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【発明の名称】 養蜂用簡便小形燻煙器
【発明者】 【氏名】石塚 和夫
【氏名】石塚 恵子
【氏名】石塚 武夫
【氏名】石塚 裕美
【課題】小形軽量であるため、気軽に携行できる上に極めて取り扱いやすく、嫌煙者、喫煙者を問わず格別の違和感をおぼえることなく簡便に使用できる養蜂用の燻煙器を提供する。

【解決手段】一端に指にて操作可能な合成樹脂弾性体からなる小形空気ポンプ(11)を有し、当該空気ポンプ(11)の空気噴出口(11a) に合成樹脂製筒部(12)を介して第1の筒体(13)が接続され、当該第1の筒体(13)の先端部内径が、少なくとも1本の煙草の吸口径に等しくされている。前記第1の筒体(13)の先端に外嵌且つ脱着可能な第2筒体(15)を更に有している。燻煙時には火の付いた紙巻き煙草又は紙巻き煙草状の燃料(14)の一端部を前記第1の筒体(13)又は第2つの筒体(15)に差し込み、指先で小形空気ポンプ(11)を押圧/解除を繰り返して、蜜蜂のいる養蜂箱の所望の箇所に向けて煙りを吹きかける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に指にて操作可能な合成樹脂弾性体からなる小型空気ポンプ(11)を有し、当該空気ポンプ(11)の空気噴出口(11a) に第1の筒体(13)が連設され、当該第1の筒体(13)の先端部内径が、少なくとも1本の紙巻き煙草又は紙巻き煙草状燃料(14)の端部径に等しくされてなることを特徴とする養蜂用簡便小形燻煙器。
【請求項2】
前記第1の筒体(13)の先端に外嵌且つ脱着可能な第2筒体(15)を更に有してなることを特徴とする請求項1記載の養蜂用簡便小形燻煙器。
【請求項3】
前記第2筒体(15)の先端の内径が、少なくとも1本以上の紙巻き煙草又は紙巻き煙草状燃料(14)の吸口径に設定されてなることを特徴とする請求項2記載の養蜂用簡便小形燻煙器。
【請求項4】
前記第1及び第2の筒体(13,15) が合成樹脂製であることを特徴とする請求項2又は3に記載の養蜂用簡便小形燻煙器。
【請求項5】
前記第1及び第2筒体(13,15) が金属製であることを特徴とする請求項2又は3に記載の養蜂用簡便小形燻煙器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は養蜂用の燻煙器に関し、特に持ち運びが容易で至極簡単に燻煙可能な小形軽量な養蜂用燻煙器に関する。
【背景技術】
【0002】
イチゴは自家受粉しないので、イチゴ農家では人の手で受粉するか、蜜蜂を用いて受粉させている。人の手による受粉は大変な労力を必要とするため、蜂蜜を使って受粉させる方式が採用されている。蜜蜂は養蜂箱に入れて飼育される。イチゴ農家でも養蜂箱を使い蜜蜂を飼育している。イチゴに受粉させるとき、農家では養蜂箱の蓋を開けて蜜蜂をビニルハウスなどのハウス内へと放す。養蜂箱の蓋や出入口を開けると蜜蜂は一斉に外に出るが、このとき蓋や出入口が突然開けられるため、蜜蜂は興奮し攻撃してくることがある。出入口を開けるこの瞬間が最も扱いに注意しなければならない。
【0003】
また、蜜蜂に問題がないかなどを確認するため、養蜂箱の蓋を開ける必要もある。このときも、前述と同様に蜜蜂は一斉に騒ぎだす。こうした蜜蜂の興奮を治めるため、通常、燻煙器が使用される。
【0004】
蜜蜂は煙りを吹きかけると、静かになり、その取り扱いがしやすくなる。燻煙器からの煙りは各種の作業を始めようとするとき同時に吹きかける。蜂蜜が静かになったところで作業を開始する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
燻煙器は、一般に市販されており、銅製かステンレス製の円筒体にふいごが取り付けられており、円筒体の上端に三角錐状の蓋が取り付けられている。円筒体の内部に麻紐や麻袋の切れ端、或いは木の葉、小枝などの植物性燃料を入れて火を付けたのち、蓋を閉めて煙噴出口を巣箱の内部或いは出入口に向け、ふいごを操作して煙噴出口から煙を吹きかける。こうした市販の燻煙器は嵩も大きく重いため、その取り扱いが面倒であり、プロの養蜂家であればともかく、蜜蜂を使って交配を行おうとする一般農家には前述の燻煙器を備えていない所も多い。
【0006】
