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【発明の名称】 電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法
【発明者】 【氏名】磯貝 武義

【氏名】安田 公彦

【要約】 【課題】安定して、かつ短時間で電子部品をプリント基板に位置決めすることのできる電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法を提供する。

【構成】ベアチップを先端部11aで吸着してプリント基板5上に装着する吸着ノズル10と、吸着ノズル10をプリント基板5に対し垂直に移動可能なヘッド本体30と、を備えた電子部品装着ヘッドである。吸着ノズル10とヘッド本体30との間には、プリント基板5に塗布されたクリーム半田7とベアチップ1との当接を検知するとともに、プリント基板5に対し垂直な振動をベアチップ1に付与してベアチップ1とプリント基板5との接合部からクリーム半田7を排除するピエゾ素子31を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を先端部で吸着し、該電子部品をプリント基板上に装着する吸着ノズルと、該吸着ノズルを該プリント基板に対し垂直に移動可能なヘッド本体と、を備えた電子部品装着ヘッドにおいて、
前記吸着ノズルと前記ヘッド本体との間には、前記プリント基板又は/及び前記電子部品に塗布された粘着剤と該電子部品又は該プリント基板との当接を検知するとともに、該プリント基板に対し垂直な振動を該電子部品に付与して該電子部品と該プリント基板との接合部から該粘着剤を排除するピエゾ素子を備えることを特徴とする電子部品装着ヘッド。
【請求項2】
請求項1において、前記粘着剤は、クリーム半田であることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項3】
請求項1において、前記粘着剤は、封止剤であることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項4】
電子部品をプリント基板上に装着する電子部品装着方法において、
粘着剤を前記プリント基板又は/及び前記電子部品に塗布する粘着剤塗布工程と、
前記電子部品を先端部で吸着した吸着ノズルを前記プリント基板に対し垂直に移動させる吸着ノズル下降工程と、
ピエゾ素子により、前記粘着剤と前記電子部品又は前記プリント基板との当接を検知する当接検知工程と、
前記ピエゾ素子により、前記プリント基板に対し垂直な振動を前記電子部品に付与して該電子部品と該プリント基板との接合部から該粘着剤を排除する振動付与工程と、
前記電子部品を前記プリント基板に接合させる接合工程と、を備えることを特徴とする電子部品装着方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品をプリント基板上に装着する電子部品装着ヘッド及びこの電子部品装着ヘッドを用いた電子部品装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載された電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法が知られている。この電子部品装着ヘッドは、バンプ(突出電極)が形成されたベアチップをプリント基板上に装着する吸着ノズルと、この吸着ノズルをプリント基板に対し垂直に移動可能なヘッド本体を備えている。この電子部品装着方法では、クリーム半田を予めプリント基板の電極パッドに印刷により付着させた後、吸着ノズルを下降させてベアチップをプリント基板に位置決めして載置している。そして、クリーム半田を溶融、固化させて、ベアチップのバンプ(突出電極)とプリント基板の電極パッドとを接合させている。この電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法によれば、ワイヤボンディング法に比べ配線長を短くすることができ、機器の小型化、軽量化等を実現することができる。
【0003】
また、特許文献2に記載された電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法も知られている。この電子部品装着ヘッドは、ベアチップをプリント基板上に装着する吸着ノズルと、この吸着ノズルをプリント基板に対し垂直に移動可能なヘッド本体を備えている。この電子部品装着方法では、プリント基板の電極パッド間に封止剤を塗布した後、吸着ノズルを下降させてベアチップのバンプ(突出電極)とプリント基板の電極パッドとを当接させている。そして、ベアチップをプリント基板に押圧しつつ、バンプ(突出電極)に超音波振動を付与することにより、ベアチップのバンプ(突出電極)とプリント基板の電極パッドとを接合させている。この電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法によっても、ワイヤボンディング法に比べ配線長を短くすることができ、機器の小型化、軽量化等を実現することができる。
