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抗菌剤 - 特開2009−149573(P2009−149573A) | j-tokkyo
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【発明の名称】 抗菌剤
【発明者】 【氏名】井上 勝久
【課題】高い抗菌活性を有し、皮膚等での刺激性が少ない抗菌剤の提供。

【解決手段】一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩からなる抗菌剤、並びにその抗菌剤を含有する抗菌組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩からなる抗菌剤。
【化1】


(式中、R1は炭素数6〜24の炭化水素基、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜24のヒドロキシ基で置換されていても良い炭化水素基、R4は炭素数1〜3のヒドロキシ基で置換されていても良い脂肪族炭化水素基、R5は炭素数1〜5のアルキレン基を示し、pは1〜3の整数、q及びrはそれぞれ独立に0〜2の整数、sは1〜3の整数で、p+q+r+s=4である。A-はアニオンを示す。)
【請求項2】
一般式(1)において、pが1で、R1が炭素数10〜22の脂肪族炭化水素基、R2及びR3がそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R4が炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R5が炭素数1〜3のアルキレン基、q及びrがそれぞれ独立に0〜2の整数、sが1である、請求項1記載の抗菌剤。
【請求項3】
一般式(1)において、pが2で、R1が炭素数8〜16の脂肪族炭化水素基、R2及びR3がそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R4が炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R5が炭素数1〜3のアルキレン基、q及びrがそれぞれ独立に0又は1、sが1である、請求項1記載の抗菌剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗菌剤を含有する抗菌組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌剤に関する。詳しくは、黄色ブドウ球菌及び大腸菌などに対して高い抗菌活性を有し、皮膚刺激性の低い抗菌剤及びそれを含有する抗菌組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
カチオン性界面活性剤は、抗菌・殺菌作用を有することから、抗菌剤、殺菌剤、消毒剤等として使用されている。例えば、医療器具類や患部の消毒剤、洗浄等の医療用洗浄剤、家庭での食器等の家庭用洗浄剤、食品工業用洗浄剤、繊維や合成樹脂、木材、日用品等の抗菌加工、シャンプー、リンス、化粧品等に広く使用されている。
【0003】
これらのように、従来から抗菌剤等として使用されているカチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルアンモニム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルキノリニウム塩等の第4級アンモニウム塩が挙げられる(例えば、非特許文献1、2等を参照)。しかしながら、これら従来の第4級アンモニウム塩は、皮膚等への刺激性が大きい、生分解性が悪い等の欠点があった。
【0004】
一方、皮膚刺激性が低く生分解性に優れるとしてアミド基を有するカチオン性界面活性剤が報告されている(特許文献1)が、抗菌性の面で必ずしも未だ十分に満足の行くレベルではなかった。
【非特許文献1】「防菌防黴ハンドブック」、技報堂出版株式会社、1986年5月25日発行、P510〜511
【非特許文献2】「新版界面活性剤ハンドブック」、工学図書株式会社、昭和62年10月1日、P538
【特許文献1】特開2004−83562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、高い抗菌活性を有し、皮膚等での刺激性が少ない抗菌剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩(以下第4級アンモニウム塩(1)という)からなる抗菌剤、並びにその抗菌剤を含有する抗菌組成物である。
【0007】
【化2】


【0008】
(式中、R1は炭素数6〜24の炭化水素基、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜24のヒドロキシ基で置換されていても良い炭化水素基、R4は炭素数1〜3のヒドロキシ基で置換されていても良い脂肪族炭化水素基、R5は炭素数1〜5のアルキレン基を示し、pは1〜3の整数、q及びrはそれぞれ独立に0〜2の整数、sは1〜3の整数で、p+q+r+s=4である。A-はアニオンを示す。)
