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【発明の名称】 果実の種抜き装置
【発明者】 【氏名】岡坂 武
【氏名】平野 俊夫
【課題】種の向きを水平の方向に変化させることなく種抜きができるとともに、果実の実を歩留まりよく得ることのできる果実の種抜き装置が望まれている。

【解決手段】種抜き装置1は、下向きに縮径するテーパ状内周面17を有し該テーパ状内周面17上に果実Aを支持する筒状受体16と、筒状受体16の下方位置に配備されていて、板中央部から径方向に放射状に延びる複数のスリットを有するゴム板15と、筒状受体16の筒開口部36を通過可能に上下駆動する棒体8とを備えてなり、筒状受体16のテーパ状内周面17上に載置された果実Aを棒体8が下向きに貫通して種Tを取り出し、更にゴム板15のスリットを通過させる構成にしてある。また、筒状受体16のテーパ状内周面17上に載置された果実Aを上方から押える上部押え部材11を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下向きに縮径するテーパ状内周面を有し該テーパ状内周面上に果実を支持する筒状受体と、筒状受体の下方位置に配備されていて、板中央部から径方向に放射状に延びる複数のスリットを有するゴム板と、筒状受体の筒内を通過可能に上下駆動する棒体とを備えてなり、筒状受体のテーパ状内周面上に載置された果実を棒体が下向きに貫通して種を取り出し、更にゴム板のスリットを通過させるように構成されていることを特徴とする果実の種抜き装置。
【請求項2】
筒状受体のテーパ状内周面上に載置された果実を上方から押える上部押え部材を備え、該上部押え部材に、棒体を上下挿通自在の棒挿通穴が形成されている請求項1に記載の果実の種抜き装置。
【請求項3】
筒状受体およびゴム板が、それぞれ、水平方向に合体離間自在の2つの分割部材で構成されている請求項1または請求項2に記載の果実の種抜き装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば梅や桃などの果実の種を抜き取る種抜き装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンビニエンスストアなどで販売される弁当類には、種抜きの塩付け梅が付けられていることが多い。この種抜き梅は食品加工場でパートタイマーなどにより、種が手指、箸、フォークなどで抜き取られているのが実情である。この場合、種に付随している果肉も回収したいが、果肉を種から削ぎ落とすのは大変な作業であり、しかも取扱い数量が極めて多い。そのために、確実な種抜き作業の機械化が嘱望されていた。
そこで、下記の特許文献1に種抜き装置が提案されている。この種抜き装置は、基盤に形成された種落下穴を被うようにゴム板が設置され、ゴム板はリング部材により基盤に固定されている。そして、ゴム板は板中央部から半径方向に放射状に延びる3つのスリットが形成されており、ゴム板の上方には上下駆動する3本一体の棒体が配備されている。
この種抜き装置では、ゴム板上に直に載置した果実に向けて3本の棒体を下降させると、棒体の先端が果実の上面から果実内に貫入して種を押下し、種をゴム板間のスリットを通過させて取り出すようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−299310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した種抜き装置において、比較的柔らかい塩漬け梅などは棒体からの押下力を受けると形状が扁平になり、それに伴って内部の種が水平方向に寝てしまう。このような状態で更に種を押下すると、種が果肉を多量に圧潰しながら果皮を打ち破る。その結果、果実の形状を著しく破壊して商品価値を低下させるとともに、果実から多量の果肉が離脱するという問題がある。一方、三方に分かれるゴム板は押下力を受けたときに下向きに容易に曲がってスリットが大きく広がる。そのため、棒体で押下された種は簡単にスリットを通過するので、通過の際にゴム板のスリット縁部で強くしごくことができず、種から十分に果肉を削ぎ取れない。