【特許文献1】特開2003−282630号公報
【特許文献2】特開2002−83839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法では、ベアチップをプリント基板に載置する際、ベアチップに圧力が加わるのが通常である。特に、バンプ(突出電極)の数が多いベアチップにおいては、接合不良が起こり易くなるため、ベアチップをプリント基板に押圧している。しかしながら、プリント基板の電極パッドに塗布されたクリーム半田の粘性により、ベアチップのバンプ(突出電極)がプリント基板の電極パッドの所定の位置からずれてしまう虞がある。そのため、特許文献1の電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法では、ベアチップをプリント基板の所定の位置に位置決めするのに時間を要する場合が発生し得る。
【0005】
また、上記特許文献2の電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法では、ベアチップのバンプ(突出電極)とプリント基板の電極パッドとを当接させる際、封止剤がバンプ(突出電極)と電極パッドとの間に入り込み、封止剤の粘性によりベアチップのバンプ(突出電極)がプリント基板の電極パッドの所定の位置からずれてしまう虞がある。そのため、特許文献2の電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法でも、ベアチップをプリント基板の所定の位置に位置決めするのに時間を要する場合が発生し得る。
【0006】
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、安定して、かつ短時間で電子部品をプリント基板に位置決めすることのできる電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る電子部品装着ヘッドの特徴は、電子部品を先端部で吸着し、該電子部品をプリント基板上に装着する吸着ノズルと、該吸着ノズルを該プリント基板に対し垂直に移動可能なヘッド本体と、を備えた電子部品装着ヘッドにおいて、前記吸着ノズルと前記ヘッド本体との間には、前記プリント基板又は/及び前記電子部品に塗布された粘着剤と該電子部品又は該プリント基板との当接を検知するとともに、該プリント基板に対し垂直な振動を該電子部品に付与して該電子部品と該プリント基板との接合部から該粘着剤を排除するピエゾ素子を備えることである。
【0008】
請求項2に係る電子部品装着ヘッドの特徴は、請求項1において、前記粘着剤は、クリーム半田であることである。
【0009】
請求項3に係る電子部品装着ヘッドの特徴は、請求項1において、前記粘着剤は、封止剤であることである。
【0010】
請求項4に係る電子部品装着方法の特徴は、電子部品をプリント基板上に装着する電子部品装着方法において、粘着剤を前記プリント基板又は/及び前記電子部品に塗布する粘着剤塗布工程と、前記電子部品を先端部で吸着した吸着ノズルを前記プリント基板に対し垂直に移動させる吸着ノズル下降工程と、ピエゾ素子により、前記粘着剤と前記電子部品又は前記プリント基板との当接を検知する当接検知工程と、前記ピエゾ素子により、前記プリント基板に対し垂直な振動を前記電子部品に付与して該電子部品と該プリント基板との接合部から該粘着剤を排除する振動付与工程と、前記電子部品を前記プリント基板に接合させる接合工程と、を備えることである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る電子部品装着ヘッドにおいては、吸着ノズルとヘッド本体との間には、プリント基板又は/及び電子部品に塗布された粘着剤と電子部品又はプリント基板との当接を検知するとともに、プリント基板に対し垂直な振動を電子部品に付与して電子部品とプリント基板との接合部から粘着剤を排除するピエゾ素子を備えている。そのため、電子部品とプリント基板との接合部から粘着剤を排除でき、電子部品とプリント基板との接合部がずれるのを防止することができる。したがって、この電子部品装着ヘッドによれば、安定して、かつ短時間で電子部品をプリント基板に位置決めすることができる。
【0012】
