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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】里路 久幸
【氏名】上路 嘉隆
【氏名】八木 和雄
【課題】畦際で停車してこの畦際の穀稈を刈り取る際に、刈取装置における穀稈の詰まりを防止して、刈取作業の能率を向上させる。

【解決手段】変速レバー(9a)によって出力回転速度を変更自在な油圧式無段変速装置(10)と、該油圧式無段変速装置(10)の出力によって駆動される走行装置(3)および刈取装置(4)と、駐車用ブレーキペダル(13a)の踏み込み操作によって油圧式無段変速装置(10)から走行装置(3)に至る駆動力伝達経路中に設けた左右両側のサイドクラッチ(12)を遮断すると共に刈取装置(4)の駆動速度を低速側に切り換える連繋機構を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速レバー(9a)の操作によって出力回転速度を変更自在な油圧式無段変速装置(10)と、該油圧式無段変速装置(10)の出力によって駆動される走行装置(3)および刈取装置(4)と、駐車用ブレーキペダル(13a)の踏み込み操作によって油圧式無段変速装置(10)から走行装置(3)に至る駆動力伝達経路中に設けた左右両側のサイドクラッチ(12)を遮断すると共に刈取装置(4)の駆動速度を低速側に切り換える連繋機構を設けたことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、変速レバーの操作によって出力回転速度を変更自在な油圧式無段変速装置と、該油圧式無段変速装置の出力によって駆動される走行装置および刈取装置と、駐車用ブレーキペダルの踏み込み操作によって油圧式無段変速装置から走行装置に至る駆動力伝達経路中に設けた左右両側のサイドクラッチを遮断する技術が知られている。
【0003】
また、油圧式無段変速装置によって駆動される刈取装置の駆動速度を変速切り換えする技術も知られている。
【特許文献1】特開2005−329887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば倒伏穀稈を刈り取る場合に、刈取装置の駆動速度を高速側に切り換えた状態で刈取走行する。この刈取走行によって畦際に到達し、変速レバーを中立位置へ操作して停車し、駐車用ブレーキペダルを踏み込み操作して左右両側のサイドクラッチを遮断操作し、変速レバーを再度前進側へ操作すると、油圧式無段変速装置の駆動出力によって刈取装置が駆動されるのであるが、刈取装置が高速で駆動されるために、刈取装置に穀稈の詰まりが生じて作業続行不能の状態に陥る問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
即ち、変速レバー(9a)の操作によって出力回転速度を変更自在な油圧式無段変速装置(10)と、該油圧式無段変速装置(10)の出力によって駆動される走行装置(3)および刈取装置(4)と、駐車用ブレーキペダル(13a)の踏み込み操作によって油圧式無段変速装置(10)から走行装置(3)に至る駆動力伝達経路中に設けた左右両側のサイドクラッチ(12)を遮断すると共に刈取装置(4)の駆動速度を低速側に切り換える連繋機構を設けたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0006】
畦際まで立毛穀稈を刈取り、変速レバー9aを中立位置へ操作して走行を停止し、駐車用ブレーキペダル13aを踏み込むと、左右両側のサイドクラッチ12が遮断される。
この状態で、変速レバー9aを再度前進側へ操作すると、油圧式無段変速装置10の駆動により、走行停止状態のまま刈取装置4が回転駆動されて、畦際の立毛穀稈が刈り取られる。
【0007】
この際、刈取走行中に刈取装置4の駆動速度が高速側に切り換えられていても、駐車用ブレーキペダル13aの踏み込み操作によって、この刈取装置4の駆動速度が低速側に切り換えられるため、刈取装置4は低速で駆動される。
【発明の効果】
【0008】
この発明によると、畦際で停車してこの畦際の穀稈を刈り取る際に、刈取装置4が過剰な高速で駆動されず、刈取装置4における穀稈の詰まりを防止して、刈取作業の能率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2下側の左右両側に走行クローラ3aを張設した走行装置3を設け、該走行車台2の前方部には、立毛穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取装置4を設け、該走行車台2の上側面部には、該刈取装置4で後方上部へ移送される刈取り穀稈を引継ぎ脱穀する脱穀装置5と、該脱穀装置5の右横側には、脱穀済みで選別済みの穀粒の供給を受けて、一時貯留する穀粒貯留タンク6とを載置している。
【0010】
該穀粒貯留タンク6の前部には、運転作業者が着座する操縦席7を設け、該操縦席7の前部には、操作装置8を設け、該操作装置8には、主変速レバー(変速レバー)9a等を設けている。畦際まで立毛穀稈を刈取りして、該コンバイン1の機体1aが停止した状態で、該主変速レバー9aを再度前進側へ操作すると、油圧式無段変速装置10の駆動により、該刈取装置4が回転駆動され、畦際の立毛穀稈が刈取り移送され、該脱穀装置5へ供給されて脱穀される。この時にミッションケース11の左右両側に内装して設けた、各サイドクラッチ12が切れても、駆車用ブレーキ13が掛かっているために、該油圧式無段変速装置10が駆動しても、該機体1aが前進しない構成において、刈取用クラッチ11aが「入」状態の時に、駆車用ブレーキペタル13aを踏むと、刈取速度を「低速」に自動的に切り換えた後に、解除後もとの刈取変速位置に自動復帰する構成にして設けている。
