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【発明の名称】 補正量検出方法、補正量検出装置および基板処理機
【発明者】 【氏名】岡嵜 真一

【要約】 【課題】被撮像面と撮像装置との距離が基板の厚さ等によって変わるような構造の基板処理機においても、位置ズレ量を正確に検出する。

【構成】被写体の実寸に対する撮像画面上の寸法と被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを作成する補正データ作成工程と、被処理基板2を上記所定位置に設置してこの基板2と撮像装置7とを対応させた状態で、フィデューシャルマーク2a、2bを撮像し、そのマーク2a、2bの位置ズレ量を撮像画面上で求め、その撮像画面上の位置ズレ量と、基板2の被撮像面の高さ位置とに基づき、補正データ作成工程で求めた補正データからマーク2a.2bの位置ズレ量を算出するマーク位置ズレ検出工程と、このマーク位置ズレ検出工程で求められたマークの位置ズレ量に基づき、基板位置補正量を算出する補正量演算工程とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板に対して所定の処理を施す基板処理機の所定位置に被処理基板を設置した状態で、被処理基板に表示した位置検出マークを上記基板処理機に設けた撮像装置により撮像し、それに基づき、上記所定の処理の際の基板位置補正量を求める補正量検出方法であって、
被写体の実寸に対する撮像画面上の寸法と被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを作成する補正データ作成工程と、
被処理基板を上記所定位置に設置してこの基板と上記撮像装置とを対応させた状態で、上記位置検出マークを撮像し、その位置検出マークの正規の位置に対する位置ズレ量を撮像画面上で求め、その撮像画面上の位置検出マークの位置ズレ量と、被処理基板の被撮像面の高さ位置とに基づき、補正データ作成工程で求めた補正データから位置検出マークの位置ズレ量を算出するマーク位置ズレ検出工程と、
このマーク位置ズレ検出工程で求められた位置検出マークの位置ズレ量に基づき、基板位置補正量を算出する補正量演算工程とを含むことを特徴とする基板処理機における補正量検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理機における補正量検出方法において、
補正データ作成工程は、被撮像面に実寸を示すための標示を付した測定用部材と撮像装置とを対応させた状態で、測定用部材の高さ位置を種々変えて標示を撮像し、撮像した標示の実寸に対する撮像画面上の寸法と測定用部材の被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを作成するものであることを特徴とする基板処理機における補正量検出方法。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理機における補正量検出方法において、
上記補正データ作成工程で作成する補正データが、撮像した標示の実寸に対する撮像画面上の寸法と測定用部材の被撮像面の高さ位置との関係を示す寸法補正データの他に、測定用部材の被撮像面の高さ位置に応じた撮像画面上での標示の中心位置の変化を示す中心位置補正データをも含み、上記マーク位置ズレ検出工程において、寸法補正データおよび中心位置補正データを用いて位置検出マークの位置ズレ量を算出することを特徴とする基板処理機における補正量検出方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板処理機における補正量検出方法において、
上記補正データ作成工程における標示の実寸に対する撮像画面上の寸法は、標示が撮像された画面上の特定区間の画素数と標示から特定される当該区間の実寸とによって求められる1画素あたりの寸法であり、
上記マーク位置ズレ検出工程における位置検出マークの撮像画面上での位置ズレ量は、撮像画面上での位置検出マークの基準位置に対する位置ズレ分の画素数であることを特徴とする基板処理機における補正量検出方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板処理機における補正量検出方法において、
上記位置検出マークが基板に複数設けられ、その複数の位置検出マークのそれぞれについて上記マーク位置ズレ検出工程により位置ズレ量を求め、上記補正量演算工程では、相互に直交する第1水平方向と第2水平方向との両方に関する基板位置と、第1水平方向または第2水平方向に対する基板の回転角度とについての補正量を算出することを特徴とする基板処理機における補正量検出方法。
【請求項6】
被処理基板に対して所定の処理を施す基板処理機の所定位置に被処理基板を設置した状態で、被処理基板に表示した位置検出マークを上記基板処理機に設けた撮像装置により撮像し、それに基づき、上記所定の処理の際の基板位置補正量を求めるようにした補正量検出装置であって、
被写体の実寸に対する撮像画面上の寸法と被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを記憶するデータ記憶手段と、
被処理基板を上記所定位置に設置してこの基板と上記撮像装置とを対応させた状態で、上記位置検出マークを撮像し、その位置検出マークの正規の位置に対する位置ズレ量を撮像画面上の寸法で求め、その撮像画面上の位置検出マークの位置ズレ量と、被処理基板の被撮像面の高さ位置とに基づき、上記補正データから位置検出マークの位置ズレ量を算出するマーク位置ズレ検出手段と、
このマーク位置ズレ検出手段により求められた位置検出マークの位置ズレ量に基づき、基板位置補正量を算出する補正量演算手段とを有することを特徴とする基板処理機における補正量検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理機における補正量検出装置において、