尚、本発明の抗菌剤である第4級アンモニウム塩(1)は、抗菌、殺菌、消毒、防黴等の目的で使用され、それらを総称して抗菌剤と称することとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高い抗菌活性を有し、皮膚等での刺激性が少ない抗菌剤を提供することができる。また、第4級アンモニウム塩(1)はアミド結合を有するため生分解性に優れることから、本発明により環境安全性の高い抗菌剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第4級アンモニウム塩(1)において、pは1〜3の整数であり、製造の容易さやコスト面から、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
【0011】
1は、炭素数6〜24の炭化水素基であり、炭素数8〜22の炭化水素基が好ましく、脂肪族炭化水素基がより好ましい。さらに、pが1の場合は、R1は炭素数10〜22の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数12〜18の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数12〜18の直鎖のアルキル基が更に好ましい。pが2の場合は、R1は炭素数8〜16の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数10〜14の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数10〜14の直鎖のアルキル基が更に好ましい。
【0012】
2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜24のヒドロキシ基で置換されていても良い炭化水素基であり、炭素数1〜24のヒドロキシ基で置換されていても良い脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1又は2の直鎖のアルキル基あるいは炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0013】
4は、炭素数1〜3のヒドロキシ基で置換されていても良い脂肪族炭化水素基であり、炭素数1〜3の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1又は2の直鎖のアルキル基あるいは炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が更に好ましい。
【0014】
5は、炭素数1〜5のアルキレン基で、直鎖でも分岐鎖でも良いが、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基が更に好ましく、グリシン、アラニン又はβ−アラニンからカルボキシル基及びアミノ基を除いた残基、即ち、−CH2−,−CH(CH3)−,−CH2CH2−がより好ましい。
【0015】
q及びrはそれぞれ独立に、0〜2の整数であり、pが1の場合は0〜2の整数、pが2の場合は0又は1、pが3の場合は0である。sは、1〜3の整数であり、好ましくは1である。但し、p+q+r+s=4である。
【0016】
-は、アニオンであり、具体的にはCl-、Br-等のハロゲンイオン、メチル硫酸、エチル硫酸等のアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、メチルリン酸やエチルリン酸等のアルキルリン酸イオン、リン酸イオン、炭酸や炭酸塩のイオン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、グルタミン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸等の有機酸イオン等が挙げられる。製造の容易性及びコストの面から、Cl-、Br-、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、炭酸や炭酸塩のイオン、及び酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸から選ばれる有機酸イオンが好ましく、Cl-、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、及び酢酸、プロピオン酸、グリコール酸から選ばれる有機酸イオンがより好ましい。
【0017】
第4級アンモニウム塩(1)の製造法は、特に限定されないが、例えば以下の方法1及び2により製造することができる。
【0018】
方法1:まず対応するアルキルアミンとハロゲン化カルボン酸又はその低級アルコールエステルや酸ハライドを、場合によっては触媒を使用して反応させ、次いで対応するアミン等を反応させて反応中間体の第3級アミン又は直接に第4級アンモニウム塩(1)を得、反応中間体の第3級アミンはエタノールやイソプロピルアルコールなどの低級アルコールや水などの溶媒中で4級化剤により4級化させて第4級アンモニウム塩(1)を得る方法。
【0019】
方法2:アミノ酸又はその誘導体とアルキルアミンとを、場合によっては触媒を使用して反応させて反応中間体の第3級アミンを得、さらに反応中間体の第3級アミンを方法1と同様に4級化剤により4級化させて第4級アンモニウム塩(1)を得る方法。
【0020】
