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【発明の名称】 複数の種子と酸性添加剤を含有する肥料とを均質に配合し、該配合剤を粘土に混練して粘土団子を生成し、粘土団子を空中散布または定間隔に散布する砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化システム
【発明者】 【氏名】稲垣 實男
【課題】本発明は、乾燥地帯での砂漠化の防止を図り、砂漠化した土地の緑化と砂漠土壌の肥沃化の効率的なシステムを提案するもので、かつ、それに用い粘土団子により広面積にわたる砂漠での緑化のための播種を効率よく行い、砂漠緑化のための砂漠土壌の肥沃化を図ったものである。

【解決手段】雲母系鉱物が風化したバーミキュライトまたはこのバーミキュライトが更に風化した土壌を、無機酸水溶液に溶解させて得た多種の金属塩及び非金属塩を主成分とする酸性添加剤を含有する植物の生長促進と殺菌作用とを併有する肥料と、前記酸性添加剤にカルシウム源、窒素源、燐源、カリウム源を任意に添加する肥料とのいずれかとに、複数の種子を均質に配合して粘土団子とし、砂漠地帯に空中散布し、または播種機で定間隔に播種し、発芽手段、緑化育成手段を経て砂漠化の防止と砂漠地帯の緑化・肥沃化を図る砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雲母系鉱物が風化したバーミキュライトまたはこのバーミキュライトが更に風化した土壌を、無機酸水溶液に溶解させて得た多種の金属塩及び非金属塩を主成分とする酸性添加剤を含有する植物の生長促進と殺菌作用とを併有する肥料と、前記酸性添加剤にカルシウム源、窒素源、燐源、カリウム源を任意に添加する肥料とのいずれかとに、複数の種子を均質に配合して粘土団子とし、砂漠地帯に空中散布し、または播種機で定間隔に播種する播種手段、粘土団子の発芽を促進させる水分供給などを行なう発芽手段、間引き・水分供給などを行なう緑化育成手段を経て砂漠化の防止と砂漠地帯の緑化・肥沃化を図る砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化システム
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の種子とバーミキュライトを中核とした酸性添加剤を含有する肥料とを均質に配合し、該配合剤を砂漠地帯の地層に適した粘土に混練して粘土団子を生成し、粘土団子を空中散布または定間隔に散布することを特徴とする砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化システムであって、砂漠の地質と風土に適応した複数の種子と酸性添加剤を含有する肥料とを混練した粘土団子により広面積にわたる砂漠での緑化のための播種を効率よく行ない、乾燥地帯での砂漠化の防止を図り、砂漠化した土地の緑化と砂漠土壌の肥沃化の効率的なシステムとそれに用いる植物の生長促進と殺菌作用とを併用する粘土団子を提案するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に砂漠地帯とは、乾燥地帯において長期間の蒸発量が降水量よりも大きく、草木も繁殖しにくい不毛の荒地とされており、砂漠では、きびしい乾燥度のため育つ植物の種類は少なく、常緑多年草のサボテン、アロエ、龍舌蘭など、厚い茎や葉に水分を貯蔵する植物や、マツバギクなど水分があると生育し、乾燥期には休眠するものや、また、深い根が地下水面まで達するものなどがあるとされている。
【0003】
また、動物もラクダ、ダチョウなどのほかは、小動物だけで種類も少ないが、水分さえ供給すれば、肥沃な耕地になるため、河川、泉、井戸などによるオアシスは「砂漠の島」として古くから人類の生活舞台になっている。
【0004】
砂漠といってもいろいろなものがあり、海岸から遠い内陸盆地や、常に高気圧が覆う中緯度の大陸西部などに分布しており、まったく草木のない砂漠も見られる。日中の気温は40〜60度に達し、夜は0℃以下となるほど気温の日較差が大きく、このため岩石の表面が崩壊し、岩くずができている。
【0005】
