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【発明の名称】 冷凍すり身用品質改良剤、冷凍すり身および冷凍すり身の製造方法
【発明者】 【氏名】北上 誠一
【氏名】山川 晃弘
【課題】リン酸塩や重合リン酸塩を使用しない、冷凍すり身用品質改良剤、品質が改良された冷凍すり身および該冷凍すり身の製造方法を提供すること。

【解決手段】アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類を含有する、冷凍すり身用品質改良剤を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類を含有する、冷凍すり身用品質改良剤。
【請求項2】
アルギニン1重量部に対して、クエン酸アルカリ塩を1.875〜25重量部および糖類を3.75〜2000重量部含有する、請求項1記載の冷凍すり身用品質改良剤。
【請求項3】
クエン酸アルカリ塩が、クエン酸三ナトリウムおよび/またはクエン酸三カリウムである、請求項1または2記載の冷凍すり身用品質改良剤。
【請求項4】
糖類が、ショ糖および/またはソルビトールである、請求項1〜3いずれかに記載の冷凍すり身用品質改良剤。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載の品質改良剤が添加されている冷凍すり身。
【請求項6】
脱水魚肉に、アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類を含有させてなる冷凍すり身。
【請求項7】
脱水魚肉100重量部に対して、アルギニンを0.02〜0.08重量部、クエン酸アルカリ塩を0.15〜0.5重量部および糖類を0.3〜40重量部含有させてなる、冷凍すり身。
【請求項8】
pHが7.5未満である請求項5〜7いずれかに記載の冷凍すり身。
【請求項9】
請求項1〜4いずれかに記載の冷凍すり身用品質改良剤を脱水魚肉に添加混合した後、凍結することを含む、冷凍すり身の製造方法。
【請求項10】
脱水魚肉100重量部に対して、アルギニンを0.02〜0.08重量部、クエン酸アルカリ塩を0.15〜0.5重量部および糖類を0.3〜40重量部添加混合した後、凍結することを含む、冷凍すり身の製造方法。
【請求項11】
凍結時の温度が−20℃以下である請求項9または10記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍すり身用品質改良剤、品質が改良された冷凍すり身およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍すり身は、従来、スケトウダラなどの魚肉を1〜数回清水により水晒しを行い、必要に応じてリファイナーにより黒皮などを除き、スクリュープレスによって脱水し、得られた脱水魚肉に糖または糖アルコールおよび重合リン酸塩を添加混合した後、これを凍結することによって製造されていた。
【0003】
このように、従来から一般的な冷凍すり身は、重合リン酸塩や糖類を添加することによってすり身の冷凍変性や保水性を改善しており、重合リン酸塩を添加した冷凍すり身から製造された蒲鉾等の練り製品は、弾力が改善されることが知られている。
【0004】
しかしながら、近年、リンの過剰摂取によるカルシウムの吸収阻害が懸念され、加工食品に添加されるリン酸塩や重合リン酸塩の低減が望まれる傾向にある。この傾向は、魚肉の冷凍すり身においても同様であり、重合リン酸塩を含有しない冷凍すり身への要望が強くなっている。
【0005】
これまでに、リンを含有しない冷凍すり身として以下のもの等が提案されている。
特許文献1には、冷凍前のすり身に炭酸塩や重炭酸塩を添加し、pHを7.5未満に調整した後に凍結する方法が提案されている。該方法によれば、凍結によるタンパク質の冷凍変性や離水の発生をある程度抑制することが可能となるものの、十分とは言えなかった。また、このようなすり身を使用して製造された練り製品は、リン酸塩を使用して製造されたものに比べ弾力の点で劣るものであった。
【0006】
特許文献2には重合リン酸塩に代えて、塩基性アミノ酸と炭酸塩を使用する方法が提案されている。該方法によれば、足形成能のすぐれた冷凍すり身を製造することができる反面、練製品を製造した際の色調が劣る傾向にあった。
