トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業

【発明の名称】 セルローズファイバーの筒状連結成形体
【発明者】 【氏名】山田 昌夫
【課題】経済的、品質的に優れ、施工の作業性が良く、環境に優しい断熱材・防音材及び壁面緑化・屋上緑化の土壌を提供すること。

【解決手段】長方形の不織布又は布を2枚合わせにし、長手方向の一方を残して3方の端部を縫合、溶着、接着等の方法で接合して閉じ、短手方向に、所定の間隔で複数個所縫合、溶着、接着等の方法で接合して筒状となるように区切り、その区切られて筒状となった開口部を開いた中に、紙を解繊したセルローズファイバーと添加物(木材チップ、木の実繊維、セラミック粉体等)を混合した充填材を注入し、開口している長手方向の端部を縫合、溶着、接着等の方法で接合して閉じ、マット状とした、セルローズファイバーの筒状連結成形体である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の不織布又は布を2枚合わせにし、長手方向の一方を残して3方の端部を縫合、溶着、接着等の方法で接合して閉じ、短手方向に、所定の間隔で複数個所縫合、溶着、接着等の方法で接合して筒状となるように区切り、その区切られて筒状となった開口部を開いた中に、紙を解繊したセルローズファイバーと添加物を混合した充填材を注入し、開口している長手方向の端部を縫合、溶着、接着等の方法で接合して閉じ、マット状とした、セルローズファイバーの筒状連結成形体。
【請求項2】
充填材は、紙を解繊したセルローズファイバーに、木材チップ、木の実繊維、難燃剤及びセラミック粉体等の添加物を混合したものである、請求項1に記載の、セルローズファイバーの筒状連結成形体。
【請求項3】
請求項1及び請求項2に記載の筒状連結成形体の上面に、植栽用の複数の穴を設けた、セルローズファイバーの筒状連結成形体。
【請求項4】
筒状連結成形体の筒状は、筒状を開いた時に、その断面形状が丸形、楕円形、半円形、半楕円形、三角形あるいは四角形に成形された複数の筒状に連結されている筒状連結成形体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の断熱材・防音材あるいは建築物の壁面緑化や屋上緑化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の断熱材・防音材は、グラスウール、ロックウール、ウレタンフォーム等が主流である。それらはブロック体や座布団状である。また欧米では主流で60年の歴史があるセルローズファイバーがあり、この工法は吹き込み式で、作業性や作業環境が問題視されている。吹き込み式でなく、マット状物を連続して製造する方法もある。
また、近年都市部におけるヒートアイランド現象の軽減のため、壁面緑化や屋上緑化が推進されている。強風のときの土壌の舞い上がり防止や、豪雨のときの土壌の流出防止のためあるいは保水率を良くするための土壌が求められている。
これらに関する文献としては下記の文献がある。
【0003】
【特許文献1】 特開平06−346352
【特許文献2】 特開2004−105029
【特許文献3】 特開2001−145422
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グラスウールやウレタンフォームの断熱材は衛生面に問題があり、環境に優しくない。また、時の経過と共に上部に隙間が空いてきて、断熱効果、防音効果が阻害される欠点がある。ウレタンフォームなどは燃えると有毒ガスが発生する問題があり、環境に優しくない素材であるといえる。
セルローズファイバーの吹き込み式工事は埃が舞い上がるので、作業者の健康に害を与え、周りの工事関係者や住民にも悪影響を与える。
そのため特開平06−346352においてセルローズファイバーをマット状としたものを提供する提案がなされている。これはマット状になったものを壁に嵌め込んでいくだけなので埃もたたず、作業も簡単で環境にも優しいといえる。しかし、1枚のブロック状のマットは長い間に収縮が起き、上部に隙間ができて断熱効果、防音効果が阻害される欠点がある。