また、強風が吹きやすいため、風で岩くずが吹き飛ばされた地域では岩だけの岩石砂漠となっており、風食をうけた三稜石などの礫が残っているものを礫砂漠とされ、風で運ばれた砂が堆積して砂砂漠となり、砂丘ともなっており、一般に、砂漠の大部分は岩石砂漠で、その一部が砂砂漠となっていることが多い。さらに、ごくまれにある降雨は、夕立型の豪雨で布状洪水となり、このときだけは水が流れる谷(ワジ)を作るが、その末端は砂漠中に消えてしまい、ここには厚い粘土層だけの粘土砂漠もできる。
【0006】
砂漠として知られているものとして、アフリカでは代表的なサハラ砂漠(アルジェリア、チャド、リビア、モーリタニア、ニジェールなど北アフリカ)のほか、北アフリカでリビヤ砂漠、アフリカ北東部のヌヒヤ砂漠、アフリカ南部のカラハリ砂漠(ボツアナ、ナミビア、南アフリカ)が知られ、中近東はシリヤ砂漠のほか、ルブウルハーク砂漠、ネフード砂漠、ルート砂漠が知られ、ロシア・中国・アジア圏ではロシアのカビール砂漠、カラクム砂漠、レキジルクーム砂漠、モンゴルのゴビ砂漠、中国新疆ウイグル地区のタクラマカン砂漠、北西インドとパキスタンのタール砂漠(26万平方キロ)、北米ではブラックロック砂漠、モハーベ砂漠、グレートソルクレーク砂漠、南米ではアタカマ砂漠、オーストラリアではグレートビクトリア砂漠、グレートサンディ砂漠、ギブスン砂漠、シンプソン砂漠などがあるが、種々の形態に分かれている
【0007】
代表的なサハラ砂漠では、面積約750万平方キロの約8分の1はエルグ(砂砂漠)で、残りはハマダ(岩石砂漠)となっている。年平均降水量は100ミリ以下、気温は夏で50度以上、冬は氷点下を記録し、1日のうちでも昼と夜の気温の差は非常に激しくなっている。リビア砂漠では、地質的に南部で古代変成岩や花崗岩からなっており、北に進むにつれて風化による沈殿物の層になっている。
【0008】
また、モンゴルのゴビ砂漠では夏は30度以上、冬は零下20度以下の気温となり、年平均降水量は周辺部で300〜400ミリ、内部では200〜300ミリほどで、7〜8月に集中し、多くは夕立型の強雨となっている。インドと西パキスタンとの国境地帯にあるタール砂漠では、北西部は砂砂漠、南東部は岩石砂漠となっている。
【0009】
砂漠地帯は、全世界の陸地の約30%を占めており、中央アジアやアフリカでは、その面積は毎年増加しており、その原因として挙げられるものとして、樹木の乱伐や酸性雨などの環境汚染、降雨量の少なくなる地域の増加、土地に保水性がないため植物の枯渇などがあげられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
こうした環境を考慮して数多くの砂漠緑化と肥沃化の技術開発が進められており、乾燥地帯での砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化を配慮して多様な実験が進められ、海水や雨水利用による砂漠の緑化や、安定的な根付などが進められてきており、20世紀になってダム・用水路網が建設され、総合的に開発された地方(ナイル川上流のスーダン、インダス川下流のシンド、中央アジアのシル・アム流域、アメリカ西部の総合開発地域など)もある。また、地下資源が発見され、遠方から給水する鉱山都市が成立した地方もあり、今後の開発が期待される砂漠も少なくない。
【0011】
そのため、砂漠緑化により砂漠化の拡大を効果的に防止し、砂漠への降雨を砂漠の土壌中に確保し、調節しながら作物生産に有効利用して砂漠での作物生産を可能にし、地下水や海水の利用にあたっては地下水の汲み上げに伴う塩害の防止を図り、海水の利用では海水淡水化、塩水灌漑、透過気化、凝結結露などが展開されてきたが、砂漠の特異性から有効な手段とはならなかった。
【0012】
最近になって、自然農法の手段で砂漠に適用したものが登場し、植物のグリーンベルト(連続帯)によって水を誘導し、保水力を高めることによって無灌漑農業を実現しようとする「植物灌漑法」(福岡正信氏提唱)なども登場しているが、非効率で経済的でないという欠点もあった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、乾燥地帯での砂漠化の防止を図り、砂漠化した土地の緑化と砂漠土壌の肥沃化を目的とし、世界各地での砂漠の本質を解明し、特に影響の大きい砂砂漠を中心として砂漠化した土地の緑化と砂漠土壌の肥沃化の技術開発に全力をあげてきた。
【0014】