これにより、種に同伴する果肉の量が急増して歩留まりが低下するという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、種の向きを水平の方向に変化させることなく種抜きができるとともに、果実の実を歩留まりよく得ることのできる果実の種抜き装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る果実の種抜き装置は、下向きに縮径するテーパ状内周面を有し該テーパ状内周面上に果実を支持する筒状受体と、筒状受体の下方位置に配備されていて、板中央部から径方向に放射状に延びる複数のスリットを有するゴム板と、筒状受体の筒内を通過可能に上下駆動する棒体とを備えてなり、筒状受体のテーパ状内周面上に載置された果実を棒体が下向きに貫通して種を取り出し、更にゴム板のスリットを通過させるように構成してある。
【0007】
また、前記構成において、筒状受体のテーパ状内周面上に載置された果実を上方から押える上部押え部材を備え、該上部押え部材に、棒体を上下挿通自在の棒挿通穴が形成されているものである。
【0008】
そして、前記した各構成において、筒状受体およびゴム板が、それぞれ、水平方向に合体離間自在の2つの分割部材で構成されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る果実の種抜き装置によれば、下向きに縮径するテーパ状内周面上に果実が載置されるので、果実が棒体からの押下力を受けても、果実は扁平になることなく極力もとの形に保持される。従って、種Tはもとの向きから大きく変化しない。一方で、テーパ状内周面上に載置されたときの種の向きが鉛直から幾分傾いていたとしても、棒体の押下により種の下端はテーパ状内周面に案内されて、種の姿勢が鉛直方向に近づこうとする。従って、種は起立した姿勢で果実から取り出されるから、取り出し時の抵抗が小さくて済み、種に付随する果肉の量も少なくなる。また、ゴム板は果実を支持する必要がなく、種に付随している果肉を削ぎ落とす役割に専念できるので、果肉を歩留りよく回収することができる。
【0010】
また、上部押え部材を備えるものでは、上部押さえ部材により果実の上面を押さえつけた状態で種抜き動作が行なわれるので、種抜き動作の途中で種の向きが変わりにくい。これにより、途中で種の向きが水平に変わった場合のように、種が果実の果肉を多量に圧潰し果実の形状を著しく破壊して商品価値を低下させるといったことがない。
【0011】
そして、筒状受体およびゴム板が、それぞれ、水平方向に合体離間自在の2つの分割部材で構成されているものでは、筒状受体およびゴム板を合体状態にして種抜き操作が行なわれる。一方、筒状受体の2つの分割部材およびゴム板の2つの分割部材を離間させることにより、分割部材間に生じた離間開口から種抜き果実および果肉を容易に取り出せるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係る果実の種抜き装置の一部断面を含む正面図、図2は前記種抜き装置の側面図、図3は前記種抜き装置の要部を示す部分平面図である。
各図において、この実施形態に係る種抜き装置1は、下面が開口した矩形箱状の基盤2と、基盤2の平板部2Aの上面に前後摺動自在に配備された種抜きユニット3と、基盤2の平板部2A上に立設された左右の支柱4,4と、支柱4,4の上部間に架設された上部フレーム5と、上部フレーム5の上面に設置されたエアシリンダ6と、エアシリンダ6のピストンロッド(図示省略)下端の連結部材7に連結された下向きの棒体8と、上部フレーム5の背面に垂設された支持部材35に取り付けられたエアシリンダ9と、エアシリンダ9のピストンロッド(図示省略)下端に連結された支持部材10と、支持部材10の先端に取り付けられた上部押え部材11と、支柱4,4の上面に設置された操作部12とを備えている。
【0013】
基盤2の平板部2Aにおいて、その平面中央部に長円状の実落下穴22が上下貫通して形成され、実落下穴22の後方位置には円形の種落下穴21が上下貫通して形成されている。種落下穴21の左右外側位置には、前後に長い1対の長溝23A,23Aが上下貫通して形成されている。また、実落下穴22の左右外側位置には、前後に長い1対の長溝23B,23Bが上下貫通して形成されている。長溝23Aと長溝23Bは同軸心上に並べて配置されている。平板部2A上面における長溝23A,23A,23B,23Bの左右外側位置には、前後に長い1対のガイド部材24,24が前後方向に配置されて固設されている。これらのガイド部材24,24における長溝23寄りの側面の下部には、ガイド溝25,25が前後方向に沿って形成されている。