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【発明の名称】 根菜類収穫機における荷降ろし収穫物の踏みつけ防止装置
【発明者】 【氏名】安久津 昌義
【氏名】小倉 尚勝
【課題】根菜類収穫機に取付けて、荷降ろしした根菜を機体のタイヤで踏み潰すことなく走行できる収穫物踏みつけ防止装置を提供する。

【解決手段】タンク反転側の機体後部から前方へ向けてアームリンクを上下回動可能に軸着するとともに、機体前部の支持フレームの下端側に、上・下ストッパで規制されるロッドリンクを上下回動可能に軸着する。前記アームリンクとロッドリンクの外側に、機体前部から車輪近傍まで延在するガードフレームを有する枠体を連結する。枠体の前部は前記ロッドリンクの先端部に上下回動可能に軸着されるとともに、枠体後部は前記アームリンクの自由端側にユニバーサルジョイント機構を介して連結する。上下に傾斜する梃子レバーの中間部を機体横断方向に向けて上下回動可能に軸支するとともに、梃子レバーの上端に収容タンクの底部外面に当接する係合部を設け、枠体の中間部上方へ向けた梃子レバーの先端と枠組フレームの中間ブラケット間を支持ワイヤで連繋させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体上に、収容タンクを走行方向の側方へ反転可能に搭載した根菜類収穫機の荷降ろし収穫物踏みつけ防止装置であって、
タンク反転側の機体後部から前方へ向けて延び、基端を機体後部フレームに上下回動可能に軸着した揺動アームリンクと;
機体前部の下方へ延びる支持フレームの下端側に、機体下方の側方へ向けて上下回動可能に軸着したロッドリンクと;
前記支持フレームの下端側に固定され、前記ロッドリンクの上下回動を上・下限所定位置に規制する上・下ストッパーと;
前記アームリンクとロッドリンクの外側に、機体前部から車輪近傍まで延在するガードフレームを有し、このガードフレームの前部ブラケットを前記ロッドリンクの先端部に上下回動可能に軸着されるとともに、前記ガードフレームの後部ブラケットを、前記揺動アームリンクの自由端側にユニバーサルジョイント機構を介して連結した枠体と;
上下方向へ傾斜するアームの中間部を、機体の取付ブラケットを介して、機体横断方向に向けて上下回動可能に軸支するとともに、上端に収容タンクの底部外面に当接する係合部を設け、先端を前記枠体の中間部上方へ向けて配置した梃子レバーと;
前記梃子レバーの先端と前記枠体の中間ブラケットの間に連繋させた支持ワイヤと;を具備し、
収容タンクの反転による梃子レバー係合部との係合解除により、前記枠体を機体側方へ押し出しながらガードフレームを地表近接位置へ下降させるとともに、前記収容タンク底部による梃子レバー係合部の押圧により、枠体のガードフレームを上方へ引き上げながら前部を機体内側へ引き寄せるようにしたことを特徴とする、根菜類収穫機における荷降ろし収穫物の踏みつけ防止装置
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタなどで牽引される走行車体上にダンプアップ反転機能を有する収容タンクを搭載した根菜類収穫機における荷降ろし収穫物の踏みつけ防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタなどで牽引されるビートハーベスタなどの根菜類収穫機は圃場から掘り取ったビートなどの根菜類を、機体上に搭載した収容タンク内にコンベアで搬送して収納し、所定の集荷場所で収容タンクを走行方向の片側側方に反転(ダンプアップ)させて荷降ろし作業を行う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この場合、反転させた収容タンクから排出された根菜類は山なりに積み重なるため、荷降ろしされた根菜類が収穫機の荷降ろし側の側方から機体側へ崩れ落ちてくる。このため、荷降ろし後に車輪方向を操舵して走行すると、崩れ落ちた収穫物を車輪で踏み潰してしまい、収量歩止まり低下の要因になっている。
【0004】
