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【発明の名称】 排藁搬送装置及びそれを備えるコンバイン
【発明者】 【氏名】上久保 宏治
【課題】排藁を搬送するとともに、ササリ粒を排藁から効率的に分離することができる排藁搬送装置を提供する。

【解決手段】排藁搬送装置76は、扱胴30の後方に配置され、排藁を排藁カッタ装置まで搬送するように構成されている。この排藁搬送装置76は、排藁の株元側を搬送する排藁チェーン78と、排藁の穂先側を搬送するスクリューコンベア79と、ササリ粒を処理するためにスクリューコンベア79の近傍に配置されるササリ粒処理胴80と、を備える。また、前記ササリ粒処理胴80は、その軸線をスクリューコンベア79と一致させるようにして当該スクリューコンベア79より上流側に配置され、かつスクリューコンベア79と一体的に回転する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴で処理された排藁を搬送するための排藁搬送装置において、
前記排藁の株元側を搬送する排藁チェーンと、
前記排藁の穂先側を搬送する螺旋搬送体と、
ササリ粒を処理するために前記螺旋搬送体又は前記螺旋搬送体の近傍に配置される回転処理体と、
を備えることを特徴とする排藁搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排藁搬送装置であって、
前記回転処理体は、その軸線を前記螺旋搬送体と一致させるようにして当該螺旋搬送体より上流側に配置され、かつ前記螺旋搬送体と一体的に回転することを特徴とする排藁搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の排藁搬送装置であって、
前記扱胴より排藁搬送方向下流側に配置されるとともに当該扱胴と一体的に回転する回転部と、
前記回転部の回転に伴って従動回転する従動部と、
前記回転部及び前記従動部に巻き掛けられる無端体と、
を備え、
前記回転処理体は、前記従動部と一体的に構成されることを特徴とする排藁搬送装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の排藁搬送装置であって、
前記螺旋搬送体はコイル状に形成されていることを特徴とする排藁搬送装置。
【請求項5】
穀稈を脱穀する扱胴と、
この扱胴で処理された排藁を搬送するための請求項1から4までの何れか一項に記載の排藁搬送装置と、
を備えることを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は排藁搬送装置に関するものであり、詳細には、排藁を搬送する際のササリ粒の処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脱穀処理において、回転する扱胴による衝撃作用等によって穀稈から分離した穀粒は、扱胴の下方に配置される選別装置に落下して選別される。一方、穀粒を分離した後の穀稈は、扱胴の下流に配置される排藁搬送装置によって排藁として搬送され、適宜の長さに切断された後、機外へと排出される。しかし、脱穀処理において、穀稈から分離した穀粒が選別装置に落下することなく排藁に突き刺さってしまう、所謂ササリ粒が発生することがある。このササリ粒付きの排藁を単純に機外へ排出すると、ササリ粒が収穫ロスとなってしまう。
【0003】
このようなササリ粒を除去する手段を備えるものとして例えば特許文献1がある。特許文献1が開示する脱穀機は、穀稈を挟持して搬送するフィードチェーンの終端部分に、排藁搬送装置を設けてなる。この排藁搬送装置は、四番室の上方に位置させて回転駆動可能に軸装した螺旋移送体と、該螺旋移送体と平行に配設した案内ガイドとよりなる。
【特許文献1】実開昭53−162067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
扱室に搬送される穀稈量が増加すれば、扱室内の穀粒の密度が高くなってササリ粒の発生確率も高くなり、排藁とともに機外に排出される穀粒も増えて収穫ロスが大きくなってしまう。この点、特許文献1は、排藁の搬送過程において、回転する螺旋移送体の振動によってササリ粒を分離させることができる。しかし、排藁に十分に振動が伝わらない位置にササリ粒が刺さっている場合等ではササリ粒の分離が困難であり、脱穀処理で発生したササリ粒の回収率の向上という観点から改善の余地があった。
