| 【発明の名称】 |
プリント基板製造方法およびプリント基板製造用治具 |
| 【発明者】 |
【氏名】樫尾 仁司
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| 【要約】 |
【課題】製品ワークの外周端部での加圧用緩衝材の不要な流動、変形を抑制して製品ワークの面内変形、歪曲を防止することができるプリント基板製造方法、およびこのようなプリント基板製造方法に適用するプリント基板製造用治具を提供する。
【構成】製品ワーク11に加える圧力を均等化する加圧用緩衝材22と、製品ワーク11に対する加圧用緩衝材22の離型性を確保するための離型用緩衝材21と、加圧用緩衝材22に対して均等に圧力を加える平滑用治具板23と、加圧機からの圧力による衝撃を緩和する外側緩衝材24とを重畳配置する。加圧用緩衝材22は、製品ワーク11の形状に対応させて変形を施してあり、製品ワーク11の辺に対して平行な平行辺22pと、平行辺22pに交差し製品ワーク11の角に対向する角部調整辺22rとを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フレキシブル配線基板に薄膜層を重畳した製品ワークと、該製品ワークに圧力を加える加圧用緩衝材と、該加圧用緩衝材に圧力を加える平滑用治具板とを重畳させて加圧処理を施すことにより前記フレキシブル配線基板と前記薄膜層とを密着させてプリント基板を製造するプリント基板製造方法であって、 前記加圧用緩衝材は、前記製品ワークの辺に対して平行な平行辺と該平行辺に交差し前記製品ワークの角に対向する角部調整辺とを有し、 前記平滑用治具板の外周は、前記加圧用緩衝材の外周と同等以上の大きさとしてあること を特徴とするプリント基板製造方法。 【請求項2】 前記製品ワークは矩形状であり、前記製品ワークの長辺と該長辺に対応する前記加圧用緩衝材の平行辺との間での長辺側間隔は、前記製品ワークの短辺と該短辺に対応する前記加圧用緩衝材の平行辺との間での短辺側間隔より大きくしてあることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板製造方法。 【請求項3】 前記加圧用緩衝材は、8角形であることを特徴とする請求項2に記載のプリント基板製造方法。 【請求項4】 前記平滑用治具板は、前記加圧用緩衝材と相似形としてあることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のプリント基板製造方法。 【請求項5】 前記平滑用治具板は、金属で形成してあることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載のプリント基板製造方法。 【請求項6】 前記加圧用緩衝材は、強化繊維含有の耐熱性ゴム系樹脂で形成してあることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載のプリント基板製造方法。 【請求項7】 前記平滑用治具板、前記加圧用緩衝材、前記製品ワーク、前記加圧用緩衝材、前記平滑用治具板をこの順に重畳して前記加圧処理を施すことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載のプリント基板製造方法。 【請求項8】 重畳方向で、前記平滑用治具板の外側に外側緩衝材をそれぞれ重畳することを特徴とする請求項7に規制のプリント基板製造方法。 【請求項9】 前記外側緩衝材は、紙系部材で形成してあることを特徴とする請求項8に記載のプリント基板製造方法。 【請求項10】 製品ワークと加圧用緩衝材の間および加圧用緩衝材と平滑用治具板の間に、それぞれ離型用緩衝材を重畳することを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか一つに記載のプリント基板製造方法。 