4級化剤としては、例えば、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等の硫酸ジアルキル、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド等が挙げられる。尚、アルキレンオキサイドにて4級化を行う場合は、対イオンとなる酸を添加する必要があり、酸を添加する時期は反応前や反応途中、反応後のいずれかに一括又は分割して加える。
【0021】
本発明の抗菌剤の使用方法は特に限定されず、種々の対象に適用することが可能である。例えば、抗菌処理を施したい対象物にスプレーする方法、塗布する方法、対象物に含浸させる方法、対象物を浸漬させる方法等、通常採用される方法をそのまま用いることができる。実際に抗菌処理を施す場合は、本発明の抗菌剤をそのまま使用する場合もあるが、通常は、水や水−水溶性有機溶剤で、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.01〜1質量%程度に希釈して使用する。或いは、洗浄剤や殺菌剤に含有させる抗菌成分として、これらに添加することができる。
【0022】
本発明の抗菌組成物は、本発明の抗菌剤を含有し、その用途に応じて他の成分、例えば、水溶性有機溶剤、キレート剤、界面活性剤、他の殺菌剤、増粘剤、減粘剤、pH調整剤、無機塩類、香料、着色料、パール化剤、増量剤、酵素、研磨剤、バインダー等を含有することができる。
【0023】
本発明の抗菌組成物中の本発明の抗菌剤の含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましく、0.1〜1質量%が更に好ましい。
【0024】
本発明の抗菌剤及び抗菌組成物は、抗菌、殺菌、消毒、防黴等の目的で、公知の抗菌剤、殺菌剤、消毒剤、防黴剤と同様に使用することができる。その使用態様としては、医療器具類や患部の消毒洗浄を目的とする医療用洗浄剤、食器等を殺菌洗浄する家庭用洗浄剤、食品工業用洗浄剤、容器移送コンベア用潤滑剤、食品包装フィルム、繊維、合成樹脂、木材、日用品等を抗菌加工するための抗菌剤、シャンプー、リンス、ハンドソープ、ボディーソープ、クレンジングクリーム、化粧品、衣料用柔軟剤、水性若しくは非水性塗料等に添加する方法、不織布等に含浸させてウェットティッシュ、便座クリーナー等として用いる方法等が挙げられる。繊維用抗菌剤として使用する場合は、綿、ポリエステル、アクリル、ナイロン等のあらゆる繊維について、攪拌処理、浸漬処理、スプレー処理等の一般的方法で処理すればよい。又、木材、日用品等には、表面に塗布又は噴霧、注入することもできる。又、合成樹脂等について使用する場合は、成形後に塗布若しくは噴霧することにより表面に付着させてもよいし、抗菌効果を持続させるために成形加工時等に練り込むこともできる。
【実施例】
【0025】
以下の実施例中、「%」は特に記載のない限り質量基準である。
【0026】
合成例1:第4級アンモニウム塩(1−1)の合成
攪拌機、温度計、脱水管、窒素導入管を具備した4つ口フラスコに、ファーミン20(花王(株)製)を185gとN,N−ジメチルグリシンエチルエステル157gを仕込み、触媒として28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液2モル%(3.9g)を添加して、100℃、3時間で生成するエタノールを留去しながら反応させた後、キョウワード600S(協和化学工業(株)製)を全仕込み量に対して2%添加して混合した後、濾過除去を行い、さらに過剰のN,N−ジメチルグリシンエチルエステルを留去して第3級アミン251gを得た。次いで、攪拌機、温度計を具備したオートクレーブに第3級アミン0.5モル(135g)と塩化メチル56g、溶媒の2−プロピルアルコールを全仕込み量に対して同量を仕込み、70〜90℃で3時間保持して反応を完結させた後に、溶媒を留去して、一般式(1)において、R1がn−C1225、R5が−CH2−、R2=R3=R4=メチル基、p=q=r=s=1、A-がCl-である化合物155gを得た。組成分析を1H NMRにて行った結果、第4級アンモニウム塩の純度98.6%、第3級アミン及びその塩0.9%、2−プロピルアルコール0.5%であった。
【0027】
合成例2:第4級アンモニウム塩(1−2)の合成
合成例1のファーミン20に替えて、テトラデシルアミン(東京化成工業(株)製:純度>95%)を213g使用した以外は、合成例1と同様な原料及び条件で行い、一般式(1)において、R1がn−C1429、R5が−CH2−、R2=R3=R4=メチル基、p=q=r=s=1、A-がCl-である化合物164gを得た。組成は、第4級アンモニウム塩の純度98.5%、第3級アミン及びその塩0.8%、2−プロピルアルコール0.7%であった。
【0028】
合成例3:第4級アンモニウム塩(1−3)の合成
合成例1のファーミン20に替えて、ヘキサデシルアミン(東京化成工業(株)製:純度>90%)を241g使用した以外は、合成例1と同様な原料及び条件で行い、一般式(1)において、R1がn−C1633、R5が−CH2−、R2=R3=R4=メチル基、p=q=r=s=1、A-がCl-である化合物176gを得た。組成は、第4級アンモニウム塩の純度98.0%、第3級アミン及びその塩1.2%、2−プロピルアルコール0.8%であった。
【0029】
合成例4:第4級アンモニウム塩(1−4)の合成
