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【発明の名称】 アンテナ装置
【発明者】 【氏名】野呂 順一

【氏名】加藤 隆夫

【要約】 【課題】通常の半田付け作業を行ってもシールドカバーの舌片と同軸ケーブルの外部導体との接続部分で半田がシールドカバーの基面より高く盛り上がることを防止することが可能な半田付け構造を有するアンテナ装置を提供する。

【構成】アンテナ装置1は、電波を受信する受信手段6を有するアンテナ素子2と、アンテナ素子2からの入力を増幅する回路が形成された回路面3aを有する回路基板3と、回路面3aを覆って妨害波を遮蔽し接地されるシールドカバー4と、シールドカバー4の内側に挿入され回路基板3上の回路に駆動電力およびGND電位を供給し回路からの信号を出力する同軸ケーブル5とを備え、シールドカバー4は、基面4aと、同軸ケーブル5に向かって基面4aから延びる舌片4bとを有し、舌片4bの同軸ケーブル側端部が屈折されて形成された接続片4dと同軸ケーブル5の外部導体5bとが半田付けされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を受信する受信手段を有するアンテナ素子と、
前記アンテナ素子からの入力を増幅する回路が形成された回路面を有する回路基板と、
前記回路基板の前記回路面を覆って妨害波を遮蔽し、接地されるシールドカバーと、
前記シールドカバーの内側に挿入され、前記回路基板上の前記回路に駆動電力およびGND電位を供給し、前記回路からの信号を出力する同軸ケーブルとを備え、
前記シールドカバーは、前記回路面に平行に配置される基面と、前記同軸ケーブルに向かって前記基面から延びる舌片とを有し、
前記舌片は、その同軸ケーブル側端部が屈折されて接続片が形成されており、前記接続片と前記同軸ケーブルの外部導体とが半田付けされていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記接続片は、前記舌片が1箇所で屈折されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記接続片は、前記舌片が複数個所で屈折されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
平板状の前記接続片の表裏面のうち、前記同軸ケーブルに対向する面と反対側の面と前記同軸ケーブルの外部導体とが半田付けされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
平板状の前記接続片の表裏面のうち、前記同軸ケーブルに対向する面と前記同軸ケーブルの外部導体とが半田付けされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に係り、特に、GPS(Global Positioning System)や衛星ラジオ用等の電波を受信するために用いられるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
測位システムとして普及している車載用のGPSシステムのアンテナ装置や、米国で実用化されている車載型或いは家庭等での据え付け型の衛星ラジオ等に用いるアンテナ装置としては、例えば図7に例示するようなアンテナ装置が開発されている(例えば特許文献1〜3等参照)。
【0003】
このアンテナ装置100の例では、電波を受信するパッチ型の受信面101を有するアンテナ素子102の背面に回路基板103が貼付されている。回路基板103のアンテナ素子102と反対側の面にはアンテナ素子102からの入力を増幅する図示しない回路が形成されており、その回路が形成された面が略箱状のシールドカバー104により覆われている。
【0004】
このシールドカバー104は金属製であり、外部からの妨害波を遮蔽するようになっている。また、略箱状のシールドカバー104の基面104aはアンテナ素子102の受信面101に平行に配置されるようになっている。なお、図7ではアンテナ素子102の受信面101が実際よりも厚く表されている。
【0005】
シールドカバー104の内側には、同軸ケーブル105が挿入されている。同軸ケーブル105の芯線105aは回路基板103上の回路に半田付けされて接続され、回路に駆動電力を供給するとともにアンテナ素子102で受信され回路で増幅された信号を出力するようになっている。
【0006】
また、シールドカバー104はGNDも兼ねており、シールドカバー104には舌片104bがシールドカバー104の基面104aから同軸ケーブル105側に屈曲されて形成されている。そして、舌片104bが同軸ケーブル105の外部導体105bに対して半田Hにより半田付けされて接続されることで、舌片104bを介してシールドカバー104がGND電位とされ、シールドカバー104を介して回路基板103が接地されるようになっている。
