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【発明の名称】 コンバインの操縦部構造
【発明者】 【氏名】里路 久幸
【氏名】五島 一実
【課題】刈取作業中に塵埃が操縦席側に侵入するのを防止して操縦者の作業環境を清浄に維持すると共に、操縦部のメンテナンス作業の能率を高める。

【解決手段】走行車台(2)の前部に設けた操縦席(7)の左側に、前後に2分割した前操縦パネル(8)と後操縦パネル(9)を設け、該前操縦パネル(8)と後操縦パネル(9)の左側に刈取装置(4)側の塵埃が操縦席(7)側に侵入するのを防止する防塵カバー(10)を配置し、該防塵カバー(10)の前部を前操縦パネル(8)の左側面部(8a)に固着し、該防塵カバー(10)の後部を後操縦パネル(9)の左側面部(9a)に着脱自在に係止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車台(2)の前部に設けた操縦席(7)の左側に、前後に分割した前操縦パネル(8)と後操縦パネル(9)を設け、該前操縦パネル(8)と後操縦パネル(9)の左側に刈取装置(4)側の塵埃が操縦席(7)側に侵入するのを防止する防塵カバー(10)を配置し、該防塵カバー(10)の前部を前操縦パネル(8)の左側面部(8a)に固着し、該防塵カバー(10)の後部を後操縦パネル(9)の左側面部(9a)に着脱自在に係止したことを特徴とするコンバインの操縦部構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの操縦部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインで立毛穀稈を刈取る作業は、操縦席の操縦者により、該コンバインが走行操作され、前部の刈取装置で立毛穀稈が刈取りされて後方上部へ移送され、この刈取穀稈が脱穀装置内へ供給されて脱穀される。このような刈取作業において、刈取装置で穀稈を移送する際に、移送中の穀稈から塵埃が発生するが、従来は、特許文献1に示すように、操縦席の左側の操縦台には、この塵埃等の侵入を防止する防塵カバーは設けられておらず、操縦者が塵埃を吸い込むことがあり、非衛生的である。
【特許文献1】特開平11−127667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
穀稈を刈取る刈取装置から発生する塵埃等を、運転作業者が吸い込まないような構成にしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
即ち、走行車台(2)の前部に設けた操縦席(7)の左側に、前後に分割した前操縦パネル(8)と後操縦パネル(9)を設け、該前操縦パネル(8)と後操縦パネル(9)の左側に刈取装置(4)側の塵埃が操縦席(7)側に侵入するのを防止する防塵カバー(10)を配置し、該防塵カバー(10)の前部を前操縦パネル(8)の左側面部(8a)に固着し、該防塵カバー(10)の後部を後操縦パネル(9)の左側面部(9a)に着脱自在に係止したことを特徴とするコンバインの操縦部構造としたものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、防塵カバー10の前部を前操縦パネル8の左側面部8aに固着し、該防塵カバー10の後部を後操縦パネル9の左側面部9aに着脱自在に係止したことにより、刈取作業中に塵埃が操縦席7側に侵入するのを防止して操縦者の作業環境を清浄に維持できるものでありながら、後操縦パネル9を取り外して該後操縦パネル9の下側に隠れていた操作連繋機構等のメンテナンスを行う際に、防塵カバー10の後部をこの後操縦パネル9から外して後操縦パネル9を容易に取り外すことができ、メンテナンス作業の能率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2の下側に走行装置3を設け、前方部に立毛穀稈を刈取る刈取装置4を設けると共に、該走行車台2の上側に該刈取装置4で刈取り移送される刈取り穀稈を、引継ぎ脱穀する脱穀装置5と、該脱穀装置5の右横側に脱穀済みで選別済み穀粒の供給を受けて、一時貯留する穀粒貯留タンク6とを載置している。
【0007】
前記走行車台2前部で該脱穀装置5の前部に設けた操縦席7の左横側には、コンバイン1の走行装置3と、刈取装置4と、脱穀装置5等とを始動、及び停止等との操作を行う操作装置である。前後に2分割した前操縦パネル8と、後操縦パネル9とを設け、該前操縦パネル8と、該後操縦パネル9との全ての左側面部(イ)には、該刈取装置4部内と該前操縦パネル8部内、及び該後操縦パネル9部内とに、該刈取装置4で穀稈を刈取り中、又は後方上部へ移送中に発生する塵埃等の進入を防止する防塵カバー10を、該前操縦パネル8には固着状態に設けると共に、該後操縦パネル9には着脱自在に装着して設けている。該前・後操縦パネル8、9、及び該防塵カバー10等を主に図示して説明する。