【請求項11】 フレキシブル配線基板に薄膜層を重畳した製品ワークと、該製品ワークに対して加圧処理を施すことにより前記フレキシブル配線基板と前記薄膜層とを密着させてプリント基板を製造するプリント基板製造方法に適用するプリント基板製造用治具であって、 前記製品ワークに重畳して前記製品ワークに圧力を加える加圧用緩衝材と、該加圧用緩衝材に重畳して前記加圧用緩衝材に圧力を加える平滑用治具板とを含み、 前記加圧用緩衝材は、前記製品ワークの辺に対して平行な平行辺と該平行辺に交差し前記製品ワークの角に対向する角部調整辺とを有し、 前記平滑用治具板の外周は、前記加圧用緩衝材の外周と同等以上の大きさとしてあること を特徴とするプリント基板製造用治具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、フレキシブル配線基板に薄膜層を密着させてプリント基板を製造するプリント基板製造方法およびこのようなプリント基板製造方法に適用するプリント基板製造用治具に関する。 【背景技術】 【0002】 フレキシブル配線基板を用いたプリント基板が電子機器に多く利用されている。フレキシブル配線基板は可撓性を有することから、小型の電子機器への適用が可能であり、電子機器の小型化に伴い用途がさらに拡大している。しかし、フレキシブル配線基板は厚さが薄く、強度的な問題などがあることから、表面を保護することなどを目的としてカバーレイフィルムを積層(接着)する場合がある。また、フレキシブル配線基板を多層構成とする場合もある。 【0003】 図5ないし図8に基づいて、従来例に係るプリント基板製造方法を説明する。 【0004】 図5は、従来例に係るプリント基板製造方法に適用する各構成部材を重畳させた状態での平面図である。図6は、図5の矢符X方向から見た各構成部材の重畳関係を分解して示す分解側面図である。図7は、図5の重畳状態を分解して示す分解斜視図である。図8は、加圧処理をした直後の状態を図5の矢符Y−Yでの断面として示す断面図である。なお、図8の断面でのハッチングは省略してある。 【0005】 フレキシブル配線基板に対してカバーレイフィルム(薄膜層)を重畳して仮止めした製品ワーク111に対して加圧処理を施しフレキシブル配線基板とカバーレイフィルムとを接着させる場合、加圧処理(接着処理)を行なう前に、製品ワーク111と、製品ワーク111に加える圧力を均等化する加圧用緩衝材122と、製品ワーク111に対する加圧用緩衝材122の離型性を確保するための離型用緩衝材121とを重畳して配置する。 【0006】 つまり、製品ワーク111の両側に離型用緩衝材121を配置し、離型用緩衝材121の両方の外側に加圧用緩衝材122を配置する。さらに、加圧用緩衝材122の両方の外側に平滑用治具板123を配置して、製品ワーク111に対して均等に圧力を加える。また、加圧用緩衝材122の両方の外側にも離型用緩衝材121を配置して、外側に重畳する平滑用治具板123との離型性を確保する。 【0007】 上述した構成で重畳された製品ワーク111、離型用緩衝材121、加圧用緩衝材122、平滑用治具板123の外側に、平滑用治具板123と加圧機(不図示)との間に重畳される外側緩衝材124が配置される。 【0008】 上述したとおり、垂直方向で下側から、外側緩衝材124、平滑用治具板123、離型用緩衝材121、加圧用緩衝材122、離型用緩衝材121、製品ワーク111、離型用緩衝材121、加圧用緩衝材122、離型用緩衝材121、平滑用治具板123、外側緩衝材124をこの順に重畳して配置する。つまり、製品ワーク111に対して上下対称に離型用緩衝材121、加圧用緩衝材122、平滑用治具板123、外側緩衝材124を配置した状態とする。 【0009】 位置合わせをして重畳した後、加圧機により上下から加圧処理を施すことにより製品ワーク111でのフレキシブル配線基板および薄膜層の接着が行なわれる(図8)。その後、適宜の処理を行なうことにより、プリント基板が製造される。 【0010】 加圧機によりフレキシブル配線基板に薄膜層(カバーレイフィルム)を積層(接着)するとき、温度や圧力が加えられる。また、加圧用緩衝材122は、製品ワーク111でのフレキシブル配線基板と薄膜層との接着性(密着性)を向上させるために、加圧時の加熱により溶融軟化しやすい素材で構成される。また、加圧用緩衝材122の終端は解放端となっていることから外周端部では圧力が加わらなくなる。 【0011】 つまり、加圧用緩衝材122の終端での圧力は、中央部より低くなり、中央部から周囲に向かって加圧用緩衝材122の不要な流動や変形が生じる。加圧用緩衝材122の不要な流動や変形に影響されてフレキシブル配線基板など製品ワーク111の形状が面内変形を生じ、また、歪曲することとなり、高精度のプリント基板を製造することができなくなる。 【0012】 なお、面内変形に対する対策を施した技術として、例えば特許文献1が知られている。 