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【発明の名称】 電子制御装置の冷却装置
【発明者】 【氏名】大谷 幸二

【氏名】相川 洋一

【氏名】義則 直人

【氏名】一橋 秀明

【要約】 【課題】閉鎖型の電子制御装置の冷却装置を、容易且つ低コストに実現する。

【構成】内蔵部品8やプリント基板10による発熱で温度上昇した装置内部の空気を、マイクロファン2で循環させ、この空気を空気冷却フィン6で集熱して、これをヒートパイプ7によって液冷却用冷却体3へ熱移送して、液冷却用冷却体3で冷却する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内にパワーデバイス、各種発熱部品/基板が搭載され、該パワーデバイスを冷却する冷却システムであって該パワーデバイスと接触する液冷却用冷却体と該筐体外部へ繋がる冷却パイプとを備える冷却システムを有する、閉鎖型の電子制御装置の冷却装置であって、
前記筐体内で内部空気を循環させるファンと、
該循環される内部空気から集熱する冷却フィンと、
該冷却フィンと前記液冷却用冷却体とを熱的に接続して、該冷却フィンから前記液冷却用冷却体へ熱移動させる高熱伝導性部材と、
を有することを特徴とする電子制御装置の冷却装置。
【請求項2】
前記冷却フィンは前記ファンの近傍に配置することを特徴とする請求項1記載の電子制御装置の冷却装置。
【請求項3】
前記パワーデバイスは、前記ファンによる循環風が当たらない位置へ配置することを特徴とする請求項1記載の電子制御装置の冷却装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置等の電子制御装置の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子制御装置の冷却方式としては、一般的に、自然空冷、強制空冷、あるいは液冷却方式が知られている。自然空冷は冷却力が小さいという問題があり、強制空冷では空冷ファンの大型化及び騒音問題も挙げられる。
【0003】
液冷却方式に関しては、例えば特許文献1に開示されるような方式等、様々な方式があるが、ポンプ、配管等を要する為、装置が大型化する。
図3(a)〜(c)に、従来の冷却方式の一例を示す。
【0004】
図3(a)には、従来の一般的な自然空冷方式を示す。同図及び図3(b)、(c)において、34a、34bは電子制御装置内に設けられる発熱部品であり、32、35は各々筐体に設けられる排気口、吸気口である。
【0005】
そして、図3(a)においては、自然な空気の流れによって、吸気口35から外部の空気が流入すると共に、発熱部品34a、34b等によって温度上昇した内部空気が、排気口32から排出される。図3(b)に示す一般的な強制空冷方式では、冷却用ファン33を更に設けることによって、強制的な空気の流れを作り出している。
【0006】
図3(c)には、従来の一般的な液冷却方式を示す。図示の例では、発熱部品37を、液冷却システム40によって冷却している。液冷却システム40は、液冷却用冷却体41、冷却パイプ42、ラジエータ43、ファン44等を有する。冷却パイプ42内には冷却水等の冷却液が循環して流れている。冷却パイプ42の一部は液冷却用冷却体41に接続(挿入)している。発熱部品37は、液冷却用冷却体41に接触している。これより、発熱部品37で発生した熱は、液冷却用冷却体41に伝達し、更に冷却パイプ42内の冷却液に伝達して、冷却液によって装置外へ運び出される。冷却液は、ラジエータ43、ファン44によって冷却される。
【0007】
また、特許文献2に記載の従来技術では、周囲雰囲気の影響を受けない、密閉構造になる閉鎖形ケースを採用しつつ、ケース内に組み込んだ主回路部品等を効果的に冷却できるようにしている。
【特許文献1】特開2006−31574号公報
【特許文献2】特開平8−186388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の図3(a)〜(c)の冷却方式は、全てが、外気を装置内部に取り入れ、温度上昇した内部空気を装置外へ排出する方式である(図3(c)でもファンによる排出も行っている)。
【0009】
この為、特に、電子制御装置を複数並べた、所謂“列盤”とした場合、あるいは他の発熱する機器と並べて設置した場合、これらを収納する盤、又は装備室内部の空気温度が上昇する。このことで、室内全体の冷房設備などの検討も必要になるという問題があった。
【0010】
これに対して、上記特許文献2では、密閉構造になる閉鎖形ケースを採用している。しかしながら、この技術では、特殊形状のフィン付きヒートシンクやこれに接続した冷却パイプ等を新たに設ける必要がある。更にプリント回路板で発生する熱の冷却効率がよいとは言い難い。一方、図3(c)に示すような構成で密閉を行えば、当然、発熱部品37以外の部品による発熱で、筐体内の空気温度が上昇し、この熱は筐体に伝わり、結局、筐体表面から周辺への熱放散が生じる。
【0011】
