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【発明の名称】 電子部品実装装置
【発明者】 【氏名】八幡 直幸

【要約】 【課題】鮮明な電子部品の画像、及び吸着ノズル下面の画像を取得できる電子部品実装装置を提供する。

【構成】吸着ノズル8の電子部品14を吸着する下面が、シアン色に着色される。部品認識装置6の照明装置12には、シアン色の照明光を発光するLED13Aと、シアン色と補色関係にある赤色の照明光を発光するLED13Bが交互に並んで複数ずつ設けられている。部品認識のためにノズル8に吸着された部品14を部品認識カメラ11で撮像するときは、LED13Bを点灯させて赤色の照明光で照明する。ノズルは補色の照明光で照明され、無彩色となるので、ノズル部分が部品画像に写り込むのを防止できる。またノズル認識のためにノズル8の下面を撮像するときは、LED13Aを点灯させて下面と同色のシアン色の照明光で照明する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面が所定色に着色された吸着ノズルにより電子部品を吸着し、吸着された電子部品の位置認識を行って、電子部品を基板の所定位置に搭載する電子部品実装装置であって、
吸着ノズルの下面に着色された色とほぼ同じ色の照明光を発光する第1光源と、該色と補色関係にある色の照明光を発光する第2光源を有する照明手段と、
第1と第2光源を切り替えて点灯させる点灯制御手段と、
を有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
電子部品の位置認識を行うときは、第2光源を点灯させて吸着ノズルに吸着された電子部品を照明することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項3】
吸着ノズル下面の形状を認識するときは、第1光源を点灯させて吸着ノズル下面を照明することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
下面が所定色に着色された吸着ノズルにより電子部品を吸着し、吸着された電子部品の位置認識を行って、電子部品を基板の所定位置に搭載する電子部品実装装置であって、
吸着ノズル又はこの吸着ノズルに吸着された電子部品を白色光で照明する照明手段と、
照明された吸着ノズル又はこの吸着ノズルに吸着された電子部品を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の入射光路に、吸着ノズルの下面に着色された色とほぼ同じ色の光を透過させる第1光学素子と該色の光をほぼ遮断する第2光学素子とを切り替え可能に配置した光学素子切替手段と、
を有することを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項5】
電子部品の位置認識を行うときは、第2光学素子を撮像手段の入射光路に挿入することを特徴とする請求項4に記載の電子部品実装装置。
【請求項6】
吸着ノズル下面の形状を認識するときは、第1光学素子を撮像手段の入射光路に挿入することを特徴とする請求項4に記載の電子部品実装装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装装置、更に詳細には、搭載ヘッドに装着された吸着ノズルにより電子部品を吸着し、吸着された電子部品の位置認識を行って、電子部品を基板の所定位置に搭載する電子部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、搭載ヘッドに装着された吸着ヘッドにより吸着された電子部品を部品認識カメラで撮像し、その画像を処理して電子部品の位置認識(部品中心並びに部品傾きの検出)、いわゆる部品認識を行い、その認識結果に基づいて部品搭載位置を補正し、部品を精度よく基板上の予め定められた位置に搭載する電子部品実装装置が知られている。
【0003】
上記部品認識時には、吸着ノズルに吸着された電子部品が照明され、部品認識カメラで撮像されるが、その際、電子部品を吸着している吸着ノズルの下面(下端の吸着面及びその周囲の下面)で電子部品の輪郭の外側に露出している部分が電子部品を撮像した画像に映り込んでしまい、鮮明な電子部品の画像が得られない場合がある。この場合、電子部品の輪郭を正確に検出できなくなるため、電子部品の認識精度が悪化し、ひいては電子部品の搭載精度が悪化するという問題があった。