従って、本発明の目的は、ビートハーベスタなどの根菜類収穫機に取付けて、荷降ろしした収穫物をタイヤで踏み潰すことなく走行するための、収穫物踏みつけ防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、走行車体上に、収容タンクを走行方向の側方へ反転可能に搭載した根菜類収穫機の荷降ろし収穫物踏みつけ防止装置であって、タンク反転側の機体後部から前方へ向けて延び、基端を機体後部フレームに上下回動可能に軸着した揺動アームリンクと;機体前部の下方へ延びる支持フレームの下端側に、機体下方の側方へ向けて上下回動可能に軸着したロッドリンクと;前記支持フレームの下端側に固定され、前記ロッドリンクの上下回動を上・下限所定位置に規制する上・下ストッパーと;前記アームリンクとロッドリンクの外側に、機体前部から車輪近傍まで延在するガードフレームを有し、このガードフレームの前部ブラケットを前記ロッドリンクの先端部に上下回動可能に軸着されるとともに、前記ガードフレームの後部ブラケットを、前記揺動アームリンクの自由端側にユニバーサルジョイント機構を介して連結した枠体と;上下方向へ傾斜するアームの中間部を、機体の取付ブラケットを介して、機体横断方向に向けて上下回動可能に軸支するとともに、上端に収容タンクの底部外面に当接する係合部を設け、先端を前記枠体の中間部上方へ向けて配置した梃子レバーと;前記梃子レバーの先端と前記枠体の中間ブラケットの間に連繋させた支持ワイヤと;を具備し、収容タンクの反転による梃子レバー係合部との係合解除により、前記枠体を機体側方へ押し出しながらガードフレームを地表近接位置へ下降させるとともに、前記収容タンク底部による梃子レバー係合部の押圧により、枠体のガードフレームを上方へ引き上げながら前部を機体内側へ引き寄せるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
図5に示すように、収穫機が荷降ろし場所にきて、収穫した根菜類を収容タンクから放出するべく、タンクを収穫機の側方片側を持ち上げて他方の側方へ反転させると、タンク底面に押圧されていた梃子レバーの係合部への圧力が次第に減少し、梃子レバーのワイヤーで吊り上げられていたガードフレームが自重で降下し始めるとともに、これに連動して前部ロッドリンクの下方回動によりガードフレームの前部を側方へ押し出しながら降下する。
タンクから収穫物が転がり落ちるまで反転した位置では、ガードフレームは機体側面に沿って押し出された状態で地表面近傍位置(根菜がガードフレームの下側を通過しない最下位置)まで降下しているため、タンクから放出した根菜が機体側方へ崩れ落ちてきても、ガードフレームによって堰き止められる。従って、図6のように、荷降ろしが終了して走行しても収穫機のタイヤが根菜を踏み潰すことはなくなる。
【0007】
荷降ろし後に、収容タンクを機体の正位置へ逆反転させると、これに連動してタンクの底面が梃子レバーの上端係合部を押圧し、梃子レバー上端係合部を下方へ回動させることにより、ガードフレームがワイヤによって吊り上げられるとともに、ガードフレームの前部に軸着したロッドリンクが上方回動により内側へ折り畳まれるため、ガイドフレームの前部が機体の内側へ引き寄せられ、根菜掘り取り作業の邪魔にならない位置へ収納される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好ましい実施例を添付図面に沿って説明する。
ビートハーベスタなどの根菜類収穫機1(以下、単に収穫機)は図1に示すように、先端結合部材2を介してトラクタ等の牽引車(図は省略)に連結されるヒッチ3の後方機体4上に圃場から掘り取った収穫物をコンベアで搬送して受け入れる収容タンク5が搭載されている。
この収容タンク5は、機体4の進行方向(矢印方向)片側に固定した前後一対の支柱6、6の上部に収容タンク5の上部を上下回動可能に枢着し、油圧シリンダなどの駆動手段により図1の通常位置から図4の反転完了位置まで回動され、収容タンク5の反転により根菜類34を収穫機1の側方へ荷降ろしするようになっている。
【0009】
図の実施例の収穫機1は、荷降ろし側の機体4下方に、収容タンク5の反転回動に連動して上下変位し、収容タンク5の荷降ろし反転時に、機体側方の地表面近くまで下降して崩れ落ちてくる収穫物を堰き止め、これにより、車体タイヤによる収穫物の踏み潰しを回避する踏みつけ防止装置7を備えている。