請求項2に係る電子部品装着ヘッドにおいては、粘着剤がクリーム半田であり、この場合においても、安定して、かつ短時間で電子部品をプリント基板に位置決めすることができる。
【0013】
請求項3に係る電子部品装着ヘッドにおいては、粘着剤が封止剤であり、この場合においても、安定して、かつ短時間で電子部品をプリント基板に位置決めすることができる。
【0014】
請求項4に係る電子部品装着方法においては、当接検知工程において、ピエゾ素子により粘着剤と電子部品又はプリント基板との当接を検知し、振動付与工程において、ピエゾ素子によりプリント基板に対し垂直な振動を電子部品に付与して電子部品とプリント基板との接合部から粘着剤を排除するため、電子部品とプリント基板との接合部から粘着剤を排除でき、電子部品とプリント基板との接合部がずれるのを防止することができる。したがって、この電子部品装着方法によれば、安定して、かつ短時間で電子部品をプリント基板に位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法を具体化した実施形態1、2を図面に基づいて以下に説明する。実施形態1の電子部品装着ヘッドは、図1に示すように、吸着ノズル10、ハウジング20、ヘッド本体30及びピエゾ素子31を備えている。電子部品装着ヘッドは、図示しない昇降装置にヘッド本体30が昇降可能に保持されている。
【0016】
吸着ノズル10は、バンプ2が形成されたベアチップ1を先端部11aで吸着してプリント基板5上に装着するものであり、吸着管11、バックプレート12、ピストンロッド部13及びピストン部14を有している。ここで、ベアチップ1が電子部品である。吸着管11は円筒状をなし、ベアチップ1を先端部11aで吸着可能にされている。バックプレート12は円盤状をなし、吸着管11の上端に吸着管11と同軸に一体として設けられている。このバックプレート12は、光を反射させて吸着管11に吸着されたベアチップ1を照明する役割や、ベアチップ1の背景を形成する役割を果たすものである。なお、吸着管11及びバックプレート12をピストンロッド部13から取り外し可能としてもよい。
【0017】
ピストンロッド部13は横断面形状が矩形をなし、バックプレート12の上端に一体として設けられている。ピストン部14も横断面形状が矩形をなし、ピストンロッド部13の上端に一体として設けられている。ただし、ピストン部14の横断面形状は、ピストンロッド部13の横断面形状より大きくなっている。このピストン部14の上端には、外側に突出する鍔部14aが形成されている。また、ピストン部14の側面からピストン部14、ピストンロッド部13、バックプレート12及び吸着管11の中央部を貫通して負圧通路15が貫設されている。この負圧通路15内を負圧にすることにより、吸着管11の先端部11aでベアチップ1を吸着することができる。
【0018】
ハウジング20は直方体をなし、その上端部がヘッド本体30に固着されている。また、ハウジング20には、上端から下端にかけて横断面形状が矩形をなす第1室21、第2室22、第3室23及び第4室24が連続して設けられている。そして、第1室21はハウジング20の上端に開口を有し、第4室24はハウジング20の下端に開口を有している。
【0019】
第1室21には直方体をなすピエゾ素子31が摺動可能に貫設され、このピエゾ素子31の一部は第2室22に貫入されている。また、ピエゾ素子31の上端はヘッド本体30に固着され、下端はピストン部14の鍔部14aに当接可能にされている。さらに、ピエゾ素子31は、入力回路37と出力回路38とを切換える切換え回路36に電気的に接続されている。ピエゾ素子31が切換え回路36により入力回路37に接続されると、ピエゾ素子31はプリント基板5の電極パッド6に塗布された粘性剤としてのクリーム半田7と、ベアチップ1のバンプ2との当接を検知するセンサとしての役割を果たす。また、ピエゾ素子31が切換え回路36により出力回路38に接続されると、ピエゾ素子31はプリント基板5に対し垂直な振動である縦振動をベアチップ1に付与して、ベアチップ1のバンプ2とプリント基板5の電極パッド6との接合部からクリーム半田7を排除するアクチュエータとしての役割を果たす。なお、クリーム半田7にはフラックスが混入されている。
【0020】
