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【発明の名称】 冷却装置およびこれを用いた電子機器
【発明者】 【氏名】笹本 毅

【氏名】永野 純明

【要約】 【課題】電子機器装置内部を送風装置により冷却する際や、ケース内に存在する発熱体を送風装置により冷却する際の騒音を低減させる冷却装置を提供する。

【構成】本発明の冷却装置は、装置内の発熱体の周囲に設けた排出路1と、排出路の一方端に設けた送風手段2とからなり送風手段の空気流により発熱体を冷却するもので、排出路の側面にスリット11を備えた構成にしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内の発熱体の周囲に設けた排出路と、前記排出路の一方端に設けた送風手段とからなり前記送風手段の空気流により前記発熱体を冷却する冷却装置において、
前記排出路の側面にスリットを備えたことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
電子機器装置に設けた送風手段と、前記送風手段に設けた排出路とからなり前記電子機器装置の内部に滞留する空気を装置外部へと排出することにより電子機器装置を冷却する冷却装置において、
前記排出路の側面にスリットを備えたことを特徴とする冷却装置。
【請求項3】
前記スリットの形状は、風が外部に逃げにくくするルーバー形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記排出路を形成する部材を多孔質材としたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項5】
装置内の発熱体の周囲に設けた排出路と、前記排出路の一方端に設けた送風手段とからなり前記送風手段の空気流により前記発熱体を冷却する冷却装置において、
前記排出路の出口に、前記排出路の端部と隙間を設けて空気流を横方向に変える反射板を備えたことを特徴とする冷却装置。
【請求項6】
装置内の発熱体の周囲に設けた排出路と、前記排出路の一方端に設けた送風手段とからなり前記送風手段の空気流により前記発熱体を冷却する冷却装置において、
前記排出路の内部に微小孔を有する仕切り板を長手方向に設けたことを特徴とする冷却装置。
【請求項7】
請求項1から請求項7記載の冷却装置を用いて構成したことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却を必要とする電子機器装置や発熱体の冷却装置に関するもので、とくに冷却装置の低騒音化を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷却装置として、送風装置周辺や送風路を多孔質の吸音材で覆い防音対策を施したものが提案されている。この冷却装置を図9および図10に示す。図9は従来の冷却装置を示す斜視図、図10はその側断面図である。図において、1は多孔質材からなる板部材1aを組み立てた排出路、2は送風装置、3は発熱体である。従来の冷却装置は、送風装置2と発熱体3を多孔質材からなる板部材1aで取り囲んだ排出路1から構成されている。送風装置2により発熱体3に発生した熱を排出している。
この冷却装置の音圧分布による気柱共鳴周波数fは、図10を基にして次の(1)式で表すことができる。
気柱共鳴周波数f=mc/2L ・・・(1)
ただし、m=1,2,3,・・・、c=音速(m/s)、Lは排出路1の長さである。
一方、送風装置2から発生する騒音周波数は、次の(2)式で表すことができる。
騒音周波数F=(送風装置の回転数)×(送風装置の羽枚数)・・・(2)
排出路1内に存在する発熱体3を、送風装置2により排出される空気が冷却する冷却装置において、排出路1の気柱共鳴周波数と送風装置2から発生する騒音周波数が一致した場合、騒音レベルは極大となる。
また、他の従来例として、排出される空気を、装置下部まで導き下向きに排出させるダクトを備えたものもある(例えば、特許文献1参照)。図11は他の従来例を示す冷却装置の断面図である。この冷却装置は、電子機器装置5内に滞留した空気を送風装置2により装置外部に排出している。
【特許文献1】特開平10−56280号公報(第5−6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来の冷却装置は、騒音への対策として、送風装置周辺や送風路を多孔質の吸音材で覆い防音する場合、吸音材の設置のために余分なスペースを確保しなければならない問題があった。また、排出路の気柱共鳴周波数と送風装置から発生する騒音周波数が一致した場合、騒音レベルは極大となり、吸音材では吸音できないというような問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、吸音材設置のための余分なスペースを解消すると共に、排出路の気柱共鳴周波数を多大に変化させ、送風装置の騒音周波数との干渉を回避することができる冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、装置内の発熱体の周囲に設けた排出路と、前記排出路の一方端に設けた送風手段とからなり前記送風手段の空気流により前記発熱体を冷却する冷却装置において、前記排出路の側面にスリットを備えたものである。
また、請求項2に記載の発明は、電子機器装置に設けた送風手段と、前記送風手段に設けた排出路とからなり前記電子機器装置の内部に滞留する空気を装置外部へと排出することにより電子機器装置を冷却する冷却装置において、前記排出路の側面にスリットを備えたものである。
請求項3に記載の発明は、前記スリットの形状を、風が外部に逃げにくくするルーバー形状にしたものである。
請求項4に記載の発明は、前記排出路を形成する部材を多孔質材としたものである。
請求項5に記載の発明は、装置内の発熱体の周囲に設けた排出路と、前記排出路の一方端に設けた送風手段とからなり前記送風手段の空気流により前記発熱体を冷却する冷却装置において、前記排出路の出口に、前記排出路の端部と隙間を設けて空気流を横方向に変える反射板を備えたものである。