合成例1のファーミン20に替えて、ファーミン80(花王(株)製)を270gを使用した以外は、合成例1と同様な原料及び条件で行い、一般式(1)において、R1がn−C1837、R5が−CH2−、R2=R3=R4=メチル基、p=q=r=s=1、A-がCl-である化合物191gを得た。組成は、第4級アンモニウム塩の純度98.5%、第3級アミン及びその塩1.0%、2−プロピルアルコール0.5%であった。
【0030】
合成例5:第4級アンモニウム塩(1−5)の合成
攪拌機、温度計を具備したオートクレーブに合成例1と同様の方法で得た第3級アミン0.5モル(135g)とプロピオン酸41g、溶媒の水20g、2−プロピルアルコール200g、エチレンオキサイド44gを仕込み、60〜85℃で5時間保持して反応を完結させた。その後、溶媒を留去した後にアセトンによる晶析を行い、乾燥後、一般式(1)において、R1がn−C1225、R5が−CH2−、R2=R3=メチル基、R4がヒドロキシエチル基、p=q=r=s=1、A-がCH3CH2COO-である化合物145gを得た。組成は第4級アンモニウム塩の純度99.1%、第3級アミン及びその塩0.7%、水0.2%であった。
【0031】
合成例6:第4級アンモニウム塩(1−6)の合成
合成例5の第3級アミンに替えて、合成例3と同様の方法で得た第3級アミンを使用した以外は、合成例5と同様な原料及び条件で行い、一般式(1)において、R1がn−C1633、R5が−CH2−、R2=R3=メチル基、R4がヒドロキシエチル基、p=q=r=s=1、A-がCH3CH2COO-である化合物169gを得た。組成は第4級アンモニウム塩の純度99.2%、第3級アミン及びその塩0.6%、水0.2%であった。
【0032】
合成例7:第4級アンモニウム塩(1−7)の合成
攪拌機、温度計、脱水管、滴下ロートを具備した4つ口フラスコに、ヘキサデシルアミン(東京化成工業(株)製:純度>90%)を241g、メタノール500g、触媒として28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液3モル%(5.8g)を入れ、15〜20℃に保ちながら2−クロロプロピオン酸メチルエステル135gを1時間で滴下した後、24時間反応させた。反応後、析出してきた結晶を濾過し、さらにメタノール300gで洗浄を行い、乾燥後、対応するクロロアセトアミド271gを得た。次に、攪拌機、温度計を具備したオートクレーブに、上記のクロロアセトアミド249gとジメチルアミン169g、2−プロピルアルコール500gを入れ、50℃で10時間反応させた。反応後、48%水酸化ナトリウム水溶液61.7g、イオン交換水100gを添加した後、減圧下で過剰のジメチルアミンと溶媒を留去し、脱塩、アセトンによる晶析を行い、乾燥後、対応する第3アミン221gを得た。さらに、攪拌機、温度計を具備したオートクレーブに第3級アミン170gと塩化メチル61g、溶媒の2−プロピルアルコールを全仕込み量に対して同量を仕込み、70〜90℃で4時間保持して反応を完結させた後に溶媒を留去し、乾燥後、一般式(1)において、R1がn−C1633、R5が−CH(CH3)−、R2=R3=R4=メチル基、p=q=r=s=1、A-がCl-である化合物189gを得た。組成は第4級アンモニウム塩の純度98.3%、第3級アミン及びその塩1.5%、2−プロピルアルコール0.2%であった。
【0033】
合成例8:第4級アンモニウム塩(1−8)の合成
合成例1と同様の反応装置に、デシルアミン(和光純薬工業(株)製)157gとN−メチルイミノジ酢酸73.5gを仕込み、180℃、10時間で生成する水を留去しながら反応させた後、アセトン晶析を行い、乾燥後、対応する第3アミン201gを得た。次いで、攪拌機、温度計を具備したオートクレーブに第3級アミン0.3モル(128g)と塩化メチル18g、溶媒のエチルアルコールを全仕込み量に対して2倍量を仕込み、80〜95℃で3時間保持して反応を完結させた後に溶媒を留去し、乾燥後、一般式(1)において、R1がn−C1021、R5が−CH2−、R2=R4=メチル基、p=2、q=1、r=0、s=1、A-がCl-である化合物139gを得た。組成は第4級アンモニウム塩の純度97.5%、第3級アミン及びその塩2.1%、デシルアミン及びその塩0.1%、エチルアルコール0.3%であった。
【0034】
合成例9:第4級アンモニウム塩(1−9)の合成
合成例8のデシルアミンに替えて、ファーミン20(花王(株)製)を185g使用した以外は、合成例8と同様な原料及び条件で行い、一般式(1)において、R1がn−C1225、R5が−CH2−、R2=R4=メチル基、p=2、q=1、r=0、s=1、A-がCl-である化合物149gを得た。組成は第4級アンモニウム塩の純度97.2%、第3級アミン及びその塩2.1%、ドデシルアミン及びその塩0.3%、エチルアルコール0.4%であった。
【0035】
合成例10:第4級アンモニウム塩(1−10)の合成
合成例1と同様の反応装置に、第4級アンモニウム塩(1−8)48gとプロピオン酸Na12g、溶媒の水100gとエチルアルコール100gを仕込み、75℃で1時間攪拌後に、溶媒留去とエチルアルコール追加を繰り返して溶媒をエチルアルコールに置換した。次いで、結晶析出物をろ過除去後にエチルアルコールの留去を行い、乾燥後、一般式(1)において、R1がn−C1021、R5が−CH2−、R2=R4=メチル基、p=2、q=1、r=0、s=1、A-がCH3CH2COO-である化合物51gを得た。組成は第4級アンモニウム塩の純度97.3%、第3級アミン及びその塩2.1%、デシルアミン及びその塩0.1%、エチルアルコール0.2%、NaCl0.3%であり、A-はCl-の96%がCH3CH2COO-に置換されていた。