【特許文献1】特開平4−45902号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0013】 従来のプリント基板製造方法によれば、フレキシブル配線基板と薄膜層とを接着させるとき、加圧用緩衝材の外周端部での不要な流動や変形が大きくなることから、製品ワークとしてのフレキシブル配線基板および薄膜層に均等な圧力を加えることが困難であり、面内変形が小さく、歪曲の小さい高精度のプリント基板を製造することができないという問題があった。 【0014】 また、加圧用緩衝材122、平滑用治具板123の大きさを製品ワーク111に比較して極端に大きくすることにより、製品ワーク111の外周端部での加圧用緩衝材122の不要な流動、変形を防止することも考えられるが、加圧処理で必要となる空間が大きく生産性に問題がある。また、加圧用緩衝材122、平滑用治具板123など加圧工程で用いる構成部材のコストが増加するなどの問題があった。 【0015】 本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、製品ワークの辺に対して平行な平行辺と平行辺に交差して製品ワークの角に対向する角部調整辺とを有する加圧用緩衝材と、加圧用緩衝材の外周と同等以上の外周を有する平滑用治具板とを重畳して加圧処理を施すことにより、製品ワークの外周端部での加圧用緩衝材の不要な流動、変形を抑制して製品ワークの面内変形、歪曲を防止することができるプリント基板製造方法を提供することを目的とする。 【0016】 また、本発明は、加圧処理を施して製品ワークとしてのフレキシブル配線基板と薄膜層を接着するプリント基板製造方法に適用することにより、加圧用緩衝材の不要な流動、変形を抑制することが可能で、製品ワークの面内変形、歪曲を防止することが可能なプリント基板製造用治具を提供することを他の目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0017】 本発明に係るプリント基板製造方法は、フレキシブル配線基板に薄膜層を重畳した製品ワークと、該製品ワークに圧力を加える加圧用緩衝材と、該加圧用緩衝材に圧力を加える平滑用治具板とを重畳させて加圧処理を施すことにより前記フレキシブル配線基板と前記薄膜層とを密着させてプリント基板を製造するプリント基板製造方法であって、前記加圧用緩衝材は、前記製品ワークの辺に対して平行な平行辺と該平行辺に交差し前記製品ワークの角に対向する角部調整辺とを有し、前記平滑用治具板の外周は、前記加圧用緩衝材の外周と同等以上の大きさとしてあることを特徴とする。 【0018】 この構成により、製品ワークの外周端部での加圧用緩衝材の不要な流動、変形を抑制することができることから、製品ワークに加わる圧力を均等にして製品ワークの外周端部での面内変形、歪曲を防止でき、変形、歪曲の少ないプリント基板を歩留まり良く安価に製造することが可能となる。 【0019】 また、本発明に係るプリント基板製造方法では、前記製品ワークは矩形状であり、前記製品ワークの長辺と該長辺に対応する前記加圧用緩衝材の平行辺との間での長辺側間隔は、前記製品ワークの短辺と該短辺に対応する前記加圧用緩衝材の平行辺との間での短辺側間隔より大きくしてあることを特徴とする。 【0020】 この構成により、矩形状の製品ワークの外周端部での加圧用緩衝材の流動、変形を確実に抑制することができる。 【0021】 また、本発明に係るプリント基板製造方法では、前記加圧用緩衝材は、8角形であることを特徴とする。 【0022】 この構成により、面積を抑制して精度良く加圧用緩衝材を形成することが可能となり、生産性を向上させることができる。 【0023】 また、本発明に係るプリント基板製造方法では、前記平滑用治具板は、前記加圧用緩衝材と相似形としてあることを特徴とする。 【0024】 この構成により、平滑用治具板による加圧用緩衝材への圧力を均等化することが可能となり、歩留まりおよび生産性を向上させることができる。 【0025】 また、本発明に係るプリント基板製造方法では、前記平滑用治具板は、金属で形成してあることを特徴とする。 【0026】 この構成により、加圧用緩衝材に対して均一に圧力を加えることが可能となり、加圧用緩衝材による製品ワークへの加圧を高精度に制御することが可能となる。 【0027】 また、本発明に係るプリント基板製造方法では、前記加圧用緩衝材は、強化繊維含有の耐熱性ゴム系樹脂で形成してあることを特徴とする。 