一方、壁面緑化や屋上緑化については、特開2004−105029及び特開2001−145422において提案がなされている。
特開2004−105029においては床土として発泡樹脂性床土が使用されている。また、特開2001−145422においては、樹脂性の立体網状構造のネットを用い、その隙間に土を流し込む方法を採っている。
これらの場合は、ほこりの舞い上がりや土壌の流出を防げるという点では優れているといえる。しかし、どちらの場合も合成樹脂性のものを使用しているため、処理する時には燃やすと有毒ガスが発生し、燃えないごみとして処理すると環境に負荷がかかる。
本発明においては、経済的にも品質的にも優れ、効率よく製造することができ、作業者にも優しく、環境にも優しい断熱・防音材及び壁面緑化・屋上緑化の土壌を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
長方形の不織布又は布を2枚合わせにし、長手方向の一方を残して3方の端部を縫合、溶着、接着等の方法で接合して閉じ、短手方向に、所定の間隔で複数個所縫合、溶着、接着等の方法で接合して筒状となるように区切り、その区切られて筒状となった開口部を開いた中に、紙を解繊したセルローズファイバーと添加物を混合した充填材を注入し、開口している長手方向の端部を縫合、溶着、接着等の方法で接合して閉じ、マット状とした、セルローズファイバーの筒状連結成形体である。
上記セルローズファイバーの筒状連結成形体を壁面緑化・屋上緑化の床土として用いる場合は、筒状連結成形体上面の不織布又は布の適宜の箇所に穴を明け、植栽できるようにする。
不織布又は布は、建築物の断熱材・防音材として使用する場合は難燃性ものを使用し、壁面緑化・屋上緑化に使用する場合は耐腐食性のものを使用するとよい。
充填材は、紙を解繊したセルローズファイバーに添加物として木材チップ、木の実繊維、難燃剤及びセラミック粉体等を適宜混合するが、添加物は、用途により適宜変えても良い。例えば、建築用の断熱材・防音材として使用する場合は、紙を解繊したセルローズファイバーに木材チップ、木の実繊維、難燃剤、防虫剤、調湿材及びセラミック粉体等を混合し、壁面緑化・屋上緑化に使用する場合は、紙を解繊したセルローズファイバーに、木材チップ、木の実繊維、セラミック粉体及び肥料等を混合するというようにその用途に適合したものを選択して使用する。
【発明の効果】
【0006】
本発明を建築物の断熱材・防音材として使用するときは、沈み込み防止やブロック体を形成するためのつなぎ材や加工が不要なので経済性に優れ、時間の経過による沈み込みがなく、充分なクッション性(復元性)と堅牢性をそなえているので、断熱性、防音性にも優れている。埃がたたないので作業者にも優しく、周りの作業にも迷惑がかからず、リサイクル可能なので環境にも優しい。
本発明を壁面緑化・屋上緑化に使用するときは、筒状連結成形体で土壌の舞い上がり、流出がないので経済的であり、リサイクルができるので環境にも優しい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を図1及び図2により説明する。
図1に示すように、長方形の2枚の不織布又は布、上布(1)と下布(2)を合わせ、接合部a(4)、接合部b(5)及び接合部c(6)を縫合、溶着あるいは接着等の方法によって接合して閉じる。
短手方向に、所定の間隔で複数の仕切り接合部(8)を縫合、溶着あるいは接着等の方法によって接合する。本実施例の場合は、6筒連結としたので5ヶ所を接合する。尚、筒の数は1筒でもよいが、望ましくは2筒〜12筒位までの複数筒がよい。
上記の接合によりその区切られた開口部を開くと略円形の筒状となるので、その開口部を開いた中に、紙を解繊したセルローズファイバーと添加物を混合した充填材(9)を注入し、開口している長手方向の接合部d(7)を縫合、溶着あるいは接着等の方法によって接合すると図2に示すようなマット状となる。
尚寸法は、マット状で、横300mm〜600mm、縦400mm〜500mm、厚さ60mm〜100mm位の範囲が適当と思われる。
【0008】
不織布又は布は、建築物の断熱材・防音材として使用する場合は難燃性ものを使用し、壁面緑化・屋上緑化に使用する場合は耐腐食性のものを使用するとよい。
【0009】
