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移植機 - 特開2009−232719(P2009−232719A) | j-tokkyo
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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】渡里 圭介
【課題】水量が多い圃場において、フロートの整地面による整地をスムーズに行なうと共に、立上り部が前押しする泥水を左右の泥水流路によって速やかに後方に排出し、フロートの左右に押し流す泥水量を少なくし、既に植付けられた苗に対し泥水流による押し倒し等を防止した植付作業を行う移植機を提供する。

【解決手段】走行機体にフロート9を有する植付装置を設け、フロート9で整地された圃場面に苗を植付ける移植機であって、前記フロート9の前部で整地面を形成する立上り部38の左右に、泥水を前方からフロート上面に流出させる泥水流路37を設けた構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体(2)にフロート(9)を有する植付装置(6)を設け、フロート(9)で整地された圃場面に苗を植付ける移植機(1)において、前記フロート(9)の前部で整地面(36)を形成する立上り部(38)の左右に、泥水を前方からフロート上面に流出させる泥水流路(37)を設けたことを特徴とする移植機。
【請求項2】
泥水流路(37)に、該泥水流路(37)を開閉自在となし閉鎖時に整地面(36)を形成する流路蓋(45)を設けた請求項1記載の移植機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、フロートで整地された圃場面に苗を植付ける田植機等の移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行機体に圃場面に接して滑走させるフロートを備えた植付装置を装着した移植機において、前記フロートの前部で橇状の整地面を有する立上り部に貫通孔を設け、整地面によって前押しされる泥水を前方から貫通孔を通して後方に導くようにすることは既に公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−178204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1で示される移植機は、フロートの立上り部が泥水を前方に押しながら前進する際に、前方から貫通孔を通して泥水を後方に排出するので、泥水をフロートの左右に大量に押し流すことを防止し、既に植付けられた苗や播種が泥水により押し倒されたり押し流されることを防止する利点がある。然しながら、上記フロートは広幅の前フロート部の中央部にのみ貫通孔を設けているので、泥水が多い圃場においては1つの貫通孔から排出される泥水量の制約を受け、左右側方への泥水の押し流し規制を充分にできないものである。またこの対策のために貫通孔を大きくすると、フロートの前面で行なう整地作用を損なう欠点がある。
またフロート幅の中央に設ける貫通孔は、泥水中に混在する藁屑や雑草等の屑類を排水直後において機体側からフロートの中央部を支える整地体取付け金具に引っ掛けるので、団塊状に堆積した屑類が苗植付け深さを調節する際に行うフロートの上下作動を阻害する等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために本発明の移植機は、第1に、走行機体2にフロート9を有する植付装置6を設け、フロート9で整地された圃場面に苗を植付ける移植機1において、前記フロート9の前部で整地面36を形成する立上り部38の左右に、泥水を前方からフロート上面に流出させる泥水流路37を設けたことを特徴としている。
【0005】
第2に、泥水流路37に、該泥水流路37を開閉自在となし閉鎖時に整地面36を形成する流路蓋45を設けたことを特徴としている
【発明の効果】
【0006】
本発明による移植機は次のような効果を奏する。フロートの前部で整地面を形成する立上り部の左右に、泥水を前方からフロート上面に流出させる泥水流路を設けたことにより、水量が多い圃場においてフロートは、整地面による整地をスムーズに行なうと共に、立上り部が前押しする泥水を左右の泥水流路によって速やかに後方に排出するので、フロートの左右に押し流す泥水量を少なくし、既に植付けられた苗に対し泥水流による押し倒し等を防止した植付作業を行うことができる。
【0007】
泥水流路に、閉鎖時に整地面を形成する流路蓋を開閉自在に設けたことにより、水量が多い圃場においてフロートは、流路蓋を開いて開放された泥水流路から泥水の一部を後方に排出することができると共に、水量の少ない圃場では流路蓋を整地姿勢に保持させて整地作用を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において符号1は乗用田植機(移植機)であって、前輪1aと後輪1bを左右に有する走行機体2の前側にボンネットで覆われるエンジン3を搭載して後方に操縦部4を設置し、機体後部に構成される3点リンク方式の昇降機構5に植付装置6を装着している。この植付装置6は前高後低状に傾斜させてマット苗を左右に並列状に載置する苗載台6aを有し、該苗載台6aの下方において複数(実施形態では3本)の植付伝動ケース7を、横方向の植付フレーム8に所定の植付け間隔を有して取付けている。そして、各植付伝動ケース7は後部端の両側に植付爪10を有する回転植付部11を備え、各ケース下方に本発明に係るフロート9を配置している。
【0009】
また移植機1は、走行機体2の後部に設置されるリヤアクスルケース2aのPTO軸(図示せず)と、図11で示すように前記植付フレーム8に沿って軸支される植付伝動軸12の入力軸13とを、ユニバーサルジョイント15を介しPTO伝動軸16で連結し伝動するようにしている。
