そのため、洗い動作を行う際には、カウンター上面62に対して傾斜した方向にシャワー吐水流が形成されるようなシャワー吐水流の形態とすることが好ましい。
【0043】
一方、コップや鍋などに水を汲む水汲み動作を行う際には、吐水範囲の狭い整流吐水流とした方がこぼれる水も少なく、また作業もしやすい。この場合、水汲み動作を行う領域において、シンク底面34に対して垂直な方向に整流吐水流が形成されれば、こぼれる水もさらに少なく、また作業もさらにしやすい。なお、本明細書において「垂直」とは、「90°」に限定されるわけではなく、水汲み動作を行う際に支障をきたさない程度に傾いた場合をも含むものである。
【0044】
そのため、水汲み動作を行う際には、水汲み動作を行う領域においてシンク底面34に対して垂直な方向に整流吐水流が形成されるような整流吐水の形態とすることが好ましい。
【0045】
また、システムキッチンにおいて水栓を使用した作業全体の効率を考慮すると、シャワー吐水流と整流吐水流とが同じような位置を通過するようにすることが好ましい。これは、キッチンでの洗い作業には、例えば、空のペットボトルの中身をゆすいだり、泡のついたコップをすすいだり、といった整流吐水部から放出された整流吐水流を用いた方が洗い易い場合と、網目状のざるを洗うといった、シャワー吐水部から放出されたシャワー吐水流を用いた方が洗い易い場合がある。そのため、そのようなものが混在する状況で洗い作業を行う場合、シャワー吐水流と整流吐水流とがおなじような位置を通過するようにすれば、作業場所が大幅に変更されることがないので、使用者の身体の負荷を低減することができるからである。
【0046】
また、シャワー吐水流、整流吐水流がシンク前面36とシンク後面38との中央部よりもシンク前面36寄りのシンク底面34に着水するようにすることが好ましい。そのようにすれば、着水により水跳ねが発生したとしても水滴が使用者にかかりにくくなる。また、吐水流がシンク前面36寄りに着水した方が手などが届きやすく作業性がよいからである。
また、シャワー吐水流、整流吐水流が、シンク上面62と、シンク前面36とシンク後面38との中央部と、が交差する領域42を通過することが好ましい。そのようにすれば、上体を前傾させることなく、吐水流に手を伸ばすことができるため、使用者の身体的な負荷が軽減される。
【0047】
図9は、比較例に係るシャワー吐水流の形態および整流吐水流の形態について例示をするための模式図である。
なお、説明の便宜上、シャワー吐水流と整流吐水流とを1つの図中に表しているが、通常はどちらか一方が選択的に形成されることになる。
図9(a)に示す水栓200においては、特許文献1(特許第3947364号公報)に開示がされた技術と同様にシャワー吐水部124の中心に整流吐水部122を設けている。そのため、水栓200のほぼ同じ位置からシャワー吐水流または整流吐水流が放出されることになる。
【0048】
ここで、整流吐水部とシャワー吐水部の角度(傾き)が等しいため、整流吐水部から出る整流吐水流と、シャワー吐水部から出るシャワー吐水流との流速が同じ場合、両者の吐水流の軌跡は同様の軌跡を辿る。この場合、斜めに整流が吐水されるため、水汲みの作業がしにくく、都合が悪い。また、整流吐水流の流速を、シャワー吐水流に比べ落とすことで、鉛直方向に向けて吐水させることもできるが、その場合、奥側に着水するため、使用者から遠くなり、作業性が低下する。
【0049】
図9(b)に示す水栓200aにおいては、シャワー吐水部124の位置よりもシステムキッチンの後方側(シャワー吐水部124の下方)に整流吐水部122を設けている。
この場合も同様に、整流吐水部とシャワー吐水部の角度(傾き)が等しいため、整流吐水部から出る整流吐水流と、シャワー吐水部から出るシャワー吐水流の流速が同じ場合、両者の吐水流の軌跡は同様の軌跡を辿る。この場合、斜めに整流が吐水されるため、水汲みの作業がしにくく、都合が悪い。また、整流吐水流の流速を、シャワー吐水流に比べ落とすことで、鉛直方向に向けて吐水させることもできるが、その場合、さらに奥側に着水するため、使用者から遠くなり、作業性が低下する。
【0050】