【0011】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図4で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3aを張設した走行装置3を配設し、走行車台2の上側面に脱穀装置5を載置している。該走行車台2の前方部の刈取装置4で立毛穀稈を刈り取りして、後方上部に移送し、該脱穀装置5のフィードチェン5aと、挟持杆5bとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済み穀粒は、該脱穀装置5の右横側へ配設した穀粒貯留タンク6内へ供給され、一時貯留される。
【0012】
立毛穀稈を畦際まで刈取りして、前記機体1aが停止した状態で、操作装置8に設けた主変速レバー9aを再度前進側へ操作することにより、図1で示すように、油圧式無段変速装置10の駆動により、刈取装置4が回転駆動されて、畦際の立毛穀稈が該刈取装置4で刈取り移送されて、脱穀装置5へ供給されて、この脱穀装置5のフィードチェン5aと挟持杆5bとにより、引継ぎされて、該脱穀装置5内を挟持移送され、この脱穀装置5で脱穀される。
【0013】
この時に、前記走行車台2の前部に設けたギャーケース11に内装して左右両側に設けた各サイドクラッチ12が切れても、駆車用ブレーキ13が掛かっているために、前記油圧式無段変速装置10が駆動しても、機体1aが前進しないように設けた構成において、刈取用クラッチ11aが「入」状態の時に、走行車台2のステップ台2aに設けた駆車用ブレーキ13の駆車用ブレーキペタル13aを踏むと、刈取装置4の刈取速度を「低速」に自動的に切り換えた後に、解除後もとの刈取変速位置に自動復帰すべく構成にして設け、又、戻り用のスプリング13bを設けた構成としている。
【0014】
これにより、畦際まで立毛穀稈を刈取りして、コンバイン1の機体1aを停止操作した状態で、主変速レバー9aを再度前進側へ操作すると、油圧式無段変速装置10の駆動により、刈取装置4が回転駆動されて、畦際の立毛穀稈が刈取り移送され、脱穀装置5へ供給されて脱穀される。
【0015】
この時に左右両側に設けた各サイドクラッチ12が切れても、駆車用ブレーキ13が掛かっているために、該油圧式無段変速装置10が駆動しても、該機体1aが前進しない構成において、刈取用クラッチ11aが「入」状態の時に、駆車用ブレーキペタル13aを踏むと、刈取速度を「低速」に自動的に切り換えた後に、解除後もとの刈取変速位置に自動復帰する構成に設けたことにより、前回の作業条件で作業ができる。又、操作の必要がなく便利である。操作性が良好である。
【0016】
図2で示すように、前記刈取装置4を主変速レバー9aを「ON」操作時に駆車用ブレーキ13の駆車用ブレーキペタル13aを踏み込むと、主変速レバー9aを装着する、操作装置8に設けたレバー用溝9bを、図5で示すように、略へ字形状に形成して回動自在に設けた規制体14により、該レバー用溝9bの前進側の該レバー用溝9bの長さが短く規制され、該刈取装置4の刈取り作業時の前進の最高回転数の最高値を規制する構成である。この最高回転数規制方法は、該主変速レバー9aの該レバー用溝9bの長さを、該規制体14で短く規制して、最高回転数を所定回転低下させる構成である。
【0017】
これにより、穀稈の掻込み操作を高速回転で行うと、未刈り稈を掻き込んでしまい、前記刈取装置4の掻込装置19に詰まることがあるが、低速の該掻込装置19であれば問題ない。
【0018】
前記操作装置8の主変速レバー9aのレバー用溝9bの一方側の横側には、図6で示すように、掻き込み範囲8aを表示すると共に、矢視8bの表示を設けた構成である。又、該レバー用溝9bの前方側は、略L字形状に折曲させて設けている。
【0019】
これにより、掻込み操作を高速回転で行うと、未刈り稈を掻き込んでしまい、刈取装置4の掻込み部に詰まる。又、低速掻込みであれば問題ない。
前記走行車台2の前方部には、図4で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド15、及び各分草体16と、立毛穀稈を引起す各引起装置17と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置18の各掻込装置19と、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置20と、刈取りされた穀稈を挟持移送して脱穀装置5のフィードチェン5aと、挟持杆5bとへ受渡しする該穀稈掻込移送装置18の根元・穂先移送装置21・22等からなる刈取装置4を設けている。該刈取装置4は、油圧駆動による伸縮シリンダ24により、土壌面に対して昇降する。該伸縮シリンダ24の後方部は、伸縮シリンダ取付台23に装着して設けている。
【0020】
前記刈取装置4の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆25の上端部に設ける支持パイプ杆26を、走行車台2の上側面に設けた支持装置27で回動自在に支持させている。該伸縮シリンダ24を作動させると該支持杆25と共に、該刈取装置4が上下回動する。