【0004】
これに対して、下記の特許文献1には、吸着ノズルの下面を灰黒色とすることで、ノズル下面における反射光量を抑えてノズル下面の映り込みを抑制し、部品認識を精度良く行なえるようにした構成が提案されている。
【特許文献1】特開平10−107486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、電子部品実装装置において、複数種類の吸着ノズルを、電子部品の大きさに応じて自動的に交換して搭載ヘッドに装着し、使用可能としたものがある。このような装置で搭載ヘッドに装着されている吸着ノズルに異常がないかを検査するために、吸着ノズルの下面を撮像し、その下面の画像を認識してノズルの形状や装着角度を認識するノズル認識が行われている。しかしながら、この方法を採用した場合に、特許文献1のように吸着ノズルの下面を灰黒色としていると、吸着ノズルの下面を撮像できない、若しくは十分なコントラストの鮮明なノズル下面の画像が得られず、ノズルの種類と装着角度の認識が困難になるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、精度ある部品認識並びにノズル認識を行うことが可能な電子部品実装装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(請求項1)は、
下面が所定色に着色された吸着ノズルにより電子部品を吸着し、吸着された電子部品の位置認識を行って、電子部品を基板の所定位置に搭載する電子部品実装装置であって、
吸着ノズルの下面に着色された色とほぼ同じ色の照明光を発光する第1光源と、該色と補色関係にある色の照明光を発光する第2光源を有する照明手段と、
第1と第2光源を切り替えて点灯させる点灯制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明(請求項4)は、
下面が所定色に着色された吸着ノズルにより電子部品を吸着し、吸着された電子部品の位置認識を行って、電子部品を基板の所定位置に搭載する電子部品実装装置であって、
吸着ノズル又はこの吸着ノズルに吸着された電子部品を白色光で照明する照明手段と、
照明された吸着ノズル又はこの吸着ノズルに吸着された電子部品を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の入射光路に、吸着ノズルの下面に着色された色とほぼ同じ色の光を透過させる第1光学素子と該色の光をほぼ遮断する第2光学素子とを切り替え可能に配置した光学素子切替手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、照明光源あるいは光学素子を切り替えることにより、電子部品を撮像するときに、電子部品の輪郭の外側に露出したノズル部分の映り込みを抑制して鮮明な電子部品の画像を取得することができるので、高精度の部品認識を行うことができる。
【0010】
また、吸着ノズルを撮像するときに、鮮明なノズル下面の画像を得ることができるので、ノズルの種類や装着角度の検出などのノズル認識を高精度に行うことができるとともに、ノズルの欠けや異物の付着などを検出することができるので、信頼性の高い搭載動作が可能となる。また、電子部品の認識装置を用いてノズル認識が可能となるので、そのためのセンサーなどが不要となり、装置コストを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図を参照して、本発明を実施するための最良の形態の実施例を説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、電子部品実装装置(以下、実装装置と略す)の要部の機械的構成を示している。図1において電子部品を吸着して保持する吸着ノズル8を複数装着した搭載ヘッド1は、これをX軸方向へ移動するX軸ガントリ2に取り付けられている。X軸ガントリ2はこれをY軸方向へ移動するY軸ガントリ3に取り付けられている。X軸ガントリ2とY軸ガントリ3の駆動により搭載ヘッド1がX軸方向とY軸方向に沿って水平方向に移動し、回路基板5上に電子部品を搭載することができる。回路基板5は不図示の搬送装置により実装装置本体上をX軸方向に搬送され、実装装置本体の中央部の所定位置に位置決めされて電子部品が搭載される。
【0013】
