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【発明の名称】 作業機のカプラ支持装置及び作業機
【発明者】 【氏名】垣見 明彦
【課題】作業機側カプラから走行機体側カプラを着脱する作業を走行機体の運転席から容易に行えるよう。

【解決手段】支持アーム61は、耕耘作業機1の上方へ突出した状態で、且つカプラ取付固定部71の走行機体90に対する位置調節が可能な状態で前記耕耘作業機1に着脱自在に固定されている。また、カプラ取付固定部71は、支持アーム61の先端側に揺動可能に設けられている。作業者は、本人の体格に合わせて支持アーム61及びカプラ取付固定部71の角度調整や位置調整を行うことで、作業機側カプラ38−1,38−2から走行機体側カプラカプラ96−1,96−2を着脱する作業を走行機体90に搭乗した状態で運転席92から容易に行える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機側の電気配線または油圧配管に接続される作業機側カプラを備え、走行機体に装着され、該走行機体側の電気配線または油圧配管に接続された走行機体側カプラを前記作業機側カプラに着脱自在に連結することで作動可能になる作業機において、前記作業機側カプラを支持する作業機のカプラ支持装置であって、
先端側に前記作業機側カプラが取付固定されるカプラ取付固定部を有し、前記作業機の上方へ突出した状態で、且つ前記カプラ取付固定部の前記走行機体に対する位置調節が可能な状態で前記作業機に着脱自在に固定される支持アームを備えることを特徴とするカプラ支持装置。
【請求項2】
前記作業機に対する前記支持アームの取付位置を変更可能にする取付位置変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の作業機のカプラ支持装置。
【請求項3】
前記カプラ取付固定部は、前記支持アームの先端側に揺動可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の作業機のカプラ支持装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカプラ支持装置を備えた作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に設けられた走行機体側カプラに着脱自在に連結する作業機側カプラを支持する作業機のカプラ支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的にトラクターと呼ばれる農作業用の走行機体には、耕耘作業機等の作業機が装着されるようになっている。このような走行機体は、走行機体側カプラに作業機側カプラを接続することで前記作業機に電力や油圧による動力を供給するとともに、作業機との間の信号の伝達を行っている。
【0003】
このような走行機体に装着される作業機は、例えば、特許文献1に記載されている。この作業機270は、図8(側面図)に示すように、走行機体290の後部に設けられた三点リンク連結機構291に着脱可能に取り付けられて圃場を耕耘する耕耘作業機である。この作業機270は、ロータリ耕耘作業部271に耕深検知センサを設け、この耕深検知センサからの検知信号を走行機体側に設けた制御部に入力した検知結果に応じて自動的に耕深制御を行うように構成されている。このため、走行機体側の制御部と作業機側の耕深検知センサとを電気的に接続するために走行機体側に走行機体側カプラ272を設け、作業機側に作業機側カプラ273を設けている。
【0004】
走行機体側カプラ272は、三点リンク連結機構291に取り付けられたヒッチフレーム274の上部に固定した状態で取り付けられている。一方、作業機側カプラ273は、ヒッチフレーム274を取り付けるトップマスト275に取り付けられたチェーン276を介して吊持ち状に取り付けられている。このチェーン276の基端部の固着位置は、走行機体側カプラ272と作業機側カプラ273が係合している状態で、前方に引っ張られた緊張状態となるように配置されている。またチェーン276の長さは、作業機側カプラ273に接続されたハーネス277の緊張に先行してチェーン276が緊張するとともに、自然垂下状態で作業機270を持ち上げたときに走行機体290の運転席に搭乗した作業者が後ろ向きになって手を延ばせば容易に手が届く長さに設定されている。
【0005】
このため、作業機270を走行機体290に取り付ける場合には、作業機270を走行機体290に装着した後に、作業者は走行機体290の運転席に搭乗して後方側に向いて、垂れ下がっている作業機側カプラ273を持ち上げて走行機体側カプラ272に押し付けて両カプラを接続する。また作業機側カプラ273を走行機体側カプラ272から取り外す場合には、走行機体290を前進走行させるだけでよい。
