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【発明の名称】 鳥かご
【発明者】 【氏名】中村 和人
【課題】弾性ワイヤの振動を従来より抑えることができる鳥かごを提供する。

【解決手段】鳥かごは、鳥の飼育空間の底面を形成する全体が傾斜した床部22と、鳥の飼育空間の上面を形成する天井部24と、弾性を有するワイヤである弾性ワイヤ40と、弾性ワイヤ40を通した管45とを備え、管45は、径方向に振動可能に弾性ワイヤ40に支持され、鳥の飼育空間の境界の少なくとも一部である左側面側、正面側及び右側面側の壁部が弾性ワイヤ40及び管45によって形成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有するワイヤである弾性ワイヤと、前記弾性ワイヤを通した管とを備え、
前記管は、径方向に振動可能に前記弾性ワイヤに支持され、
鳥の飼育空間の境界の少なくとも一部が前記弾性ワイヤ及び前記管によって形成されていることを特徴とする鳥かご。
【請求項2】
前記弾性ワイヤ及び前記管によって形成されている前記境界において、前記鳥かごが設置された状態での鉛直方向のみに前記弾性ワイヤ及び前記管が延在していることを特徴とする請求項1に記載の鳥かご。
【請求項3】
前記管の延在方向に対して傾斜して前記管の下端と接触する傾斜部を備え、
前記下端は、前記管の延在方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鳥かご。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥を飼育するための鳥かごに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の鳥かごは、針金や鉄格子を溶接することによって製造されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−285757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の鳥かごにおいては、針金や鉄格子が衝撃で曲がると、鳥かご自体が変形したままになってしまうという問題がある。
【0004】
そこで、本願の発明者は、従来より長期にわたって形状を維持することができる鳥かごを発明した(特願2007−113589号)。特願2007−113589号に記載の鳥かごは、弾性を有するワイヤである弾性ワイヤを備え、鳥の飼育空間の境界の少なくとも一部が前記弾性ワイヤによって形成されていることを特徴とするものである。
【0005】
しかしながら、本願の発明者は、鳥の飼育空間の境界の少なくとも一部が弾性ワイヤのみによって形成されている鳥かごにおいては、弾性ワイヤに鳥が衝突したときに弾性ワイヤが振動し易いことを特願2007−113589号の出願後に発見した。更に、本願の発明者は、弾性ワイヤが振動すると、騒音が発生し易いことや、隣り合う弾性ワイヤの間隔が一時的に広がるので、その間隔に鳥が挟まったり、その間隔から鳥が飼育空間の外へ逃げ出したりする可能性があることも発見した。
【0006】
そこで、本発明は、弾性ワイヤの振動を従来より抑えることができる鳥かごを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鳥かごは、弾性を有するワイヤである弾性ワイヤと、前記弾性ワイヤを通した管とを備え、前記管は、径方向に振動可能に前記弾性ワイヤに支持され、鳥の飼育空間の境界の少なくとも一部が前記弾性ワイヤ及び前記管によって形成されていることを特徴とする。
【0008】
この構成により、本発明の鳥かごは、弾性ワイヤが振動したときに弾性ワイヤと管とが別々に振動して互いに衝突することでエネルギーを消費するので、弾性ワイヤの振動を従来より抑えることができる。
【0009】
また、本発明の鳥かごは、前記弾性ワイヤ及び前記管によって形成されている前記境界において、前記鳥かごが設置された状態での鉛直方向のみに前記弾性ワイヤ及び前記管が延在していることが好ましい。
【0010】
この構成により、本発明の鳥かごは、水平方向に弾性ワイヤ及び管が延在している場合と異なり、設置時に重力によって弾性ワイヤ及び管が弛むことを防止することができる。
【0011】
また、本発明の鳥かごは、前記管の延在方向に対して傾斜して前記管の下端と接触する傾斜部を備え、前記下端は、前記管の延在方向に対して傾斜していることが好ましい。