【0008】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図1、及び図2で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3aを張設した走行装置3を配設し、走行車台2の上側面には、刈取り穀稈を引継ぎ脱穀する脱穀装置5を載置している。該走行車台2の前方部の刈取装置4で立毛穀稈を刈り取りして、後方上部に移送し、該脱穀装置5のフィードチェン5aと、挟持杆5bとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済み穀粒は、該脱穀装置5の右横側へ配設した穀粒貯留タンク6内へ供給され、一時貯留される。
【0009】
前記走行車台2前部で該脱穀装置5の前部に設けた、運転作業者が着座する操縦席7の左側には、図1〜図4で示すように、コンバイン1の走行装置3と、刈取装置4と、脱穀装置5等とを始動、及び停止等の操作を行う操作装置である。前後に2分割した前操縦パネル8と、後操縦パネル9とを設け、該前操縦パネル8と、該後操縦パネル9との全ての左側面部(イ)には、該刈取装置4部内と、該前操縦パネル8部内、及び該後操縦パネル9部内とに、該刈取装置4で穀稈を刈取り中、又は後方上部へ移送中に発生する塵埃等の進入を防止する防塵カバー10を、該前操縦パネル8には固着状態に設けると共に、該後操縦パネル9には着脱自在に装着して設けている。
【0010】
前記コンバイン1で立毛穀稈の収穫作業は、該コンバイン1を操縦席7に着座した運転作業者が、該操縦席7の左側に、前後に2分割して設けた、前操縦パネル8と、後操縦パネル9とを操作して、圃場面を走行させると、穀稈は刈取装置4で刈取りされ、後方上部へ移送される。
【0011】
上述の穀稈を刈取り作業中に、刈取る穀稈より発生する塵埃等は、走行車台2前部の操縦席7の左横側に、前後に2分割して設けた、前操縦パネル8と後操縦パネル9との左側の全側面部(イ)には、刈取装置4部内と該前操縦パネル8部内、及び該後操縦パネル9部内とには、塵埃等の進入を防止する防塵カバー10は、該前操縦パネル8には固着状態で、該後操縦パネル9には着脱自在に設けた、該防塵カバー10で塵埃等の進入を防止させている。
【0012】
前記走行車台2前部の操縦席7の左横側に、前後に2分割して設けた、前操縦パネル8と後操縦パネル9との全ての左側面部(イ)には、刈取装置4部内と、該前操縦パネル8部内と、該後操縦パネル9部内とに、塵埃の進入を防止する防塵カバー10は、該前操縦パネル8には固着状態で、該後操縦パネル9には着脱自在に設けたことにより、塵埃等の進入を確実に防止できる。又、該防塵カバー10を該前操縦パネル8に装着状態のままで、該後操縦パネル9の取り外しが容易に設けたことにより、補修点検が容易である。
【0013】
前記防塵カバー10の装着方法は、図1〜図4で示すように、前操縦パネル8部には、該前操縦パネル8の内側部を下方へ向けて、所定長さ折曲させて設けた前フランジ部(左側面部)8aに、該防塵カバー10の上部の所定位置を複数個のカシメ用ピン8b等によって固着して設けている。又、後操縦パネル9の内側部は、下方へ向けて所定長さを折曲させ、更に、内側下部を内側下向へ所定角度で傾斜させて、後フランジ(左側面部)9a部を設けると共に、該後フランジ9a部には、所定間隔で各フック9bを回転自在に設け、この各フック9bへ該防塵カバー10の後方上部に設けた各取付用孔10a部を挿入し、該各フック9bを回動操作して、該防塵カバー10を所定位置へ装着固定する構成である。該各フック9bの回動操作により、該防塵カバー10の後方部は取り外し可能で、図4で示すように、該後操縦パネル9は着脱自在に設けている。該操縦席7の前部には、図3で示すように、速度メータ7a等を設けている。
【0014】
図3で示すように、前記前操縦パネル8に設けた刈取変速レバー8cは、ノークラッチ変速機構とし、主変速レバー8dの右側で操縦席7に接近させて設けた構成である。
収穫作業時は、前記刈取変速レバー8cを常に握って作業する。又、刈取変速は、作業条件により、刈取変速を立毛と倒伏、倒伏と立毛への変速切り換えが必要であり、この必要であるが容易にできる。又、ノークラッチ変速機構の該刈取変速レバー8cは、該主変速レバー8dの右横の操縦席7側に配置しているので、作業時に瞬時に刈取変速ができて便利であると共に、刈取装置4の穀稈の詰りを防止することができる。
【0015】
前記後操縦パネル9には、図3で示すように、刈取装置4(刈取クラッチ)と、脱穀装置5(脱穀クラッチ)とを始動、及び停止操作する刈脱クラッチレバー27と、図1で示すように、ミッションケース24の横側に設けた副変速ケース24cを始動、及び停止操作する副変速レバー28とを設けた構成である。
【0016】
これにより、レバーの本数を減少させることができる。又、スイッチを前記後操縦パネル9に設けないことにより、ハーネスカプラを取り外す必要がなく、容易に該後操縦パネル9の取り外しができる。
【0017】