実寸を示すための標示を付した被撮像面を有し上下に昇降可能な昇降部材と、
この昇降部材と撮像装置とを対応させた状態で、昇降部材の被撮像面の高さ位置を種々変えて標示を撮像し、撮像した標示の実寸に対する撮像画面上の寸法と昇降部材の被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを作成する補正データ作成手段とを備え、
この補正データ作成手段により作成された補正データが上記データ記憶手段に記憶されていることを特徴とする基板処理機における補正量検出装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の基板処理機における補正量検出装置において、
上記補正データ作成手段により作成する補正データが、被写体の実寸に対する撮像画面上の寸法と被撮像面の高さ位置との関係を示す寸法補正データの他に、被撮像面の高さ位置に応じた撮像画面上での被写体の中心位置の変化を示す中心位置補正データをも含み、上記マーク位置ズレ検出手段が、寸法補正データおよび中心位置補正データを用いて位置検出マークの位置ズレ量を算出することを特徴とする基板処理機における補正量検出装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の補正量検出装置と、
その補正量検出装置により算出された基板位置補正量に基づいて被処理基板に対して所定の処理を行う位置を補正する処理位置補正手段とを具備することを特徴とする基板処理機。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理装置において、
部品供給部から電子部品を取り出して、所定位置に設置された被処理基板に装着する実装用ヘッドを備え、上記処理位置補正手段は、実装用ヘッドによる被処理基板への部品装着の際に、補正量検出装置により算出された基板位置補正量に基づいて部品装着位置を補正するようになっている部品実装機からなる基板処理機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に設けた位置検出マークを撮像装置により撮像して、位置検出マークの位置ズレ補正量を検出する補正量検出方法および補正量検出装置と、この補正量検出装置を用いた部品実装機等の基板処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、被処理基板に対して所定の処理を施す基板処理機、例えば被処理基板に電子部品を実装する部品実装機において、上記基板を所定位置に設置した状態で、この基板に付された位置検出マーク(フィデューシャルマーク)を撮像装置(カメラ)により撮像し、それに基づいて本来の所定位置に対する上記基板の位置ズレ量に対応した基板位置補正量を求め、基板に対して所定の処理を行う位置を補正(部品実装機にあっては部品装着位置を補正)するようにしたものは一般に知られている。
【0003】
ところで、上記撮像装置によって被処理基板の位置検出マークを撮像する際、基板支持構造等によっては、被処理基板の厚さが変わるとそれに伴って被撮像面と撮像装置との距離が変化する場合がある。例えば、被処理基板の下面を一定高さに支持するような下面基準の支持構造とされるとともに、この基板の上方にカメラを配置して基板の上面を撮像するように場合、基板の厚さにより、被撮像面である基板上面の高さが変わるため、被撮像面と撮像装置との距離が変わることとなる。
【0004】
従来ではこのような構造においても、撮像装置による位置検出マークの撮像に基づいて基板位置補正量を求める場合に、被撮像面と撮像装置との距離の変化については特に考慮されていなかった。
【0005】
なお、例えば特許文献1に示されるように、部品実装機において、基板に対して垂直または斜め上方からカメラ等の撮像装置により基板を撮像し、斜め上方から基板に入射した光の位置に基づき基板上面の高さ位置を計測し、その高さ位置に応じて実装用ヘッドの昇降量を調整するようにしたものは知られている。
【特許文献1】特開2003−298294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように撮像装置による位置検出マークの撮像に基づいて基板位置補正量を求める場合に、基板の厚さ等によって被撮像面と撮像装置との距離(基板の被撮像面の高さ)が変わると、位置検出マークの位置ズレ量の画面上の大きさが変化するため、位置ズレ量の正確な検出が困難になり、位置検出マークの位置ズレ量に基づいて求められる基板位置補正量に誤差が生じ易くなる。
【0007】
なお、上述した特許文献1は、基板上面の高さの計測は行っているものの、それに応じて実装用ヘッドの昇降量を調整しているだけであり、部品装着位置の補正については考慮されていない。
【0008】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたもので、撮像装置による位置検出マークの検出の際の被撮像面と撮像装置との距離が基板の厚さ等によって変わるような構造の基板処理機であっても、位置検出マークの位置ズレ量を正確に検出することが可能であり、基板位置の補正の精度を高めることができる補正量検出方法、補正量検出装置及び基板処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る基板処理機における補正量検出方法は、被処理基板に対して所定の処理を施す基板処理機の所定位置に被処理基板を設置した状態で、被処理基板に表示した位置検出マークを上記基板処理機に設けた撮像装置により撮像し、それに基づき、上記所定の処理の際の基板位置補正量を求める補正量検出方法であって、被写体の実寸に対する撮像画面上の寸法と被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを作成する補正データ作成工程と、被処理基板を上記所定位置に設置してこの基板と上記撮像装置とを対応させた状態で、上記位置検出マークを撮像し、その位置検出マークの正規の位置に対する位置ズレ量を撮像画面上で求め、その撮像画面上の位置検出マークの位置ズレ量と、被処理基板の被撮像面の高さ位置とに基づき、補正データ作成工程で求めた補正データから位置検出マークの位置ズレ量を算出するマーク位置ズレ検出工程と、このマーク位置ズレ検出工程で求められた位置検出マークの位置ズレ量に基づき、基板位置補正量を算出する補正量演算工程とを含むものである。
