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【発明の名称】 植物栽培用LED照明システム
【発明者】 【氏名】梶野 修
【課題】植物育成用の照明システムにおいて、複数台の照明器の設定(光の強弱やオンオフ間隔時間など)を所定のデータ伝送接続方法を用いて瞬時に行うことができ、さらに接続ケーブルの短縮と標準化を可能として機器の環境美化に貢献するシステムを提供することを目的とする。

【解決手段】マスター照明器と第1のスレーブ照明器とを第1の信号渡り配線で接続し、第1のスレーブ照明器と第2のスレーブ照明器とを第2の信号渡り配線で接続し、…、第n−1のスレーブ照明器と第nのスレーブ照明器とを第nの信号渡り配線で接続する。マスター照明器の操作子による制御内容を含むコマンドを前記信号渡り配線を利用して各スレーブ照明器に転送する。各スレーブ照明器では、そのコマンドに応じてLEDを制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスター制御器と複数台のスレーブ照明器とを備える植物栽培用LED照明システムであって、
マスター照明器と第1のスレーブ照明器とを第1の信号渡り配線で接続し、第1のスレーブ照明器と第2のスレーブ照明器とを第2の信号渡り配線で接続し、…、第n−1のスレーブ照明器と第nのスレーブ照明器とを第nの信号渡り配線で接続し、
マスター照明器は、
植物栽培用LEDと、
自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、
前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフする操作子と、
前記操作子の操作に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフ制御する制御手段と、
前記制御手段におけるオン/オフ制御の制御内容を含むコマンドを、前記第1の信号渡り配線を介して前記第1のスレーブ照明器に送信する送信手段と
を備え、
第1〜第nの各スレーブ照明器は、
植物栽培用LEDと、
自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、
前記信号渡り配線の接続順で前段の照明器から送信されるコマンドを受信する受信手段と、
受信したコマンドの制御内容に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフ制御する制御手段と、
受信したコマンドを、前記信号渡り配線の接続順で次段の照明器に送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする植物栽培用LED照明システム。
【請求項2】
マスター制御器と複数台のスレーブ照明器とを備える植物栽培用LED照明システムであって、
マスター照明器と第1のスレーブ照明器とを第1の信号渡り配線及び第1の電源渡り配線で接続し、第1のスレーブ照明器と第2のスレーブ照明器とを第2の信号渡り配線及び第2の電源渡り配線で接続し、…、第n−1のスレーブ照明器と第nのスレーブ照明器とを第nの信号渡り配線及び第nの電源渡り配線で接続し、
マスター照明器は、
植物栽培用LEDと、
前記電源渡り配線から供給される電力を利用して自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、
前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフする操作子と、
前記操作子の操作に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフ制御する制御手段と、
前記制御手段におけるオン/オフ制御の制御内容を含むコマンドを、前記第1の信号渡り配線を介して前記第1のスレーブ照明器に送信する送信手段と
を備え、
第1〜第nの各スレーブ照明器は、
植物栽培用LEDと、
前記電源渡り配線から供給される電力を利用して自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、
前記信号渡り配線の接続順で前段の照明器から送信されるコマンドを受信する受信手段と、
受信したコマンドの制御内容に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフ制御する制御手段と、
受信したコマンドを、前記信号渡り配線の接続順で次段の照明器に送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする植物栽培用LED照明システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の植物栽培用LED照明システムにおいて、
前記マスター照明器が備える操作子は、前記植物栽培用LEDをパルス点灯させる際の点灯電流と点灯時間/消灯時間を指定する操作子であり、
前記マスター照明器が備える制御手段は、該操作子の操作に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流と点灯時間/消灯時間を制御するものであり、
