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【発明の名称】 電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料、電磁波シールド膜及びその製造方法
【発明者】 【氏名】岩垣 賢

【要約】 【課題】電磁波遮蔽性能に優れ、且つ高い光透過率と低い表面比抵抗を有し、更に色再現性に優れた透明電磁波シールド膜を、電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料を用いた製造方法により提供する。

【構成】透明支持体上に平均粒子サイズが0.01μm以上0.10μm以下のハロゲン化銀粒子を含有し、銀/バインダー質量比が2.0以上20以下であるハロゲン化銀感光性層を有し、且つ可視光での分光吸収濃度の内、最大吸収濃度を示す波長が400〜450nmに存在することを特徴とする電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明支持体上に平均粒子サイズが0.01μm以上0.10μm以下のハロゲン化銀粒子を含有し、銀/バインダー質量比が2.0以上20以下であるハロゲン化銀感光性層を有し、且つ可視光での分光吸収濃度の内、最大吸収濃度を示す波長が400〜450nmに存在することを特徴とする電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【請求項2】
前記ハロゲン化銀感光性層に分光吸収極大が410〜450nmである染料を含有することを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【請求項3】
前記透明支持体とハロゲン化銀感光性層の間に少なくとも一層の非感光性中間層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【請求項4】
前記透明支持体と非感光性中間層の少なくとも一方に分光吸収極大が350〜410nmである染料を含有することを特徴とする請求項3に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【請求項5】
前記透明支持体に対してハロゲン化銀感光性層とは反対側にバッキング層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【請求項6】
請求項5に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料における透明支持体、非感光性中間層、バッキング層の少なくとも1つに更に分光吸収極大が410〜450nmである染料を含有することを特徴とする電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【請求項7】
前記400〜450nmに存在する最大吸収濃度を示す波長における分光吸収濃度が0.50〜3.0であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【請求項8】
前記分光吸収極大が350〜410nmである染料が下記一般式(I)〜(III)のいずれかであることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【化1】


(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R3はアルキル基またはアリル基を表し、A及びBはそれぞれ−CN、−SO211、−COOR12または−CONR1314で表され、R11、R12はそれぞれアルキル基またはアリール基を表し、R13、R14はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)
【化2】


(式中、R4、R5、R6及びR7はそれぞれ水素原子またはアルキル基を表し、R8はアルキル基またはアリル基を表し、R9及びR10はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、Gは電子吸引基を表す。)
【化3】


(式中、R11及びR12はそれぞれアルキル基またはアシル基を表し、A1及びB1は−CN、−SO213、−COOR14または−CONR1516で表され、R13、R14はそれぞれアルキル基またはアリール基を表し、R15、R16はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料を発光波長450nm未満のレーザー光によって露光する工程、該露光済みハロゲン化銀感光材料を現像処理して金属銀部と光透過性部とを形成する工程、該金属銀部を物理現像及びメッキ処理から選ばれる少なくともいずれかを施して導電性金属部を形成する工程からなることを特徴とする電磁波シールド膜の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の電磁波シールド膜の製造方法によって製造されたことを特徴とする電磁波シールド膜。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、電子レンジ、CRT、及びフラットパネルディスプレイ等の電子機器から発生する電磁波を遮蔽する電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料、電磁波シールド膜、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やパソコン、TV等に用いられるディスプレイ装置等に代表されるような電子機器の使用機会が増加しているが、これらの電子機器からは一般的に電磁波が放出され、それにより電子、電気機器の誤動作、障害あるいは人体に対しても害を与える可能性があるなど、所謂電磁波障害(EMI)が生じることが知られている。
【0003】
それに伴い、このようなEMIを低減する必要性が高まっており、欧米を中心に電磁波放出の強さに関する規格または規制が設けられ、最近の電子機器にはこれらの基準を満たすことが求められている。特に、CRTやフラットパネルディスプレイ、あるいは窓ガラスのように視認性を必要とする機材には、電磁波遮蔽性能と透明性を両立させることが必要である。
【0004】
これに対して、感光性ハロゲン化銀への露光、現像プロセスを利用して導電性メッシュを作製する方法が知られている。これはハロゲン化銀乳剤層に露光・現像を行い、直接的に現像銀を形成して、それを触媒としてメッキ等を行うことにより導電性メッシュを作製するものであり、メッシュパターンの形成が容易であり、しかも安価に大量に電磁波遮蔽材料を作製できる有用な方法として公開されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。これらの材料においては、感光性ハロゲン化銀として微粒子のものを用いること、及び感光性ハロゲン化銀とそれを保持するためバインダーの比率、Ag/バインダー比をできるだけ高くする方が好ましいとされている。
【特許文献1】国際公開第01/51276号パンフレット
【特許文献2】特開2004−221564号公報
【特許文献3】特開2004−221565号公報
【特許文献4】特開2006−10795号公報
【特許文献5】特開2006−12935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、微粒子の感光性ハロゲン化銀を用いてAg/バインダー比を高くしたハロゲン化銀感光材料では、メッシュパターンの露光においてイラジエーションやハレーション等の不要な光学散乱が発生しやすいという問題があること、及び感光材料製造工程にて静電気の発生が著しいことがわかった。前者は、特にレーザー光露光などの高エネルギー短時間露光の場合に顕著である。これは、感光性ハロゲン化銀が0.10μm以下の微粒子であること、Ag/バインダー比が高く、ハロゲン化銀間の距離が小さいこと、及び電磁波遮蔽材料の支持体として要望されるものが高屈折率のものであることの相乗効果によるものと推定される。後者は、バインダーが少ないことによる感光材料の含水量低下のためと推定される。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は電磁波遮蔽性能に優れ、即ち表面比抵抗が小さく、且つ高い透明性(光透過性)を有し、更にメッシュパターンの鮮鋭性に優れた透明電磁波シールド膜を、電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料を用いた製造方法により提供することにある。更には、電磁波シールド膜製造中に発生する静電気の影響防止、電磁波シールド膜をプラズマディスプレイパネルに装着して稼働させた時の色再現性を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ハロゲン化銀感光材料中の各層における露光時の光学挙動について検討した結果、特定の染料を用いて、その分光吸収特性が一定の範囲となるように設計することにより、高い導電性を維持しつつ、且つ高い透明性を有し、更にメッシュパターンの鮮鋭性に優れ、静電気の影響を受けにくく、色再現性に優れた透明電磁波シールド膜を得ることができることを見いだした。
【0008】
即ち、本発明の目的は、以下により達成される。
【0009】
1.透明支持体上に平均粒子サイズが0.01μm以上0.10μm以下のハロゲン化銀粒子を含有し、銀/バインダー質量比が2.0以上20以下であるハロゲン化銀感光性層を有し、且つ可視光での分光吸収濃度の内、最大吸収濃度を示す波長が400〜450nmに存在することを特徴とする電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【0010】
2.前記ハロゲン化銀感光性層に分光吸収極大が410〜450nmである染料を含有することを特徴とする前記1に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【0011】
3.前記透明支持体とハロゲン化銀感光性層の間に少なくとも一層の非感光性中間層を有することを特徴とする前記1または2に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【0012】
4.前記透明支持体と非感光性中間層の少なくとも一方に分光吸収極大が350〜410nmである染料を含有することを特徴とする前記3に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【0013】
5.前記透明支持体に対してハロゲン化銀感光性層とは反対側にバッキング層を有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【0014】
6.前記5に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料における透明支持体、非感光性中間層、バッキング層の少なくとも1つに更に分光吸収極大が410〜450nmである染料を含有することを特徴とする電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【0015】
7.前記400〜450nmに存在する最大吸収濃度を示す波長における分光吸収濃度が0.50〜3.0であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【0016】
8.前記分光吸収極大が350〜410nmである染料が下記一般式(I)〜(III)のいずれかであることを特徴とする前記4〜7のいずれか1項に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料。
【0017】
【化1】