平板部2Aの後端部には、種抜きユニット3の後端と当接して種抜きユニット3を所定停止位置で停止させるストッパ26が固設されている。平板部2Aのストッパ26の近傍位置には、種抜きユニット3が所定停止位置に停止していることを検知するセンサ28が配備されている。このセンサ28は、種抜きユニット3の後部に突設された検出端27の近接により、種抜きユニット3が所定停止位置に在ることを検知する。尚、種抜きユニット3の所定停止位置とは、後述する分割ユニット13Aの分割受体16Aと分割ユニット13Bの分割受体16Bとが合体して筒状受体16を成した状態で、筒状受体16の筒開口部36が基盤2の種落下穴21の真上となる位置のことである。
【0014】
前記した上部押え部材11は外観が釣鐘状に形成されている。上部押え部材11には、棒体8を挿通自在の棒挿通穴37が上下貫通して形成されている。上部押え部材11の下面は、下向きに拡開する押え面11Aとなっている。この上部押え部材11の上向きに陥入した押え面11Aが、前記筒状受体16のテーパ状内周面17上に載置された果実Aを上方から押えるようになっている。棒体8の下面も、種Tの尖端を捉えやすくするために、下向きに拡開するテーパ穴8Aが形成されている。また、筒状受体16の筒開口部36は上下駆動する棒体8および果実Aの種Tを通過可能な大きさに形成されている。因みに、筒開口部36の内径を種Tの長径の60%以下にすると、通過する種Tが鉛直に立ちやすくなる。
【0015】
そして、前記の種抜きユニット3は、図3〜5に示すように、基盤2の平板部2A上で後側に配置される分割ユニット13Aと、前側に配置される分割ユニット13Bとから構成されている。分割ユニット13Aは、平板部2A上に摺動自在に設置される平面矩形状のスライド板14Aと、スライド板14A上に設置された平面半円形状の分割ゴム板15A(ゴム板15の分割部材)と、更に分割ゴム板15A上に設置された平面半円形状の分割受体16A(筒状受体16の分割部材)とから構成されている。これらの分割受体16A、分割ゴム板15A、およびスライド板14Aはボルトなどで一体に固定される。分割受体16Aおよび分割ゴム板15Aは、それぞれの円弧部が後側となる向きに配置されている。また、スライド板14Aの下面には、長溝23,23に前後移動可能に通される1対の脚部19A,19Aが垂設されている。
【0016】
分割ユニット13Bは、平板部2A上に摺動自在に設置される平面矩形状のスライド板14Bと、スライド板14B上に設置された平面半円形状の分割ゴム板15B(ゴム板15の分割部材)と、更に分割ゴム板15B上に設置された平面半円形状の分割受体16B(筒状受体16の分割部材)とから構成されている。これらの分割受体16B、分割ゴム板15B、およびスライド板14Bはボルトなどで一体に固定される。分割受体16Bおよび分割ゴム板15Bは、それぞれの円弧部が前側となる向きに配置されている。また、スライド板14Bの下面には、長溝23,23に前後移動可能に通される1対の脚部19B,19Bが垂設されている。スライド板14Bの上面には、スライド板14Bを前方に引き寄せるための把手18が立設されている。そして、分割ユニット13Aの脚部19A,19Aと分割ユニット13Bの脚部19B,19Bとの間には、コイルバネ20,20が張架されている。これらのコイルバネ20,20は、分割ユニット13Aと分割ユニット13Bとを互いに密接する方向に弾性付勢している。
【0017】
前述した分割ユニット13Aと分割ユニット13Bは、前後方向に合体・離間自在に構成されている。これらの分割ユニット13Aと分割ユニット13Bが合体した状態において、分割受体16Aと分割受体16Bとから筒状受体16が構成される。筒状受体16は、上向きに拡開するテーパ状内周面17を有する竪型円筒状を成す。テーパ状内周面17上には、後述する果実Aが載置・支持される。筒状受体16におけるテーパ状内周面17の下方位置には筒開口部36が生じ、筒開口部36の下方に分割ゴム板15A,15Bの一部が見えている。
【0018】