【0006】
【特許文献1】実開平5−23804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の作業機では、走行機体が大型の場合、運転席の位置が比較的に高いため、走行機体の運転席に座った作業者が後を向いて手を延ばしても、作業者の手が走行機体側カプラに届かない場合が多く、このため作業機側カプラを走行機体側カプラに取り付ける場合には作業者が走行機体から降車しなければならず、この動作は作業者にとって煩わしく作業時間の損失になっていた。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、作業機側カプラから走行機体側カプラを着脱する作業を走行機体の運転席から容易に行えるようにした作業機のカプラ支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、作業機(例えば、実施形態における耕耘作業機1)側の電気配線(例えば、実施形態における作業機側ハーネス37)または油圧配管に接続される作業機側カプラ(例えば、実施形態における作業機側カプラ38−1,38−2)を備え、走行機体(例えば、実施形態における走行機体90)に装着され、該走行機体側の電気配線(例えば、実施形態における走行機体側ハーネス95)または油圧配管に接続された走行機体側カプラ(例えば、実施形態における走行機体側カプラ96−1,96−2)を前記作業機側カプラに着脱自在に連結することで作動可能になる作業機において、前記作業機側カプラを支持する作業機のカプラ支持装置(例えば、実施形態におけるカプラ支持装置50)であって、先端側に前記作業機側カプラが取付固定されるカプラ取付固定部(例えば、実施形態におけるカプラ取付固定部71)を有し、前記作業機の上方へ突出した状態で、且つ前記カプラ取付固定部の前記走行機体に対する位置調節が可能な状態で前記作業機に着脱自在に固定される支持アーム(例えば、実施形態における支持アーム61)を備えることを特徴とする。
【0010】
この特徴によれば、支持アームは、前記作業機の上方へ突出した状態で、且つ前記カプラ取付固定部の前記走行機体に対する位置調節が可能な状態で前記作業機に着脱自在に固定されるので、作業者の体格に合わせた作業機側カプラの位置調節が可能になり、作業機側カプラから走行機体側カプラを着脱する作業を走行機体の運転席から容易に行える。走行機体に対する位置調節とは、具体的にはカプラ取付固定部の高さと、走行機体との間の距離が調節自在であることを言う。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカプラ支持装置であって、前記作業機に対する前記支持アームの取付位置を変更可能にする取付位置変更手段(例えば、実施形態におけるネジ挿通孔67−1,67−2,67−3,67−4、ネジ孔52−1,52−2,52−3,52−4及びボルト69)を更に備えることを特徴とする。この場合、取付位置変更手段によって支持アームの作業機への取付位置、並びに支持アーム自身の角度の調整が可能になる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のカプラ支持装置であって、前記カプラ取付固定部は、前記支持アームの先端側に揺動可能に設けられていることを特徴とする。揺動可能とは、主に作業機の幅方向の水平軸の回りに揺動できることを言う。この場合、カプラ取付固定部が揺動可能であることで、作業者の姿勢、身長等に応じて操作し易い角度に自由に設定することが可能である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、また特徴の一つは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカプラ支持装置を備えた作業機である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係わる作業機のカプラ支持装置及び作業機よれば、上記特徴を有することによって、作業機側カプラから走行機体側カプラを着脱する作業を走行機体の運転席から容易に行えるので、作業機側カプラを走行機体側カプラに着脱する場合、作業者が走行機体から降車しカプラ着脱後再び走行機体に乗車して次の動作を行うという作業の煩わしさを解消するとともに作業時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係わる作業機のカプラ支持装置の実施形態を図1乃至図7に基づいて説明する。図1乃至図7では、カプラ支持装置50を耕起・砕土用の耕耘作業機に設けた場合を例にして説明する。カプラ支持装置50の設置対象は、耕耘作業機には限られず、走行機体90に連結されるあらゆる作業機に適用(設置)される。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係わるカプラ支持装置50を搭載した耕耘作業機1を示す側面図である。