前記マスター照明器が備える送信手段は、該操作子の操作に応じた制御内容を含むコマンドを送信するものであり、
前記各スレーブ照明器が備える制御手段は、受信したコマンドの制御内容に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流と点灯時間/消灯時間を制御するものである
ことを特徴とする植物栽培用LED照明システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1つに記載の植物栽培用LED照明システムにおいて、
前記第nのスレーブ照明器と前記マスター照明器とを信号渡り配線で接続し、
前記マスター照明器は、前記第nのスレーブ照明器から前記信号渡り配線を介して送信されるコマンドを受信することにより、該コマンドが全スレーブ照明器に転送されたことを確認する
ことを特徴とする植物栽培用LED照明システム。
【請求項5】
マスター制御器と複数台のスレーブ照明器とを備える植物栽培用LED照明システムであって、
マスター照明器と第1のスレーブ照明器とを第1の信号渡り配線で接続し、第1のスレーブ照明器と第2のスレーブ照明器とを第2の信号渡り配線で接続し、…、第n−1のスレーブ照明器と第nのスレーブ照明器とを第nの信号渡り配線で接続し、
マスター照明器は、
現在日時を出力するタイマーと、
植物栽培用LEDと、
自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、
前記植物栽培用LEDの点灯電流を制御するコマンドと該コマンドの実行日時とを記憶した記憶手段と、
前記タイマーが出力する現在日時が前記記憶手段に記憶されている実行日時に至ったとき、該実行日時に対応するコマンドに応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流を制御する制御手段と、
前記制御手段における制御の制御内容を含むコマンドを、前記第1の信号渡り配線を介して前記第1のスレーブ照明器に送信する送信手段と
を備え、
第1〜第nの各スレーブ照明器は、
植物栽培用LEDと、
自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、
前記信号渡り配線の接続順で前段の照明器から送信されるコマンドを受信する受信手段と、
受信したコマンドの制御内容に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流を制御する制御手段と、
受信したコマンドを、前記信号渡り配線の接続順で次段の照明器に送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする植物栽培用LED照明システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の植物栽培用LED照明器を一括して制御できる植物栽培用LED照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、植物栽培用の照明器や設備に関する技術が知られている(例えば、特許文献1,2など)。これらは、植物に所定の光を照射することにより植物を育成しようとするものである。植物栽培には光合成に有効ないくつかの波長を持った照明器が補光の目的で使用される。波長を限定すれば消費電力の点で全波長を利用するより低消費電力であり、植物育成の効果もそれほど低くならないとされている。代表的な波長としては、740nm付近(近赤外光と呼ぶ)、660nm付近(赤色光と呼ぶ)、470nm付近(青色光と呼ぶ)、350nm付近(近紫外光と呼ぶ)などが利用される。また、点灯方法も連続点灯だけに限らない。光を断続させるパルス点灯方式も成長速度が早くなるとされ利用されている。例えば、照明点灯時間400マイクロ秒、点灯間隔1ミリ秒程度でパルス状に点灯させる方式などが用いられる。
【特許文献1】特開2001−86860号公報
【特許文献2】特開2004−121172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したように植物栽培用の照明器は以前から知られているが、複数台の照明器の設定を一括して行う技術については、従来、余り考えられていなかった。
【0004】
図8は、従来の複数台の照明器の接続方式の例を示す。点灯電流値の設定や点灯時間の設定を行うことができるマスター照明器80から、各スレーブ照明器81−1〜nに、直接、電源供給線や信号線が接続されている。専用の操作子84を操作することによりマスター照明器80において点灯電流値の設定変更や点灯時間の設定変更が行われると、その旨を示す信号が各スレーブ照明器81−1〜nに送られ、各スレーブ照明器81−1〜nは、指示された設定変更を行う。このような方式では、マスター照明器80から各スレーブ照明器81−1〜nへの配線が面倒であった。特に、植物栽培にはたくさんの照明器を必要とする場合が少なくない(100〜200台、場合によってはそれ以上)。このように照明器の台数が多くなると配線が非常に困難となる。