【0005】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排藁を搬送するとともに、ササリ粒を排藁から効率的に分離することができる排藁搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0007】
本発明の第1の観点によれば、扱胴で処理された排藁を搬送するための排藁搬送装置における以下の構成が提供される。即ち、この排藁搬送装置は、前記排藁の株元側を搬送する排藁チェーンと、前記排藁の穂先側を搬送する螺旋搬送体と、ササリ粒を処理するために前記螺旋搬送体又は前記螺旋搬送体の近傍に配置される回転処理体と、を備える。
【0008】
これにより、螺旋搬送体又は螺旋搬送体の近傍で排藁が回転処理体によって処理されるので、扱胴で処理しきれなかったササリ粒を効率的に回収することができる。また、回転駆動される螺旋搬送体は、排藁の穂先側を搬送すると同時に、当該排藁に作用してササリ粒を取り除く機能を発揮する。従って、ササリ粒の回収効率を一層高めることができる。
【0009】
前記の排藁搬送装置においては、前記回転処理体は、その軸線を前記螺旋搬送体と一致させるようにして当該螺旋搬送体より上流側に配置され、かつ前記螺旋搬送体と一体的に回転することが好ましい。
【0010】
これにより、回転処理体及び螺旋搬送体の駆動のための構成を共通化できるので、排藁搬送装置の構成を簡素化できる。また、螺旋搬送体に搬送される前に回転処理体でササリ粒が処理されるので、ササリ粒の回収率を一層高めることができる。
【0011】
前記の排藁搬送装置においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、この排藁搬送装置は、前記扱胴より排藁搬送方向下流側に配置されるとともに当該扱胴と一体的に回転する回転部と、前記回転部の回転に伴って従動回転する従動部と、前記回転部及び前記従動部に巻き掛けられる無端体と、を備える。そして、前記回転処理体は前記従動部と一体的に構成される。
【0012】
これにより、回転処理体が従動部を兼ねるので、部品点数を削減できるとともに構成を簡素化でき、製造コスト及び工数を低減できる。また、排藁搬送装置の小型化を容易に実現することができる。
【0013】
前記の排藁搬送装置においては、前記螺旋搬送体はコイル状に形成されていることが好ましい。
【0014】
これにより、螺旋搬送体の中心部分を含めたスペースを有効に使って排藁を搬送することができる。従って、小型の螺旋搬送体を採用しても十分な搬送能力を発揮できるので、排藁搬送装置を容易に小型化することができる。
【0015】
本発明の第2の観点によれば、穀稈を脱穀する扱胴と、この扱胴で処理された排藁を搬送するための前記排藁搬送装置と、を備えるコンバインが提供される。
【0016】
これにより、ササリ粒による収穫ロスを効果的に抑制したコンバインを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は第1実施形態に係るコンバインの側面図、図2はコンバインの平面図である。なお、以下の説明では、単に「左側」「右側」等というときは、コンバインが前進する方向に向かって左側及び右側を意味するものとする。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のコンバイン10は、稲、麦等の株元を刈り取るための刈取部12を機体前部に備え、進行部としてのクローラ部11を機体下部に備えて構成されている。そして図2に示すように、コンバイン10の左側の上部には、刈り取った穀稈を脱穀するための脱穀装置14が備えられる。また、この脱穀装置14と並設するように、グレンタンク15がコンバイン10の上部右側に備えられている。
【0019】
グレンタンク15の前方には、コンバイン10を操作するための運転部17が配置されている。この運転部17には運転操作部52及び運転座席53等が設けられており、この運転操作部52を操作することによって刈取や走行等、コンバイン10の各種の操作を行うように構成されている。前記運転部17の下方には、コンバイン10の駆動源としてのエンジン18が配置されている。
【0020】
図1に示すクローラ部11はコンバイン10の左右両側に配置されており、このクローラ部11が駆動することでコンバイン10を走行させるように構成されている。そして、この左右のクローラ部11を後述の走行ミッション装置61によって制御することで、コンバイン10の走行方向及び速度の調節が可能になっている。
【0021】