本発明の課題は、液冷却システムを採用した閉鎖型の電子制御装置であって、内部部品等の発熱により温度上昇した装置内部の空気の冷却を、液冷却システムを利用して行うことで容易且つ低コストに実現でき且つ効率的に冷却できるようにし、装置から外部への熱放散を低減でき以って列盤内や装備室内部の空気温度の上昇を抑制し得る電子制御装置の冷却装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による電子制御装置の冷却装置は、筐体内にパワーデバイス、各種発熱部品/基板が搭載され、該パワーデバイスを冷却する冷却システムであって該パワーデバイスと接触する液冷却用冷却体と該筐体外部へ繋がる冷却パイプとを備える冷却システムを有する、閉鎖型の電子制御装置の冷却装置であって、前記筐体内で内部空気を循環させるファンと、該循環される内部空気から集熱する冷却フィンと、該冷却フィンと前記液冷却用冷却体とを熱的に接続して、該冷却フィンから前記液冷却用冷却体へ熱移動させる高熱伝導性部材とを有する。
【0013】
本発明による電子制御装置の冷却装置は上記閉鎖型である。そして、パワーデバイス以外の各種発熱部品/基板による発熱は、ファンと冷却フィンによって集熱して、これを高熱伝導性部材を介して、パワーデバイスを冷却する為の液冷却用冷却体に熱移動させ冷却する。冷却フィンや高熱伝導性部材は、特殊なものではなく、一般的なものを用いればよく、容易且つ低コストに、閉鎖型の電子制御装置内で発生した熱を、外部に移すことができる。
【0014】
また、例えば、前記冷却フィンは、伝熱性能(集熱)を高める為、前記ファンの近傍に配置する。
一方、例えば、前記パワーデバイスは、筐体内への放熱を最少に抑える為に、前記ファンによる循環風が当たらない位置へ配置する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子制御装置の冷却装置等によれば、液冷却システムを採用した閉鎖型の電子制御装置であって、内部部品等の発熱により温度上昇した装置内部の空気の冷却を、液冷却システムを利用して行うことで容易且つ低コストに実現でき且つ効率的に冷却でき、装置から外部への熱放散を低減でき以って列盤内や装備室内部の空気温度の上昇を抑制し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1に、本例の冷却装置を備える電子制御装置の構成例を示す。
図示の電子制御装置は、その筐体1内に、電解コンデンサ等の内蔵部品8、電力用半導体モジュール9、プリント基板10等を有する構成であり、これら部品8〜基板10から発生する熱を冷却するシステムとして、以下の構成を有する。
【0017】
まず、パワーデバイスの一例である電力用半導体モジュール9の発熱に関しては、液冷却用冷却体3、冷却パイプ4(排出口側)、冷却パイプ5(吸入口側)等を備えている。これらの構成自体は、上述した従来の液冷却システム40と同様の構成であり、その一部を示してある。すなわち、液冷却用冷却体3は上記液冷却用冷却体41に相当し、冷却パイプ4、5は上記冷却パイプ42に相当する構成である。更に、図1では省略してあるが、上記ラジエータ43、ファン44等に相当する構成も存在する。尚、電力用半導体モジュール9は上記発熱部品37に相当する構成であり、内蔵部品8とプリント基板10は上記発熱部品34a、34bに相当する構成である。
【0018】
本例の液冷却方式の特徴は、内蔵部品8やプリント基板10による発熱で温度上昇した内部空気の冷却を、上記液冷却用冷却体41等(液冷却システム40)を利用して行うことである。すなわち、図1に示す通り、空気冷却フィン6を設けると共に、この空気冷却フィン6と上記液冷却用冷却体3とを、高熱伝導性部材(例えばヒートパイプ7)によって熱的に接続している。また、伝熱性能を高める目的で、筐体1内での空気の循環を行うマイクロファン2を設けている。尚、高熱伝導性部材は、銅またはアルミ等の高熱伝導材を加工したものであってよい。
【0019】
以上の構成により、内蔵部品8やプリント基板10による発熱で温度上昇した装置内部の空気を、マイクロファン2で循環させ、この空気を空気冷却フィン6で集熱して、これをヒートパイプ7によって液冷却用冷却体3へ熱移送して、液冷却用冷却体3で冷却する。 この様に、電力用半導体モジュール9の冷却用である液冷却用冷却体3を利用して、装置内部の空気を冷却する。
【0020】
ここで、本例の筐体1には従来の図3(a)〜(c)のような穴(吸気口、排気口)は設けられておらず、上記各構成部品は筐体1内に密閉された構成となっている。従って、マイクロファン2は、従来のような筐体1外部への空気の排気に用いるようなものではなく、上記の通り、密閉された筐体1内部で空気を循環させる為に用いられる。本例の構成では、上記の通り、筐体1内で発生する熱は全て液冷却システムを利用して排出される。
【0021】
空気冷却フィン6は、一般に冷却(放熱)フィンと称するものであり、既製品が多種存在し、取り付け等の為に一部加工を施して使用するのが一般的である。本例においても、既製品を一部加工しており、既製品のアルミ板数枚の中央に穴を空け、この穴にヒートパイプ7を通している。
【0022】