第2室22には、ピストン部14の鍔部14aが摺動可能に収納されるとともに、圧力制御装置33に接続された気体供給路22aがハウジング20の側壁を貫通して開口している。第3室23には、ピストン部14が摺動可能に収納されるとともに、軸受用気体供給装置34に接続された気体供給路23a、負圧供給装置35に接続された負圧供給路23b、圧力制御装置33に接続された気体供給路23cがハウジング20の側壁を貫通して開口している。また、第3室23の内周面には、ピストン部14を囲んで4個の多孔質材からなる静圧軸受32が配設されている。第4室24には、ピストンロッド部13が摺動可能に貫設され、第4室24の内周面にはピストンロッド部13を囲んで4個の多孔質材からなる静圧軸受32が配設されている。気体供給路23aに軸受用気体供給装置34からエアが供給されると、静圧軸受32の働きにより、ピストンロッド部13及びピストン部14は第3室23及び第4室24の内周面と接触することなく支持される。また、負圧供給路23bは負圧通路15と連通しており、負圧供給路23bが負圧供給装置35により負圧にされると、吸着管11の先端部11aでベアチップ1を吸着することができる。さらに、気体供給路22aに圧力制御装置33からエアが供給されると、鍔部14aが下方に押圧され、吸着ノズル10が下降する。また、気体供給路23cに圧力制御装置33からエアが供給されると、ピストン部14が上方に押圧され、吸着ノズル10が上昇する。
【0021】
次に、この電子部品装着ヘッドを用いた電子部品装着方法を図2により説明する。図示しない制御装置により、プリント基板5へのベアチップ1の装着が指令されると、ステップS1においてプリント基板5の電極パッド6にクリーム半田7が印刷により塗布される。そして、プリント基板5が所定の位置にクランプされる。また、これと並行して、吸着ノズル10にベアチップ1が吸着され、プリント基板5の上方である装着位置に移動させられる。こうして、図1に示す状態になる。そして、切換え回路36が入力回路37に切換えられ、ピエゾ素子31が入力回路37に接続されるとともに、軸受用気体供給装置34及び圧力制御装置33から気体供給路23a、23cにエアが供給される。これにより、ピストンロッド部13及びピストン部14は第3室23及び第4室24の内周面と接触することなく支持されるとともに、吸着ノズル10が上方に押し上げられ、図5に示すように、ピエゾ素子31に圧力P0が加えられる(ピエゾ素子31により圧力P0が検出される)。ここで、図5は時刻tとピエゾ素子31が検出する圧力Pとの関係を示している。このように、吸着ノズル10を上方に押し上げて、ピエゾ素子31に圧力P0を加えるのは、吸着ノズル10とピエゾ素子31とのバックラッシュを除去して、吸着ノズル10下降動作中におけるガタによる振動外乱を抑制するためである。これにより、ベアチップ1の吸着姿勢を安定させ、落下を防止することができるとともに、ピエゾ素子31のセンサとしての検出精度を向上させることができる。ステップS1が粘着剤塗布工程である。
【0022】
ステップS2においては、図示しないモータにより電子部品装着ヘッドを下降させ、図3(A)に示すように、吸着ノズル10を下降させる。図4に示すように、時刻t1までは次第に吸着ノズル10の下降速度Vを増加させ、時刻t1から時刻t2までは次第に吸着ノズル10の下降速度Vを減少させる。ここで、図4は時刻tと電子部品装着ヘッドの昇降速度Vとの関係を示している。なお、制御装置によりベアチップ1の形状等から計算されたデータに基づいて時刻t1、t2が計算され、この時刻t1、t2によりモータによる電子部品装着ヘッドの制御が行われる。ステップS2が吸着ノズル下降工程である。
【0023】
ステップS3においては、プリント基板5の電極パッド6に塗布されたクリーム半田7とベアチップ1のバンプ2との当接を検知する。ピエゾ素子31から入力回路37に入力される圧力Pが閾値以上である場合(YES)、図3(B)に示すように、クリーム半田7とバンプ2とが当接したと判断して、ステップS4に進む。また、ピエゾ素子31から入力回路37に入力される圧力Pが閾値より小さい場合(NO)、ステップS3を繰り返し実行する。図5に示すように、時刻t2においてピエゾ素子31により圧力P1が検出され、これによりクリーム半田7とバンプ2とが当接したことが検知される。なお、図4に示すように、時刻t2から吸着ノズル10の下降速度Vが一定にされる。ステップS3が当接検知工程である。
【0024】
ステップS4においては、ベアチップ1にプリント基板5に対し垂直な振動である縦振動が与えられる。すなわち、切換え回路36が出力回路38に切換えられ、ピエゾ素子31が出力回路38に接続される。これにより、図6に示すように、時刻t3から所定の周期でピエゾ素子31から吸着ノズル10に圧力P2が加えられ、ベアチップ1に縦振動が与えられる。こうして、図3(C)に示すように、ベアチップ1のバンプ2とプリント基板5の電極パッド6との接合部からクリーム半田7が排除される。ここで、図6は時刻tとピエゾ素子31から吸着ノズル10に加えられる圧力Pとの関係を示している。このステップS4が振動付与工程である。
【0025】
