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【発明の名称】 爪又は人工爪の装飾方法、及びこの装飾方法に用いられる爪又は人工爪装飾用具
【発明者】 【氏名】戸田 千恵
【課題】下部が略逆円錐状とされた宝石を、確実かつ見栄え良く爪又は人工爪に取付け得る爪又は人工爪の装飾方法を提供する。また、大きさの異なる複数個の宝石を、容易かつ確実に爪又は人工爪に取付け得る爪又は人工爪の装飾方法を提供する。さらに、上記装飾方法に用いられる爪又は人工爪用貼着フィルム、上記装飾方法に用いられる爪又は人工爪用回転式切削工具、及びこの回転式切削工具を備えた爪又は人工爪用回転式ハンドピースを提供する。

【解決手段】下部21が略逆円錐状とされた宝石2を、爪N又は人工爪1に取付けて爪又は人工爪を装飾する方法であって、前記爪又は人工爪に、前記宝石の下部の形状に合わせて回転式切削工具3によりすり鉢状の凹部4を形成し、該凹部に接着剤5を塗布した後、前記宝石の下部を該凹部に嵌め込み接着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部が略逆円錐状とされた宝石を、爪又は人工爪に取付けて爪又は人工爪を装飾する方法であって、
前記爪又は人工爪に、前記宝石の下部の形状に合わせて回転式切削工具によりすり鉢状の凹部を形成し、
該凹部に接着剤を塗布した後、前記宝石の下部を該凹部に嵌め込み接着することを特徴とする爪又は人工爪の装飾方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記凹部の形成対象は、合成樹脂材を主材とする爪用化粧品を前記爪又は人工爪に塗布して形成した樹脂層であることを特徴とする爪又は人工爪の装飾方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記回転式切削工具は、前記宝石の下部と略同形状とされた略逆円錐状の切削部を有していることを特徴とする爪又は人工爪の装飾方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記回転式切削工具により前記凹部を形成する前に、前記爪又は人工爪に、前記宝石の下部の上端周縁部の外周径と略同径とされた円及び該円の円心が描かれた位置決めフィルムを貼着し、該位置決めフィルムに対して前記回転式切削工具を位置合わせして前記凹部を形成することを特徴とする爪又は人工爪の装飾方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記接着剤は、紫外線硬化型接着剤とされており、
前記凹部に該紫外線硬化型接着剤を塗布した後、前記宝石の下部を該凹部に嵌め込み、紫外線照射装置により紫外線を照射して、該紫外線硬化型接着剤を硬化させることを特徴とする爪又は人工爪の装飾方法。
【請求項6】
爪又は人工爪に貼着される爪又は人工爪用貼着フィルムであって、
下部が略逆円錐状とされた宝石の該下部の上端周縁部の外周径と略同径とされた円及び該円の円心が描かれていることを特徴とする爪又は人工爪用貼着フィルム。
【請求項7】
下部が略逆円錐状とされた宝石を、爪又は人工爪に取付けるために、該爪又は人工爪に凹部を形成するための爪又は人工爪用回転式切削工具であって、
回転式ハンドピースのヘッド部に装着される軸部と、該軸部の先端に連設された切削部とを有しており、
該切削部は、前記宝石の下部と略同形状とされた略逆円錐状とされていることを特徴とする爪又は人工爪用回転式切削工具。
【請求項8】
請求項7において、
前記切削部の外周には、略同形状で大きさの異なる複数の前記宝石のそれぞれの下部の深さに合わせた位置に、位置決めラインが形成されていることを特徴とする爪又は人工爪用回転式切削工具。
【請求項9】
請求項7または8において、
前記切削部には、前記宝石の下部の深さに合わせて、前記凹部の深さを規制するための規制部材が設けられていることを特徴とする爪又は人工爪用回転式切削工具。
【請求項10】
駆動源又は駆動伝達系を内蔵する把持部と、該把持部の先側に連設され、前記駆動源又は駆動伝達系に連結された駆動体を内蔵するヘッド部とを備え、
前記ヘッド部に、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の爪又は人工爪用回転式切削工具が着脱自在に装着されることを特徴とする爪又は人工爪用回転式ハンドピース。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、爪又は人工爪の装飾方法、この装飾方法に用いられる爪又は人工爪用貼着フィルム、この装飾方法に用いられる爪又は人工爪用回転式切削工具、及びこの回転式切削工具を備えた爪又は人工爪用回転式ハンドピースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より生爪にマニキュア等の爪化粧品を塗布して生爪を装飾する、いわゆるネイルアートが行われている。
このようなネイルアートは、特に近時においては、生爪及び生爪先端に取付けたネイルフォームにアクリル樹脂等を塗布して生爪をエクステンションさせるスカルプチュア(アクリルネイル)や、合成樹脂材等で形成された付け爪(ネイルチップ)等の人工爪にもなされている。
また、マニキュア等の平面的な模様のみならず、爪又は人工爪の表面にラインストーンやビーズ、合成樹脂材等で形成した立体物等を取付けて装飾する立体アートが行われている。
【0003】
上記したようなラインストーン等を爪又は人工爪の表面に接着する際には、裏面に接着剤等を塗布して接着するか、あるいは、ラインストーン等を爪又は人工爪の表面の所望位置に載せた状態でトップコートを塗布するなどして固定する必要があり、面倒な作業であるとともに、所望する位置に取付けるためには高度な技術を要するものであった。
また、このようなラインストーンは、裏面が平面とされているので、爪又は人工爪の表面に接着した際には、表面から大きく突出することとなるので、該ラインストーンに衣服等が引っ掛かり易く、また、それにより剥がれ易いという問題もあった。
さらに、上記のようなラインストーンは、裏面が平面で、底部に鏡面層を貼着し、該鏡面層の反射により輝きを増大させているが、爪又は人工爪の表面に接着して取外すと、該鏡面層が剥がれ、再利用できないものであった。また、その輝きも多面体にカットされた宝石類には劣るという問題があった。
【0004】
下記特許文献1では、上記したような問題点を解決するために、宝石を含有した爪化粧品が提案されている。
この爪化粧品は、宝石を含有させた皮膜形成剤を含む透明溶剤からなり、該透明溶剤を、刷毛等で爪表面に塗布することで、該皮膜形成剤が爪上で固まり、宝石を爪に固定させることができる、と説明されている。
このものでは、比較的、容易に宝石を爪上に固定できるものではあるが、上記透明溶剤に含有される宝石は、刷毛等で掬える程度の微小なもの(0.0033カラット以上、0.01カラット以下と説明されている。)に限られ、また、そのような微小な宝石を刷毛等で所望の位置に配置して固定させるのは困難なものであった。
【0005】
また、下記特許文献2では、宝石を備えたつけ爪の製造方法が提案されている。
このつけ爪の製造方法では、つけ爪の基材の表面に厚み調整層を設け、該厚み調整層にダイヤモンドを嵌める取着凹部を形成し、該取着凹部に固化した状態で透光性を有する接着剤を注入し、該接着剤が固化する前に、上記ダイヤモンドを上記取着凹部に入れて接着し固定する構成とされている。また、上記取着凹部は、該厚み調整層の上面から基材まで同じ大きさとされた円柱形状に形成されている。
【特許文献1】特開2005−102980号公報(図6参照)
【特許文献2】特開2008−18179号公報(図2参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献2に記載の宝石を備えたつけ爪の製造方法では、接着剤が注入されて宝石が入れられる取着凹部の形状が円柱形状とされているため、該取着凹部に宝石を入れる際に、宝石が傾き、該宝石の表面が爪表面に対して平行に配置されない恐れがあった。特に、下部が略逆円錐状とされた宝石を、上記のような円柱形状とされた取着凹部に入れる際には不安定となり、上記のように傾く恐れが増大する。このように宝石が傾いた状態で固着されると、宝石が本来有する輝きが損なわれ、見栄えが悪くなるという問題があった。また、このように傾いて宝石が固着されると、該宝石の下部が爪表面側に露出するような恐れもあり、衣服等に引っ掛かったり、剥がれ易くなったりする恐れもあった。