図9(c)に示す水栓200bにおいては、特許文献2(特開平11−229462号公報)に開示がされた技術と同様に、シンク30内に水平に張りだした水栓200bに、シャワー吐水部124と整流吐水部122とが設けられている。また、シャワー吐水部124の中心位置に整流吐水部122を設けている。
【0051】
このようにすれば、シャワー吐水流と整流吐水流との軌跡を合わせることができる。しかしながら、水栓200bがシステムキッチンの前方へ向けて張り出しているため、水栓200bが邪魔となってシンク30内およびその上方を広く使用することができない。また、洗い動作や水汲み動作などの作業位置と使用者の目との間に水栓200bが入ることで視線が遮られるので、作業性が著しく悪くなるおそれがある。
【0052】
図10は、本発明の実施の形態に係るシャワー吐水流の形態および整流吐水流の形態について例示をするための模式図である。
なお、説明の便宜上、シャワー吐水流と整流吐水流とを1つの図中に表しているが、通常はどちらか一方が選択的に形成されることになる。
【0053】
図10(a)に示す水栓20においては、シャワー吐水部24の位置よりもシステムキッチンの前方側(シャワー吐水部24の上方)に整流吐水部22を設けている。そのため、シャワー吐水流が放出される位置よりもシステムキッチンの前方側の位置から整流吐水流が放出されることになる。その結果、使用者が身体の負担なく作業できる領域を、整流吐水流をより鉛直に通過させることが可能となるので、水汲みがしやすく、かつ身体の負荷を低減させることができる。
なお、シャワー吐水流と整流吐水流との交差位置はシャワー吐水部24と整流吐水部22との位置関係、整流吐水部22から放出される水の勢いや流量などにより決めることができる。
【0054】
この場合、カウンター上面62に対して傾斜した方向にシャワー吐水流が形成されるので、洗浄面が見やすく作業性がよい。また、水平面内における洗浄面積を大きくすることができる。また、洗浄物の全長方向に対して効率よく水を当てることができるので、水の消費量を抑制することができる。また、システムキッチンの前方への張り出しも少なくすることができるので、使用者はシンク30内およびその上方の領域を広く使用することができる。
【0055】
また、シャワー吐水部24と整流吐水部22とを別の場所に設けるようにしているので、シャワー吐水部の形状に影響されることなく整流吐水部の形状を決めることができる。そのため、整流吐水部の設計の自由度を上げることができる。
【0056】
図10(b)に示す水栓20aにおいては、前述した水栓20と比べて整流吐水部22からの水の放出方向が異なるものとなっている。水栓20においては整流吐水部の取付面に対して垂直な方向に水の放出が行われるようになっている。これに対し、水栓20aにおいては整流吐水部の取付面に対して所定の角度θ1をもって水の放出が行われるようになっている。すなわち、シャワー吐水流の放出方向と、整流吐水流の放出方向とが交差するようになっている。
図11は、整流吐水部に設けられるアダプタを例示するための模式断面図である。
図11に例示をするアダプタ32は、前述した貯留部22bに設けられる。例えば、貯留部22bの内壁面に設けられた図示しないメスネジ部にアダプタ32の外周面に設けられたオスネジ部32aをねじ込むことで取り付けるようにされている。
アダプタ32には軸方向に貫通する貫通孔32bが設けられている。また、貫通孔32bの中心軸がアダプタ32の中心軸に対して角度θ1の傾きを有している。そのため、アダプタ32を貯留部22bに取り付けることで、水の放出が行われる角度をθ1だけ傾けることができるようになっている。
なお、整流吐水部の取付面に対して、所定の角度θ1をもって水の放出を行う方法としては、アダプタを設けることに限定される訳ではない。
【0057】
前述したように、シャワー吐水流の軌跡と整流吐水流の軌跡との交差位置は、シャワー吐水部24と整流吐水部22との位置関係、整流吐水部22から放出される水の勢いや流量などにより決めることができる。しかしながら、システムキッチンの設置環境などによっては調整範囲を拡げられるようにしておく必要が生じる場合もある。
【0058】
本実施の形態によれば、角度θ1によっても交差位置の決定をすることができる。また、整流吐水流の着水位置を決定することもできる。なお、角度θ1は可変とされていてもよいし、水栓やシステムキッチンの製造時に設定されるものであってもよい。
