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【発明の名称】 連結構造体
【発明者】 【氏名】小林 肇

【氏名】岡部 一郎

【要約】 【課題】一の筐体を他の筐体と重ね合わせ状態から表裏反転方向に回転させることで表裏を逆に重ね合わせ直すことが可能な、まず180度回転に連動させて第一の筐体の対向辺に至る中間まで水平移動させ、その後残りの部分の水平移動により、かかる表裏反転動作を実現可能な連結構造体又はこれを応用した電子情報表示装置を提供する。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の筐体と、第二の筐体と、を連結してなる連結構造体であって、
第二の筐体を第一の筐体に重ね合わせた状態から第二の筐体を第一の筐体上にて表裏反転方向に回転する動作と、当初の重ね合わせ状態から第二の筐体の表裏を逆にした状態で第一の筐体と、第二の筐体とが部分的に重ね合わされる動作とが、連動するように構成された連結構造体。
【請求項2】
第一の筐体と第二の筐体との連結部位は、前記回転動作に応じて第一の筐体の重ね合わせ面央部まで水平移動する請求項1に記載の連結構造体。
【請求項3】
前記連結部位は、第二の筐体の一辺を軸として第二の筐体を回転させる軸支連結構造である請求項1又は2に記載の連結構造体。
【請求項4】
前記軸支連結構造をなす軸は、前記回転動作に応じて第一の筐体の一辺側からこの辺に対向する第一の筐体の対向辺側にいたる中間まで移動する請求項3に記載の連結構造体。
【請求項5】
軸支連結構造をなす第二の筐体の軸は、第二の筐体内部にて相対的にスライド移動するようにスライド軸支構造体にて構成されている請求項3又は4に記載の連結構造体。
【請求項6】
前記スライド軸支連結構造体は、第二の筐体に固定された弓状ばねをレールとして走行し、この走行にともなって撓む弓状ばねの弓頂部を越えるまではこのばねに押圧され、弓頂部を越えた後には、弓状ばねの押圧から解放される車輪を有する請求項5に記載の連結構造体。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載する連結構造体からなる電子情報表示装置であって、
前記第二の筐体のいずれかの重ね合わせ面は、電子情報を表示するためのディスプレイ面を有することを特徴とする電子情報表示装置。
【請求項8】
連結部位の水平移動をするために回転動作を利用して連結部位を第一の筐体の一辺側からこの辺に対向する第一の筐体の対向辺側にいたる中間まで移動する一組のスライド部である第一筐体側スライド部と、第二筐体側スライド部とを有する請求項7に記載の電子情報表示装置。
【請求項9】
前記軸支連結構造を構成するディスプレイ回転軸は、第一筐体側スライド部に対して第二の筐体とともにスライド移動するスライドプレートに設けられたディスプレイ回転軸半径方向に分割・固定できる軸受部によって回転自在に保持されるとともに、第一歯車を有し、
前記第二筐体側スライド部は、第二歯車を有し、
この第二歯車は、前記ディスプレイ回転軸の回転が伝達される歯車であって、第一歯車に噛み合う小歯車とこの小歯車と回転軸を共有する大歯車とを有する歯車であり、
前記第二歯車の大歯車が固定ラックギヤ上を回転移動することによりスライドプレートがスライド移動するように構成される請求項8に記載の電子情報表示装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、一の筐体を他の筐体と重ね合わせ状態から表裏反転方向に回転させることで表裏を逆に重ね合わせ直すことが可能な連結構造体に関し、また、かかる連結構造体からなる電子情報表示装置、特に重ね合わせ直したときに筐体の各辺が第二の筐体の重ね合わせ面からはみ出さないように構成された電子情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子情報表示装置、特にノートブック型パソコンや携帯電話機などのいわゆる可搬型電子情報表示機器は、一般に非使用時には画像等を表示するための表示パネルを本体と対向させる形で閉じた状態とし、使用時には表示パネルを本体から起こすことで開いた状態とするための開閉機構を備えている。かかる開閉機構を用いた開閉を行うことで、非使用時には表示パネルを傷つけないように保護したり本体部分に設けられた操作キー等の誤操作を防止したりするとともに、機器をコンパクトにすることで運搬を容易にし、一方使用時には表示パネルに表示された画像等をみながら操作を行うことが可能になっている。かかる開閉機構を備えた電子情報表示機器は多数開示されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005‐166546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の開閉機構を備えた電子情報表示機器は、使用時におけるコンパクト化には配慮がなされていないものがあった。