【0021】
前記刈取装置4の穀稈掻込移送装置18によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀装置5への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ4aを設けている。
【0022】
前記穀粒貯留タンク6側の前部には、図4で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置8と、操縦席7とを設け、この操縦席7の下側にエンジン7aを載置している。
【0023】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用ミッションケース11内の伝動機構11bには、刈取用クラッチ11a、11a等を設けると共に、伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ11cを設けている。
【0024】
前記穀粒貯留タンク6内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク6の後側には、図4で示すように、縦移送螺旋28aを内装した排出支持筒31を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒31の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋29aを伸縮自在に内装した排出オーガ29を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【0025】
前記走行クローラ3aの略中央部側の左右両側を支持する各クローラローラ3bの左右両側には、図7で示すように、該各クローラローラ3bを軸支するクローラ軸3cを設け、この各クローラ軸3cには、左右方向に互いに逆向き方向に巻いて、逆方向に移送する各螺旋プレート3dに装着して設け、この左右両側の各螺旋プレート3dに多数本のブラシ3eを植設して設け、この各ブラシ3eにより、該走行クローラ3aの内側面に付着した土、及び塵埃等を左右両外側へ向けて排出する構成である。
【0026】
又、前記各クローラローラ3bの左右両側には、図8で示すように、上側部の該各クローラローラ3bを軸支するクローラ軸3cには、左右方向に互いに逆向き方向に巻いた、各螺旋プレート3dを軸支して設けて、該走行クローラ3aの内側面を付着した土、及び塵埃等を左右両外側へ向けて排出する構成である。
【0027】
これらにより、前記走行クローラ3aの内側面に付着した土、及び塵埃等を確実に除却することができる。又、この除却により、該走行クローラ3aの変形を防止することができる。
【0028】
図9、及び図10で示すように、前記走行クローラ3aの内側上部に複数個設ける該クローラローラ3bを軸支するクローラ軸3cには、左右方向に互いに逆向き方向に巻いた、各螺旋プレート3dを軸支して設け、この各螺旋プレート3dには、多数本の棒状で弾性材のブラシ3eを固着して設け、この各ブラシ3eにより、該走行クローラ3aの左右両側の内側面へ付着した土、及び塵埃等を左右両外側へ向けて排出する構成である。更に、上部のクローラローラ3bのみに、該ブラシ3dを設ける構成とするもよい。
【0029】
これにより、前走行クローラ3aの内側面に付着した土、及び塵埃等を確実に除去することができる。又、この除去により、該走行クローラ3aの変形を防止することができる。
【0030】
図11、及び図12で示すように、前記螺旋プレート3dには、長い複数本の長ブラシ3fと、複数本の短ブラシ3hとを、所定間隔で交互に螺旋状に植毛し、遠心方向に変えて、前進時に外向きに吐き出しする構成である。
【0031】
これにより、前記長ブラシ3fと、短ブラシ3hとを設けることにより、付着した土に加える圧力を変化させることにより、土の除去を容易にすることができる。又、該長ブラシ3f、及び該短ブラシ3hの折損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】主変速レバー、及びミッションケース部等の側面図
【図2】主変速レバーの操作時の正面図
【図3】操作装置の主変速レバー用溝部の拡大平面図
【図4】コンバインの左側全体側面図
【図5】主変速レバーと、規制体との関係正面図
【図6】操作装置のレバー用溝部と、掻き込み範囲との関係平面図
【図7】走行クローラのクローラローラと、螺旋プレートとの関係平面図
【図8】走行クローラのクローラ軸と、螺旋プレートとの関係平面図
【図9】走行クローラのクローラ軸に設けた螺旋プレートと、ブラシとの関係平面図
【図10】走行クローラと、クローラローラとの、側面斜視図
【図11】走行クローラのクローラローラと、螺旋プレートのブラシとの側面斜視図
【図12】走行クローラと、クローラローラとの側面図
【符号の説明】
【0033】
1a 機体
2 刈取装置
5 脱穀装置
9a 主変速レバー(変速レバー)
10 油圧式無段変速装置
11a 刈取用クラッチ
12 サイドクラッチ
13a 駆車用ブレーキペタル
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2009−232771(P2009−232771A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−84117(P2008−84117)