【0007】
また、他の問題点として、上記各特許文献では、爪又は人工爪に対して、種々の大きさとされた複数個の宝石を、如何にして容易かつ確実に取付けるかについての考慮がなされていないという問題があった。特に、狭小なアートスペースである爪又は人工爪に対して、種々の大きさとされた複数個の宝石を、趣向に応じて意匠性を阻害することなく、如何にして容易かつ確実に取付けるかについての考慮がなされていないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、下部が略逆円錐状とされた宝石を、確実かつ見栄え良く爪又は人工爪に取付け得る爪又は人工爪の装飾方法を提供することにあり、また、第2の目的は、大きさの異なる複数個の宝石を、容易かつ確実に爪又は人工爪に取付け得る爪又は人工爪の装飾方法を提供することにある。
さらに、本発明は、上記装飾方法に用いられる爪又は人工爪用貼着フィルム、上記装飾方法に用いられる爪又は人工爪用回転式切削工具、及びこの回転式切削工具を備えた爪又は人工爪用回転式ハンドピースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係る爪又は人工爪の装飾方法は、下部が略逆円錐状とされた宝石を、爪又は人工爪に取付けて爪又は人工爪を装飾する方法であって、前記爪又は人工爪に、前記宝石の下部の形状に合わせて回転式切削工具によりすり鉢状の凹部を形成し、該凹部に接着剤を塗布した後、前記宝石の下部を該凹部に嵌め込み接着することを特徴とする。
【0010】
本発明の前記爪又は人工爪の装飾方法においては、前記凹部の形成対象を、合成樹脂材を主材とする爪用化粧品を前記爪又は人工爪に塗布して形成した樹脂層としてもよい。
また、本発明の前記爪又は人工爪の装飾方法においては、前記回転式切削工具を、前記宝石の下部と略同形状とされた略逆円錐状の切削部を有したものとしてもよい。
また、本発明の前記爪又は人工爪の装飾方法においては、前記回転式切削工具により前記凹部を形成する前に、前記爪又は人工爪に、前記宝石の下部の上端周縁部の外周径と略同径とされた円及び該円の円心が描かれた位置決めフィルムを貼着し、該位置決めフィルムに対して前記回転式切削工具を位置合わせして前記凹部を形成するようにしてもよい。
また、本発明の前記爪又は人工爪の装飾方法においては、前記接着剤を、紫外線硬化型接着剤とし、前記凹部に該紫外線硬化型接着剤を塗布した後、前記宝石の下部を該凹部に嵌め込み、紫外線照射装置により紫外線を照射して、該紫外線硬化型接着剤を硬化させるようにしてもよい。
【0011】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る爪又は人工爪用貼着フィルムは、爪又は人工爪に貼着される爪又は人工爪用貼着フィルムであって、下部が略逆円錐状とされた宝石の該下部の上端周縁部の外周径と略同径とされた円及び該円の円心が描かれていることを特徴とする。
【0012】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る爪又は人工爪用回転式切削工具は、下部が略逆円錐状とされた宝石を、爪又は人工爪に取付けるために、該爪又は人工爪に凹部を形成するための爪又は人工爪用回転式切削工具であって、回転式ハンドピースのヘッド部に装着される軸部と、該軸部の先端に連設された切削部とを有しており、該切削部は、前記宝石の下部と略同形状とされた略逆円錐状とされていることを特徴とする。
【0013】
本発明の前記爪又は人工爪用回転式切削工具においては、前記切削部の外周には、略同形状で大きさの異なる複数の前記宝石のそれぞれの下部の深さに合わせた位置に、位置決めラインが形成されているものとしてもよい。
また、本発明の前記爪又は人工爪用回転式切削工具においては、前記切削部には、前記宝石の下部の深さに合わせて、前記凹部の深さを規制するための規制部材が設けられているものとしてもよい。
【0014】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る爪又は人工爪用回転式ハンドピースは、駆動源又は駆動伝達系を内蔵する把持部と、該把持部の先側に連設され、前記駆動源又は駆動伝達系に連結された駆動体を内蔵するヘッド部とを備え、前記ヘッド部に、本発明に係る前記爪又は人工爪用回転式切削工具が着脱自在に装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る前記爪又は人工爪の装飾方法によれば、下部が略逆円錐状とされた宝石の該下部の形状に合わせて形成したすり鉢状の凹部に、接着剤を塗布して、該凹部に前記宝石の下部を嵌め込み接着するようにしているので、確実かつ見栄え良く、宝石を爪又は人工爪に固定することができる。
すなわち、宝石を嵌め込むための凹部を、宝石の下部の形状に合わせて形成しているので、該凹部に宝石を嵌め込む際に、該宝石が傾いて嵌め込まれるようなことがなく、確実かつ見栄え良く、該宝石を爪又は人工爪に取付けることができる。つまり、該宝石の下部が爪表面側に露出するようなことがなく、よって、衣服等に引っ掛かったり、剥がれ易くなったりすることがない。また、該宝石が傾いて嵌め込まれないので、該宝石が本来有する輝きを損なうようなことがない。
さらに、宝石を嵌め込むための凹部を、宝石の下部の形状に合わせて形成しているので、該宝石の下部と形成した凹部との間に不必要な隙間等が生じることがない。
【0016】
本発明に係る前記爪又は人工爪の装飾方法において、前記凹部の形成対象を、合成樹脂材を主材とする爪用化粧品を前記爪又は人工爪に塗布して形成した樹脂層とすれば、樹脂層の厚さを宝石の大きさに合わせて調整し、凹部を形成することで、比較的大粒の宝石の下部を凹部に嵌め込む事も可能となる。
【0017】
本発明に係る前記爪又は人工爪の装飾方法において、前記回転式切削工具を、前記宝石の下部と略同形状とされた略逆円錐状の切削部を有したものとすれば、該宝石の下部の形状に合わせた凹部を容易に形成できる。すなわち、爪又は人工爪の表面に対して垂直に上記切削部を押し当てるようにして、深さを調整しながら切削するようにすれば、該宝石の下部の形状に合わせた凹部を確実かつ容易に形成できる。
【0018】
本発明に係る前記爪又は人工爪の装飾方法において、前記回転式切削工具により前記凹部を形成する前に、前記爪又は人工爪に、前記宝石の下部の上端周縁部の外周径と略同径とされた円及び該円の円心が描かれた位置決めフィルムを貼着し、該位置決めフィルムに対して前記回転式切削工具を位置合わせして前記凹部を形成するようにすれば、該位置決めフィルムが目安となり、該宝石の下部の形状に合わせた凹部を、確実かつ容易に形成できる。すなわち、該位置決めフィルムの円心に回転式切削工具の先端部を位置合わせして、深さを調整しながら上記円の内側を切削することで、容易に凹部を形成できる。
また、例えば、狭小なアートスペースである爪又は人工爪の表面の所望の位置に、複数枚の上記位置決めフィルムを貼着することで、宝石を取付けたい位置の位置決めを容易にできるとともに、出来上がり状態を予測できる。
特に、大きさの異なる宝石を爪又は人工爪に取付ける際には、出来上がり状態を予測して所望の位置に凹部を形成することが困難であり、例えば、所望の位置よりも互いに近接或いは離間した位置に複数の凹部を形成してしまうような恐れもあるが、大きさの異なる宝石に合わせて上記位置決めフィルムを用意して、所望の位置に貼着することで、出来上がり状態を予測できるとともに、宝石の下部の形状に合わせた凹部を確実かつ容易に形成できる。
【0019】