かかる電子情報表示機器は、操作時(使用時)に90度以上表示部を開いた場合、その大きさが増大し、例えば表示部を180度開いた場合における表示パネルと本体を合わせた面積は、閉じた状態と比較して約2倍となる。このため、例えばデスク上の狭いスペースにはこのような状態で置いて作業をすることができなかった。また、手の平上での操作が困難になる場合もあった。なお、このような開いた状態で装置の面積が増大してしまうことを防ぐため、表示パネルを固定式とした電子情報表示装置も存在するが、この場合には、表示パネルの表示面が常に露出しているため、そもそも閉じた状態でのコンパクト化まで図れなくなるおそれがある。また、表示パネルを傷つけないように保護したり本体部分に設けられた操作キー等の誤操作を防止したりすることができなくなるといった問題があった。
【0004】
また、表示部の表裏反転時に装置の底面積を増大させないために、表示部をいったん開いた状態で横方向(表示部の頂辺中央と底辺中央を結ぶ中央線を回転軸とした回転方向)に表裏反転させた上で再び本体部に表示部を重ね合わせることができるタイプのものもあるが、この開動作には「開く、回す、閉じる」という3アクションが必要となり、操作の不便さは十分解消しきれていない。さらに、同様の目的から表示部と本体部の接辺を軸に表示部を約360度回転させることにより表裏反転可能なタイプのものもあるが、この開動作には「回す」というアクションに加え、一旦向こう側に向いた表示面をこちら側に向けるための「持ち替え」が必要となり、やはり操作の不便さは十分解消しきれていない。
【0005】
そこで、本発明の解決すべき課題は、非使用時に表示パネルを本体と対向させる形で閉じた状態とし、使用時には表示パネルを本体から起こすことで開いた状態とするための開閉機構を備えた電子情報表示装置に応用可能な、簡易な動作だけで表裏を逆に重ね合わせ直すことが可能な連結構造体を提供することにある。また、かかる連結構造体からなる電子情報表示装置であって、重ね合わせ直したときに筐体の各辺が第二の筐体の重ね合わせ面からはみ出さないように構成された電子情報表示装置を提供することにある。
特に、このように第二の筐体が重ね合わせ面からはみ出さないように表裏反転させる動作を簡易な構造で実現するため、表裏反転終了と同時にぴったり重なり合う状態にする(つまり、180度回転の終了時と水平移動の終了時のタイミングを一致させる)のではなく(このためには、かかるタイミングの一致を可能にするための機構が必要となる)、まず、180度回転に連動させて第一の筐体の対向辺に至る中間(厳密に第一の筐体の側面の長さの1/2の位置である必要はない)まで水平移動させ、その後、残りの部分(中間から第一の筐体の対向辺まで)の水平移動を行う構成(従って、動作としては「回す、スライドさせる」という2アクションとなる)により、かかる表裏反転動作を実現可能な連結構造体又はこれを応用した電子情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明のうち、請求項1に記載の発明は、第一の筐体と、第二の筐体とを連結してなる連結構造体であって、第二の筐体を第一の筐体に重ね合わせた状態から第二の筐体を第一の筐体上にて表裏反転方向に回転する動作と、当初の重ね合わせ状態から第二の筐体の表裏を逆にした状態で第一の筐体と、第二の筐体とが部分的に重ね合わされる動作とが、連動するように構成された連結構造体を提供する。また、請求項2に記載の発明は、第一の筐体と第二の筐体との連結部位は、前記回転動作に応じて第一の筐体の重ね合わせ面央部まで水平移動する請求項1に記載の連結構造体を提供する。また、請求項3に記載の発明は、前記連結部位は、第二の筐体の一辺を軸として第二の筐体を回転させる軸支連結構造である請求項1又は2に記載の連結構造体を提供する。また、請求項4に記載の発明は、前記軸支連結構造をなす軸は、前記回転動作に応じて第一の筐体の一辺側からこの辺に対向する第一の筐体の対向辺側にいたる中間まで移動する請求項3に記載の連結構造体を提供する。また、請求項5に記載の発明は、軸支連結構造をなす第二の筐体の軸は、第二の筐体内部にて相対的にスライド移動するようにスライド軸支構造体にて構成されている請求項3又は4に記載の連結構造体を提供する。また、請求項6に記載の発明は、前記スライド軸支連結構造体は、第二の筐体に固定された弓状ばねをレールとして走行し、この走行にともなって撓む弓状ばねの弓頂部を越えるまではこのばねに押圧され、弓頂部を越えた後には、弓状ばねの押圧から解放される車輪を有する請求項5に記載の連結構造体を提供する。