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【発明の名称】 電子機器用回路基板
【発明者】 【氏名】山内 誠二

【要約】 【課題】回路基板の表面を横切るケーブルの中間部を回路基板に固定するに際し、ケーブルの形式を問うことなく固定作業を容易に行える仕組みを提供する。

【構成】回路基板1の表面を横切る形でフラットケーブル20が配置され、回路基板1にはケーブル結束構造10が設けられる。ケーブル結束構造10の主たる要素は、回路基板1の一部に設けた割基板構造の可分離部12と、可分離部12と残余の基板本体とを接続するジャンパー線11である。回路基板1から可分離部12を分離して一端がフリーになったジャンパー線11でフラットケーブル20を巻き、結束する。ジャンパー線11は2本平行に配置される。可分離部12の縁には、ジャンパー線11を係合させるノッチ16が所定間隔を置いて2個形成され、ノッチ16が存在しない側の縁は凸形状になっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の筐体内部に固定される回路基板であって、その表面を横切る形でケーブルが配置されるものにおいて、
基板の一部を割基板構造により可分離部とし、この可分離部と残余の基板本体とをジャンパー線で接続し、分離後の前記可分離部とこれを前記基板本体に連結する前記ジャンパー線で前記ケーブルを結束するとともに、
前記ジャンパー線は2本平行に配置され、前記可分離部の縁には、前記ジャンパー線を係合させるノッチが所定間隔を置いて2個形成され、前記可分離部の前記ノッチが存在しない側の縁は凸形状になっていることを特徴とする電子機器用回路基板。
【請求項2】
電子機器の筐体内部に固定される回路基板であって、その表面を横切る形でケーブルを配置したものにおいて、
基板の一部を割基板構造により可分離部とし、この可分離部と残余の基板本体とをジャンパー線で接続し、分離後の前記可分離部とこれを前記基板本体に連結する前記ジャンパー線で前記ケーブルを結束したことを特徴とする電子機器用回路基板。
【請求項3】
前記可分離部には、前記ジャンパー線を係合させるノッチが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子機器用回路基板。
【請求項4】
前記ジャンパー線は2本平行に配置され、前記ノッチは前記可分離部の縁に所定間隔を置いて2個形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器用回路基板。
【請求項5】
前記可分離部の、前記ノッチが存在しない側の縁が凸形状になっていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器用回路基板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン受像機等の電子機器で使用される回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像機をはじめとする電子機器の筐体の内部には、その電子機器の機能を実現するのに必要な回路基板が配備される。回路基板には印刷配線が施されるが、それだけで全配線を賄うのは、よほど小型の電子機器でもない限り困難である。テレビジョン受像機のような大型の電子機器では、回路基板の表面を別体のケーブルが横切っている構成がしばしば見受けられる。
【0003】
回路基板の表面を横切る形でケーブルを配置する場合、ケーブルの中間部をフリーにしておくと、電子機器が受ける振動でケーブルが振れた場合、ケーブルの被覆が何かにこすれて傷ついたり、発熱部品に接触して被覆が溶けたり、あるいはケーブルがコネクタ部分から外れてしまうなど、様々な不都合が生じる。従ってケーブルの中間部は回路基板に固定しておかねばならない。そのようなケーブル固定構造の一例を特許文献1に見ることができる。
【0004】
特許文献1に記載された構造では、ケーブルを処理するのにジャンパー線を用いる。ジャンパー線は、主配線基板との間にフレキシブルフラットケーブルを挿通させる相互間隙間を有する主線材、及び、前記相互間隙間を形成する補助線材として用いられている。
【特許文献1】特開2006−147958号公報([0024]−[0026]、図1−4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の構成では、主配線基板と主線材の相互間隙間にケーブルを通すのであるが、その相互間隙間がジャンパー線である補助線材の太さしかない。フレキシブルフラットケーブルをきっちりと固定することはできるが、その反面、フレキシブルフラットケーブルの端のコネクタプラグを相互間隙間に通すのは困難である。またケーブルがフラットケーブルでなく撚り線形式で厚みのあるものであったりしたときにも、挿通に苦労することになる。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、回路基板の表面を横切るケーブルの中間部を回路基板に固定するに際し、ケーブルの形式を問うことなく固定作業を容易に行える仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、電子機器の筐体内部に固定される回路基板であって、その表面を横切る形でケーブルが配置されるものにおいて、基板の一部を割基板構造により可分離部とし、この可分離部と残余の基板本体とをジャンパー線で接続し、分離後の前記可分離部とこれを前記基板本体に連結する前記ジャンパー線で前記ケーブルを結束するとともに、前記ジャンパー線は2本平行に配置され、前記可分離部の縁には、前記ジャンパー線を係合させるノッチが所定間隔を置いて2個形成され、前記可分離部の前記ノッチが存在しない側の縁は凸形状になっていることを特徴としている。