本発明に係る前記爪又は人工爪の装飾方法において、前記接着剤を、紫外線硬化型接着剤とし、前記凹部に該紫外線硬化型接着剤を塗布した後、前記宝石の下部を該凹部に嵌め込み、紫外線照射装置により紫外線を照射して、該紫外線硬化型接着剤を硬化させるようにすれば、例えば、揮発物質等を含む速乾性接着剤等のような異臭が生じることがなく、また、自然乾燥により硬化する接着剤等と比べて、比較的早くかつ確実に硬化させることができる。
また、紫外線を照射するまでは硬化しないため、宝石の下部を凹部に嵌め込んだ際に、最終的な位置合わせを行え、該宝石を爪又は人工爪に確実かつ見栄え良く取付けることができる。
【0020】
また、本発明に係る前記爪又は人工爪用貼着フィルムによれば、前記宝石の下部の上端周縁部の外周径と略同径とされた円及び該円の円心が描かれているので、爪又は人工爪に宝石の下部の形状に合わせたすり鉢状の凹部を回転式切削工具により形成する際に、前記爪又は人工爪用貼着フィルムを爪又は人工爪に貼着することで、該貼着フィルムが目安となり、該宝石の下部の形状に合わせた凹部を、確実かつ容易に形成できる。また、前記爪又は人工爪用貼着フィルムを爪又は人工爪に貼着することで、宝石を取付けたい位置の位置決めを容易にできるとともに、出来上がり状態を予測できる。
【0021】
また、本発明に係る前記爪又は人工爪用回転式切削工具によれば、前記切削部が前記宝石の下部と略同形状とされた略逆円錐状とされているので、宝石を、爪又は人工爪に取付けるために凹部を該爪又は人工爪に形成する際に、該宝石の下部の形状に合わせた凹部を容易に形成できる工具となる。すなわち、爪又は人工爪の表面に対して垂直に上記切削部を押し当てるようにして、深さを調整しながら切削するようにすれば、該宝石の下部の形状に合わせた凹部を確実かつ容易に形成できる。
【0022】
本発明に係る前記爪又は人工爪用回転式切削工具において、前記切削部の外周には、略同形状で大きさの異なる複数の前記宝石のそれぞれの下部の深さに合わせた位置に、位置決めラインが形成されているものとすれば、宝石の大きさに合わせた凹部を容易に形成できる工具となる。すなわち、該位置決めラインを目安に凹部を形成できるので、凹部を深くし過ぎたり、大きく形成し過ぎたりすることを低減できる工具となる。
【0023】
本発明に係る前記爪又は人工爪用回転式切削工具において、前記切削部には、前記宝石の下部の深さに合わせて、前記凹部の深さを規制するための規制部材が設けられているものとすれば、凹部を深く形成し過ぎたり、大きく形成し過ぎたりすることを効果的に防止でき、宝石の下部の形状に合わせた凹部を、より確実かつ容易に形成できる。また、凹部を深く形成し過ぎることを防止できるので、安全面においても優れた工具となる。
【0024】
また、本発明に係る前記爪又は人工爪用回転式ハンドピースによれば、上記したような本発明に係る前記爪又は人工爪用回転式切削工具がヘッド部に着脱自在に装着されるので、上記同様、宝石の下部の形状に合わせた凹部を確実かつ容易に形成できるハンドピースとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1(a)、(b)は、いずれも本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法を用いて装飾された人工爪の一例を示し、(a)は、概略平面図、(b)は、(a)におけるX1−X1線矢視概略縦断面図である。
図2〜図5は、いずれも同装飾方法を説明するための説明図である。
図6及び図7は、いずれも同装飾方法の変形例を説明するための説明図であり、図8は、同装飾方法を用いて装飾された人工爪の他例を示す図である。
図9(a)は、同装飾方法に用いられる宝石の一例を示す概略正面図、(b)は、同装飾方法に用いられる回転式切削工具の一例を示す概略正面図、図10は、同装飾方法に用いられる回転式ハンドピース装置の一例を示す概略正面図、図11(a)〜(d)は、いずれも同装飾方法に用いられる位置決めフィルムの一例を示す概略平面図である。
【0026】
本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法を用いて装飾された人工爪1は、手指Fの自爪Nに、樹脂層10を形成し、回転式ハンドピース装置8に装着された回転式切削工具3(図9(b)及び図10参照)により、該樹脂層10に凹部4を形成し、該凹部4に宝石2(図9(a)参照)の下部21を嵌め込み、接着剤5で接着して取付けている。また、本実施形態では、後記するように凹部4を形成する前に、位置決めフィルム6(図3及び図11参照)を貼着するようにしている。また、接着剤5を紫外線硬化型接着剤とし、紫外線照射装置7(図5(b)参照)により硬化させるようにしている。
【0027】
まず、同装飾方法に用いられる上記した各部材及び装置について図面に基づいて説明する。
上記樹脂層10は、自爪N上に形成されたアクリル系樹脂材を主材とする無色透明のアクリル層11と、該アクリル層11の上に形成された模様層12と、該模様層12の上に形成された透明層13とから構成されている。
上記アクリル層11は、爪用化粧品であるアクリルリキッドとアクリルパウダーとを混合して硬化させた、いわゆるスカルプチュア(アクリリックネイルともいう)とされている。このアクリル層11は、自爪Nの先端から延出するようにして、爪をエクステンションさせるよう形成されている。
上記アクリルリキッドは、例えば、メタクリル酸メチルと触媒剤等からなり、上記アクリルパウダーは、例えば、ポリメタクリル酸メチルと重合開始剤等からなる。上記触媒剤と重合開始剤とが混ざり合うことにより、熱を発生し、ゲル状化して硬化する。
尚、硬化した際に透光性を有するものであれば、無色透明のアクリル層11に限らず、アクリルパウダーに着色剤等が添加されたカラーパウダーとし、乳白色やピンク色のアクリル層11としてもよい。
また、上記アクリル層11を形成する際に、上記混合物(ミクスチュア)を塗布後、未硬化(半硬化)の状態で、スティック状の目盛り等が付された厚さチェック用部材等により、アクリル層11の厚さをチェックするようにしてもよい。これにより、取付けたい宝石の大きさに合わせた厚さとでき、安全性を高めることができる。
【0028】
上記模様層12は、ウレタン系樹脂材を主材として光開始剤や着色剤等が含有されたジェル状(ゲル状)の紫外線硬化型の爪用化粧品(いわゆるソフトジェル)で形成されている。
上記透明層13は、アクリル系樹脂材を主材として光開始剤等が含有されたジェル状(ゲル状)の紫外線硬化型の爪用化粧品(いわゆるハードジェル)で形成されている。
上記模様層12は、比較的軟質であり、上記透明層13は、比較的硬質とされている。
上記アクリル層11及び模様層12は、アセトン等の除去溶剤(リムーバー)で除去できる、いわゆるソークオフタイプとされ、上記透明層13は、ファイル(やすり)等で削ることで除去できる、いわゆるソークオフなしタイプとされている。尚、上記透明層13をソークオフタイプとしてもよい。
【0029】
また、上記樹脂層10としては、上記した例に限らず、自爪Nの表面及び爪先端から延出するようにして、所定の厚さで形成できるものであれば、どのような樹脂材で形成するようにしてもよい。
また、上記樹脂層10の厚さは、後記するダイヤモンド2の大きさに合わせて調整すればよく、比較的小さいダイヤモンド2を取付ける場合には、アクリル層11に代えて、上記カラーソフトジェルやクリアハードジェル等を重ね塗りすることで樹脂層を形成するようにしてもよい。尚、該樹脂層10の厚さは、厚すぎると見栄えが悪くなるので、5.00mm以下程度とすることが好ましい。
また、各図では、上記樹脂層10の厚さは、当該樹脂層10の先端から後端側に向けて、略同じ厚さで示しているが、例えば、中央部を厚く、先端部を薄くするようにしてもよい。すなわち、上記樹脂層10の厚さは、その平面域方向において均一としなくともよい。
さらに、上記模様層12に代えて、マニキュア(ネイルエナメル、ネイルカラー)等の塗料により模様を形成するようにしてもよく、また、上記クリアハードジェルに代えて、トップコートを模様層12の上に塗布するようにしてもよい。
また、アクリル層11のみで樹脂層10を構成するようにしてもよい。
【0030】