【0007】
上記のとおり、従来提案されていた重合リン酸塩を含有しない冷凍すり身においては、重合リン酸塩を用いて製造した冷凍すり身に比べ、冷凍変性抑制効果や保水性・色調の点で劣っていた。また、重合リン酸塩を含有しないすり身を使用して製造された蒲鉾等の練り製品は、弾力に劣るものであった。
【特許文献1】特開昭62−130667号公報
【特許文献2】特開2004−350666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、リン酸塩や重合リン酸塩を使用しない、冷凍すり身用品質改良剤、品質が改良された冷凍すり身および該冷凍すり身の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、冷凍すり身の製造工程において、従来用いられていた重合リン酸塩に代えて、塩基性アミノ酸の1種であるアルギニン、クエン酸アルカリ塩、および糖類を添加混合することにより、重合リン酸塩を添加した冷凍すり身と同等の冷凍変性抑制効果および保水性を有する冷凍すり身が得られること、及びこの冷凍すり身を用いて製造された練り製品は弾力・色調に優れることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち本発明は、アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類を含有する、冷凍すり身用品質改良剤(以下、単に品質改良剤と称する)を提供する。本発明の品質改良剤は、好ましくは、アルギニン1重量部に対して、クエン酸アルカリ塩を1.875〜25重量部および糖類を3.75〜2000重量部含有する。
【0011】
本発明の品質改良剤において、クエン酸アルカリ塩は、好ましくはクエン酸三ナトリウムおよび/またはクエン酸三カリウムであり、糖類は、好ましくはショ糖および/またはソルビトールである。
【0012】
本発明はまた、本発明の上記品質改良剤が添加されている冷凍すり身を提供する。本発明はまた、脱水魚肉100重量部に対して、アルギニンを0.02〜0.08重量部、クエン酸アルカリ塩を0.15〜0.5重量部および糖類を0.3〜40重量部含有させてなる冷凍すり身を提供する。本発明の冷凍すり身は、好ましくはpHが7.5未満である。
【0013】
本発明はさらに、上記の品質改良剤を脱水魚肉に添加混合した後、凍結することを含む、冷凍すり身の製造方法を提供する。本発明はまた、脱水魚肉100重量部に対して、アルギニンを0.02〜0.08重量部、クエン酸アルカリ塩を0.15〜0.5重量部および糖類を0.3〜40重量部添加混合した後、凍結することを含む、冷凍すり身の製造方法も提供する。本発明の冷凍すり身の製造方法において、凍結時の温度は好ましくは−20℃以下である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書および特許請求の範囲において、「脱水魚肉」とは、魚肉を1〜数回清水により水晒しを行い、必要に応じてリファイナーにより黒皮などを除き、スクリュープレスによって脱水し、得られた魚肉であって、その水分が70重量%以上のものをいう。
【0015】
本明細書および特許請求の範囲において、「すり身」とは、上記の「脱水魚肉」に、所望により、アルギニン、クエン酸アルカリ塩、糖類およびその他の成分を添加混合したものをいう。また、「すり身」を−20℃〜−80℃で冷凍したものを「冷凍すり身」という。
【0016】
本発明の品質改良剤は、アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類を混合して含む粉末として提供するのが好ましいが、液体として提供してもよい。
【0017】
本発明の品質改良剤の調製には特別な操作は必要なく、各成分(アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類)を混合すればよいが、デキストリン等の賦形剤と混合しても、またはこれら賦形剤と共に顆粒や錠剤としてもよい。さらに本発明の品質改良剤は、水、エタノールなどの溶媒中に液体として提供してもよい。
【0018】
本発明の品質改良剤において、アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類の他に含んでいてもよい成分としては、食塩、食品用界面活性剤、油脂類、日持ち向上剤、保存料等が挙げられる。また、液体として提供する場合はpHは6〜9程度とするのが好ましい。
