| 【発明の名称】 |
部品内蔵プリント配線板および電子機器 |
| 【発明者】 |
【氏名】唐沢 純
【氏名】鈴木 大悟
【氏名】田中 秀典
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| 【要約】 |
【課題】剥離し難い部品内蔵プリント配線板を提供する。
【構成】部品内蔵プリント配線板10は、部品接合電極を形成する複数の導電パターンである導体3を部品実装面に設けた基材4と、前記導電パターン相互の間で電気的に接続して実装された電子部品2と、電子部品2を覆う樹脂層1とを備える。部品接合電極である導体3の少なくとも一方に貫通した複数の穴部31を有することで、穴部31から水分やアウトガスの滞留を防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 部品接合電極を形成する複数の導電パターンを部品実装面に設けた基材と、 前記導電パターン相互の間で電気的に接続して実装された電子部品と、 前記電子部品を覆う樹脂層とを備え、 前記部品接合電極の少なくとも一方に貫通した複数の穴部を有したことを特徴とする部品内蔵プリント配線板。 【請求項2】 前記導電パターンは、その表面に酸化導体の被膜を有することを特徴とする請求項1に記載の部品内蔵プリント配線板。 【請求項3】 前記酸化導体の被膜はNaOH、NaClO2、Na2PO4の内、いずれか1を含む薬剤により形成されたことを特徴とする請求項2記載の部品内蔵プリント配線板。 【請求項4】 前記酸化導体の被膜は導体の酸化を促進する程度の高温により形成されたことを特徴とする請求項2記載の部品内蔵プリント配線板。 【請求項5】 本体と、 前記本体に収容された部品内蔵プリント配線板と を備えた電子機器であって、 前記部品内蔵プリント配線板は、 部品接合電極を形成する複数の導電パターンを部品実装面に設けた基材と、 前記導電パターン相互の間で電気的に接続して実装された電子部品と、 前記電子部品を覆う樹脂層とを備え、 前記部品接合電極の少なくとも一方に貫通した複数の穴部を有した ことを特徴とする電子機器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、電子回路を内蔵した部品内蔵プリント配線板および電子機器に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、チップ部品等の電子部品をプリント配線板に内蔵したいわゆる部品内蔵プリント配線板が実用化されつつある。部品内蔵プリント配線板は、内層の導体、例えば電源回路における電流容量の確保、および安定した接地を目的として比較的大きな面積を持った銅箔パターンを面状に形成していることが多い。 【0003】 特許文献1には、転写用基材に、網目状のグランド層を設け、体回路として、網目状のグランド層と、通常の回路とを併設しているプリント配線板が開示されている。このプリント配線板は、給電用又は接地用の導体回路を形成する場合には、転写用基材に対して導体回路を単に面状に形成しても良いが、より好ましくは導体回路を網目状に形成する。これにより転写用基材と銅等からなる導体回路の熱膨張率が相違していても、熱による負荷を受けた際の熱応力が緩和され、転写用基材から導体回路が不用意に剥離することが防止できる。 【特許文献1】特開2003−204167号公報(49頁、図13) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 既述のように部品内蔵プリント配線板が実用化されつつある。このプリント配線板では次のような問題点がある。即ち、チップ部品と、このチップ部品に回路接合した導体パターンの形成面との間の間隙部にボイド(空気溜まり若しくはガス溜まり)が形成される。この間隙部に形成されたボイドが、後の積層工程、部品実装(リフロー)工程等を含む基板製造時に於ける各種の加熱処理加工、若しくは電子機器内への組み込み後に於ける受熱等に於いて加熱されると、ボイドの熱膨張により、導体パターンの剥離、チップ部品の損傷、回路切断、基板の剛性劣化等、種々の不具合を招く虞がある。 【0005】 即ち、例えば電源回路における電流容量の確保の為の電源層、や安定した接地を目的としたある一定以上の面積を持った銅箔パターングランド層等のいわゆるプレーン層は、内層に形成されると、基板製造時の混入する水分や、基板積層時に発生するアウトガスが銅箔パターン近傍に滞留し、基板製造における積層時や、回路基板として部品を搭載する際のリフロー加熱等により、銅箔と樹脂層の間で剥離しうるという問題があった。 