| 【発明の名称】 |
パターン形成方法、回路モジュールの製造方法、液滴吐出装置、回路モジュール、及び回路モジュール製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】三浦 弘綱
【氏名】小林 敏之
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| 【要約】 |
【課題】液滴からなるパターンの高密度化を可能にしたパターン形成方法、回路モジュールの製造方法、液滴吐出装置、回路モジュール、及び回路モジュール製造装置を提供する。
【構成】金属インクを液滴Fbにして単位照射領域S1に吐出し、単位照射領域S1に着弾した液滴Fbの領域に、液滴Fbをピニングするためのピニング用レーザL1を吐出面4Gaの略接線方向に沿って照射した。次いで、液滴Fbの領域にピニング用レーザL1よりも高いエネルギーを有して液滴Fbを予備乾燥するための予備乾燥用レーザL2を吐出面4Gaの略法線方向に沿って照射した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パターン形成液の液滴を基板に吐出する液滴吐出工程と、 前記基板に着弾した前記液滴が所定のサイズに濡れ広がる前に、第1レーザを前記基板の略接線方向に沿って照射し、前記液滴の着弾位置に前記液滴を固定する第1レーザ照射工程と、 前記固定した液滴に前記第1レーザよりも高いエネルギーを有した第2レーザを前記基板の略法線方向に沿って照射し、前記液滴を予備乾燥する第2レーザ照射工程と、 を備えたことを特徴とするパターン形成方法。 【請求項2】 金属インクの液滴を基板に吐出する液滴吐出工程と、 前記基板に着弾した前記液滴が所定のサイズに濡れ広がる前に、第1レーザを前記基板の略接線方向に沿って照射し、前記液滴の着弾位置に前記液滴を固定する第1レーザ照射工程と、 前記固定した液滴に前記第1レーザよりも高いエネルギーを有した第2レーザを前記基板の略法線方向に沿って照射し、前記液滴を予備乾燥する第2レーザ照射工程と、 を備えたことを特徴とする回路モジュールの製造方法。 【請求項3】 キャリッジと、 前記キャリッジに対して基板を一方向に相対移動する相対移動手段と、 前記キャリッジに搭載されてパターン形成液の液滴を前記基板に吐出する液滴吐出ヘッドと、 前記キャリッジに搭載され、前記基板に着弾した前記液滴の領域に第1レーザを前記基板の略接線方向に沿って照射し、前記液滴を固定する第1レーザ照射手段と、 前記キャリッジに搭載され、前記固定された液滴の領域に前記第1レーザよりも高いエネルギーを有した第2レーザを前記基板の略法線方向に沿って照射し、前記液滴を予備乾燥する第2レーザ照射手段と、 を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 【請求項4】 請求項3に記載の液滴吐出装置において、 レーザを出射するレーザ光源と、 前記レーザ光源からのレーザを分割する分割手段と、 を備え、 前記第1レーザ照射手段は、前記分割手段の分割した一方のレーザを前記第1レーザとして前記液滴の領域に照射する第1光学系を有し、 前記第2レーザ照射手段は、前記分割手段の分割した他方のレーザを前記第2レーザとして前記固定された液滴の領域に照射する第2光学系を有すること、 を特徴とする液滴吐出装置。 【請求項5】 請求項3又は4に記載の液滴吐出装置において、 前記相対移動手段は、前記基板を往復動するステージであり、 前記第1レーザ照射手段と前記第2レーザ照射手段は、それぞれ前記液滴吐出ヘッドの往動方向と復動方向に配設されること、 を特徴とする液滴吐出装置。 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、 前記キャリッジは、複数の前記液滴吐出ヘッドと、前記複数の液滴吐出ヘッドに対応する複数の前記第2レーザ照射手段と、を搭載し、 前記複数の液滴吐出ヘッドは、前記一方向に沿って所定のピッチ幅で配列され、 前記複数の第2レーザ照射手段の各々は、前記液滴吐出ヘッドの前記ピッチ幅と同じピ ッチ幅で前記一方向に配列されること、 を特徴とする液滴吐出装置。 【請求項7】 請求項6に記載の液滴吐出装置において、 前記複数の第2レーザ照射手段の各々は、前記基板の法線方向から見て、隣接する前記液滴吐出ヘッドの間に配設されること、 を特徴とする液滴吐出装置。 【請求項8】 請求項7に記載の液滴吐出装置において、 前記第2レーザ照射手段の前記一方向の幅は、前記液滴吐出ヘッドの前記一方向の幅よりも小さいこと、 を特徴とする液滴吐出装置。 【請求項9】 請求項3〜8のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、 前記キャリッジは、複数の前記液滴吐出ヘッドを搭載し、 前記複数の液滴吐出ヘッドは、他方向に沿って配列され、 前記第2レーザ照射手段は、前記他方向に沿って隣接した前記液滴吐出ヘッドからの前記液滴に共通する前記第2レーザを照射すること、 を特徴とする液滴吐出装置。 【請求項10】 請求項3〜9のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、 前記液滴吐出ヘッドは、前記基板の接線方向から見て、前記基板と前記第2レーザ照射手段との間に配設されること、 を特徴とする液滴吐出装置。 【請求項11】 請求項3〜10のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、 前記液滴吐出ヘッドは、前記基板の法線方向に延びる流路を備えること、 を特徴とする液滴吐出装置。 【請求項12】 請求項3〜11のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、 前記液滴は、予備乾燥した状態で他の液滴を撥液する界面活性剤を有すること、 を特徴とする液滴吐出装置。 【請求項13】 基板と、前記基板に形成された回路素子と、前記基板に形成されて前記回路素子に電気的に接続された配線と、を備えた回路モジュールにおいて、 前記配線は、請求項3〜12のいずれか1つに記載の液滴吐出装置によって形成されたことを特徴とする回路モジュール。 【請求項14】 キャリッジと、 前記キャリッジに対して基板を一方向に相対移動する相対移動手段と、 前記キャリッジに搭載されて金属インクの液滴を前記基板に吐出する液滴吐出ヘッドと、 前記キャリッジに搭載され、前記基板に着弾した前記液滴の領域に第1レーザを前記基板の略接線方向に沿って照射し、前記液滴を固定する第1レーザ照射手段と、 前記キャリッジに搭載され、前記固定された液滴の領域に前記第1レーザよりも高いエネルギーを有した第2レーザを前記基板の略法線方向に沿って照射し、前記液滴を予備乾燥する第2レーザ照射手段と、 を備えたことを特徴とする回路モジュール製造装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、パターン形成方法、回路モジュールの製造方法、液滴吐出装置、回路モジュール、及び回路モジュール製造装置に関する。 