請求項6に記載の発明は、装置内の発熱体の周囲に設けた排出路と、前記排出路の一方端に設けた送風手段とからなり前記送風手段の空気流により前記発熱体を冷却する冷却装置において、前記排出路の内部に微小孔を有する仕切り板を長手方向に設けたである。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項7記載の冷却装置を用いて構成した電子機器である。
である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1〜4に記載の発明によると、排出路の側面にスリットを備えたことにより、気柱共鳴周波数は高周波領域に移行するため、送風装置の騒音周波数との干渉を解消することができ、吸音材を設置せずに騒音を低減することができる。
請求項5に記載の発明によると、排出路出口に、排出路に対して垂直に反射板を備えたことにより、音圧分布を変化させることができ、気柱共鳴周波数と送風装置の騒音周波数との干渉を解消することができ、吸音材を設置せずに騒音を低減することができる。
請求項6に記載の発明によると、排出路内部に微小孔を有す仕切り板を備えたことにより、仕切り板と排出路の空間で音を吸収することにより、外部に音を漏らさない、安価な防音構造とすることができ、吸音材を設置せずに騒音を低減することができる。
請求項7に記載の発明によると、安価で低騒音の電子機器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明の実施例1を示す冷却装置の斜視図、図2はその断面図である。図において、11はスリットであり、その他の符号は従来と同じであるため、説明を省略する。
本実施例では排出路1の上面にスリット11を有している。
本発明が従来技術と異なる部分は、排出路1にスリット11を備えた部分である。
【0008】
スリット11を備えたことにより、音圧分布は従来の音圧分布(図10)から変化する。音圧分布の変化により、気柱共鳴周波数は高周波領域に移行するため、送風装置2の騒音周波数との干渉を解消することができる。
【実施例2】
【0009】
図3は本発明の実施例2を示す冷却装置の断面図である。図において、5は電子機器装置、その他の符号は従来と同じである。
本実施例の冷却装置は、電子機器装置5の装置内部に滞留する空気を、送風装置2により排出路1を通路として装置外部へと排出することにより電子機器装置5を冷却するものである。送風装置2により排出される空気の排出路1と、排出路1の側面にスリット11を備えている。
スリット11を備えたことにより、実施例1と同じように音圧分布が従来の音圧分布(図10)から変化し送風装置2の騒音周波数との干渉を解消することができる。
【実施例3】
【0010】
図4は本発明の実施例3を示す冷却装置の断面図である。図において、排出路1のスリット11はルーバー形状となっている。排出路1のスリット11をルーバー形状にすることにより、風が外部に逃げにくくなり、冷却効率を損ねることなく騒音を解消することができる。
【実施例4】
【0011】
図5は本発明の実施例4を示す冷却装置の断面図である。図において、12は多孔質材である。排出路1にスリット11を備えることにより、高周波の風切り音が発生する場合がある。多孔質材12を排出路1のスリット11に空隙を介して被せ、前記風切り音を防音する。これにより、送風装置2の回転数による低周波騒音と、風切り音による高周波騒音を共に低減することができる。
【実施例5】
【0012】
図6は本発明の実施例5を示す冷却装置の斜視図である。図において、13は反射板である。排出路1出口に、排出路1に対して垂直に反射板13を有し、反射板13は排出路1の出口に対して隙間を持ち、空気流が横方向に逃げるようになっている。本実施例の冷却装置の断面図と排出路1の音圧分布を図7に示す。
本発明が従来技術と異なる部分は、排出路1に対して垂直に反射板13を備えた部分である。
【0013】
図7は、図6の側断面図であり、音圧分布を示している。本実施例の音圧分布による気柱共鳴周波数は、次の(3)式で表すことができる。
気柱共鳴周波数f=(2n+1)c/4L ・・・(3)
ただし、n=0,1,2,・・・、 c=音速(m/s)
【0014】
排出路1の気柱共鳴周波数と送風装置2から発生する騒音周波数が一致した場合、騒音レベルは極大となるが、反射板13を備えたことにより、音圧分布は図10に示す従来技術の音圧分布から、図7に示す実施例5の音圧分布に変化する。音圧分布の変化により、気柱共鳴周波数と送風装置2の騒音周波数との干渉を解消することができる。
【実施例6】
【0015】
図8は本発明の実施例6を示す冷却装置の斜視図である。図において、排出路1内部に仕切り板14を有し、前記仕切り板14は微小孔15を有す。
本発明が従来技術と異なる部分は、排出路1内部に微小孔15を有す仕切り板14を備えた部分である。
【0016】
排出路1の気柱共鳴周波数と送風装置2から発生する騒音周波数が一致した場合、騒音レベルは極大となるが、仕切り板14を備えたことにより、仕切り板14の微小孔15がヘルムホルツ共鳴効果により吸音し、仕切り板14と排出路1の空間16で音を吸収することにより、外部に音を漏らさない、安価な防音構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1を示す冷却装置の斜視図
【図2】図1の側断面図
【図3】本発明の実施例2を示す冷却装置の側断面図
【図4】本発明の実施例3を示す冷却装置の側断面図
【図5】本発明の実施例4を示す冷却装置の側断面図
【図6】本発明の実施例5を示す冷却装置の斜視図
【図7】図6の側断面図
【図8】本発明の実施例6を示す冷却装置の斜視図
【図9】従来の冷却装置を示す斜視図
【図10】図9の側断面図
【図11】従来の他の冷却装置を示す断面図
【符号の説明】
【0018】
1 排出路
2 送風装置
2a 空気の流れ
3 発熱体
4 音圧分布
5 電子機器装置
11 スリット
12 多孔質材
13 反射板
14 仕切り板
15 微小孔
16 空間
【出願人】 【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
【出願日】 平成18年9月7日(2006.9.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−66507(P2008−66507A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−242542(P2006−242542)