以下に本発明の乾燥地帯での砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化システムについて、具体的に説明すると、雲母系鉱物が風化したバーミキュライト1またはこのバーミキュライトが更に風化した土壌を、無機酸水溶液2に溶解させて得た多種の金属塩3及び非金属塩4を主成分とする酸性添加剤5を含有する植物の生長促進と殺菌作用とを併有する肥料10と、前記酸性添加剤5にカルシウム源6、窒素源7、燐源8、カリウム源9を任意に添加する肥料10とのいずれかとに、複数の種子(種子A11、種子B12、種子C13)を均質に配合するため撹拌14して配合剤15とし、該配合剤15を砂漠地帯の地質に応じた粘土16に混練して粘土団子17とし、砂漠地帯に空中散布、または播種機で定間隔に播種する播種手段18、水分供給などの発芽手段19、間引き、水分供給などの緑化育成手段20を経て砂漠化の防止と砂漠地帯の緑化・肥沃化を図る砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化システムである。
【0015】
バーミキュライト1は雲母系鉱物が風化したものであるが、バーミキュライト1またはこのバーミキュライト1が更に風化した土壌を無機酸水溶液2に溶解させて得た多種の金属塩3及び非金属塩4を主成分とする酸性添加剤5を含有する植物の生長促進と殺菌作用とを併有する肥料10とされている。
【0016】
酸性添加剤5にカルシウム源6として塩化カルシウム、窒素源7として塩安、燐源8としてリン安、カリウム源9としてカリ塩などを任意に添加する肥料としているが、植物の生理作用に必要なほとんど全ての元素を含有し、しかも殺菌作用をも併有しており、植物の生理作用が著しく高められ、有機物分解作用、肥料効果により、植物の老化や枯死の原因となる毒素を中和し、植物を病原菌の感染から防除するばかりか、挿し木する場合でも、発根を促進しているが、砒素、鉛、水銀、六価クロム、カドニウムなどの有害金属は含まれていない。
【0017】
複数の種子(種子A11、種子B12、種子C13など)を均質に配合して粘土団子17とするが、種子は風土、砂漠化の状況に応じて複数の種子とその量を選択するものである。熱帯や温帯地方で栽植されているアカシアの例でみると、22m間隔で植えた場合、5年で樹高が約10mになっており、根は10m四方に広がり、水が浸潤して土地の肥沃化・腐植の蓄積と共に、保水力が高まり、地下水の移動も徐々に隣の木から木へと転移し、水運搬の役目を果たしてくれている。
【0018】
播種手段18としては、複数の種子(種子A11、種子B12、種子C13など)を均質に配合した粘土団子を砂漠地帯に空中散布し、または播種機で定間隔に播種するもので、大砂漠の中でも砂漠化の防止の拠点になる地帯では、粘土団子の空中散布が最適であり、住居地域の隣接地域や動物の生息地域では、播種機で定間隔に播種することが最適である。
【0019】
地質や風土に応じて複数の種子(種子A11、種子B12、種子C13など)と肥料10を均質に撹拌14して配合剤15とし、それを粘土16と混練するが、砂砂漠の場合、1実施例としてその比率は、粘土60トンに対して種子10〜15トン、肥料2〜5トンを配合している。
【0020】
種子を単一にするのではなく、複数の種子を選択したのは、インドのバンジャブ州のスンダルバン地域において、1991年に空中散布を行った場合、播種の木の種類が多いところは成功しているという実績があったからである。1980年には象がいてジャングルの森であったが、1990年にはジャングルの森が消えたものである。
【0021】
発芽手段19としては、粘土団子17の発芽を促進させる水分供給などをいい、緑化育成手段20としては、間引き、水分供給などをいい、それらの発芽手段19、緑化育成手段20を経て砂漠化の防止と砂漠地帯の緑化・肥沃化を図るが、発芽手段としては、播種地帯に人工降雨や地下水の導入をもたらし、緑化育成手段としては、発芽した種子の間引きや移植のほか、水分供給などを行い、砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化を効率的に行なわれる。
【0022】
粘土団子17は砂漠化を防止し、砂漠地帯の緑化・肥沃化システムに用いるもので、複数の種子(種子A11、種子B12、種子C13など)と、植物の生長促進と殺菌作用とを併用する肥料を均質的に混合する基材となるものである。