刈取部12は、前処理部25と、刈刃部13と、掻込装置47と、図略の搬送部と、を備えている。前処理部25はコンバイン10の機体の前方下部に配置され、分草板45と、引起し装置46とによって構成されている。引起し装置46は図略のタインを備えており、倒伏した作物を拾い上げたり、穂先を一定の幅に収束させたりする引起し作業を行う。分草板45は、刈り取るべき幅を規定するためのものであり、また、倒伏した状態の稲等を当該分草板45がすくい上げることによって、引起し装置46による前記引起し作業を容易にする。
【0022】
刈刃部13は刈刃と受刃とを備えており、両者が左右に駆動されることによって作物の株元を切り取る。また、掻込装置47は刈刃部13の上方に配置されており、この掻込装置47は、刈刃部13によって切断された穀稈を掻き込み、図略の搬送部に受け渡す。この搬送部は搬送チェーン及び縦搬送チェーン等を備えており、後述の脱穀装置14のフィードチェーン16に作物の株元を搬送するように構成されている。
【0023】
脱穀装置14はフィードチェーン16を備え、このフィードチェーン16によって穀稈を挟持しながら搬送して脱穀するように構成されている。穀稈の脱穀後、穀粒が藁屑より選別分離されて、精粒は一番物として前記グレンタンク15に貯留される。グレンタンク15内に貯留された一番物は、排出オーガ51を介して機外に排出される。藁屑は後述の排藁搬送装置によって搬送され、コンバイン10後部に備えられる排藁カッタ装置48によって適宜の長さに切り刻まれ、機外へ排出される。
【0024】
次に図3、図4を参照して脱穀装置14について説明する。図3は脱穀装置14の構成を示す側面図である。図4は脱穀装置の背面図である。
【0025】
脱穀装置14は穀稈脱穀用の扱胴30を備え、この扱胴30は脱穀装置14内の前部上方に設置されている。この扱胴30の中心軸は、前記フィードチェーン16の搬送方向に略沿わせるように配置されており、扱胴30の外周には複数の扱歯41が植設されている。また、扱胴30の下方位置には粗選別を行うためのクリンプ網34が備えられる。このクリンプ網34は、扱胴30の下部を覆うように円弧面状に構成されている。
【0026】
この構成で、穀稈はフィードチェーン16に挟持された状態で脱穀装置14に搬送され、扱胴30の回転による衝撃作用、扱歯41によるしごき作用、そしてクリンプ網34によるもみほぐし作用等によって脱粒される。
【0027】
脱穀装置14は、扱胴30の終端部近傍に配置される送塵口処理胴31を備えている。この送塵口処理胴31は円筒状に形成され、その中心軸が扱胴30の中心軸と平行となるように配置されている。また、図3及び図4に示すように、送塵口処理胴31は、扱胴30の終端部と送塵口処理胴31の始端部がラップするようにして、扱胴30の右側に配置される。
【0028】
送塵口処理胴31の外周には複数の扱歯42が植設されている。なお、送塵口処理胴31の下方には図略のクリンプ網が備えられ、送塵口処理胴31の下部を覆うように円弧面状に形成されている。この構成で、扱胴30終端から送り出された籾、藁屑等は、送塵口処理胴31によって処理されるとともに、前記クリンプ網で粗選別される。粗選別後の籾や藁屑等は、後述する揺動選別装置32に処理物として落下する。
【0029】
脱穀装置14は、扱胴30及び送塵口処理胴31の下方に左右方向に横設される揺動選別装置32を備えている。また、揺動選別装置32の更に下方には風選別装置33が配置される。この揺動選別装置32と風選別装置33によって、脱穀装置14における選別装置が構成されている。この構成で、脱穀された穀粒は、揺動選別装置32及び風選別装置33によって、精粒である一番物と、枝梗付き穀粒や穂切れ粒等である二番物とに選別される。
【0030】
揺動選別装置32について説明する。この揺動選別装置32は、穀粒搬送方向の上流から下流に向かって順に、フィードパン35と、チャフシーブ36と、ストローラック37と、を備えている。フィードパン35は多量の穀粒が落下する場所に配置されており、後の選別を効率的に行うために、籾層を平均化する前処理を行う。チャフシーブ36は、フィードパン35から送られた穀粒と藁屑の粗選別を行うためのものであり、揺動選別装置32の幅方向に横架された複数のチャフフィンを備えている。このチャフフィンの角度は変更可能に構成されており、この角度を調節することによって穀粒の漏下量を調節することができる。例えば、チャフシーブ36上に堆積する籾層が厚い場合には、チャフシーブ36の角度を大きくすることで籾の漏下量を増加させて処理能力を増大させる一方、堆積する籾層が薄い場合には、チャフシーブ36の角度を小さくすることで籾の漏下量を制限して藁屑等の混入を防止することができる。ストローラック37は、藁屑をほぐすとともに、藁屑中に存在する穀粒を、再選別のために後述する二番コンベア樋27に落下させる。