【0018】
(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R3はアルキル基またはアリル基を表し、A及びBはそれぞれ−CN、−SO211、−COOR12または−CONR1314で表され、R11、R12はそれぞれアルキル基またはアリール基を表し、R13、R14はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)
【0019】
【化2】


【0020】
(式中、R4、R5、R6及びR7はそれぞれ水素原子またはアルキル基を表し、R8はアルキル基またはアリル基を表し、R9及びR10はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、Gは電子吸引基を表す。)
【0021】
【化3】


【0022】
(式中、R11及びR12はそれぞれアルキル基またはアシル基を表し、A1及びB1は−CN、−SO213、−COOR14または−CONR1516で表され、R13、R14はそれぞれアルキル基またはアリール基を表し、R15、R16はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。)
9.前記1〜8のいずれか1項に記載の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料を発光波長450nm未満のレーザー光によって露光する工程、該露光済みハロゲン化銀感光材料を現像処理して金属銀部と光透過性部とを形成する工程、該金属銀部を物理現像及びメッキ処理から選ばれる少なくともいずれかを施して導電性金属部を形成する工程からなることを特徴とする電磁波シールド膜の製造方法。
【0023】
10.前記9に記載の電磁波シールド膜の製造方法によって製造されたことを特徴とする電磁波シールド膜。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電磁波遮蔽性能に優れ、且つ高い透明性を有し、更にメッシュパターンの鮮鋭性に優れた電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料、電磁波シールド膜、その製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料(以後、単にハロゲン化銀感光材料または感光材料ともいう)、透明支持体上に平均粒子サイズが0.01μm以上0.10μm以下のハロゲン化銀粒子を含有し、銀/バインダー質量比が2.0以上20以下であるハロゲン化銀感光性層を有し、且つ可視光での分光吸収濃度の内、最大吸収濃度を示す波長が400〜450nmに存在することを特徴とする。なお、本発明において可視光とは、波長400〜700nmの電磁波領域を言う。
【0026】
また、電磁波シールド膜の製造方法として、かかる電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料を発光波長450nm未満のレーザー光によって露光する工程、該露光済みハロゲン化銀感光材料を現像処理して金属銀部と光透過性部とを形成する工程、該金属銀部を物理現像及びメッキ処理から選ばれる少なくともいずれかを施して導電性金属部を形成する工程からなることを特徴とする。
【0027】
更に、電磁波シールド膜としては上記製造方法で製造されたが特徴である。
【0028】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0029】
〔ハロゲン化銀感光性層〕
ハロゲン化銀粒子が現像されて金属銀粒子になった後、その表面比抵抗を下げ、電磁波を効率的に遮断するためには、現像銀粒子同士の接触ができるだけ大きくする必要がある。そのためには表面積比を高めることが好ましく、ハロゲン化銀粒子サイズが小さい程よい。従って、本発明においてハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、球換算相当径で0.01μm以上0.10μm以下である。しかしながら小さすぎる粒子は凝集して塊状になりやすく、接触確率は逆に小さくなってしまうので、0.02〜0.10μmが好ましく、より好ましくは0.03〜0.10μmである。なお、ハロゲン化銀粒子の球換算相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径を表す。
【0030】
ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、ハロゲン化銀粒子の調製時の温度、pAg、pH、銀イオン溶液とハロゲン化物イオン溶液の添加速度、粒子径コントロール剤(例えば、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、テトラザインデン化合物類、核酸誘導体類、チオエーテル化合物類等)を適宜組み合わせて制御することができる。
【0031】
本発明においては、塗布銀量(g/m2)を粒径(μm)で除した値が6以上25以下となる態様が好ましい。比較的粒径の小さい感光性ハロゲン化銀を多量に用いた場合に、この値が25より大きくなりやすく、この場合、フィルム断裁時のエッジ部分において被膜からハロゲン化銀粒子の滑落などが生じやすい傾向にある。また、比較的粒径の大きい感光性ハロゲン化銀を少量用いた場合にこの値が6より小さくなりやすく、この場合、単位面積中の感光性ハロゲン化銀の粒子個数が少なくなるため、導電性が低下しやすいためである。
【0032】
本発明においては、ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、3角形平板状、4角形平板状等)、8面体状、14面体状等、さまざまな形状であることができる。感度を高くするためにアスペクト比が2以上や4以上、更に8〜16であるような平板粒子も好ましく使用することができる。粒子サイズの分布には特に限定はないが、露光によるパターン形成時にパターンの輪郭をシャープに再現させ、高い導電性を維持しながら透明性を高めるという観点からは狭い分布が好ましい。本発明の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子である。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
【0033】
変動係数=S/R(式中、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。)
本発明で用いられるハロゲン化銀粒子は、更に他の元素を含有していてもよい。例えば、写真乳剤において、硬調な乳剤を得るために用いられる金属イオンをドープすることも有用である。特に鉄イオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオンやイリジウムイオン等の第8〜10族金属イオンは、金属銀像の生成の際に露光部と未露光部の差が明確に生じやすくなるため好ましく用いられる。
【0034】
これらの金属イオンは、塩や錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することができる。ロジウムイオン、イリジウムイオンに代表される遷移金属イオンは、各種の配位子を有する化合物であることもできる。そのような配位子としては、例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオン等を挙げることができる。具体的な化合物の例としては、臭化ロジウム酸カリウムやイリジウム酸カリウム等が挙げられる。
【0035】
本発明において、ハロゲン化銀に含有される前記金属イオン化合物の含有率は、ハロゲン化銀1モル当たり10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることが更に好ましい。
【0036】
ハロゲン化銀粒子に上述の金属イオンを含有させるためには、該金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中ハロゲン化銀粒子の形成後等、物理熟成中の各工程における任意の場所で添加すればよい。また、添加においては、重金属化合物の溶液を粒子形成工程の全体あるいは一部に亘って連続的に行うことができる。
【0037】
本発明では、更に感度を向上させるため写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感としては、例えば、金、パラジウム、白金増感等の貴金属増感、無機イオウ、または有機イオウ化合物によるイオウ増感等のカルコゲン増感、塩化錫、ヒドラジン等還元増感等を利用することができる。
【0038】
また、ハロゲン化銀粒子には分光増感を施しても構わない。好ましい分光増感色素としては、シアニン、カルボシアニン、ジカルボシアニン、複合シアニン、ヘミシアニン、スチリル色素、メロシアニン、複合メロシアニン、ホロポーラー色素等を挙げることができ、当業界で用いられている分光増感色素を単用あるいは併用して使用することができる。
【0039】
(バインダー)
本発明に係るハロゲン化銀感光性層において、ハロゲン化銀粒子を均一に分散させ、且つハロゲン化銀粒子を支持体上に担持し、ハロゲン化銀感光性層と他の層、または支持体との接着性を確保する目的でバインダーを用いる。本発明に用いることができるバインダーには特に制限がなく、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれも用いることができるが、現像性向上の観点からは水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
【0040】
本発明の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じてゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
【0041】