【0007】
従来から、シールドカバー104の舌片104bの構造として種々の構造が提案されている。例えば特許文献1には、図8に示すようにシールドカバー104の基面104aに対して略垂直に屈曲され、その同軸ケーブル側端部が同軸ケーブル105の外部導体105bに沿う円弧状の切り欠きを有する舌片104bが示されている。
【0008】
なお、図8では、図7のアンテナ装置100を天地逆転した場合の回路基板103、シールドカバー104および同軸ケーブル105が示されており、シールドカバー104の舌片104bと同軸ケーブル105の外部導体105bとの半田付けの図示が省略されている。
【0009】
また、特許文献4には、図示を省略するが、同様にシールドカバー104の基面104aから同軸ケーブル105に向かって屈曲されるが、図8に示した舌片104bのように基面104aから略垂直に屈曲されるのではなく斜め方向に屈曲されて形成される舌片が示されている。特許文献4では、この舌片で同軸ケーブルの外部導体を押さ付けるように外部導体に弾性接触させることで、舌片と外部導体とを半田付けすることなく接触させてシールドカバーを接地することが提案されている。
【特許文献1】特開平11−74671号公報
【特許文献2】特開2001−68175号公報
【特許文献3】特開2005−109688号公報
【特許文献4】特開2003−17154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前述した特許文献4に記載されたアンテナ装置における舌片構造では、例えばアンテナ装置が車載用である場合等には車両の振動等の影響で経時的に同軸ケーブルの外部導体に対する舌片の弾性接触の強度が低下して接触不良を生じる可能性がある。また、同軸ケーブルの筒状の外部導体と平板状の舌片と接続部分が点接触であるため、シールドカバーの接地の効率が低下する。
【0011】
その点、特許文献1等に記載されたアンテナ装置では、舌片と同軸ケーブルの外部導体との接続部分を半田付けするため接続不良を生じることがなく、また、接続部分における舌片と外部導体との接続面積を大きくすることができるため、舌片を介したシールドカバーの接地効率が十分に確保される。
【0012】
しかし、図7や図8に示した舌片104bでは、同軸ケーブル105の外部導体105bへの半田付けの際に接続部分の半田Hがシールドカバー104の基面104aより高く盛り上がってしまう場合がある。このように半田Hが盛り上がった状態のアンテナ装置100を例えばボトムカバー106を介して水平面上に設置した場合、図9に示すようにアンテナ素子102の受信面101が図中1点鎖線で示される水平面に対して傾くため、アンテナの指向性が悪化し、電波の受信効率が低下する。また、アンテナ装置100の組立精度も低下する。
【0013】
また、前述した高周波信号を受信し増幅するGPSシステムや衛星ラジオ等のアンテナ装置では、回路基板の接地効率の向上が緊要の課題とされており、例えばボトムカバー106を金属製とし、ボトムカバー106とシールドカバー104の基面104aとを面接触させて接地効率の向上を図ることも多い。
【0014】
このようなアンテナ装置において舌片104bと同軸ケーブル105の外部導体105bとの接続部分で半田Hがシールドカバー104の基面104aより高く盛り上がっていると、図9に示したようにシールドカバー104の基面104aがボトムカバー106から浮き上がってボトムカバー106とシールドカバー104とが面接触できず、接地効率を向上させることができなくなってしまう。
【0015】
このように、接続部分で半田が盛り上がると種々の問題を惹起するため、アンテナ装置の製造時に半田の盛り上がりが生じないようにすることが必要である。しかし、接続部分の半田付けを1つ1つ丁寧に行うのではアンテナ装置の生産効率が低下する。そのため、通常の半田付け作業を行っても接続部分で半田が盛り上がらない、あるいは盛り上がってもシールドカバー104の基面104aより高くは盛り上がらないようにすることができる半田付け構造が求められる。
【0016】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、通常の半田付け作業を行ってもシールドカバーの舌片と同軸ケーブルの外部導体との接続部分で半田がシールドカバーの基面より高く盛り上がることを防止することが可能な半田付け構造を有するアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記の問題を解決するために、請求項1に記載のアンテナ装置は、
電波を受信する受信手段を有するアンテナ素子と、
前記アンテナ素子からの入力を増幅する回路が形成された回路面を有する回路基板と、