【0031】
次に風選別装置33について説明する。この風選別装置33は、唐箕ファン38と、グレンシーブ39と、を備えている。唐箕ファン38はフィードパン35の下方に配置されるとともに、揺動選別装置32の幅方向に横設されている。グレンシーブ39はチャフシーブ36の下方に配置される。
【0032】
前記グレンシーブ39の下方には、樋状に形成される一番コンベア樋26が配置されており、この一番コンベア樋26上には、選別装置から落下した一番物を揚穀筒19に搬送するための一番コンベア23が設けられている。また、ストローラック37下方には同じく樋状に形成される二番コンベア樋27が配置されており、この二番コンベア樋27上には、選別装置から落下した二番物を還元筒20に搬送するための二番コンベア24が設けられている。
【0033】
以上の構成で、グレンシーブ39より落下してくる籾、藁屑等に対して、唐箕ファン38が生起する選別風が当てられる。そして、この選別風にかかわらず略垂直に落下する比重の重い物は一番コンベア樋26へ送られるとともに、比重のやや軽い物は二番物として二番コンベア樋27に飛ばされる。以上により、脱穀後の処理物を比重選別することができる。なお、選別装置の選別精度を上げるために、比重が若干軽い程度の物についても二番コンベア樋27に落下するように選別風の強度等が調整されている。
【0034】
また、揺動選別装置32の終端部には吸引ファン(図3及び図4において図略)が備えられ、この吸引ファンによって選別後の藁屑等が吸塵され機外に排出されるように構成されている。
【0035】
かかる揺動選別装置32と風選別装置33との相互作用により、脱穀後の処理物は、穀稈が搬送されてくる機体前方側から後方側に向けて搬送され、一番物と二番物に選別される。
【0036】
図4に示すように、前記一番コンベア23の搬送方向下流側の端部は脱穀装置14の側壁50から突出するとともに、この突出部分には揚穀筒19が接続されている。この揚穀筒19は、上下方向から前方にやや傾斜して配設されるとともに、その内部には、一番物を上方のグレンタンク15へ運ぶための図略の揚穀コンベアが設けられている。この構成で、前記選別装置によって選別されて図3の一番コンベア樋26に落下した一番物は、一番コンベア23によって図3の紙面手前側から奥側へ搬送される。そして一番物は、一番コンベア23の終端部から前記揚穀コンベアに受け継がれ、前記グレンタンク15まで搬送される。
【0037】
また、図4に示すように、脱穀装置14の側壁50の外側には還元筒20が設置されている。この還元筒20は、前記二番コンベア24の搬送方向下流側の端部近傍から前記扱胴30の下部に向けられるとともに、前記側壁50に沿って配設されている。また、還元筒20の終端部には二番処理装置44が接続されている。この二番処理装置44は図略のロータを備えており、このロータを回転駆動させることによって二番物の枝梗を除去することができる。また、還元筒20の内部には、二番物を前記二番処理装置44へ運ぶための図略の還元コンベアが設けられている。
【0038】
この構成で、前記選別装置によって選別されて二番コンベア樋27に落下した二番物は、当該二番コンベア24によって図3の紙面手前側から奥側へ搬送される。二番物は二番コンベア24から前記還元コンベア、二番処理装置44へと送られ、二番処理装置44によって枝梗が除去された後、二番処理装置44から揺動選別装置32上へ向けて放出される。
【0039】
以上に示すように、コンバイン10によって刈り取られた稲等から脱穀された穀粒は、選別装置によって一番物と二番物に選別される。そして選別された一番物は、一番コンベア23及び前記揚穀コンベアを介してグレンタンク15に集積される。一方、二番物は、二番コンベア24、前記還元コンベア、二番処理装置44を経由して前記揺動選別装置32上に戻され、再び選別される。
【0040】
一方、脱穀処理が終わった排藁は、フィードチェーン16で搬送された後、脱穀装置14の下流側に配置される排藁搬送装置76に引き継がれる。排藁搬送装置76により搬送された排藁は、当該排藁搬送装置76の下流側端部に配置された排藁カッタ装置48に投入される。
【0041】
排藁カッタ装置48は、複数の回転刃を備える低速回転軸54と、同様に複数の回転刃を備える高速回転軸55とを備え、低速回転軸54及び高速回転軸55は軸同士が平行になるように取り付けられている。排藁カッタ装置48に投入された排藁は、回転する低速回転軸54の回転刃及び高速回転軸55の高速回転刃によって適宜の長さに切断された後、機外へ排出される。