【0010】
請求項2に係る基板処理機における補正量検出方法は、請求項1に記載の方法において、補正データ作成工程は、被撮像面に実寸を示すための標示を付した測定用部材と撮像装置とを対応させた状態で、測定用部材の高さ位置を種々変えて標示を撮像し、撮像した標示の実寸に対する撮像画面上の寸法と測定用部材の被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを作成するものである。
【0011】
請求項3に係る基板処理機における補正量検出方法は、請求項2に記載の方法において、上記補正データ作成工程で作成する補正データが、撮像した標示の実寸に対する撮像画面上の寸法と測定用部材の被撮像面の高さ位置との関係を示す寸法補正データの他に、測定用部材の被撮像面の高さ位置に応じた撮像画面上での標示の中心位置の変化を示す中心位置補正データをも含み、上記マーク位置ズレ検出工程において、寸法補正データおよび中心位置補正データを用いて位置検出マークの位置ズレ量を算出するものである。
【0012】
請求項4に係る基板処理機における補正量検出方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法において、上記補正データ作成工程における標示の実寸に対する撮像画面上の寸法は、標示が撮像された画面上の特定区間の画素数と標示から特定される当該区間の実寸とによって求められる1画素あたりの寸法であり、上記マーク位置ズレ検出工程における位置検出マークの撮像画面上での位置ズレ量は、撮像画面上での位置検出マークの基準位置に対する位置ズレ分の画素数であるようにしたものである。
【0013】
請求項5に係る基板処理機における補正量検出方法は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板処理機における補正量検出方法において、上記位置検出マークが基板に複数設けられ、その複数の位置検出マークのそれぞれについて上記マーク位置ズレ検出工程により位置ズレ量を求め、上記補正量演算工程では、相互に直交する第1水平方向と第2水平方向との両方に関する基板位置と、第1水平方向または第2水平方向に対する基板の回転角度とについての補正量を算出するものである。
【0014】
請求項6に係る基板処理機における補正量検出装置は、被処理基板に対して所定の処理を施す基板処理機の所定位置に被処理基板を設置した状態で、被処理基板に表示した位置検出マークを上記基板処理機に設けた撮像装置により撮像し、それに基づき、上記所定の処理の際の基板位置補正量を求めるようにした補正量検出装置であって、被写体の実寸に対する撮像画面上の寸法と被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを記憶する補正データ記憶手段と、被処理基板を上記所定位置に設置してこの基板と上記撮像装置とを対応させた状態で、上記位置検出マークを撮像し、その位置検出マークの正規の位置に対する位置ズレ量を撮像画面上の寸法で求め、その撮像画面上の位置検出マークの位置ズレ量と、被処理基板の被撮像面の高さ位置とに基づき、上記補正データから位置検出マークの位置ズレ量を算出するマーク位置ズレ検出手段と、このマーク位置ズレ検出手段により求められた位置検出マークの位置ズレ量に基づき、基板位置補正量を算出する補正量演算手段とを有するものである。
【0015】
請求項7に係る基板処理機における補正量検出装置は、請求項6に記載の装置において、実寸を示すための標示を付した被撮像面を有し上下に昇降可能な昇降部材と、この昇降部材と撮像装置とを対応させた状態で、昇降部材の被撮像面の高さ位置を種々変えて標示を撮像し、撮像した標示の実寸に対する撮像画面上の寸法と昇降部材の被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを作成する補正データ作成手段とを備え、この補正データ作成手段により作成された補正データが上記データ記憶手段に記憶されているものである。
【0016】
請求項8に係る基板処理機における補正量検出装置は、請求項6または7に記載の装置において、上記補正データ作成手段により作成する補正データが、被写体の実寸に対する撮像画面上の寸法と被撮像面の高さ位置との関係を示す寸法補正データの他に、被撮像面の高さ位置に応じた撮像画面上での被写体の中心位置の変化を示す中心位置補正データをも含み、上記マーク位置ズレ検出手段が、寸法補正データおよび中心位置補正データを用いて位置検出マークの位置ズレ量を算出するようにしたものである。
【0017】
請求項9に係る基板処理機は、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の補正量検出装置と、その補正量検出装置により算出された基板位置補正量に基づいて被処理基板に対して所定の処理を行う位置を補正する処理位置補正手段とを具備するものである。
【0018】