前記回路基板の前記回路面を覆って妨害波を遮蔽し、接地されるシールドカバーと、
前記シールドカバーの内側に挿入され、前記回路基板上の前記回路に駆動電力およびGND電位を供給し、前記回路からの信号を出力する同軸ケーブルとを備え、
前記シールドカバーは、前記回路面に平行に配置される基面と、前記同軸ケーブルに向かって前記基面から延びる舌片とを有し、
前記舌片は、その同軸ケーブル側端部が屈折されて接続片が形成されており、前記接続片と前記同軸ケーブルの外部導体とが半田付けされていることを特徴とする。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置において、前記接続片は、前記舌片が1箇所で屈折されて形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置において、前記接続片は、前記舌片が複数個所で屈折されて形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、平板状の前記接続片の表裏面のうち、前記同軸ケーブルに対向する面と反対側の面と前記同軸ケーブルの外部導体とが半田付けされていることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、平板状の前記接続片の表裏面のうち、前記同軸ケーブルに対向する面と前記同軸ケーブルの外部導体とが半田付けされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、シールドカバーの舌片の同軸ケーブル側端部を屈折させて接続片が形成され、その接続片と同軸ケーブルの外部導体とが半田付けされるため、溶融半田の表面張力がこの接続片の屈折部で遮断されるため、溶融半田が舌片に沿って広がることが阻止される。
【0023】
そのため、通常の半田付け作業を行っても半田が舌片の表面上を伝わってシールドカバーの基面よりも高く盛り上がることが確実に防止されるとともに、接続片と外部導体とを適切に半田付けして舌片を介してシールドカバーと同軸ケーブルとを確実に接続することが可能となる。
【0024】
また、舌片と同軸ケーブルの外部導体との接続部分の半田の盛り上がりがなくなるため、図8に示したようなボトムカバーからの浮き上がりによるシールドカバーの傾きを回避することが可能となり、正常なアンテナの指向性を得ることができ、電波の受信効率が安定するとともに、アンテナ装置の組立精度を維持することが可能となる。
【0025】
さらに、シールドカバーの基面とボトムカバーとの面接触により接地する場合には接地効率を非常に高い状態に維持することが可能となる。また、通常の半田付け作業で上記の半田付け構造が得られるから、アンテナ装置の生産効率を低下させることなく上記の効果を得ることが可能となる。
【0026】
請求項2に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の発明の効果に加え、シールドカバーの舌片を、シールドカバーの基面からの屈曲部と同軸ケーブル側端部との間の1箇所で屈折されるだけでよく、アンテナ装置の製造工程が複雑化させることがないため、舌片を屈折させてもアンテナ装置の生産効率が維持される。
【0027】
請求項3に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の発明の効果に加え、溶融半田の表面張力が接続片に最も近い屈折部で確実に遮断されて溶融半田が舌片に沿って広がることが阻止され、半田がシールドカバーの基面よりも高く盛り上がることを確実に防止することが可能となる。
【0028】
請求項4に記載の発明によれば、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、接続片の同軸ケーブルに対向する面と反対側の面に半田付けするように構成することで、容易に且つ確実に半田付けを行うことが可能となり、生産性の維持を図ることが可能となるとともに、シールドカバー等の高い接地効率が確実に維持される。
【0029】
請求項5に記載の発明によれば、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、接続片と同軸ケーブルの外部導体とを適切に半田付けして舌片を介してシールドカバーと同軸ケーブルとを確実に接続することが可能となるとともに、溶融半田の表面張力が接続片の屈折部で確実に遮断されて溶融半田が舌片に沿って広がることが確実に阻止され、屈曲部により半田がシールドカバーの基面よりも高く盛り上がることが確実に防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係るアンテナ装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0031】