【0005】
本発明は、複数台の照明器の設定(光の強弱やオンオフ間隔時間など)を所定のデータ伝送接続方法を用いて瞬時に行うことができ、さらに接続ケーブルの短縮と標準化を可能として機器の環境美化に貢献するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、マスター制御器と複数台のスレーブ照明器とを備える植物栽培用LED照明システムであって、マスター照明器と第1のスレーブ照明器とを第1の信号渡り配線で接続し、第1のスレーブ照明器と第2のスレーブ照明器とを第2の信号渡り配線で接続し、…、第n−1のスレーブ照明器と第nのスレーブ照明器とを第nの信号渡り配線で接続し、マスター照明器は、植物栽培用LEDと、自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフする操作子と、前記操作子の操作に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフ制御する制御手段と、前記制御手段におけるオン/オフ制御の制御内容を含むコマンドを、前記第1の信号渡り配線を介して前記第1のスレーブ照明器に送信する送信手段とを備え、第1〜第nの各スレーブ照明器は、植物栽培用LEDと、自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、前記信号渡り配線の接続順で前段の照明器から送信されるコマンドを受信する受信手段と、受信したコマンドの制御内容に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフ制御する制御手段と、受信したコマンドを、前記信号渡り配線の接続順で次段の照明器に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、マスター制御器と複数台のスレーブ照明器とを備える植物栽培用LED照明システムであって、マスター照明器と第1のスレーブ照明器とを第1の信号渡り配線及び第1の電源渡り配線で接続し、第1のスレーブ照明器と第2のスレーブ照明器とを第2の信号渡り配線及び第2の電源渡り配線で接続し、…、第n−1のスレーブ照明器と第nのスレーブ照明器とを第nの信号渡り配線及び第nの電源渡り配線で接続し、マスター照明器は、植物栽培用LEDと、前記電源渡り配線から供給される電力を利用して自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフする操作子と、前記操作子の操作に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフ制御する制御手段と、前記制御手段におけるオン/オフ制御の制御内容を含むコマンドを、前記第1の信号渡り配線を介して前記第1のスレーブ照明器に送信する送信手段とを備え、第1〜第nの各スレーブ照明器は、植物栽培用LEDと、前記電源渡り配線から供給される電力を利用して自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、前記信号渡り配線の接続順で前段の照明器から送信されるコマンドを受信する受信手段と、受信したコマンドの制御内容に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流をオン/オフ制御する制御手段と、受信したコマンドを、前記信号渡り配線の接続順で次段の照明器に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の植物栽培用LED照明システムにおいて、前記マスター照明器が備える操作子は、前記植物栽培用LEDをパルス点灯させる際の点灯電流と点灯時間/消灯時間を指定する操作子であり、前記マスター照明器が備える制御手段は、該操作子の操作に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流と点灯時間/消灯時間を制御するものであり、前記マスター照明器が備える送信手段は、該操作子の操作に応じた制御内容を含むコマンドを送信するものであり、前記各スレーブ照明器が備える制御手段は、受信したコマンドの制御内容に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流と点灯時間/消灯時間を制御するものであることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか1つに記載の植物栽培用LED照明システムにおいて、前記第nのスレーブ照明器と前記マスター照明器とを信号渡り配線で接続し、前記マスター照明器は、前記第nのスレーブ照明器から前記信号渡り配線を介して送信されるコマンドを受信することにより、該コマンドが全スレーブ照明器に転送されたことを確認することを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、マスター制御器と複数台のスレーブ照明器とを備える植物栽培用LED照明システムであって、マスター照明器と第1のスレーブ照明器とを第1の信号渡り配線で接続し、第1のスレーブ照明器と第2のスレーブ照明器とを第2の信号渡り配線で接続し、…、第n−1のスレーブ照明器と第nのスレーブ照明器とを第nの信号渡り配線で接続し、マスター照明器は、現在日時を出力するタイマーと、植物栽培用LEDと、自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、前記植物栽培用LEDの点灯電流を制御するコマンドと該コマンドの実行日時とを記憶した記憶手段と、前記タイマーが出力する現在日時が前記記憶手段に記憶されている実行日時に至ったとき、該実行日時に対応するコマンドに応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流を制御する制御手段と、前記制御手段における制御の制御内容を含むコマンドを、前記第1の信号渡り配線を介して前記第1のスレーブ照明器に送信する送信手段とを備え、第1〜第nの各スレーブ照明器は、植物栽培用LEDと、自機の植物栽培用LEDを点灯するための電力を供給する電源手段と、前記信号渡り配線の接続順で前段の照明器から送信されるコマンドを受信する受信手段と、受信したコマンドの制御内容に応じて前記植物栽培用LEDの点灯電流を制御する制御手段と、受信したコマンドを、前記信号渡り配線の接続順で次段の照明器に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数台の照明器の設定を所定のデータ伝送接続方法を用いて瞬時に行うことができ、また各照明器を順に信号渡り配線や電源渡り配線で接続する方式を採っているので、接続ケーブルの短縮と標準化を可能として機器の環境美化に貢献するシステムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る実施形態の照明システムにおける接続方式を示す。マスター照明器10と次のスレーブ照明器11−1とを信号渡り配線12−1及び電源渡り配線13−1で接続する。同様にして、スレーブ照明器11−1と次のスレーブ照明器11−2とを信号渡り配線12−2及び電源渡り配線13−2で接続し、…、スレーブ照明器11−(n−1)と次のスレーブ照明器11−nとを信号渡り配線12−n及び電源渡り配線13−nで接続する。さらに、最後のスレーブ照明器11−nとマスター照明器10とを信号渡り配線12−0及び電源渡り配線13−0で接続する。これにより、マスター照明器10及びスレーブ照明器11−1,…11−nは信号渡り配線12−0〜12−nと電源渡り配線13−0〜13−nによりリング状に接続されていることになる。信号渡り配線12−1は、RS−232Cインターフェースに従い信号を伝送するための配線であり、ここではマスター照明器10から信号を送信してスレーブ照明器11−1で受信する一方向通信を行うため、矢印も一方向にのみ付けて図示した。他の信号渡り配線12−0,12−2〜12−nも同様のものである。
【0014】
14は点灯電流値の設定や点灯時間の設定を行う操作子(スイッチやボリューム)を示す。操作子14を操作すると、マスター照明器10は、その操作に応じて点灯電流値の設定や点灯時間の設定を実行し、さらにスレーブ照明器11−1に向けてその操作に応じたコマンドを送信する。スレーブ照明器11−1は、そのコマンドを受信し、その指示に応じて点灯電流値の設定や点灯時間の設定を実行し、さらに次のスレーブ照明器11−1に向けてコマンドを転送する。このようにコマンドを順に転送し、全てのスレーブ照明器11の設定を行う。なお、最後のスレーブ照明器11−nから信号渡り配線12−0でコマンドをマスター照明器10に戻しているのは、マスター照明器10でコマンドが全スレーブ照明器11−1〜11−nに転送されたことを確認するためである。
【0015】
電源渡り配線13−0〜13−nは、各照明器に電力を供給するためのものである。図1では不図示だが、電源渡り配線13−0〜13−nのうちの任意の位置に、本システム全体に電力を供給する電源供給線が接続されている。信号渡り配線12−0〜12−nの全体を信号渡り配線12と呼び、電源渡り配線13−0〜13−nの全体を電源渡り配線13と呼ぶ。
【0016】
図2は、図1で説明したマスター照明器10の回路の概要図を示す。マスター照明器10は、制御回路20、通信受信回路21、通信駆動回路22、月日タイマー23、電源回路24、点灯電流選択回路CS1〜4、発光ダイオードLED1〜4、及び電流スイッチ回路Tr1〜4を備える。
【0017】
制御回路20は、マスター照明器10の全体の動作を制御する。制御回路20は、CPU(中央処理装置であるマイコンチップ)やROM(リードオンリメモリ)を備え、ROMに格納されているプログラムをCPUで実行することにより各種の制御動作を実現する。LED1は近赤外色発光ダイオード、LED2は赤色発光ダイオード、LED3は青色発光ダイオード、LED4は近紫外色発光ダイオードである。LED1用の点灯電流選択回路CS1は、制御回路20の指示に応じてLED1に流れる電流を制御する回路である。他の点灯電流選択回路CS2〜4も同様のものである。LED1用の電流スイッチ回路Tr1は、制御回路20の指示に応じてLED1に流れる電流をオン/オフ制御するための回路である。Tr2〜4も同様のものである。