請求項10に係る基板処理機は、請求項9に記載の基板処理装置において、部品供給部から電子部品を取り出して、所定位置に設置された被処理基板に装着する実装用ヘッドを備え、上記処理位置補正手段は、実装用ヘッドによる被処理基板への部品装着の際に、補正量検出装置により算出された基板位置補正量に基づいて部品装着位置を補正するようになっている部品実装機からなるものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の補正量検出方法および請求項6の補正量検出装置によると、被処理基板に付された位置検出マークを撮像装置により撮像して、位置検出マークの基板処理機における正規の位置に対する位置ズレ量を検出するとき、被写体の実寸に対する撮像画面上の寸法と被撮像面の高さ位置との関係を示す補正データを用いて位置ズレ量の補正を行うので、被処理基板の厚さ等によって撮像装置と被処理基板との距離が変化する場合でも、それによる誤差を排除することが可能となり、位置検出マークの位置ズレ量および基板位置補正量を正確に求めることができる。
【0020】
請求項2の補正量検出方法および請求項7の補正量検出装置によると、実寸を示すための標示を付した測定用部材(昇降部材)を用い、この測定用部材(昇降部材)の高さを種々変えて撮像した画像に基づいて補正データを作成するようにしているので、精度の良い補正データを得ることができる。
【0021】
請求項3の補正量検出方法および請求項8の補正量検出装置によると、位置検出マークの位置ズレ量の算出に中心位置補正データを用いるので、撮像装置の撮像方向が被処理基板の被撮像面と直交する方向に対して斜めに傾いていても、その傾きに基づく誤差を排除することが可能になり、位置検出マークの位置ズレ量および基板位置補正量をより正確に検出することができる。
【0022】
請求項4の補正量検出方法によると、補正データ作成工程における標示の実寸に対する撮像画面上の寸法に、標示の撮像画像の大きさを対応する撮像素子の画素数で除算してなる1画素あたりの寸法を用い、マーク位置ズレ検出工程における位置検出マークの位置ズレ量に、位置検出マークの基準位置と撮像画像中心との位置ズレ量の撮像素子上における画素数を用いるので、位置検出マークの位置ズレ量および基板位置補正量を正確に検出することができる。
【0023】
請求項5に係る補正量検出方法によると、被処理基板上の複数の位置検出マークそれぞれに対する位置ズレ量が求められるため、これら複数の位置ズレ量に基づき、直交する第1水平方向および第2水平方向と回転方向の補正量を求めることができる。
【0024】
請求項9の基板処理機によると、補正量検出装置により算出された基板位置補正量に基づき、処理位置補正手段が被処理基板に対して所定の処理を行う位置を補正するので、処理を正規の基板位置に対して行うことが可能になる。
【0025】
請求項10の部品実装機によると、補正量検出装置により算出された基板位置補正量に基づき、基板上の部品実装位置を補正するので、部品を被処理基板上の実装位置に正確に実装することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明を具体的に説明する。
【0027】
図1は本実施形態に係る部品実装機を示す概略図、図2〜図5は基板をクランプするクランプ装置の説明図である。なお、図3は図2のIII−III線による断面図で、図5は図4のV−V線による断面図である。
【0028】
この部品実装機1は、被処理基板(以下単に基板という)2を搬送する基板搬送ライン3と、基板2の搬送方向と直交する幅方向両側をそれぞれクランプする一対のクランプ装置4、4と、基板搬送ライン3の近傍に実装部品を供給する部品供給部5と、部品供給部5の実装部品を吸着して基板2の所定位置に実装するヘッドユニット6と、そのヘッドユニット6に下向きに固定された基板認識用のカメラ(撮像装置)7とを備える。
【0029】
上記基板搬送ライン3は、左右の一対のコンベア10、10を有し、これらコンベア10、10は共通のサーボモータ10aにより駆動されるようになっており、基板2を所定位置、例えば部品実装位置にまで搬送する。その部品実装位置には、一対のクランプ装置4、4が配置されている。各クランプ装置4は、図2〜図5に示すように、コンベア10のベルト11の下側と上側とに配置された相対応するクランプ部材12,13を有し、下側クランプ部材12は高さ一定に設けられ、上側クランプ部材13は下側クランプ部材12に対して接離するように、上下動可能に配置されている。上側クランプ部材13が図外の駆動手段により駆動される。そして、基板クランプ時には上側クランプ部材13が下降して、一定高さの下側クランプ部材12の上面に基板2およびベルト11を押し付け、両クランプ部材12,13で基板2を挟持するようになっている。
【0030】
また、コンベア10、10の近傍には、後述の測定治具30を高さ位置調節可能に支持する治具支持部16と、この治具支持部16を昇降させる昇降駆動装置17とが設けられる。この昇降駆動装置17と治具支持部16とからなる昇降装置18は、補正データを作成するに際し、測定治具30の高さ位置を複数で変えるために用いられる。
【0031】
部品供給部5には、多数列のテープフィーダー5aが設けられている。各テープフィーダー5aは、それぞれIC、トランジスタ、コンデンサ等のチップ部品を所定間隔おきに収納、保持したテープがリールから導出されるように構成されており、ヘッドユニット6により部品が取出されるに伴い間欠的に部品を繰り出すように構成されている。
【0032】
ヘッドユニット6は、基板搬送ライン3の上方に装備されていて、部品供給部5と基板2の部品実装位置とにわたって移動可能とされ、X軸サーボモータ14によりX軸方向(基板搬送ライン3と平行な方向)に、Y軸サーボモータ15によりY軸方向(基板搬送ライン3と直行する方向)に移動することができるようになっている。
【0033】