【0012】
この構成により、本発明の鳥かごは、管の下端が傾斜部に接触することによって管が弾性ワイヤの周りを回転することを抑えることができるので、隣り合う管の間隔に鳥が挟まったり、その間隔から鳥が飼育空間の外へ逃げ出したりする可能性を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、弾性ワイヤの振動を従来より抑えることができる鳥かごを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0015】
まず、本実施の形態に係る鳥かごの構成について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る鳥かご10の正面左側からの外観斜視図である。図2は、鳥かご10の底面図である。図3は、鳥かご10の側面断面図である。
【0017】
図1〜図3に示すように、鳥かご10は、L字状の脚部21と、脚部21によって支持されて鳥の飼育空間10aの境界である底面を形成する全体が傾斜した床部22と、飼育空間10aの境界である前後左右の面を形成する壁部のうち鳥かご10の背面側の壁部を形成する背面壁部23と、飼育空間10aの境界である上面を形成する天井部24と、鳥かご10の左側面の一部に配置された扉30と、鳥かご10の境界である左側面側の壁部11、正面側の壁部12及び右側面側の壁部13を形成する弾性を有するワイヤである弾性ワイヤ40と、飼育空間10aで発生して床部22の傾斜を伝わって落ちるゴミを受ける位置に配置されたゴミ受け部51と、脚部21、床部22及び天井部24の位置関係を保持するための円筒形の木製の支柱60と、脚部21の底面の四隅にのり付けされた滑り止め用の薄型の透明なゴムパッド70とを有している。
【0018】
なお、鳥かご10は、主に、文鳥や十姉妹などの三角嘴のフィンチ類を飼育するためのものである。また、飼育空間10aで発生するゴミとしては、例えば、鳥の糞や羽根、籾殻などがある。
【0019】
図4は、脚部21、床部22、背面壁部23及び天井部24の基になる金属の平板20の平面図である。図4に示すように、脚部21、床部22、背面壁部23及び天井部24は、アルミニウムなどの金属の平板20を折り曲げて形成されている。
【0020】
図1〜図3に示すように、脚部21は、ゴミ受け部51を固定するネジ81のネジ部を通すための2つのネジ用孔21a(図4参照。)と、支柱60を固定するネジ82のネジ部を通すためのネジ用孔21bとが形成されている。床部22は、弾性ワイヤ40を通すためのワイヤ用孔22aが左側面側、正面側及び右側面側の端の近傍に多数並んで形成されて弾性ワイヤ40を固定する固定部材を構成しているとともに、支柱60を通すための穴22bが形成されている。床部22の傾斜は、自然にゴミが落ちるように30°〜40°が好ましい。天井部24は、弾性ワイヤ40を通すためのワイヤ用孔24aが左側面側、正面側及び右側面側の端の近傍に多数並んで形成されて弾性ワイヤ40を固定する固定部材を構成しているとともに、使用者によって鳥かご10が持ち上げられるときに使用者の指が挿入されるための4つの持ち手穴24bと、支柱60を固定するネジ82のネジ部を通すためのネジ用孔24cとが形成されている。
【0021】
扉30は、枠31と、枠31の内部に上下に配置された複数の板32と、複数の板32を連結する紐33とを有している。上面側及び底面側の枠31には、弾性ワイヤ40を通すためのワイヤ用孔31aが多数並んで形成されている。
【0022】
図5は、床部22及び弾性ワイヤ40の結合部分と、天井部24及び弾性ワイヤ40の結合部分との部分的に拡大した断面図である。弾性ワイヤ40は、直径が0.3mmの銅線であり、例えばネックレス用の手芸ワイヤを使用している。弾性ワイヤ40は、図5に示すように、ワイヤ用孔を通された後、折り返されて、隣のワイヤ用孔を通されている。そして、弾性ワイヤ40は、図1に示すように、2本で扉30とともに壁部11、12及び13を形成している。即ち、2本のうち1本は、床部22のワイヤ用孔22aのうち扉30の底面側のワイヤ用孔31aに対向するワイヤ用孔以外のワイヤ用孔と、天井部24のワイヤ用孔24aと、扉30の上面側のワイヤ用孔31aとを通されて、床部22、天井部24及び扉30の間で複数回折り返されて、壁部11のうち扉30より底面側の部分と、扉30とを除いた部分と、壁部12及び壁部13とを形成している。2本のうち残り1本は、床部22のワイヤ用孔22aのうち扉30の底面側のワイヤ用孔31aに対向するワイヤ用孔と、扉30の底面側のワイヤ用孔31aとを通されて、床部22及び扉30の間で複数回折り返されて、壁部11のうち扉30より底面側の部分を形成している。なお、弾性ワイヤ40は、端部が金具41によって固定されている。