【0059】
また、角度θ1により交差位置を決めるものとすれば、シャワー吐水部24と整流吐水部22との位置関係、整流吐水部22から放出される水の勢いや流量などに関する設計の自由度が増すことにもなる。
また、後述するシャワー吐水流による水跳ねを抑制するために適した傾斜角度θに影響されることなく角度θ1により交差位置を決めることができる。
図10(c)に示す水栓20bにおいても、シャワー吐水流の放出方向と、整流吐水流の放出方向とが交差するようになっている。本実施の形態においては、水栓20bの形状により整流吐水部22からの水の放出方向が異なるものとなっている。シャワー吐水部は、水栓20bのカウンターの上面に対して傾斜した面20b1に設けられ、整流吐水部は、この傾斜した面20b1と異なる角度に傾斜した面20b2に設けられている。すなわち、シャワー吐水部24が設けられた部分の傾斜角度θに対して所定の角度θ2をもって整流吐水部22が設けられるようになっている。このようにしても、図10(b)に例示をした水栓20aと同様の効果を享受することができる。また、図10(b)に例示をしたものと組み合わせることもできる。
【0060】
図12は、水栓20bの吐水部を例示するための模式部分断面図である。
図2において例示をしたものと同様に、水栓20bは、その先端近傍に設けられた整流吐水部22と、整流吐水部22の下方に設けられたシャワー吐水部24と、を備えている。
また、整流吐水部22には、一端を開口した略円柱状の貯留部22bが設けられている。また、シャワー吐水部24には、一端を開口し、上下方向を長手方向とする略直方体形状の貯留部24bが設けられている。
ただし、前述したように、シャワー吐水部24が設けられた部分の傾斜角度θに対して所定の角度θ2をもって整流吐水部22が設けられるようになっている。
【0061】
ここで、整流吐水流においては、コップなどに少量の水を汲む場合、鍋などに多量の水を汲む場合などのように流量が大きく変動する場合がある。このような場合、整流吐水部22からの放出方向が垂直に近くなるほど、水勢により整流吐水流の位置が水平方向に変動することを抑制することができる。
このような場合、例えば、図10(b)、(c)に例示をしたもののようにすれば、カウンター上面62に対してより鉛直な方向に向けて整流吐水流を放出させることができる。そのため、整流吐水流の流量変動の影響を抑制することができるので、整流吐水流の位置を安定させることができる。
【0062】
図13は、本発明の他の実施の形態に係るシャワー吐水流の形態および整流吐水流の形態について例示をするための模式図である。
図13に示す水栓20cにおいては、図10(a)に例示をしたものと比べてシャワー吐水部24からの吐水形態が異なるものとなっている。すなわち、シャワー吐水部24からは膜状のシャワー吐水が行われるようになっている。このようなシャワー吐水は、例えば、図7や図8に例示をした散水板を用いることで行うことができる。
なお、シャワー吐水流と整流吐水流との交差位置はシャワー吐水部24と整流吐水部22との位置関係、放出される水の勢いや流量などにより決めることができる。
この場合、シャワー吐水流、整流吐水流が、シンク上面62と、シンク前面36とシンク後面38との中央部と、が交差する領域42を通過することが好ましい。そのようにすれば、上体を前傾させることなく、吐水流に手を伸ばすことができるため、使用者の身体的な負荷が軽減される。なお、このことは、図10に例示をしたものの場合も同様である。
【0063】
次に、傾斜角度θとシャワー吐水流の水跳ねとの関係を説明する。
図14は、水跳ね試験の概要を例示するための模式図である。なお、図14(a)は、水跳ね試験の様子を例示するための模式断面図、図14(b)は、図14(a)におけるF矢視方向から見た模式平面図である。
図14(a)に示すように、カウンター上面62に対して15°傾斜させたアクリル板(縦500mm×横500mm)をシンク30内に挿入し、カウンター上面62の高さを横切る水を受けるようにした。そして、図14(b)に示すように、水膜(滞留する水)が形成されていない領域110aに水跳ねした水滴量を測定した。この場合、吐出時間は150秒としている。また、傾斜角度θを0°〜90°の範囲で変化させて、水跳ねした水滴量を測定している。なお、アクリル板の傾斜角度15°は、吐水された水がシンク底面34に着水した時の着水の角度との差を考慮したものである。すなわち、シンク底面34に着水した時の着水の角度に合わせるための補正値である。