また実装装置の前面側には、回路基板5に搭載する電子部品を供給する電子部品供給装置4が設置されている。さらに吸着ノズル8に吸着された電子部品の位置認識(電子部品の中心並びにその傾きの検出)を行うための部品認識装置6が回路基板5の搬送路と電子部品供給装置4の間に配置されている。なお、部品認識装置6は搭載ヘッド1に装着された吸着ノズル8の認識(ノズル下面の形状とその傾きの検出)を行うためにも用いられる。
【0014】
また、吸着する電子部品のサイズや形状に応じて搭載ヘッド1の吸着ノズル8を異なる種類のものに交換するためのノズル交換機7が部品認識装置6の側方近傍に設けられている。ノズル交換機7内には複数種類の吸着ノズル8が保管され、管理されるようになっている。
【0015】
図2は搭載ヘッド1の構造を説明するものである。搭載ヘッド1は、下端に電子部品を真空吸着する吸着ノズル8を複数装着している。そして夫々の吸着ノズル8をその中心軸を回転中心として回転させるθ軸回転機構9と、上下方向に移動するZ軸駆動機構10を備えている。各吸着ノズル8のθ軸回転機構9とZ軸駆動機構10は独立しており、各吸着ノズル8は他のノズルの動作に関係なく回転及び昇降動作が可能となっている。
【0016】
また,搭載ヘッド1に装着された吸着ノズル8、及び図1中のノズル交換機7内に保管されている吸着ノズル8は、図3に示すように、下端部が細い直方体形状に形成され、下端部より上部が下端部より太い円柱形状に形成されている。そして電子部品を吸着する下端部の吸着面8aと、下端部の上の円柱形状部分の下面8bとが所定の一つの有彩色、例えばシアン色に着色されている。なお、以下では吸着面8aと下面8bを合わせて単に下面という。
【0017】
吸着ノズル8の材料は、例えばステンレスや超硬アルミニウム等の金属、或いは強度や対磨耗性に優れたエンジニアリングプラスチックやセラミック等とする。また,吸着ノズル8の着色は、例えば塗装、メッキ処理、電解着色(陽極酸化等)、あるいはクロメートなどの化成着色によって行なう。
【0018】
図4は部品認識装置6の構成を説明するものである。部品認識装置6は、吸着ノズル8に吸着された電子部品14の認識を行う際、ないしは装着ヘッド1に装着された吸着ノズル8の認識を行う際に、吸着された電子部品14、ないしは装着された吸着ノズル8の下面(8a,8b)を照明するための照明装置(照明手段)12と、照明された電子部品14、ないしは吸着ノズル8の下面を撮像するための認識カメラ(撮像手段)11、並びに電子部品あるいは吸着ノズルの撮像された画像を処理する画像処理装置27(図6)などから構成される。
【0019】
認識カメラ11は、CCDやCMOSなどの撮像素子と、この撮像素子上に被写体の像を結像するレンズ系などから構成される。
【0020】
照明装置12の本体内側面には、互いに異なる色の照明光を発光する光源13Aと13Bが交互に並んで複数(数百)個設けられ、四方から電子部品14ないし吸着ノズル8を照明する。光源13Aは、吸着ノズル8の下面に着色された色とほぼ同一の色、例えばシアン色の照明光を発光する光源で、シアン色発光ダイオードあるいは青色発光ダイオードと緑色発光ダイオードを組み合わせた光源である。
【0021】
また、光源13Bは、前記所定色(例えばシアン色)と補色関係にある色、つまり図5に示す色相環において前記所定色に対して周方向に180°の角度間隔で対向する色(シアン色であれば、赤色)の照明光を発光する光源で、例えば赤色発光ダイオードから構成される。
【0022】
そして、照明装置12は、光源13A,13Bのいずれか一方に切り替えて点灯させることにより、前記所定色の照明光、またはその所定色と補色関係にある色の照明光を切り替えて照明可能なように構成されている。
【0023】
所定色に着色された物体は、その色と補色関係にある光を吸収する。例えばシアン色の物体に対してシアン色の補色である赤色の光を当てると、赤色の光は吸収され、物体は灰黒色(無彩色)に見える。
【0024】
なお、光源13Aの発光色(吸着ノズル8の下面の色)と光源13Bの発光色は、シアン色と赤色に限らず、互いに補色関係にある2色であればよいことは勿論であり、例えば黄色と青色などとしてもよい。
【0025】
また、照明装置12において、単色発光型の光源13A,13Bの代りに、1つで補色関係にある2色の光を切り換えて発光可能な複数色発光型の光源を複数設けることにより、2色の照明光を切り換えて照明可能なように構成してもよい。
【0026】