本発明においては、ハロゲン化銀感光性層の銀/バインダー質量比が2.0以上20以下である。これは前述の現像銀粒子同士の接触面積を大きくするためであり、好ましくは2.5以上15以下、より好ましくは3.0以上10以下である。
【0042】
(分光吸収特性)
本発明の説明に用いる光の透過率、吸収濃度について説明する。
【0043】
光の透過率は、測定光強度I0に対する試料を通過した光の強度Iの値を百分率(%)で表したものである。吸収濃度Aは、下記式で示される。
【0044】
A=−log(I/I0
本発明においては、電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料の可視光での分光吸収濃度の内、最大吸収濃度を示す波長が400〜450nmに存在する。また、その分光吸収濃度が0.50〜3.0であることが好ましい。
【0045】
即ち、露光前の感光材料を分光濃度計で測定したときに、可視光領域(400〜700nm)において、その最大吸収濃度を示す波長が400〜450nmの範囲にあり、その分光吸収濃度が0.50〜3.0であることが好ましい。0.50より小さいと本発明の効果が不十分であり、また3.0より大きいと感光材料の感度が低下し始める。分光吸収濃度0.50〜3.0の範囲は効果を十分発揮できる領域であるが、特に0.6〜2.5が好ましい。
【0046】
前記ハロゲン化銀感光材料が透明支持体とハロゲン化銀感光性層の間に非感光性中間層を有し、少なくとも該ハロゲン化銀感光性層には分光吸収極大が410〜450nmである染料を含有し、該透明支持体と該非感光性中間層の少なくとも1方には分光吸収極大が350〜410nmである染料を含有することが好ましい。
【0047】
また、前記ハロゲン化銀感光材料が透明支持体に対してハロゲン化銀感光性層とは反対側にバッキング層を有し、少なくとも該ハロゲン化銀感光性層には分光吸収極大が410〜450nmである染料を含有し、該バッキング層には分光吸収極大が350〜410nmである染料を含有することが好ましい。
【0048】
更には、前記透明支持体、非感光性中間層、バッキング層の少なくとも1つが、更に分光吸収極大が410〜450nmである染料を含有することが特に好ましい。
【0049】
前記、分光吸収極大が410〜450nmである染料、及び分光吸収極大が350〜410nmである染料は、それぞれ当該分光透過特性を有していれば公知のものを含めて、制限無く利用することができる。
【0050】
本発明において、分光吸収極大が350〜410nmである染料は前記一般式(I)〜(III)のいずれかで示されることが好ましい。
【0051】
一般式(I)において、R1及びR2はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R3はアルキル基またはアリル基を表し、A及びBはそれぞれ−CN、−SO211、−COOR12または−CONR1314で表され、R11、R12はそれぞれアルキル基またはアリール基を表し、R13、R14はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
【0052】
アルキル基として非置換及び置換アルキル基を包含する。上述のアルキル基(置換アルキル基にあってはそれを構成するアルキレン基)の炭素原子数によって一般式に示される化合物の奏する効果に差があるため、R1及びR2はこの数が1ないし4であるもの、R3は1ないし6であるもの、特に親水性基、例えば、カルボン酸やスルホン酸またはそれらの塩で置換されいるもの、R11、R12、R13及びR14は1ないし10であるものが好ましい。上述のアリール基の好ましい例としては、非置換または置換フェニル基が挙げられる。更に詳述するならばR1のアルキル基の代表的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、R1のアリール基の代表的な例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基等を挙げることができる。R2のアルキル基の代表的な例としては、前記R1のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
【0053】
2のアリール基の代表的な例としては、前記R1のアリール基と同じ例を挙げることができる。R3のアルキル基の代表的な例としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、スルホエチル基、カルボキシエチル基、スルファトエチル基、ヒドロキシプロピル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、2−(2−スルファトエトキシ)エチル基、ベンジル基、スルホベンジル基等を挙げることができる。
【0054】
11のアルキル基の代表的な例としては、メチル基、エチル基、i−プロビル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ドデシル基、ベンジル基等を挙げることができる。R11のアリール基の代表的な例としては、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、メトキシフェニル、クロロフェニル基等を挙げることができる。R12のアルキル基の代表的な例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシ−3−メチルプロピル基、2−フェノキシエチル基、ベンジル基等を挙げることができる。R12のアリール基の代表的な例としては、フェニル基、トリル基、t−ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ジ−t−アミルフェニル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基等を挙げることができる。R13のアルキル基の代表的な例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等を挙げることができる。R14のアルキル基の代表的な例としては、前記R13のアルキル基と同じ例を挙げることができる。R14のアリール基の代表的な例としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基等を挙げることができる。
【0055】
一般式(I)で表される化合物の多くは、メタノール溶液中で400nm以下に吸収極大を示し、A及びBの任意の組み合わせによって所望の吸収極大を有するものを選択することができる。この意味でのAとBの組み合わせの選択は重要であり、−CN、SO211、−COOR12または−CONR1314で表される基から選ばれることは、既に述べたとおりであるが、A及びBが相異なる基から選ばれる方がより望ましい。更に、A及びBの一方は−CNまたは−SO211で表される基から選ばれるのがより有用であり、この場合にはR1及びR2がともに水素原子の時に更に好ましい効果が得られる。
【0056】
一般式(II)において、R4、R5、R6及びR7はそれぞれ水素原子またはアルキル基を表し、R8はアルキル基またはアリル基を表し、R9及びR10はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、Gは電子吸引基を表す。
【0057】
ここにいう、例えば、アルキル基とは非置換及び置換アルキル基を包含し、炭素総数1〜20のアルキル基が望ましい。上述のアリール基の好ましい例としては非置換または置換フェニル基が挙げられる。更に詳述するならば、R4、R5、R6、R7のアルキル基の代表的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられ、R8のアルキル基の代表的な例としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、スルホエチル基、カルボキシエチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、スルファトエチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、2−(2−スルファトエトキシ)エチル基、ベンジル基、スルホベンジル基等を挙げることができる。
【0058】
9、R10のアルキル基の代表的な例としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、ベンジル基等を挙げることができる。R9、R10のアリール基の代表的な例としては、フェニル基、エチルフェニル基、n−ブチルフェニル基、クロロフェニル基、シアノフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基等を挙げることができる。
【0059】
一般式(III)において、R11及びR12はそれぞれアルキル基またはアシル基を表し、A1及びB1は−CN、−SO213、−COOR14または−CONR1516で表され、R13、R14はそれぞれアルキル基またはアリール基を表し、R15、R16はそれぞれ水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
【0060】
11及びR12が表すアルキル基は、一般式(I)におけるR1、R2が表すアルキル基と同義である。R11及びR12が表すアシル基としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸からのアシル基であり、具体的には、アセチル基、プロピオニオル基、ベンゾイル基が挙げられる。
【0061】
A1及びB1は、一般式(I)におけるA及びBと同義である。
【0062】
以下に、一般式(I)、(II)、(III)で示される具体的化合物例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0063】
【化4】