【背景技術】 【0002】 一般的に、回路モジュールの基板には、ガラスセラミックを利用した低温焼成セラミックス多層基板(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics多層基板)が知られてい る。LTCC多層基板は、積層したグリーンシートを900℃以下の低温で焼成できるため、内部配線に銀や金などの低融点金属を使用することができ、内部配線の低抵抗化を図ることができる。 【0003】 多層基板の製造工程では、金属ペーストや金属インクを利用し、積層前の各グリーンシート上に配線パターンを描画する。この描画方法には、金属インクを微小な液滴にして吐出する、いわゆるインクジェット法が利用されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。インクジェット法は、吐出した液滴を接合して配線パターンを描画する。そのため、配線パターンの形状変更に対して迅速に対応することができる。 【特許文献1】特開2003−318542号公報 【特許文献2】特開2005−57139号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上記インクジェット法では、配線パターンを高密度化したり狭ピッチ化したりする場合、着弾直後(例えば、着弾後数十μ秒以内)の液滴に対してその濡れ広がりを抑制する(ピニングする)必要がある。しかしながら、上記インクジェット法では、乾燥炉などを利用して液滴を乾燥させるため、着弾した液滴が乾燥工程の間に濡れ広がってそのサイズを拡大させる。このため、上記インクジェット法では、配線パターンの高密度化や狭ピッチ化に限りがあった。 【0005】 こうした問題は、着弾直後の液滴にレーザを照射して、着弾直後の液滴をピニングさせることで解消できると考えられる。しかし、照射するレーザの強度が強すぎると、着弾した液滴が急峻に昇温されて容易に飛散する。反対に、照射するレーザの強度が弱すぎると、ピニングした液滴の上にさらに液滴を吐出する(重ね打ちする)場合、ピニングした液滴と重ね打ちした液滴が合一して容易に濡れ広がる。 【0006】 本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、液滴からなるパターンの高密度化を可能にしたパターン形成方法、液滴吐出装置、回路モジュール、回路モジュールの製造方法、及び回路モジュール製造装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明のパターン形成方法は、パターン形成液の液滴を基板に吐出する液滴吐出工程と、前記基板に着弾した前記液滴が所定のサイズに濡れ広がる前に、第1レーザを前記基板の略接線方向に沿って照射し、前記液滴の着弾位置に前記液滴を固定する第1レーザ照射工程と、前記固定した液滴に前記第1レーザよりも高いエネルギーを有した第2レーザを前記基板の略法線方向に沿って照射し、前記液滴を予備乾燥する第2レーザ照射工程と、を備えた。 【0008】 本発明のパターン形成方法によれば、異なる強度のレーザを、強度に応じた照射位置、照射方向、照射タイミングの下で液滴の領域に照射させることができる。すなわち、基板の略接線方向に沿う第1レーザによって、液滴の急峻な温度上昇を抑制して液滴の飛散を回避させることができ、かつ、着弾直後の液滴の濡れ広がりを抑制して固定させる(ピニングさせる)ことができる。また、基板の略法線方向に沿う第2レーザによって、ピニングされた液滴を予備乾燥させることができ、該液滴への重ね打ちを許容することができる。したがって、液滴からなるパターンの高密度化を図ることができる。 【0009】 本発明の回路モジュールの製造方法は、金属インクの液滴を基板に吐出する液滴吐出工程と、前記基板に着弾した前記液滴が所定のサイズに濡れ広がる前に、第1レーザを前記基板の略接線方向に沿って照射し、前記液滴の着弾位置に前記液滴を固定する第1レーザ照射工程と、前記固定した液滴に前記第1レーザよりも高いエネルギーを有した第2レーザを前記基板の略法線方向に沿って照射し、前記液滴を予備乾燥する第2レーザ照射工程と、を備えた。 【0010】 本発明の回路モジュールの製造方法によれば、液滴によって形成するパターンの高密度化を図ることができる。 【0011】 本発明の液滴吐出装置は、キャリッジと、前記キャリッジに対して基板を一方向に相対移動する相対移動手段と、前記キャリッジに搭載されてパターン形成液の液滴を前記基板に吐出する液滴吐出ヘッドと、前記キャリッジに搭載され、前記基板に着弾した前記液滴の領域に第1レーザを前記基板の略接線方向に沿って照射し、前記液滴を固定する第1レーザ照射手段と、前記キャリッジに搭載され、前記固定された液滴の領域に前記第1レーザよりも高いエネルギーを有した第2レーザを前記基板の略法線方向に沿って照射し、前記液滴を予備乾燥する第2レーザ照射手段と、を備えた。 【0012】 本発明の液滴吐出装置によれば、第1レーザ照射手段と第2レーザ照射手段は、それぞれ異なる強度のレーザを、強度に応じた照射位置、照射方向、照射タイミングの下で液滴の領域に照射する。すなわち、第1レーザ照射手段は、基板の略接線方向に沿う第1レーザによって、液滴の急峻な温度上昇を抑制して液滴の飛散を回避させることができ、かつ、着弾直後の液滴の濡れ広がりを抑制して固定させる(ピニングさせる)ことができる。また、第2レーザ照射手段は、基板の略法線方向に沿う第2レーザによって、ピニングされた液滴を予備乾燥させることができ、該液滴への重ね打ちを許容することできる。したがって、液滴からなるパターンの高密度化を図ることができる。 【0013】 この液滴吐出装置において、レーザを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源からのレーザを分割する分割手段と、を備え、前記第1レーザ照射手段は、前記分割手段の分割した一方のレーザを前記第1レーザとして前記液滴の領域に照射する第1光学系を有し、前記第2レーザ照射手段は、前記分割手段の分割した他方のレーザを前記第2レーザとして前記固定された液滴の領域に照射する第2光学系を有する構成であってもよい。 【0014】 この液滴吐出装置によれば、共通するレーザ光源によって、第1レーザと第2レーザの双方を照射することができる。したがって、レーザ光源の数量を削減することができ、液滴吐出装置の小型化・低コスト化を図ることができる。 【0015】 この液滴吐出装置において、前記相対移動手段は、前記基板を往復動するステージであり、前記第1レーザ照射手段と前記第2レーザ照射手段は、それぞれ前記液滴吐出ヘッドの往動方向と復動方向に配設される構成が好ましい。 