ステップS5においては、プリント基板5の電極パッド6とベアチップ1のバンプ2とが当接するまで待つ。プリント基板5の電極パッド6とベアチップ1のバンプ2とが当接した後(YES)、ステップS6に進む。ただし、プリント基板5の電極パッド6とベアチップ1のバンプ2との当接は、制御装置によりベアチップ1の形状等から計算されたデータに基づいて判断される。すなわち、制御装置によりベアチップ1の形状等から計算されたデータに基づいて時刻t4が計算され、時刻t4に達した場合にプリント基板5の電極パッド6とベアチップ1のバンプ2とが当接したと判断される。
【0026】
ステップS6においては、プリント基板5とベアチップ1との位置決め処理を行う。図4に示すように、時刻t4においてモータが停止され、電子部品装着ヘッドの下降が停止される。また、図6に示すように、時刻t4においてピエゾ素子31に所定周期で加えられていた圧力P2が停止され、ベアチップ1に加えられていた縦振動が停止される。さらに、図7に示すように、時刻t4から時刻t5までの間、圧力制御装置33から気体供給路23cへのエア供給が停止されるとともに、気体供給路22aにエアが供給され、吸着ノズル10に荷重Fが加えられる。これにより、ベアチップ1に荷重Fが加えられて、ベアチップ1がプリント基板5に押圧されることにより、プリント基板5とベアチップ1との位置決めが確実に行われる。ただし、圧力制御装置33から気体供給路22aにエアを供給する代わりに、ヘッド本体30に接続されたエアシリンダを駆動することにより電子部品装着ヘッドを押し下げて吸着ノズル10に荷重Fを加えてもよい。また、図4に示すように、時刻t5からモータにより電子部品装着ヘッドを上昇させるとともに、プリント基板5のクランプが解除されて所定の位置から排出される。なお、制御装置によりベアチップ1の形状等から計算されたデータに基づいて時刻t4、t5が計算される。ここで、図7は、時刻tと吸着ノズル10に加えられる荷重Fとの関係を示す図である。
【0027】
ステップS7においては、クリーム半田7を溶融、固化させて、ベアチップ1のバンプ2とプリント基板5の電極パッド6とを接合させる。ステップS7が接合工程である。
【0028】
実施形態1の電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法においては、吸着ノズル10とヘッド本体30との間には、プリント基板5に塗布されたクリーム半田7とベアチップ1との当接を検知するとともに、プリント基板5に対し垂直な振動をベアチップ1に付与してベアチップ1とプリント基板5との接合部からクリーム半田7を排除するピエゾ素子31を備えている。そして、当接検知工程S3において、ピエゾ素子31によりクリーム半田7とベアチップ1との当接を検知し、振動付与工程S4において、ピエゾ素子31によりプリント基板5に対し垂直な振動をベアチップ1に付与してベアチップ1とプリント基板5との接合部からクリーム半田7を排除している。そのため、ベアチップ1とプリント基板5との接合部からクリーム半田7を排除でき、ベアチップ1とプリント基板5との接合部がずれるのを防止することができる。したがって、この電子部品装着ヘッドによれば、安定して、かつ短時間でベアチップ1をプリント基板5に位置決めすることができる。
【0029】
実施形態2の電子部品装着ヘッドは、図8に示すように、吸着ノズル10、ハウジング40、ヘッド本体30及びピエゾ素子31を備えている。ただし、図1に示す実施形態1の電子部品装着ヘッドと同一の構成については同一の符号を用いることとし、その説明を省略する。
【0030】
ハウジング40は直方体をなし、その上端部がヘッド本体30に固着されている。また、ハウジング40には、上端から下端にかけて横断面形状が矩形をなす第1室41、第2室42、第3室43及び第4室44が連続して設けられている。そして、第1室41はハウジング40の上端に開口を有し、第4室44はハウジング40の下端に開口を有している。
【0031】
第1室41には直方体をなすピエゾ素子31が摺動可能に貫設され、このピエゾ素子31の一部は第2室42に貫入されている。また、ピエゾ素子31の上端はヘッド本体30に固着され、下端はピストン部14の鍔部14aに固着されている。さらに、ピエゾ素子31は、入力回路37と出力回路38とを切換える切換え回路36に電気的に接続されている。ピエゾ素子31が切換え回路36により入力回路37に接続されると、ピエゾ素子31はプリント基板5の電極パッド6間に塗布された粘性剤としての封止剤8と、ベアチップ1との当接を検知するセンサとしての役割を果たす。また、ピエゾ素子31が切換え回路36により出力回路38に接続されると、ピエゾ素子31はプリント基板5に対し垂直な振動である縦振動をベアチップ1に付与して、ベアチップ1のバンプ2とプリント基板5の電極パッド6との接合部から封止剤8を排除するアクチュエータとしての役割を果たす。