【0064】
【化5】


【0065】
【化6】


【0066】
本発明において、分光吸収極大が410〜450nmである染料は公知の染料を利用することができる。
【0067】
例えば、特開平5−204092号公報に記載の一般式(I)〜(III)で示される染料、特開2000−275782号公報に記載の一般式(1)〜(3)、及び一般式(I)、(II)で示される染料、特開平5−204092号公報記載の一般式(I)で示されるI−48〜I−50の化合物、同一般式(II)で示されるII−25〜II−27の化合物、同一般式(III)で示されるIII−39〜III−41の化合物及びAI−3、特開2000−275782号公報記載の一般式(1)で示される1−1〜1−40及び1−51〜1−60の化合物、同一般式(2)で示される2−1〜2−6及び2−9〜2−34の化合物、同一般式(3)で示される3−1〜3−62の化合物、同一般式(I)で示されるI−1〜I−23の化合物、同一般式(II)で示されるII−1〜II−20の化合物及び染料−1がある。
【0068】
(添加量、添加方法)
前記一般式(I)〜(III)で示される染料の添加量として、好ましくは0.001〜3g/m2であり、更に好ましくは0.005〜0.6g/m2である。
【0069】
また、分光吸収極大が410〜450nmである染料の添加量として、好ましくは0.01〜10g/m2であり、更に好ましくは0.05〜2.0g/m2である。
【0070】
これらの染料を構成層中に含有させるには、低沸点溶媒及び/または高沸点溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液などのバインダー溶液中に界面活性剤を用いて微分散し、添加すればよい。染料が水溶性である場合には、水溶液として添加することもできる。
【0071】
これらの染料を支持体中に含有させるには、支持体製造工程において支持体原料に直接添加混合してもよいし、予め支持体原料の一部に練り込んだペレットを形成しておいて、必要量を支持体原料中に混合するなど公知の方法が制限無く利用できる。
【0072】
(染料を残留させた電磁波シールド膜)
なお、上記各染料は後述の現像処理、物理現像及びメッキ処理から選ばれる少なくともいずれかにおいて、感光材料中から流出、除去されても構わないが、それらの内少なくとも一部の染料は残留して、形成された電磁波シールド膜中に存在し、該電磁波シールド膜の光透過性部の可視光での分光吸収極大が400〜450nmに存在することが好ましい。
【0073】
このような分光吸収特性を有する透明電磁波シールド膜を、例えば、PDPなどのディスプレイに用いた場合、PDPから発した紫外線に近い波長の光を抑制するために、BGR光によるカラー色再現性を向上させる効果を有する。この場合、電磁波シールド膜の光透過性部の400〜450nmにおける分光吸収濃度は1.0以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.05以上0.40以下が特に好ましい。
【0074】
(層構成)
本発明の電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料の層構成については、基本的には、透明支持体とハロゲン化銀感光性層からなる。更に電磁波シールド膜としての高機能化、加工特性、耐久性のみならず、ハロゲン化銀感光材料の製造効率、製造安定性などを考慮して、種々の層を設けることが好ましい。
【0075】
例えば、透明支持体とハロゲン化銀感光性層の間に非感光性中間層を設けたり、透明支持体に対してハロゲン化銀感光性層とは反対側にバッキング層を設けたり、ハロゲン化銀感光性層の上に保護層を設けたりすることが好ましい。これらの層は複数層から構成されてもよい。本発明に関する染料は、これらの層に適宜配分して添加することによって優れた効果を発揮するものである。
【0076】
(硬調化剤)
本発明においては、エッジが明瞭な導電性パターンを描くために感光材料は硬調である態様が好ましく、その方法として、塩化銀含有量を高くして粒径の分布を狭くする方法、あるいはヒドラジン化合物やテトラゾリウム化合物を硬調化剤として使用することが好ましい。ヒドラジン化合物は、−NHNH−基を有する化合物であり、代表的なものを下記一般式(1)で示す。
【0077】
一般式(1) T−NHNHCO−V、T−NHNHCOCO−V
式中、Tは各々置換されてもよいアリール基、ヘテロ環基を表す。Tで表されるアリール基はベンゼン環やナフタレン環を含むものでこの環は置換基を有してもよく、好ましい置換基として直鎖、分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20のメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ドデシル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数2〜21のメトキシ基、エトキシ基等)、脂肪族アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜21のアルキル基を持つ、アセチルアミノ基、ヘプチルアミノ基等)、芳香族アシルアミノ基等が挙げられ、これらの他に、例えば、上記のような置換または未置換の芳香族環が−CONH−、−O−、−SO2NH−、−NHCONH−、−CH2CH=N−、等の連結基で結合しているものも含む。Vは水素原子、置換されてもよいアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル、トリフロロメチル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(ピリジル基、ピペリジル基、ピロリジル基、フラニル基、チオフェン基、ピロール基等)を表す。
【0078】
上述のヒドラジン化合物は、米国特許第4,269,929号明細書の記載を参考にして合成することができる。ヒドラジン化合物はハロゲン化銀粒子含有層中、またはハロゲン化銀粒子含有層に隣接する親水性コロイド層中、更には他の親水性コロイド層中に含有せしめることができる。
【0079】
特に好ましいヒドラジンの化合物を下記に挙げる。
【0080】
(H−1):1−トリフロロメチルカルボニル−2−{〔4−(3−n−ブチルウレイド)フェニル〕}ヒドラジン
(H−2):1−トリフロロメチルカルボニル−2−{4−〔2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(H−3):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(H−4):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニルスルホンアミドフェニル}ヒドラジン
(H−5):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔3−(4−クロロフェニル−4−フェニル−3−チア−ブタンアミド)ベンゼンスルホンアミド〕フェニル}ヒドラジン
(H−6):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−〔4−(3−チア−6,9,12,15−テトラオキサトリコサンアミド)ベンゼンスルホンアミド〕フェニルヒドラジン
(H−7):1−(1−メチレンカルボニルピリジニウム)−2−〔4−(3−チア−6,9,12,15−テトラオキサトリコサンアミド)ベンゼンスルホンアミド〕フェニルヒドラジンクロライド。
【0081】
硬調化剤としてヒドラジンを使用するときに、ヒドラジンの還元作用を強化するためにアミン化合物またはピリジン化合物を好ましく用いることができる。ヒドラジン化合物の還元作用を促進するアミン化合物としては、分子中にピペリジン環またはピロリジン環が少なくとも1個、チオエーテル結合が少なくとも1個、エーテル結合が少なくとも2個あることが特に好ましい。
【0082】
ヒドラジンの還元作用を促進する化合物として、上述のアミン化合物の他にピリジニウム化合物やホスホニウム化合物も好ましく用いることができる。オニウム化合物は正電荷を帯びているため、負電荷に帯電しているハロゲン化銀粒子に吸着して、現像時の現像主薬からの電子注入を促進することにより硬調化を促進するものと考えられている。好ましいピリジニウム化合物は、特開平5−53231号、同6−242534号の各公報のビスピリジニウム化合物を参照することができる。特に好ましいピリジニウム化合物は、ピリジニウムの1位または4位で連結してビスピリジニウム体を形成しているものである。塩としてはハロゲンアニオンとして、塩素イオンや臭素イオン等が好ましく、他に4フッ化ホウ素イオン、過塩素酸イオン等が挙げられるが、塩素イオンまたは4フッ化ホウ素イオンが好ましい。
【0083】
ヒドラジン化合物、アミン化合物、ピリジニウム化合物、及びテトラゾリウム化合物は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-6〜5×10-2モル含有するのが好ましく、特に1×10-4〜2×10-2モルが好ましい。
【0084】
(支持体)
本発明においては、支持体として、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムまたはアクリルフィルム等を用いることができる。また、これらプラスチックフィルム以外に石英ガラス、ソーダガラス等も用いることが可能である。
【0085】
中でも、セルローストリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく用いられる。
【0086】
本発明においては、透明性、等方性、接着性、耐久性等の観点から、支持体としてはポリエステル系フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムを用いることが特に好ましい。
【0087】
本発明の電磁波シールド膜をディスプレイの表示画面に用いる場合には、高い透明性が要求されるため支持体自体の透明性も高いことが望ましい。この場合におけるプラスチックフィルムまたはガラス板の可視光域の平均透過率は、好ましくは85〜100%であり、より好ましくは90〜100%である。また、本発明では、色調調節剤として前記プラスチックフィルムまたはガラス板を、本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。可視光域の平均透過率とは、400〜700nmまでの可視光領域の透過率を少なくとも5nm毎に測定して求めた可視光域の各透過率を積算し、その平均値として求めたものと定義する。測定においては、測定アパチャーを前述のメッシュパターンより十分大きくとっておく必要があり、少なくともメッシュの格子面積より100倍以上大きな面積で測定して求める。
【0088】
本発明に用いる支持体の厚さには特に制限はないが、透過率の維持及び取り扱い性の観点から5〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることが更に好ましい。
【0089】
本発明に係る透明支持体は染料を添加して着色することができる。染料の添加方法としては、支持体原料の溶融物または溶液に染料を添加しておいて製膜する方法や、透明支持体製膜後に染料と接触させる、所謂染色する方法などがある。透明支持体の着色に際しては、支持体形成ポリマーと染料との相溶性を表す溶解性パラメーターが近いことが好ましい。
【0090】
(電磁波シールド膜の構成)
