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【発明の名称】 肥料供給具
【発明者】 【氏名】坂井 秀樹
【課題】肥料を土の中や砂地の中に深く効率よく供給することができるとともに、計量された肥料を土の中や砂地の中に入れることができる。

【解決手段】対向する一対の突き刺し具2A,2の少なくとも一方の突き刺し具2Aが他方2Bに対して開閉操作可能であり、肥料容器3は、その排出口を開閉する開閉手段(5,W3)を有し、この開閉手段(5,W3)による開閉操作により、上記一対の突き刺し具2A,2Bの間から肥料が供給される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土や砂地に対して穴を開ける突き刺し具と、肥料が入れられる肥料容器と、これらが取り付けられる操作部材を備え、突き刺し具は対向する一対の突き刺し具で、その少なくとも一方の突き刺し具が他方に対して開閉操作可能であり、肥料容器は、その排出口を開閉する開閉手段を有し、この開閉手段による開閉操作により、上記一対の突き刺し具の間から肥料が供給されることを特徴とする肥料供給具。
【請求項2】
前記肥料容器に、肥料を貯蔵する貯蔵部の他に、肥料を計量する計量部を有し、この計量部で所定量が計量された分だけ上記一対の突き刺し具の間から供給することを特徴とする請求項1記載の肥料供給具。
【請求項3】
前記一対の突き刺し具の開閉手段の操作は、突き刺し具に連結されたワイヤが前記操作部材の手を把持する操作部とワイヤの他方が連結されており、前記肥料容器の開閉手段の操作は、容器の排出口の開閉手段に連結されたワイヤが前記操作部材の手を把持する操作部とワイヤの他方が連結されていることを特徴とする請求項1記載の肥料供給具。






















【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、土や砂地に対して肥料を供給する肥料供給具に関する。
【背景技術】
【0002】
耕作地や家庭菜園等において、土や砂地に対して肥料を供給する際に、土や砂地の上に肥料を散布するほかに、土や砂地に穴を開けてから肥料を供給することが必要になる場合がある。また、植林を行う際にも、土や砂地に穴を開けて肥料を供給してから植林を行う場合もある。
【0003】
特許文献1は、容器とその下部に取り付けた筒との間に流通口を設けて、該流通口に蓋を設け、蓋の中間に栓を設け、筒の中間に栓を設け、爪部の上方に引き金を設けた施肥器が開示されている。
【特許文献1】実開平6−25号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、家庭菜園用であると考えられるが、土や砂地に対して十分な開口(特に深さの深い開口)を開けることができず、このため肥料も深く土の中や砂地の中に入れることができなかった。また、肥料の供給の仕方によっては、肥料を計量した上で土の中や砂地の中に入れることが要求される場合もあるが、特許文献1では、作業者の勘で肥料を土の中や砂地の中に入れるしかなかった。さらに、土や砂地の中でも、散布(飛散)しすぎて所定箇所に集中して施肥できないこともある。なお、家庭菜園用のものでは、山や広い平野に植林をするときに、多数の植林を十分な深さに植林することができない問題を有する。
【0005】
そこで本発明の目的は、肥料を土の中や砂地の中に深く効率よく供給することができるとともに、計量された肥料を土の中や砂地の中に入れることができる肥料供給具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の肥料供給具は、土や砂地に対して穴を開ける突き刺し具と、肥料が入れられる肥料容器と、これらが取り付けられる操作部材を備え、突き刺し具は対向する一対の突き刺し具で、その少なくとも一方の突き刺し具が他方に対して開閉操作可能であり、肥料容器は、その排出口を開閉する開閉手段を有し、この開閉手段による開閉操作により、上記一対の突き刺し具の間から肥料が供給されることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、上記一対の突き刺し具を土や砂地に突き刺すようにして、開操作して土や砂地を拡開してから、肥料容器から肥料を供給するか、又は、上記一対の突き刺し具を土や砂地に突き刺すようにしてから、肥料容器から肥料を上記一対の突き刺し具の間に投入しておき、上記一対の突き刺し具を開操作させると同時に、土や砂地に肥料を供給することができる。したがって、肥料を土の中や砂地の中に深く効率よく供給することができる。