【0023】
粘土団子17に用いる粘土鉱物は、二酸化珪素の石英や火成岩の主要成分である長石などで構成される含水ケイ酸塩鉱物の粘土鉱物で、粒子の大きさは0.01mm以下のものを用い、結晶構造は珪素を中心とした酸素原子の四面体によって構成され、各頂点を中心にして横に広がり、板状の層を作っている。マグネシウム、鉄、カリウムなどの鉱物もこの珪素の層の間に層を成して挟まれ、これら二種の層の規則的な積み重なりから粘土ができている。この粘土鉱物は粘土の加工しやすさや、水を吸収して膨張するなどの特徴を作り、粒子間の水は粒子間のすべりをよくし、吸着水は結晶の層間に入り込んだ水分子で周囲の状態によって増減し、粘土鉱物の体積を増減している。また土壌の主成分として肥料の保持力にも関係を持っている。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明のシステムによれば、複数の種子(種子A11、種子B12、種子C13など)と、バーミキュライト1を中核とした酸性添加剤5を含有する肥料10とを撹拌14し、均質に配合し該配合剤15を砂漠地帯の地層に適した粘土16に混練して粘土団子17を生成しているため、砂漠化した土地の緑化が砂漠の地質に応じて進められ、前記酸性添加剤5の供給によるミネラル効果で、植物の生理作用を著しく高めることができ、植物の生長を促進し、植物の収穫を増大させることができるばかりでなく、殺菌作用をも具備しているので、その相乗効果によって、作物によっては農業用殺菌剤や植物生長調節剤を使用しなくてもよいが、あるいはその使用量を減少させることができるなどの利点が得られ、砂漠土壌の肥沃化の効率的な展開がなされるようになった。
【0025】
また、酸性添加剤5により、植物の生長阻害要因が除去され、無限的な植物の生長が図られ、砂漠地帯の緑化・肥沃化が実現され、乾燥地帯で急速に進んでいる砂漠化の防止が図られるばかりか、砂漠化した土地の緑化が砂漠の地質に応じて進められ、砂漠土壌の肥沃化の効率的な展開がなされるようになった。
【0026】
砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化のために、複数の種子が使われているが、熱帯や温帯地方で栽植されているアカシアの例でみると、22m間隔で植えた場合、5年で樹高が約10mになるが、根は10m四方に広がり、水が浸潤して土地の肥沃化・腐植の蓄積と共に、保水力が高まり、地下水の移動も徐々に隣の木から木へと転移し、水運搬の役目を果たしてくれている。
【0027】
本発明のシステムにより、砂砂漠での緑化対象領域内で緑地化が進むばかりか、岩石砂漠や礫砂漠などでも緑地化が進み、これらによって、水の管理、気象条件の管理などにより、風水害や干ばつなどの災害が防げるばかりか、農地化、防風林、防砂林などが計画的に進められることになる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明については、砂砂漠での緑化や肥沃化にも役立つばかりか、農地の改良にも結びつくようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】砂漠化の防止及び砂漠地帯の緑化・肥沃化システムの概要図。
【符号の説明】
【0030】
1 バーミキュライト 2 無機酸水溶液 3 金属塩
4 非金属塩 5 酸性添加剤 6 カルシウム源
7 窒素源 8 燐源 9 カリウム源
10 肥料 11 種子A 12 種子B
13 種子C 14 撹拌 15 配合剤
16 粘土 17 粘土団子 18 播種手段
19 発芽手段 20 緑化育成手段
【出願人】 【識別番号】302035164
【氏名又は名称】稲垣 實男
【出願日】 平成20年4月4日(2008.4.4)
【代理人】 【識別番号】100075823
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋本 久寿弥太
【公開番号】 特開2009−247340(P2009−247340A)
【公開日】 平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願番号】 特願2008−120702(P2008−120702)