本発明においては、高い透光性と高い電磁波遮蔽性能を付与するために、格子状の細線パターンを露光により描画し、次いで現像処理等を行うことで、導電性のメッシュパターンを形成し、電磁波シールド膜とすることが好ましい。上記導電性金属部の線幅は20μm以下、線間隔は50μm以上であることが好ましい。また、導電性金属部は、アース接続等の目的においては線幅は20μmより広い部分を有していてもよい。また、画像を目立たせなくする観点からは、導電性金属部の線幅は18μm未満が好ましく、10μm未満が更により好ましく、7μm未満が最も好ましい。
【0091】
本発明における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上が好ましく、90%以上が更に好ましく、90%以上が最も好ましい。開口率とはメッシュをなす細線のない部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅10μm、ピッチ200μmの正方形の格子状メッシュの開口率は90%である。
【0092】
本発明においては、支持体を挟んだ両側に各々感光性ハロゲン化銀感光性層を設け、それぞれに導電性パターンを形成することも好ましく行われる。この場合、各々の面に塗設されるハロゲン化銀乳剤は分光増感などにより、それぞれ異なる波長に感度を有するような態様が好ましい。表裏面で異なる波長に感度を持たせることにより、各々の面に異なる導電性パターンを作製することが可能となり、例えば、表裏面で各々異なる周波数の電磁波に対して選択的に遮蔽効果を有するように、導電性パターンを形成することも可能となる。
【0093】
(製造方法)
本発明の電磁波シールド膜の製造方法については、(1)透明支持体上に平均粒子サイズが0.10μm以下のハロゲン化銀粒子を含有し、且つ銀/バインダー質量比が2.0以上であるハロゲン化銀感光性層を塗布して、電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料を形成する工程、(2)該塗布と同時にまたは別途に分光吸収極大を350〜450nmに有する染料の少なくとも1つを該ハロゲン化銀感光材料に含有させる工程、(3)形成されたハロゲン化銀感光材料を発光波長450nm未満のレーザー光によって露光する工程、(4)該露光済みハロゲン化銀感光材料を現像処理して金属銀部と光透過性部とを形成する工程、(5)該金属銀部を物理現像及びメッキ処理から選ばれる少なくともいずれかを施して、導電性金属部を形成する工程、からなることを特徴とする。
【0094】
これらの各工程はそれぞれ独立してバッチ処理されてもよいが、透明支持体の繰り出しから、各工程が連続するウェブに対して連動していることが好ましい。最後は形成された電磁波シールド膜が長尺巻として得られるか、形成された電磁波シールド膜が裁断されて、シート状にて集積されてもよい。
【0095】
(塗布工程)
塗布工程は透明支持体上に前記構成層を塗布する工程である。その塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビヤコート法、インクジェットコート法あるいは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法等が挙げられる。また、必要に応じて、米国特許第2,761,791号、同3,508,947号、同2,941,898号及び同3,526,528号の各明細書、原崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)等に記載された2層以上の層を同時に塗布する方法も、好ましく用いることができる。
【0096】
(露光工程)
本発明では、後述する現像処理、物理現像及びメッキ処理から選ばれる少なくともいずれかを施して、導電性パターンを形成するために感光材料の露光を行う。露光に用いられる光源としては、例えば、紫外線、可視光線、赤外線等の光、電子線、X線等の放射線等が挙げられるが、ハロゲン化銀の特性を活用する点で可視光線を用いることが好ましい。特に波長分布の狭い光源を利用することによって、電磁波シールド膜形成を効率よくコントロールでき、安定に製造できるので好ましい。
【0097】
特に本発明では、レーザー光を用いて露光することが好ましい。種々のレーザー光の中でも、ハロゲン化銀の感光特性から青色レーザーが好ましい。その発光波長が370〜450nm、特に415〜440nmが好ましい。
【0098】
具体的には、ヘリウム・カドミウムレーザー(約442nm)、InGaN系材料を用いた発振波長が400〜430nmの青色半導体レーザー、GaAlAs系(発振波長850nm)の半導体レーザーを、MgO:LiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出したレーザー(425nm)などがあるが、コンパクト、低消費電力、安定性、長寿命などの観点から青色半導体レーザーが好ましい。特に、2001年3月第48回応用物理学関係連合講演会で日亜化学(株)発表の青色半導体レーザーが好ましい。
【0099】
(現像処理)
本発明では、感光材料を露光した後、現像処理が行われる。現像処理は発色現像主薬を含有しない、所謂黒白現像処理であることが好ましい。
【0100】
現像処理液としては、現像主薬としてハイドロキノン、ハイドロキノンスルホン酸ナトリウム、クロルハイドロキノン等のハイドロキノン類の他に、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン等のピラゾリドン類及びN−メチルパラアミノフェノール硫酸塩等の超加成性現像主薬と併用することができる。また、ハイドロキノンを使用しないで、アスコルビン酸やイソアスコルビン酸等レダクトン類化合物を上記超加成性現像主薬と併用することが好ましい。
【0101】
また、現像処理液には保恒剤として、亜硫酸ナトリウム塩や亜硫酸カリウム塩、緩衝剤として炭酸ナトリウム塩や炭酸カリウム塩、現像促進剤としてジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノプロパンジオール等を適宜使用できる。
【0102】
現像処理で用いられる現像処理液は、画質を向上させる目的で画質向上剤を含有することができる。画質向上剤としては、例えば、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、5−メチルベンゾトリアゾール等の含窒素へテロ環化合物を挙げることができる。
【0103】
本発明においては、露光後に行われる現像処理が定着前物理現像を含んでいることが好ましい。ここで言う定着前物理現像とは、後述の定着処理を行う前に露光により潜像を有するハロゲン化銀粒子の内部以外から銀イオンを供給し、現像銀を補強するプロセスのことを示す。現像処理液から銀イオンを供給するための具体的な方法としては、例えば、予め現像処理液中に硝酸銀等を溶解しておき銀イオンを溶かしておく方法、あるいは現像液中にチオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム等のようなハロゲン化銀溶剤を溶解しておき、現像時に未露光部のハロゲン化銀を溶解させ、潜像を有するハロゲン化銀粒子の現像を補力する方法等が挙げられる。
【0104】
本発明においては、現像液中に予めハロゲン化銀溶剤を溶解しておく処方を用いた方が、未露光部でのカブリ発生によるフィルムの透過率低下を抑制できるため好ましい。
【0105】
本発明における現像処理においては、露光されたハロゲン化銀粒子の現像終了後に、未露光部分のハロゲン化銀粒子を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を行う。本発明における定着処理は、ハロゲン化銀粒子を用いた写真フィルムや印画紙等で用いられる定着液処方を用いることができる。定着処理で使用する定着液は、定着剤としてチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等を使用することができる。定着時の硬膜剤として、硫酸アルミウム、硫酸クロミウム等を使用することができる。定着剤の保恒剤としては、現像処理液で述べた亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸等を使用することができ、その他にクエン酸、蓚酸等を使用することができる。
【0106】
本発明に使用する水洗水には、防黴剤としてN−メチル−イソチアゾール−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−5−クロロ−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−4,5−ジクロロ−3−オン、2−ニトロ−2−ブロム−3−ヒドロキシプロパノール、2−メチル−4−クロロフェノール、過酸化水素等を使用することができる。
【0107】
(物理現像処理、メッキ処理)
本発明においては、上述の現像処理によって形成された現像銀同士の接触を補助し、導電性を高めるために物理現像処理及びメッキ処理から選ばれる少なくともいずれかを行うことが好ましい。これは、現像処理中あるいは処理後に、予め感光材料中に含有されていない導電性物質源を外部から供給し、導電性を高める処理である。物理現像処理は、潜像を有するハロゲン化銀乳剤を含有する感光材料を銀イオンあるいは銀錯イオンと還元剤を含有する処理液に浸漬することでこれを施すことができる。本発明においては、物理現像の現像開始点が潜像核だけでなく、現像銀が物理現像開始点となった場合についても物理現像と定義し、これを好ましく用いることができる。
【0108】
本発明において、メッキ処理には従来公知の種々のメッキ方法を用いることができ、例えば、電解メッキ及び無電解メッキを単独、あるいは組み合わせて実施することができる。中でも、電流分布ムラによるメッキムラが発生しない無電解メッキを好ましく用いることができる。無電解メッキに用いることができる金属としては、例えば、銅、ニッケル、コバルト、錫、銀、金、白金、その他各種合金を用いることができるが、メッキ処理が比較的容易であり、且つ高い導電性を得やすいという観点から、銅無電解メッキを用いることが特に好ましい。
【0109】
なお、上記処理は現像中、現像後定着前、定着処理後のいずれのタイミングにおいても実施可能であるが、フィルムの透明性を高く維持するという観点から、定着処理後に実施することが好ましい。
【0110】
本発明において、物理現像または金属メッキにより付与された金属量が、感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で10倍以上100倍以下である態様が好ましい。この値は、物理現像または金属メッキを施す前後において、感光材料中に含有される金属を、例えば、蛍光X線分析などで定量することによって求めることができる。物理現像または金属メッキにより付与された金属量が、感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で10倍未満である場合、導電性がやや低下する傾向となりやすく、また100倍より大きい場合には、導電性メッシュパターン部以外の不要な部分への金属析出による透過率の低下が生じやすい傾向となる。なお、本発明においては物理現像及び金属メッキの両方の処理を施すことが好ましい。
【0111】
(酸化処理)
本発明においては、現像処理あるいは物理現像またはメッキ処理後に酸化処理を行うこが好ましい。酸化処理により、不要な金属成分をイオン化して溶解除去することが可能となり、フィルムの透過率をより高めることが可能となる。