また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一に記載する連結構造体からなる電子情報表示装置であって、前記第二の筐体のいずれかの重ね合わせ面は、電子情報を表示するためのディスプレイ面を有することを特徴とする電子情報表示装置を提供する。また、請求項8に記載の発明は、連結部位の水平移動をするために回転動作を利用して連結部位を第一の筐体の一辺側からこの辺に対向する第一の筐体の対向辺側にいたる中間まで移動する一組のスライド部である第一筐体側スライド部と、第二筐体側スライド部とを有する請求項7に記載の電子情報表示装置を提供する。また、請求項9に記載の発明は、前記軸支連結構造を構成するディスプレイ回転軸は、第一筐体側スライド部に対して第二の筐体とともにスライド移動するスライドプレートに設けられたディスプレイ回転軸半径方向に分割・固定できる軸受部によって回転自在に保持されるとともに、第一歯車を有し、前記第二筐体側スライド部は、第二歯車を有し、この第二歯車は、前記ディスプレイ回転軸の回転が伝達される歯車であって、第一歯車に噛み合う小歯車とこの小歯車と回転軸を共有する大歯車とを有する歯車であり、前記第二歯車の大歯車が固定ラックギヤ上を回転移動することによりスライドプレートがスライド移動するように構成される請求項8に記載の電子情報表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、非使用時に表示パネルを本体と対向させる形で閉じた状態とし、使用時には表示パネルを本体から起こすことで開いた状態とするための開閉機構を備えた電子情報表示装置に応用可能な、簡易な動作だけで表裏を逆に重ね合わせ直すことが可能な連結構造体を提供することが可能となる。また、かかる連結構造体からなる電子情報表示装置であって、重ね合わせ直したときに筐体の各辺が第二の筐体の重ね合わせ面からはみ出さないように構成された電子情報表示装置を提供することが可能となる。
特に、このように第二の筐体が重ね合わせ面からはみ出さないように表裏反転させる動作を簡易な構造で実現するため、表裏反転終了と同時にぴったり重なり合う状態にするのではなく、まず、180度回転に連動させて第一の筐体の対向辺に至る中間まで水平移動させ、その後、残りの部分の水平移動を行う構成により、かかる表裏反転動作を実現可能な連結構造体又はこれを応用した電子情報表示装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施例1は主に請求項1、請求項2、請求項3、請求項4などに関し、実施例2は主に請求項5、請求項6などに関し、実施例3は主に請求項7などに関し、実施例4は主に請求項8、請求項9などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【実施例1】
【0009】
<概要>
本実施例の連結構造体は、第一の筐体と、第二の筐体とを連結してなる連結構造体であって、第二の筐体を第一の筐体に重ね合わせた状態から第二の筐体を第一の筐体上にて表裏反転方向に回転する動作と、当初の重ね合わせ状態から第二の筐体の表裏を逆にした状態で第一の筐体と第二の筐体とが部分的に重ね合わされる動作とが連動するように構成された連結構造体である。また、かかる連結構造体であって、第一の筐体と第二の筐体との連結部位は、前記回転動作に応じて第一の筐体の重ね合わせ面央部まで水平移動する連結構造体である。また、かかる連結構造体であって、連結部位は、第二の筐体の一辺を軸として第二の筐体を回転させる軸支連結構造である連結構造体である。また、かかる連結構造体であって、前記軸支連結構造をなす軸は、前記回転動作に応じて第一の筐体の一辺側からこの辺に対向する第一の筐体の対向辺側にいたる中間まで移動する連結構造体である。かかる連結構造体は、非使用時に表示パネルを本体と対向させる形で閉じた状態とし、使用時には表示パネルを本体から起こすことで開いた状態とするための開閉機構を備えた電子情報表示装置に応用可能である。
【0010】
<構成>
(構成の特徴・用語の定義)