【0028】 この構成により、繰り返して使用することができることから、生産性を大きく向上させることが可能となる。 【0029】 また、本発明に係るプリント基板製造方法では、前記平滑用治具板、前記加圧用緩衝材、前記製品ワーク、前記加圧用緩衝材、前記平滑用治具板をこの順に重畳して前記加圧処理を施すことを特徴とする。 【0030】 この構成により、精度良く加圧用緩衝材の変形を制御して、変形、歪曲の少ないプリント基板を製造することが可能となる。 【0031】 また、本発明に係るプリント基板製造方法では、重畳方向で、前記平滑用治具板の外側に外側緩衝材をそれぞれ重畳することを特徴とする。 【0032】 この構成により、平滑用治具板による加圧用緩衝材への圧力の印加を円滑に行なうことが可能となる。 【0033】 また、本発明に係るプリント基板製造方法では、前記外側緩衝材は、紙系部材で形成してあることを特徴とする。 【0034】 この構成により、外側緩衝材を容易に形成することが可能となる。 【0035】 また、本発明に係るプリント基板製造方法では、製品ワークと加圧用緩衝材の間および加圧用緩衝材と平滑用治具板の間に、それぞれ離型用緩衝材を重畳することを特徴とする。 【0036】 この構成により、離型性を確保できることから、生産性良く加圧処理を施すことが可能となる。 【0037】 また、本発明に係るプリント基板製造用治具は、フレキシブル配線基板に薄膜層を重畳した製品ワークと、該製品ワークに対して加圧処理を施すことにより前記フレキシブル配線基板と前記薄膜層とを密着させてプリント基板を製造するプリント基板製造方法に適用するプリント基板製造用治具であって、前記製品ワークに重畳して前記製品ワークに圧力を加える加圧用緩衝材と、該加圧用緩衝材に重畳して前記加圧用緩衝材に圧力を加える平滑用治具板とを含み、前記加圧用緩衝材は、前記製品ワークの辺に対して平行な平行辺と該平行辺に交差し前記製品ワークの角に対向する角部調整辺とを有し、前記平滑用治具板の外周は、前記加圧用緩衝材の外周と同等以上の大きさとしてあることを特徴とする。 【0038】 この構成により、加圧用緩衝材の不要な流動、変形を抑制することが可能で、製品ワークの面内変形、歪曲を防止することが可能となる。 【発明の効果】 【0039】 本発明に係るプリント基板製造方法によれば、製品ワークの辺に対して平行な平行辺と平行辺に交差して製品ワークの角に対向する角部調整辺とを有する加圧用緩衝材と、加圧用緩衝材の外周と同等以上の大きさの外周を有する平滑用治具板とを重畳して加圧処理を施すことから、製品ワークの外周端部での加圧用緩衝材の不要な流動、変形を抑制して製品ワークの面内変形、歪曲を防止することができ、変形、歪曲の少ない高精度で高品質なプリント基板(フレキシブル基板)を歩留まり良く安価に製造できるという効果を奏する。 【0040】 また、本発明に係るプリント基板製造用治具によれば、加圧処理を施して製品ワークとしてのフレキシブル配線基板と薄膜層を接着するプリント基板製造方法に適用することから、加圧用緩衝材の不要な流動、変形を抑制することが可能で、製品ワークの面内変形、歪曲を防止することが可能となるという効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0041】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0042】 図1は、本発明の実施の形態に係るプリント基板製造方法に適用する各構成部材を重畳させた状態での平面図である。図2は、図1の矢符X方向から見た各構成部材の重畳関係を分解して示す分解側面図である。図3は、図1の重畳状態を分解して示す分解斜視図である。 【0043】 本実施の形態に係るプリント基板製造方法は、プリント基板を製造するときの加圧処理の工程に係り、特に、適宜のパターンが形成されたフレキシブル配線基板に例えばカバーレイフィルムなどの薄膜層を重畳して、加圧処理することによりフレキシブル配線基板と薄膜層とを密着させる工程に係る。なお、一般的には加圧処理と共に適宜の加熱処理が施され、フレキシブル配線基板と薄膜層との接着を確実に行なう形態としてある。 【0044】 フレキシブル配線基板は、例えばポリイミドフィルムで構成され、厚さは例えば25μm程度で、表面に適宜の配線パターンを形成してある。