前記前操縦パネル8には、図3で示すように、刈取変速レバー8cと、主変速レバー8dと、スロットルレバー29と、本機制御用の各種のスイッチ30とを設けた構成である。又、該前操縦パネル8と、後操縦パネル9との左横側板には、防塵カバー10を装着した構成である。
【0018】
これにより、各種レバーは用の溝より、塵埃等の吹き上がりを防止できる。
前記走行車台2の前方部には、図1で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド11、及び各分草体12と、立毛穀稈を引起す各引起装置13と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置14の各掻込装置15と、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置16と、刈取りされた穀稈を挟持移送して脱穀装置5のフィードチェン5aと、挟持杆5bとへ受渡しする該穀稈掻込移送装置14の根元・穂先移送装置17・18等からなる刈取装置4を設けている。該刈取装置4は、油圧駆動による伸縮シリンダ19により、土壌面に対して昇降する。
【0019】
前記刈取装置4の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆20の上端部に設ける支持パイプ杆21を、走行車台2の上側面に設けた支持装置22で回動自在に支持させている。該伸縮シリンダ19を作動させると支持杆20と共に、該刈取装置4が上下回動する。
【0020】
前記刈取装置4の穀稈掻込移送装置14によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀装置5への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ4aを設けている。
【0021】
前記穀粒貯留タンク6側の前部には、図1,及び図3で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置の前操縦ケース8と、後操縦ケース9と、操縦席7とを設け、この操縦席7の下側にエンジン23を載置している。
【0022】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用ミッションケース24内の伝動機構24aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ24bを設けている。
【0023】
前記穀粒貯留タンク6内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク6の後側には、図1、及び図2で示すように、縦移送螺旋25aを内装した排出支持筒25を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒25の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋26aを伸縮自在に内装した排出オーガ26を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【0024】
前記コンバイン1の脱穀装置5の後側には、図2、及び図6で示すように、脱穀済みの排藁を所定長さに切断して、圃場表面に排出するカッタ装置31を設け、このカッタ装置31の上部には、開閉自在な切換板31bの開閉状態を検出する切換板スイッチ31aを設けている。
【0025】
前記脱穀装置5の上部に噴射ノズル32aを複数個を設けて、該カッタ装置31へ霧を噴射すると共に、該カッタ装置31の後板31cの下方部に噴射ノズル下32bを複数個とを設けて、三番排出口5c部へ霧を噴射する構成である。ノッタ、及びドロッパ作業時には、三番排塵口5c部へのみ噴射する構成である。
【0026】
これにより、排藁落下部から粉塵を抑えることができる。三番排出口5cからの粉塵を抑えることができる。又、自動で噴射の入り切りができる。更に、ノッタ、及びドロッパ作業時の無駄な噴射を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】コンバインの左全体側面図
【図2】コンバインの全体背面図
【図3】前・後操縦パネル部の全体平面図
【図4】前・後操縦パネル部と防塵カバーとの右側面図
【図5】主変速レバーと刈取変速レバーとの背面図
【図6】脱穀装置後部のカッタ装置部の左側面図
【符号の説明】
【0028】
2 走行車台
3 刈取装置
7 操縦席
8 前操縦パネル
8a 左側面部
9 後操縦パネル
9a 左側面部
10 防塵カバー
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2009−232768(P2009−232768A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−84114(P2008−84114)