【0006】 そこで本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、剥離し難い部品内蔵プリント配線板を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記目的を達成するために、本発明に係る部品内蔵プリント配線板は、部品接合電極を形成する複数の導電パターンを部品実装面に設けた基材と、前記導電パターン相互の間で電気的に接続して実装された電子部品と、前記電子部品を覆う樹脂層とを備え、前記部品接合電極の少なくとも一方に貫通した複数の穴部を有したことを特徴としている。 【0008】 また、本発明に係る部品内蔵プリント配線板は、部品接合電極を形成する複数の導電パターンを部品実装面に設けた基材と、前記導電パターン相互の間で電気的に接続して実装された電子部品と、前記電子部品を覆う樹脂層とを備え、前記導電パターンは、その表面に酸化導体の被膜を有することを特徴としている。 【発明の効果】 【0009】 剥離し難い部品内蔵プリント配線板を提供できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。 【実施例1】 【0011】 本発明の第1実施形態を図1乃至図2を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る部品内蔵プリント配線板の構造を示す図である。図1は部品内蔵プリント配線板の断面図であり、図2は、図1におけるA−A断面を示した図である。 【0012】 図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る部品内蔵プリント配線板10は、 導体3,5,6,8と、基材4,7と、樹脂層1と、電子部品2とから構成された4層の多層のプリント配線板である。部品内蔵プリント配線板10は、4層に限らず、多層のプリント配線板であれば何層であっても良い。 【0013】 ここで、基材4は、例えばガラスエポキシ樹脂等からなる絶縁材である。基材4は、部品接合電極を形成する複数の導体3を部実装面に設けている。 電子部品2は電子部品端子2aを有し、この電子部品端子2aは、導体3と半田接合され、電気的に接続して実装されている。電子部品2は、樹脂層1に覆われた内蔵部品(内層側のパターン形成面に実装される電子部品)である。電子部品2は、直方体形状の部品本体に一対の端子を設けおり、例えばコンデンサ、抵抗素子等の受動部品であるチップ部品である。但し、電子部品2はチップ部品に限らず、特定の動作機能を有する2端子若しくは3端子以上の能動素子であってもよい。 【0014】 樹脂層1は、例えば基材4及び基材7を構成する材料より低粘度の熱硬化性樹脂である。電子部品2と、基材4との間には、例えば18μm程度の隙間が形成される。樹脂層1には、この隙間のすべてに充填材料が毛細管現象および積層後の加圧で浸透し、隙間に空気溜まりができないように隙間のすべてを埋めることのできる低粘度が要求される。この低粘度の樹脂層1は、例えば、市販の超低粘度エポキシ樹脂剤にフィラーを混入し、フィラーの混入量を調整することで、所望する低粘度の充填材樹脂層1を得ることができる。 【0015】 前記部品接合電極である導体3の一方は、例えば電子部品2よりも大きな面積を有する電極である導体3bが設けられ、その導体3bには貫通した複数の穴部31が設けられている。従って、導体3は基材4の内層側に導電パターンとしてパターン形成された配線層である。尚、導体6,8は、配線層であってもよいし、電源層やグランド層のいわゆるプレーン層であってもよい。但し、導体5に関しては後述するように水分やアウトガスを放出する関係上、プレーン層よりは配線層の方が好ましい。 【0016】 ここで、穴部31の大きさは、φ0.25〜5mm程度が好ましい。また各穴部31のピッチは0.5〜10mm程度が好ましい。径が大きくピッチが細かいほど、水分やアウトガスの抜けが良くなる一方、過剰に大きくすると、回路基板としての電気的特性が満足できない場合もあるからである。従って、対象製品毎に電気的特性を考慮しながら設計することを要する。 【0017】 尚、穴部31の形状は円形に限られず、水分やアウトガスの抜けが良好であれば他の形状であっても良い。また、開口径や開口のピッチは必ずしも一定ではなく、例えば銅箔パターンの中で特に水分やアウトガスを逃がしたい部分があれば当該部分の密度を密にするなど適宜調整しても良い。 【0018】 図1中には示していないが、部品内蔵プリント配線板10の表面には銅の酸化を防止するためにいわゆるソルダーレジスト層を設けても良い。 