本実施形態に係るアンテナ装置1は、図1および図2に示すように、アンテナ素子2、回路基板3、シールドカバー4および同軸ケーブル5等を備えている。なお、図2および後述する図3〜図6ではシールドカバー4や同軸ケーブル5等が図1のアンテナ装置1を天地逆転した状態で示されている。また、図2では後述するシールドカバー4の舌片4bと同軸ケーブル5の外部導体5bとの半田付けの図示が省略されている。
【0032】
アンテナ素子2は、本実施形態では、セラミック製でやや肉厚の板状に形成されている。アンテナ素子2の一方側の面には、電波を受信する受信手段としてパッチ型の受信面6が貼付されている。なお、図1では、アンテナ素子2の受信面6が実際よりも厚く表されている。また、アンテナ素子2の受信面6と反対側の面には、図示しない金属薄膜状のGNDパターンが入力ピン7およびその周囲の部分を除くほぼ全面に貼付されている。
【0033】
アンテナ素子2の受信面6と反対の面側には、回路基板3が設けられている。回路基板3のアンテナ素子2側の面には、アンテナ素子2のGNDパターンとは別体の図示しない金属薄膜状のGNDパターンが入力ピン7およびその周囲の部分を除くほぼ全面に貼付されている。
【0034】
本実施形態では、この回路基板3のGNDパターンとアンテナ素子2のGNDパターンとが例えば両面テープ等の接着部材で貼付されることでアンテナ素子2と回路基板3とが接着されるようになっている。また、アンテナ素子2自体のGNDパターンとともに、回路基板3のGNDパターンもアンテナ素子2のGNDパターンとして機能するようになっている。
【0035】
回路基板3のアンテナ素子2と反対側の面すなわち回路面3aには、アンテナ素子2からの入力を増幅して出力する図示しない回路が形成されている。回路基板3には、適宜の位置に図示しない複数のスルーホールが形成されており、これらのスルーホールを介して回路面3a上の回路のGNDと裏面のGNDパターンとが接続されるようになっている。
【0036】
アンテナ素子2と回路基板3の所定の位置には、入力ピン7がアンテナ素子2の受信面6や回路基板3の回路面3aに垂直に貫挿されている。本実施形態では、入力ピン7は、半田付けにより受信面6や回路に電気的に接続されており、アンテナ素子2の受信面6で受信した電波信号を回路基板3の回路に入力させるようになっている。
【0037】
回路基板3の回路面3a側には、略箱状に形成された金属製のシールドカバー4が回路面3aを覆うように取り付けられており、シールドカバー4は、回路面3aに到達する外部からの妨害波を遮蔽するようになっている。また、略箱状のシールドカバー4の基面4aはアンテナ素子2の受信面6や回路基板3の回路面3aに平行に配置されるようになっている。
【0038】
図1の断面図に示されているように、シールドカバー4は、その一部が突起状に形成されて回路基板3に貫通されることで、回路基板3に対して位置決めされるようになっている。また、図2に示すように、本実施形態では、シールドカバー4は回路基板3の回路面3a上で半田付けにより回路のGNDと電気的に接続されるようになっている。
【0039】
シールドカバー4の内側には、同軸ケーブル5が挿入されている。同軸ケーブル5の芯線5aは半田付けにより回路基板3の回路面3a上の回路に電気的に接続されており、回路に駆動電力を供給するとともにアンテナ素子2で受信され回路で増幅された信号を出力するようになっている。
【0040】
また、シールドカバー4には、舌片4bがシールドカバー4の基面4aから屈曲され同軸ケーブル5に向かって延びるように形成されている。
【0041】
本実施形態では、舌片4bはシールドカバー4の基面4aからの屈曲部と同軸ケーブル側端部との間の1箇所で屈折されており、舌片4bは、シールドカバー4の基面4aから同軸ケーブル5に向かうように略直角に屈曲されて形成された平板状の基部4cと、舌片4bの同軸ケーブル側端部が屈折されて形成された平板状の接続片4dとを有するように構成されている。
【0042】
接続片4dの末端部分には、同軸ケーブル5の外部導体5bに沿う円弧状の切り欠きが設けられており、この切り欠き部分を外部導体5に近接または当接させた状態で接続片4dと同軸ケーブル5の外部導体5bとが半田付けにより電気的に接続されるようになっている。
【0043】
本実施形態では、図3に示すように舌片4bの基部4cと接続片4dとのなす角度をθとした場合、接続片4dが、屈折部Rで基部4cに対して
0°<θ≦90° …(1)
の範囲内の角度θとなるようにシールドカバー4の外側に向けて屈折されている。
【0044】
また、本実施形態では、図4に示すように、平板状の接続片4dの表裏面のうち、同軸ケーブル5に対向する面と反対側の面と同軸ケーブル5の外部導体5aとが半田Hによる半田付けにより電気的に接続されている。
【0045】