【0112】
酸化処理に用いる処理液としては、例えば、Fe(III)イオンを含む水溶液を用いて処理する方法、あるいは過酸化水素、過硫酸塩、過硼酸塩、過リン酸塩、過炭酸塩、過ハロゲン酸塩、次亜ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩、有機過酸化物等の過酸化物を含む水溶液を用いて処理する方法など、従来公知の酸化剤を含有する処理液を用いることができる。酸化処理は、現像処理終了後からメッキ処理前の間に行われる態様が、短時間処理で効率的に透過率向上を行うことができるため好ましい態様であり、特に好ましくは物理現像終了後に行う態様である。
【0113】
(黒化処理)
本発明においては、電磁波シールド膜表面での外光反射を防止するという観点から、金属メッシュ表面の黒化処理を施すことが好ましい。このような黒化処理を施した透明電磁波シールド膜を、例えば、PDPなどのディスプレイに用いた場合、外光反射によるコントラストの低下を軽減できるとともに非使用時の画面の色調を黒く高品位に保つことができ好ましい。
【0114】
黒化処理の方法としては特に制限はなく、既知の手法を適宜、単独あるいは組み合わせて用いることができる。例えば、導電性パターンの最表面が金属銅からなる場合には、亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウムを含んでなる水溶液に浸漬して酸化処理する方法、あるいはピロリン酸銅、ピロリン酸カリウム、アンモニアを含んでなる水溶液に浸漬し、電解メッキを行うことにより、黒化処理する方法などを好ましく用いることができる。また、導電性パターンの最表層がニッケル−リン合金被膜からなる場合は、塩化銅(II)または硫酸銅(II)、塩化ニッケルまたは硫酸ニッケル、及び塩酸を含有する酸性黒化処理液中に浸漬する方法を好ましく用いることができる。
【0115】
また、上述の方法以外にも、表面を微粗面化する方法によっても黒化処理が可能であるが、高い導電性を維持するという観点からは、表面の微粗面化よりも酸化による黒化処理の方法が好ましい。
【0116】
(近赤外線吸収層)
本発明の電磁波シールド膜を、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)用の光学フィルタと組み合わせて使う場合には、ハロゲン化銀感光性層の下に近赤外吸収染料を含む層である近赤外線吸収層を設けることも好ましい。場合によっては近赤外線吸収層を支持体に対して、ハロゲン化銀粒子層のある側の反対側に設けることもできるし、ハロゲン化銀粒子層側と反対側の両方に設けてもよい。ハロゲン化銀を含むハロゲン化銀粒子層と支持体との間に近赤外線吸収層を設けること、あるいはハロゲン化銀粒子層からみて支持体の反対側に近赤外線吸収層を設けることができるが、支持体の一方側にすると同時に塗布ができるので前者の方が好ましい。
【0117】
近赤外線吸収染料の具体例としては、ポリメチン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、金属錯体系、アミニウム系、イモニウム系、ジイモニウム系、アンスラキノン系、ジチオール金属錯体系、ナフトキノン系、インドールフェノール系、アゾ系、トリアリルメタン系の化合物等が挙げられる。PDP用光学フィルタで近赤外線吸収能が要求されるのは、主として熱線吸収や電子機器のノイズ防止である。このためには、極大吸収波長が750〜1100nmである近赤外線吸収能を有する色素が好ましく、金属錯体系、アミニウム系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジイモニウム系、スクワリウム化合物系が特に好ましい。
【0118】
近赤外線吸収染料としては、ジイモニウム化合物は、IRG−022、IRG−040(以上、日本化薬株式会社製)、ニッケルジチオール錯体化合物は、SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−159、SIR−152、SIR−162(以上、三井化学株式会社製)、フタロシアニン系化合物は、IR−10、IR−12(以上、日本触媒株式会社)等の市販品を利用することができる。
【0119】
本発明の電磁波シールド膜を、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)用の光学フィルタと組み合わせて使う場合にはPDPに用いられるネオンガスの輝線発光による色再現性の低下を防ぐために、この対策として595nm付近の光を吸収する色素を含有する態様が好ましい。
【0120】
このような特定波長を吸収する色素としては、具体的には、例えば、アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、インジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、メチン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、ピロール系、チオインジゴ系、金属錯体系等の周知の有機顔料及び有機染料、無機顔料が挙げられる。これらの中でも、耐候性が良好であることからフタロシアニン系、アンスラキノン系色素が特に好ましく用いられる。
【0121】
(紫外線吸収層)
本発明においては、電磁波シールド膜の紫外線による劣化を避けるために、極大吸収波長350nm未満の紫外線吸収剤を使用することが好ましい。
【0122】
紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤、例えば、サリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、S−トリアジン系化合物、環状イミノエステル系化合物等を好ましく使用することができる。これらの中、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、環状イミノエステル系化合物が好ましい。ポリエステルに配合するものとしては、特に環状イミノエステル系化合物が好ましい。これら紫外線吸収剤の添加層については特に制限はないが、ハロゲン化銀感光性層(メッシュパターン層)に用いられるバインダーの紫外線による劣化を防止するという観点から、ハロゲン化銀感光性層への添加、あるいは該層よりも光源側に設けられる態様が好ましい。
【0123】
好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、例えば、特開平1−250944号公報記載の一般式[III−3]で示される化合物、特開昭64−66646号公報記載の一般式[III]で示される化合物、特開昭63−187240号公報記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号公報記載の一般式[I]で示される化合物、特開平5−165144号公報記載の一般式(I)、(II)で示される化合物などが好ましく用いられる。
【0124】
これらの紫外線吸収剤は、例えば、ジオクチルフタレート、ジ−i−デシルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル類などに代表される高沸点有機溶媒に分散して添加することが好ましい。また、これらの紫外線吸収剤を支持体中に直接添加する態様も好ましく用いられ、この場合、例えば、特表2004−531611号公報に記載されたような態様も好ましく用いることができる。
【0125】
(反射防止層)
本発明の電電磁波シールド膜をディスプレイ画面の保護等を目的として用いる場合には、反射防止層を設けることが好ましい。反射防止層としては、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等で単層あるいは多層に薄膜積層させる方法、アクリル樹脂、フッ素樹脂等の屈折率の異なる樹脂を単層あるいは多層に薄膜積層させる方法等を用いることができる。
【0126】
本発明において、前記透明電磁波シールド膜において、導電性パターンを有する層に対して該電磁波シールド膜の支持体を挟んだ反対側に反射防止層を形成する場合には、まず最初に反射防止層を形成した後に、プロテクトフィルムを貼り合わせ、その後導電性パターン層を形成する態様が好ましい。導電性パターンを先に形成した後に反射防止層を形成する場合、反射防止層と支持体の接着性を向上させるために行うプラズマ処理やコロナ処理の効率が低下しやすい傾向にあるため、反射防止層を最初に形成する態様が好ましい。また、反射防止層を先に形成した場合、該層が現像及びメッキ処理などにより劣化することを防止するという観点から、予めプロテクトフィルムを貼り合わせた後、導電性パターン層を形成する態様が好ましい。
【0127】
本発明において用いられるプロテクトフィルムは、一般的に市販されているプロテクトフィルムを用いることができるが、導電性パターン形成のための感光性ハロゲン化銀乳剤層を塗工しやすくするという観点から、フィルムの厚さは10μm以上100μm以下が好ましく、特に好ましくは20μm以上60μm以下である。10μm未満の場合、フィルムの剛性が著しく低下するためプロテクトフィルムの貼り合わせの作業効率が低下しやすく、また100μmより厚い場合、フィルムの巻き取り時に巻き取り皺などの故障が発生しやすくなるためである。
【0128】
プロテクトフィルムに用いられる粘着剤の種類には特に制限はないが、反射防止フィルムを変質させることなく、また剥離時に反射防止フィルムにダメージを与えないものが好ましく用いられる。このような観点から、アクリル系またはシリコーン系の粘着剤が好ましく用いられる。また、その粘着力としては0.08〜0.6N/25mmであるものが好ましく用いられる。
【実施例】
【0129】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
【0130】
実施例1
(EMP−1の調製)
35℃に保温した0.5%ゼラチン水溶液1L中に下記(A1液)及び(B1液)を銀電位(EAg)=85mV、pH=5.8に制御しつつ同時添加し、更に下記(C1液)及び(D1液)をEAg=85mV、pH=5.8に制御しつつ同時添加した。この時、銀電位の制御は10%臭化カリウム水溶液を用い、pHの制御は酢酸または水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
【0131】
(A1液)
臭化カリウム 104g
沃化カリウム 3.0g
水を加えて 1300ml
(B1液)
硝酸銀 150g
水を加えて 1360ml
(C1液)
臭化カリウム 310g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル
沃化カリウム 10g
水を加えて 4000ml
(D1液)
硝酸銀 480g
水を加えて 4200ml
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合した。その後、チオ硫酸ナトリウムをハロゲン化銀1モル当たり2.0mg用い、40℃にて80分間化学増感を行い、化学増感終了後に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)をハロゲン化銀1モル当たり500mg添加して、更に下記増感色素SD−1をハロゲン化銀1モル当たり500mg添加して、感光性ハロゲン化銀乳剤を得た。平均粒径0.04μm、粒径分布の変動係数0.13であった。
【0132】
【化7】