上記宝石2は、本実施形態では、ダイヤモンド2としている。該ダイヤモンド2は、図9(a)に示すように、多面体にカットされて形成されており、上部のクラウン部20と、下部のパビリオン部21と、これらクラウン部20とパビリオン部21との境界を形成するガードル部22とから構成されている。
上記クラウン部20は、略円錐台状とされ、上面が平坦面とされたテーブル面20aを有している。
上記パビリオン部21は、下端部のキューレット21aに向けて先細り状の略逆円錐状とされている。尚、該パビリオン部21の形状は、多面体にカットされているので、実際には、略逆多角錐状あるいはそれに近い形状であるが、このような形状も略逆円錐状に含む。換言すれば、パビリオン部21が略逆円錐状とは、下端部のキューレット21aを通る垂線を回転軸として回転させた回転体の外形が略逆円錐状となるようなものも含む。
上記ガードル部22は、上記パビリオン部21の上端周縁部を構成するとともに、ダイヤモンド2の外周縁を形成し、該ガードル部22の外周径Gdがダイヤモンド2の直径に相当する。このガードル部22は、一般的に、比較的薄いので、本実施形態では、後記するパビリオン部21の深さPdには、該ガードル部22の厚さも含むようにしている。
【0031】
図例では、いわゆる標準的なラウンド・ブリリアント・カットされたダイヤモンド2を示しており、このようなダイヤモンド2のパビリオン角度θ1は、40°程度とされている。従って、パビリオン部21の下端部の正面視における角度(キューレット角度)θ2は、100°程度である。
本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法に用いられるダイヤモンド2の大きさは、0.005カラット以上、1.00カラット以下とすることが好ましい。ガードル部22の外周径(ダイヤモンド2の直径)Gdで示すと、約1.00mm以上、約6.50mm以下とすることが好ましい。これより小さい場合には、人工爪1に取付ける際に困難であるとともに、宝石を取付けたことによる華麗さが目立たない。また、上記より大きい場合には、上記樹脂層10を厚く形成する必要があるとともに、狭小なアートスペースである人工爪1の上では、バランスが悪く、見栄えが悪くなる。
尚、標準的なラウンド・ブリリアント・カットでは、ガードル部22の外周径Gdが上記範囲の場合に、パビリオン部21の深さPdは、約0.43mm程度〜2.80mm程度である。
【0032】
尚、人工爪1に取付ける宝石としては、上記ダイヤモンド2に限らず、アクアマリン、アメジスト、エメラルド、サファイア、トパーズ、ルビー等の他の透光性を有した天然石や、キュービックジルコニア等の人造石、その他、合成石、模造石等の人工石としてもよい。
また、多面体にカットされて下部が略逆円錐状であれば、上記ラウンド・ブリリアント・カットに限らず、どのようにカットされたものでもよい。例えば、上部(クラウン部)が平面視でハート形状とされたものやスクエア形状とされたもの、或いは他の形状とされたものとしてもよい。
さらに、上記パビリオン角度やキューレット角度は、標準的なラウンド・ブリリアント・カットの場合の角度であって、他の角度としてもよい。
【0033】
上記回転式切削工具3は、図9(b)に示すように、後記する回転式ハンドピース80のヘッド部81に装着される軸部30と、該軸部30の先端部に形成された切削部31と、該切削部31の軸部側に連設された円柱状部32と、該円柱状部32の軸部側に連設された円錐台状部33とを有している。
上記切削部31は、上記ダイヤモンド2のパビリオン部21と略同形状とされた略逆円錐状とされている。すなわち、切削部31の下端部の正面視における角度が上記パビリオン部21の下端部の正面視における角度θ2と同じ角度とされている。
このように、切削部31をダイヤモンド2のパビリオン部21と略同形状とされた略逆円錐状とすることで、後記するように凹部4を人工爪1に形成する際に、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせた凹部4を容易に形成できる工具となる。すなわち、人工爪1の表面に対して垂直に切削部31を押し当てるようにして、深さを調整しながら切削するようにすれば、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせた凹部4を確実かつ容易に形成できる。
【0034】
尚、上記切削部31の高さChは、取付けたいダイヤモンド2の大きさに応じて適宜、設定可能であり、例えば、1.00カラット以下のダイヤモンド2を取付けたい場合には、3.00mm程度の高さとすればよい。
また、上記切削部31は、上記樹脂層10に後記するように凹部4を形成できるものであれば、どのようなものでもよく、例えば、ドリル刃状とされたものや、砥粒を結合剤で固めた砥石系、工業用ダイヤモンド砥粒をシャフト(軸)に電着固定させたダイヤモンド砥石系、ハイスカッター系等どのようなものでもよい。この切削部31は、人工爪1に凹部4を形成する際に、自爪Nへの熱影響がないよう切削時に熱が発生し難いものとしてもよい。
さらに、上記切削部31の略逆円錐状には、上記ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状と同様、上記軸部30を回転軸として切削部31を回転させた回転体の外形が略逆円錐状となるようなものも含む。
さらにまた、上記切削部21を上記ダイヤモンド2のパビリオン部21と略同形状とされた略逆円錐状とすればよく、他の形状は、図例のものに限られない。
【0035】
上記回転式切削工具3は、図10に示すように、回転式ハンドピース装置8に装着される。
この回転式ハンドピース装置8は、回転式ハンドピース80と、該回転式ハンドピース80とコード84で連結された装置本体85とを備えている。
上記回転式ハンドピース80は、いわゆるマイクロモータ式ハンドピースであって、駆動源となるマイクロモータ83を内蔵した把持部82と、該把持部82の先側に連設され、駆動体が内蔵されたヘッド部81とで構成され、該駆動体には、上記回転式切削工具3を着脱自在に装着するためのチャック部81aが設けられている。上記駆動体としては、駆動源に連結されるものであればどのようなものでもよく、回転軸と該回転軸を支承する軸受部等を備えたものとしてもよい。
【0036】
上記装置本体85は、モータ駆動回路やCPU、電源部等を内蔵しており、操作部として、装置をON/OFFするための電源スイッチ86、マイクロモータ83を正逆回転するための正逆回転スイッチ87及びマイクロモータ83の回転速度を調整するスピードコントローラ88を有している。
尚、上記回転式ハンドピースは、マイクロモータ式に限らず、エアータービン式等としてもよい。この場合には、装置本体に空気源等を内蔵させ、駆動伝達系としてのエアー供給管路等をハンドピースに連結するようにしてもよい。
また、足で装置のON/OFFやスピードコントロールができるようフートコントローラを備えたものとしてもよい。
さらに、乾電池や充電式電池等を内蔵したコードレスタイプのハンドピースとしてもよい。
【0037】
上記接着剤5は、本実施形態では、紫外線硬化型接着剤5とされており、上記模様層12と同様の紫外線で硬化する爪用化粧品であり、無色透明のクリアソフトジェルとしている。このように、接着剤を、爪用化粧品であるクリアソフトジェルとすることで、爪等への影響も少なく、また、取り扱い性にも優れる。
尚、接着剤5としては、樹脂層10に形成された凹部4にダイヤモンド2を接着できるものであれば、紫外線硬化型の接着剤に限られず、他の爪用接着剤(グルー)や、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系等どのようなものでもよいが、透光性のものとすることが好ましい。
【0038】
上記紫外線硬化型接着剤5を硬化させる紫外線照射装置7は、図5(b)に示すように、本実施形態では、円筒状の紫外線ライトとしているが、これに限らず、紫外線を照射する紫外線ライトであればどのようなものでもよい。例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、半導体レーザ、エキシマランプ、LED等の適用が可能であるが、その他、適宜、公知の紫外線光源の適用が可能である。このような紫外線光源は、手指等への紫外線の影響が少ないものとすることが好ましい。