カバーレイフィルムは、例えばポリイミドフィルムで構成し、厚さは例えば25μm程度として35μm程度の接着剤を塗布し、カバーレイフィルムとして作用させるために金型で適宜の開口を打ち抜き加工してある。カバーレイフィルムをフレキシブル配線基板に仮止めして製品ワーク11として構成する。 【0045】 上述したとおり、フレキシブル配線基板に接着する薄膜層としてカバーレイフィルムを例示するが、フレキシブル配線基板に対してさらにフレキシブル配線基板を接着する場合での積層するフレキシブル配線基板なども薄膜層として把握することが可能である。 【0046】 フレキシブル配線基板(不図示)および薄膜層(不図示)を重畳した状態を製品ワーク11として示す。つまり、製品ワーク11は、本実施の形態に係るプリント基板製造方法の処理対象であり、いわゆる中間製品である。なお、通常、製品ワーク11には、最終的に複数の単位配線部品として分割されるプリント基板が複数配置してある。例えば、縦500mm、横400mmの大きさの製品ワーク11に、80mm×80mmの単位配線部品(最終的にプリント基板となる。)を縦5個、横4個(合計20個)配置したものとすることができる。 【0047】 フレキシブル配線基板にカバーレイフィルム(薄膜層)を重畳して仮止めした製品ワーク11に対して加圧処理を施しフレキシブル配線基板とカバーレイフィルムとを接着させる場合、加圧処理(接着処理)を行なう前に、製品ワーク11と、製品ワーク11に加える圧力を均等化する加圧用緩衝材22と、製品ワーク11に対する加圧用緩衝材22の離型性を確保するための離型用緩衝材21とを重畳して配置する。 【0048】 つまり、製品ワーク11の両側に離型用緩衝材21を配置し、離型用緩衝材21の両方の外側に加圧用緩衝材22を配置する。さらに、加圧用緩衝材22の両方の外側に離型用緩衝材21を配置して、製品ワーク11に対して均等に圧力を加える。離型用緩衝材21により重畳する構成部材相互間での離型性を確保することができ、生産性を向上させることができる。 【0049】 上述した構成で重畳された製品ワーク11、離型用緩衝材21、加圧用緩衝材22の外側に、加圧用緩衝材22に対して均等に圧力を加える平滑用治具板23を重畳配置する。また、平滑用治具板23と加圧機(不図示)との間に加圧機からの圧力による衝撃を緩和するために外側緩衝材24がそれぞれ重畳配置される。外側緩衝材24を配置することにより、平滑用治具板23による加圧用緩衝材22への圧力の印加を円滑に行なうことが可能となる。 【0050】 上述したとおり、垂直方向で下側から、外側緩衝材24、平滑用治具板23、離型用緩衝材21、加圧用緩衝材22、離型用緩衝材21、製品ワーク11、離型用緩衝材21、加圧用緩衝材22、離型用緩衝材21、平滑用治具板23、外側緩衝材24をこの順に重畳して配置する。つまり、製品ワーク11に対して上下対称に離型用緩衝材21、加圧用緩衝材22、平滑用治具板23、外側緩衝材24を重畳して配置した状態とする。 【0051】 位置合わせをして重畳した後、加圧機により上下から加圧処理を施すことにより製品ワーク11でのフレキシブル配線基板および薄膜層の接着が行なわれる。その後、適宜の処理を行なうことにより、プリント基板が製造される。 【0052】 加圧機によりフレキシブル配線基板に薄膜層(カバーレイフィルム)を積層(接着)するとき、温度や圧力が加えられる。加圧用緩衝材22は、製品ワーク11でのフレキシブル配線基板と薄膜層との接着性(密着性)を向上させるために、加圧時の加熱により溶融軟化しやすい素材で構成される。 【0053】 加圧用緩衝材22は、例えばポリエチレンフィルムで構成され、厚さは例えば100μm程度、平面形状は製品ワーク11を覆って確実に製品ワーク11に対する加圧が均一に行なわれる程度の形状(後述)として構成される。加圧用緩衝材22は、ポリエチレンフィルムで構成されることから、加圧時の加熱(例えば100℃程度)により容易に溶融軟化し、製品ワーク11でのフレキシブル配線基板と薄膜層との接着性(密着性)を向上させることができる。 【0054】 加圧用緩衝材22は、上述したポリエチレンフィルムの他に、例えば補強繊維含有の耐熱性ゴム系樹脂で構成し、厚さは例えば2mm程度とすることが可能である。この構成により、生産性に優れた素材を適用することが可能となり、さらに、製品ワーク11への加圧を均一性良く施すことが可能となる。