一般のイチゴ農家などでは、人が火の付いた煙草を口に加えて、煙草の煙りを一旦吸い込み、その吸い込んだ煙を吹きかけて蜜蜂を落ちつかせている。しかるに、吸い込むか否かは別として、こうして煙草を口に加えて火を付け、その煙を吹きかけることは、嫌煙者にとっては勿論のこと、喫煙者にとっても健康上への懸念が残ることから、煙草を使うことに違和感をおぼえる人も多い。
【0007】
本発明は、このような観点にたって開発されたものであり、その目的は小形軽量であり、気軽に携行できる上に極めて取り扱いやすく、嫌煙者、喫煙者を問わず格別の違和感をおぼえることのなく簡便に使用できる養蜂用の燻煙器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的は、本発明の基本的構成である、一端に指にて操作可能な合成樹脂弾性体からなる小形空気ポンプを有し、当該空気ポンプの空気噴出口に第1の筒体が連設され、当該第1の筒体の先端部内径が、少なくとも1本の紙巻き煙草又は紙巻き煙草状燃料(以下、単に煙草等という。)の端部径に等しくされてなることを特徴とする養蜂用簡便小形燻煙器により効果的に達成される。
【0009】
更に、前記第1の筒体の先端に外嵌且つ脱着可能な第2筒体を有してもよく、その場合、前記第2筒体の先端の内径が、少なくとも1本以上の煙草等の端部径に設定されていることが望ましい。前記第1及び第2筒体は合成樹脂製であっても、或いは金属製であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記構成を備えることにより、煙草等を吸って吸い込んだ煙を蜜蜂に吹きかける方式と比較すると遙かに健康的である。すなわち、興奮する蜜蜂を沈静化しなければならない状況となったとき、本発明に係る燻煙器の第1筒体の先端に煙草などを差し込む。このとき予め煙草等に火を付けておいてもよいが、前述のように、火の付いていない煙草を第1筒体の先端に煙草等を差し込んだのち、その先端に火を持って行き火を付け、合成樹脂弾性体からなる小形空気ポンプを指先で押圧/解除すれば、煙草に火を付けることができる。
【0011】
また、本発明に係る燻煙器は、燻煙器自体が一般の煙草パイプと大差のない形状と構造を有しているため、簡便に持ち運びでき、その燻煙操作も筒体に差し込まれ、火の付いた煙草等の先端を養蜂箱の出入口に向け、或いは蓋が開けられた養蜂箱内に向けて、単に合成樹脂弾性体からなる小形空気ポンプを指先で押圧/解除の操作を繰り返すだけで、煙草等の先端から煙が吹きかけられて、興奮する蜜蜂群を容易に沈静化することができる。この燻煙操作のとき、煙草等を口にくわえることがないため、煙りによる健康上の被害を受けることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の代表的な実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示す前方から見た立体図である。同図に示すとおり、本実施形態による養蜂用簡便小形燻煙器10は、一端部に配された合成樹脂弾性体からなる中空ボール状の空気ポンプ11と、同空気ポンプ11の空気吐出口11aに連通して固着され、表面に周方向に延びる凹凸が交互に形成された僅かに可撓性を有する合成樹脂製筒部12と、同合成樹脂製筒部12に気密に外嵌された第1筒体13とを有している。前記空気ポンプ11には、前記空気吐出口11aとその反対側に空気吸入口11bとが形成されている。ここで、前記合成樹脂製筒部12は必ずしもなければならないものではなく、例えば第1筒体13を、空気ポンプ11の空気噴出口11aと連通させて接着などによって直接接続してもよい。
【0013】
前記空気ポンプ11は、天然ゴム又は合成ゴムからなり、前記合成樹脂製筒部12及び第1筒体13は、例えばポリエチレンやポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が使われ、合成樹脂製筒部12の方が第1筒体13より剛性が高い。合成樹脂製筒部12の表面周方向に延びて軸線方向に交互に形成された凹凸部は、燻煙作業時に指先で空気ポンプ11を操作するため、同じく指先にて空気ポンプ11を支持しやすくするためである。なお、本実施形態では、前記合成樹脂製筒部12の先端に第1筒体13を外嵌固定する小径の嵌合筒部12aが段部を介して突設されている。
【0014】