【0016】 この液滴吐出装置によれば、基板に着弾した液滴は、少なくとも液滴吐出ヘッドの往動 方向と復動方向のいずれか一方で、第1レーザと第2レーザを照射させる。したがって、ステージの往復動に関わらず、液滴からなるパターンの高密度化を図ることができる。 【0017】 この液滴吐出装置において、前記キャリッジは、複数の前記液滴吐出ヘッドと、前記複数の液滴吐出ヘッドに対応する複数の前記第2レーザ照射手段と、を搭載し、前記複数の液滴吐出ヘッドは、前記一方向に沿って所定のピッチ幅で配列され、前記複数の第2レーザ照射手段の各々は、前記液滴吐出ヘッドの前記ピッチ幅と同じピッチ幅で前記一方向に配列される構成であってもよい。 【0018】 この液滴吐出装置によれば、各液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに対応する第2レーザ照射手段と、の間の距離が、一方向で一定に保たれる。そのため、複数の液滴吐出ヘッドの各々から吐出された液滴が、それぞれ着弾時からの経過時間を同じくして対応する第2レーザを受ける。したがって、各液滴の予備乾燥状態を同じにさせることができ、高密度化したパターンの均一性を確保させることができる。 【0019】 この液滴吐出装置において、前記複数の第2レーザ照射手段の各々は、前記基板の法線方向から見て、隣接する前記液滴吐出ヘッドの間に配設される構成が好ましい。 【0020】 この液滴吐出装置によれば、第2レーザが、隣接する液滴吐出ヘッドの間の領域から照射される。したがって、第2レーザの照射間隔を短縮させることができ、ピニングされた液滴の待機時間を短縮させることができる。よって、着弾した液滴を、ピニングされた状態で、より確実に乾燥させることができる。 【0021】 この液滴吐出装置において、前記第2レーザ照射手段の前記一方向の幅は、前記液滴吐出ヘッドの前記一方向の幅よりも小さい構成が好ましい。 【0022】 この液滴吐出装置によれば、複数の液滴吐出ヘッドを一方向で近接させることができる。したがって、液滴吐出ヘッドの配列の自由度を縮小させることなく、第2レーザ照射手段を配列させることができる。 【0023】 この液滴吐出装置において、前記キャリッジは、複数の前記液滴吐出ヘッドを搭載し、前記複数の液滴吐出ヘッドは、他方向に沿って配列され、前記第2レーザ照射手段は、前記他方向に沿って隣接した前記液滴吐出ヘッドからの前記液滴に共通する前記第2レーザを照射する構成が好ましい。 【0024】 この液滴吐出装置によれば、他方向に隣接した液滴吐出ヘッドが、第2レーザ照射手段を共通にする。したがって、第2レーザ照射手段の数量を低減させることができ、より単純な構成でパターンの高密度化を容易にさせることができる。 【0025】 この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドは、前記基板の接線方向から見て、前記基板と前記第2レーザ照射手段との間に配設される構成が好ましい。 【0026】 この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ヘッドと第2レーザ照射手段を、基板の法線方向で離間させることができる。したがって、液滴吐出ヘッドと第2レーザ照射手段を離間させる分だけ、液滴吐出ヘッドと第2レーザ照射手段について、設計の自由度を拡張させることができる。 【0027】 この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドは、前記基板の法線方向に延びる流路を有した構成が好ましい。 【0028】 この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ヘッドの流路が、第2レーザと平行に配設される。したがって、第2レーザと流路との間の干渉を、より確実に回避させることができる。 【0029】 この液滴吐出装置において、前記液滴は、予備乾燥した状態で他の液滴を撥液する界面活性剤を有する構成が好ましい。 【0030】 この液滴吐出装置によれば、予備乾燥した状態の液滴が、重ね打ちされた液滴の濡れ広がりを抑制させる。したがって、高密度化したパターンの厚膜化を容易にさせることができる。 【0031】 本発明の回路モジュールは、基板と、前記基板に形成された回路素子と、前記基板に形成されて前記回路素子に電気的に接続された配線と、を備えた回路モジュールにおいて、前記配線が、上記液滴吐出装置によって形成された。 【0032】 本発明の回路モジュールによれば、高密度の配線を有した回路モジュールを提供することができる。 【0033】 本発明の回路モジュール製造装置は、キャリッジと、前記キャリッジに対して基板を一方向に相対移動する相対移動手段と、前記キャリッジに搭載されてパターン形成液の液滴を前記基板に吐出する液滴吐出ヘッドと、前記キャリッジに搭載され、前記基板に着弾した前記液滴の領域に第1レーザを前記基板の略接線方向に沿って照射し、前記液滴を固定する第1レーザ照射手段と、前記キャリッジに搭載され、前記固定された液滴の領域に前記第1レーザよりも高いエネルギーを有した第2レーザを前記基板の略法線方向に沿って照射し、前記液滴を予備乾燥する第2レーザ照射手段と、を備えた。 【0034】 本発明の回路モジュール製造装置によれば、高密度のパターンを有した回路モジュールを製造することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0035】 (第一実施形態) 以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1〜図7に従って説明する。まず、本発明の回路モジュール1について説明する。 【0036】 図1において、回路モジュール1には、板状に形成されたLTCC多層基板2と、そのLTCC多層基板2の上側に、ワイヤーボンディング接続された半導体チップ3と、が備えられている。 【0037】 LTCC多層基板2は、シート状に形成された複数のLTCC基板4の積層体である。各LTCC基板4は、それぞれガラスセラミック系材料(例えば、ホウケイ酸アルカリ酸化物などのガラス成分とアルミナなどのセラミック成分の混合物)の焼結体であって、その厚みが数百μmで形成されている。 【0038】 各LTCC基板4には、抵抗素子、容量素子、コイル素子などの各種の回路素子5と、各回路素子5を電気的に接続する内部配線6と、スタックビア構造、サーマルビア構造を呈する所定の孔径(例えば、20μm)を有した複数のビアホール7と、該ビアホール7に充填されたビア配線8と、が形成されている。 【0039】 各内部配線6(図1のグラデーションを付した領域)は、それぞれ銀や銀合金などの金属微粒子の焼結体であって、本発明の液滴吐出装置を利用したパターン形成方法によって形成される。なお、LTCC基板4上の位置であって、各内部配線6の形成される位置を 、目標形成位置とする。 【0040】 次に、上記LTCC多層基板2を製造するための液滴吐出装置10について図2〜図7に従って説明する。