補強繊維含有の耐熱性ゴム系樹脂とすることにより、繰り返し使用することができることから、生産性を向上させることが可能となる。 【0055】 離型用緩衝材21は、例えばポリプロピレンフィルムで構成され、厚さは例えば25μm程度、平面形状は製品ワーク11に対する加圧用緩衝材22の離型作業の容易性を確保するために加圧用緩衝材22より大きく形成される。離型用緩衝材21を適用することにより離型性を確保できることから、加圧処理を施した後、製品ワーク11を容易に加圧用緩衝材22から分離することが可能となるので、生産性良く加圧処理を施すことが可能となる。 【0056】 平滑用治具板23は、例えばステンレス板で構成され、厚さは例えば1mm程度としてある。平滑用治具板23は金属で形成してあることから、平面強度を確保でき、加圧用緩衝材22に対して均一に圧力を加えることが可能となり、加圧用緩衝材22による製品ワーク11への加圧を高精度に制御することが可能となる。 【0057】 外側緩衝材24は、例えば紙系部材で構成され、厚さは例えば4mm程度としてある。外側緩衝材24は、紙系部材で形成してあることから、容易に形成することが可能となり、生産性を向上させることができる。 【0058】 なお、離型用緩衝材21、外側緩衝材24を省略して、垂直方向で下側から、平滑用治具板23、加圧用緩衝材22、製品ワーク11、加圧用緩衝材22、平滑用治具板23をこの順に重畳して配置した場合でも、精度良く加圧用緩衝材22の変形を防止して、変形、歪曲の少ないプリント基板を製造することが可能となる。 【0059】 本実施の形態では、加圧用緩衝材22は、製品ワーク11の形状に対応させて変形を施してある。加圧用緩衝材22は、製品ワーク11の辺に対して平行な平行辺22p(矩形状の製品ワーク11の長辺に対応する平行辺22pm、短辺に対応する平行辺22ps。平行辺22pm、平行辺22psを区別する必要がない場合は、単に平行辺22pとすることがある。)を基本変形形状として有し、平行辺22pに交差し製品ワーク11の角に対向する角部調整辺22rを調整変形形状として有する。なお、説明の便宜上、製品ワーク11は矩形状としてあるがこれに限るものではない。 【0060】 平滑用治具板23の外周は、加圧用緩衝材22の外周と同等以上の大きさとしてある。例えば、平滑用治具板23は、加圧用緩衝材22に対して相似形とし、かつ一回り大きな形状としてある。したがって、加圧用緩衝材22と同様に、平行辺22pmに対応する平行辺23pm、平行辺22psに対応する平行辺23psを形成してある(平行辺23pmと平行辺23psを区別する必要がない場合は、単に平行辺23pとすることがある。)。相似形とすることから、加圧用緩衝材22に対して平滑用治具板23を精度良く形成して重畳することが可能となり、平滑用治具板23による加圧用緩衝材22への圧力を均等化することが可能となるので、歩留まりおよび生産性を向上させることができる。 【0061】 また、外側緩衝材24の外周は、平滑用治具板23と同様に形成してある。つまり、平行辺23p、角部調整辺23rに対応させた形状としてある。したがって、外側緩衝材24による緩衝効果を最適化し、外側緩衝材24の面積を最小化して外側緩衝材24のコストを低減することが可能となる。 【0062】 平行辺22pおよび角部調整辺22rを有する加圧用緩衝材22と、加圧用緩衝材22の外周と同等以上の大きさの外周を有する平滑用治具板23とを適用して加圧処理を施すことから、製品ワーク11の外周端部での加圧用緩衝材22の不要な流動、変形を抑制することが可能となる。 【0063】 したがって、製品ワーク11の外周端部に加わる加圧用緩衝材22からの圧力を均等にして、製品ワーク11の外周端部での面内変形、歪曲を防止し、変形、歪曲の少ない高精度で高品質なプリント基板を歩留まり良く安価に製造することが可能となる。 【0064】 本実施の形態では、例えば従来例と同様の矩形状とした製品ワーク11の変形が大きい部分(つまり、加圧用緩衝材22の流動、変形が大きい部分)である製品ワーク11の長辺に対応する平行辺22pmの位置を製品ワーク11から離して、製品ワーク11の長辺と平行辺22pmとの間での長辺側間隔DLを製品ワーク11の短辺と平行辺22psとの間での短辺側間隔DSより大きく構成してある。長辺側間隔DLを短辺側間隔DSより大きくすることにより、製品ワーク11の外周端部を加圧用緩衝材22の外周端部から離すことことが可能となることから、加圧用緩衝材22の外周端部での流動、変形による製品ワーク11に対する影響を抑制することができる。 