図6は実装装置の制御系の構成を示している。コントローラ20は、装置全体を制御するCPU(マイクロコンピュータ)、そのワークエリアとして用いられるRAM、及びCPUが実行する制御プログラムを格納したROMなどからなる。このコントローラ20に上述した部品認識カメラ11及び照明装置12と共に以下の構成が接続され、制御される。
【0027】
X軸モータ21は、図1中のX軸ガントリ2の駆動源であり、搭載ヘッド1をX軸方向に移動させる。Y軸モータ22は、Y軸ガントリ3の駆動源であり、X軸ガントリ2と搭載ヘッド1をY軸方向に移動させる。Z軸モータ23は、図2中のZ軸駆動機構10の駆動源であり、吸着ノズル8をZ軸方向(上下方向)に昇降させる。また、θ軸モータ24は、θ軸回転機構9の駆動源であり、吸着ノズル8をその中心軸を中心にして回転させる。コントローラ20は、これらのモータ21〜24の駆動を制御することにより、搭載ヘッド1のX軸方向とY軸方向(水平方向)への移動、及び吸着ノズル8の昇降及び回転を行わせる。
【0028】
画像処理装置27は、A/D変換器27a、メモリ27b及びCPU27cから構成され、部品認識装置6の一部を構成している。部品認識カメラ11で撮像された吸着ノズル8に吸着された電子部品14、ないしは搭載ヘッド1に装着された吸着ノズル8の下面のアナログの画像信号が画像処理装置27に入力される。そしてA/D変換器27aによりデジタル信号に変換されてメモリ27bに格納され、CPU27cが部品画像データないしはノズル画像データに基づいて吸着された電子部品14の位置認識、ないしは吸着ノズル8の認識が行われる。
【0029】
また、搭載ヘッド1に付設された基板認識カメラ25からの画像信号も画像処理装置27に入力される。基板認識カメラ25は、実装装置に搬入されて所定位置に位置決めされた回路基板5に設けられた基板位置認識用の基板マークを撮像する。画像処理装置27は、撮像された基板マークの画像信号をA/D変換器27aによりデジタル信号に変換してメモリ27bに格納し、CPU27cがその画像データに基づいて基板マークの位置を検出して回路基板5の位置を認識する。そして、コントローラ20は、カメラ11、25の撮像画像から認識した電子部品14の吸着位置及び姿勢、並びに回路基板5の位置に基づいて電子部品14の搭載位置を補正し、基板5上の正しい搭載位置に部品14を搭載するように制御する。
【0030】
また、コントローラ20は、照明装置12の光源13A,13Bの点灯、消灯を制御し、照明光源13A、13Bの点灯を切り替える点灯制御手段となる。
【0031】
キーボード28とマウス29は、電子部品14のデータや吸着ノズル8のデータなどを入力するために用いられる。
【0032】
記憶装置30は、フラッシュメモリなどで構成され、キーボード28とマウス29により入力された部品データやノズルデータ、及び不図示のホストコンピュータから供給される部品データやノズルデータなどを格納するのに用いられる。
【0033】
表示装置(モニタ)31は、部品データ、ノズルデータ、演算データ、及び部品認識カメラ11で撮像された電子部品14ないし吸着ノズル8の下面の画像、及び基板認識カメラ25で撮像された基板マークの画像などを画面31aに表示する。
【0034】
以上の構成からなる実装装置の部品認識動作及びノズル認識動作を含む部品搭載動作を図7のフローチャートにより説明する。以下の動作はコントローラ20の制御の元に行われる。
【0035】
まず図1において不図示の搬送装置により回路基板5が実装装置本体上に搬入され、所定位置まで搬送されて位置決めされる(ステップS1)。
【0036】
次に、搭載ヘッド1をX軸方向とY軸方向に移動させて回路基板5上に移動させ、回路基板5の基板マークを基板認識カメラ25で撮像し、その画像を画像処理装置27で処理して回路基板5の位置を認識する(ステップS2)。
【0037】
次に、搭載ヘッド1に装着されている吸着ノズル8の認識を行うか否か判断する(ステップS3)。吸着ノズル8の認識は、吸着ノズル8の交換動作の前後、ユーザーが指示した場合、或いは所定時間間隔毎などに行う。吸着ノズル8の交換は、搭載する電子部品14のサイズや形状が変更される場合に、それに応じて最適なノズルを選択して使用するために行う。
【0038】
ステップS3で吸着ノズル8の認識を行わないと判断した場合は、ステップS4〜S11及びS19の動作を以下のように行う。
【0039】