図2は、液滴吐出装置10を説明する全体斜視図である。図3〜図6は、液滴吐出ヘッド20を説明するための図である。 【0041】 図2において、液滴吐出装置10は、直方体形状に形成された基台11を有している。基台11の上面には、その長手方向(Y矢印方向)に沿って延びる一対の案内溝12が形成されている。案内溝12の上方には、案内溝12に沿ってY矢印方向及び反Y矢印方向に移動する相対移動手段としてのステージ13が備えられている。ステージ13の上面には、載置部14が形成されて、焼成前のLTCC基板4(以下、単にグリーンシート4Gという。)を載置する。載置部14は、載置された状態のグリーンシート4Gをステージ13に対して位置決め固定して、グリーンシート4GをY矢印方向(往動方向)及び反Y矢印方向(復動方向)に搬送する。 【0042】 グリーンシート4Gは、400nm〜1200nm(可視領域又は近赤外領域:以下単に、選択波長という。)のレーザに対して高い反射率を有する。グリーンシート4Gは、選択波長のレーザを受けるとき、レーザの殆どを反射して自身の温度上昇を抑制する。 【0043】 基台11には、その往動方向と直交する方向(X矢印方向)に跨ぐ門型のガイド部材15が架設されている。ガイド部材15の上側には、X矢印方向に延びるインクタンク16が配設されている。インクタンク16は、パターン形成液としての金属インクFを貯留して、貯留する金属インクFを液滴吐出手段としての液滴吐出ヘッド(以下単に、吐出ヘッドという。)20に所定の圧力で供給する。 【0044】 金属インクFは、選択波長のレーザに対して高い吸収率を有したインクである。金属インクFには、例えば粒径が数nm〜数十nmの金属微粒子(Au、Ag、Ni、Mnなどの微粒子)を水系溶媒に分散させた水系金属インクを用いることができる。 【0045】 金属インクFは、乾燥した状態で金属インクFに対する撥液性を発現する界面活性剤を含んでいる。すなわち、乾燥した金属インクFは、重ね打ちされた金属インクFを撥液し、重ね打ちされた金属インクFの濡れ広がりを抑制する。界面活性剤には、アセチレングリコール系界面活性剤(例えば、エアー.プロダクツ.アンド.ケミカルス.インコーポレーテッド社製のサーフィノール104PG(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(サーフィノール:登録商標))を用いることができる。 【0046】 金属インクFは、選択波長のレーザを所定の強度で受けるとき、急峻な温度上昇を来たすことなくレーザのエネルギーを金属インクFの熱エネルギーに変換し、溶媒あるいは分散媒の一部を蒸発させてその表面の外縁を増粘させる。外縁の増粘した金属インクFは、グリーンシート4Gの面方向に沿う自身の濡れ広がりを停止する(ピニングする)。ピニングされた状態の金属インクFは、金属インクFの飛散を回避させるために十分弱い強度のレーザを受ける一方、重ね打ちされた金属インクFと容易に合一して、ピニングされた領域から溢れて濡れ広がる。 【0047】 本実施形態では、金属インクFをピニングするためのレーザの強度を、ピニング強度(例えば、50mW/mm2)とする。 【0048】 金属インクFは、選択波長のレーザをピニング強度よりも強い強度で受けるとき、レーザのエネルギーを効果的に吸収して熱エネルギーに変換し、溶媒あるいは分散媒の一部を蒸発させて予備的に乾燥する(予備乾燥する)。予備乾燥された状態の金属インクFは、 重ね打ちされた金属インクFがピニングされた領域から漏れ出すまでの時間を十分に長くする(自然乾燥を含めた乾燥時間よりも長くする)。 【0049】 本実施形態では、金属インクFを予備乾燥するためのレーザの強度を、予備乾燥強度(例えば、150mW/mm2)とする。 【0050】 ガイド部材15には、そのX矢印方向略全幅にわたって、X矢印方向に延びる上下一対のガイドレール18が形成されている。上下一対のガイドレール18には、X矢印方向から見てコ字状を呈するキャリッジ19が取り付けられている。キャリッジ19は、ガイドレール18に案内されてX矢印方向及び反X矢印方向に移動する。 【0051】 キャリッジ19の底片19aには、上下方向に貫通してX矢印方向に延びる一対の矩形孔(照射孔19h)が形成されている。キャリッジ19の底片19aであって、一対の照射孔19hの間の位置には、4つの液滴吐出ヘッド(以下単に、吐出ヘッドという。)20が配設されている。また、キャリッジ19の底片19aであって、そのY矢印方向両側端には、それぞれ第1レーザ照射手段としての一対のピニング用レーザヘッドPLが配設されている。さらにまた、キャリッジ19の上片19bであって、一対の照射孔19hと相対向する位置には、それぞれ第2レーザ照射手段としての一対の予備乾燥用レーザヘッドDLが配設されている。 【0052】 図3は、各吐出ヘッド20をグリーンシート4G側(下側)から見た図であって、各吐出ヘッド20の配置位置を説明するための図であり、図4は、吐出ヘッド20の内部を説明するための要部断面図である。 【0053】 図3及び図4において、各吐出ヘッド20の下側には、それぞれノズルプレート21が備えられている。ノズルプレート21の一側面であって、グリーンシート4Gと相対向する側面には、グリーンシート4Gと略平行のノズル形成面21aが形成されている。ノズルプレート21は、グリーンシート4Gが吐出ヘッド20の直下に位置するとき、ノズル形成面21aとグリーンシート4Gとの間の距離(プラテンギャップ)を所定の距離(例えば、600μm)に保持する。 【0054】 図3において、各ノズルプレート21には、それぞれX矢印方向に沿って配列された複数のノズルNからなる一対のノズル列NLが形成されている。各ノズル列NLには、それぞれ1インチ当たりに180個のノズルNが形成されている。なお、図4では、説明の都合上、一列当りに10個のノズルNのみを記載している。 【0055】 一対のノズル列NLでは、Y矢印方向(往動方向)から見て、一方のノズル列NLの各ノズルNが、他方のノズル列NLの各ノズルNの間を補間する。すなわち、各吐出ヘッド20は、それぞれ往動方向から見て、1インチ当りに180個×2=360個のノズルNを有する(最大解像度が360dpiである)。 【0056】 また、往動方向に併設された一対の吐出ヘッド20(吐出ヘッド対20P)では、往動方向から見て、一方の吐出ヘッド20の各ノズルNが、他方の吐出ヘッド20の各ノズルの間を補間する。すなわち、各吐出ヘッド対20Pは、往動方向から見て、1インチ当りに360個×2=720個のノズルNを有する。これによって、液滴吐出装置10は、その最大解像度が720dpiになるように構成される。 【0057】 本実施形態では、グリーンシート4G上の領域であって、吐出ヘッド対20Pの各ノズルNと対向する位置で囲まれる領域を、単位照射領域S1とする。 【0058】 図4において、吐出ヘッド20の上側には、流路としての供給チューブ20Tが連結されている。