【0019】
本発明の品質改良剤に用いるアルギニンとしては、食品添加用に市販されているアルギニンであればいずれを用いてもよい。また、アルギニンを含有する食品添加用製剤(ただし、リン酸塩や重合リン酸塩等のリン成分を含有するものは除く)も使用可能である。また、アルギニンは魚類白子から得られるプロタミンを分解したものであってもよい。
【0020】
本発明の品質改良剤において、アルギニンの重量部は、単体としてのアルギニンの重量に基づき、アルギニンを含有する食品添加用製剤などのアルギニン以外の成分を含有する材料を用いる場合は、アルギニンの重量部は、その中に含まれるアルギニンの重量に換算する。
【0021】
本発明の品質改良剤に用いるクエン酸アルカリ塩も食品添加用に市販されているものであればいずれを用いてもよい。クエン酸アルカリ塩としては、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸カルシウム等が挙げられる。その中でもクエン酸三ナトリウムおよびクエン酸三カリウムが溶解性の点で好ましく、クエン酸三ナトリウムが吸湿性およびコストの点でより好ましい。これらクエン酸アルカリ塩は2種以上を併用してもよい。
【0022】
本発明の品質改良剤におけるクエン酸アルカリ塩の割合は、アルギニン1重量部に対し、1.875〜25重量部が好ましく、2〜15重量部がより好ましく、2.3〜10重量部がさらに好ましい。1.875重量部未満の場合、ドリップ発生率が上昇する傾向があり、25重量部を超えるとゼリー強度が低下する傾向がある。
【0023】
本発明の品質改良剤はさらに糖類を含有する。使用可能な糖類としては、ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖、乳糖、ソルビトール、マルチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、トレハロース等が例示される。その中でもショ糖、ソルビトールが好ましい糖類として挙げられる。これら糖類は2種以上を併用しても良く、特にショ糖およびソルビトールの併用が好ましい。
【0024】
本発明の品質改良剤における糖類の割合は、アルギニン1重量部に対し、3.75〜2000重量部が好ましく、10〜1000重量部がより好ましく、50〜500重量部がさらに好ましい。3.75重量部未満の場合、冷凍変性抑制効果が低下する傾向にあり、2000重量部を超える場合、甘味が強くなり過ぎ、官能的に問題となる傾向がある。
【0025】
本発明はまた、上記の本発明の品質改良剤が添加されている冷凍すり身を提供する。本発明の冷凍すり身はまた、本発明の品質改良剤を添加して含有させたものの他、アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類が個別に添加されたものであってもよい。アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類を個別に添加する場合、脱水魚肉100重量部に対して、アルギニンを0.02〜0.08重量部、クエン酸アルカリ塩を0.15〜0.5重量部、糖類を0.3〜40重量部含有させるよう添加するのが好ましい。
【0026】
即ち、本発明の冷凍すり身は、好ましくは、脱水魚肉100重量部に対して、アルギニンを0.02〜0.08重量部、クエン酸アルカリ塩を0.15〜0.5重量部、糖類を0.3〜40重量部含有する。本発明の冷凍すり身は、脱水魚肉100重量部に対して、アルギニンを0.022〜0.077重量部、クエン酸アルカリ塩を0.154〜0.33重量部、糖類を0.77〜22重量部含有するものがより好ましく、アルギニンを0.025〜0.07重量部、クエン酸アルカリ塩を0.161〜0.25重量部、糖類を3.5〜12.5重量部含有するものがさらに好ましい。
【0027】
アルギニンの割合が0.02重量部未満の場合、製造した練り製品の弾力が低下する傾向にあり、クエン酸アルカリ塩の割合が0.15重量部未満の場合、保水性が低下する傾向にあり、糖類の割合が0.3重量部未満の場合、冷凍変性抑制効果が低下する傾向がある。また、アルギニンの割合が0.08重量部を超える場合、製造した練り製品の色調が悪化する傾向にあり、クエン酸アルカリ塩の割合が0.5重量部を超える場合、製造した練り製品の弾力が低下する傾向にあり、糖類の割合が40重量部を超える場合には製造した練り製品の味質に悪影響を及ぼす傾向がある。