【0064】
図15は、傾斜角度θと水跳ねとの関係を例示するためのグラフ図である。
なお、横軸は傾斜角度θを表し、縦軸は図14に例示をした水跳ね試験により測定した水滴量を水跳ね量として表したものである。
【0065】
図15に示すように、図14に例示をした水跳ね試験によれば、傾斜角度θが30°以下では、水跳ね量は略一定で多いことが分かる。これに対し、傾斜角度θが40°以上では、水跳ねが単調的に減少していることが分かる。なお、傾斜角度θが80°以上では、水面の乱れの抑制が頭打ちとなるため、水跳ね量の減少効果も、飽和し始める。
以上より、傾斜角度θが40°以上の場合には、水跳ねの減少効果が大きくなることが分かる。
また、傾斜角度を大きくしていくと、水の流速、流量を変えた場合の、吐水の軌跡の変動が大きくなり、作業効率が悪くなる恐れがあるのに加え、吐水がより遠くまで到達することからシンク30の前後方向の寸法が大きくなりすぎる恐れがある。そのため、傾斜角度θは40°以上、80°以下が好ましい。
なお、傾斜角度θをこのようにすれば、シャワー吐水部24が、カウンター上面62に対して40°以上、80°以下に傾斜して設けられることになる。なお、整流吐水部22に関しては図10、図13において説明をしたようにして適宜決定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態に係るシステムキッチンを例示するための模式斜視図である。
【図2】水栓の吐水部を例示するための模式図である。
【図3】シャワー吐水部に設けられる散水板を例示するための模式図である。
【図4】洗浄対象の形状を例示するための模式図である。
【図5】散水板の変形例を例示するための模式図である。
【図6】散水板の変形例を例示するための模式図である。
【図7】散水板の変形例を例示するための模式図である。
【図8】散水板の変形例を例示するための模式図である。
【図9】比較例に係るシャワー吐水の形態および整流吐水の形態について例示をするための模式図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るシャワー吐水の形態および整流吐水の形態について例示をするための模式図である。
【図11】整流吐水部に設けられるアダプタを例示するための模式断面図である。
【図12】水栓の吐水部を例示するための模式部分断面図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係るシャワー吐水流の形態および整流吐水流の形態について例示をするための模式図である。
【図14】水跳ね試験の概要を例示するための模式図である。
【図15】傾斜角度と水跳ねとの関係を例示するためのグラフ図である。
【符号の説明】
【0067】
10 システムキッチン、20 水栓、20a 水栓、20b 水栓、22 整流吐水部、22a 整流吐水口、24 シャワー吐水部、26 散水板、26a〜26b 散水板、27 散水孔群、27a 散水孔、8、29 散水スリット、30 シンク、34 シンク底面、36 シンク前面、38 シンク後面、60 カウンター、62 カウンター上面、θ 傾斜角度、θ1 角度、θ2 角度
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
【出願日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【代理人】 【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦

【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
【公開番号】 特開2009−233195(P2009−233195A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−84923(P2008−84923)