【0032】
第2室42には、ピストン部14の鍔部14aが摺動可能に収納されている。第3室43には、ピストン部14が摺動可能に収納されるとともに、軸受用気体供給装置34に接続された気体供給路43a、負圧供給装置35に接続された負圧供給路43bがハウジング40の側壁を貫通して開口している。また、第3室43の内周面には、ピストン部14を囲んで4個の多孔質材からなる静圧軸受32が配設されている。第4室44には、ピストンロッド部13が摺動可能に貫設され、第4室44の内周面にはピストンロッド部13を囲んで4個の多孔質材からなる静圧軸受32が配設されている。気体供給路43aに軸受用気体供給装置34からエアが供給されると、静圧軸受32の働きにより、ピストンロッド部13及びピストン部14は第3室43及び第4室44の内周面と接触することなく支持される。また、負圧供給路23bは負圧通路15と連通しており、負圧供給路43bが負圧供給装置35により負圧にされると、吸着管11の先端部11aでベアチップ1を吸着することができる。
【0033】
次に、この電子部品装着ヘッドを用いた電子部品装着方法を図9により説明する。図示しない制御装置により、プリント基板5へのベアチップ1の装着が指令されると、ステップS11においてプリント基板5の電極パッド6間に封止剤8が塗布される。そして、プリント基板5が所定の位置にクランプされる。また、これと並行して、吸着ノズル10にベアチップ1が吸着され、プリント基板5の上方である装着位置に移動させられる。こうして、図8に示す状態になる。そして、切換え回路36が入力回路37に切換えられ、ピエゾ素子31が入力回路37に接続されるとともに、軸受用気体供給装置34から気体供給路43aにエアが供給される。これにより、ピストンロッド部13及びピストン部14は第3室43及び第4室44の内周面と接触することなく支持される。ステップS11が粘着剤塗布工程である。
【0034】
ステップS12においては、図示しないモータにより電子部品装着ヘッドを下降させ、図10(A)、(B)に示すように、吸着ノズル10を下降させる。なお、図10(A)は正面図、図10(B)は側面図である。図11に示すように、時刻t1までは次第に吸着ノズル10の下降速度Vを増加させ、時刻t1から時刻t2までは次第に吸着ノズル10の下降速度Vを減少させる。ここで、図11は時刻tと電子部品装着ヘッドの昇降速度Vとの関係を示している。なお、制御装置によりベアチップ1の形状等から計算されたデータに基づいて時刻t1、t2が計算され、この時刻t1、t2によりモータによる電子部品装着ヘッドの制御が行われる。ステップS12が吸着ノズル下降工程である。
【0035】
ステップS13においては、プリント基板5の電極パッド6間に塗布された封止剤8とベアチップ1との当接を検知する。ピエゾ素子31から入力回路37に入力される圧力Pが閾値以上である場合(YES)、封止剤8とベアチップ1とが当接したと判断して、ステップS14に進む。また、ピエゾ素子31から入力回路37に入力される圧力Pが閾値より小さい場合(NO)、ステップS13を繰り返し実行する。図12に示すように、時刻t2においてピエゾ素子31により圧力P3が検出され、これにより封止剤8とベアチップ1とが当接したことが検知される。ここで、図12は、時刻tとピエゾ素子31が検出する圧力Pとの関係を示している。なお、図11に示すように、時刻t2から吸着ノズル10の下降速度Vが一定にされる。ステップS13が当接検知工程である。
【0036】
ステップS14においては、ベアチップ1にプリント基板5に対し垂直な振動である縦振動が与えられる。すなわち、切換え回路36が出力回路38に切換えられ、ピエゾ素子31が出力回路38に接続される。これにより、図13に示すように、時刻t3から所定の周期でピエゾ素子31から吸着ノズル10に圧力P4が加えられ、ベアチップ1に縦振動が与えられる。こうして、図10(C)に示すように、ベアチップ1のバンプ2とプリント基板5の電極パッド6との接合部から封止剤8が排除される。ここで、図13は時刻tとピエゾ素子31から吸着ノズル10に加えられる圧力Pとの関係を示している。このステップS14が振動付与工程である。
【0037】
ステップS15においては、プリント基板5の電極パッド6とベアチップ1のバンプ2とが当接するまで待つ。プリント基板5の電極パッド6とベアチップ1のバンプ2とが当接した後(YES)、ステップS16に進む。ただし、プリント基板5の電極パッド6とベアチップ1のバンプ2との当接は、制御装置によりベアチップ1の形状等から計算されたデータに基づいて判断される。すなわち、制御装置によりベアチップ1の形状等から計算されたデータに基づいて時刻t4が計算され、時刻t4に達した場合にプリント基板5の電極パッド6とベアチップ1のバンプ2とが当接したと判断される。