本実施例の連結構造体は、第一の筐体と、第二の筐体とを連結してなり、第二の筐体を第一の筐体に重ね合わせた状態から第二の筐体を第一の筐体上にて表裏反転方向に回転する動作と、当初の重ね合わせ状態から第二の筐体の表裏を逆にした状態で第一の筐体と、第二の筐体とが部分的に重ね合わされる動作とが連動するように構成されている。本発明において「筐体」とは、機器類を収める容器をいう。その形状については、典型的には略直方体のものが考えられるが、第二の筐体を第一の筐体と重ね合わせることができる限り、どのような形状であってもよい。なお、以下の説明において、「非使用時」、「使用時」という状態別の説明を行っているところ、ここで「非使用時」における状態とは、当該連結構造体を使用しないときの状態をいう。この連結構造体は第一の筐体と第二の筐体を連結してなるところ、「第二の筐体」とは使用時に使用する方の筐体を指し、「第一の筐体」は第二の筐体を保持する方の筐体を指す。例えば、本体部と表示部に分かれ、使用時に表示パネルを本体から開いて使用するタイプの卓上テレビであれば、表示パネルが第二の筐体、本体が第一の筐体にあたる。また、「使用時における状態」とは、連結構造体を使用するときの状態をいい、第二の筐体の使用面(例えば、上例の卓上テレビであれば表示パネルのうちディスプレイ面を有する面)が表側に現れている状態を指す。一方、非使用時とは、第二の筐体の使用面が第一の筐体に対向する側に現れている状態(平たく言えば、使用面を伏せた状態)を指す。ここでいう「使用」とは、卓上テレビであれば「視聴」がこれにあたるように、その本来の用途としての使用を指す。その際「使用面」とは、あくまで使用時において直接使用する(上例に即せば「テレビの画面を見る」)ために表側に現れる面を指すものであり、例えば開動作を開始しようとするとき(従って非使用時)に使用する開動作用ボタンが非使用時の表面に設けられていることなどは何ら差し支えない。
【0011】
図1、図2は、本実施例の連結構造体の構成の一例を示す概念図である。このうち、図1は、第二の筐体の表裏反転動作によって第一の筐体と第二の筐体とが部分的に重ね合わされるまでの動作を時系列で示したものである。まず(a)は、非使用時における連結構造体の状態の一例を示す。本図に示すように、本実施例の連結構造体は、第一の筐体0101とその上に重ね合わされた第二の筐体0102とからなり、また、第一の筐体と第二の筐体は連結部位0104によって連結されている。
次に、本連結構造体を使用する場合には、図1(b)から(h)までに順次示すように、まず、第二の筐体0102を表裏反転方向に回転させることで表裏を逆にして部分的に重ね合わせ直し、第二の筐体の使用面が表側になるようにする。従って、図1(a)に示す非使用状態では、この使用面0102aは、裏側、即ち第一の筐体に対向する面として現れる。本図に示す連結部位は軸支連結構造であり、第二の筐体がこの連結部位を回転の中心として図1(c)に示す矢印A方向に回転するとともに、当該連結部位が前記回転の全期間を通じて矢印B方向に水平移動していき、当該第二の筐体が、180度回転するのと同時に表裏反転が完了して使用面0102aが表面に現れる。このとき、第二の筐体と第一の筐体とは、図1(h)に示すように部分的に重ね合わされた状態になる。つまり、この連動した動作によって第二の筐体と第一の筐体がぴったりと重ね合わされるわけではない。
そこで、この状態から第二の筐体が第一の筐体上でぴったりと重ね合わされた状態にするため、さらに、図2(a)から(d)までに時系列で示すように、第二の筐体0202を第一の筐体0201上で第二の筐体のうち第一の筐体の対向辺側に現れている辺0202a(太実線で示す)を当該第一の筐体の対向辺0201c(太実線で示す)上に重なる位置(破線で示す)まで矢印B方向に水平移動させる。この動作によって、第二の筐体が第一の筐体とぴったりと重なり合い、使用時の状態となる。即ち、図2(d)が使用時の状態を表したものである。
【0012】
(回転動作と部分的重ね合わせ動作の連動)
また、本実施例の連結構造体は、上述の回転動作と部分的重ね合わせ動作を連動して行うに際して、当該「部分的重ね合わせ」状態を実現するため、例えば、第一の筐体と第二の筐体との連結部位は、前記回転動作に応じて第一の筐体の重ね合わせ面央部まで水平移動するように構成されている。図1もかかる例を示したものであり、図1(h)に示すように、上記の連動動作の結果、第一の筐体0101と第二の筐体0102の連結部位0104は第一の筐体の重ね合わせ面0101aの面央部まで水平移動した状態になる。
「面央部」とは、第一の筐体の重ね合わせ面の中央部分(概ね破線円0101bで囲んだ領域)をいう。本発明の特徴は、第二の筐体の第一の筐体上での180度回転動作と水平移動動作とを組み合わせて両筐体がぴったり重なり合うようにすることにあり、当該動作全体の途中段階である180度回転動作の回転動作の完了時における両筐体の重なり合い方を厳密に問うものではない。従って、「面央部」は上述のように概ねの範囲に収まっていれば足り、厳密な位置である必要はない。
また、本実施例の連結構造体の連結部位は、例えば、第二の筐体の一辺を軸として第二の筐体を回転させる軸支連結構造である。またその場合に、本実施例の連結構造体の軸支連結構造をなす軸は、例えば、回転動作に応じて第一の筐体の一辺側からこの辺に対向する第一の筐体の対向辺側にいたる中間まで移動するように構成されている。