まず搭載ヘッド1を電子部品供給装置4上で電子部品を吸着する所定位置に移動させる(ステップS4)。
【0040】
次に、搭載ヘッド1の吸着ノズル8を下降させると共に、不図示のバキューム機構の駆動により吸着ノズル8に真空を発生させて電子部品を吸着させた後、吸着ノズル8を上昇させる(ステップS5)。この時の電子部品の吸着は、電子部品供給装置4からの部品供給状況に応じて、複数の吸着ノズルで同時に、若しくは順次1ノズルずつ行なう。
【0041】
次に、搭載ヘッド1を部品認識装置6上で部品認識を行う位置に移動させる(ステップS6)。
【0042】
次に、照明装置12の光源13Bのみを点灯させ、吸着ノズル8に吸着された電子部品14を吸着ノズル8の下面の色(例えばシアン色)と補色関係にある色(例えば赤色)の照明光で照明させる(ステップS7)。
【0043】
そして部品認識カメラ11により照明された認識対象の電子部品14を撮像する(ステップS8)。このとき、吸着ノズルの下面は着色された色(シアン色)と補色関係にある照明光(赤色)で照明されるので、吸着ノズルの下面は灰色あるいは黒色(無彩色)に見え、電子部品の輪郭の外側に露出しているノズル部分が電子部品の画像に映り込んでしまうことがなく、鮮明な電子部品の画像が取得される。
【0044】
続いて、この取得された電子部品の画像を画像処理装置27で処理してその電子部品14の位置(部品中心位置と部品傾き)を認識する(ステップS9)。なお、ステップS6〜S9の動作は、搭載ヘッド1の移動により搭載ヘッド1に装着された複数の吸着ノズル8のそれぞれを順次1ノズルずつ部品認識位置に移動させて、1部品ずつ繰り返して行う。
【0045】
次に、搭載ヘッド1を回路基板5上で電子部品14を搭載する位置に移動させる(ステップS10)。このときステップS2での回路基板5の位置認識結果とステップS9での吸着部品の位置認識結果に従ってX軸方向とY軸方向の部品搭載位置を補正する。また、ステップS9での吸着部品の姿勢(吸着傾き)の認識結果に従って、搭載ヘッド1の吸着ノズル8を回転させて吸着部品の姿勢を補正する。
【0046】
その後、吸着ノズル8を下降させ、真空による吸引を解除して電子部品14を回路基板5上に搭載する(ステップS11)。なお、ステップS10とS11の動作も、搭載ヘッド1の移動により、搭載ヘッド1の複数の吸着ノズル8のそれぞれを順次1ノズルずつ部品搭載位置に移動させて、1部品ずつ繰り返して行う。
【0047】
こうして搭載ヘッド1の複数の吸着ノズル8に吸着していた複数の電子部品14の搭載が全て終了したら、回路基板5上に搭載すべき全ての電子部品14の搭載が完了したか判断する(ステップS19)。そして完了していなければステップS3に戻ってステップS3以下の動作を繰り返す。また、完了していれば1枚の回路基板5に対する部品搭載動作を終了する。
【0048】
搭載部品のサイズや形状が変更された場合には、搭載ヘッド1がノズル交換機7に移動して、最適な吸着ノズル8に交換されるので、ステップS3の判断が肯定され、ステップS12〜S18の処理が行われる。
【0049】
まず、搭載ヘッド1を部品認識装置6上でノズル認識を行う位置(部品認識位置と同位置)に移動させる(ステップS12)。
【0050】
次に、照明装置12の光源13Aのみを点灯させ、吸着ノズル8の下面をその下面の色(例えばシアン色)と同一の色の照明光で照明させる(ステップS13)。
【0051】
そして部品認識カメラ11により、照明された認識対象の吸着ノズル8の下面を撮像する(ステップS14)。吸着ノズルはその下面の色と同じ色で照明されるので、吸着ノズルの下面を良好に撮像することができる。
【0052】
画像処理装置27は吸着ノズル8の下面の画像を処理し、吸着ノズル8の種類と装着角度などを認識する(ステップS15)。ここでノズルの種類はノズル下面の画像の形状、大きさ、孔径などから認識できる。また、ノズル下面の形状が円形や正方形などの点対象形状でなければ、あるいは点対称形状であっても下面の所定部位にマーキングを施すなどしていれば、認識したノズル下面の画像から吸着ノズル8の装着角度を認識することができる。さらに、認識したノズル下面の画像の形状などからノズルの欠けや異物の付着なども認識することができる。
【0053】
なお、ステップS12〜S15の動作も、搭載ヘッド1の移動により搭載ヘッド1に装着された複数の吸着ノズル8のそれぞれを順次1ノズルずつノズル認識位置に移動させて、1ノズルずつ繰り返して行う。