【0038】
ステップS16においては、図11に示すように、時刻t4においてモータが停止され、電子部品装着ヘッドの下降が停止される。また、図13に示すように、時刻t4においてピエゾ素子31から吸着ノズル10に所定周期で加えられていた圧力P4が停止されるとともに、ピエゾ素子31から吸着ノズル10に圧力P5が加えられる。そして、ヘッド本体30に接続された図示しないホーン及び振動子により、プリント基板5に対して平行な振動である横方向の超音波振動が吸着ノズル10に加えられる。これにより、ベアチップ1には、圧力P4で電極パッド6に縦方向に押圧された状態で、横方向の超音波振動が付与される。こうして、超音波振動エネルギーにより、ベアチップ1のバンプ2とプリント基板5の電極パッド6との接合部が溶融接合され、ベアチップ1がプリント基板5に接合される。そして、電子部品装着ヘッドが上昇されるとともに、プリント基板5のクランプが解除されて所定の位置から排出される。
【0039】
実施形態2の電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法においては、吸着ノズル10とヘッド本体30との間には、プリント基板5に塗布された封止剤8とベアチップ1との当接を検知するとともに、プリント基板5に対し垂直な振動をベアチップ1に付与してベアチップ1とプリント基板5との接合部から封止剤8を排除するピエゾ素子31を備えている。そして、当接検知工程S13において、ピエゾ素子31により封止剤8とベアチップ1との当接を検知し、振動付与工程S14において、ピエゾ素子31によりプリント基板5に対し垂直な振動をベアチップ1に付与してベアチップ1とプリント基板5との接合部から封止剤8を排除している。そのため、ベアチップ1とプリント基板5との接合部から封止剤8を排除でき、ベアチップ1とプリント基板5との接合部がずれるのを防止することができる。したがって、この電子部品装着ヘッドによれば、安定して、かつ短時間でベアチップ1をプリント基板5に位置決めすることができる。
【0040】
以上、本発明の電子部品装着ヘッド及び電子部品装着方法を実施形態1、2に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施形態1に係り、電子部品吸着ヘッドの断面図。
【図2】実施形態1に係り、電子部品装着方法のフローチャート。
【図3】実施形態1に係り、ベアチップとプリント基板との関係を示す図。
【図4】実施形態1に係り、時刻と電子部品装着ヘッドの昇降速度との関係を示す図。
【図5】実施形態1に係り、時刻とピエゾ素子が検出する圧力との関係を示す図。
【図6】実施形態1に係り、時刻とピエゾ素子により吸着ノズルに加えられる圧力との関係を示す図。
【図7】実施形態1に係り、時刻と吸着ノズルに加えられる荷重との関係を示す図。
【図8】実施形態2に係り、電子部品吸着ヘッドの断面図。
【図9】実施形態2に係り、電子部品装着方法のフローチャート。
【図10】実施形態2に係り、ベアチップとプリント基板との関係を示す図。
【図11】実施形態2に係り、時刻と電子部品装着ヘッドの昇降速度との関係を示す図。
【図12】実施形態2に係り、時刻とピエゾ素子が検出する圧力との関係を示す図。
【図13】実施形態2に係り、時刻とピエゾ素子により吸着ノズルに加えられる圧力との関係を示す図。
【符号の説明】
【0042】
1…電子部品(ベアチップ)、5…プリント基板、7、8…粘着剤(7…クリーム半田、8…封止剤)、10…吸着ノズル、30…ヘッド本体、31…ピエゾ素子、S1、S11…粘着剤塗布工程、S2、S12…吸着ノズル下降工程、S3、S13…当接検知工程、S4、S14…振動付与工程、S7、S16…接合工程。
【出願人】 【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
【出願日】 平成18年9月8日(2006.9.8)
【代理人】 【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩

【識別番号】100130096
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一総


【公開番号】 特開2008−66581(P2008−66581A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−244369(P2006−244369)