ヘッドユニット6には複数の実装用ヘッド9が搭載されており、本実施形態では4本の実装用ヘッド9がX軸方向に等間隔で一列に並べて搭載されている。
【0034】
実装用ヘッド9は、それぞれヘッドユニット6のフレームに対してZ軸方向(垂直方向)の移動および自軸回りの回転(R軸方向の移動)が可能とされ、上部に設けられたサーボモータ9aを駆動源とする昇降駆動手段および回転駆動手段により駆動されるようになっている。また、実装用ヘッド9には、その先端(下端)に吸着ノズル9bが装着されており、図外の負圧供給手段から吸着ノズル9b先端に負圧が供給されることにより、この負圧による吸着力で部品を吸着保持するようになっている。
【0035】
上記ヘッドユニット6に設けられた上記カメラ7は、上記基板2に形成されたフィデューシャルマーク(位置検出マーク)を認識するためのものである。カメラ7には照明装置7aが具備されている。なお、基板2には複数フィデューシャルマークが付され、例えば対頂角の近傍に2つのフィデューシャルマーク2a、2bが付されている。
【0036】
図6は、部品実装機1の制御系を示すブロック図である。なお、このブロック図は、主として実装位置に関与する部分を示している。
【0037】
部品実装機1は、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROMおよび装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等から構成される制御装置20を有している。この制御装置20は、その機能構成として主制御部21、軸制御部22、カメラ制御部23および画像処理部24等を含む。
【0038】
主制御部21は、部品実装機1の動作を統括的に制御するもので、図外の記憶部に予め記憶されているプログラムに従ってヘッドユニット6等を作動すべく軸制御部22を介してサーボモータ14、15、9a、10a、17等を駆動制御するとともにカメラ制御部23を介してカメラ7を駆動制御する。カメラ7で撮像された画像は、画像処理部24で処理される。
【0039】
また、主制御部21は、各種情報記憶手段21a、補正データ作成手段21b、マーク位置ズレ演算手段21c、補正量演算手段21d、部品位置ズレ演算手段21e、部品実装位置演算手段21fおよびデータ記憶手段21gを含んでいる。
【0040】
各種情報記憶手段21aは、基板2および被実装部品に関する各種情報等を記憶するものであり、この各種情報記憶手段21aに記憶される情報には、基板2の厚みデータも含まれている。
【0041】
補正データ作成手段21bは、前述の治具支持部16上に測定治具30(図7参照)がセットされた状態で図外の入力操作部等から補正データ作成の指令があったとき、カメラ7の移動範囲下方に位置する治具支持部16に支持された測定治具30に形成されている標示Bをカメラ7により撮像することを、測定治具30の高さ位置を上記昇降装置18により複数位置で変えて行い、それらの画像に基づき、1画素あたりの寸法と測定治具の上面高さ(被測定面の高さ)との関係を表す第1補正データ線(図8参照)を求める。さらに、測定治具の高さ変化に伴って撮像画像上で標示の中心位置が変化するときは、上記第1補正データ線の他に、測定治具の上面高さと、撮像画像の中心と標示の中心位置との位置ズレ量に相当する画素数との関係を表す第2補正データ線(図10参照)を求める。
【0042】
具体的に説明すると、図7に示すように測定治具30の上面には実寸を示すための標示Bが付されている。この標示Bは、例えば正方形の線が1辺長さを変えて複数同心状に形成されたものであり、その各正方形に一辺の長さは予め知られている。そして、補正データ作成の際には、上記標示Bを有する面を上方に向けた測定治具30が治具支持部16(図1参照)上にセットされた状態で、基準高さ位置Hoに対する測定治具30の上面高さHが種々変更されつつ標示Bがカメラ7により撮像される。例えば図7(a)は、所定の基準高さ位置Hoに対する上面高さHが5mmのときの標示Bの撮像画像、図7(b)は基準高さ位置Hoに対する上面高さHが9mmのときの標示Bの撮像画像、図7(c)は基準高さ位置Hoに対する上面高さHが1mmのときの標示Bの撮像画像である。そして、補正データ作成手段21bは、各上面高さHの位置においてカメラ7で撮像された標示Bから、画面上の一定の画像エリアに対応する部分の一辺の長さ(実寸)を求め、その一辺の長さを、上記画像エリアの一辺の画素数で除算することにより、1画素あたりの寸法を求める。
【0043】
例えば、上記画像エリアの一辺の画素数が512画素であって、標示Bの上記画像エリアにある部分の一辺の長さが図7(a)のときに12.0mm、図7(b)のときに10.018mm、図7(c)のときに14.005mmであると、1画素あたりの寸法は、図7(a)のときに12.0mm÷512画素=0.02343375mm/pixel、図7(b)のときに10.018mm÷512画素=0.019566mm/pixelとなり、図7(c)のときに14.005mm÷512画素=0.02735mm/pixelとなる。
【0044】
図8は、治具の上面高さHと1画素あたりの寸法の関係を表した、寸法補正データとしの第1補正データ線で、横軸に1画素あたりの寸法(mm/pixel)を、縦軸に治具上面高さH(mm)をそれぞれとっている。
【0045】
図7に示すようにカメラ7の撮像方向が鉛直方向の真下に向いた状態にある場合にはこの第1補正データ線のみを用いればよい。これに対し、図9に示すように、カメラ7の撮像方向が鉛直方向に対して傾いている場合には、測定治具30の高さを変化させると、その変化に伴って標示Bの中心位置と撮像画像の中心とにズレが発生する。例えば、カメラ7の光軸が鉛直方向に対して同図で右側にθだけ傾いている場合において、治具の上面高さHが5mmのときに標示Bの中心とカメラ7の撮像中心とが一致するようになっていれば、上面高さHが9mmときには標示Bの中心がカメラ7の撮像中心に対して左側にずれ、上面高さHが1mmのときには標示Bの中心がカメラ7の撮像中心に対して右側にずれる。このような治具の上面高さHに応じた中心ズレ量DXoを画素数として求める。