【0039】
上記位置決めフィルム6は、図3及び図11に示すように、薄状の樹脂や紙、繊維等からなるフィルムであり、その裏面には、粘着剤が塗布されており、台紙(不図示)等から剥がして、人工爪1の表面の所望位置に貼着される。
この位置決めフィルム6は、図11(a)〜(c)に示すように、ダイヤモンド2のガードル部22の外周径Gdと略同径とされた円62,60,63と、これら各円の円心62a,60a,63aとが描かれている。
このように、該位置決めフィルム6には、ダイヤモンド2のガードル部22の外周径Gdと略同径とされた円62,60,63と、これら各円の円心62a,60a,63aとが描かれているので、後記するように人工爪1にダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせたすり鉢状の凹部4を回転式切削工具3により形成する際に、位置決めフィルム6が目安となり、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせた凹部4を、確実かつ容易に形成できる。また、該位置決めフィルム6を人工爪1に貼着することで、ダイヤモンド2を取付けたい位置の位置決めを容易にできるとともに、出来上がり状態を予測できる。
【0040】
図11(a)では、比較的小さいダイヤモンド2Cのガードル部22の外周径Gd1と略同径とされた円62が描かれた位置決めフィルム6Cを示し、図11(b)では、中程度の大きさとされたダイヤモンド2Aのガードル部22の外周径Gd2と略同径とされた円60が描かれた位置決めフィルム6Aを示し、図11(c)では、比較的大きいダイヤモンド2Eのガードル部22の外周径Gd3と略同径とされた円63が描かれた位置決めフィルム6Eを示している。すなわち、異なる大きさとされた複数のダイヤモンド2C,2A,2Eの大きさに合わせて、それぞれ形成された複数枚の位置決めフィルム6としている。このように、ダイヤモンド2の大きさに合わせて形成した複数枚の位置決めフィルム6を用意することで、大きさの異なる複数のダイヤモンド2を取付けるための凹部4を容易に形成できるとともに、趣向に応じて所望位置に貼着することで、出来上がり状態を予測できる。
また、図11(d)では、予め爪形状に形成された位置決めフィルム6Dを図示しており、この位置決めフィルム6Dには、大きさの異なる複数の円60,61,62及びこれら円の円心60a,61a,62aが描かれている。このように一枚の爪形状の位置決めフィルム6Dとすることで取り扱い性が良い。
【0041】
尚、上記位置決めフィルム6の形状は、図例のものに限られず、どのような形状としてもよい。また、図11(d)のように爪形状に形成したものとせず、一枚のフィルムに複数の円及び円心が描かれたフィルムとしてもよい。
また、上記位置決めフィルム6に描かれた円は、後記するように凹部4を形成して接着剤5を塗布して嵌め込まれるダイヤモンド2のガードル部22の径Gdよりも接着層の厚さを加味して、その径をやや大きくするようにしてもよい。
【0042】
次に、本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法について、図2〜図5に基づいて説明する。
まず、図2(a)に示すように、手指Fの自爪Nにアクリル層11を形成する。
このアクリル層11は、上記したように、自爪Nの上面及び自爪Nの先端から適宜、延出させて形成されている。
尚、上記アクリル層11を形成する際には、適宜、アクリル層11を確実に定着させるために、自爪Nの表面をファイル等によりファイリングして、プライマー剤等を塗布してから形成するようにしてもよい。あるいは、ファイリング、プライマー剤を塗布せずに、上記したソフトジェルやハードジェルを塗布してからアクリル層11を形成するようにしてもよい。また、自爪Nの先端から延出させて形成するために、ネイルフォーム等を先端部分に取付けて形成するようにしてもよい。
【0043】
次いで、図2(b)に示すように、アクリル層11の上面に模様層12を形成する。
この模様層12は、上記したように紫外線で硬化するカラーソフトジェルとされているので、塗布後、紫外線照射装置7(図5(b)参照)で硬化させる。尚、表面の未硬化分をエタノール等で拭き取るようにしてもよい。
次いで、図2(c)に示すように、上記模様層12の上面に透明層13を形成する。
この透明層13も上記模様層12と同様、紫外線硬化型のクリアハードジェルとされているので、塗布後、紫外線照射装置7で硬化させ、表面の未硬化分をエタノール等で拭き取るようにしてもよい。
これにより、上記樹脂層10が形成される。
上記のように、軟質の模様層12の上に硬質の透明層13を形成することで、後記するように、凹部4を形成する際に、凹部4の表面側周縁部をシャープに形成できる。
また、上記のように、凹部4を形成する前に、模様層12を形成することで、凹部4を形成した後や、ダイヤモンド2を該凹部4に取付けた後に、模様層を形成する場合と比べて、作業性が良い。
【0044】
次いで、図3(a)に示すように、取付けたいダイヤモンド2の大きさに応じた位置決めフィルム6を、人工爪1の上面の所望の位置に貼着する。図3(a)では、3種類の異なる大きさの円60,61,62と、これら円の円心60a,61a,62aとがそれぞれ描かれた位置決めフィルム6A,6B,6Cを貼着した例を示している。
次いで、図3(b)に示すように、回転式切削工具3の切削部31の先端を、位置決めフィルム6Aの円心60aに位置合わせして切削する。この際、位置決めフィルム6Aに描かれた円60に切削部31の周面が至るまで切削するようにする。また、同様にして、他の位置決めフィルム6B,6Cが貼着された箇所を切削する。
【0045】
上記のように回転式切削工具3により切削することで、図4(a)、(b)に示すように、凹部4が樹脂層10に形成される。この凹部4は、ダイヤモンド2のパビリオン部21と略同形状とされたすり鉢状とされている。すなわち、この凹部4の表面側周縁部から凹部4の底部までの深さがダイヤモンド2のパビリオン部21の深さPdと略同じ深さとされるとともに、この凹部4の上周縁の径がダイヤモンド2のガードル部22の外周径Gdと略同径とされたすり鉢状とされている。
本実施形態では、比較的大粒のダイヤモンド2A(図1参照)のパビリオン部21の形状に合わせて形成された凹部4Aと、中程度の大きさとされたダイヤモンド2B(図1参照)のパビリオン部21の形状に合わせて形成された凹部4Bと、比較的小粒のダイヤモンド2C(図1参照)のパビリオン部21の形状に合わせて形成された凹部4Cとを形成した例を示している。
尚、各位置決めフィルム6A,6B,6Cの余白部位は、凹部4の形成後にエタノール等で拭き取り除去するようにしてもよい。
【0046】
上記のように形成された凹部4に、図5(a)に示すように、紫外線硬化型接着剤5を塗布し、ダイヤモンド2のパビリオン部21を嵌め込む。この状態では、ダイヤモンド2のパビリオン部21は、凹部4に埋没し、クラウン部20が人工爪1の表面側に露出した状態となる。
次いで、図5(b)に示すように、紫外線照射装置7により紫外線を照射し、紫外線硬化型接着剤5を硬化させて、ダイヤモンド2を人工爪1の凹部4に完全に固着させる。ダイヤモンド2は、透光性であるので、上記紫外線照射装置7から照射された紫外線が透過し、紫外線硬化型接着剤5を確実に硬化させることができる。
【0047】
以上の工程を経て、図1に示すように、複数個のダイヤモンド2A,2B,2Cが人工爪1に取付けられ、人工爪1の装飾がなされる。
尚、硬化後、表面側に残っている未硬化の紫外線硬化型接着剤5をエタノール等で拭き取るようにしてもよい。
また、上記のようにダイヤモンド2を固着させた後に、人工爪1の上面全体にトップコートやクリアコート等を塗布するようにしてもよい。これにより、ダイヤモンド2をより強力に固着させることができる。