図3は、かかる構造を説明するための概念図であって、図1でその概念を示したのと同様のものを斜視図で表したものである。図3(a)において、0304は軸支連結構造をなす軸である。また、「第二の筐体の一辺」を0302bで示す。「第一の筐体の一辺」とは、図3で太線(実線又は破線)で示した二辺0301aと0301bのいずれか一方をいい、「この辺に対向する第一の筐体の対向辺」とは、前記二辺のうち残りの方をいう。以下の説明では「第一の筐体の一辺」を0301a、「この辺に対向する第一の筐体の対向辺」を0301bとする。この場合、「第一の筐体の一辺側」とは、概ね0301cで示した範囲、即ち、第二の筐体内において辺0301aの上方に概ね重なる範囲を指す。また、「この辺に対向する第一の筐体の対向辺側」とは、概ね0301dで示した範囲、即ち、第二の筐体内において辺0301bの上方に概ね重なる範囲を指す。
【0013】
「第一の筐体の一辺側からこの辺に対向する第一の筐体の対向辺側にいたる中間」とは、0301cで示した範囲と0301dで示した範囲の間に位置する範囲をいい、典型的には概ね0301eで示す範囲を示す。これも厳密な位置である必要はなく、概ねこの範囲に収まっていれば足りる。これも既述の「面央部」と同様の理由によるものである。本図の例では、軸支連結構造をなす軸0304は、回転動作に応じて0301cの位置から0301eの位置へ矢印B方向に水平移動することになる。「回転動作に応じて」とは、第二の筐体がこの連結部位を回転の中心として回転するとともに、当該連結部位が前記回転の全期間を通じて水平移動していき、当該第二の筐体が、180度回転するのと同時に表裏反転が完了して使用面が表面に現れることをいう。この結果、本連結構造体を使用する場合には、図3(b)、(c)に順次示すように、第二の筐体0302が連結部位である軸支連結構造をなす軸を回転の中心として矢印A方向に回転するとともに、当該連結部位が前記回転の全期間を通じて0301eに示す位置に向かって矢印B方向に水平移動していき、図3(d)に示すように、当該工程終了時の状態においては軸支連結構造をなす軸0304が0301eの位置へ移動した状態、即ち第二の筐体0302が表裏反転した状態で第一の筐体0301に部分的に重ね合わされた状態となる。なお、本図は上記のような移動のメカニズムの説明のための概念図であるため、筐体や軸支連結構造をなす軸の外観・形状は単純化して描いたが、実際に本例の連結構造体を電子情報装置に応用する場合などにおける具体的形状は、適宜の設計事項であり、例えば後述する図6で示す筐体や軸支連結構造をなす軸の外観・形状はその一例である。また、本図では、軸支連結構造をなす軸は、一方の側にのみ存在するように描かれているが、この軸の延長線上の反対側の側面にも存在していてもよい。
【0014】
次に、図3(d)に示す状態から、使用時の状態にするには、図2で示したように第二の筐体を第一の筐体とぴったり重なり合う位置(破線で示した位置)まで矢印B方向に水平移動させるのであるが、この移動は、例えば、連結構造体が、第二の筐体に固定された弓状ばねをレールとして走行する車輪を有しており、この車輪の走行にともなって撓む弓状ばねの弓頂部を越えるまではこのばねに押圧され、弓頂部を越えた後には、弓状ばねの押圧から解放されるように構成される。かかる構成例の詳細については後述する。
【0015】
(他の構成例)
なお、以上の説明では、第一の筐体と第二の筐体の底面積が等しい場合(従って第一の筐体上に第二の筐体がぴったりと重なる場合)を念頭に置いて説明した。しかし、本実施例の連結構造体は、かかる構造のものに限らず、第二の筐体の両辺の少なくともいずれか一方が第一の筐体の辺より内側にくるようなものであってもよい。図4は、かかる一例について示す斜視図である(図4(a)は非使用時、(b)は使用時を示す)。さらに、上とは逆に第二の筐体の両辺の少なくともいずれか一方が第一の筐体の辺より外側にくるようなものであってもよい。図5は、かかる一例について示す斜視図である(図5(a)は非使用時、(b)は使用時を示す)。このように第二の筐体の底面積の方が第一の筐体の底面積より広い場合でも、表裏反転時に装置の底面積を増大させないという本発明の目的には適っており、狭い卓上に置いて使用する上で何ら差し支えはない。
【0016】
かかる連結構造体は、後述する表示パネルを本体から起こすことで開いた状態とするための開閉機構を備えた電子情報表示装置(例えば、卓上型のテレビ・ビデオ、携帯電話機、ゲーム機、電子辞書、ノートブック型パソコンなど)に広く応用可能であり、特に狭い卓上で使用する機会が多いものにたいへん有用である。図6は、かかる連結構造体を応用した電子情報表示装置0600の外観の一例であって、非使用状態時の外観を示す図である(説明の便宜上外部カバーのうち側面カバーを取り外して内部の機構の一部が見える状態で示した)。なお、図には現れていないが、連結部位をなす軸支連結構造をなす軸(ただし0604としてその一部が見えている)は第二の筐体0602のうち右側に現れている一辺側において筐体内部に埋め込まれており、第二の筐体は矢印A方向に回転しつつ矢印B方向に水平移動する構造になっている。