【0010】
本発明の収穫物踏みつけ防止装置7は、図1乃至図4に示すように、タンク反転側の機体4後部から前部へ向けて延びる揺動アームリンク8を備えており、このアームリンク8は、基部を機体4の後部フレーム9に上下回動可能に枢着されている。
図の実施例ではアームリンク8の基端に横軸10を一体に設けるとともに、前記機体4の後部フレーム9に固定される軸受ブラケット11に前記横軸10を枢着するようにしている。
【0011】
他方、機体4の前部フレームには、外側下方へ傾斜して延びる支持フレーム12が固定されており、この支持フレーム12の下端側に、機体4の側方へ向けてロッドリンク13が上下回動可能に軸着されているとともに、支持フレーム12の下端側には、前記ロッドリンク13の上下回動を所定の上限及び下限位置に規制する上部ストッパ14aと下部ストッパ14bが固定されている。
【0012】
前記アームリンク8とロッドリンク13は、機体4側方の前部から後方のタイヤ33近傍まで延在する枠体15を介して連結されている。この枠体15は、機体4の側方に沿って延在するガードフレーム16の後部に、前記アームリンク8の前端にユニバーサルジョイント機構を介して連結される後部ブラケット17を一体に有するとともに、ガードフレーム16の前部に、前記ロッドリンク13の先端部に枢着される前部ブラケット18を一体に有し、後部ブラケット17と前部ブラケット18間に一体結合された枠組みフレーム19の中間部に、後述する支持ワイヤ20を繋着するブラケット21が固定されている。
【0013】
前記アームリンク8の先端と枠体15の後部ブラケット17を連結する本実施例のユニバーサルジョイント機構は、図3に示すように、アームリンク8の先端に横軸受22を設け、枠体15の後部ブラケット17の先端に縦方向のピン孔23を形成するとともに、直交する横軸24と縦軸受25を一体形成した連結金具26を用い、連結金具26の横軸24を前記アームリンク8の先端の横軸受22に軸着するとともに、連結金具26の縦軸受25と枠体15の前記後部ブラケット17のピン孔23を合致させ、ピン27で結合した構成になり、これにより、枠体15がアームリンク8の先端の連結部において上下揺動可能に、且つ、水平方向へ揺動可能に連結されている。
【0014】
かくして、枠体15は、後部ブラケット17のピン孔23と前記連結金具26を介してアームリンク8の先端に、上下、左右の両方向へ揺動可能に連結されるとともに、前記前部ブラケット18と前記ロッドリンク13の先端側に枢着され、前記ガードフレーム16を外側にして機体4のタンク反転側側方に沿って配設される。
【0015】
他方、前記機体4のフレームに取付けられた前記枠体15の、好ましくはワイヤ繋着用ブラケット21に対応する位置には、取付ブラケット29を介して上下方向へ傾斜するアームからなる梃子レバー28が機体4の横断方向に上下回動可能に結合されている。
図の実施例では、梃子レバー28のアームを、屈折部30を有する略L字型に形成し、機体4のフレームに取付けたブラケット29に前記L字型アームの屈折部30を枢着して、上下揺動可能に取付けている。
この梃子レバー28はL字型アームの上端に機体4上の前記収容タンク5の底部外面に当接する、好ましくはローラー付きの係合部31を有するとともに、機体4の側方へ延びるL字型アームの先端と前記枠体15のワイヤ取付用ブラケット21間に前記支持ワイヤ20が繋着されている。
梃子レバー28と、支持ワイヤ20と、枠体15の連結位置関係は、収容タンク5が反転方向に回動して、梃子レバー28の上端係合部31がタンク5の底面から離れた時に、枠体15を、その自重でガードフレーム16の下端が地表近接位置(前記ロッドリンク13が下部ストッパ14bに係止される位置)まで降下させ、他方、収容タンク5が機体4の定位置に載置されて、梃子レバー28の係合部31が下方へ押圧された時に、梃子作用で前記ロッドリンク13が上部ストッパ14aに係止されるまで枠体15を引き上げるように設定する。
【0016】
以下に。本発明の作用を説明する。
図1に示すように、収穫機1は、収容タンク5が機体4の正位置に載置された状態で根菜作物の掘り取り作用が行われ、圃場から掘り取った根菜類34が機体4下方の搬送コンベア(図は省略)及び回転コンベア32を経由して収容タンク5に積み込まれる。