充填材(9)は、紙を解繊したセルローズファイバーに添加物として木材チップ、木の実繊維、難燃剤及びセラミック粉体等を適宜混合する。
添加物は、用途により適宜変えても良い。例えば、建築用の断熱材・防音材として使用する場合は、紙を解繊したセルローズファイバーに木材チップ、木の実繊維、難燃剤、防虫剤、調湿材及びセラミック粉体等を混合し、壁面緑化・屋上緑化に使用する場合は、紙を解繊したセルローズファイバーに、木材チップ、木の実繊維、セラミック粉体及び肥料等を混合する。
【0010】
本発明を壁面緑化・屋上緑化に使用する場合は、上布(1)の適宜の箇所に植栽用の穴(10)を明ける。その状態を図3に示す。
植栽用の穴(10)に植物の種子や苗を植え込むと植物が生育して壁面緑化・屋上緑化の土壌となる。
【実施例1】
【0011】
筒状の断面形状を四角形とした場合の実施例1を図4に示す。上の図は、充填材注入前の四角形断面形状であり、下の図は、充填材注入後の斜視図である。
本実施例の場合、上布と下布の他に仕切りをつくるための仕切り布が必要となる。
この場合、充填材を注入しない状態では断面形状が四角形であるが、充填材を注入すると上布と下布が膨らむので、断面形状は斜視図に示すような長円形状の連結となる。
【実施例2】
【0012】
筒状の断面形状を三角形とした場合の実施例2を図5に示す。上の図は、充填材注入前の三角形断面形状であり、下の図は、充填材注入後の斜視図である。
本実施例の場合、上布と下布の他に三角形を形成するための中布が必要となる。
この三角形断面形状に充填材を注入すると、上布と下布が膨らみ、斜視図に示すような上下にかまぼこ形が連結したような形になる。
【実施例3】
【0013】
筒状の断面形状を半楕円形とした場合の実施例3を図6に示す。上の図は、充填材注入前の半楕円形断面形状であり、下の図は、充填材注入後の斜視図である。
この場合、上布と下布の仕切り寸法を変えることにより、半楕円形としている。
本実施例の場合は、上布の仕切り寸法を下布の仕切り寸法の2倍とすることにより、半楕円形としたものである。
別の見方をすると、上布の仕切り寸法の真中を持ち上げてピンと張ると、断面形状が正三角形となる。この場合の底辺対底辺の中心から立てた垂直線との比は約1:0.87となる。このことは、底辺寸法対垂直線寸法の比を1:0.5以上とすると、断面形状が半楕円形を呈するということであり、底辺寸法1に対して垂直線寸法0.5以上の任意の比率を選択することで求める半楕円形が得られるということである。
本実施例においては、上布と下布の仕切り寸法が2:1となっているので、長手方向の接合部の接合は、まず各仕切りの両端より接合して、真中で接して余った上布を縦に接合する方法とする。
充填材を注入すると下布が膨らむので、断面形状は半楕円形というよりは変形楕円形のような形となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】不織布又は布の接合を示す平面図及び正面図
【図2】本発明の斜視図(一部破断図)
【図3】本発明を壁面緑化・屋上緑化に使用するために上布に穴を明けた状態を示す斜視図(一部破断図)
【図4】本発明の実施例1を示す、充填材注入前の筒状の断面図及び充填材を注入した斜視図(一部破断図)
【図5】本発明の実施例2を示す、充填材注入前の筒状の断面図及び充填材を注入した斜視図(一部破断図)
【図6】本発明の実施例3を示す、充填材注入前の筒状の断面図及び充填材を注入した斜視図(一部破断図)
【符号の説明】
【0015】
1 セルローズファイバーの筒状連結成形体
2 上布
3 下布
4 接合部a
5 接合部b
6 接合部c
7 接合部d
8 仕切り接合部
9 充填材
10 植栽用の穴
【出願人】 【識別番号】399001989
【氏名又は名称】株式会社クリテー
【出願日】 平成20年4月9日(2008.4.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2009−247348(P2009−247348A)
【公開日】 平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願番号】 特願2008−123992(P2008−123992)