【0046】
例えば、図9(a)に示すように治具の上面高さHが5mmのときは中心ズレ量DXoは0画素、図9(b)に示すように治具の上面高さHが9mmのときは中心ズレ量DXoは35.012画素、図9(c)に示すように治具の上面高さHが1mmのときは中心ズレ量DXoは31.999となっている。このような治具の上面高さHと中心ズレ量DXoとの関係を示した中心位置補正データとしての図10に示す第2補正データ線を作成する。そして、この第2補正データ線と上記第1補正データ線とが、後述のフィデューシャルマークの位置ずれの演算の際に用いられる。なお、図10は、縦軸に治具の上面高さH(mm)、横軸に中心ズレ量DXo(画素)をとって示している。
【0047】
上記補正データ作成手段21bで求められた第1補正データ線および第2補正データ線は、データ記憶手段21gに記憶される。
【0048】
マーク位置ズレ検出手段21cは、基板搬送ライン3の部品実装位置に基板2を配し、カメラ7により基板2に形成されたフィデューシャルマーク2a、2bのそれぞれを撮像したときに、撮像中心とフィデューシャルマーク2a(2b)の中心位置との位置ズレ量DXを、画素数で求める。なお、位置ズレ量は、マーク2a(2b)の中心位置の偏位方向に応じて正負を決めておく。そして、各種情報記憶手段21aに記憶されている基板2の厚みデータを読み出し、補正データ作成手段21bにより作成された補正データから、基板2の厚み(被撮像面の高さ位置)に応じた補正を行うことにより、実際の位置ずれ量を求める。
【0049】
例えば、図11(a)に示すようにカメラ7が真下に向けられ、かつ基板2の厚みデータが5mmのときに、撮像中心に対してフィデューシャルマーク2a(2b)の中心位置が左側にずれて、その位置ズレ量DXが85.0画素であると、その位置ズレ量DX(画素数)である−85.0画素と、図12から基板厚みデータである5mmに対応する1画素あたりの寸法である0.0234375(mm/pixel)とを積算し、実際の位置ズレ量である−85.0画素×0.0234375(mm/pixel)=−1.992mmが算出される。この算出値がマーク2a(2b)の位置ズレ量DXの実寸である。図12は、その縦軸を、図8の縦軸の治具上面高さを基板厚みに置き換えただけで、図8と同様の図である。
【0050】
なお、図11(b)および同(c)は、図11(a)の場合と実際のマーク位置ずれ量は同じであるが基板の厚さが違う場合の画像を示している。すなわち、図11(b)に示すように、基板2の厚みデータが9mmのときには、画面上の位置ズレ量DXが−101.817画素となるが、これに対し、図12からのデータから求められる基板厚みデータ9mmに対応する1画素あたりの寸法である0.019566(mm/pixel)を積算すると、実際の位置ズレ量である−1.992mmが算出される。また、図11(c)に示すように、基板2の厚みデータが1mmのときに、画面上の位置ズレ量が−72.831画素となるが、これに対し、図12からのデータから求められる基板厚みデータ1mmに対応する1画素あたりの寸法である0.027353(mm/pixel)とを積算すると、実際の位置ズレ量である−1.992mmが算出される。
【0051】
また、図13(a)〜(c)に示すようにカメラ7の光軸が鉛直線に対して傾いた状態にカメラ7がセットされている場合は、厚みデータに基づいて第2補正データ線から求められる中心ズレ量DXo(画素)により撮像画面上のマークの位置ズレ量DX(画素)がDX−DXoと補正され、この補正された撮像画面上の位置ズレ量(DX−DXo)が、さらに第1補正データ線から求められる1画素あたりの寸法により実寸に換算されて、実際の位置ずれ量が求められる。
【0052】
すなわち、図13(a)のように基板2の厚みデータが5mmのときに、撮像画面上での位置ズレ量DXが−85.0画素であり、中心ズレ量DXoが0であるので、DX−DXo=−85.0画素と、図12から得られる、基板厚みデータ5mmに対応する1画素あたりの寸法である0.0234375(mm/pixel)とから、実際の位置ズレ量である−1.992mmが算出される。また、図13(b)に示すように基板2の厚みデータが9mmのときに、撮像画面上での位置ズレ量DXが−136.817画素、中心ズレ量DXoが−35.012画素(図14参照)であると、DX−DXo=(−136.817+35.012)画素と、基板厚みデータ9mmに対応する1画素あたりの寸法である0.019566(mm/pixel)とから、実際の位置ズレ量である−1.992mmが算出される。更に、図13(c)に示すように基板2の厚みデータが1mmのときに、位置ズレ量DXが−40.831画素、中心ズレ量DXoが31.998画素(図14参照)であると、DX−DXo=(−40.831−31.998)画素と、基板厚みデータ1mmに対応する1画素あたりの寸法である0.027353(mm/pixel)とから、実際の位置ズレ量である−1.992mmが算出される。
【0053】
以上のように基板2の厚み(被撮像面の高さ。つまりカメラから被撮像面までの距離)およびカメラ7の傾き等が異なる測定条件下で、フィデューシャルマークの撮像画面上の位置ずれ量に対して補正データ(第1補正データ線および第2補正データ線)による補正が行われるため、実際の位置ずれ量(図11、図13の例では−1.992mm)が精度良く求められる。
【0054】