さらに、上記のように装飾された人工爪1及び、該人工爪1に取付けられたダイヤモンド2を除去する際には、透明層13をファイル等で削って除去し、アセトン等の除去溶剤に人工爪1を浸し、軟化させて人工爪1及びダイヤモンド2を除去するようにすればよい。このように本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法によれば、ダイヤモンド2を容易に人工爪1から除去でき、再利用できる。
【0048】
以上のように、本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法によれば、下部のパビリオン部21が略逆円錐状とされたダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせて形成したすり鉢状の凹部4に、紫外線硬化型接着剤5を塗布して、凹部4にダイヤモンド2のパビリオン部21を嵌め込み接着するようにしているので、確実かつ見栄え良く、ダイヤモンド2を人工爪1に固定することができる。
すなわち、ダイヤモンド2を嵌め込むための凹部4を、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせて形成しているので、凹部4にダイヤモンド2を嵌め込む際に、ダイヤモンド2が傾いて嵌め込まれるようなことがなく、確実かつ見栄え良く、ダイヤモンド2を人工爪1に取付けることができる。従って、ダイヤモンド2のパビリオン部21が表面側に露出して衣服等に引っ掛かったり、剥がれ易くなったりすることがない。また、ダイヤモンド2のテーブル面20aが人工爪1の取付けられている部位近傍表面と略平行となるように取付けられるので、ダイヤモンド2が本来有する輝きを最大限に発揮できる。
また、ダイヤモンド2を嵌め込むための凹部4を、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせて形成しているので、ダイヤモンド2のパビリオン部21と形成した凹部4との間に不必要な隙間等が生じることがない。
【0049】
さらに、本実施形態では、凹部4を、合成樹脂材を主材とする爪用化粧品を自爪Nに塗布して形成した樹脂層10に形成するようにしているので、樹脂層10の厚さをダイヤモンド2の大きさ(パビリオン部21の深さ及び接着層)に合わせて調整し、凹部4を形成することで、比較的大粒のダイヤモンド2のパビリオン部21を凹部4に嵌め込む事も可能となる。
また、本実施形態では、上記凹部4を、ダイヤモンド2のパビリオン部21と略同形状とされた略逆円錐状の切削部31を有した回転式切削工具3で形成するようにしているので、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせた凹部4を容易に形成できる。すなわち、人工爪1の表面に対して垂直に切削部31を押し当てるようにして、深さを調整しながら切削するようにすることで、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせた凹部4を確実かつ容易に形成できる。
【0050】
さらに、本実施形態では、凹部4を形成する前に、人工爪1の表面の所望位置に、大きさの異なるダイヤモンド2のガードル部22の外周径Gdとそれぞれ略同径とされた円60,61,62及び該円の円心60a,61a,62aが描かれた位置決めフィルム6A,6B,6Cを貼着し、位置決めフィルム6に対して回転式切削工具3を位置合わせして凹部4を形成するようにしているので、位置決めフィルム6が目安となり、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせた凹部4を、より確実かつ容易に形成できる。すなわち、位置決めフィルム6の円心60a,61a,62aに回転式切削工具3の先端部を位置合わせして、深さを調整しながら上記円60,61,62の内側を切削することで、容易にパビリオン部21と略同形状のすり鉢状の凹部4を形成できる。
【0051】
また、狭小なアートスペースである人工爪1の表面の所望の位置に、上記のように複数枚の位置決めフィルム6A,6B,6Cを貼着することで、ダイヤモンド2を取付けたい位置の位置決めを容易にできるとともに、出来上がり状態を予測できる。
特に、本実施形態のように、大きさの異なるダイヤモンド2A,2B,2Cを、人工爪1に取付ける際には、出来上がり状態を予測して所望の位置に凹部4を形成することが困難であり、例えば、所望の位置よりも互いに近接或いは離間した位置に複数の凹部を形成してしまうような恐れもあるが、大きさの異なるダイヤモンド2に合わせて上記のように複数枚の位置決めフィルム6を用意して、所望の位置に貼着することで、出来上がり状態を予測できるとともに、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせた凹部4を確実かつ容易に形成できる。
さらに、位置決め用の目印を形成するには、ダイヤモンド2のガードル径と略同径の孔が形成された台紙等を人工爪1の表面に当てて、鉛筆等でなぞることにより、位置決め用の目印を形成することも考えられるが、煩雑な作業となる。本実施形態によれば、上記のようにシール状(ステッカー状)の位置決めフィルム6A,6B,6Cを貼着するだけで、ダイヤモンド2を取付けたい位置の位置決め等が容易となり、作業性が高められる。
【0052】
また、本実施形態では、接着剤を、紫外線硬化型接着剤5としているので、例えば、揮発物質等を含む速乾性接着剤等のような異臭が生じることがなく、また、自然乾燥により硬化する接着剤等と比べて、比較的早くかつ確実に硬化させることができる。
また、紫外線を照射するまでは硬化しないため、ダイヤモンド2のパビリオン部21を凹部4に嵌め込んだ際に、最終的な位置合わせを行え、ダイヤモンド2を人工爪1に確実かつ見栄え良く取付けることができる。
【0053】
尚、本実施形態では、位置決めフィルム6を貼着した後に、切削部31がダイヤモンド2のパビリオン部21と略同形状とされた回転式切削工具3により凹部4を形成する例を示したが、これに限らず、切削部の正面視における下端部の角度θ2が、上記切削部31よりも鋭角とされた回転式切削工具により形成するようにしてもよい。このような切削工具によっても位置決めフィルム6の円心に先端部を位置合わせして、深さを調整しながら、描かれた円に沿って切削することで、容易にすり鉢状の凹部4を形成できる。
また、位置決めフィルム6を貼着せずに、上記回転式切削工具3により凹部4を切削深さを調整しながら形成するようにしてもよい。あるいは、位置決めフィルム6を貼着せずに、別形状とされた上記した切削工具により、すり鉢状の凹部4を形成するようにしてもよい。このような場合は、徐々に凹部4を形成するようにして、取付けたいダイヤモンド2を嵌め込んで形状を確認しながら形成するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、手指Fの人工爪1にダイヤモンド2を取付けて装飾した例を示したが、足指の爪に樹脂層10を形成して、凹部4を形成し、ダイヤモンド2を取付けることも可能である。
【0054】
次に、本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法の他例を図6及び図7に基づいて説明する。
尚、上記した例と同様の構成及び工程については、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略に説明する。
図6(a)に示す例では、凹部4Dの形状が上記例と異なる。すなわち、本変形例では、凹部4Dを、取付けるダイヤモンド2のパビリオン部21よりもやや大きく形成し、クラウン部20の一部が凹部4Dに埋没するように、凹部4Dを形成している。
【0055】
また、図6(b)に示す例では、凹部4Eを、上記凹部4Dよりも更にやや大きく形成して、クラウン部20のテーブル面20aと人工爪1の表面とが略面一となるように、凹部4Eを形成している。
このように、いずれの凹部4D,4Eもダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせてすり鉢状に形成されているが、やや大きく形成することで、クラウン部20の周面に紫外線硬化型接着剤5による接着層が形成され、より強固かつ確実にダイヤモンド2の固着がなされる。