【0017】
<効果>
本実施例の発明により、非使用時に表示パネルを本体と対向させる形で閉じた状態とし、使用時には表示パネルを本体から起こすことで開いた状態とするための開閉機構を備えた電子情報表示装置に応用可能な、簡易な動作だけで表裏を逆に重ね合わせ直すことが可能な連結構造体を提供することが可能となる。
特に、このように第二の筐体が重ね合わせ面からはみ出さないように表裏反転させる動作を簡易な構造で実現するため、表裏反転終了と同時にぴったり重なり合う状態にするのではなく、まず、180度回転に連動させて第一の筐体の対向辺に至る中間まで水平移動させ、その後、残りの部分の水平移動を行う構成により、かかる表裏反転動作を実現可能な連結構造体を提供することが可能となる。
【実施例2】
【0018】
<概要>
本実施例の連結構造体は、実施例1のうち連結部位が第二の筐体の一辺を軸として第二の筐体を回転させる軸支連結構造である連結構造体と基本的に共通する。ただし、第二の筐体の軸は、第二の筐体内部にて相対的にスライド移動するようにスライド軸支構造体にて構成されている点、また、このスライド軸支連結構造体は、第二の筐体に固定された弓状ばねをレールとして走行し、この走行にともなって撓む弓状ばねの弓頂部を越えるまではこのばねに押圧され、弓頂部を越えた後には、弓状ばねの押圧から解放される車輪を有する点に特徴を有する。
【0019】
<構成>
(構成の特徴・用語の定義)
図7は、本実施例の連結構造体を、図6に示したのと同じ電子情報表示装置の例で示したものであり、第二の筐体の内部の構造を示すために、当該筐体の外部カバーのうち側面カバーに加え上面カバーも取り外した状態を示したものである。ここで本図を用いて、第二の筐体の軸が、第二の筐体内部にて相対的にスライド移動するようにスライド軸支構造体にて構成されている点、及び図3(d)に示す状態から使用時の状態にするための水平移動を行うための具体的構成の一例として、連結構造体が第二の筐体に固定された弓状ばねをレールとして走行する車輪を有しており、この車輪の走行にともなって撓む弓状ばねの弓頂部を越えるまではこのばねに押圧され、弓頂部を越えた後には、弓状ばねの押圧から解放されるように構成される例について説明する。
本図に示すように、第二の筐体は、シャーシ0703及びシャーシ以外の部分0705aからなる筐体本体部分0705と、シャーシの下側に位置するスライド金具0724とその両側に取り付けられたディスプレイ回転軸0704とからなるスライド軸支構造体0725(斜線で示す)とを有する。本実施例における「スライド軸支構造体」とは、軸支構造をなす軸(本例ではディスプレイ回転軸を含み、これにスライド金具を加えたもの)であって、第二の筐体内部にて相対的にスライド移動するように構成されている構造体をいう。このスライド金具は、シャーシに設けられたガイド溝0727を通してEリング等で取り付けられた車輪(ローラ)0726a〜cを有し、この車輪がガイド溝の中を水平移動することにより、スライド金具が第二の筐体の本体部分の中(シャーシの下側)をスライド可能な構造となっている。その際、シャーシには弓状ばね0714が弓状ばね固定金具0715で固定される形で取り付けられており、車輪の一つ0726aは、この弓状ばねの付勢力に反発しながらガイド溝に沿って移動することになる。なお、安定的なスライド動作を行うためには、本図に示すように、本装置の反対側面側にも弓状ばね0714b等上と同様の機構が備えられていることが好ましいが、この点も含め、本図のガイド溝の数及び位置、また車輪の数及び位置はあくまで一例であり、上記のような構成でスライド金具が筐体本体内を移動可能なように構成されていれば、これ以外の数や位置であってもよい。なお、本図は、非使用時の状態を示したものであり、第二の筐体の構成要素は、上から、上面カバー(図示を省略)、シャーシ、スライド金具、シャーシ以外の筐体本体部分(シャーシとシャーシ以外の筐体本体部分は一体である)の順に配置されている状態となる。また、筐体本体部分の一番下には、第一の筐体と対向する形でディスプレイ面が下向きに配置されている状態となる。
図8(a)は、図7のうち、第二の筐体の本体部分0805及びスライド軸支構造体0825(斜線で示す)だけを示したものであり、さらに図9は、このうちシャーシ0903及びそれ以外の部分0905aからなる筐体本体部分0905を、図10は、スライド金具1024及びディスプレイ回転軸1004からなるスライド軸支構造体1025を示したものである。これらの図はディスプレイ面を有する電子情報表示装置の例であるところ、図8(a)を裏側から見た図である同図(b)に示すように、第二の筐体の本体部分の裏側にディスプレイ面0802aが位置していることになる。