なお、図4および後述する図5、図6では模式的に舌片4bの接続片4dが外部導体5bの一部のみに半田付けされた状態が示されているが、実際には、外部導体5bの周方向のほぼ全域にわたって半田Hを浸潤させるようにして舌片4bと同軸ケーブルの外部導体5bとが半田付けされる。
【0046】
同軸ケーブルの外部導体5bにはGND電位が供給されるようになっており、前記半田付けによる接続により同軸ケーブル5の外部導体5bから舌片4bおよびシールドカバー4を介して回路基板3の回路にGND電位が供給されるようになっている。
【0047】
また、本実施形態では、図1に示すように、アンテナ装置1には、シールドカバー4の基面4aの外側に金属製のボトムカバー8が設けられており、シールドカバー4の基面4aとボトムカバー8とが面接触することで回路の接地効率のさらなる向上が図られるようになっている。
【0048】
次に、本実施形態に係るアンテナ装置1の作用について説明する。
【0049】
アンテナ装置1の回路基板3上の回路には、同軸ケーブル5の芯線5aを介して駆動電力が供給される。アンテナ素子2の受信面6がGPS用や衛星ラジオ用の高周波の電波を受信すると、その電波信号が入力ピン7を介して回路基板3の回路に送信され、回路で増幅された電波信号が同軸ケーブル5の芯線5aを通じて出力される。
【0050】
回路基板3の回路は、それを覆う金属製のシールドカバー4により外部からの妨害波から遮蔽される。また、回路は、前述したようにそのGNDがシールドカバー4に接続され、同軸ケーブル5の外部導体5bからシールドカバー4にGND電位が供給されることにより接地される。このGND電位は回路基板3のスルーホールを介して回路基板3のGNDパターンにも供給され、回路基板3のGNDパターンが接地されてアンテナ素子2にGNDレベルが提供される。
【0051】
その際、シールドカバー4の舌片4bの同軸ケーブル側端部に設けられた平板状の接続片4dの同軸ケーブル5に対向する面と反対側の面と同軸ケーブル5の外部導体5aとが半田付けされ、外部導体5bの周方向のほぼ全域にわたって半田Hを浸潤させるようにして舌片4bと同軸ケーブルの外部導体5bとが半田付けされて接続される。このようにして舌片4bと外部導体5bとの接触面積をより大きくすることで舌片4bを介したシールドカバー4の接地効率が向上される。
【0052】
また、この半田付けにおいては、溶融半田Hが外部導体5aに浸潤するとともにその表面張力により接続片4d上を拡散していくが、屈折部4dを舌片4bの基部4cに対して屈折させて形成したことで、溶融半田Hの表面張力が舌片4bの基部4cと接続片4dとの屈折部Rで遮断される。そのため、溶融半田Hが舌片4bの基部4c方向に広がることが有効に阻止され、溶融半田Hが基部4cの表面上を伝わってシールドカバー4の基面4aよりも高く盛り上がることが防止される。
【0053】
この場合、半田付けの際に、通常に半田付け作業を行っても溶融半田Hの屈性部4dでの拡散は屈折部Rで確実に止まる。そのため、半田付けにおいて特に作業を丁寧に行ったり特殊な手法を用いて半田付けを行う必要はなく、通常の半田付け作業で十分に溶融半田Hの舌片4bの基部4cへの拡散を阻止でき、半田Hの盛り上がりが確実に防止される。
【0054】
なお、本実施形態のように、アンテナ装置1の底部に金属製のボトムカバー8を設け、シールドカバー4の基面4aとボトムカバー8とを面接触させてシールドカバー4の接地させることで、回路の接地効率がさらに向上される。
【0055】
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置1によれば、シールドカバー4の舌片4bの同軸ケーブル側端部を屈折させて接続片4dを形成し、その接続片4dと同軸ケーブル5の外部導体5bとが半田付けされるため、溶融半田Hの表面張力がこの接続片4dと舌片4bの基部4cとの屈折部Rで遮断されて溶融半田Hが基部4c側への拡散が阻止される。
【0056】
そのため、通常の半田付け作業を行っても半田Hが舌片4bの基部4cの表面上を伝わってシールドカバー4の基面4aよりも高く盛り上がることが確実に防止されるとともに、接続片4dと外部導体5bとを適切に半田付けして舌片4bを介してシールドカバー4と同軸ケーブル5とを確実に接続することが可能となる。
【0057】
また、舌片4bと同軸ケーブル5の外部導体5bとの接続部分の半田Hの盛り上がりがなくなるため、図8に示したようなボトムカバーからの浮き上がりによるシールドカバーの傾きを回避することが可能となり、正常なアンテナの指向性を得ることができ、電波の受信効率が安定し、またアンテナ装置1の組立精度を維持することが可能となる。
【0058】
さらに、本実施形態のようにシールドカバー4の基面4aとボトムカバー8との面接触により接地する場合には接地効率を非常に高い状態に維持することが可能となる。また、通常の半田付け作業で上記の半田付け構造が得られるから、アンテナ装置1の生産効率を低下させることなく上記の効果を得ることが可能となる。