【0036】
合成例11:第4級アンモニウム塩(1−11)の合成
合成例10のプロピオン酸Naに替えて、酢酸Na98gを使用した以外は、合成例10と同様な原料及び条件で行い、一般式(1)において、R1がn−C1021、R5が−CH2−、R2=R4=メチル基、p=2、q=1、r=0、s=1、A-がCH3COO-である化合物49gを得た。組成は第4級アンモニウム塩の純度97.3%、第3級アミン及びその塩2.1%、デシルアミン及びその塩0.1%、エチルアルコール0.1%、NaCl0.4%であり、A-はCl-の95%がCH3COO-に置換されていた。
【0037】
実施例1〜11及び比較例1〜5
本発明の抗菌剤として、合成例1〜11で得られた第4級アンモニウム塩(1−1)〜(1−11)、比較の抗菌剤として、下記第4級アンモニウム塩(2−1)〜(2−5)を用い、下記方法で抗菌性及び皮膚刺激性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
<比較の抗菌剤>
第4級アンモニウム塩(2−1):下記式(2)において、R6がn−C1429、R2=R3=R4=メチル基、p=q=r=s=1、A-がCl-である化合物
第4級アンモニウム塩(2−2):下記式(2)において、R6がn−C1021、R2=R4=メチル基、p=2、q=1、r=0、s=1、A-がCl-である化合物
第4級アンモニウム塩(2−3):下記式(2)において、R6がn−C1429、R2=R3=メチル基、R4=ベンジル基、p=q=r=s=1、A-がCl-である化合物
第4級アンモニウム塩(2−4):下記式(2)において、R6がn−C1123CONHC36、R2=R3=R4=メチル基、p=q=r=s=1、A-がCl-である化合物
第4級アンモニウム塩(2−5):下記式(2)において、R6がn−C1123CONHC36、R2=R4=メチル基、p=2、q=1、r=0、s=1、A-がCl-である化合物
【0039】
【化3】


【0040】
<抗菌性の評価方法>
試験化合物として、表1に示す本発明の抗菌剤及び比較の抗菌剤を用い、一般的な抗菌性の評価方法であるMIC(最小発育阻止濃度)及びMBC(最小殺菌濃度)について、微量液体希釈法(参考:新訂版GMP微生物試験法2000年6月1日第1刷発行講談社)に準じて大腸菌(Escheri chia coli IFO3972)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus IFO13276)に対する抗菌性を試験した。
【0041】
滅菌済みプラスチック製セル中に培地、滅菌水、検体(試験化合物)、及び各菌を入れ、総量で200μLにした。培地は、MIC用培地としてSCD(SOYBEAN-CASEIN DIGEST BROTH)培地を用いた。菌濃度は、約2×106CFU/mL(CFU:Colony Forming Unit(集落形成単位))とした。試験化合物濃度は400、200、100、50、25、12.5、6.3、3.1、1.6、0.8、0.4、0.2ppmになるように調製した。その後、35℃で24時間培養後、菌生育のMICを濁度計で判定した。続いて、菌生育が認められないセルの内液を、試験化合物を含まないMBC用培地に移植し、同様に48時間再培養を行い、MBCを判定した。MBC用培地は、SCDLP(SOYBEAN-CASEIN DIGEST BROTH with LECITHIN & POLYSORBATE 80)培地を用いた。
MIC及びMBCの濃度が低いほど試験化合物の抗菌活性が強く、抗菌性に優れていることを示す。
【0042】
<皮膚刺激性の評価方法>
試験化合物として表1に示す本発明の抗菌剤及び比較の抗菌剤を用い、皮膚刺激性をパッチテストにより評価した。試験化合物の10%水溶液を調製し、100mgをパッチテスト用絆創膏のガーゼ部に塗布し、上腕部裏側に貼付した。48時間後に絆創膏を剥がし、3時間放置した後、目視で紅斑の有無を観察した。試験は、男女各10名について行い、以下の基準で評価を行った。
【0043】
・評価基準
A:紅斑が出た人がいなかった。
B:紅斑が出た人が1人いた。
C:紅斑が出た人が2人いた。
D:紅斑が出た人が3人以上いた。
【0044】
【表1】


【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成19年12月21日(2007.12.21)
【代理人】 【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡

【識別番号】100076680
【弁理士】
【氏名又は名称】溝部 孝彦

【識別番号】100091845
【弁理士】
【氏名又は名称】持田 信二

【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌
【公開番号】 特開2009−149573(P2009−149573A)
【公開日】 平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願番号】 特願2007−330033(P2007−330033)