【0008】
この構成によると、基板の一部に割基板構造で形成した可分離部に接続した側のジャンパー線の端がフリーになるので、ケーブルの形式や、ケーブルの端にコネクタプラグが接続されているかどうかといったことに関係なく、自由にジャンパー線でケーブルを巻いて固定することができる。そして可分離部を2本のジャンパー線の間に挿通させ、その上で可分離部のノッチにジャンパー線を係合させることにより、可分離部がジャンパー線から外れないようにすることができる。また、可分離部を2本のジャンパー線の間に挿通させるとき、凸形状がジャンパー線を両側に押し分けるので、挿通がスムーズである。
【0009】
請求項2の発明は、電子機器の筐体内部に固定される回路基板であって、その表面を横切る形でケーブルを配置したものにおいて、基板の一部を割基板構造により可分離部とし、この可分離部と残余の基板本体とをジャンパー線で接続し、分離後の前記可分離部とこれを前記基板本体に連結する前記ジャンパー線で前記ケーブルを結束したことを特徴としている。
【0010】
この構成によると、基板の一部に割基板構造で形成した可分離部に接続した側のジャンパー線の端がフリーになるので、ケーブルの形式や、ケーブルの端にコネクタプラグが接続されているかどうかといったことに関係なく、自由にジャンパー線でケーブルを巻いて固定することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の電子機器用回路基板において、前記可分離部には、前記ジャンパー線を係合させるノッチが形成されていることを特徴としている。
【0012】
この構成によると、可分離部のノッチにジャンパー線を係合させることにより、ジャンパー線の形成するループがほどけないようにすることができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3に記載の電子機器用回路基板において、前記ジャンパー線は2本平行に配置され、前記ノッチは前記可分離部の縁に所定間隔を置いて2個形成されていることを特徴としている。
【0014】
この構成によると、可分離部を2本のジャンパー線の間に挿通させ、その上でノッチにジャンパー線を係合させることにより、可分離部がジャンパー線から外れないようにすることができる。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4に記載の電子機器用回路基板において、前記可分離部の、前記ノッチが存在しない側の縁が凸形状になっていることを特徴としている。
【0016】
この構成によると、可分離部を2本のジャンパー線の間に挿通させるとき、凸形状がジャンパー線を両側に押し分けるので、挿通がスムーズである。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明の電子機器用回路基板は、基板の一部に割基板構造で形成した可分離部に接続した側のジャンパー線の端がフリーになるので、ケーブルの形式や、ケーブルの端にコネクタプラグが接続されているかどうかといったことに関係なく、自由にジャンパー線でケーブルを巻いて固定することができる。そして可分離部を2本のジャンパー線の間に挿通させ、その上で可分離部のノッチにジャンパー線を係合させれば、可分離部がジャンパー線から外れることがない。また可分離部に形成した凸形状は、可分離部を2本のジャンパー線の間に挿通させるとき、ジャンパー線を両側に押し分けることになり、挿通をスムーズに行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。図1は回路基板の平面図、図2は回路基板の断面図、図3は回路基板の部分拡大平面図、図4はケーブル結束途中の回路基板の平面図、図5は図4に対応する回路基板の断面図、図6はケーブル結束作業がさらに進んだ状態の回路基板の平面図、図7は図6に対応する回路基板の断面図、図8はケーブル結束作業がさらに進んだ状態の回路基板の平面図、図9は図8に対応する回路基板の断面図である。
【0019】
図1、4、6、8において、回路基板1は上下2箇所に中間省略部を有する形で図示されている。回路基板1の両端には、後述するフラットケーブルのコネクタプラグを接続するコネクタソケット2が取り付けられている。コネクタソケット2、2の間にケーブル結束構造10が形成される。
【0020】