前記第1筒体13の内径は、通常の紙巻き煙草の吸い口の径に等しく、燻煙作業時には、図2に示すように、同第1筒体13に煙草14の吸い口を気密に差し込んで使用する。その使用にあたっては、予め煙草14に火を付けておいても、或いは煙草14を第1筒体13に差し込んだのち、空気ポンプ11を指先にて押圧と解除を繰り返し煙草14に火を付けることも可能である。空気ポンプにて煙草14に火を付ける場合には、予め空気ポンプ11の空気吸入口11bに指の一部をあてがい、静かに押圧することにより煙草14の先端に空気を送ればよい。
【0015】
ここで、図示例ではフィルター付き煙草を使っているが、勿論、両切りタイプの煙草であってもよく、或いは煙草でなく籾殻や植物性繊維などの植物性燃料を細かくしたものに紙を巻いて煙草状に形成した燃料を使うこともできる。
【0016】
煙草14に火が付いたのちは、図示せぬ養蜂箱の出入口を開くとき同出入口に煙草14の先端を向けて、空気ポンプ11を指先にて押圧/解除を繰り返す。このときも、押圧時には指の一部を空気ポンプ11の空気吸入口11bにあてがう方がよい。この押圧時にポンプ内の空気が空気吐出口11aから合成樹脂製筒部12と第1筒体13とを介して煙草14に送られ、煙草14を燃焼させると同時に煙りを吐き出して、養蜂箱の出入口に煙を吹きかける。この吹きかけられた煙りにより、突然養蜂箱の蜜蜂出入口が開けられて興奮する箱内の蜜蜂の興奮を治め沈静化して、人に向かって攻撃してくることがなくなる。これは、例えば蜂蜜の採取時や養蜂箱の内部や蜂の様子などを点検するため、巣礎を箱内から取り出したりするとき、図示せぬ蓋を取り外す場合も、煙草14の先端を箱内に向けて同様に操作する。
【0017】
いま、燻煙に必要な煙りの量が不十分であるときは、第2の筒体15を用意しておくとよい。この第2筒体15も、第1筒体13と同様の合成樹脂材料から作られており、単一の筒体から構成され、図3に示すように、その内径は2本の煙草14が差し込める寸法に設定されている。2本の煙草14を第2筒体15に気密に差し込めるよう、第2筒体15の内周を予め長円形断面に形成しておいてもよいが、その材質を適度な弾性と柔軟性をもつ合成樹脂を選定すれば、2本の煙草14を第2筒体15に差し込んだとき第2筒体15自体が弾性変形して、その内径部分が密接する2本の煙草14の外形によく馴染む。
【0018】
図示例によれば、第2筒体15は、第1筒体13の外径に嵌着させて第1筒体13に支持固定させている。このため、本実施形態では第2筒体15の第1筒体嵌着口15aの内径を第1筒体13の外径に合わせて作られている。
【0019】
図4〜図6は、本発明の第2の実施形態を示している。この第2実施形態では、上記第1筒体13及び第2筒体15の材質に、例えば銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属が使われている。そのため、第1筒体13の第2筒体15との接続端部には外ネジ13bが切られており、第2筒体15の第1筒体13との接続端部である第1筒体接続口15bには内ネジ15cが切られている。
【0020】
なお、この実施形態にあっても、空気ポンプ11と第1筒体13との間に合成樹脂製筒部12を有しており、その合成樹脂製筒部12の先端に段部を介して小径の嵌合筒部12aが突設されている。ただし、この嵌合筒部12aの筒部表面には凹凸面に続いて外ネジ12a’が切られており、第1筒体13のポンプ接続端部には内ネジ13aが切られ、前記外ネジ12a’と内ネジ13aとが互いに螺合する。こうして、合成樹脂製筒部12及び第1筒体13の接続と、第1及び第2筒体13,15との接続は、上記第1実施形態のごとく、弾性変形を利用することができず、自由度が制限されるため、少なくとも前記第1筒体接続口15bを円形に成形せざるを得ない。
【0021】
一方、第2筒体15の煙草差し込み口15dは2本の煙草14を並べて差し込まなければならず、第2筒体15の煙草差し込み口15dと第1筒体接続口15bでは内周形状を異ならせて適切な形状に採用することが望ましい。図4に示す実施形態では、第2筒体15の第1筒体接続口15b側端部に内径方向に延在する内フランジ15eを形成するとともに、その内径部分に内ネジ15cが切られている。このときの内フランジ15eの内径は第1筒体13の外ネジ13bと螺合する寸法となる。図4に示す実施形態では、第2筒体15の煙草差し込み口15dの内周断面も円形としており、そこに2本並べた煙草を無理して差し込むことも可能であり、或いは、前記内周断面に倣って2本並べた煙草のだんを円形に予め変形することも可能ではあるが、何れにしてもその差し込み操作が煩雑化する。