【0023】
図6は、弾性ワイヤ40と、弾性ワイヤ40を通した管45との部分的に拡大した斜視図である。図5及び図6に示すように、弾性ワイヤ40は、床部22と天井部24との間や、床部22と扉30(図1参照。)との間や、天井部24と扉30との間において、管45に通されている。管45は、内径が1.0mmで外径が3.0mmのスチロール樹脂製の透明なパイプであり、例えばプラモデル用のパイプ材を使用している。管45は、内径が弾性ワイヤ40の直径より大きいので、径方向に振動可能に弾性ワイヤ40に支持されている。また、管45は、延在方向の長さが床部22及び天井部24の間、床部22及び扉30の間、天井部24及び扉30の間のうち配置される空間の長さより短く、床部22、天井部24及び扉30の何れにも固定されていないので、延在方向にも振動可能に弾性ワイヤ40に支持されている。弾性ワイヤ40及び管45は、壁部11、12及び13において鳥かご10が設置された状態での鉛直方向のみに延在している。
【0024】
図7は、ゴミ受け部51の基になる金属の平板50の平面図である。図7に示すように、ゴミ受け部51は、アルミニウムなどの金属の平板50を折り曲げて形成されている。
【0025】
図1〜図3に示すように、ゴミ受け部51は、のりしろ部分51aに形成されたネジ用孔51b(図7参照。)を通されたネジ81によって脚部21に固定されており、鳥かご10の正面側に配置されて上面が露出している。また、ゴミ受け部51は、のりしろ部分51aの板厚だけ、脚部21との間にスリット51cが設けられている。スリット51cは、ゴミ受け部51の下部に開けられた水抜き用の穴を構成している。
【0026】
支柱60は、床部22の穴22bに通されて、上下の端部でネジ82によって脚部21及び天井部24に固定されている。
【0027】
次に、鳥かご10の製造方法について説明する。
【0028】
まず、平板20及び平板50は、プレス機によって打ち抜かれ、外形や穴などが形成される。
【0029】
次いで、外形や穴などが形成された平板20は、板金工によって立体的に折り曲げられて、脚部21、床部22、背面壁部23及び天井部24として形成される。同様に、平板50は、ゴミ受け部51として形成される。
【0030】
次いで、脚部21、床部22、背面壁部23、天井部24、ゴミ受け部51及び支柱60は、互いに組みつけられてネジ81及びネジ82によって固定される。また、脚部21の底面の四隅には、ゴムパッド70がのり付けされる。
【0031】
最後に、床部22、天井部24及び扉30の間が、弾性ワイヤ40によって管45を通しながら編みあげられる。
【0032】
次に、鳥かご10の使用方法について説明する。
【0033】
使用者は、吸水紙をゴミ受け部51に充填して、吸水紙によってスリット51cを塞いでおく。
【0034】
飼育空間10a内の鳥が糞をすると、糞は、床部22の傾斜を伝わって落ちて、ゴミ受け部51に溜まる。糞以外のゴミについても同様に、床部22の傾斜を伝わって落ちて、ゴミ受け部51に溜まる。
【0035】
使用者は、ゴミ受け部51を掃除機で掃除したり、ゴミ受け部51に充填した吸水紙を交換したりすることによって、ゴミ受け部51に溜まった糞などのゴミを簡単に清掃することができる。
【0036】
また、使用者は、ゴミ受け部51に充填した吸水紙を取り除いた状態で、バスルームのシャワーなどによって床部22に水を流すことによって、床部22及びゴミ受け部51を一度に丸ごと洗い流すことができる。床部22の傾斜を流れた水は、ゴミ受け部51に入り、ゴミ受け部51の水抜き用のスリット51cから排出される。
【0037】
次に、鳥かご10の作用について説明する。
【0038】
飼育空間10aの内部の鳥が弾性ワイヤ40及び管45に衝突すると、弾性ワイヤ40及び管45が振動を開始する。
【0039】
ここで、弾性ワイヤ40及び管45は、固有振動数が異なるので、別々に異なる周波数で振動する。そのため、弾性ワイヤ40は、管45の内壁45aに衝突し、管45は、内壁45aで弾性ワイヤ40に衝突する。
【0040】
したがって、弾性ワイヤ40及び管45は、互いの衝突によってエネルギーを消費して振動が減衰する。
【0041】