ケーブル結束構造10の主要部分を構成するのは、回路基板1に打ち込まれるジャンパー線11である。ジャンパー線11は両側のコネクタソケット2を結ぶ線と直交する形で配置されるものであり、しかも1本ではなく、所定間隔を置いて2本平行に配置される。ジャンパー線11の両端は回路基板1に形成したスルーホール3に打ち込まれた後、回路基板1の下面でクリンチされ、さらに、回路基板1の下面のランド部に半田付けされる。
【0021】
回路基板1の中で、ジャンパー線11の左端を受ける箇所はケーブル結束構造10の一部をなす可分離部12となっている。可分離部12は割基板構造で残余の基板本体から区画されており、上から見ると左半分が半円部13、右半分が矩形部14になっていて、半円部13の中央が細いブリッジ部15で基板本体とつながっている。ブリッジ部15の箇所を除き、可分離部12は回路基板1を貫通する溝4で囲まれている。矩形部14の、半円部13と反対の方を向く縁には、ノッチ16が所定間隔で2個形成されている。
【0022】
ケーブル結束構造10による結束手順は次の通りである。まず、図4、5に見られるよブリッジ部15を破断して可分離部12を回路基板1から分離し、可分離部12に接続した側のジャンパー線11の端をフリーにする。そして可分離部12を回路基板1から浮かせる。それから回路基板1の両側のコネクタソケット2にフラットケーブル20の両端のコネクタプラグ21を接続し、フラットケーブル20が回路基板1の表面を横切る形にする。
【0023】
続いて、可分離部12を先に立てる形でジャンパー線11によりフラットケーブル20を上から下に一巻きし、ループを形成する(図6、7参照)。フラットケーブル20の下を通ってきた可分離部12を2本のジャンパー線11の間に挿通させる。この時、可分離部12の半円部13、すなわち縁が凸形状になっている側がジャンパー線11にあてがわれるため、2本のジャンパー線11は自然に両側に押し分けられることになり、挿通がスムーズに進む。
【0024】
可分離部12が2本のジャンパー線11の間を通り抜けた後、ノッチ16にジャンパー線11を1本ずつ係合させる(図8、9参照)。これにより、2本のジャンパー線11の間隔が元通りになるとともに、ジャンパー線11の形成するループがほどけなくなる。
【0025】
ジャンパー線11にノッチ16を係合させた状態で、可分離部12を図の左方にスライドさせる。するとループが引き絞られ、フラットケーブル20はジャンパー線11で結束される。ジャンパー線11の一端は基板本体に接続されているので、フラットケーブル20は回路基板1に対し振れなくなる。このようにジャンパー線11は片持ち梁形式でフラットケーブル20を支持するので、適当な剛性を持つ線材をジャンパー線11に使用する。
【0026】
上記のように、一端がフリーになったジャンパー線11でケーブルを結束するので、フラットケーブルか束ねたケーブルかといったケーブルの形式や、ケーブルの端にコネクタプラグが接続されているかどうかに関係なく、自由にジャンパー線11でケーブルを巻いて固定することができる。回路基板1の上での作業は定位置であり、どこで結束するのかまごつくことがないうえ、結束作業に熟練を要さないので、作業者が代わったとしても作業品質を一定に保つことができる。また、ケーブルを外す必要があるときは、上記と逆の手順で簡単にケーブルを解放することができる。
【0027】
以上本発明の実施形態につき説明したが、発明の主旨を逸脱しない範囲でさらに種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は電子機器全般の回路基板に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】回路基板の平面図
【図2】回路基板の断面図
【図3】回路基板の部分拡大平面図
【図4】ケーブル結束途中の回路基板の平面図
【図5】図4に対応する回路基板の断面図
【図6】ケーブル結束作業がさらに進んだ状態の回路基板の平面図
【図7】図6に対応する回路基板の断面図
【図8】ケーブル結束作業がさらに進んだ状態の回路基板の平面図
【図9】図8に対応する回路基板の断面図
【符号の説明】
【0030】
1 回路基板
2 コネクタソケット
3 スルーホール
4 溝
10 ケーブル結束構造
11 ジャンパー線
12 可分離部
16 ノッチ
20 フラットケーブル
21 コネクタプラグ
【出願人】 【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
【出願日】 平成18年9月13日(2006.9.13)
【代理人】 【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫

【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温


【公開番号】 特開2008−71849(P2008−71849A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−247548(P2006−247548)