【0042】
次に図5を参照してコンバイン10の駆動伝達構成の要部について説明する。図5は、コンバイン10の動力伝達構成を示すスケルトン図である。
【0043】
図5に示すように、本実施形態のコンバイン10が備えるエンジン18の動力は、エンジン18の出力軸60から、クローラ部11を駆動させる走行ミッション装置61、脱穀装置14の各部、排出オーガ51及び刈取部12にそれぞれ分岐して伝達される。
【0044】
エンジン18の駆動力の一部は、動力の断接制御のための脱穀クラッチ71を介して、唐箕ファン38及び一番コンベア23に伝達される。この駆動力は更に、二番コンベア24、揺動選別装置32、吸引ファン40、排藁カッタ装置48、及びフィードチェーン16へ伝達される。
【0045】
また、エンジン18の駆動力の一部は、扱胴駆動軸49を経由して扱胴30及び送塵口処理胴31に伝達される。扱胴30に伝達された駆動力は、更に、扱胴30で処理された排藁を搬送するための排藁搬送装置76に、伝達部90を介して伝達される。なお、扱胴30から排藁搬送装置76へ駆動力を伝達するための構成については後述する。
【0046】
前記排藁カッタ装置48において、エンジン18からの駆動力は高速回転軸55に伝達され、これにより高速回転軸55が回転する。この高速回転軸55と前記低速回転軸54はギアを介して連結されており、これにより低速回転軸54は、高速回転軸55より低い速度で前記高速回転軸55と反対向きに回転する。
【0047】
前記一番コンベア23の端部にはベベルギアを介して揚穀コンベア21が連結されており、一番コンベア23に伝達された駆動力によって揚穀コンベア21が駆動されるようになっている。
【0048】
前記二番コンベア24の端部には還元コンベア22がベベルギアを介して連結されている。また、還元コンベア22の端部には二番処理装置44がベベルギアを介して接続されている。これにより、二番コンベア24に伝達された駆動力は、更に還元コンベア22及び二番処理装置44へ伝達される。
【0049】
グレンタンク15は、前記排出オーガ51へ穀粒を搬送するための底コンベア67及び縦コンベア68を備えている。また、排出オーガ51には排出コンベア69が内蔵されている。エンジン18の駆動力の一部はこれらのコンベアにも伝達され、それぞれのコンベアを駆動することができる。
【0050】
次に、図6を参照して、本実施形態の排藁搬送装置76について説明する。図6は、扱胴30及び排藁搬送装置76の様子を概略的に示した要部平面図である。なお、以下の説明では、排藁搬送装置76によって排藁が搬送される方向を排藁搬送方向と称する。
【0051】
図6に示すように、排藁搬送装置76は、ササリ粒処理胴(回転処理体)80と、排藁チェーン78と、スクリューコンベア79と、を備える。この排藁搬送装置76によって、排藁は、コンバイン10の左右中央側へ向かうように斜め後方へ搬送される。また、図3の矢印に示すように、排藁は、徐々に上昇しながら後方へ向かって搬送される。
【0052】
次に排藁搬送装置76の各部について説明する。ササリ粒処理胴80は円筒状に形成されており、扱胴30の後方であってフィードチェーン16の下流側端部近傍に配置されている。このササリ粒処理胴80の中心軸は排藁搬送方向に略平行となるように配置されており、ササリ粒処理胴80はこの軸を中心に回転可能に構成されている。また、ササリ粒処理胴80の上流側には、後述のギアボックス94から延出する駆動軸82が接続されており、この駆動軸82によって前記ササリ粒処理胴80へ駆動力が伝達されることになる。また、ササリ粒処理胴80の周面には複数の処理歯81が配置されており、ササリ粒処理胴80の回転駆動によって前記処理歯81が排藁に接触することで、ササリ粒の分離を効率良く行うことができる。
【0053】
また、扱胴30の後方には、当該扱胴30からササリ粒処理胴80に駆動力を伝達するための伝達部90が配置されている。この伝達部90は、扱胴軸59の後端に接続される駆動プーリ91と、フィードチェーン16の下流側端部近傍に配置される従動プーリ92と、前記駆動プーリ91と前記従動プーリ92との間に張架されるプーリベルト93と、従動プーリ92の駆動力をササリ粒処理胴80に伝達するためのギアボックス(入力部)94と、を備える。
【0054】
ギアボックス94は、前記従動プーリ92と入力軸58を介して連結されるベベルギア96と、前記駆動軸82に固定されるベベルギア97と、を備え、これらのベベルギア96,97によって従動プーリ92からの駆動力がササリ粒処理胴80に伝達される。
【0055】
