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【発明の名称】 電動草刈機
【発明者】 【氏名】伊東 潤弥
【氏名】岸本 和之
【氏名】井上 三夫
【課題】モータの回転速度制御が適用される電動草刈機に関するものであり、スイッチの数が少なく、組み立てが容易であって、且つ操作性に優れた電動草刈機の開発を目的とするものである。

【解決手段】草を刈る刈草部材を動作させるためのモータを有し、当該モータの起動、変速、停止を行うためのスイッチ24,27を設けた電動草刈機において、モータの起動、回転速度切換、停止の各々の切り替えを1個のスイッチ24で行う。スイッチ24がONされることに対応して、ブザー38等の音により報知を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草を刈る刈草部材を動作させるためのモータを有し、当該モータの起動、変速、停止を行うためのスイッチを設けた電動草刈機において、モータの起動、回転速度切換、停止の各々の切り替えを1個のスイッチで行うことを特徴とする電動草刈機。
【請求項2】
前記モータが停止している状態において前記スイッチが所定時間ONされることにより、前記モータが起動し、その後、前記スイッチがONされる度に前記モータの回転速度の切替えが行われ、さらに、前記モータが回転中に前記スイッチが所定時間ONされることにより、前記モータが停止するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動草刈機。
【請求項3】
前記スイッチがONされることに対応して音による報知が行われることを特徴とする請求項2に記載の電動草刈機。
【請求項4】
前記モータの回転速度切換時、切換後の回転速度に応じて音の種類が変わることを特徴とする請求項3に記載の電動草刈機。
【請求項5】
前記スイッチはA接点スイッチであり、このA接点スイッチがONされる回数に従って前記モータの回転速度が変わることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電動草刈機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの回転速度制御が適用される電動草刈機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
田畑の畦道や、庭等の雑草を除去する機械器具として、草刈機が知られている。草刈機は、従来、小型のエンジンを動力とするものが一般的であったが、エンジンを動力とする草刈機は、騒音が激しく、市街地では使いにくい。
【0003】
そこで、市街地では、エンジンに代わってモータを動力とする電動草刈機が使用される場合が多い。
【0004】
モータを動力とする電動草刈機は、起動や、停止、回転速度の変換を、所定のスイッチを操作することによって行う。従来技術の電動草刈機では、起動用や回転数変換用として複数のスイッチが使用されている。
【特許文献1】特開平10−117550 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した通り、従来技術では、電動草刈機の起動、変速、停止等の動作を行わせるために複数のスイッチが使用されている。
【0006】
そのため草刈機を使用する作業者が、いずれのスイッチを操作すべきかに戸惑い、草刈り作業が手間取ることがあった。また、スイッチの数が多いと、配線が複雑となり、組み立て難い構造となるという問題があった。
【0007】
また、電動草刈機には、電源となるバッテリーや制御装置が草刈機の本体部分と別体となっているものがあるが、この様な構造の電動草刈機であって、さらにスイッチの数が多い場合は、制御装置と本体部分との渡り配線の本数が増加し、電動草刈機を使用する作業者がとりまわしに苦労する。
【0008】
さらに従来技術の電動草刈機は、スイッチの数が多いので、スイッチ配置部の全体形状が大きく、手の小さなユーザが使いにくいという問題があった。
【0009】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、スイッチの数が少なく、組み立てが容易であり、且つ操作性に優れた電動草刈機の開発を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
すなわち本発明は、草を刈る刈草部材を動作させるためのモータを有し、当該モータの起動、変速、停止を行うためのスイッチを設けた電動草刈機において、モータの起動、回転速度切換、停止の各々の切り替えを1個のスイッチで行うことを特徴とするものである(請求項1)。
【0011】
ここで「草を刈る、刈草部材」とは、刈払機に使用される円盤状の回転刃に限らず、ナイロンブレード等の回転式の物や、バリカン状の剪断刃を含む概念である。
【0012】