一方、分割ゴム板15A,15Bは、図6(a)に示すように、平面半円形状に形成されており、円弧中心部(点C)から半径方向外向きに延びるスリット30を有している。分割ゴム板15A,15Bの外周縁部にはボルト挿通穴34,34,34が穿設されている。分割ゴム板15A,15Bの弦部の側面は端面33,33となっている。スリット30をはさむ両側は種Tをしごくための舌片部32,32となっている。これらの分割ゴム板15A,15Bの素材は特に限定されないが、ここでは例えばウレタンゴムを使用してある。そして、前記した分割ユニット13Aと分割ユニット13Bの合体状態において、分割ゴム板15Aと分割ゴム板15Bとからゴム板15が構成される。この場合、合体した分割ゴム板15Aと分割ゴム板15Bの、対面する端面33,33間がスリット30(図4参照)の役目を果たす。すなわち、合体状態のゴム板15には、板中央部(図4中の点C)から半径方向外向きに放射状に延びる4つのスリット30,30,30,30が形成される。
【0019】
そして、合体状態の筒状受体16の筒開口部36の下方位置において、スライド板14Aとスライド板14Bとの間には、上下貫通する貫通穴29が生じている。スライド板14A,14Bは左右幅寸法が等しく、いずれも左右のガイド部材24,24のガイド溝25,25内に前後摺動自在に装着されている。また、操作部12は、外部から操作するための操作スイッチ、マイコンなどで構成される制御部、設定内容や制御状態を表示する表示部などを備えている。
【0020】
上記のように構成された種抜き装置1の作用を次に説明する。この場合、図3および図7(a)に示すように、分割ユニット13Aと分割ユニット13Bが合体状態であって、筒状受体16が種落下穴21よりも前方位置にあり、エアシリンダ6,9の作動により棒体8および上部押え部材11が筒状受体16の上方に退避している状態から説明する。この種抜き装置1が適用される果実Aとしては種有り果実であれば特に限定されないが、例えば塩漬け梅が挙げられる。特に、取り出しにくい細長い種を有する果実に対してこの種抜き装置1は好適に適用される。
まず、作業者は、図7(a)に示すように、筒状受体16のテーパ状内周面17上に果実Aを載置する。このとき、種Tができるだけ起立した姿勢となるように果実Aを配置する。次に、把手18を持って種抜きユニット3を後方に押し込むと、分割ユニット13Aの後端がストッパ26に当接し、検出端27の到着がセンサ28により検知される。これにより、種抜きユニット3が所定停止位置にあること、すなわち筒状受体16が種落下穴21の真上位置にあることが検知される。そこで、操作部12の制御部がエアシリンダ9を駆動して上部押え部材11を下降させる。すると、図7(b)に示すように、上部押え部材11の押え面11Aが果実Aの上面を押えてその姿勢に保持する。
【0021】
続いて、操作部12の制御部はエアシリンダ6を駆動して棒体8を下降させ、図7(c)に示すように、果実Aに下向きに貫通させる。このとき、果実Aは、下向きに狭まるテーパ状内周面17上に載置されているので、棒体8により押下されてもテーパ状内周面17の内面形状に規制されるから全体が扁平にならない。また、前記したテーパ状内周面17上に果実Aが載置されていることと、上部押え部材11でしっかり押えられていることとの相乗作用により、棒体8による押し下げ動作を受けても種Tの向きが変わることがない。従って、下向きに移動する棒体8のテーパ穴8Aが種Tの尖端を捉えて種Tを果実Aから確実に取り出すことができる。棒体8により果実Aから押し出された種Tは、筒状受体16の筒開口部36を通過する。更に、種Tは、ゴム板15の舌片部32,32,32,32を押し曲げながら、舌片部32,32,32,32および拡がったスリット30,30,30,30間を通過する。このとき、種Tの周りに付いていた果肉は舌片部32,32,32,32により削ぎ取られてゴム板15上に残る。ゴム板15を通過した種Tは、スライド板14A,14Bの貫通穴29および基盤2の種落下穴21を通って基盤2内に用意された種受皿(図示省略)に収容される。
【0022】
従って、この種抜き装置1によれば、果実Aが下向きに狭まるテーパ状内周面17上に載置されるので、果実Aを極力もとの形に保ちながら、種Tを抜き取ることができ、商品価値の高い種抜き果実を得ることができる。また、上部押さえ部材11により果実Aの上面が押さえつけられた状態で種抜き動作が行なわれるので、種抜き動作の途中で種Tの向きが変わることがない。これにより、途中で種Tの向きが例えば水平に変わった場合のように、種Tが果実Aの果肉を多量に圧潰し果実Aの形状を著しく破壊して商品価値を低下させるということがない。また、種Tに付随して果実Aから取り出される果肉の量も少なくすることができる。