【0054】
こうして搭載ヘッド1の全ノズルの認識が終了したら、その認識結果の情報と、予め記憶装置30に記憶されているノズル情報に基づいて、搭載ヘッド1の全ノズルが正常か判断する(ステップS16)。つまり、全ノズルが装着されているべき種類のノズルであって、正しい装着角度で装着され、かつノズルの欠けや異物の付着などの異常もないか判断する。
【0055】
そして搭載ヘッド1のノズルが1個でも正常でなければ、ユーザーへの警告を行うなどのエラー処理を行う(ステップS17)。
【0056】
また、搭載ヘッド1の全ノズルが正常であって、ノズル交換を行わない場合はステップS16からS19にジャンプし、回路基板への全電子部品の搭載が完了していれば搭載動作を終了するが、搭載が完了していなければステップS3に戻り、S4以下に進んで部品搭載動作を行う。
【0057】
また、搭載ヘッド1の全ノズルが正常であって、ノズル交換を行う場合は、搭載ヘッド1をノズル交換機7上に移動し、それまで装着していた吸着ノズル8をノズル交換機7の所定箇所に返却した後、次に装着すべき吸着ノズル8を選択して装着し、交換する(ステップS18)。その後、ステップS19に進む。
【0058】
以上のような本実施例によれば、部品認識のために吸着ノズル8に吸着された電子部品14を撮像するときに、ノズル下面の色と補色関係にある色の照明光で照明するので、吸着部品の輪郭の外側にノズル下面の一部が露出している場合に、その部分で照明光が吸収されるので、ノズル下面の露出部分の映り込みを抑制して鮮明な吸着部品の画像を取得することができる。このため、部品認識を高精度に行うことができ、ひいては部品の搭載を高精度に行うことができる。
【0059】
また、ノズル認識のために搭載ヘッド1に装着された吸着ノズル8を撮像するときに、ノズル下面の色と同一の色の照明光でノズル下面を照明するので、ノズル下面で照明光が良く反射され、鮮明なノズル下面の画像を取得することができ、ノズル認識を高精度に行うことができる。
【0060】
また、実装装置に通常設けられている部品認識装置6を用いてノズル認識を行えるので、ノズル認識のために特別にセンサーを設ける構成に比べて装置のコストを低減することができる。
【0061】
また、ノズル認識でノズルの種類と装着角度のみならず、欠けや異物の付着なども認識できるので、より信頼性の高い搭載動作を行うことができる。
【0062】
ところで、吸着ノズル8の種類によってその下面の色を異なるものとすることが考えられる。そうする場合、照明装置12は、異なるノズル下面の色のそれぞれの光と、異なるノズル下面の色のそれぞれと補色関係にある色のそれぞれの光とを切り換えて照明可能なように構成すればよい。そして部品認識時とノズル認識時に、搭載ヘッド1に装着されている吸着ノズルの下面の色に応じて、照明光の色を使い分ければよい。
【実施例2】
【0063】
図8は、実装装置の他の部品認識装置の構成を説明するものである。部品認識装置以外の構成は実施例1と共通とする。
【0064】
実施例2の部品認識装置は、部品認識カメラ11と、その上に設けられたフィルター円板(光学素子切替手段)32と、その上方に設けられた不図示の照明装置からなる。
【0065】
照明装置は、LEDなどの発光素子により白色光で吸着ノズル8に吸着された電子部品14または吸着ノズル8の下面を照明するものとする。吸着ノズル8は、実施例1の図3中と同じもので、下面(8a,8b)が所定色、例えばシアン色に着色されているものとする。
【0066】
フィルター円板32には、光学素子としてのフィルター33A,33B,33Cが設けられている。フィルター33Aは、吸着ノズル8の下面の色(波長域)の光のみをほぼ遮断するバンドパスフィルターである。フィルター33Bも吸着ノズル8の下面の色の光のみをほぼ遮断するバンドパスフィルターであるが、その遮断する光の波長域がフィルター33Aより広いものとする。これは吸着ノズル8の下面の色の変色やバラツキに対応するために設けられている。フィルター33Cは、吸着ノズル8の下面の色の光のみを透過するバンドパスフィルターである。
【0067】
フィルター円板32が不図示の駆動手段によって図示のように回転させられることにより、フィルター33A,33B,33Cの内の何れか1つに切り替えられ、部品認識カメラ11の対物レンズ上の部分で、照明装置で照明された電子部品14または吸着ノズル8の下面からの反射光が部品認識カメラ11に入射する光路(以下、撮像光路という)に挿入されるようになっている。