【0133】
両面にプラズマ放電処理を施した厚さ120μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体の一方の側に、ブチルアクリレート:スチレン:グリシジルアクリレート(40:20:40質量%)ラテックスが0.40g/m2、ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア)が0.01g/m2となるように塗布して、バッキング層を設けた。更に、他方の側に非感光性中間層としてゼラチンを0.20g/m2塗布した。
【0134】
非感光性中間層の上にハロゲン化銀感光性層として、前述のハロゲン化銀乳剤を銀塗布量0.75g/m2、及びゼラチン塗布量0.15g/m2(銀/バインダー比5.0)となるように調製して、塗布を行った後、乾燥して、感光材料100を作製した。なお、感光材料の作製においては、硬膜剤(H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン)をゼラチン1g当たり50mgの比率となるようにして添加した。また塗布助剤として、界面活性剤(SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム)を添加し、表面張力を調整した。
【0135】
(感光材料101〜108の作製)
感光材料100に対して、表1に示すように、ハロゲン化銀感光性層、非感光性中間層、支持体、バッキング層の各層中に、それぞれの染料を所定量添加して、感光材料101〜108を作製した。
【0136】
【表1】


【0137】
【化8】


【0138】
このようにして得られた、透明電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料100〜108の各々に対して、露光・現像処理前の試料の状態で分光吸収特性を分光光度計(U−3210:(株)日立製作所製)を用いて測定した。測定に際しては、焼き出し銀の発生に配慮して安全灯下で取り扱った。
【0139】
また、各試料を幅35cm×長さ120mのロール状に加工し、23℃20%RH雰囲気下にて毎分20mの速度で別コアに巻き出し、巻き戻しを10回ずつ繰り返して強制的に剥離帯電させ、その影響を調べた。
【0140】
上述のようにして製造した電磁波シールド膜形成用ハロゲン化銀感光材料100〜108に対して、ライン幅が10μm、ライン同士の間隔が240μmの格子状となるように、発振波長440nmのレーザー光(日亜化学(株)製の青色半導体レーザーダイオード)を用いてメッシュ露光を行った後、下記現像液(DEV−1)を用いて25℃で60秒間現像処理を行った後、下記定着液(FIX−1)を用いて25℃で120秒間の定着処理を行い、次いで水洗処理を行った。更に、下記物理現像液(PD−1)を用いて、25℃5分間の物理現像を行い、次いで水洗処理を行った。その後、25℃のPd触媒液(CAT−1)に30秒間浸漬した後、水洗処理し、更にメッキ液(PL−1)を用いて45℃で無電解銅メッキ処理を10分間行い、透明電磁波シールド膜S100〜S108を作製した。
【0141】
(DEV−1:現像液)
純水 500ml
メトール 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
ハイドロキノン 4g
ホウ砂 4g
チオ硫酸ナトリウム 10g
臭化カリウム 0.5g
水を加えて全量を1Lとする。
【0142】
(FIX−1:定着液)
純水 750ml
チオ硫酸ナトリウム 250g
無水亜硫酸ナトリウム 15g
氷酢酸 15ml
カリミョウバン 15g
水を加えて全量を1Lとする。
【0143】
(PD−1:物理現像液)
純水 800ml
クエン酸 5g
ハイドロキノン 7g
硝酸銀 3g
水を加えて全量を1Lとする。
【0144】
(CAT−1:Pd触媒液)
硫酸パラジウム 20mg
水を加えて全量を1Lとする。
【0145】
(PL−1:メッキ液)
硫酸銅 0.04モル
ホルムアルデヒド(37%) 0.08モル
水酸化ナトリウム 0.10モル
トリエタノールアミン 0.05モル
ポリエチレングリコール 100ppm
水を加えて全量を1Lとする。
【0146】
このようにして得られた、導電性の金属メッシュ部分を有する透明電磁波シールド膜S100〜S108の各々に対して、光透過性部の分光吸収特性を分光光度計(U−3210:(株)日立製作所製)を用いて測定した。また、金属銀メッシュ部のメッシュパターンの鮮鋭度を、サクラマイクロデンシトメーターM−5型(旧コニカ(株)製)を用いて走査測定して、相対比較を行った。数値が大きいほど鮮鋭度が優れていることを示す。
【0147】
また、表面比抵抗値と透過率をそれぞれ抵抗率計ロレスタGP(MCP−T610型:(株)ダイヤインスツルメンツ社製)と分光光度計(U−3210:(株)日立製作所製)を用いて測定した。
【0148】
また、形成されたメッシュをルーペで観察して、剥離帯電による不規則な模様の発生やメッシュの断線など、1m2当たりの不良ポイントの数を調べた。
【0149】
○:1箇所以下
△:2〜5箇所
×:6箇所以上。
【0150】
更には、透明電磁波シールド膜S100〜S108をパイオニア社製のプラズマテレビの電磁波シールドメッシュのみを剥がした状態に対してそれぞれを適用し、その色再現性を目視評価した。
【0151】
◎:落ち着いた色再現性で彩度も高く、極めて良好
○:良好な色再現性
△:全体に冷色気味でやや劣る
×:黒色部は青味傾向、白色部はギラツキが認められ、不良。
【0152】
【表2】


【0153】
表2の結果より、本発明の要件を満たす透明電磁波シールド膜S102〜S108は、鮮鋭度の高いメッシュを形成しているので、高い光透過率と低い表面比抵抗を有していた。更に、プラズマディスプレイパネルとしてもその色再現性に優れていることがわかった。
【0154】
電磁波遮蔽性能は表面比抵抗のデータで評価されるが、実用的な電磁波遮蔽性能の測定はASTM D 4935に基づく方法で行った。30〜1,000MHzにおいて、比較試料100は20dB程度で不充分であったが、本発明の試料はいづれも電磁波遮蔽効果は30dB以上であって、良好な性能を示した。
【0155】
実施例2
実施例1の、試料No.106の感光性層の染料を同等塗布量のA−4に変え、且つ中間層の染料I−8を同等塗布量のI−15、II−4、III−5に変えたものを、それぞれ試料201、202、203とし、試料No.108の感光性層の染料を同等塗布量のA−5に変え、且つバッキング層の染料II−1を同等塗布量のI−15、II−4、III−5に変えたものを、それぞれ試料204、205、206とした。
【0156】
【化9】