以上に説明したように、鳥かご10は、弾性ワイヤ40が振動したときに弾性ワイヤ40と管45とが別々に振動して互いに衝突することでエネルギーを消費するので、弾性ワイヤ40の振動を従来より抑えることができる。
【0042】
また、鳥かご10は、弾性ワイヤ40の振動を従来より抑えることができるので、弾性ワイヤ40の振動に伴う騒音の発生も従来より抑えることができる。
【0043】
また、鳥かご10は、弾性ワイヤ40の振動を従来より抑えることができるので、隣り合う弾性ワイヤ40の間隔が広がることを防止することができる。したがって、鳥かご10は、隣り合う弾性ワイヤ40の間隔に鳥が挟まったり、隣り合う弾性ワイヤ40の間隔から鳥が飼育空間10aの外へ逃げ出したりする可能性も従来より低減することができる。
【0044】
また、鳥かご10は、弾性ワイヤ40及び管45によって形成されている壁部11、12及び13において、鳥かご10が設置された状態での鉛直方向のみに弾性ワイヤ40及び管45が延在しているので、水平方向に弾性ワイヤ40及び管45が延在している場合と異なり、設置時に重力によって弾性ワイヤ40及び管45が弛むことを防止することができる。
【0045】
なお、管45の形状は、図5に示す形状に限るものではない。例えば、管45は、図8に示す形状であっても良い。図8は、床部22及び弾性ワイヤ40の結合部分と、天井部24及び弾性ワイヤ40の結合部分との部分的に拡大した断面図であって、図5に示す例とは異なる例を表す図である。図8において、床部22は、管45の延在方向に対して傾斜して管45の下端45bと接触する傾斜部を構成している。管45の下端45bも、床部22と同様に、管45の延在方向に対して傾斜している。
【0046】
図5に示す構成では管45が弾性ワイヤ40の周りを自由に回転することができるので、例えば隣り合う管45の間隔に鳥の体の一部が入ったときに、隣り合う管45の間隔に入った鳥の体の一部は、管45の回転に案内されて、隣り合う管45の間隔に更に深く入ってしまう可能性がある。しかしながら、図8に示す構成により、鳥かご10は、管45の下端45bが床部22に接触することによって管45が弾性ワイヤ40の周りを回転することを抑えることができるので、隣り合う管45の間隔に鳥が挟まったり、隣り合う管45の間隔から鳥が飼育空間の外へ逃げ出したりすることを抑えることができる。
【0047】
なお、以上の実施の形態において、鳥かご10は、床部22が傾斜しているが、もちろん床部22が水平であっても良い。
【0048】
また、以上の実施の形態において、弾性ワイヤ40は、上述したように、直径が0.3mmの銅線であり、管45は、上述したように、内径が1.0mmで外径が3.0mmのスチロール樹脂製の透明なパイプであるが、もちろん材質や寸法はこれらに限るものではない。弾性ワイヤ40や管45の材質や寸法は、例えば鳥かご10で飼育される鳥の大きさなどに応じて自由に選択されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施の形態に係る鳥かごの正面左側からの外観斜視図である。
【図2】図1に示す鳥かごの底面図である。
【図3】図1に示す鳥かごの側面断面図である。
【図4】図1に示す鳥かごの脚部、床部、背面壁部及び天井部の基になる金属の平板の平面図である。
【図5】図1に示す鳥かごの床部及び弾性ワイヤの結合部分と、天井部及び弾性ワイヤの結合部分との部分的に拡大した断面図である。
【図6】図1に示す弾性ワイヤと、弾性ワイヤを通した管との部分的に拡大した斜視図である。
【図7】図1に示す鳥かごのゴミ受け部の基になる金属の平板の平面図である。
【図8】図1に示す鳥かごの床部及び弾性ワイヤの結合部分と、天井部及び弾性ワイヤの結合部分との部分的に拡大した断面図であって、図5に示す例とは異なる例を表す図である。
【符号の説明】
【0050】
10 鳥かご
10a 飼育空間
11、12、13 壁部(境界)
22 床部(傾斜部)
40 弾性ワイヤ
45 管
45b 下端

【出願人】 【識別番号】507134172
【氏名又は名称】中村 和人
【出願日】 平成19年9月5日(2007.9.5)
【代理人】 【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
【公開番号】 特開2009−60817(P2009−60817A)
【公開日】 平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願番号】 特願2007−230063(P2007−230063)