【0056】
また、図7(a)に示す例では、凹部4Fを人工爪1Aの延出部位に形成するようにしており、かつ、人工爪1Aの樹脂層10Aを貫通するようにして凹部4Fを形成している。すなわち、ダイヤモンド2を、凹部4Fに嵌め込み取付けた状態では、ダイヤモンド2のパビリオン部21の下端部が、人工爪1Aの裏面から突出する構成とされている。
このような構成としても樹脂層10Aに形成された凹部4Fは、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせたすり鉢状とされているので、ダイヤモンド2を確実かつ見栄え良く取付けられる。また、樹脂層10Aのアクリル層11Aを貫通させて凹部4Fを形成しているので、アクリル槽11A及び樹脂層10Aを薄く形成できる。
【0057】
また、図7(b)に示す例では、自爪Nの上に上記したような樹脂層10を形成せず、自爪Nに直接、凹部4Gを形成した例を示している。この場合は、自爪Nの延出部分、すなわち、爪床と接していない爪甲部位に凹部4Gを貫通させるようにして形成すればよい。
この例でも上記図7(a)と同様、ダイヤモンド2を、凹部4Gに嵌め込み取付けた状態では、ダイヤモンド2のパビリオン部21の下端部が、自爪Nの裏面から突出する構成とされている。
このように自爪Nにも比較的小さいダイヤモンド2Dであれば本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法により取付け可能である。
尚、上記したいずれの例においても少なくともダイヤモンド2のパビリオン部21が爪N又は人工爪1,1Aの表面側に突出しないよう凹部を形成すればよい。
【0058】
次に、本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法を用いて装飾された人工爪の他例を図8に基づいて説明する。
尚、上記した例と同様の構成及び工程については、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略に説明する。
本例の人工爪1Bは、ネイルチップ(付け爪)Tの上面に上記同様の樹脂層10を形成して構成されている。
このネイルチップTは、合成樹脂材等で爪形状に合わせて形成されており、爪用接着剤(グルー)等で自爪に接着して着脱可能に取付けられるものである。
本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法では、このようなネイルチップTにも上記同様に樹脂層10を形成し、凹部4を形成して、ダイヤモンド2を取付け可能である。
尚、ネイルチップTに樹脂層10を形成せずに、ネイルチップTを人工爪と把握して、該ネイルチップTに直接、凹部を形成し、ダイヤモンドを取付けるようにしてもよい。このような場合には、比較的厚く形成されたネイルチップTに凹部4を形成し、ダイヤモンド2を取付けるようにしてもよい。
【0059】
次に、本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法に用いられる回転式切削工具の他例を図12〜図14に基づいて説明する。
図12(a)、(b)は、いずれも本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法に用いられる回転式切削工具の他例を示し、(a)は、概略正面図、(b)は、概略底面図、図13(a)、(b)は、いずれも本実施形態に係る爪又は人工爪の装飾方法に用いられる回転式切削工具の更に他例を示し、(a)は、概略正面図、(b)は、(a)におけるY−Y線矢視概略拡大一部破断図、図14(a)、(b)は、いずれも同回転式切削工具の他例を示す概略正面図である。
尚、上記した回転式切削工具3と同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略に説明する。
【0060】
図12に示す例では、回転式切削工具3Aは、上記回転式切削工具3とは、切削部31Aの構成が異なる。
上記切削部31Aは、その外周に複数の位置決めライン34(34a,34b,34c,34d)を形成している。
これら位置決めライン34は、略同形状で大きさの異なる複数のダイヤモンド2C,2A,2Eのそれぞれのパビリオン部21の深さPd1,Pd2,Pd3に合わせた位置に形成されている。
また、本実施形態では、上記した凹部4に塗布される紫外線硬化型接着剤5により形成される接着層の厚さTaを加味した位置に上記位置決めライン34を形成するようにしている。
【0061】
上記のような位置決めライン34の形成は、各位置決めライン34が視認できる程度に離間させて形成し、例えば、複数本の回転式切削工具3Aによって、種々の大きさとされたダイヤモンド2のパビリオン部21の深さPdに合わせた位置決めライン34を構成するようにしてもよい。つまり、例えば、一方の回転式切削工具3Aには、0.01カラット、0.1カラット及び1.0カラットの大きさとされたそれぞれのダイヤモンド2のパビリオン部21の深さPdに合わせて位置決めライン34を形成し、他方の回転式切削工具3Aには、0.005カラット、0.05カラット及び0.5カラットの大きさとされたそれぞれのダイヤモンド2のパビリオン部21の深さPdに合わせて位置決めライン34を形成する、という具合に複数本の回転式切削工具3Aによって、異なる大きさとされたダイヤモンド2に対応可能なようにしてもよい。
【0062】
このように各ダイヤモンド2C,2A,2Eのパビリオン部21の深さPd1,Pd2,Pd3に合わせた位置に位置決めライン34を形成した回転式切削工具3Aによれば、異なる大きさとされた各ダイヤモンド2の大きさに合わせた凹部4を容易に形成できる工具となる。すなわち、該位置決めライン34を目安に凹部4を形成できるので、凹部4を深くし過ぎたり、大きく形成し過ぎたりすることを低減できる工具となる。
また、このように位置決めライン34を形成した回転式切削工具3Aとすることで、凹部4を形成する際に、人工爪1の表面と位置決めライン34とが平行となるように調整しながら容易に切削できる。すなわち、人工爪1の表面に対して垂直下方に凹部4を容易に形成できる工具となる。
【0063】
尚、本例では、接着層の厚さTaを加味して切削部31Aに位置決めライン34を形成した例を示しているが、接着層の厚さは、通常、比較的薄いので、この厚さTaを無視して位置決めライン34を形成するようにしてもよい。
また、本例では、位置決めライン34は、それぞれのダイヤモンド2のガードル部22の外周径と略同形状の円を、切削部31Aの周面に描くようにして形成したものを例示しているが、これに限らず、切削部31Aの周面のパビリオン部21の深さPdに合わせた位置に点等を描いて、切削部31Aが回転することにより位置決めライン34が形成されるようなものとしてもよい。
【0064】
図13及び図14に示す例では、上記回転式切削工具3Aの切削部31Aに、更に規制部材を備えた例を示している。
規制部材35は、上記凹部4を形成する際に、凹部4の深さを規制するためのものであって、ダイヤモンド2のパビリオン部21の深さPdに合わせて形成されている。
詳しくは、規制部材35は、図13(b)に示すように、中空の略円筒状に形成されており、該中空内面35cの上部には、内方に向けて突出するようにしてフランジ部35dが周設されており、該中空内面35cの下部には、切削部31Aの形状に合わせたテーパ面とされたテーパ部35bが形成されている。この規制部材35は、回転式切削工具3Aに取付けられた状態では、上記フランジ部35d及びテーパ部35bが回転式切削工具3Aの切削部31Aの周面及び円錐台状部33の周面にそれぞれ当接して規制されている。
【0065】
また、この規制部材35の下面35aは、回転式切削工具3Aに取付けられた状態で、切削部31Aの先端部からダイヤモンド2Eのパビリオン部21の深さPd3(図12(a)参照)に合わせた高さとなるよう構成されている。換言すれば、規制部材35の下面35aからは、ダイヤモンド2Eのパビリオン部21と略同寸同大とされた切削部31Aの一部が下方に向けて突出するように露出する構成とされている。