【0017】
図1において、先ず、カプラ支持装置50を説明する前に耕耘作業機1について概説する。
【0018】
耕耘作業機1は、走行機体90の後部に装着されて走行機体90の走行とともに進行して耕耘作業を行うものであり、左右方向(作業機本体10の幅方向)の中央部に配置された作業機本体10と、この左右両端部に上下方向に回動可能に取り付けられた延長作業体30とを備え、作業機本体10及び延長作業体30,30によって3分割構造になっている。尚、本実施形態の説明における左右は、走行機体90に装着された作業機本体10の後方側から見た左右を示している。
【0019】
作業機本体10の前部には、走行機体90の後部に設けられた3点リンク連結機構91に連結されるトップマスト5とロアーリンク連結部6が設けられて、耕耘作業機1は走行機体90の後部に昇降可能に装着される。また作業機本体10の前部にはギアボックス(図示せず)が設けられ、走行機体90のPTO軸からの動力がユニバーサルジョイント等の動力伝達手段を介してギアボックスに伝達されるようになっている。
【0020】
作業機本体10は、耕耘作業を行うロータリ等の耕耘体を有し、この耕耘体の上方がカバー体を兼ねた機枠13によって覆われている。この機枠13の後端部に耕耘体の後方位置に上下方向に回動可能に取り付けられて整地作業を行う整地体14が設けられている。
【0021】
整地体14は、機枠13の後端部に前端部が枢結されて上下方向に回動可能な第1整地板15と、第1整地板15の後端部に前端部が枢結されて上下方向に回動可能な略板状の第2整地板16とを有して構成されている。
【0022】
左右両側に配設された延長作業体30は、左右対称の構造を有し、作業機本体10の耕耘体の作業幅を側方に延長するロータリ等の図示省略の延長耕耘体と、延長耕耘体の後方位置に上下方向に回動可能に位置して整地作業を行う延長整地体31とを有してなる。延長耕耘体の上方はカバー体を兼ねた延長機枠35によって覆われている。
【0023】
延長機枠35の後端部には、上下方向に回動可能に取り付けられて整地作業を行う延長整地体31が設けられている。この延長整地体31は延長作業体30の展開姿勢時に整地体14の外端部に接合してこの整地体14と連結され、延長整地体31の折り畳み姿勢時には整地体14の外端部から離反してこの整地体14との接合が解除されるようになっている。
【0024】
延長整地体31は、延長機枠35の後端部に前端部が枢結されて上下方向に回動可能な第1延長整地板32と、第1延長整地板32の後端部に前端部が枢結されて上下方向に回動可能な略板状の第2延長整地板33とを有して構成されている。延長作業体30は、作業機本体10との間に設けられた電動式油圧シリンダ(図示せず)の伸縮によって展開姿勢と折り畳み姿勢との間を移動可能である。これらの延長作業体30は、走行機体90の運転席92に設けられた操作スイッチやレバー93の操作に応じて、走行機体90側に設けられた制御装置94による作業機本体10側の前記電動式油圧シリンダの伸縮制御によって移動可能に構成されている。
【0025】
走行機体90側の制御装置94と作業機本体10側の電動式油圧シリンダは、制御装置94に接続された走行機体側ハーネス95と前記電動式油圧シリンダに接続された作業機側ハーネス37を介して電気的に接続される。作業機側ハーネス37は、前記電動式油圧シリンダから延出してトップマスト5の前部上方まで延びるように引きまわされる。作業機側ハーネス37の先端部には図2に示すように左右二つの作業機側カプラ38−1,38−2が取り付けられている。一方、走行機体側ハーネス95は、制御装置94から延出して作業機本体10の前部上方まで延びるように引きまわされる。走行機体側ハーネス95の先端部には図5に示すように左右二つの走行機体側カプラ96−1,96−2が取り付けられている。
【0026】
前記作業機側ハーネス37の作業機側カプラ38−1,38−2は、トップマスト5の上部に設けられたカプラ支持装置50によって耕耘作業機1の上部に支持される。この場合、作業機側カプラ38−1,38−2は、先端部が走行機体90の後部に向いた状態で、且つ走行機体90の運転席92に搭乗した作業者が後方に向いた状態で手が届く範囲内に取り付けられている。このため、作業機側カプラ38−1,38−2に走行機体側カプラ96−1,96−2を接続することで、走行機体側ハーネス95及び作業機側ハーネス37を介して制御装置94と前記電動式油圧シリンダとを電気的に接続することができる。
【0027】