かかる本発明によれば、装置の小型・計量化が図れ、手の小さなユーザにとっても握りやすい設計が容易である。
【0013】
請求項2に記載の発明では、上記本発明の電動草刈機において、モータが停止している状態においてスイッチが所定時間ONされることにより、モータが起動し、その後、前記スイッチがONされる度に前記モータの回転速度の切替えが行われ、さらに、前記モータが回転中に前記スイッチが所定時間ONされることにより、前記モータが停止するように構成されている。これによれば、1個のスイッチが複数回ONされることにより、モータの回転数が変わるので、モータの速度を変えるために、その速度に見合ったスイッチを個々に設ける必要が無く、製造コストを低減できる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明では、スイッチがONされることに対応して音による報知が行われる。これによれば、スイッチの操作確認が容易である。
【0015】
さらに、請求項4に記載の発明では、回転速度切換時、切換後の回転速度に応じて音の種類が変わる。
【0016】
ここで音の種類には、音の発生回数や、音の音程、音の長さ等がある。
これによれば、モータの回転速度切換操作が容易に確認できる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明では、スイッチはA接点スイッチであり、このA接点スイッチがONされる回数に従ってモータの回転速度が変わる。これによれば、スイッチの操作が容易である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電動草刈機によれば、モータ駆動用の操作スイッチは1個で良く、それ故、操作スイッチの、小型・軽量化が図れ、手の小さなユーザにも握りやすい設計が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態に係る回転刃を回転駆動するためのモータを有する電動草刈機について、図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態にかかる電動草刈機を示す斜視図である。本実施形態の電動草刈機1は、モータ2を動力源として作動するものである。電動草刈機1は、後記する制御装置をはじめとするモータシステムが組み込まれている。電動草刈機1は、図1に示すように、前方側操作杵3や、後方側操作杵5を接続してなる長尺状の外観を有する部分が主要部をなしている。電動草刈機1は、前方側操作杵3の先端側に回転部6を有すると共に、後方側操作杵5の末端側に制御部7を有し、その略中央部にモータ部2が設けられている。
【0021】
前方側操作杵3は、中空の筒体によって構成されており、動力伝動軸(図示せず)が内蔵されている。前方側操作杵3の先端側には回転部6が設けられている。回転部6は、従来公知の電動草刈機と同様に図示しない傘歯車列を有し、この傘歯車列の入力側に前方側操作杵3に内蔵されている動力伝達軸が接続されている。また、回転部6には、回転刃13が設けられており、これが、前記した傘歯車に接続されている。
【0022】
図2は、図1に示す電動草刈機において使用されるスイッチ部11の内部構造を示す分解斜視図である。スイッチ部11は前方側操作杵3を挟んで固定する上枠体23と下枠体25とからなる。
【0023】
上枠体23には、A接点スイッチ24及び非常停止スイッチ27が収納される空間が確保されており、この上枠体23の一面には開口26が設けられ、前記A接点スイッチ24及び非常停止スイッチ27は、前記開口26に収納された後、スイッチキャップ29で固定される。
【0024】
図3は、本発明の電動草刈機を制御するための回路図である。この図において、30は制御基板部、31は電源部、34はモータ部、35は制御部である。この制御部35には、A接点スイッチ24からON・OFF信号が供給される。そして、このON・OFF信号がMPU39で処理されることにより、ドライバ37に信号が出力される。ドライバ37はMPU39からの信号に応じてモータ2を回転駆動する。
【0025】
また、27は非常停止スイッチ(スイッチSW2と称する)であり、モータの回転に不具合が生じた場合にはこの非常停止スイッチ27をONすることにより、モータ2を強制的に停止させる。
【0026】
図4は、本発明の電動草刈機の制御動作のフローチャートである。
ステップ1でスイッチSW1が第1の所定時間(例えば1秒間)以上、ONされ続けると、モータ2が回転を開始する。この時の回転モードは低速モード運転となる(ステップ2)。
【0027】
前記低速モードにおける運転中に、非常停止スイッチSW2がONされると、ステップ3からステップ4に移行しモータ2は回転が停止される。また、ステップ3でスイッチSW2がONでないと判断した場合、モータ2は低速モードで回転を続け、ステップ3からステップ5に移行する。そして、モータ2が回転を続ける最中においては、ステップ5で、スイッチSW1(A接点スイッチ24)がONされることを監視する。ステップ5でスイッチSW1がONでなければ、ステップ3に戻り、非常停止スイッチSW2のオンオフ状態を確認する。前記したようにスイッチSW2がONされるとモータ2の回転が停止される。