この状態では、踏みつけ防止装置7の梃子レバー28の上端に形成した係合部31が収容タンク5の底部外面によって押圧されているため、枠体15と一体のガードフレーム16はアームリンク8及びロッドリンク13とともに支持ワイヤ20によって上方へ引き上げられている。
【0017】
収容タンク5内に根菜が積み終わると、収穫機1は根菜集積場所に牽引され、この位置において、図4に示すように、収容タンク5を支柱6の上端枢着部を支点として上方へ回動させると、梃子レバー28の上端係合部31に対する収容タンク5の押圧力が小さくなるにつれて支持ワイヤ20のたるみで枠体15、アームリンク8及びロッドリンク13が連繋しながら自重で降下し、収容タンク5の底面が梃子レバー28上端の係合部31から離れた時点では、枠体15のガードフレーム16は地表近くの最下位まで降下するとともに、上方へ折りたたまれていたロッドリンク13が下部ストッパ14bまで下降回動することにより、枠体15を機体4側方へ押し出す。
【0018】
図5に示すように、収容タンク5をさらに上方へ回動させると、反転により根菜の荷降ろしが行われるが、その際、機体4の側方へ崩れ落ちてくる根菜類34は、枠体15のガードフレーム16に堰き止められる。したがって、図6に示すように、機体4のタイヤ33の向きを若干変えて操舵することにより、収穫した根菜類34を踏みつけずに前進することができる。
もちろん、ガードフレーム16をタイヤ33の外側まで押し出すように設計することも可能であり、その場合は、タイヤ33の向きを変えずにそのまま直進しても踏みつけは回避される。
【0019】
根菜荷降ろしが完了して、収容タンク5を正位置へ回動させると、前記と逆の順序で梃子レバー28の上端係合部31が下方へ押圧されることにより、枠体15がアームリンク8及びロッドリンク13とともに上方へ吊り上げられると同時に、ロッドリンク13が上部ストッパ14aまで上方へ折りたたまれるため、枠体15の前部は機体4の下方内側へ引き込まれ、コンパクトに収納される。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は根菜類収穫機の荷降ろしの際に、タイヤによる根菜踏み潰しが防止されるので、収穫物の歩止まりが向上するとともに、踏み潰しの後始末もなくなるので集荷の作業能率にも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の収穫物踏み付け防止装置を装備した根菜類収穫機の斜視図
【図2】本発明の一実施例による踏み付け防止装置の構成図
【図3】図2実施例による踏み付け防止装置の組付け説明図
【図4】本発明の作用説明図
【図5】本発明の作用説明図
【図6】本発明の作用説明図
【符号の説明】
【0022】
1…収穫機
2…結合部材
3…ヒッチ
4…機体
5…収容タンク
6…支柱
7…踏み付け防止装置
8…アームリンク
9…後部フレーム
10…横軸
11…軸受ブラケット
12…支持フレーム
13…ロッドリンク
14a…上部ストッパ
14b…下部ストッパ
15…枠体
16…ガードフレーム
17…後部ブラケット
18…部ブラケット
19…枠組みフレーム
20…支持ワイヤ
21…ブラケット
22…横軸受
23…ピン孔
24…横軸
25…縦軸受
26…連結金具
27…ピン
28…梃子レバー
29…ブラケット
30…屈折部
31…係合部
32…回転コンベア
33…タイヤ
34…根菜類
【出願人】 【識別番号】000117272
【氏名又は名称】安久津 義人
【識別番号】000117283
【氏名又は名称】安久津 昌義
【出願日】 平成20年5月28日(2008.5.28)
【代理人】 【識別番号】100073656
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 直義
【公開番号】 特開2009−284790(P2009−284790A)
【公開日】 平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願番号】 特願2008−139147(P2008−139147)