供給チューブ20Tは、鉛直方向上側に延びるように配設されて、インクタンク16からの金属インクFを吐出ヘッド20の内方に供給する。 【0059】 ノズルNの上側には、供給チューブ20Tに連通するキャビティ22が形成されている。キャビティ22は、供給チューブ20Tからの金属インクFを収容して、対応するノズルNに金属インクFを供給する。キャビティ22の上側には、上下方向に振動してキャビティ22内の容積を拡大及び縮小する振動板23が貼り付けられている。振動板23の上側には、ノズルNに対応する圧電素子PZが配設されている。圧電素子PZは、上下方向に収縮及び伸張して振動板23を上下方向に振動させる。上下方向に振動する振動板23は、金属インクFを所定サイズの液滴Fbにして対応するノズルNから吐出させる。吐出された液滴Fbは、対応するノズルNの反Z矢印方向に飛行して、グリーンシート4Gの上面(吐出面4Ga)に着弾する。 【0060】 図5(a)及び図5(b)は、それぞれ各吐出ヘッド対20Pを下側と反X矢印方向側から見た図であって、吐出ヘッド対20P、ピニング用レーザヘッドPL、予備乾燥用レーザヘッドDLの配置位置を説明するための図である。 【0061】 図5において、各吐出ヘッド対20Pの往動方向と復動方向には、それぞれピニング用レーザヘッドPLが配設されている。各ピニング用レーザヘッドPLは、それぞれ下側から見て、対応する吐出ヘッド対20Pに対して対称に配設されている。各ピニング用レーザヘッドPLは、それぞれ選択波長(例えば、808nm)のレーザを出射するレーザ光源(例えば、半導体レーザ)と、該レーザ光源からのレーザを吐出面4Gaの略接線方向に沿って照射する照射光学系と、を有する。 【0062】 各ピニング用レーザヘッドPLは、それぞれグリーンシート4Gの往復動に応じてレーザを照射する。すなわち、図5に示すように、吐出ヘッド対20Pの往動方向に位置するピニング用レーザヘッドPLは、グリーンシート4Gが往動されるとき、それぞれ対応する吐出ヘッド対20Pの単位照射領域S1に向けてレーザ(第1レーザとしてのピニング用レーザL1:図5の細線)を照射する。反対に、図6に示すように、吐出ヘッド対20Pの復動方向に位置するピニング用レーザヘッドPLは、グリーンシート4Gが復動されるとき、それぞれ対応する吐出ヘッド対20Pの単位照射領域S1に向けてピニング用レーザL1(図6の細線)を照射する。 【0063】 各ピニング用レーザヘッドPLは、それぞれ単位照射領域S1に向けてピニング用レーザL1を照射し、単位照射領域S1の全体にわたってピニング強度のビームスポット(図5(a)のグラデーションを付した領域:ピニングスポット)を形成する。ピニングスポットは、ピニング用レーザL1が吐出面4Gaの略接線方向に沿って照射される分だけ、その強度を均一化させている。 【0064】 単位照射領域S1(ピニングスポット)に着弾する各液滴Fbは、ピニング用レーザL1のエネルギーを金属インクFの熱エネルギーに変換し、溶媒あるいは分散媒の一部を蒸発させて増粘する。すなわち、単位照射領域S1に着弾する液滴Fbは、着弾と略同時に、自身の溶媒あるいは分散媒の一部を瞬時に蒸発させて吐出面4Gaの面方向に沿う濡れ広がりを停止する(ピニングされる)。 【0065】 これによって、各ピニング用レーザヘッドPLは、グリーンシート4Gの往復動に関わらず、常に均一なピニングスポットを単位照射領域S1の全体にわたって形成させることができる。そして、液滴吐出装置10は、着弾した液滴Fbに着弾直後の液滴径を維持させることができ、かつ、着弾した液滴Fbの飛散を確実に回避させることができる。また 、液滴吐出装置10は、グリーンシート4Gに対して高い反射率を有したレーザをピニング用レーザL1に利用するため、グリーンシート4Gの熱的損傷を軽減させることができる。 【0066】 図5において、各吐出ヘッド対20Pと、各吐出ヘッド対20Pに対応するピニング用レーザヘッドPLと、の間には、予備乾燥用レーザヘッドDLが配設されている。各予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ下側から見て、対応する吐出ヘッド対20Pに対して対称に配設されている。各予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ吐出ヘッド対20Pの往動方向上側あるいは復動方向上側に配設されて自身の配置位置や各吐出ヘッド対20Pの配置位置の自由度を二次元方向(吐出面4Ga方向)で確保する。これによって、各予備乾燥用レーザヘッドDLは、吐出ヘッド対20Pや供給チューブ20Tに対する物理的な干渉を回避することができる。 【0067】 各予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ選択波長(例えば、808nm)のレーザを出射するレーザ光源(例えば、半導体レーザ)と、該レーザ光源からのレーザを吐出面4Gaの略法線方向に沿って照射する照射光学系と、を有する。 【0068】 各予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれピニング用レーザヘッドPLと同じく、グリーンシート4Gの往復動に応じてレーザを照射する。すなわち、図5に示すように、吐出ヘッド対20Pの往動方向に位置する予備乾燥用レーザヘッドDLは、グリーンシート4Gが往動されるとき、それぞれ対応する吐出ヘッド対20Pの往動方向側に向けてレーザ(第2レーザとしての予備乾燥用レーザL2:図5の太線)を照射する。反対に、図6に示すように、吐出ヘッド対20Pの復動方向に位置する予備乾燥用レーザヘッドDLは、グリーンシート4Gが復動されるとき、対応する吐出ヘッド対20Pの復動方向側に向けて予備乾燥用レーザL2(図6の太線)を照射する。 【0069】 各予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ対応する単位照射領域S1の往動方向あるいは復動方向に予備乾燥用レーザL2を照射し、対応する単位照射領域S1のX矢印方向略全幅に相対する予備乾燥強度のビームスポット(予備乾燥スポット)を形成する。 【0070】 単位照射領域S1でピニングされた各液滴Fbは、グリーンシート4Gの往動あるいは復動によって予備乾燥スポットを通過する。予備乾燥スポットを通過する各液滴Fbは、予備乾燥用レーザL2のエネルギーを金属インクFの熱エネルギーに変換し、溶媒あるいは分散媒の一部を蒸発させて予備乾燥される。 【0071】 これによって、各予備乾燥用レーザヘッドDLは、グリーンシート4Gの往復動に関わらず、常に同じ強度の乾燥スポットを単位照射領域S1の進行方向側に形成させることができる。そして、液滴吐出装置10は、液滴Fbを飛散させることなく確実に予備乾燥させることができ、液滴Fbの重ね打ちを可能にする。