スクリューコンベア79は扱胴30の下流側であって、前記ササリ粒処理胴80の軸線上に配置されている。このスクリューコンベア79の上流側端部は、ササリ粒処理胴80の下流側端部に固定され、ササリ粒処理胴80がスクリューコンベア79と一体的に回転するように構成されている。また、スクリューコンベア79の下方には図略のガイド部が配置されている。このガイド部は排藁搬送方向に沿って形成されており、スクリューコンベア79と排藁を挟持することでスムーズな排藁の搬送を可能にしている。
【0056】
スクリューコンベア79の下流側端部には、当該スクリューコンベア79からの駆動力を排藁チェーン78に伝達するための伝動ケース95が接続されている。この伝動ケース95は、スクリューコンベア79の下流側端部に固定されるベベルギア56と、排藁チェーン78側に配置されるベベルギア57と、を備え、これらのベベルギア56,57によってスクリューコンベア79からの駆動力が排藁チェーン78に伝達される。
【0057】
伝動ケース95の出力軸には駆動スプロケット84が固定される一方、前記ササリ粒処理胴80の近傍には従動スプロケット85が回転可能に支持される。そして、前記駆動スプロケット84と前記従動スプロケット85との間に排藁チェーン78が張架される。前記従動スプロケット85は、排藁搬送方向上流側であって、フィードチェーン16の下流側端部近傍に配置される。一方、前記駆動スプロケット84は、排藁搬送方向下流側であって、伝動ケース95の近傍に配置されている。
【0058】
図6に示すように、排藁チェーン78は排藁搬送方向に沿うように配置されており、排藁チェーン78は前記ササリ粒処理胴80及びスクリューコンベア79よりもコンバイン10の外側寄りの位置(左側)に配置される。また、排藁チェーン78の始端部(前記従動スプロケット85)は前記ササリ粒処理胴80よりも上流側に位置している。
【0059】
前記伝達部90は、ササリ粒処理胴80の回転速度が前記扱胴30の回転速度より速くなるように構成されている。これにより、扱胴30で処理できなかったササリ粒を効果的に排藁から分離することができる。
【0060】
この構成で、フィードチェーン16から排藁が搬送されてくると、排藁チェーン78が排藁の株元側を受け継ぐ。そして排藁は、排藁チェーン78に挟持されながら、回転駆動するササリ粒処理胴80へと導かれる。排藁は、回転するササリ粒処理胴80の処理歯81によって弾かれ、この衝撃力によってササリ粒は排藁から分離する。分離したササリ粒は揺動選別装置32に落下する。ササリ粒処理胴80は排藁搬送装置76の上流側端部に配置されているので、ササリ粒処理胴80の下方に落下したササリ粒の選別を十分に行うことができる。
【0061】
ササリ粒処理胴80によって処理された排藁は、株元側が排藁チェーン78に挟持されながら搬送されるとともに、穂先部分がスクリューコンベア79によって搬送される。図6に示すように、ササリ粒処理胴80はスクリューコンベア79より上流側に配置されているので、スクリューコンベア79の搬送の邪魔になることもなく排藁はスムーズに搬送される。また、このスクリューコンベア79の搬送中においても、回転駆動されるスクリューコンベア79の振動によってササリ粒が排藁から分離される。
【0062】
排藁チェーン78及びスクリューコンベア79によって搬送された排藁は、排藁搬送装置76終端部の下方に配置される排藁カッタ装置48に投入され、適宜の長さに切断されて機外へ排出される。
【0063】
以上に示すように、本実施形態の排藁搬送装置76は、排藁の株元側を搬送する排藁チェーン78と、排藁の穂先側を搬送するスクリューコンベア79と、ササリ粒を処理するためにスクリューコンベア79の近傍に配置されるササリ粒処理胴80と、を備える。
【0064】
この構成により、穂先を搬送するためのスクリューコンベア79の近傍で排藁がササリ粒処理胴80によって処理されるので、扱胴30で処理しきれなかったササリ粒を効率的に回収することができる。また、回転駆動されるスクリューコンベア79は、排藁の穂先側を搬送すると同時に、当該排藁に作用してササリ粒を取り除く機能を発揮する。従って、ササリ粒の回収効率を一層高めることができる。
【0065】
また、本実施形態の排藁搬送装置76においては、前記ササリ粒処理胴80は、その軸線をスクリューコンベア79と一致させるようにして当該スクリューコンベア79より上流側に配置され、かつスクリューコンベア79と一体的に回転する。
【0066】
この構成により、ササリ粒処理胴80及びスクリューコンベア79の駆動のための構成を共通化できるので、排藁搬送装置76の構成を簡素化できる。また、スクリューコンベア79に搬送される前にササリ粒処理胴80でササリ粒が処理されるので、ササリ粒の回収率を一層高めることができる。