そして、植付フレーム8は図11,図12で示すように、PTO伝動軸16の下向きの伝動軸角を小さくした状態で、入力軸13を無理なく伝動するようにしている。
【0010】
即ち、図示例の植付フレーム8は左フレーム18と右フレーム19と中央フレーム20とを組み合わせてなり、それぞれ同じ方形状断面をなし上面の中央部に逆台形状の凸部21を形成し、且つ下面の中央部に上記凸部21を挿入自在とする逆台形蟻溝状の凹部22を形成している。これにより中央フレーム20の凹部22の左右に対し、左フレーム18の凸部21と右フレーム19の凸部21の端部を挿入した状態となし、上下に重なって面一となる前後両面を、それぞれ接続片23を介しボルト25によって接続している。
【0011】
上記のように構成される植付フレーム8は、左フレーム18と右フレーム19と中央フレーム20の後面に、前記植付伝動ケース7をそれぞれ取付支持し、且つ下面側に植付伝動軸12を軸支して各植付伝動ケース7への伝動を行うようにしている。
また植付フレーム8は、全長の中央部に中高の空間部26を形成するので、該空間部26に前記入力軸13と植付伝動軸12を伝動可能に接続する伝動ケース27を臨ませて設置することができる。
【0012】
従って、実施形態の植付フレーム8は、空間部26に伝動ケース27を臨ませて植付伝動軸12を支持するので、植付フレーム8を真直ぐなパイプ材で構成した場合に比較し、入力軸13の設置高さを中央フレーム20の下面に近接させてより上位に設けることができるので、PTO軸から入力軸13を繋ぐPTO伝動軸16の下向きの伝動軸角をより小さくでき、ユニバーサルジョイント15を無理に屈曲伝動させることのない伝動をすることができる。
また左フレーム18と右フレーム19と中央フレーム20とは前記断面形状をなしているので、例えば引き抜き製造工法によってアルミ材で製造した1本の支柱状部材を、それぞれの長さ単位に切断して連結するだけで、上記空間部26を形成することができる植付フレーム8を簡単に製作することができる利点がある。
【0013】
次に図1〜図6を参照し本発明の第1実施形態に係るフロート9とその配置構造について説明する。この移植機のフロート配置構造は図2で示すように、複数の植付伝動ケース7によって横方向に取付け支持される取付フレーム30に対し、3体のフロート9をそれぞれ支持リンク機構31によって取付けることにより、各フロート9を各対応する植付伝動ケース7の直下で上下動自在に支持するようにしている。
【0014】
図3〜図6で示すように上記フロート9は、前部の前フロート部33を広幅となし後部の後フロート部34を狭幅となし、平面視でT字状をなすフロート体にしており、前フロート部33と後フロート部34の底面は平坦な接地面35となし、且つその前部に上方に向けて緩やかに湾曲する橇状の整地面36を一連に形成し、該整地面36の左右を一部切欠した形状をなす泥水流路37を形成している。また図示例の3体のフロート9は、いずれも同一形状となしプラスッチック材によるブロー成形加工によって製作される。
【0015】
これによりフロート9は、接地面35を圃場面に接地させ植付装置6の重量を支持して滑走する際に、整地面36によって圃場面の整地を行い平坦な滑走面(植付面)に仕上げ、この平坦な植付面に植付爪10によって苗を植付けることができる。この際に、水量が多い圃場では整地面36が前押しする泥水の一部を、左右の泥水流路37から後方に振り分けて排出しながら滑走する。
即ち、フロート9は前フロート部33の幅を隣接する2条分の苗の植付幅より広く形成しており、後フロート部34はその幅を上記植付幅より狭くすることによりT字状のフロート体となし、前フロート部33の左右に形成されるフロート肩部39と後フロート部34の側面で形成される空間部内で、植付爪10が苗の植付けを行なう植付位置Pを定めている。
【0016】
またフロート9は図4〜図6の側面図で示すように、前フロート部33の全体と後フロート部34の中央部とを接地面35から所定の厚さを有する高中空体とし、この高中空体の後部左右に接地面35から肉薄部41を一体的に形成している。
この形状においてフロート9の幅中心部には、前記支持リンク機構31を取付けるネジ穴40を設けている。また後フロート部34の肉薄部41は、滑走時の喫水面の近傍となるので前記空間部を流れる泥水流が多い場合に、これを通過させて植付位置Pに移植された苗が泥水流によって押し倒されることを抑制する。
【0017】
次にフロート9の前部左右に形成される泥水流路37について説明する。図示例の泥水流路37は前フロート部33の幅中心と外側面の中間位置において、前フロート部33の整地面36を形成する立上り部38を前方から凹溝状に切欠した形状とし、且つ切欠深さを前フロート部33の上面に略交差する位置としている。
これにより泥水流路37はフロート9の前部で左右対称位置に形成され、これにより前フロート部33は左右の泥水流路37を介し、それぞれ整地面36を有する中立上り部42と側立上り部43とを形成する。
【0018】
そして、各泥水流路37は図3,図6で示すように、上記中立上り部42と外立上り部43の側面と前フロート部33の上面が路面37aとなって、泥水を該路面37aによって後方に案内し、フロート肩部39及び前記高中空体の後端44から肉薄部41を介して泥水流を弱めて圃場面に排出する。
これにより水量が多い圃場面を滑走するフロート9は、整地面36が泥水を前押しすることにより盛り上がる泥水の一部を、泥水流路37から路面37aを介して後方に案内し、広いフロート上面で拡散させて水流を減速させながら、フロート肩部39及びフロート後端44を介して排出することができる。
【0019】