【0023】
更には、種取出し時に果実Aを受ける役割を筒状受体16が担い、ゴム板15は種Tに付随している果肉を削ぎ落とす役割を担うので、果実Aの保持のために、舌片部32,32,32,32が大きく撓むということがない。これにより、大量の果肉を種Tに付随させたまま、ゴム板15を通過させるといったことがなく、舌片部32,32,32,32が種Tから果肉を確実に削ぎ落とす。その結果、取り出された果肉を含めた実の歩留まりを向上化させることができる。
【0024】
尚、この種抜き装置1によれば、種Tが鉛直方向から例えば40度程度まで傾いた姿勢で果実Aが筒状受体16上に載置されても、筒状受体16のテーパ状内周面17は下向きに狭くなっているので、棒体8による押下に伴って種Tの下端がテーパ状内周面17のテーパ面に沿って摺動し鉛直方向に近づくように姿勢が変わる。これにより、種Tが、筒開口部36、ゴム板15、貫通穴29を通過できるのである。
【0025】
前記した棒体8の下降による種抜き動作が終了したのち、操作部12は棒体8および上部押え部材11を共に上方退避位置まで上昇させる。そこで、作業者が把手18を持って手前(前方)に引くと、図8(a)に示すように、種抜きユニット3全体が前方に移動する。そのうち、分割ユニット13Aの脚部19A,19Aが長溝21Aの前端に当接し、種抜きユニット3の前方移動が規制される。このとき、筒状受体16は実落下穴22の真上位置にある。
【0026】
そこから更に把手18を引くと、図8(b)および図5に示すように、スライド板14Bに対する引張力がコイルバネ20のバネ力に打ち克って、分割ユニット13Bを分割ユニット13Aから前方に離間させる。これにより、分割受体16Bおよび分割ゴム板15Bが、分割受体16Aおよび分割ゴム板15Aから引き離されて、実落下穴22の上方が開口する。そこで、作業者は、圧搾エアーを噴射させることにより、テーパ状内周面17上の果実Aおよび分割ゴム板15A,15B上の果肉を実落下穴22から落として、基盤2内の実受皿(図示省略)に収容するのである。
【0027】
次に、本発明の別の実施形態に係る種抜きシステムを図9および図10に示す。各図に示した種抜きシステムYでは、既述した種抜き装置1が、例えば4本の脚を有するテーブル台40上に設置されている。尚、種抜き装置1の基盤2は平板状に形成されている。種抜き装置1のスライド板14Bの脚部19Bbは既述した脚部19Bよりも長く形成されている。脚部19Bbには水平方向の軸46が突設されている。また、把手18の替わりに、後述するハンドルレバー47が使用される。そして、基盤2の種落下穴21の直下位置にあるテーブル台40の適所には、種受けシュート52が取り付けられている。基盤2の実落下穴22の直下位置にあるテーブル台40の適所には、実受けシュート53が取り付けられている。また、テーブル台40の対向する脚間には、横桟41,41が架け渡されている。各横桟41には、回動軸43を回動自在に軸支する軸受42がそれぞれ設置されている。
【0028】
種受けシュート52の両側方にはアーム44,44が配置されており、これらのアーム44,44の下端部は回動軸43に固設されている。回動軸43には、手で操作されるハンドルレバー47も固設されている。各アーム44の上端部には、アーム軸方向に長い軸穴45が形成されている。この軸穴45に脚部19Bbの軸46が移動自在に挿通されることにより、アーム44,44と前記した脚部19Bb,19Bbとが連結される。そして、エアポンプ(図示省略)の吐出側に連結されたエアー配管50の途中に、メカニカルバルブ48が配備されている。このメカニカルバルブ48は通常は閉弁してエアーの流通を止めているが、ハンドルレバー47の端部がメカニカルバルブ48のスプールに当接すると、開弁してエアーを通すようになっている。エアー配管50の先端にはノズル51が配備されている。ノズル51は基盤2の実落下穴22の上方に配備されていて、そのエアー噴出し方向が実落下穴22を向くように配置されている。
【0029】