【0020】
(スライド軸支構造体が筐体本体内をスライドするための具体的構成)
次に、スライド軸支構造体が筐体本体内(シャーシ下側)をスライドするための具体的構成について説明する。
図11は、かかる構成を説明するため、筐体本体及びスライド軸支構造体を模式図的に示したものである。このうち(a)は、図7に示した非使用時の状態から、使用状態とするために第二の筐体が第一の筐体上で表裏反転して部分的に重ね合わされた状態を示し、図8などとの対比の便宜上、第一の筐体1101を上側に、第二の筐体1102を下側に示したものである(この状態を視覚的に補足するため、(a)では当該装置を卓1128上に設置した状態を示した。つまり本図は実際の配置を上下逆にして示したものである。(b)〜(d)では卓の図示を省略したが、(a)と同様の状態である)。従って、本図でもディスプレイ面1102aが下側に位置するとともに、上面カバー(図示を省略)、シャーシ1103、スライド軸支構造体1125(右下がり斜線で示す)、第二の筐体のシャーシ以外の部分1105aは上からこの順に配置されている状態となっている。また、(b)〜(d)は(a)の状態から第二の筐体を水平移動させて使用時の状態にするまでを時系列で示したものであり、(b)、(c)は水平移動途中の状態、(d)は水平移動が完了して使用時の状態となったものである。
図11(a)の状態から、水平移動を行うためには、第二の筐体を矢印B方向に押す。この動作は例えば人が手で押し込むことにより行う。すると、上述のように、第二の筐体のうち、スライド軸支構造体が筐体本体内をスライド可能な構造になっているため、スライド軸支構造体が第二の筐体内を矢印B方向とは反対方向に相対的に水平移動する。ただし、実際には(b)に示すように、スライド軸支構造体自体は動かず、直接押された筐体本体部分が押された方向に移動することによりスライド軸支構造体の反対方向への相対的移動が実現される。このようにスライド軸支構造体が卓に固定された第一の筐体との位置関係において動かないという構造は、例えば図10の例に示すように、スライド軸支構造体1025がスライド金具1024と軸支連結構造をなす軸(さらに具体的には、本図では電子情報表示装置のディスプレイ回転軸)1004とが一体に構成され、後述のように、この軸支連結構造をなす軸が第一の筐体側に設けられた第一筐体側スライド部と第二筐体側スライド部を介して噛み合う構造とすることにより生じる摩擦力を利用することで実現可能である。
さらに、(d)は、第二の筐体のうちスライド軸支構造体以外の部分1105aをさらに矢印B方向に押し込んで、第二の筐体が第一の筐体上でぴったりと重なり合う位置まで水平移動した状態、即ち、使用時の状態となったものを示す。なお、このように第一と筐体と第二の筐体がぴったりと重なり合うようにするため、第二の筐体は、スライド軸支構造体の第二の筐体内での相対的スライド移動範囲を規制するためのスライドストッパを有し、部分的な重ね合わせ状態からストッパによる規制位置までスライドをした場合には第一の筐体と第二の筐体とは完全に重なり合う状態にスライドストッパが配置されているように構成してもよい。
【0021】
(弓状ばねを利用したスライド機構の具体的構成)
次に、かかる水平移動のための、弓状ばねを利用したスライド機構の具体的構成について説明する。
図12は、図8に示したシャーシ及びその下のスライド金具のうち、破線長円0805aで囲んだ部分の平面図を模式図的に示したものであり、第二の筐体が第一の筐体上で表裏反転して部分的に重ね合わされた状態から、第二の筐体のスライド軸支構造体を第二の筐体のそれ以外の部分に相対的に押し込んで第二の筐体と第一の筐体とがぴったりと重なり合う位置まで水平移動する状態を時系列で示したものである。図中(a)〜(d)は、それぞれ図11の(a)〜(d)に対応する。図中1215は弓状ばね固定金具、1214は弓状ばね、1227はガイド溝であり、1226aはスライド金具に取り付けられた車輪である。