【0028】
本発明の冷凍すり身においては、解凍ドリップの発生が抑制されたものとなるが、解凍ドリップの発生率は2%未満が好ましく、1.5%未満がより好ましく、1%未満がさらに好ましい。
【0029】
また、本発明の冷凍すり身のpHは7.5未満であるものが好ましく、pH7.45未満であるのがより好ましく、pH7.4未満であるのがより好ましい。pHが7.5を超える場合、着色や弾力低下が起こりやすい傾向がある。
【0030】
さらに本発明の冷凍すり身には、食塩、食品用界面活性剤、油脂類、日持ち向上剤、保存料等の成分を含有させても良い。食品用界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびこれらの混合物等が例示される。油脂類としては、菜種油、大豆油、綿実油、米ぬ油、コーン油、パーム油、オリーブ油、落下生油などの植物性油脂、牛油、豚油、魚油などの動物性油脂等が例示される。日持ち向上剤としては、グリシン、酢酸ナトリウム等が例示される。保存料としては、ソルビン酸等が例示される。
【0031】
本発明はまた、冷凍すり身の製造方法も提供する。かかる方法は、本発明の品質改良剤を脱水魚肉に添加混合した後、凍結することを含む。しかし、本発明においては、あらかじめ調製した本発明の品質改良剤を脱水魚肉へ適用する態様の他、アルギニン、クエン酸アルカリ塩および糖類を個別に脱水魚肉へ適用する態様、あるいは液状またはスラリー状の糖類にアルギニンおよびクエン酸アルカリ塩を溶解あるいは分散させた後、脱水魚肉に適用する態様も含むものとする。
【0032】
本発明のさらなる冷凍すり身の製造方法は、脱水魚肉100重量部に対して、アルギニンを0.02〜0.08重量部、クエン酸アルカリ塩を0.15〜0.5重量部および糖類を0.3〜40重量部添加混合した後、凍結することを含む。即ち、脱水魚肉100重量部に対して、アルギニンの割合が0.02〜0.08重量部、クエン酸アルカリ塩の割合が0.15〜0.5重量部、糖類の割合が0.3〜40重量部となるように各成分を添加する。アルギニンの割合が0.022〜0.077重量部、クエン酸アルカリ塩の割合が0.154〜0.33重量部、糖類の割合が0.77〜22重量部となるように添加するのがより好ましく、アルギニンの割合が0.025〜0.07重量部、クエン酸アルカリ塩の割合が0.161〜0.25重量部、糖類の割合が3.5〜12.5重量部となるように添加するのがさらに好ましい。
【0033】
アルギニンの割合が0.02重量部未満の場合、製造した練り製品の弾力が低下する傾向にあり、クエン酸アルカリ塩の割合が0.15重量部未満の場合、保水性が低下する傾向にあり、糖類の割合が0.3重量部未満の場合、冷凍変性抑制効果が低下する傾向がある。また、アルギニンの割合が0.08重量部を超える場合、製造した練り製品の色調が悪化する傾向にあり、クエン酸アルカリ塩の割合が0.5重量部を超える場合、製造した練り製品の弾力が低下する傾向にあり、糖類の割合が40重量部を超える場合には製造した練り製品の味質に悪影響を及ぼす傾向がある。
【0034】
本発明の冷凍すり身の製造方法においては、まず、本発明の品質改良剤を脱水魚肉に添加混合、または各成分を個別に脱水魚肉に添加混合する。次いで、すり身を凍結工程に供するが、その際の温度は−20℃以下が好ましく、−30℃以下がより好ましく、−40℃以下がより好ましい。凍結温度が−20℃より高い場合、3〜6ヶ月間経過後の冷凍すり身の白度が低下したり、製造した練り製品の弾力が低下する傾向にある。
【0035】
本発明を適用し得る魚肉は、スケトウダラ、ホッケ、イワシ、サバ、サンマ、タチウオ、ハモ、カレイ、アジ、メルルーサ、ホキ、ミナミダラ、パシフィックホワイティング、イトヨリ、グチ、エソ等が例示される。またこれらの混合肉にも適用可能である。
【0036】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0037】
実施例1〜5および比較例1〜5
冷凍すり身の解凍ドリップ発生率の測定