【0022】
図5は上記第2実施形態の変形例を示している。この変形例では、同図に示すように、第2筒体15の煙草差し込み口15cの内周断面を2本の煙草14が並べて容易に差し込めるように、第2筒体15の第1筒体13との接続端部の断面を第1実施形態と同様に円形断面に形成するとともに、その煙草差し込み口15cを偏平に塑性変形させて長円形状に形成している。このように変形させておけば、2本の煙草14を1本ずつ容易に差し込むことができる。しかしながら、この場合、2本の煙草14の間に僅かながら隙間ができてしまい、煙が効率的に吹き出されないことが懸念される。そこで、図5に示す変形例において、更に2本の煙草14を気密状態で差し込めるようにするには、図6に示すように、その差し込み口の形状を瓢箪型に形成することもできる。
【0023】
上述のとおり、本発明に係る養蜂用簡便小形燻煙器10によれば、構造が簡単で、しかも極めて小形軽量であるため、養蜂作業時は勿論のこと、果実栽培のための通常の交配作業開始時にも何ら違和感なく携行することができ、その燻煙作業も単に火の付いた煙草を第1筒体13又は/及び第2筒体15の煙草差し込み口に差し込むだけで速やかに燻煙作業に移れる。また、本発明に係る燻煙器は、通常に市販されている燻煙器のように、嵩も重量も大きくない上に、燃料の採取、燃料の着火などに手間がかからず簡便に作業が開始できる。
【0024】
本発明では、特に燻煙に使われる燃料が紙巻き煙草又は紙巻き煙草状燃料であるため、簡単に手に入りやすく、着火が容易であり、作業者が直接煙草の煙を吸引しないでも着火が可能である。そのため、喫煙者にとっては勿論であるが、たとえ嫌煙者であってもその取り扱いによる健康上の悪影響は殆ど考えられず、その取り扱いに違和感もなく、安心して燻煙作業を行うことができる。しかも、燻煙作業時に蜜蜂に吹きかける煙の量は、第2筒体15を用いるかどうかで調節することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、イチゴ農家に限らず、一般果実栽培農家の交配作業時における養蜂箱からの放蜂作業や蜜蜂の増殖作業、養蜂箱内の巣礎などの点検・管理作業時に有効である。また、一般の蜜蜂飼育愛好家などの飼育具としても使うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態を示す養蜂用簡便小形燻煙器の分解斜視図である。
【図2】燻煙作業時の状態の一例を示す操作説明図である。
【図3】燻煙作業時の状態の他例を示す操作説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す養蜂用簡便小形燻煙器の一部分解斜視図である。
【図5】第2実施形態における第2筒体の代表的な変形例を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態における第2筒体の代表的な変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
10 養蜂用簡便小形燻煙器
11 空気ポンプ
12 合成樹脂製筒部
12a 嵌合筒部
12a’ 外ネジ
13 第1筒体
13a 内ネジ
13b 外ネジ
14 紙巻き煙草又は紙巻き煙草状燃料
15 第2筒体
15a 第1筒体嵌着口
15b 第1筒体接続口
15c 内ネジ
15d 煙草等差し込み口
15e 内フランジ
【出願人】 【識別番号】508104879
【氏名又は名称】石塚 和夫
【出願日】 平成20年4月4日(2008.4.4)
【代理人】 【識別番号】100091948
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 武男

【識別番号】100119699
【弁理士】
【氏名又は名称】塩澤 克利
【公開番号】 特開2009−247265(P2009−247265A)
【公開日】 平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願番号】 特願2008−98295(P2008−98295)