【0065】 従来例で製品ワーク11の変形が小さい部分(つまり、加圧用緩衝材22の流動、変形が小さい部分)である製品ワーク11の短辺に対応する平行辺22psの位置は、製品ワーク11の変形が小さいことを考慮して、短辺側間隔DSを長辺側間隔DLより小さく構成してある。短辺側間隔DSを長辺側間隔DLより小さくすることにより、製品ワーク11の長辺での変形と短辺での変形との不均衡を抑制し、歪曲を低減することが可能となる。また、加圧用緩衝材22の形状が大きくなることを抑制することができる。 【0066】 加圧用緩衝材22の形状を平行辺22pのみで画定すると、加圧用緩衝材22の面積が大きくなり、コストの増大を招くこととなる。また、平行辺22ps(短辺側)と平行辺22pm(長辺側)との間での流動、変形の不均衡を十分に是正することができない。そこで、平行辺22p(平行辺22pmおよび平行辺22ps)に交差し、製品ワーク11の角に対応する角部調整辺22rを加圧用緩衝材22に設けてある。角部調整辺22rの形状を適宜調整することにより、平行辺22ps(短辺側)と平行辺22pm(長辺側)との間での流動、変形の不均衡を是正することが可能となる。 【0067】 なお、長辺側間隔DLおよび短辺側間隔DSの大きさ、平行辺22pに対する角部調整辺22rの傾きは、製品ワーク11の大きさ、形状に応じて適宜の実験を行ない、製品ワーク11の変形、歪曲の程度を測定して調整することが好ましい。つまり、製品ワーク11の変形の大きい部分に対応する加圧用緩衝材22、平滑用治具板23の外周を製品ワーク11から離す方向へ変形させて調整することにより、製品ワーク11の面内変形、歪曲を低減することが可能となる。 【0068】 この構成により、矩形状とした製品ワーク11の外周端部での加圧用緩衝材22の流動、変形を確実に抑制して、面内変形、流動の少ない製品ワーク11として、変形、歪曲を抑制したプリント基板を製造することが可能となる。また、加圧用緩衝材22の面積を抑制することが可能となる。 【0069】 上述したとおり、製品ワーク11が矩形状であり、平行辺22pおよび平行辺22pと交差して製品ワーク11の角に対向する角部調整辺22rを有する加圧用緩衝材22とすることから、加圧用緩衝材22は、8角形としてある。したがって、8角形とすることにより、外周端部での加圧用緩衝材22の不要な流動、変形を抑制すると共に、加圧用緩衝材22の形状が大きくなりすぎることを防止し、精度良く加圧用緩衝材22を形成することが可能となり、生産性を向上させることが可能となる。 【0070】 次に、本実施の形態に係るプリント基板製造方法に適用するプリント基板製造用治具について説明する。上述した加圧用緩衝材22、平滑用治具板23は、本実施の形態に係るプリント基板製造方法に適用するプリント基板製造用治具である。 【0071】 つまり、本実施の形態に係るプリント基板製造用治具は、製品ワーク11に重畳して製品ワーク11に圧力を加える加圧用緩衝材22と、加圧用緩衝材22に重畳して加圧用緩衝材22に圧力を加える平滑用治具板23とを含んで構成される。また、加圧用緩衝材22は、製品ワーク11の辺に対して平行な平行辺22pと平行辺22pに交差し製品ワーク11の角に対向する角部調整辺22rとを有し、平滑用治具板23の外周は、加圧用緩衝材22の外周と同等以上の大きさとしてあることを特徴とする。 【0072】 なお、上述したとおり、本実施の形態に係るプリント基板製造用治具は、本発明に係るプリント基板製造方法と同様の作用効果を奏する。 【0073】 図4は、本発明の実施の形態に係るプリント基板製造方法による効果を説明する説明図である。 【0074】 同図は、例えば、縦500mm、横400mmの製品ワーク11の中央、外周端部に対応させて3×3に区分した合計9個の観測位置に対する座標位置(PaないしPi)を設定し、それぞれの座標位置での面内変形の観察結果を4×4の升型座標での変位として表示している。なお、4×4の升型座標での1升は、絶対値の0.1mmに対応させてある。 【0075】 破線は、設計値であり、加圧処理をする前(温度、圧力を加える前)の状態を基準値として示す。つまり、4×4の升の中央に位置する状態となっている。実線は、従来例による面内変形の状態を示している。つまり、温度、圧力を加えられた製品ワーク11は、4×4の升の中央に対して9個のいずれの座標位置(PaないしPi。