また、液滴吐出装置10は、グリーンシート4Gに対して高い反射率を有したレーザを予備乾燥用レーザL2に利用するため、グリーンシート4Gの熱的損傷を軽減させることができる。 【0072】 次に、上記液滴吐出装置10の電気的構成について図7に従って説明する。 【0073】 図7において、制御装置30は、CPU30A、ROM30B、RAM30Cなどを有している。制御装置30は、格納された各種データ及び各種制御プログラムに従って、ステージ13やキャリッジ19の往復動処理、吐出ヘッド20の液滴吐出処理、ピニング用レーザヘッドPL及び予備乾燥用レーザヘッドDLのレーザ照射処理などを実行する。 【0074】 制御装置30には、各種操作スイッチとディスプレイを有した入出力装置31が接続さ れている。入出力装置31は、液滴吐出装置10が実行する各種処理の処理状況を表示する。入出力装置31は、内部配線6を形成するためのビットマップデータBDを制御装置30に入力する。 【0075】 ビットマップデータBDは、各ビットの値(0あるいは1)に応じて各圧電素子PZのオンあるいはオフを規定したデータである。ビットマップデータBDは、吐出ヘッド20(各ノズルN)の通過する描画平面(吐出面4Ga)上の各位置に、それぞれ液滴Fbを吐出するか否かを規定したデータである。すなわち、ビットマップデータBDは、吐出面4Gaに規定された内部配線6の目標形成位置に液滴Fbを吐出させるためのデータである。 【0076】 制御装置30には、X軸モータ駆動回路32が接続されている。制御装置30は、X軸モータ駆動回路32に対応する駆動制御信号をX軸モータ駆動回路32に出力する。X軸モータ駆動回路32は、制御装置30からの駆動制御信号に応答して、キャリッジ19を移動させるためのX軸モータMXを正転又は逆転させる。 【0077】 制御装置30には、Y軸モータ駆動回路33が接続されている。制御装置30は、Y軸モータ駆動回路33に対応する駆動制御信号をY軸モータ駆動回路33に出力する。Y軸モータ駆動回路33は、制御装置30からの駆動制御信号に応答して、ステージ13を移動させるためのY軸モータMYを正転又は逆転させる。 【0078】 制御装置30には、ヘッド駆動回路34が接続されている。制御装置30は、所定の吐出周波数に同期させた吐出タイミング信号LTをヘッド駆動回路34に出力する。制御装置30は、各圧電素子PZを駆動するための駆動電圧COMを吐出周波数に同期させてヘッド駆動回路34に出力する。制御装置30は、ビットマップデータBDを利用して所定の周波数に同期した吐出制御信号SIを生成し、吐出制御信号SIをヘッド駆動回路34にシリアル転送する。ヘッド駆動回路34は、制御装置30からの吐出制御信号SIを各圧電素子PZに対応させて順次シリアル/パラレル変換する。ヘッド駆動回路34は、制御装置30からの吐出タイミング信号LTを受けるたびに、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIをラッチし、吐出制御信号SIによって選択される圧電素子PZにそれぞれ駆動電圧COMを供給する。 【0079】 制御装置30には、レーザ駆動回路35が接続されている。制御装置30は、レーザ駆動回路35に対応する駆動制御信号をレーザ駆動回路35に出力する。レーザ駆動回路35は、制御装置30からの制御信号に応答して、グリーンシート4Gの往復動に対応したピニング用レーザヘッドPLを駆動制御する。また、レーザ駆動回路35は、制御装置30からの制御信号に応答して、グリーンシート4Gの往復動に対応した予備乾燥用レーザヘッドDLを駆動制御する。 【0080】 次に、上記液滴吐出装置10を利用したLTCC多層基板2の製造方法について説明する。 【0081】 図2に示すように、吐出面4Gaが上側になるようにグリーンシート4Gをステージ13に載置する。このとき、ステージ13は、グリーンシート4Gをキャリッジ19の反Y矢印方向に配置する。この状態から、ビットマップデータBDが入出力装置31から制御装置30に入力される。制御装置30は、入出力装置31からのビットマップデータBDを格納する。 【0082】 次いで、制御装置30は、グリーンシート4Gが往動されるときに各ノズル列NLが内部配線6の目標形成位置上を通過するように、X軸モータ駆動回路32を介してキャリッ ジ19をセットする。制御装置30は、キャリッジ19をセットすると、Y軸モータ駆動回路33を介してグリーンシート4Gの往動を開始する。 【0083】 制御装置30は、グリーンシート4Gの往動を開始すると、レーザ駆動回路35を介して、吐出ヘッド対20Pの往動方向に位置するピニング用レーザヘッドPLを選択駆動してピニング用レーザL1の照射を開始する。また、制御装置30は、グリーンシート4Gの往動を開始すると、吐出ヘッド対20Pの往動方向に位置する予備乾燥用レーザヘッドDLを選択駆動して予備乾燥用レーザL2の照射を開始する。 【0084】 また、制御装置30は、グリーンシート4Gの往動を開始すると、ビットマップデータBDを利用した吐出制御信号SIを生成して、吐出制御信号SIと駆動電圧COMをヘッド駆動回路34に転送する。そして、制御装置30は、内部配線6の目標形成位置がノズル列NLの直下に位置するたびに、ヘッド駆動回路34を介して各圧電素子PZを駆動制御して選択されたノズルNに液滴Fbを吐出させる(液滴吐出工程)。 【0085】 吐出された各液滴Fbは、それぞれ対応する単位照射領域S1、すなわちピニングスポットに着弾してピニング用レーザL1を受ける。ピニング用レーザL1を受けた液滴Fbは、着弾と略同時にピニングされて所望の液滴径で固定される(第1レーザ照射工程)。 【0086】 ピニングされた各液滴Fbは、グリーンシート4Gの往動によって予備乾燥スポットを通過し、予備乾燥用レーザL2を受けて予備乾燥される(第2レーザ照射工程)。 【0087】 以後同様にして、吐出された各液滴Fbに、ピニング用レーザL1と予備乾燥用レーザL2の照射を繰り返して所定サイズの内部配線6を形成する。 【0088】 グリーンシート4Gに内部配線6を形成すると、複数のグリーンシート4Gを積層して一括焼成する。これによって、高密度化された内部配線6を有するLTCC多層基板2を形成することができる。 【0089】 次に、上記のように構成した第一実施形態の効果を以下に記載する。 【0090】 (1)上記第一実施形態によれば、金属インクFを液滴Fbにして単位照射領域S1に吐出し、単位照射領域S1に着弾した液滴Fbの領域に、液滴Fbをピニングするためのピニング用レーザL1を吐出面4Gaの略接線方向に沿って照射した。次いで、液滴Fbの領域にピニング用レーザL1よりも高いエネルギーを有して液滴Fbを予備乾燥するための予備乾燥用レーザL2を吐出面4Gaの略法線方向に沿って照射した。 【0091】 したがって、吐出面4Gaの略接線方向に沿うピニング用レーザL1によって、液滴Fbの急峻な温度上昇を抑制して液滴Fbの飛散を回避させることができ、かつ、着弾直後の液滴Fbの濡れ広がりを抑制して固定させることができる。