また、空気冷却フィン6は、伝熱性能(集熱)を高める為に、図1に示す通りマイクロファン2近傍に設置し、一定の風速を確保することが望ましい。すなわち、空気冷却フィン6による集熱量Qは、以下の(1)式によって算出できるが、以下の(1)式より、集熱量Qを大きくする為には、以下の(1)式におけるAやhを大きくすればよいことになる。そして、Aを大きくする為には、フィン枚数を多くするか、フィン1枚当たりの面積を大きくすればよい。hを大きくする為には、マイクロファン2近傍に空気冷却フィン6を設置すればよい。
集熱量Q=A・h(Ta−Tf) ・・・(1)式
(A;フィン表面積、h;空気の熱伝達率、Ta;空気温度、Tf;フィン温度)
【0023】
上述した様に、本例の空気冷却フィン6は一般的なものであり、特許文献2のような特殊な形状・加工を要するものではない。また、マイクロファン2による筐体1内の空気の循環についても、空気冷却フィン6に特別なダクト等は設けておらず、内蔵部品の最適配置等で空気の循環路を確保すればよい。
【0024】
更に、電力用半導体モジュール9に関しては、その発熱の出来る限り多くを液冷却用冷却体3で熱吸収させること(筐体内への放熱を最少に抑えることで、筐体内空気温度上昇を抑制すること)が望ましいので、電力用半導体モジュール9は、マイクロファン2による循環風が出来るだけ当たらない配置とすることが望ましい。
【0025】
本例のように電子制御装置の構成部品を筐体1内に密閉する構成では、筐体内空気温度上昇を抑制する必要がある。よって、電力用半導体モジュール9表面からの放熱量を最小限にする必要がある。ここで、電力用半導体モジュール9表面からの放熱量Qは、以下の(2)式で表すことができる。
放熱量Q=B・h(Tc−Ta) ・・・(2)式
(B;電力用半導体モジュール表面積、h;空気の熱伝達率、Tc;電力用半導体モジュール表面温度、Ta;空気温度)
【0026】
空気の熱伝達率hは、風速が早くなるほど大きな値となる為、電力用半導体モジュール9の表面には風を当てないで、自然空冷による放熱とした方が、電力用半導体モジュール9表面からの放熱量が少なくなる。従って、筐体1内への放熱量が減り、空気冷却フィン6の冷却能力を増強させなくても済むようになる。
【0027】
以上説明したように、本例の構成によれば、電子制御装置において、まず、この装置を構成する部品を全てその筐体内に密閉するので、温度上昇した内部空気が装置外へ排出されることはない。但し、その熱は、筐体1表面から外部へ放熱される。しかし、内蔵部品やプリント基板等による発熱で温度上昇した内部空気の冷却は、電力用半導体モジュール冷却用の液冷却用冷却体を利用することで実現するので、筐体内空気の冷却の為の冷却装置の大型化を防止できる。内部空気が冷却されることで、筐体表面から筐体外部への熱放散を低減することができる。
【0028】
また、上記特許文献2の技術では、パワーデバイスをはじめとする全ての発熱源を、液冷却装置の特殊形フィン付きヒートシンク一体で冷却していたが、本例の構成では、液冷却を必要とする電力用半導体モジュールの冷却用の液冷却用冷却体を利用して、一般的な冷却フィン、ヒートパイプを追加するだけで、容易且つ低コストに、他の発熱部品が筐体内へ放熱した熱量も、液冷却システムにより外部へ移すことが可能となる。
【0029】
図2に、図1に示す本例の電子制御装置を複数並べて、所謂“列盤”とした場合の斜視図を示す。
特にこの様な列盤として使用する場合には、従来と比較して、電子制御装置の排気口等からの内部空気(熱)放出は無くなり、また筐体表面からの熱放散も低減されるので、これら電子制御装置の筐体1を収納する収納盤20や装備室の温度上昇を抑制することができ、全体の冷房設備等の容量を小さくできる。尚、不図示の上記ラジエータ43、ファン44等に相当する構成は、収納盤20の外、又は装備室外、あるいは建物外等に設けることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本例の冷却装置を備える電子制御装置の構成例である。
【図2】図1に示す本例の電子制御装置を複数並べて、所謂“列盤”とした場合の斜視図である。
【図3】(a)〜(c)は、従来の冷却方式の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1 筐体
2 マイクロファン
3 液冷却用冷却体、
4 冷却パイプ(排出口側)
5 冷却パイプ(吸入口側)
6 空気冷却フィン
7 ヒートパイプ
8 内蔵部品
9 電力用半導体モジュール
10 プリント基板
20 収納盤
【出願人】 【識別番号】591083244
【氏名又は名称】富士電機システムズ株式会社
【出願日】 平成18年9月4日(2006.9.4)
【代理人】 【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之


【公開番号】 特開2008−60515(P2008−60515A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−239104(P2006−239104)