【0059】
一方、前述したように、シールドカバー4の舌片4bを、シールドカバー4の基面4aからの屈曲部と同軸ケーブル側端部との間の1箇所で屈折されるだけでよく、アンテナ装置1の製造工程を複雑化させることがないため、舌片4bを屈折させてもアンテナ装置1の生産効率が維持される。
【0060】
また、図4に示したように、平板状の接続片4dの同軸ケーブル5に対向する面と反対側の面に半田付けするように構成すれば、図中上方から半田付けを行うことができ、半田付けを非常に容易に行うことが可能となる。
【0061】
なお、舌片4bの接続片4dの屈折のさせ方や接続片4dの半田付けを行う面については、本実施形態の場合に限定されない。
【0062】
例えば、図5に示すように、舌片4bの基部4cに対して接続片4dを前記角度θが
90°<θ≦180° …(2)
の範囲内の角度θとなるようにシールドカバー4の外側に向けて大きく屈折させ、平板状の接続片4dの表裏面のうち同軸ケーブル5に対向する面と同軸ケーブル5の外部導体5aとを半田付けすることでシールドカバー4と同軸ケーブル5とを接続するように構成することも可能である。
【0063】
このように構成すれば、接続片4dと外部導体5bとを適切に半田付けして舌片4bを介してシールドカバー4と同軸ケーブル5とを確実に接続することが可能となり前記実施形態と同様の効果が得られるとともに、溶融半田Hの表面張力が接続片4dと舌片4bの基部4cとの屈折部Rで確実に遮断されて溶融半田Hが基部4c側に広がることが阻止される。そのため、屈曲部4dにより半田Hがシールドカバー4の基面4aよりも高く盛り上がることを確実に防止することが可能となる。
【0064】
また、例えば図6に示すように、舌片4bをシールドカバー4の基面4aからの屈曲部と同軸ケーブル側端部との間の複数箇所で屈折するように形成し、その同軸ケーブル側端部である接続片4dと同軸ケーブル5の外部導体5bとを半田付けするように構成することも可能である。
【0065】
このように構成すれば、接続片4dと外部導体5bとを適切に半田付けして舌片4bを介してシールドカバー4と同軸ケーブル5とを確実に接続することが可能となり前記実施形態と同様の効果が得られるとともに、溶融半田Hの表面張力が複数の屈曲部のうち最も接続片4d側の屈折部Rで確実に遮断されて溶融半田Hが基部4c側に広がることが阻止される。そのため、半田Hがシールドカバー4の基面4aよりも高く盛り上がることを確実に防止することが可能となる。
【0066】
なお、本実施形態および前記変形例では、アンテナ素子2の表面にGPS用や衛星ラジオ用の高周波の電波を受信するパッチ型の受信面6を備えたアンテナ装置1について述べたが、前述したように本発明のアンテナ装置はシールドカバーの舌片の構造に特徴があり、アンテナ素子の構成はパッチ型の受信面を備えた構成に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】図1のアンテナ装置を天地逆転した状態のシールドカバーや同軸ケーブル等を表す斜視図である。
【図3】シールドカバーの舌片の基部と接続片との角度を説明する模式図である。
【図4】本実施形態に係るシールドカバーの舌片と同軸ケーブルの外部導体との半田付け構造を示す拡大図である。
【図5】舌片と外部導体との半田付け構造の変形例を示す拡大図である。
【図6】舌片と外部導体との半田付け構造の変形例を示す拡大図である。
【図7】従来のアンテナ装置の構成を示す概略断面図である。
【図8】図7のアンテナ装置を天地逆転した状態のシールドカバーや同軸ケーブル等を表す斜視図である。
【図9】半田の盛り上がりによるシールドカバーの浮き上がりを説明する概略断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 アンテナ装置
2 アンテナ素子
3 回路基板
3a 回路面
4 シールドカバー
4a 基面
4b 舌片
4d 接続片
5 同軸ケーブル
5b 外部導体
6 受信面(受信手段)
【出願人】 【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
【出願日】 平成18年9月4日(2006.9.4)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司

【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男


【公開番号】 特開2008−60514(P2008−60514A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−239053(P2006−239053)