以上のように構成されるフロート9を備える移植機1は、植付装置6を昇降機構5によって下降させて各フロート9を設置させ、走行させながらPTO軸からPTO伝動軸16を介し苗載台10及び植付爪10を駆動する。これにより移植機1は各フロート9を滑走させ整地した圃場面に、植付爪10により植付位置Pに苗の植付けを行なう。
【0020】
このような植付作業において、整地面36を有して形成される立上り部38の中途部左右に、泥水流路37を設けたフロート9によって整地するので、水量が多い圃場面において滑走するフロート9は、立上り部38が前押しする泥水を左右の泥水流路37から後方に導き、広いフロート上面で拡散させ水流を減速させながら排出するので、泥水をフロート9の左右に押し流す泥水量を少なくし、既に植付けられた苗や播種に対し泥水流による押し倒しや押し流しを確実に防止することができる。
また複数の泥水流路37は左右に振り分けて設けているので、藁屑等の屑類を支持リンク機構31等の取付金具類への引っ掛かりを防止し、フロート9の上下作動を長期にわたり妨げることなく植付作業をスムーズに続行させることができる。
【0021】
次に、図7〜図10を参照し本発明の別実施形態について説明する。尚、前記実施形態のものと同様な構成及び作用については説明を省略する。先ず図7は第2実施形態に係り、5条分の苗を植付ける植付装置6が備えるフロートの配置構造を示している。この場合には前記取付フレーム30に対し、3体のフロート9を支持リンク機構31によって取付支持するに、左右両側に前記実施形態のものと同様なT字状のフロート9を設け、中側に逆U字状のフロート9を設置している。
【0022】
即ち、上記逆U字状のフロート9は、前フロート部33に前記したものと同様の泥水流路37を設けており、前フロート部33の左右から後フロート部34を延設することにより平面視で逆U字状をなし、左右の後フロート部34の間に形成される空間部内の植付位置Pを定め、上方に配置される植付伝動ケース7が有する植付爪10を配設している。
これにより前フロート部33の左右に形成される泥水流路37から排出される泥水は、フロート上面で左右に拡散され勢いを弱められて後フロート部34の両側から圃場面に流出するので、外立上り部43からフロート9の外側に流出する泥水量を少なくすることができ、既植付け苗の押し倒しを防止することができる。
【0023】
次に、図8〜図10を参照しフロート9の第3実施形態について説明する。このフロート9は前記T字状をなすものと同様な構成によって形成される泥水流路37に対し、該泥水流路37を開閉することができる流路蓋45を有する流路開閉機構46を設けている。
図示例の流路開閉機構46は泥水流路37の後方でフロート上面に、正面視で上向きコ字状をなす取付ブラケット47の底部を着脱自在に設けている。
【0024】
この取付ブラケット47は前記路面37aに嵌合させた前端上部に、流路蓋45の上部を回動自在に支持する支持軸49を横向に取付け、該支持軸49に挿入したコイル状のスプリング50の一端を取付ブラケット47に係止した状態で、他端を流路蓋45に係合させており、これにより流路蓋45を支持軸49を支点に前方に向けて付勢している。そして、流路蓋45は前端高さ位置から整地面36に沿って湾曲させた下端を、前記路面37aに上方から接当させている。
【0025】
以上のように泥水流路37に流路蓋45を設けたフロート9は、水量の少ない圃場では前押しされる泥水が泥水流路37の流路蓋45に達しなかったり、達しても泥水流が弱く流路蓋45をスプリング50の付勢力に抗して開動させないので、図10で示すように流路蓋45は実線の整地姿勢を保持して、流路蓋45が立上り部38の整地面36と同様の整地作用を発揮し広幅な整地を行うことができる。
【0026】
そして、水量が多い圃場では前押しされる泥水が流路蓋45を強く押圧し、スプリング50の付勢力に抗して流路蓋45を点線で示すように上方に回動させるので、開放された泥水流路37から泥水の一部を前記実施形態のものと同様に排出するため、移植機1は既植付け苗の押し倒しを防止した植付作業をスムーズに行うことができる。尚、泥水流路37はスプリング50を用いることなく、流路蓋45を手動操作によって開閉自在に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係わる移植機の全体側面図である。
【図2】移植機の植付装置に装着されるフロートの構成を示す全体平面図である。
【図3】図2のフロートの拡大平面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図3のA―A線断面図である。
【図6】図3のB―B線断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係わるフロートと配置構造を示す全体平面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係わるフロートの平面図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】図8のA―A線断面図である。
【図11】植付フレームの構成を示す斜視図である。
【図12】図11の側面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 移植機(乗用田植機)
2 走行機体
6 植付装置
6a 苗載台
7 植付伝動ケース
9 フロート
10 植付爪
36 整地面
37 泥水流路
38 立上り部
45 流路蓋



【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成20年3月26日(2008.3.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2009−232719(P2009−232719A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−81301(P2008−81301)