【0008】
本発明としては、前記肥料容器に、肥料を貯蔵する貯蔵部の他に、肥料を計量する計量部を有し、この計量部で所定量が計量された分だけ上記一対の突き刺し具の間から供給することが好ましい。
本発明によれば、計量部で所定量が計量された分だけ上記一対の突き刺し具の間から供給することができるので、例えば山に多数の植林を行うような場合に、多数の植林を一律な肥料の供給量で効率的に行うことができるようになる。
【0009】
本発明としては、前記一対の突き刺し具の開閉手段の操作は、突き刺し具に連結されたワイヤが前記操作部材の手を把持する操作部とワイヤの他方が連結されており、前記肥料容器の開閉手段の操作は、容器の排出口の開閉手段に連結されたワイヤが前記操作部材の手を把持する操作部とワイヤの他方が連結されていることが好ましい。
本発明によれば、前記一対の突き刺し具の開閉手段の操作も前記肥料容器の開閉手段の操作も前記操作部材の操作部で操作できるので、いずれの操作も手で容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、上記一対の突き刺し具を土や砂地に突き刺すようにして、開操作して土や砂地を拡開してから、肥料容器から肥料を供給するか、又は、肥料容器から肥料を上記一対の突き刺し具の間に投入しておき、上記一対の突き刺し具を開操作させると同時に、土や砂地に肥料を供給することができる。したがって、肥料も土の中や砂地の中に深く効率よく供給することができる。また、本発明によれば、計量部で所定量が計量された分だけ上記一対の突き刺し具の間から供給することができるので、例えば山等に多数の植林を行うような場合に、多数の植林を一律な肥料の供給量で効率的に行うことが可能になる。さらに、一対の突き刺し具の間から供給するので、土の中でも拡散しすぎることなく所定箇所に集中させて施肥することが料可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面にもとづいて説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の肥料供給具1の斜視図であり、図2と図3はその使用例を説明する図である。本実施の形態は、土や砂地Sに対して穴を開ける突き刺し具2と、肥料が入れられる肥料容器3と、これらが取り付けられる操作部材4を備える肥料供給具1である。この肥料供給具1は、山に植林をする場合に使用して好適なものであるが、耕作地や家庭菜園等において使用することも可能である。肥料としては、粒状のもので説明するが、液体の肥料でも適用可能である。
【0013】
操作部材4は、手を把持して操作するとともに、突き刺し具2と肥料容器3が取り付けられるもので、上方がT字状の操作部4aとなっており、この操作部4aに両手を把持できるようになっている。操作部材4は、木製や金属製等の内部中空のもので、操作部4aの中央には、ワイヤW1が貫通して、ワイヤW1の端部に第1の操作ピン10aが設けられている。操作部材4には、摺動管5がその外周に取り付けられている。摺動管5は、突き刺し具2(2A)を駆動させるワイヤW3の他端を連結して、操作部材4に対して摺動動作することで、突き刺し具2(2A)を駆動させる。すなわち、摺動管5とワイヤW3とで開閉手段となっている。摺動管5の上方には、手の指を引っ掛ける指引っ掛け部5aがT字状の操作部4aに沿うように設けられている。
【0014】
突き刺し具2は、土や砂地Sに対して穴を開ける金属製のもので、対向する一対の突き刺し具2A,2Bとして構成されている。一対の突き刺し具2A,2Bは、植林をする場合を考慮して、比較的長いものであり、その基端側は各々断面がほぼ半円形状であり、先端に向かって円弧形状がなくなり先鋭に形成されている。すなわち、長い逆円錐形状を呈する。一対の突き刺し具2A,2Bは、上方の基端側でネジnを介して連結されており、このネジnを中心に一方2Aが他方2Bに対して可動する構造になっている。すなわち、一対の突き刺し具2A,2Bは、その一方2Aが他方2Bよりも小さく、この小さい方の突き刺し具2AにワイヤW3が連結され、このワイヤW3を引くことで一方2Aが他方2Bに対して可動する構造になっている。また、一対の突き刺し具2A,2Bは、バネ6で連結され、このバネ6の付勢力でもって互いの突き刺し具2A,2Bが強力に開閉する構造になっている。一対の突き刺し具2A,2Bの背面側には、メモリ2mがあり、深さを測る目安になる。なお、一対の突き刺し具2の一方2Aが可動するほかに、他方2Bもワイヤ等で連動させて可動させる構造にすることも可能である。