また、吐出面4Gaの略法線方向に沿う予備乾燥用レーザL2によって、ピニングされた液滴Fbを予備乾燥させることができ、該液滴Fbへの重ね打ちを許容することができる。よって、液滴Fbからなる内部配線6の高密度化を図ることができる。 【0092】 (2)上記第一実施形態によれば、各吐出ヘッド対20Pの往動方向と復動方向に、それぞれピニング用レーザヘッドPL及び予備乾燥用レーザヘッドDLを配設した。そして、ステージ13を往動するとき、各吐出ヘッド対20Pの往動方向に位置するピニング用レーザヘッドPL及び予備乾燥用レーザヘッドDLを選択駆動する。反対に、ステージ13を復動するとき、各吐出ヘッド対20Pの復動方向に位置するピニング用レーザヘッドPL及び予備乾燥用レーザヘッドDLを選択駆動する。 【0093】 したがって、往動する液滴Fbの領域と、復動する液滴Fbの領域に、それぞれ同じタイミングでピニング用レーザL1と予備乾燥用レーザL2を照射することができる。この結果、ステージ13の往復動に関わらず、液滴からなるパターンの高密度化を図ることができる。 【0094】 (3)上記第一実施形態によれば、各予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ吐出ヘッド対20Pの往動方向上側あるいは復動方向上側に配設される。したがって、各予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ自身の配置位置や各吐出ヘッド対20Pの配置位置の自由度を二次元方向(吐出面4Gaの面方向)で確保することができる。よって、各予備乾燥用レーザヘッドDLは、吐出ヘッド対20Pや供給チューブ20Tに対する物理的な干渉を回避することができ、液滴吐出装置10の設計の自由度を拡張させることができる。 【0095】 (4)上記第一実施形態によれば、各吐出ヘッド20は、吐出面4Gaの法線方向に延びる供給チューブ20Tを有して、金属インクFの供給系を予備乾燥用レーザL2と平行にする。したがって、予備乾燥用レーザL2と金属インクFの供給系との間の干渉を、より確実に回避させることができる。 【0096】 (5)上記第一実施形態によれば、液滴Fbは、予備乾燥した状態で他の液滴Fbを撥液する界面活性剤を含む。したがって、予備乾燥した状態の液滴Fbが、重ね打ちされた液滴の濡れ広がりを抑制させことができ、高密度化したパターンの厚膜化を容易にさせることができる。 (第二実施形態) 次に、本発明を具体化した第二実施形態を、図8に従って説明する。尚、第二実施形態では、第一実施形態における予備乾燥用レーザヘッドDLを変更したものであり、その他の点では第一実施形態と同一の構成になっている。そのため以下では、変更点である予備乾燥用レーザヘッドDLについて詳細に説明する。 【0097】 図8において、2つの予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ対応する吐出ヘッド対20Pの往動方向と復動方向に近接して配設されている。2つの予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ対応する単位照射領域S1の往動方向と復動方向の直前に向けて予備乾燥用レーザL2を照射する。 【0098】 2つの吐出ヘッド対20Pの間には、共通する予備乾燥用レーザヘッドDLCが配設されている。共通する予備乾燥用レーザヘッドDLCは、往動方向(あるいは復動方向)から見て、2つの単位照射領域S1のX矢印方向略全幅にわたって予備乾燥用レーザL2を照射する。すなわち、共通する予備乾燥用レーザヘッドDLCは、グリーンシート4Gが往動(あるいは復動)するとき、後続する単位照射領域S1の往動方向側(あるいは復動方向側)の直前に向けて予備乾燥用レーザL2(図8の太線)を照射する。 【0099】 次に、上記のように構成した第二実施形態の効果を以下に記載する。 【0100】 (6)上記第二実施形態によれば、共通する予備乾燥用レーザヘッドDLCが、2つの吐出ヘッド対20Pからの液滴Fbの領域に向けて予備乾燥用レーザL2を照射する。したがって、予備乾燥用レーザヘッドDLの数量を低減させることができ、より単純な構成で内部配線6の高密度化を図ることができる。 【0101】 (7)しかも、共通する予備乾燥用レーザヘッドDLCが、2つの吐出ヘッド対20Pの間から予備乾燥用レーザL2を照射する。したがって、後続する単位照射領域S1の往 動方向(あるいは復動方向)の直前に予備乾燥用レーザL2を照射させることができる。このため、ピニングした液滴Fbの待機時間を短縮させることができ、着弾した各液滴Fbを、より確実にピニングした状態で予備乾燥させることができる。 (第三実施形態) 次に、本発明を具体化した第三実施形態を、図9に従って説明する。尚、第三実施形態では、第一実施形態における予備乾燥用レーザヘッドDLを変更したものであり、その他の点では第一実施形態と同一の構成になっている。そのため以下では、変更点である予備乾燥用レーザヘッドDLについて詳細に説明する。 【0102】 図9において、各吐出ヘッド20の上側には、複数の予備乾燥用レーザヘッドDLが配列されている。各予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ往動方向の幅が吐出ヘッド20の往動方向の幅よりも小さいサイズで形成され、各吐出ヘッド20の往動方向上側と復動方向上側に配置されている。各予備乾燥用レーザヘッドDLは、その往動方向に沿う配列のピッチ幅が吐出ヘッド20の往動方向に沿う配列のピッチ幅と同じサイズで配列されている。 【0103】 すなわち、各予備乾燥用レーザヘッドDLは、それぞれ吐出面4Gaの法線方向から見て、隣り合う吐出ヘッド20の間の領域に配設されて、各吐出ヘッド20の往動方向と復動方向の直前に向けて予備乾燥用レーザL2を照射する。 【0104】 次に、上記のように構成した第三実施形態の効果を以下に記載する。 【0105】 (8)上記第三実施形態によれば、各予備乾燥用レーザヘッドDLが、それぞれ隣り合う吐出ヘッド20の間から予備乾燥用レーザL2を照射する。したがって、各吐出ヘッド20の往動方向(あるいは復動方向)の直前に予備乾燥用レーザL2を照射させることができる。このため、ピニングした液滴Fbの待機時間を、より短縮させることができ、着弾した各液滴Fbを、より確実にピニングされた状態で予備乾燥させることができる。 【0106】 (9)上記第三実施形態によれば、各予備乾燥用レーザヘッドDLは、その往動方向に沿う配列のピッチ幅が吐出ヘッド20の往動方向に沿う配列のピッチ幅と同じサイズで配列される。したがって、各吐出ヘッド20と、該吐出ヘッド20に対応する予備乾燥用レーザヘッドDLと、の間の距離が、往動方向あるいは復動方向で一定に保たれる。このため、各吐出ヘッド20から吐出された液滴Fbが、それぞれ着弾時からの経過時間を同じくして対応する予備乾燥用レーザL2を受ける。