上記のように構成された種抜きシステムYでは、種受けシュート52の下方に種受け容器54が置かれ、実受けシュート53の下方に実受け容器55が置かれる。そして、作業者は種抜きシステムYの前で椅子に座って作業を行なう。まず、種抜き装置1の筒状受体16内に果実Aを載置し、ハンドルレバー47を持ち上げると、アーム44が揺動して種抜きユニット3を後方に移動させる。そして、種抜きユニット3の後端がストッパ26に当接し、検出端27の到着がセンサ28により検知される。すると、操作部12は上部押え部材11を下降させて果実Aを押えたのち、棒体8を下降させ果実Aに貫通させて種Tを抜くのである。抜き取られた種Tは種落下穴21を通り種受けシュート52を経て種受け容器54に収容される。
【0030】
次に、作業者がハンドルレバー47を押し下げると、種抜きユニット3全体が前方に移動する。そのうち、分割ユニット13Aの脚部19A,19Aが長溝21Aの前端に当接し、種抜きユニット3の前方移動が規制される。このとき、筒状受体16は実落下穴22の真上位置にある。そこから更にハンドルレバー47を引くと、分割ユニット13Bが分割ユニット13Aから前方に離間する。これにより、分割受体16Bおよび分割ゴム板15Bが、分割受体16Aおよび分割ゴム板15Aから引き離されて、実落下穴22の上方が開口する。このとき、ハンドルレバー47の端部がスプールに当接してメカニカルバルブ48が開弁する。これにより、圧搾エアーがノズル51から実落下穴22に向かって吹き付けられて、分割受体16A,16B上の種が抜かれた果実Aと、分割ゴム板15A,15B上の果肉が吹き飛ばされ、実受けシュート53を経て実受け容器55に収容されるのである。
従って、この種抜きシステムYによれば、作業者が椅子に座って作業を行なうことができ、種抜き動作と、圧搾エアーによる種抜きの果実Aおよび果肉の取り出し動作とを一連で自動的に行なうことができる。
【0031】
尚、上記した各実施形態では、筒状受体16およびゴム板15を前後分割して構成することにより、種Tを抜いた果実Aとゴム板15上に残った果肉を取り出しやすくするようにしたが、本発明の種抜き装置はそれに限定されるものでなく、例えば、2つの分割受体の部分を完全に一体化させて、連続面であるテーパ状内周面を有する筒状受体と、図6(b)に示したような1枚物のゴム板15Cとを用いて種抜き装置を構成しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る果実の種抜き装置の一部断面を含む正面図である。
【図2】前記種抜き装置の側面図である。
【図3】前記種抜き装置の要部を示す部分平面図である。
【図4】前記種抜き装置の種抜きユニットの底面図である。
【図5】前記種抜きユニットの側断面図である。
【図6】前記種抜き装置のゴム板を示す図であって、(a)は分割ゴム板の平面図、(b)は一体型のゴム板の平面図である。
【図7】前記種抜き装置により果実から種を抜く動作を示す図であって、(a)は筒状受体に果実を載置した態様の部分正断面図、(b)は果実の上面を上部押え部材で押えた態様の部分正断面図、(c)は果実に棒体を貫通させて種を取り出した態様の部分正断面図である。
【図8】種を取り出した後の種抜きユニットの動作を示す図であって、(a)は種抜きユニット全体を移動させて筒状受体を実落下穴の上方に配置させた状態の部分平面図、(b)は果実の実を実落下穴に落とすために筒状受体を離間させた状態の部分平面図である。
【図9】本発明の別の実施形態に係る果実の種抜き装置の一部断面を含む正面図である。
【図10】前記別の実施形態に係る種抜き装置の一部断面を含む側面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 種抜き装置
2 基盤
3 種抜きユニット
6 エアシリンダ
8 棒体
9 エアシリンダ
11 上部押え部材
13A,13B 分割ユニット
14A,14B スライド板
15,15C ゴム板
15A,15B 分割ゴム板(分割部材)
16 筒状受体
16A,16B 分割受体(分割部材)
17 テーパ状内周面
36 筒開口部
37 棒挿通穴
A 果実
C 点
T 種
Y 種抜きシステム
【出願人】 【識別番号】591249552
【氏名又は名称】株式会社メイワ
【出願日】 平成20年4月11日(2008.4.11)
【代理人】 【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
【公開番号】 特開2009−247328(P2009−247328A)
【公開日】 平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願番号】 特願2008−103186(P2008−103186)