【0015】
突き刺し具2Bは、その上方の基端側が突き刺し具2Aのそれよりも大きく形成され、この大きな基端側に操作部材4の下端が連結されている。突き刺し具2Bの上方基端側の大きな円弧形状部分に対してパイプ8の排出口(下端)が向けられている。なお、突き刺し具2としては、シャベルやスコップのような形状にすることも可能である。
【0016】
肥料容器3は、肥料Hが入れられる容器であり、操作部材4の中途部に取り付けられている。肥料容器3は、合成樹脂製の筒状のものであり、柔軟性のあるものを使用して、外部から軽くたたくと、その振動により下方に落下させることができるようになっている。肥料容器3は、下方の排出口にパイプ8が設けられ、このパイプ8との連結部を塞ぐ栓11aが設けられ、この栓11aはワイヤW1と連結され、ワイヤW1の他端側は、操作部材4の中央を貫通して第1の操作ピン10aと連結されている。したがって、栓11aが肥料容器3の下方の排出口3cを塞いだり開放したりする。また、肥料容器3は、透明な合成樹脂製で、外側にメモリ3mが施されるとともに、取っ手3tが設けられている。肥料容器3に入れられる肥料Hとしては、調合した肥料Hであっても良く、液体の状で肥料Hであっても良い。なお、肥料容器3に水を入れて使用することも可能である。
【0017】
したがって、本実施の形態の肥料供給具1を実際に使用するときは、植林等を行う場所において、肥料容器3に肥料を入れて、肥料容器3の排出口3cに栓11aをしておき、上記一対の突き刺し具2A,2Bを土や砂地Sに突き刺すようにする(図2(a)(b))。一対の突き刺し具2A,2Bには、メモリ2mが各々あるので、一対の突き刺し具2A,2Bの土や砂地Sに突き刺すときの深さの目安を上記メモリ2mから得る。そして、操作部4aを把持しながらその近傍の引き上げ部材5aを引き上げると、ワイヤW3を介して一方の突き刺し具2Aを他方の突き刺し具2Bに対して開操作させ、突き刺した箇所に所定の大きさに広げられる。そこで、操作部4aの第1の操作ピン10aを引き上げると、肥料容器3からパイプ8を介して一対の突き刺し具2A,2Bの間に肥料Hを供給することができる(図2(c)(d))。すなわち、上記一対の突き刺し具2A,2を開操作させると同時に、土や砂地Sに肥料Hが供給される。このように施肥すると、肥料Hは逆円錐形状に深く供給できる。
【0018】
また、図3に示すような順序で肥料Hを供給しても良い。すなわち、一対の突き刺し具2A,2Bを土や砂地Sに突き刺すようにしてから(図3(a))、操作部4aの近傍の引き上げ部材5aを引き上げ、ワイヤW3を介して一方の突き刺し具2Aを他方の突き刺し具2Bに対して開操作させ、突き刺した箇所に所定の大きさに広げ(図3(b))、そして、広げた状態にしてから第1の操作ピン10aを引き上げ、肥料容器3からパイプ8を介して肥料Hを供給させる。このように施肥すると、肥料Hをほぼ円筒形状に深く供給できる(図3(c)(d))。なお、操作部4aに第1の操作ピン10aが設けられているとともに、摺動管5の指引っ掛け部5aがT字状の操作部4aに沿うよう近接して設けられ、摺動管(開閉手段)5も操作部4aに近接しているので、突き刺し具2の操作をしながら肥料Hの供給を容易に行うことが可能である。
【0019】
ここで、植林を例にして説明すると、植林は苗木を所定間隔で植えて行くが、植林したものが一律に育つことを期待して、苗木を植える深さや肥料の量が一律であることが望まれる。また、降雨による肥料の流失を防止するために、所定深さのところに少量ずつ分けて施肥するようにすると良い。そして、これらの作業において、除草を行うことが要求される。
除草しても、肥料を少量ずつ施すときには、既に草が茂っている場合があるので、本実施の形態の肥料供給具1を使用して、草を除去するが、除去すると同時に、上記作業を行えば、効率的な植林が行われる。すなわち、苗木を植えるときに効率的に肥料を一律に供給でき、後で更に施肥が必要であるときも、簡単な除草を行いながら肥料を土や砂地Sの所定深さのところに供給することができる。
なお、苗木を植えてから施肥する場合と苗木を植える状態にして施肥する場合があるが、いずれの場合も土や砂地Sは、苗木のための前作業で柔らかな状態になっているので、本実施の形態の肥料供給具1により深く施肥することが容易に可能である。