【0067】
また、本実施形態のコンバイン10は、穀稈を脱穀する扱胴30と、この扱胴30で処理された排藁を搬送するための前記排藁搬送装置76と、を備える。
【0068】
この構成により、ササリ粒による収穫ロスを効果的に抑制したコンバインを提供することができる。
【0069】
次に図7を参照して本発明の第2実施形態について説明する。図7は扱胴30と第2実施形態の排藁搬送装置176の様子を示す要部平面図である。なお、この第2実施形態において上記の第1実施形態と同一及び類似する構成には、図面に同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0070】
図7に示すように、第2実施形態の排藁搬送装置176は、フィードチェーン16の下流側端部近傍に配置されるササリ粒処理胴180を備える。このササリ粒処理胴180は円筒状に形成されており、その軸方向は扱胴30と略平行となっている。そして、ササリ粒処理胴180の搬送方向上流側の端部にはプーリ部(従動部)192が一体的に形成されており、このプーリ部192と前記駆動プーリ(回転部)91との間にはプーリベルト(無端体)93が張架されている。また、このササリ粒処理胴180はギアボックス94の入力軸158と一体的に回転するよう構成されている。
【0071】
前記ギアボックス94には、排藁搬送方向に沿って配置されるスクリューコンベア79が接続されており、扱胴30からの駆動力は、扱胴軸59から駆動プーリ91、プーリベルト93、ササリ粒処理胴180、ギアボックス94を介してスクリューコンベア79に伝達される。
【0072】
前記スクリューコンベア79の下流側端部には伝動ケース95が接続されており、スクリューコンベア79の駆動力は前記伝動ケース95を介して排藁チェーン78へ伝達される。なお、上記した以外の構成(例えば伝動ケース95及び排藁チェーン78等の構成)は、第1実施形態と同様である。
【0073】
以上に示したように、第2実施形態の排藁搬送装置176は、扱胴30より排藁搬送方向下流側に配置されるとともに当該扱胴30と一体的に回転する駆動プーリ91と、駆動プーリ91の回転に伴って従動回転するプーリ部192と、駆動プーリ91及びプーリ部192に巻き掛けられるプーリベルト93と、を備える。そして、ササリ粒を処理するためのササリ粒処理胴180は、プーリ部192と一体的に構成される。
【0074】
この構成により、ササリ粒処理胴180が扱胴30の駆動力を伝達するための従動プーリを兼ねるので、部品点数を削減できるとともに構成を簡素化でき、製造コスト及び工数を低減できる。また、排藁搬送装置176の小型化を容易に実現することができる。
きる。
【0075】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、排藁の穂先側を搬送する手段としてスクリューコンベア79を用いているが、本発明の排藁搬送装置は上記の構成に限定されず適宜変更が可能であり、例えば以下のように、コイル状に形成されたコイル搬送体を用いることができる。
【0076】
次に図8を参照して、コイルを螺旋搬送体として用いた第3実施形態について説明する。なお、この変形例の排藁搬送装置276では、スクリューコンベア79の代わりにコイル搬送体179が用いられる点以外は第2実施形態と同様の構成になっている。
【0077】
図8に示すように、第3実施形態の排藁搬送装置276は、排藁搬送方向に沿って配置されたコイル搬送体179を備えている。このコイル搬送体179の上流側端部はギアボックス94に接続され、下流側端部は前記伝動ケース95に接続されている。
【0078】
この構成で、前記コイル搬送体179はギアボックス94から駆動力が伝達されて回転する。また、コイル搬送体179の駆動力は、伝動ケース95から排藁チェーン78に伝達され、排藁チェーン78が駆動される。
【0079】
このコイル搬送体179は、その中心部分にスクリュー軸が配置されず中空状に形成されているので、コイルの中心部近傍まで排藁の穂先を収納させるようにしながら下流側へ送ることができる。
【0080】
コイル搬送体179の下流側端部近傍にはコイルガイド部98が配置されている。これにより、コイル搬送体179によって伝動ケース95近傍まで搬送されてきた排藁は、コイルガイド部98に案内されて排藁カッタ装置48へスムーズに投入される。また、コイル搬送体179の下方には、当該コイル搬送体179の形状に応じて形成される図略の搬送ガイドが備えられており、コイル搬送体179による排藁の搬送をスムーズなものとしている。