また、図6に戻って、補正量演算手段21dは、マーク位置ズレ検出手段21cにより求められたフィデューシャルマークの位置ズレ量に基づいて基板の位置ズレに応じた基板位置補正量を算出する。具体的には、複数(例えば2つ)のフィデューシャルマーク2a、2bに関して上記マーク位置ズレ検出手段21cにより検出された位置ズレ量を読み出して、これらのデータにより、X軸方向およびY軸方向の基板の位置ズレに対応する補正量を算出するとともに、R軸方向(回転方向)の補正量も算出する。つまり、2点のマーク位置のデータが存在すれば、その2点を結ぶ線分の方向により基板の傾きが分かるからである。
【0055】
部品位置ズレ演算手段21eは、部品実装機の基台上等に設けられた基板認識用カメラ(図示せず)により、部品吸着後に当該カメラ上に移動した実装用ヘッドの吸着ノズルに吸着されている部品を撮像し、その撮像画像に基づいて部品吸着位置のズレ量を算出する。
【0056】
部品実装位置演算手段21fは、部品位置ズレ演算手段21eにより算出された部品の位置ズレ量と、補正量演算手段21cにより算出された基板位置補正量とに基づいて、算出対象の基板上に実装する正確な部品装着位置を演算により求める。
【0057】
次に、上記制御装置20による部品実装の際の補正量検出および部品実装の動作制御について説明する。
【0058】
まず、補正データ作成手段21bが補正データを作成する手順を、図15に基づいて述べる。
【0059】
測定治具30の基準高さ位置Hoに対する上面高さHを、例えば基準の5mmに一致させ、測定治具30の上面に形成した標示Bを撮像して(ステップS1)、1画素あたりの寸法(mm/pixel)を測定し(ステップS2)、標示Bの中心と撮像画像の中心との位置ズレ量DXを、撮像素子上の画素数で測定する(ステップS3)。そして、補正計算に必要なサンプル数が得られたか否かを判定する(ステップS4)。このとき、測定治具30の上面高さHを9mm、1mmとしたサンプルがまだであるので、測定治具30の高さを変更して(ステップS5)、ステップS2に戻り、ステップS2〜S5を繰り返し、測定治具30の上面高さHが9mmのときの位置ズレ量DX(画素数)と測定治具30の上面高さHが1mmのときの位置ズレ量DX(画素数)とを求める。
【0060】
そして、ステップS4において、必要なサンプル数が得られていると判定された場合には、ステップS6に進み、得られたデータから第1補正データ線と第2補正データ線とを作成する。なお、図15は、カメラ7が斜め下に向けられた場合のフローチャートであるが、カメラ7が確実に真下に向けられた状態にセットされるような場合には、ステップS3が省略されるとともに、ステップS6における第2補正データ線の作成が省略される。
【0061】
このようにして補正データの作成が完了すると、基板への部品の実装作業を行うことが可能になる。
【0062】
なお、以上においては、実寸を示すための標示を付した測定治具30を治具支持部16に取り付け、昇降装置18で上下に移動するようにしたが、治具支持部16の表面に実寸を示すための表示を付して被撮像面としてもよい。この場合は、16は治具支持部というよりは単に昇降部材(ないしは測定用部材)というべきものであり、面倒な測定治具30の保管管理は不要となる。測定治具30も、実寸を示すための標示を付して被撮像面とした治具支持部16も、被撮像面に実寸を示すための標示を付した測定用部材であり、かつ、実寸を示すための標示を付した被撮像面を有し上下に昇降可能な昇降部材となる。
【0063】
次に、基板への部品の実装作業について、図16に基づいて述べる。
【0064】
基板搬送ライン3で基板2を所定位置(部品実装位置)まで搬送し(ステップS21)、クランプ装置4により基板2をクランプし(ステップS22)、続いてヘッドユニット6をX軸、Y軸方向に移動させて基板認識用のカメラ7を基板2のフィデューシャルマーク2a(2b)の上方位置に移動させる(ステップS23)。その後、カメラ7でフィデューシャルマーク2a(2b)を撮像して、フィデューシャルマーク2a(2b)の予め設定された位置と、フィデューシャルマーク2a(2b)の撮像位置との位置ズレ量を算出する(ステップS24)。この位置ズレ量の算出は、図17に示すフローチャートに基づき実行される。
【0065】
即ち、先ず各種情報記憶手段21aに記憶されている情報の中から基板2の厚みを把握する(ステップS41)。次に、フィデューシャルマーク2a(2b)の位置を測定し、撮像画面上のマーク位置ズレ量を求める(ステップS42)。続いて、第2補正データ線から基板厚みに応じた中心ズレ量DXoの画素数を算出し(ステップS43)、第1補正データ線から基板厚みに応じた1画素あたりの寸法を算出する(ステップS44)、このようにして算出した位置ズレ量の画素数および1画素あたりの寸法に基づき、フィデューシャルマーク2a(2b)の撮像画面上の位置ズレ量を補正して、実際の位置ズレ量を算出する(ステップS45)。
【0066】
なお、搬入される基板の種類が変わることによって基板厚みが変化したときには上記ステップS41〜S45を全て行うが、前回処理された基板とは基板厚みが変化しない場合には、ステップS41を省き、ステップS43,S44では前回の基板の処理において求められた撮像中心ズレ量DXoおよび1画素あたりの寸法をそのまま用いるようにすればよい。
【0067】
次に、図16に示すフローチャートに戻り、全てのフィデューシャルマーク位置について位置ズレ量の算出が終了したか否かを判定する(ステップS25)。未算出のフィデューシャルマーク位置が残っている場合は、ステップS23およびステップS24を繰り返す。
【0068】
そして、全てのフィデューシャルマーク位置について位置ズレ量の算出が終了している場合は、ステップS26に進み、実装用ヘッド9を部品吸着位置の上方に位置させるように、X軸、Y軸方向に移動させる。続いて、実装用ヘッド9をZ軸方向に移動してヘッド先端の吸着ノズル9bで部品を吸着する(ステップS27)。さらに、部品撮像カメラ(図示せず)の撮像位置へ実装用ヘッド9をX軸、Y軸方向に移動し、かつ撮像高さとなるようにZ軸方向へ移動させる(ステップS28)。そして、部品撮像カメラで部品を撮像し、部品の吸着位置のズレ量を測定する(ステップS29)。