【0020】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明に係る第2の実施の形態の肥料供給具11であり、第1の実施の形態と基本的な構成尾は同じであるが、操作部材4の下方側中途部に、足を掛けるための足掛け部4bが取り付けられていることと、肥料容器3は、一つの容器内を区切り、肥料Hを貯蔵する貯蔵部3Aと、肥料Hを計量する計量部3Bを設けたものである点が相違する。
【0021】
肥料容器3は、上方の貯蔵部3Aの下に、肥料Hを計量する計量部3Bを設けられ、貯蔵部3Aよりも計量部3Bは小さく、この計量部3Bで満たされた所定量が排出されるようになっている。所定量は、計量部3Bにメモリ3mが施され、メモリを目安に所定量のみ排出させる。貯蔵部3Bのパイプ8との連結箇所(排出口)には、これを開閉する栓11bが設けられている。この栓11bはワイヤW2と連結され、ワイヤW2の他端側は、操作部材4の中央を貫通して第2の操作ピン10bと連結されている。ここで、貯蔵部3Aよりも計量部3Bは小さくして、この計量部3Bで満たされた全部を排出させることも可能である。また、貯蔵される肥料容器3とは別に、貯蔵部3Bの容器を備えることも可能である。なお、肥料容器3とは別に水の容器を更に備えたり、肥料容器3に水の容器を更に備えたりすることは実施に応じ可能である。
【0022】
したがって、本実施の形態によれば、肥料容器3の貯蔵部3Aに肥料Hを入れて、操作部4aの第1の操作ピン10aを引き上げると、肥料容器3の計量部3Bに所定量の肥料Hが供給可能な状態になる。そこで、一対の突き刺し具2A,2Bを土や砂地Sに突き刺すようにして、操作部4aの近傍の引き上げ部材5aを引き上げると、ワイヤW1を介して一方の突き刺し具2Aを他方の突き刺し具2Bに対して開操作させると、突き刺した箇所に所定の大きさに広げられる。土が固いところでは、足掛け部4bに足を掛け、体重を掛けると良い。そこで、操作部4aの第2の操作ピン10bを引き上げるときに、肥料容器3の計量部3Bからパイプ8を介して一対の突き刺し具2A,2Bの間に肥料Hを供給しても良いし、又、一対の突き刺し具2A,2Bを土や砂地Sに突き刺してから、一対の突き刺し具2A,2Bの間に肥料容器3の計量部3Bからパイプ8を介して肥料を投入しておき(移動させておき)、一方の突き刺し具2Aを他方の突き刺し具2Bに対して開操作させると同時に、この拡開した突き刺し具2A,2Bの間に肥料Hを供給しても良い。
【0023】
以上、本実施の形態では、植林用に用いて好適な肥料供給具として説明したが、この肥料供給具を小型化して、家庭菜園用に使用することも勿論可能である。また、肥料容器3を操作部材4から着脱できる構造にする等にすることは実施に応じ任意である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態である肥料供給具を示す斜視図である。
【図2】上記第1の実施の形態の肥料供給具の使用例を示す図である。
【図3】上記第1の実施の形態の肥料供給具の他の使用例を示す図である。
【図4】上記第2の実施の形態の肥料供給具を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1,11 肥料供給具、
2,2A,2B 突き刺し具、2m メモリ、
3 肥料容器、3A 貯蔵部,3B 計量部、3m メモリ、
4 操作部材、4a 操作部、4b 足掛け部、
5 摺動管(開閉手段)、5a 指引っ掛け部、
8 パイプ、
10a 第1の操作ピン、10b 第2の操作ピン、
11a,11b 栓、
H 肥料(顆粒状の肥料)、
W1,W2 ワイヤ、
W3 ワイヤ(開閉手段)、

【出願人】 【識別番号】595180291
【氏名又は名称】坂井 秀樹
【出願日】 平成20年6月4日(2008.6.4)
【代理人】 【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平

【識別番号】100126398
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
【公開番号】 特開2009−291099(P2009−291099A)
【公開日】 平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願番号】 特願2008−146382(P2008−146382)