以上に説明した構造により、耕耘作業機1は、作業機側ハーネス37に接続される作業機側カプラ38−1,38−2を備え、走行機体90に装着され、走行機体側ハーネス95に接続された走行機体側カプラ96−1,96−2を前記作業機側カプラ38−1,38−2に着脱自在に連結することで作動可能になる。
【0028】
図2はカプラ支持装置50及びその周辺部を示す斜視図である。
【0029】
図2において、カプラ支持装置50は、先端(上端)側に左右二つの前記作業機側カプラ38−1,38−2が取付固定されるカプラ取付固定部71を有し、耕耘作業機1のトップマスト5から上方へ突出した状態で、且つカプラ取付固定部71の走行機体90に対する位置(高さと距離)の調節が可能な状態で前記耕耘作業機1のトップマスト5に着脱自在に固定される支持アーム61を備えている。支持アーム61には主に図示するようなアングル、溝形鋼、平鋼等の形鋼が使用されるが、合成樹脂(プラスチック)等の成型品も使用される。
【0030】
以下、カプラ支持装置50及びその周辺部の各部品について詳細に説明する。
【0031】
図3はカプラ支持装置50及びその周辺部を示す分解斜視図である。
【0032】
図3において、作業機側カプラ38−1,38−2は、絶縁基台41に、複数の電極ピン42,42…42を植設したものである。
【0033】
複数の電極ピン42,42…42は、基端側に作業機側ハーネス37の複数の機器配線コード43,43…43に個別に接続されている。尚、機器配線コード43,43…43は、中間部が1本に纏められてチューブ44によって覆われている。
【0034】
絶縁基台41は、合成樹脂等の絶縁性の素材で形成され、前記走行機体側カプラ96−1,96−2と結合する結合面45を有している。また、絶縁基台41は、当該結合面45と基端面の間に後述のベース部材72に取り付けられる取付段部46を有している。
【0035】
前記結合面45には、前記走行機体側カプラ96−1,96−2(後述の図5参照)が挿入される凹部47が形成されている。
【0036】
電極ピン42,42…42の先端側は、凹部47の奥面から突出し、前記走行機体側カプラ96−1,96−2(後述の図5参照)の対応するジャック端子と電気的に接続する。
【0037】
一方、トップマスト5の幅方向のいずれかの側面、例えば右側面51には、前記支持アーム61をボルト締めで固定するための4つのネジ孔52−1,52−2,52−3,52−4が形成されている。ネジ孔52−1,52−2,52−3,52−4は、垂直の上方向から斜め前方に約45°傾いた一直線上に等間隔で下から順に並べて形成されているが、傾斜角度は任意である。
【0038】
一方、支持アーム61は、直線フレーム62にカプラ取付固定部71をボルト63とナット64により締め付け固定したものである。
【0039】
直線フレーム62は、帯状の鉄板等の金属板を長手方向に沿って折り曲げることで互いに略直交する平面部65,66を形成したものである(山形鋼)。平面部65の基端側から中間部には、ボルト締め固定用のネジ挿通孔67−1,67−2,67−3,67−4がネジ孔52−1,52−2,52−3,52−4と同じ間隔で一直線上に並べて形成されている。また、平面部65の先端近傍には、ボルト締め固定用のネジ挿通孔68が形成されている。ネジ孔52−1,52−2,52−3,52−4の配列は必ずしも一直線である必要はなく、千鳥状に、あるいは2列に配列することも可能である。
【0040】
ボルト69は、そのネジ部が直線フレーム62のネジ挿通孔67−1,67−2,67−3,67−4の何れかに挿通しトップマスト5の右側面51のネジ孔52−1,52−2,52−3,52−4の何れかに螺入して締め付けられることで、直線フレーム62をトップマスト5の右側面51に固定する。
【0041】
カプラ取付固定部71は、走行機体側カプラ96−1,96−2が固定されるベース部材72と、走行機体側カプラ96−1,96−2の外周を覆うコ字状のカバー部材73と、ネジ74,74,75,75とを主要構成としている。
【0042】
図4はベース部材72及びその周辺部を示す分解斜視図である。
【0043】
図4において、ベース部材72は、鉄等の金属板を折り曲げて形成したものである。ベース部材72は、横長の四角形状の平面部76を有し、この平面部76の左右(幅方向)両側が下方に折り曲げられてカバー部材73(図3参照)取り付け用のネジ止め部77,78が形成されている。平面部76には、作業機側カプラ38−1,38−2取付用のネジ挿通孔79,79が形成されている。ネジ止め部77,78にはネジ孔80,80が形成されている。
【0044】
平面部76の作業機側ハーネス37(図3参照)側の長辺には、その側に向けて延出する延出部81が形成されている。
【0045】