この下面35aが規制面となり、切削部31Aにより凹部4を形成する際に、凹部4の深さの規制がなされる。
【0066】
また、上記規制部材35は、本例では、ゴム等の弾性部材で形成されており、回転式切削工具3Aの切削部31Aの先端から嵌め込むことで、弾性変形を伴い着脱可能に取付けられる構成とされている。このように、弾性部材で規制部材35を形成することで、人工爪1の表面に、規制部材35の下面35aが当接するまで切削した際にも人工爪1の表面に傷等が付くような事を防止できる。
尚、図14(a)では、下面36aが切削部31Aの先端部からダイヤモンド2Aのパビリオン部21の深さPd2(図12(a)参照)に合わせた高さとなるよう構成された規制部材36を回転式切削工具3Aに取付けた例を示している。
また、図14(b)では、下面37aが切削部31Aの先端部からダイヤモンド2Cのパビリオン部21の深さPd1(図12(a)参照)に合わせた高さとなるよう構成された規制部材37を回転式切削工具3Aに取付けた例を示している。
【0067】
このように、ダイヤモンド2のパビリオン部21の深さPdに合わせて形成された規制部材35,36,37を設けた回転式切削工具3Aとすることで、上記のように凹部4を形成する際に、凹部4を深く形成し過ぎたり、大きく形成し過ぎたりすることを効果的に防止でき、ダイヤモンド2のパビリオン部21の形状に合わせた凹部4を、より確実かつ容易に形成できる。また、凹部4を深く形成し過ぎることを防止できるので、安全面においても優れた工具となる。すなわち、上記各規制部材35,36,37のそれぞれ下面35a,36a,37aが人工爪1の表面に当接するまで切削するようにすれば、各ダイヤモンド2E,2A,2Cの各パビリオン部21の形状に合わせた凹部4を容易かつ確実に、また、安全に形成できる。
また、本例のように、異なる大きさのダイヤモンド2に合わせて複数の規制部材35,36,37を用意して、回転式切削工具3Aに着脱可能に取付けるようにすることで、一つの回転式切削工具3Aで、異なる大きさのダイヤモンド2に合わせて種々の大きさの凹部4を容易に形成できる。また、回転式切削工具3Aが磨耗等により使用できなくなった場合にも規制部材35,36,37は、繰り返し使用することができる。
【0068】
尚、規制部材35,36,37の形状は、図例のものに限られず、回転式切削工具3Aの形状に合わせて形成すればよい。
また、規制部材は、ゴム等ではなく、弾性変形可能な軟質の合成樹脂材等で形成するようにしてもよい。
さらに、位置決めライン34を形成していない上記回転式切削工具3に上記規制部材を取付けるようにしてもよい。
さらにまた、本例では、回転式切削工具3Aに対して着脱可能とされた規制部材を例示しているが、着脱不能とされたものや、切削部と一体的に形成されたものとしてもよい。このような場合には、複数の回転式切削工具のそれぞれに、異なる大きさのダイヤモンド2のパビリオン部21の深さPdに合わせた位置に規制部材をそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0069】
また、上記規制部材は、上記のように規制部材の下面が人工爪1の表面に当接して凹部4の深さを規制するものに限らず、例えば、最大限短縮された状態で、各ダイヤモンド2のパビリオン部21の深さPdに合わせた位置に停止する構成とされた圧縮バネ等を、上記回転式ハンドピース80のチャック部81aに取付けたり、あるいは、回転式切削工具3Aに取付けたりするようにしてもよい。このような場合は、上記圧縮バネが圧縮されて停止するまで回転式切削工具の切削部により人工爪1を切削するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】(a)、(b)は、いずれも本発明に係る爪又は人工爪の装飾方法の一実施形態を用いて装飾された人工爪の一例を示し、(a)は、概略平面図、(b)は、(a)におけるX1−X1線矢視概略拡大縦断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、いずれも同装飾方法を説明するための説明図であり、図1(b)に対応させた概略拡大縦断面図である。
【図3】(a)、(b)は、いずれも同装飾方法を説明するための説明図であり、(a)は、図1(a)に対応させた概略平面図、(b)は、図1(b)に対応させた概略拡大縦断面図である。
【図4】(a)、(b)は、いずれも同装飾方法を説明するための説明図であり、(a)は、図1(a)に対応させた概略平面図、(b)は、図1(b)に対応させた概略拡大縦断面図である。
【図5】(a)、(b)は、いずれも同装飾方法を説明するための説明図であり、図1(b)に対応させた概略拡大縦断面図である。
【図6】(a)、(b)は、いずれも同装飾方法の変形例を説明するための説明図であり、図1(b)に対応させた概略拡大縦断面図である。
【図7】(a)、(b)は、いずれも同装飾方法の他の変形例を説明するための説明図であり、図1(b)に対応させた概略拡大縦断面図である。
【図8】(a)、(b)は、いずれも同装飾方法を用いて装飾された人工爪の他例を示し、(a)は、概略平面図、(b)は、(a)におけるX2−X2線矢視概略拡大縦断面図である。
【図9】(a)は、同装飾方法に用いられる宝石の一例を示す概略正面図、(b)は、本発明に係る爪又は人工爪用回転式切削工具の一実施形態を示す概略正面図である。
【図10】本発明に係る爪又は人工爪用回転式ハンドピースの一実施形態を示す概略正面図である。
【図11】(a)〜(d)は、いずれも本発明に係る爪又は人工爪用貼着フィルムの一実施形態を示す概略平面図である。
【図12】(a)、(b)は、いずれも本発明に係る爪又は人工爪用回転式切削工具の他の実施形態を示し、(a)は、概略正面図、(b)は、概略底面図である。
【図13】(a)、(b)は、いずれも本発明に係る爪又は人工爪用回転式切削工具の更に他の実施形態を示し、(a)は、概略正面図、(b)は、(a)におけるY−Y線矢視概略拡大一部破断図である。
【図14】(a)、(b)は、いずれも同実施形態に係る爪又は人工爪用回転式切削工具の他例を示す概略正面図である。
【符号の説明】
【0071】
1,1A,1B,T 人工爪
N 爪
10 樹脂層
2,2A,2B,2C,2D,2E ダイヤモンド(宝石)
21 パビリオン部(宝石の下部)
22 ガードル部(パビリオン部の上端周縁部)
3 回転式切削工具(爪又は人工爪用回転式切削工具)
30 軸部
31 切削部
34,34a,34b,34c,34d 位置決めライン
35,36,37 規制部材
4,4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G 凹部
5 紫外線硬化型接着剤(接着剤)
6,6A,6B,6C,6D,6E 位置決めフィルム(爪又は人工爪用貼着フィルム)
60,61,62,63 円
60a,61a,62a,63a 円心
7 紫外線照射装置
80 回転式ハンドピース(爪又は人工爪用回転式ハンドピース)
81 ヘッド部
82 把持部
83 マイクロモータ(駆動源)
Gd,Gd1,Gd2,Gd3 ガードル部の外周径(パビリオン部の上端周縁部の外周径)
Pd,Pd1,Pd2,Pd3 パビリオン部の深さ(宝石の下部の深さ)
【出願人】 【識別番号】508094776
【氏名又は名称】戸田 千恵
【出願日】 平成20年3月28日(2008.3.28)
【代理人】 【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行

【識別番号】100143926
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 公敏
【公開番号】 特開2009−233291(P2009−233291A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−86977(P2008−86977)