次に、部品内蔵プリント配線板10の部品内蔵プリント配線板の製造方法について説明する。 部品内蔵プリント配線板10は、例えば以下のような製造方法で得られる。即ち、基材4の両面に銅層が張られたいわゆる銅張積層板を2組用意し、夫々エッチングやドリル加工、レーザ加工等の所定の処理方法でパターンニングを行い、導体3,5及び基材4からなる第1の配線板20と、導体6,8及び基材7からなる第2の配線板30を得る。尚、必要により、スルーホールやビアホールを形成して回路配線パターンを形成しておいても良い。 【0019】 次に、電子部品2を第1の配線板20の導体3上に実装する。この際、マウンタ等を利用して電子部品端子2aを導体3の電極に対向するように実装する。導体3上には予めはんだペーストを塗布しておく。これにより、電子部品2を暫定的に位置決めすることができる。 【0020】 次に、電子部品2が実装された第1の配線板20と、第2の配線板30とを樹脂層1を介して接合させる。この接合は、例えば、第1の配線板20上の電子部品2を鉛直上方向に向け、第1の配線板20の導体3側に樹脂層1を塗布する。そして鉛直上方向から樹脂層1を塗布し、第2の配線板30の導体6を第1の配線板20の導体3に対向させるように搭載する。 【0021】 次に、第1の配線板20及び第2の配線板30、樹脂層1をリフロー炉において加熱し、はんだ接合と樹脂層1による第1の配線板20と第2の配線板30との接合を一括して行う。 【0022】 以上のように、導体3bに穴部31を設けることで基板製造時の混入する水分や、基板積層時に発生するアウトガスが銅箔パターン下部に滞留しない様にすることができる。 【0023】 従って、剥離の原因である水分やアウトガスの低減が図られる為、第1の配線板20の基板製造における積層時や、部品内蔵プリント配線板10の表面上に更に電子部品を搭載してプリント回路基板を製造する際のリフロー加熱等により、銅箔と樹脂層の間で剥離が発生しにくくなる。これにより部品内蔵プリント配線板の信頼性を高めることができる。 【実施例2】 【0024】 本発明の第2実施形態を図3を参照して説明する。図3は、本発明の第2実施形態における部品内蔵プリント配線板において、第1の配線板を示した図である。 図3において、第1の配線板21は、図1に示した第1の配線板20に対応する部分である。図3の第2の配線板21において、図1の第1の配線板20と同一部分は同一記号で示し、その説明は省略する。 【0025】 第1の配線板21が、第1の配線板20と異なる点は、導体3b表面に酸化銅の被膜である酸化膜3bs1を形成している点である。 第1の配線板21は、導体3bの表面に薬剤を用いて酸化銅の被膜を形成することにより、導体3と樹脂層1との密着力が向上する。 ここで、酸化銅の被膜の形成方法としては、使用する薬剤によって、酸化銅の種類は異なるものの、銅箔表面に酸化、還元反応させることで、酸化銅の被膜を形成(粗化処理)させる方法で酸化銅の被膜を得る。 【0026】 使用する薬剤としては、例えばNaOHの他、NaClO2、Na2PO4等も適宜用いてよい。 酸化被膜が厚くなるほど、その厚さの分だけ酸化被膜の表面積は増えるため密着強度が向上する。一方で、酸化被膜が厚くなれば、はんだ付け時に濡れ性が低下する等の問題が生じる。従って、過度に厚くなり過ぎない様に例えば数μm〜100μm程度の範囲で適度な被膜形成コントロールを行う。尚、上述した酸化被膜の工程を経ても、薬剤自体は多量ではないため、穴部31は酸化被膜によって塞がる程度には至らない。 【0027】 以上の構成にすることで、第1実施形態と同様、導体3と樹脂層1との剥離の要因を低減するばかりでなく、導体3と樹脂層1との密着力を向上させることで、更に剥離を防止することできる。 【実施例3】 【0028】 本発明の第3実施形態を図4を参照して説明する。図4は、本発明の第3実施形態における部品内蔵プリント配線板において、第1の配線板を示した図である。 図4において、第1の配線板22は、図3に示した第1の配線板21に対応する部分である。図4の第2の配線板22において、図3の第1の配線板21と同一部分は同一記号で示し、その説明は省略する。 【0029】 第1の配線板22が、第1の配線板21と異なる点は、酸化膜が、酸化被膜3bs1から酸化被膜3bs2に変わっている点である。 この酸化被膜3bs2は、以下のような大気雰囲気下で高温にさらす方法で得られる。 即ち、第1実施形態で得られた第1の配線板20を、表面実装技術等で用いる大気雰囲気を利用したリフロー炉を利用して過熱する。