【0018】
電源回路24は、電源渡り線13から供給される電力を利用して、本照明器10内の各部に電力を供給する。特に照明電源用などのために安定化が必要なものに対しては、安定化して電力を供給する。月日タイマー23は、現在の年月日情報を出力するタイマーである。通信受信回路21は、前段照明器から送信されるRS232C規格の信号を受信する回路である。通信駆動回路22は、次段照明器に向けてRS232C規格の信号を送信する駆動回路である。なお、図1で説明した信号渡り線12の信号の流れの方向は、マスター照明器10→スレーブ照明器11−1→スレーブ照明器11−2→…→スレーブ照明器11−n→マスター照明器10となるが、この順で見たとき、ある照明器の前側の照明器を「前段照明器」と呼び、次の照明器を「次段照明器」と呼ぶものとする。
【0019】
SW1〜SW8は、LEDの点灯電流を設定する可変操作スイッチである。SW1,SW3,SW5,SW7は、それぞれ、LED1〜4の点灯電流として中電流のオン/オフを選択するスイッチである。SW2,SW4,SW6,SW8は、それぞれ、LED1〜4の点灯電流として小電流のオン/オフを選択するスイッチである。例えば、近赤外光LED1に関するスイッチSW1とSW2について説明すると、(1)SW1とSW2とを共にオンしたときは選択電流が「大」、(2)SW1がオンでSW2がオフのときは選択電流が「中」、(3)SW1がオフでSW2がオンのときは選択電流が「小」、(4)SW1とSW2とを共にオフしたときは選択電流が「オフ」となる。
【0020】
VR1〜VR8は、LEDの点灯/消灯時間を設定するための可変ボリュームである。VR1,VR3,VR5,VR7は、それぞれ、LED1〜4の点灯時間を200マイクロ秒〜2秒の間で可変するためのボリュームである。VR2,VR4,VR6,VR8は、それぞれ、LED1〜4の消灯時間を200マイクロ秒〜2秒の間で可変するためのボリュームである。
【0021】
図5は、パルス点灯の点灯時間及び消灯時間の説明図である。矢印55の方向が時間の経過を示し、50が1つのLEDに流れる電流を示す。51に示すレベルのとき点灯し、52に示すレベルのとき消灯するものとする。53に示す時間区間が「点灯時間」であり、54に示す時間区間が「消灯時間」である。LED1を例として説明すると、上述のVR1とVR2を調整することで、LED1に関しする点灯時間53及び消灯時間54を可変することができる。点灯時間53の時間区間でLED1に流れる電流は、上述したSW1とSW2により設定された選択電流の大きさである。なお、特別の場合として、VR1,VR2ともに最大設定の場合は、パルス点灯でなく、LED1は連続点灯に設定される。また、SW1とSW2とを共にオフしたときは選択電流が「オフ」となるが、この場合はVR1とVR2の設定状態にかかわらずLED1は連続消灯される。他のLEDについても同様である。
【0022】
図6は、VR1〜VR8のボリューム可変回路の説明図である。60はユーザが抵抗値を可変できるボリュームを示す。このボリューム60の操作に応じて可変される電圧値をA/Dコンバータ61でデジタルデータに変換し、制御回路20に入力する。これにより制御回路20は、ボリューム値を所定の範囲の数値情報で入力できる。
【0023】
図3は、図1のスレーブ照明器11−1の回路の概要を示す。スレーブ照明器11−1は、基本的に、図2で説明したマスター照明器10と同様の構成を有する。異なる点は、マスター照明器10に設けてある月日タイマー23、SW1〜8、及びVR1〜8が無い点である。他のスレーブ照明器11−2〜11−nも同様の構成である。
【0024】
図4は、マスター照明器10及びスレーブ照明器11の外観を示す。図4(a)は、マスター照明器10の外観を示す。マスター照明器10は、大きくは本体40aと反射板40bとからなる。本体40aの内部に、図2で説明した回路が設けられている。また本体40aの側面に、図2などで説明したスイッチSW1〜SW8およびボリュームVR1〜VR8が設けられている。本体40aから引き出されている配線41及びコネクタ(オス)42は前段照明器のコネクタ(メス)と接続するためのものであり、配線43及びコネクタ(メス)44は次段照明器のコネクタ(オス)と接続するためのものである。図2の電源渡り線13−0が図4の配線41とコネクタ42に相当し、図2の電源渡り線13−1が図4の配線43とコネクタ44に相当する。なお、スイッチSW1〜SW8およびボリュームVR1〜VR8は、図4(a)で説明するマスター照明器10から引き出し線で引き出した別の操作ボックス上に設けても良い。
【0025】
図4(b)は、図4(a)のマスター照明器10を矢印Aの方向から見た図である。LED1〜4が並べられている。図4(c)は、図4(a)のマスター照明器10を矢印Bの方向から見た図である。なお、本実施形態ではLEDを4つとしているが、その数は任意である。
【0026】
図4(d)は、スレーブ照明器11の外観を示す。スレーブ照明器11の外観は、図4(a)〜(c)で説明したマスター照明器10と同じであるが、マスター照明器10が備えているスイッチSW1〜SW8およびボリュームVR1〜VR8は、スレーブ照明器11には設けられていない。