方法:各試験区毎にスケトウダラの脱水魚肉(水分含量84.0重量%)10kgに対して表1に示す製剤を全量添加した後、擂潰機で10分間混合して、スケトウダラのすり身を製造した。次に製造したすり身をポリエチレン製の袋に2kgずつ充填し、コンタクトフリーザーにて中心温度が−20℃になるまで凍結して冷凍すり身とし、その後−20℃の冷凍庫にて6ヶ月間保管した。6ヶ月経過後にそれぞれサンプリングし、解凍後の冷凍すり身のpHをpHメーターにて測定した後、冷凍すり身の解凍ドリップ発生率を測定した。
【0038】
冷凍すり身の水分は、冷凍すり身10gを105℃の乾燥器内で20時間乾燥させた際の乾燥減量を水分量とした。
【0039】
また、解凍ドリップ発生率は、冷凍すり身50gを解凍し、これをステンレス製の円筒(内径:35mm、長さ:150mm、底面に3mm間隔に直径1.5mmの穴を21個設けたもの)に入れ、直径34mmの加圧用円柱棒で、1kg(加圧用円柱棒の重量も含む)の荷重を加え、20分間静置した後、円筒の底面から滴下した液汁重量を測定し、下記計算式により算出した。
解凍ドリップ発生率(%)=(液汁重量)/(冷凍すり身重量) ×100
【0040】
結果:結果を表2に示す。
【0041】
蒲鉾の弾力および色調(白色度)の測定
方法:上記解凍ドリップの測定試験で製造した6ヶ月間保管後の冷凍すり身を用いて、直加熱蒲鉾(無坐り蒲鉾)および二段加熱蒲鉾(坐り蒲鉾)を製造した。蒲鉾は、冷凍すり身1.5kgをサイレントカッターで粉砕し、その後45gの食塩を加え、15分間擂潰して肉糊にした。これをスタッファーを使用して折径48mmのポリ塩化ビニリデンフィルム製チューブに充填し、結紮した。直加熱蒲鉾は、結紮後直ちに90℃で30分間加熱した。二段加熱蒲鉾は30℃の恒温水槽で2時間坐らせた後、90℃で30分間加熱した。直加熱蒲鉾、二段加熱蒲鉾共に加熱処理後は直ちに冷水に投入して十分冷却した後、室温に戻して試験に供した。
【0042】
蒲鉾の弾力は、ポリ塩化ビニリデンフィルム製チューブを取り除いた後、厚さ25mmの輪切りにし、レオメーター(不動工業製)を用いて、押し込み強度および凹みを測定し、測定値から下記計算式によりゼリー強度を算出した。測定には直径5mmの球形プランジャーを用い、押し込み速度は60mm/minとした。
蒲鉾の色調(白色度)は、上記と同様に輪切りにした蒲鉾の白色度をND−1001DP測色色差計(日本電色工業製)を用いて測定した。
ゼリー強度(g・cm)=〔押し込み強度(g)〕×〔凹み(cm)〕
【0043】
結果:結果を表2に示す。
【0044】
考察:本発明の冷凍すり身には解凍ドリップの発生は見られなかった。これに対して、比較例の冷凍すり身は解凍ドリップが発生しているものが見られた。また、本発明の冷凍すり身を用いて製造した蒲鉾は、リン酸塩を使用した蒲鉾(比較例2および3)と同等あるいはそれ以上の弾力を有しており、色調もリン酸塩を使用した蒲鉾と同程度の白色度を有していた。比較例の蒲鉾は総じて弾力が低く、顕著に着色している(白色度が低い)ものも見られた。
【0045】
【表1】


【表2】



特許の図
【出願人】 【識別番号】507422781
【氏名又は名称】全国すり身工業組合
【識別番号】000189659
【氏名又は名称】上野製薬株式会社
【出願日】 平成19年12月26日(2007.12.26)
【代理人】 【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄

【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏

【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子

【識別番号】100127638
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 美苗

【識別番号】100138911
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 陽子
【公開番号】 特開2009−153430(P2009−153430A)
【公開日】 平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願番号】 特願2007−334381(P2007−334381)