【0069】
続いて、部品の吸着位置ズレ量とフィデューシャルマークの位置ズレ量とから、基板上の部品装着位置を補正計算する(ステップS30)。具体的には、前述のステップS23〜S25の処理によって複数(例えば2つ)のフィデューシャルマークについて求められたマーク位置ズレ量から、基板のX軸方向、Y軸方向およびR軸方向(回転方向)の位置ズレを求めて、それに応じた基板位置補正量(ΔX1、ΔY1、ΔR1)を求めるとともに、ステップS29で求められた部品の吸着位置ズレ量からそれに応じた部品吸着ズレ分の補正量(ΔX2、ΔY2、ΔR2)を求め、これらの補正量を用いて基板上の部品装着位置を補正計算する。
【0070】
そして、実装用ヘッドを上記の補正量を加味した部品装着位置の上方へ位置するようにX軸、Y軸方向へ移動させ(ステップS31)、続いて所定の部品装着高さとなるように部品をZ軸方向へ移動させて、基板2に部品を装着する(ステップS32)。
【0071】
従って、本実施形態による場合には、基板と部品に位置ズレがあっても、その部品を基板上の予定実装位置に装着することが可能になる。
【0072】
なお、上述した実施形態では第1補正データも第2補正データも、縦横の2軸上での座標を通るラインとして求めているが、本発明はこれに限らない。例えば、第1補正データも第2補正データもテーブルとして用意してもよい。この場合には、第1補正データも第2補正データも、3つのパラメータを含む1つのテーブルとすることが可能になる。
【0073】
また、上述した実施形態では測定治具30を用いてその高さ位置を種々変更しつつ撮像した画像に基づいて補正データを作成してるが、1画素あたりの寸法の変化を補正するデータ(上記第1補正データ)は、予め解っているレンズ倍率、WD等から算出することもできる。
【0074】
また、上述した実施形態では基板の上側にカメラ(撮像装置)が配置され、クランプ装置4の上側クランプ13で下側クランプ12に対し基板を押し付けて基板の位置ズレを測定しているが、本発明はこれとは逆に、基板の下側にカメラ(撮像装置)が配置されている場合にはクランプ装置4の上側クランプ13に下側クランプ12で基板を押し付けて基板の位置ズレを測定する構成に対しても同様に適用することができる。
【0075】
また、上述した実施形態では部品実装機の例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限らず、基板上にマスクを用いて半田を印刷する印刷装置や、基板上に半田を塗布する半田塗布装置などの基板処理機に対しても適用することができる。この場合には、基板の位置ズレだけを考慮すればよく、つまり実装部品を吸着する際に生じる吸着位置のズレの検出は必要がないため、部品位置ズレ演算手段21eを省略し、かつ部品実装位置演算手段21fに代えて処理位置補正手段を用い、その処理位置補正手段により処理位置を補正すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る部品実装機を示すブロック図である。
【図2】基板をクランプするクランプ装置の説明図である。
【図3】基板をクランプするクランプ装置の説明図であり、図2のIII−III線による断面図である。
【図4】基板をクランプするクランプ装置の説明図である。
【図5】基板をクランプするクランプ装置の説明図であり、図4のV−V線による断面図である。
【図6】部品実装機の制御系を示すブロック図である。
【図7】第1補正データ線を作成するときの説明図である。
【図8】作成した第1補正データ線の一例を示す図である。
【図9】第2補正データ線を作成するときの説明図である。
【図10】作成した第2補正データ線の一例を示す図である。
【図11】基板に設けたフィデューシャルマークの位置ズレ量の説明図である。
【図12】基板厚みと1画素あたりの寸法との関係の説明図である。
【図13】基板に設けたフィデューシャルマークの位置ズレ量の説明図である。
【図14】基板厚みと1画素あたりの寸法と位置ズレ量との関係の説明図である。
【図15】カメラが斜め下に向けられた場合のフローチャートである。
【図16】基板への部品の実装作業を説明するフローチャートである。
【図17】基板への部品の実装作業を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
1 部品実装機
2 被処理基板
2a、2b フィデューシャルマーク(位置検出マーク)
4 クランプ装置
5 部品供給部
6 ヘッドユニット
7 カメラ(撮像装置)
20 制御装置
21b 補正データ作成手段
21c マーク位置ズレ演算手段
21d 補正量演算手段
21e 部品位置ズレ演算手段
21f 部品実装位置演算手段
B 標示
H 上面高さ
DXo 中心ズレ量
DX 位置ズレ量
【出願人】 【識別番号】500220186
【氏名又は名称】アイパルス株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司

【識別番号】100096150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝夫

【識別番号】100099955
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 次郎


【公開番号】 特開2008−72058(P2008−72058A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−251497(P2006−251497)