【0081】
なお、第1実施形態のスクリューコンベア79を、図8に示すようなコイル搬送体179に変更することもできる。この場合、ササリ粒処理胴80の軸線上であって、ササリ粒処理胴80と一体的に回転するように、ササリ粒処理胴80の後端部にコイル搬送体179の上流側端部を接続する構成となる。
【0082】
以上に示したように、第3実施形態の排藁搬送装置276が備える螺旋搬送体はコイル状に形成されている。
【0083】
この構成により、コイル搬送体179の中心部分を含めたスペースを有効に使って排藁を搬送することができる。従って、小型のコイル搬送体179であっても十分な搬送能力を発揮できるので、排藁搬送装置276を容易に小型化することができる。
【0084】
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の構成は更に以下のように変更することができる。
【0085】
第1実施形態及び第2実施形態のスクリューコンベア79は、例えば図9(a)に示すような、ササリ粒処理胴80と一体的に構成されたスクリューコンベア201に変更することができる。このスクリューコンベア201は、その上流側端部の羽根がササリ粒処理胴80の下流側端部と隙間なく接続されている。これにより、ササリ粒処理胴80又はスクリューコンベア201への排藁の巻付きを防止してスムーズな搬送を行うことができる。
【0086】
また、図9(b)で示すスクリューコンベア202のように、径方向に突出する複数の処理歯210をスクリュー軸上に備えた構成に変更することもできる。この場合、排藁を搬送しながらササリ粒の分離を簡素な構成で効果的に行うことができる。
【0087】
更に、図9(c)で示すスクリューコンベア203のように、ササリ粒を処理する処理歯211を羽根上に備えるとともに、スクリューコンベアの羽根の径が、排藁搬送方向下流側に近づくに従って小さくなる構成とすることもできる。この場合、扱胴30から搬送されてくる排藁の高さに合わせるように前記処理歯211を配置すると、効果的にササリ粒を排藁から分離することができ、好ましい。また、スクリューコンベア203は下流側の端部に近づくに従って羽根の径が小さくなり、また、羽根に配置される処理歯211の回転軌跡も変化する。従って、排藁搬送過程において変化に富んだ衝撃を排藁に作用させることができ、ササリ粒を効果的に排藁から分離することができる。
【0088】
また、上記実施形態では、スクリューコンベア79の下側を用いて排藁の搬送を行っているが、この構成に代えてスクリューコンベア79の上側で排藁を搬送する構成とすることもできる。
【0089】
また、上記実施形態では、扱胴30の駆動力をササリ粒処理胴80へ伝達する伝達部90は、扱胴軸59、駆動プーリ91、プーリベルト93、従動プーリ92、及びベベルギア96,97により構成されている。しかしながら、伝達部90の構成は上記に限定されず、例えばプーリ、ベベルギア等の配置場所等を適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】第1実施形態に係るコンバインの側面図。
【図2】コンバインの平面図。
【図3】コンバインに備えられる脱穀装置の構成を示す側面図。
【図4】脱穀装置の背面図。
【図5】コンバインの動力伝達構成を示すスケルトン図。
【図6】第1実施形態の扱胴と排藁搬送装置の配置の様子を示す要部平面図。
【図7】第2実施形態の扱胴と排藁搬送装置の配置の様子を示す要部平面図。
【図8】第3実施形態の扱胴と排藁搬送装置の配置の様子を示す要部平面図。
【図9】変形例のスクリューコンベアを示した側面図。
【符号の説明】
【0091】
10 コンバイン
30 扱胴
76 排藁搬送装置
78 排藁チェーン
79 スクリューコンベア
80 ササリ粒処理胴(回転処理体)
81 処理歯
91 駆動プーリ(回転部)
92 従動プーリ(従動部)
93 プーリベルト(無端体)
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【出願日】 平成20年4月11日(2008.4.11)
【代理人】 【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
【公開番号】 特開2009−247332(P2009−247332A)
【公開日】 平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願番号】 特願2008−103423(P2008−103423)