中央のPeは除く。)でも塗りつぶした菱形で示すように外側へ移動する形態での面内変形を生じている。 【0076】 本発明に係るプリント基板製造方法による結果を、2点鎖線で示す。9個の座標位置(PaないしPi。中央のPeは除く。)に対応させた白抜きの丸印で示すように、従来例での菱形に対して、設計値に近い値を示している。また、多少の変形はしているが、変形の度合いがいずれの座標位置でも比較的均等となっており、歪曲をほとんど生じない状態となっていることが示される。 【0077】 例えば、座標位置Pb、Phで、従来例では外側へ0.13mm変形したのに対して、本発明では外側へ0.08mm変形となっている。つまり、(0.13−0.08)×100/0.13=38%変形量が低減したこととなる。また、座標位置Pd、Pfでは、従来例では外側へ0.16mm変形したのに対して、本発明では外側へ0.12mm変形となっている。つまり、(0.16−0.12)×100/0.16=25%変形量が低減したこととなる。 【0078】 また、従来例では、変形量の最大値は0.16mm(例えば、座標位置Pd、Pf)、変形量の最小値は0.09mm(例えば、各コーナー座標位置Pa、Pc、Pg、Pi)であり、最大値と最小値の差は、0.07mmである。つまり、歪曲率は(0.16−0.09)×100/0.09=78%である。本発明では、変形量の最大値は0.12mm(例えば、座標位置Pd、Pf)、変形量の最小値は0.08mm(例えば、各コーナー座標位置Pa、Pc、Pg、Pi)であり、最大値と最小値の差は、0.04mmである。つまり、歪曲率は、(0.12−0.08)×100/0.08=50%である。したがって、歪曲率は78%から50%へ向上したこととなる。 【0079】 上述したとおり、本発明に係るプリント基板製造方法によれば、単に面内変形を低減するだけでなく、製品ワーク11の歪曲(歪曲率)を低減することが可能であり、高精度が要求されるプリント基板を製造する工程歩留まりを大きく改善することができる。 【0080】 なお、重畳、加圧処理での位置合わせは、位置合わせ用のピンを使用するピンラミネーションでも良く、また、ピンを使用しないマスラミネーションでも良い。ピンを使用しないマスラミネーションの場合は、圧力の伝達に関わる加圧用緩衝材22、平滑用治具板23は圧力の伝達に影響がないように、位置ずれを数ミリ程度にすることが好ましい。 【図面の簡単な説明】 【0081】 【図1】本発明の実施の形態に係るプリント基板製造方法に適用する各構成部材を重畳させた状態での平面図である。 【図2】図1の矢符X方向から見た各構成部材の重畳関係を分解して示す分解側面図である。 【図3】図1の重畳状態を分解して示す分解斜視図である。 【図4】本発明の実施の形態に係るプリント基板製造方法による効果を説明する説明図である。 【図5】従来例に係るプリント基板製造方法に適用する各構成部材を重畳させた状態での平面図である。 【図6】図5の矢符X方向から見た各構成部材の重畳関係を分解して示す分解側面図である。 【図7】図5の重畳状態を分解して示す分解斜視図である。 【図8】加圧処理をした直後の状態を図5の矢符Y−Yでの断面として示す断面図である。 【符号の説明】 【0082】 11 製品ワーク 21 離型用緩衝材 22 加圧用緩衝材(プリント基板製造用治具) 22p 平行辺 22r 角部調整辺 23 平滑用治具板(プリント基板製造用治具) 23p 平行辺 23r 圧力調整辺 24 外側緩衝材 DL 長辺側間隔 DS 短辺側間隔
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月13日(2006.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075502 【弁理士】 【氏名又は名称】倉内 義朗
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| 【公開番号】 |
特開2008−71893(P2008−71893A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−248397(P2006−248397) |
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