【0068】
このような構成で、部品認識を行うときには、図示のようにフィルター33Aを撮像光路に挿入した状態で、照明装置により白色光で吸着ノズル8に吸着された電子部品14を照明し、部品認識カメラ11で電子部品14を撮像して部品認識を行う。
【0069】
ここで、電子部品14の輪郭の外側に吸着ノズル8の下面の一部が露出している場合に、その部分からの反射光、つまりノズル下面の色の光がフィルター33Aで遮断されるので、ノズル下面の露出部分の映り込みを抑制して鮮明な電子部品の画像を取得することができる。このため、部品認識を高精度に行うことができる。
【0070】
なお、ここで吸着ノズル8の下面の色の変色やバラツキなどによって部品認識が正常に行えなかった場合は、フィルター33Bを撮像光路に挿入して部品認識動作を再度行う。
【0071】
また、ノズル認識を行うときには、フィルター33Cを撮像光路に挿入した状態で、照明装置により白色光で吸着ノズル8の下面を照明し、部品認識カメラ11でノズル下面を撮像してノズル認識を行う。ここで、フィルター33Cはノズル下面からの反射光、つまりノズル下面の色の光を透過するので、鮮明なノズル下面の画像を取得することができ、ノズル認識を高精度に行うことができる。
【0072】
なお、本実施例では、フィルター円板32においてノズル下面の色の光を透過するフィルターは33Cのみの1個としたが、透過する光の波長域が異なる複数個のフィルターを設けてもよい。
【0073】
また、吸着ノズル8の種類によってその下面の色が異なるものとされる場合には、その異なる色のそれぞれについて、その色の光のみをほぼ遮断するフィルターと、その色の光のみを透過するフィルターをフィルター円板32に設ければよい。そして部品認識時とノズル認識時に搭載ヘッド1に装着されている吸着ノズル8の下面の色に応じてフィルターを使い分けるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】電子部品実装装置の要部の機械的構成を示した斜視図である(実施例1)。
【図2】搭載ヘッドの構造を示した斜視図である(実施例1)。
【図3】吸着ノズルの吸着面を含む下面を着色した様子を示す斜視図である(実施例1)。
【図4】部品認識装置の構成と、部品認識時における吸着ノズルとの位置関係を示す斜視図である(実施例1)。
【図5】色相環を示す説明図である(実施例1)。
【図6】電子部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図である(実施例1)。
【図7】部品認識動作とノズル認識動作を含む部品搭載動作の流れを示すフローチャート図である(実施例1)。
【図8】部品認識装置の構成と、部品認識時における吸着ノズルとの位置関係を示す斜視図である(実施例2)。
【符号の説明】
【0075】
1 搭載ヘッド
2 X軸ガントリ
3 Y軸ガントリ
4 電子部品供給装置
5 回路基板
6 部品認識装置
7 ノズル交換機
8 吸着ノズル
9 θ軸回転機構
10 Z軸駆動機構
11 部品認識カメラ
12 照明装置
13A LED(シアン色発光)
13B LED(赤色発光)
14 電子部品
20 コントローラ
21 X軸モータ
22 Y軸モータ
23 Z軸モータ
24 θ軸モータ
25 基板認識カメラ
27 画像処理装置
【出願人】 【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
【出願日】 平成18年9月11日(2006.9.11)
【代理人】 【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭

【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑

【識別番号】100089015
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 剛博

【識別番号】100075292
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓


【公開番号】 特開2008−66608(P2008−66608A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−244944(P2006−244944)