【0028】
ステップ5でスイッチSW1がONされるとステップ6に移行し、スイッチSW1が第1の所定時間以上(例えば連続1秒間)にわたり連続してONされたか否かが確認され、ステップ5で第1の所定時間以上ONされているならばステップ6からステップ4移行し、モータ2は回転停止される。
【0029】
ステップ6で、スイッチSW1が、短時間たる第2の所定時間内(例えば0,1〜0,9秒間の短時間)だけONされた場合は、ステップ7でモータ2の回転数が切り替わり、中速モードでモータ2が回転する。この時、本実施例では、ブザー38が2回発音する。そして、この中速モードでモータ2を運転中にステップ8でスイッチSW2がONされると、ステップ4に移行しモータ2は回転停止する。
【0030】
すなわち前記したステップ3,ステップ5と同様に、ステップ8、ステップ9で二つのスイッチSW1,SW2がONされるか否かを監視する。そしてスイッチSW2がONされれば、ステップ4に移行してモータ2が停止され、スイッチSW1がONされれば、ステップ9からステップ10に移行してONされた時間が1秒以上であるか未満であるかが判断される。
そしてスイッチSW1がONされた場合はステップ10に移行し、ONされた時間が連続して第1の所定時間(例えば1秒)以上であるならばステップ10からステップ4に移行してモータ2はその回転が停止される。
【0031】
スイッチSW1のON時間が短いのであれば、ステップ10からステップ11に移行し、モータ2の回転数が切り換わり高速モードでモータ2が回転駆動される。このとき、本実施例では、ブザー38が3回発音する。また、ステップ12においてスイッチSW2がONされるとステップ4に移行しモータ2は回転停止される。
【0032】
ステップ12でスイッチSW2がONされない時には、ステップ12からステップ13に移行し、このステップ13でスイッチSW1がONされるか否かを監視する。監視中にスイッチSW1が第1の所定時間以上ONされるとステップ4に移行し、モータ2は回転停止される。
【0033】
スイッチSW1がONされたものの、そのON時間が短いのであれば、ステップ14からステップ2に戻り、モータ2は低速回転モードとなる。このとき、本実施例では、ブザー38が1回発音する。
【0034】
上記した実施例においては、モータ2の回転速度は、低速、中速、高速の3段階であるが、2段階や4段階以上であってもよい。
【0035】
また、本実施例においてスイッチSW1がONされることに対応して、例えばブザー38等の音により報知を行うことで、スイッチSW1(A接点スイッチ24)の動作確認ができる。特に上記した実施例では、モータ2の速度に応じて音の発生回数を変えているので、作業者は、どの回転モードに変更されたかが判りやすい。
【0036】
他の方策としては、音程に高低を付けたり、発音時間に長短を設ける方策が考えられる。たとえば、低速の場合は、短時間だけ発音させ、高速になるに従って長い時間ブザー38を鳴らす。
【0037】
本実施例では円盤状の回転刃を例にしているが、「草を刈る、刈草部材」とは、刈払機に使用される円盤状の回転刃の他、ナイロンブレードの他、バリカン状の刃を含む概念である。
【0038】
本実施例では、モータの起動、変速、停止を行うためのスイッチを有する電動草刈機において、モータの起動、回転速度切換、停止の各々の切り替えを1個のスイッチで行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明を実施した電動草刈機を示す斜視図である。
【図2】図1に示す電動草刈機に用いられるスイッチ部の内部構成を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す電動草刈機を制御するための回路図である。
【図4】図1に示す電動草刈機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1 電動刈払機
2 モータ
24 A接点スイッチ(SW1)
27 非常停止スイッチ(SW2)
38 ブザー
【出願人】 【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
【出願日】 平成20年1月22日(2008.1.22)
【代理人】 【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
【公開番号】 特開2009−171869(P2009−171869A)
【公開日】 平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願番号】 特願2008−12001(P2008−12001)