延出部81の幅方向のいずれか一方側、例えば左側は、下方に折り曲げられることで直線フレーム62取り付け用の舌片82が形成されている。舌片82には、ボルト63のネジ部が挿通されるネジ挿通孔83が形成されている。
【0046】
ボルト63は、そのネジ部が舌片82のネジ挿通孔83に挿通し、直線フレーム62のネジ挿通孔68に挿通し、ナット64のネジ孔に螺入してナット64とは逆の方向に締め付けられることで、ベース部材72を直線フレーム62の先端側にネジ止め固定する。
【0047】
図3において、ネジ74,74は、ネジ部がベース部材72の平面部76のネジ挿通孔79,79に挿通し作業機側カプラ38−1,38−2の下面に突設された取付段部46,46に形成されたネジ穴に螺入して締め付けられることで、ベース部材72の平面部76に作業機側カプラ38−1,38−2をネジ止め固定する。
【0048】
カバー部材73は、鉄等の金属板をコ字状に折り曲げて形成したものであり、平面部84と左右の側面部85,86を備える。平面部84は、作業機側カプラ38−1,38−2の取付段部46,46の反対側の面を覆う。
【0049】
平面部84の左右両側は、下方に折曲される折曲部を介して側面部85,86が設けられている。側面部85は、作業機側カプラ38−1の左側面を覆う。側面部86は、作業機側カプラ38−2の右側面を覆う。
【0050】
側面部85,86の下端近傍には、ベース部材72のネジ止め部77,78にネジ止めするためのネジ挿通孔87,87が形成されている。
【0051】
ネジ75,75は、ネジ部がカバー部材73の側面部85,86のネジ挿通孔87,87に挿通しベース部材72のネジ止め部77,78のネジ孔80,80に螺入して締め付けられることで、カバー部材73をベース部材72にネジ止め固定する。
【0052】
カバー部材73をベース部材72にネジ止め固定した状態では、カバー部材73とベース部材72で囲まれる隙間に、作業機側カプラ38−1,38−2が挟み込まれた状態で設けられる。
【0053】
以下、走行機体側カプラ96−1,96−2について詳細に説明する。
【0054】
図5は走行機体側カプラ96−1,96−2及びその周辺部を示す斜視図である。
図5において、走行機体側カプラ96−1,96−2は、絶縁基台101の内部に、作業機側カプラ38−1,38−2(図3参照)の前記複数の電極ピン42,42…42(図3参照)と接続する複数のジャック端子102,102…102を植設したものである。
【0055】
複数のジャック端子102,102…102の基端側は、走行機体側ハーネス95の複数の機器配線コード103,103…103に個別に接続されている。尚、機器配線コード103,103…103は、中間部が1本に纏められてチューブ104によって覆われている。
【0056】
絶縁基台101は、合成樹脂等の絶縁性の素材で形成され、前記作業機側カプラ38−1,38−2(図3参照)の凹部47(図3参照)に嵌入して結合する差し込み凸部105を有している。また、差し込み凸部105の先端面には、電極ピン42,42…42(図3参照)が挿入される複数の貫通孔106,106が形成されている。貫通孔106,106の奥方にジャック端子102,102…102が設けられている。
【0057】
絶縁基台101の外周面の基端側は、作業者の手により握られる把持部107になっている。差し込み凸部105と把持部107の間には、差し込み凸部105の間に前記作業機側カプラ38−1,38−2の凹部47に塵が進入するのを防止するためのフランジ部108が形成されている。
【0058】
以上に示した構成により、走行機体側ハーネス95は、走行機体側の電気配線になっている。
【0059】
図3に示す作業機側ハーネス37は、作業機側の電気配線になっている。
カプラ支持装置50の直線フレーム62のネジ挿通孔67−1,67−2,67−3,67−4、トップマスト5の右側面51のネジ孔52−1,52−2,52−3,52−4及びボルト69は、前記耕耘作業機1に対する前記支持アーム61の取付位置を変更可能にする取付位置変更手段になっている。
【0060】
前記カプラ取付固定部71は、ボルト63とナット64により前記支持アーム61の先端側に揺動可能に設けられている。
【0061】
以下、カプラ支持装置50の使用法について説明する。
【0062】
図6は、平均的な体格の作業者に対応したカプラ支持装置50の使用法について説明する説明図であり、図6(a)は作業機側カプラ38−1,38−2に走行機体側カプラ96−1,96−2に接続する前の状態を示し、図6(b)は作業機側カプラ38−1,38−2に走行機体側カプラ96−1,96−2に接続した状態を示している。
【0063】
走行機体90と作業機本体10を使用して作業を行う作業者が平均的な体格である場合、本作業者は、カプラ支持装置50の直線フレーム62のネジ挿通孔67−1,67−2,67−3,67−4をそれぞれトップマスト5の右側または左側面51のネジ孔52−1,52−2,52−3,52−4に揃え、ボルト69のネジ部を直線フレーム62のネジ挿通孔67−2に挿通しトップマスト5の右側面51のネジ孔52−2に螺入してボルト69のボルト頭を締め付けることで、図6(a)に示すようにカプラ支持装置50の直線フレーム62をトップマスト5の右側面51に固定する。この状態では、カプラ支持装置50の直線フレーム62は全長の半分程度がトップマスト5の上方に突出した状態で先端側が走行機体90側(前方)に傾く。この後、本作業者は、作業機側カプラ38−1,38−2の結合面45を走行機体90側に向けた状態で取り付けボルト63とナット64を締め付けることで、カプラ取付固定部71を直線フレーム62に固定する。本作業者は、このようなカプラ支持装置50の調整を行った状態で作業機本体10を走行機体90に装着する。
【0064】
この後、作業者は、走行機体90(図1参照)の運転席92(図1参照)に搭乗し、走行機体側ハーネス95の走行機体側カプラ96−1,96−2の把持部107を手で保持し、走行機体側カプラ96−1,96−2の差し込み凸部105を前記作業機側カプラ38−1,38−2の凹部47(図2参照)に嵌入して結合する。これにより、図3に示した前記作業機側カプラ38−1,38−2の電極ピン42,42・・・42が図5に示した走行機体側カプラ96−1,96−2の差し込み凸部105の複数の貫通孔106,106に挿入し、走行機体側カプラ96−1,96−2のジャック端子102,102…102と接続する。これにより、図6(b)に示すように、作業機側ハーネス37が前記作業機側カプラ38−1,38−2及び走行機体側カプラ96−1,96−2を介して走行機体側ハーネス95と電気的に接続して作業機本体10が作動可能な状態になる。
【0065】
次に、平均よりある程度腕が長い体格の作業者に対応した、あるいは走行機体の後部フレームが後方に張り出していて作業機を上昇させた時、走行機体の後部フレームと作業機側カプラが接触するような場合に有効なカプラ支持装置50の使用法について説明する。
【0066】
図7(a)は、平均よりある程度腕が長い体格の作業者が作業機側カプラ38−1,38−2に走行機体側カプラ96−1,96−2を接続する場合のカプラ支持装置50の使用法について説明する説明図である。
【0067】
走行機体90および作業機本体10を使用して作業を行う作業者が平均よりある程度腕が長い体格の人物である場合、本作業者は、図6(a)に示したボルト69のネジ部が直線フレーム62のネジ挿通孔67−2に挿通しトップマスト5の右側面51のネジ孔52−2に螺入した状態でボルト69を緩め、直線フレーム62の先端側を走行機体90の反対側に傾けた状態で、ボルト69のボルト頭を締め付けることでカプラ支持装置50の直線フレーム62をトップマスト5の右側面51に固定する。次に、本作業者は、作業機側カプラ38−1,38−2の結合面45を走行機体90側に向けた状態で取り付けボルト63とナット64を締め付けることで、カプラ取付固定部71を直線フレーム62に固定する。
【0068】
これにより、図7(a)に示すように、作業機側カプラ38−1,38−2は、走行機体90の運転席92(図1参照)からある程度離れた位置となり、作業機側カプラ38−1,38−2に対して走行機体側カプラ96−1,96−2を着脱する位置は、ある程度腕が長い体格の人物に適した位置になる。また、作業機を上昇させた時、走行機体の後部フレームと作業機側カプラとが接触する可能性がある場合でも、適正な位置を確保できるので接触の心配はいらない。
【0069】
図7(b)は、平均よりある程度腕が短い体格の作業者に適したカプラ支持装置50の使用法について説明する説明図である。
【0070】
走行機体90および作業機本体10を使用して作業を行う作業者が平均よりある程度腕が短い体格の人物である場合、本作業者は、ボルト69をトップマスト5及び直線フレーム62から一旦外し、この後、ボルト69のネジ部を直線フレーム62のネジ挿通孔67−1に挿通しトップマスト5の右側面51のネジ孔52−4に螺入し、図7(b)に示すように、直線フレーム62の全長の9割程度をトップマスト5の上方に突出させ、直線フレーム62の先端側を走行機体90側に傾けた状態で、ボルト69のボルト頭を締め付けることでカプラ支持装置50の直線フレーム62をトップマスト5の右側面51に固定する。次に、本作業者は、作業機側カプラ38−1,38−2の結合面45を走行機体90側に向けた状態で取り付けボルト63とナット64を締め付けることで、カプラ取付固定部71を直線フレーム62に固定する。
【0071】
これにより、作業機側カプラ38−1,38−2は、走行機体90の運転席92から比較的近い位置に配置し、作業機側カプラ38−1,38−2に対して走行機体側カプラ96−1,96−2を着脱する位置は、ある程度腕が短い体格の人物に適した位置になる。