【0027】
図7(a)は、マスター照明器10においてSW1〜8またはVR1〜8の操作を検出したときの制御回路20の処理を示す。ステップ71で、操作されたSW1〜8またはVR1〜8に応じて、自機のLED1〜4のオン/オフ及び電流値を制御する。この処理については、図2,5,6で説明した。ステップ72で、次段スレーブ照明器11−1に、前記操作に応じたコマンドを送信する。ステップ73で、送信したコマンドを所定の記憶領域に記憶しておく。なお、本システムの電源がオンされたときにも、図7(a)の処理を行うものとする。
【0028】
図7(b)は、各スレーブ照明器11において前段照明器からコマンドを受信したときの制御回路30の処理を示す。ステップ74で、受信したコマンドに応じて、自機のLEDのオン/オフ及び電流値を制御する。この処理は、マスタ照明器10におけるステップ71と同様の処理である。ステップ75で、次段照明器に、前記コマンドを転送する。
【0029】
図7(c)は、マスター照明器10において、前段スレーブ照明器からコマンドを受信したときの制御回路20の処理を示す。ステップ76で、受信したコマンドと所定の記憶領域に記憶してあるコマンド(ステップ73で記憶したもの)を比較する。ステップ77で、一致するコマンドがあれば、当該マスター照明器10から送出したコマンドが全スレーブ照明器11に転送できたということであるから、正常終了する。一致するものがなければ異常終了する。異常終了の場合は、その旨を何らかの態様で外部に知らせるようにする。なお、所定の記憶領域に記憶したコマンドのリストは、正常終了及び異常終了の情報とともにログとして残しても良いし、正常終了する毎に正常終了したコマンドを削除しても良い。また、各照明器で何らかの異常が検出された場合は、例えば規定の電流値で連続点灯する、というように異常時の動作を決めておいても良い。
【0030】
なお、上記実施形態では、最終段のスレーブ照明器11−nから信号渡り線12−0を介してコマンドをマスター照明器10に戻し、これによりマスター照明器10でコマンドが全スレーブ照明器11に転送されたことを確認するようにしているが、この確認は必ずしも必要ではないので、信号渡り線12−0は無くても良い。電源渡り線13もリング状に接続しているが、全照明器に電源が供給されれば良いので、どこか一カ所が切れていても良い。
【0031】
上記実施形態では、マスター照明器10もLEDを備えた照明器としたが、マスター照明器はLEDを持たずに制御機能のみを持つマスター制御器として構成しても良い。また、ここではRS232C方式で通信する例で説明したが、通信インターフェースは任意である。電源線に信号を乗せて送る電力線通信方式を用いれば、電源渡り線と信号渡り線を共通にできるので配線が容易である。
【0032】
上記実施形態では、ユーザがSW1〜8やVR1〜8を操作して設定を行っているが、これを自動化することも可能である。そのためには、マスター照明器10の制御回路20内の記憶手段に、例えば実行日時データとその実行日時に至ったときに実行すべきコマンドのリストを設定しておき、制御回路20において月日タイマー23から出力される現在時点の日時データが前記コマンドリストの実行日時に至ったときに、対応するコマンドを実行するようにすればよい。植物を成長させるためには、各波長光のオン/オフやパルス時間を一日や一月などの所定のスケジュールに従って変化させると良い場合がある。そのため、各波長の強弱変化や点灯時間の変化をプログラム化しておくことによって、さらに多くの植物や栽培条件の多様化に追随していくことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る実施形態の照明システムにおける接続方式を示す図
【図2】マスター照明器の回路の概要図
【図3】スレーブ照明器の回路の概要図
【図4】照明器の外観図
【図5】パルス点灯の点灯時間及び消灯時間の説明図
【図6】ボリューム可変回路の説明図
【図7】マスター照明器及びスレーブ照明器における処理のフローチャート
【図8】従来の接続方式を示す図
【符号の説明】
【0034】
10…マスター照明器、11−1〜11−n…スレーブ照明器、12−0〜12−n…信号渡り配線、13−0〜13−n…電源渡り配線、14…操作子、20…制御回路、21…通信受信回路、22…通信駆動回路、23…月日タイマー、24…電源回路、CS1〜4…点灯電流選択回路、LED1〜4…発光ダイオード、Tr1〜4…電流スイッチ回路、SW1〜SW8…可変操作スイッチ、VR1〜VR8…可変ボリューム。
【出願人】 【識別番号】504249709
【氏名又は名称】鎌倉電子工業株式会社
【出願日】 平成20年1月22日(2008.1.22)
【代理人】 【識別番号】100096954
【弁理士】
【氏名又は名称】矢島 保夫
【公開番号】 特開2009−171857(P2009−171857A)
【公開日】 平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願番号】 特願2008−11103(P2008−11103)