この結果、各液滴Fbの予備乾燥状態を同じにさせることができ、高密度化した内部配線6の均一性を確保させることができる。 【0107】 (10)上記第三実施形態によれば、予備乾燥用レーザヘッドDLの往動方向の幅が、吐出ヘッド20の往動方向の幅よりも小さいサイズで形成される。しがたって、各吐出ヘッド20を往動方向で近接させることができ、吐出ヘッド20の配列の自由度を縮小させることなく、予備乾燥用レーザヘッドDLを配列させることができる。 【0108】 尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。 【0109】 ・上記実施形態では、ピニング用レーザヘッドPLと、予備乾燥用レーザヘッドDLと、をそれぞれ異なるレーザ光源で構成した。これに限らず、1つのレーザ光源と、該レーザ光源からのレーザを分割して出力する分割手段(例えば、ビームスプリッタやハーフミラーなど)と、分割した一方のレーザをピニング用レーザL1のビーム形状に成形するピニング用光学系と、分割した他方のレーザを予備乾燥用レーザL2のビーム形状に成形する予備乾燥用光学系と、を備える構成にしてもよい。そして、1つのレーザ光源からのレーザを分割し、分割した各レーザを、それぞれピニング用レーザL1と予備乾燥用レーザ L2として照射する構成にしてもよい。 【0110】 これによれば、レーザ光源の数量を削減することができ、液滴吐出装置10の小型化・低コスト化を図ることができる。 【0111】 ・さらに、1つの光源からのレーザを偏光して分割する場合、ピニング用レーザL1をp偏光にする構成が好ましい。ピニング用レーザL1は、吐出面4Gaの略接線方向に沿って液滴Fbに入射する。そのため、ピニング用レーザL1をp偏光にすることによって、s偏光で照射する場合に比べて、液滴Fbの表面反射を低減させて吸収効率を向上させることができる。よって、液滴Fbを、より確実にピニングさせることができる。 【0112】 ・また、1つの光源からのレーザを偏光して分割する場合、光源と分割手段との間に液晶電気光学素子を設ける構成が好ましい。液晶電気光学素子は、光源からのレーザの偏光面を回転させてピニング用レーザL1の強度と予備乾燥用レーザL2の強度を規定する。そのため、液晶電気光学素子を駆動制御することによって、ピニング用レーザL1と予備乾燥用レーザL2の強度配分を容易に変更させることができる。 【0113】 ・上記実施形態では、ピニングスポットを単位照射領域S1に形成して、着弾した液滴Fbに着弾直後の液滴径を維持させる構成にした。これに限らず、例えば、ピニングスポットを単位照射領域S1から所定の距離だけ離間させて、着弾した液滴Fbが所定の距離を往動あるいは復動する時間分だけ濡れ広がる構成にしてもよい。すなわち、着弾した液滴Fbが所定のサイズに濡れ広がる前に、該液滴Fbの領域にピニング用レーザL1を照射する構成であればよい。 【0114】 ・上記実施形態では、ピニング用レーザヘッドPLを吐出ヘッド対20Pごとに配設する構成にした。これに限らず、例えば、ピニング用レーザヘッドPLを吐出ヘッド20ごとに配設する構成にしてもよい。さらには、ピニング用レーザヘッドPLをノズル列NLごとに配設する構成にしてもよい。すなわち、着弾した液滴Fbが所定のサイズに濡れ広がる前に、該液滴Fbの領域にピニング用レーザL1を照射する構成であればよい。 【0115】 ・上記実施形態では、基板を、グリーンシート4Gに具体化した。これに限らず、例えは、基板を、ポリイミド基板やガラエポ基板などに具体化してもよい。この際、レーザの選択波長は、ポリイミド基板やガラエポ基板が高い反射率を有する領域に設定される構成が好ましい。 【0116】 ・上記実施形態では、液滴吐出ヘッドを、圧電素子駆動方式の液滴吐出ヘッド20に具体化した。これに限らず、液滴吐出ヘッドを、抵抗加熱方式や静電駆動方式の液滴吐出ヘッドに具体化してもよい。 【0117】 ・上記実施形態では、パターン形成材料を、金属インクFに具体化した。これに限らず、例えば、パターン形成材料を、絶縁膜材料や有機材料の分散した液状体に具体化してもよい。つまり、パターン形成材料は、第1レーザを受けて固定し、第2レーザを受けて乾燥する材料であればよい。 【0118】 ・上記実施形態では、パターンを、LTCC多層基板2の内部配線6に具体化した。これに限らず、パターンを、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、平面状の電子放出素子を備えた電界効果型表示装置(FEDやSEDなど)などに備えられる各種配線に具体化してもよい。つまり、パターンは、乾燥した液滴によって形成される固相のパターンであればよい。 【図面の簡単な説明】 【0119】 【図1】本発明の回路モジュールを示す側断面図。 【図2】同じく、液滴吐出装置を示す斜視図。 【図3】同じく、液滴吐出ヘッドを説明する図。 【図4】同じく、液滴吐出ヘッドを示す側断面図。 【図5】同じく、(a)、(b)ともにレーザヘッドの配置位置を説明する図。 【図6】同じく、(a)、(b)ともにレーザヘッドの配置位置を説明する図。 【図7】同じく、液滴吐出装置の電気的構成を説明する電気ブロック回路図。 【図8】(a)、(b)ともに変更例のレーザヘッドの配置位置を説明する図。 【図9】(a)、(b)ともに変更例のレーザヘッドの配置位置を説明する図。 【符号の説明】 【0120】 F…パターン形成材料としての金属インク、Fb…液滴、L1…第1レーザとしてのピニング用レーザ、L2…第2レーザとしての予備乾燥用レーザ、PL…第1レーザ照射手段としてのピニング用レーザヘッド、DL…第2レーザ照射手段としての予備乾燥用レーザヘッド、1…回路モジュール、4G…基板としてのグリーンシート、5…回路素子、6…パターンとしての内部配線、10…液滴吐出装置、13…相対移動手段としてのステージ、19…キャリッジ、20…液滴吐出ヘッド、20T…流路としての供給チューブ。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月7日(2006.9.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣
【識別番号】100105957 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 誠
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| 【公開番号】 |
特開2008−66526(P2008−66526A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−243069(P2006−243069) |
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