【0072】
図1乃至図7に示した本発明の実施形態によれば、支持アーム61は、前記耕耘作業機1の上方へ突出した状態で、且つ前記カプラ取付固定部71の前記走行機体90に対する位置調節が可能な状態で前記耕耘作業機1に着脱自在に固定され、ボルト69を緩めることでトップマスト5に対する直線フレーム62の角度調整が行え、ボルト69のネジ部を挿通させる直線フレーム62のネジ挿通孔の変更及びボルト69のネジ部を螺入させるトップマスト5の右側面51のネジ孔の変更により前記耕耘作業機1に対する前記支持アーム61の取付位置を変更でき、さらにボルト63とナット64を緩めることで前記支持アーム61に対する前記カプラ取付固定部71の角度調整が行える。これにより、作業者が本人の体格に合わせて支持アーム61及びカプラ取付固定部71の角度調整や位置調整を行うことで、作業機側カプラ38−1,38−2から走行機体側カプラカプラ96−1,96−2を着脱する作業を作業者が走行機体90の運転席92から容易に行え、作業機側カプラを走行機体側カプラに接続する場合の作業の煩わしさを解消するとともに作業時間の短縮を図ることができる。
【0073】
尚、直線フレーム62のネジ挿通孔67−1,67−2,67−3,67−4の内、ボルト69のネジ部が挿通するネジ挿通孔と、トップマスト5の右側面51のネジ孔52−1,52−2,52−3,52−4の内、ボルト69のネジ部が螺入するネジ孔の組合せは、図6や図7に示した組合せに限らず作業者の体格や好みに合わせて各種適用可能でであ。
【0074】
また、トップマスト5に対する直線フレーム62の角度や直線フレーム62に対するカプラ取付固定部71の角度も図6や図7に示した組合せに限らず作業者の体格や好みに合わせて各種適用可能である。
【0075】
また、本実施形態では、本発明を電気配線に接続される作業機側カプラ38−1,38−2及び走行機体側カプラカプラ96−1,96−2に適用したが、本発明を油圧配管に接続される作業機側カプラ及び走行機体側カプラカプラに適用してもよい。
【0076】
また、本実施形態では、作業機の一例として耕起・砕土用の耕耘作業機1を対象としたが、代掻き用の耕耘作業機、畦塗り機、溝掘り機等の農作業機を対象とてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカプラ支持装置を搭載した耕耘作業機の側面図を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係わるカプラ支持装置及びその周辺部を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わるカプラ支持装置及びその周辺部を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わるベース部材及びその周辺部を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる走行機体側カプラ及びその周辺部を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わるカプラ支持装置の平均的な体格の作業者に対応した使用法について説明する説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わるカプラ支持装置の比較的腕が長い作業者及び比較的腕が短い作業者に対応した使用法について説明する説明図である。
【図8】従来の配線用カプラ支持構造を備えた耕耘作業機の側面図を示す。
【符号の説明】
【0078】
1 耕耘作業機(作業機)
5 トップマスト
10 作業機本体
37 業機側ハーネス
38−1,38−2 作業機側カプラ
50 カプラ支持装置
52−1,52−2,52−3,52−4 ネジ孔
61 支持アーム
62 直線フレーム
63 ボルト
64 ナット
67−1,67−2,67−3,67−4 ネジ挿通孔
69 ボルト
71 カプラ取付固定部
90 走行機体
95 走行機体側ハーネス
96−1,96−2 走行機体側カプラ
【出願人】 【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
【出願日】 平成20年3月28日(2008.3.28)
【代理人】 【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
【公開番号】 特開2009−232796(P2009−232796A)
【公開日】 平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願番号】 特願2008−85331(P2008−85331)