この加熱には少なくとも実用的な時間で酸化膜を形成できる温度(例えば80℃以上)で加熱する。具体的には、一例として、100〜150℃程度に温度を上げて5分程度加熱し、さらに被膜を厚くする場合は複数回の加熱を実施する。この加熱により銅箔表面に酸化銅を形成することができる。 【0030】 酸化被膜が厚くなるほど、その厚さの分だけ酸化被膜の表面積は増えるため密着強度が向上する。一方で、酸化被膜が厚くなれば、はんだ付け時に濡れ性が低下する等の問題が生じる。従って、過度に厚くなり過ぎない様に例えば数μm〜100μm程度の範囲で適度な被膜形成コントロールを行う。 【0031】 尚、大気雰囲気下でなく窒素雰囲気下で行ってもよい。窒素雰囲気下では、酸化が抑えられる一方で濡れ性は向上する点メリットがある。酸化被膜の厚さは適宜調整して行う。 【0032】 以上の構成にすることで、第1実施形態と同様、導体3と樹脂層1との剥離の要因を低減するばかりでなく、導体3と樹脂層1との密着力を向上させることで、更に剥離を防止することできる。また、第2実施形態に比して、薬品を用いず酸化被膜が得られる為、製造コストが有利となる。 【実施例4】 【0033】 (電子機器) 本発明の第4実施形態を図5に示す。図5は、第1実施形態の部品内蔵プリント配線板10を用いたプリント回路板を実装した電子機器を示した図である。 図5では、電子機器としてポータブルコンピュータ11を示し、収容しているプリント回路板には第1の配線板20が使用された部品内蔵プリント配線板10が使用されている。但し、本実施の形態は第1の配線板20が使用された部品内蔵プリント配線板に限ることなく、上述した第1の配線板21、22が使用されていても良い。 【0034】 図5に於いて、ポータブルコンピュータ11の本体12には、表示部筐体13がヒンジ機構を介して回動自在に設けられている。本体12には、ポインティングデバイス14、キーボード15等の操作部が設けられている。表示部筐体13には例えばLCD等の表示デバイス16が設けられている。 【0035】 また本体12には、上記ポインティングデバイス14、キーボード15等の操作部および表示デバイス16を制御する制御回路を組み込んだプリント回路板(マザーボード)18が設けられている。 【0036】 既述のようにこのプリント回路板18は、第1の配線板20が使用された部品内蔵プリント配線板10の他、第1の配線板21,22が使用された部品内蔵プリント配線板を用いて実現される。 【0037】 このプリント回路板18に用いた部品内蔵プリント配線板は、内蔵部品となる電子部品2をはんだ実装する導体3に穴部31を設けた構造である。従って、導体3の下面に水分やアウトガスが滞留すること、ひいては銅箔と樹脂層の間の剥離が妨げられている。従って、電子機器内への組み込み後に於いて、この剥離による、チップ部品の損傷、回路切断等を招くという虞が排除され、安定した機器動作が可能になる。 【図面の簡単な説明】 【0038】 【図1】本発明の第1実施形態に係る部品内蔵プリント配線板の構造を示す図。 【図2】図1におけるA−A断面を示した図。 【図3】本発明の第2実施形態における部品内蔵プリント配線板において、第1の配線板を示した図。 【図4】本発明の第3実施形態における部品内蔵プリント配線板において、第1の配線板を示した図。 【図5】第1実施形態の部品内蔵プリント配線板10を用いたプリント回路板を実装した電子機器を示した図。 【符号の説明】 【0039】 1…樹脂層 2…電子部品 2a…電子部品端子 3…導体 31…穴部 4…基材部 10…部品内蔵プリント配線板 11…ポータブルコンピュータ 12…本体 13…表示部筐体 14…ポインティングデバイス 15…キーボード 16…表示デバイス 18…プリント回路板(マザーボード) 20…第1の配線板 30…第2の配線板
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成18年8月31日(2006.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109900 【弁理士】 【氏名又は名称】堀口 浩
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| 【公開番号】 |
特開2008−60413(P2008−60413A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−236798(P2006−236798) |
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