【0157】
これら試料No.201〜206に対して実施例1と同様の評価を実施したところ、表3に示すように同等の効果が得られた。従って、本発明においては、感光材料の可視光領域での分光吸収極大が400〜450nmに設定するために、公知の種々の染料の組み合わせが可能であること、また感光材料の可視光領域での分光吸収極大が400〜450nmであれば、用いる染料にかかわらず本発明の効果を発揮することがわかる。
【0158】
【表3】


【0159】
実施例3
実施例1で、感光材料104、107から作製した透明電磁波シールド膜S104、S107において、Pd触媒液(CAT−1)への浸漬時間、及びメッキ液(PL−1)への浸漬時間を表4に示すように変更した以外は同様にして、透明電磁波シールド膜S301〜S308を作製した。
【0160】
なお、透明電磁波シールド膜S301〜S308の作製にあたっては、(DEV−1)、(FIX−1)及び水洗が終了した段階でハロゲン化銀の現像終了後の現像銀量を蛍光X線分析にて定量し、その後(PD−1)、(CAT−1)及び(PL−1)の処理が終了した段階で再度蛍光X線分析を行い、物理現像銀量及び銅メッキ量を定量した。このようにして求めた金属量を用いて、物理現像または金属メッキにより付与された金属量の感光材料を露光現像処理することにより得られた現像銀量に対する比率を質量比として求めた。
【0161】
このようにして作製した透明電磁波シールド膜S301〜S308に対して、実施例1と同様の評価を実施した。結果を合わせて表4に示す。
【0162】
【表4】


【0163】
表4の結果より、物理現像及び金属メッキにより付与された金属量が、感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で10倍未満である透明電磁波遮断フィルムS301は、高い透過率と低い表面比抵抗を得られているものの、質量換算で10倍以上である他の本発明の透明電磁波シールド膜に比べて、表面比抵抗がやや高い結果となった。
【0164】
また、物理現像及び金属メッキにより付与された金属量が、感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で100倍より大きい透明電磁波シールド膜S305は、高い透過率と低い表面比抵抗を得られているものの、質量換算で100倍より小さい他の本発明の透明電磁波シールド膜に比べて、透過率がやや低い結果となった。
【0165】
本発明の要件を満たし、且つ物理現像及び金属メッキにより付与された金属量が、感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で10倍以上100倍以下である透明電磁波シールド膜S302、S303、S306及びS307は、特に高い透過率と低い表面比抵抗を有し、本発明の好ましい態様であることがわかる。
【0166】
実施例4
実施例1で作製した透明電磁波シールド膜S101、S106の作製において、表5に示すように酸化処理と黒化処理を行って、透明電磁波シールド膜S401〜S406を作製した。
【0167】
酸化処理は物理現像処理とPd触媒処理の間に下記酸化処理液(OX−1)を用いて、45℃120秒間、黒化処理はメッキ液(PL−1)での処理終了後に下記黒化処理液(BP−1)を用いて80℃120秒間行った。
【0168】
このようにして得られた透明電磁波シールド膜S401〜S406に対して、表面比抵抗値の測定、開口部での光透過率の測定、及び50℃70%RHで1ヶ月間の強制劣化試験後の光透過率の測定を実施した。また、透明電磁波シールド膜の導電性パターンを形成した側を下にして黒色紙の上に置き、反対面からフィルムを観察し、金属光沢反射が見られるかどうかを目視評価した。結果を合わせて表5に示す。
【0169】
(OX−1:酸化処理液)
フェリシアン化カリウム 0.1g
水を加えて全量を1Lとする。
【0170】
(BP−1:黒化処理液)
亜塩素酸ナトリウム水溶液(76%) 40g
水酸化ナトリウム 5g
水を加えて全量を1Lとする。
【0171】
【表5】


【0172】
表5の結果より、本発明の好ましい態様では金属光沢反射が十分防止され、ディスプレイ非使用時の画面の色調を黒く高品位に保つことができることがわかる。
【0173】
実施例5
実施例1で作製した感光材料106の作製において、ポリエチレンテレフタレート支持体上のバッキング層の代わりに、紫外線吸収剤(UV−1)の1質量部をポリビニルアセタール(エスレックBM−S:積水化学工業(株)製)20質量部と共に酢酸エチル/メチルエチルケトン混合溶媒(混合比2:1)に溶解した後、UV−1が0.2g/m2となるように塗設した以外は同様にして感光材料501を作製し、透明電磁波シールド膜S106と同様の方法を用いて、透明電磁波シールド膜S501を作製した。
【0174】
【化10】


【0175】
このようにして得られた透明電磁波シールド膜S106、501に対して、Xeフェードメーターを用いて、24℃60%RHの環境下、7万Lxで24時間光照射行い、強制劣化前の光透過率に対する強制劣化後の光透過率を求めた。また保存後のクラックの発生状況を評価し、耐久性の尺度とした。結果を合わせて表6に示す。
【0176】
【表6】


【0177】
表6の結果より、少なくとも1層の紫外線吸収層を有している透明電磁波シールド膜S501は、光照射に対する被膜の耐久性も向上しており、本発明の特に好ましい態様であることがわかる。
【0178】
実施例6
《反射防止フィルム(AR−1)の作製》
特開2005−338550号公報の実施例1に記載の反射防止フィルムNo.14の作製において、支持体をセルロースエステルフィルムからポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ120μm)に変更し、バックコート層を特開平10−039448号公報の実施例1に記載の〈A−1〉、〈A−2〉液を用い、支持体に近い側に〈A−1〉液を用いて乾燥膜厚0.8μmの層を設け、最外層に〈A−2〉液を用いて乾燥膜厚0.1μmの層を設けるように塗設した以外は同様にして、反射防止フィルムAR−1を作製した。
【0179】
〔透明電磁波シールド膜S601〜S603の作製〕
このように作製した反射防止フィルムAR−1の反射防止加工面側に、表7に示すようなプロテクトフィルムを貼り合わせた後、裏面側に実施例1の透明電磁波シールド膜S106の作製と同様の加工を行い、透明電磁波シールド膜S601〜S603を作製した。
【0180】
〔透明電磁波シールド膜S604の作製〕
実施例1で作製した透明電磁波シールド膜S106の裏面に、上述の反射防止フィルム(AR−1)の作製と同じ手法で反射防止層を設け、透明電磁波シールド膜S604を作製した。
【0181】
このようにして得られた透明電磁波シールド膜S601〜S604に対して、実施例1と同様の評価を実施した。また、透明電磁波シールド膜完成後の反射防止層の状態を目視観察した。
【0182】
プロテクトフィルム(PF−1):(株)スミロン製EC−700
プロテクトフィルム(PF−2):日立化成工業(株)製L−5030
【0183】
【表7】


【0184】
その結果、本発明の透明電磁波シールド膜S601〜S604はいずれも高い透過率と低い表面比抵抗を示し、また強制劣化試験後の透過率変化が小さく、中でも導電性パターンを有する層に対して該フィルムの支持体を挟んだ反対側に反射防止層を有し、反射防止層を形成後にプロテクトフィルムを貼り合わせた後、導電性パターン層が形成された透明電磁波シールド膜S602及びS603は、反射防止層における反射ムラの発生や、射防止機能の低下を生じることなく、良好な反射防止層を有した透明電磁波シールド膜を提供できる本発明の好ましい態様であることがわかる。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタホールディングス株式会社
【出願日】 平成18年9月13日(2006.9.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−71862(P2008−71862A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−247795(P2006−247795)