本図(a)に示す状態、即ち第二の筐体が第一の筐体上で表裏反転して部分的に重ね合わされた状態(これは非使用時の第二の筐体をディスプレイ面が第一の筐体に対抗する形で閉じた状態から未だ変化がない状態である)では、車輪は、弓状ばねの外側に広がろうとする付勢力に押されてガイド溝の右端に位置している。そこで、(b)に示すように、この車輪をガイド溝に沿って矢印B´方向に押し込む形で相対移動させる(既述のように、実際には車輪は動かず弓状ばねを含むシャーシが矢印B´方向とは逆方向に移動する)と、前記スライド軸支構造体は、第二の筐体に固定された弓状ばねをレールとしてガイド溝内を走行する。この場合、この走行にともなって撓む弓状ばねの弓頂部((a)で1214aを付した矢印で示す部分)を越えるまではこのばねに押圧されながら、この力に逆らって進むことになり、ある程度の力で押し込む必要がある。しかし、(c)に示すように、車輪が弓頂部を越えた後には、弓頂部の左側に車輪が位置することになるため、弓状ばねの右向きの押圧から解放され、逆に弓状ばねの左向きの付勢力に押圧される形で一気にガイド溝の反対側の端まで車輪が到達することとなる。このため、第二の筐体を押し込む動作を行う人にとっては、押し込み始めた最初のうちは(具体的には車輪が弓頂部を越えるまでは)ある程度の力で押し込む必要があるが、それを過ぎると容易に第二の筐体を第一の筐体とぴったり重ね合わせるところまで押し込むことができることになる。
【0022】
<効果>
本実施例の発明により、非使用時に表示パネルを本体と対向させる形で閉じた状態とし、使用時には表示パネルを本体から起こすことで開いた状態とするための開閉機構を備えた電子情報表示装置に応用可能な、簡易な動作だけで表裏を逆に重ね合わせ直すことが可能な連結構造体を提供することが可能となる。
特に、このように第二の筐体が重ね合わせ面からはみ出さないように表裏反転させる動作を簡易な構造で実現するため、表裏反転終了と同時にぴったり重なり合う状態にするのではなく、まず、180度回転に連動させて第一の筐体の対向辺に至る中間まで水平移動させ、その後、残りの部分の水平移動を行う構成により、かかる表裏反転動作を実現可能な連結構造体を提供することが可能となる。
【実施例3】
【0023】
<概要>
本実施例の連結構造体は、実施例1又は2に記載する連結構造体からなる電子情報表示装置であって、第二の筐体のいずれかの重ね合わせ面は、電子情報を表示するためのディスプレイ面を有することを特徴とするものである。
【0024】
<構成>
(構成の特徴・用語の定義)
図13は、図6に示したものと同様の電子情報表示装置であって、第二の筐体1302がディスプレイ面1302a有する装置の外観の一例を示す図である。本図は、当該装置を使用するために第二の筐体が矢印A方向に回転しつつ矢印B方向に水平移動を行っている途中の状態を示したものである。なお、本図は、ディスプレイ面が図に現れるように図6とは逆の側面から見た状態を示したものであるため、矢印A方向及び矢印B方向は図5とは逆方向に現れている。本図は、第二の筐体が180度回転して表裏反転する動作のうち、約135度の回転とそれに対応する距離の水平移動を行った状態である。本図に示す電子情報表示装置は、連結部位(図には現れない)が第二の筐体の一辺1302bを軸として第二の筐体を回転させる軸支連結構造であり、この軸支連結構造をなす軸が、回転動作に応じて第一の筐体1301の一辺1301a側からこの辺に対向する第一の筐体の対向辺1301b側にいたる中間まで移動する連結構造体を利用した例である。従って、本図に示す「約135度の回転に対応する距離」は、第一の筐体の側辺の長さLの約1/2のさらに約3/4、即ちおよそ3/8の距離ということになる。
【0025】
この場合、この後第二の筐体がさらに矢印A´方向に約45度回転すると表裏反転が完了し、ディスプレイ面を表側にして第二の筐体が第一の筐体に部分的に重なり合った状態となる。「いずれかの重ね合わせ面」とは、非使用時と使用時とでは第一の筐体との重ね合わせ面が逆になるため、そのうちの一方の重ね合わせ面という意味であり、具体的には非使用時における重ね合わせ面(裏面)、従って使用時における表面を意味する。ディスプレイはフラットパネルディスプレイであることが望ましく、その場合のディスプレイの種類としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等が考えられるが、これら以外のものであってもよい。
【0026】
(構成の目的)
以上のように構成したのは、非使用時においてはディスプレイ面を重ね合わせ面とすることにより、ディスプレイ面を傷つけないように保護するとともに、使用時においてはディスプレイ面を反転させて表面とし、そこに電子情報を表示させて使用することを可能にすることを目的とする。かかる電子情報表示装置としては、例えば卓上型のテレビ・ビデオ、携帯電話機、ゲーム機、電子辞書、ノートブック型パソコンなどが考えられる。
【0027】
<効果>
本実施例により、実施例1に説明した連結構造体を応用した電子情報表示装置を提供することが可能となり、かかる電子情報表示装置を狭いスペースでも容易に操作することが可能となる。
【実施例4】
【0028】
<概要>
本実施例の電子情報表示装置は、基本的に実施例3の装置と共通するが、一の筐体の一辺側から対向辺側にいたる中間まで移動する一組のスライド部(第一筐体側スライド部、第二筐体側スライド部)を有する点、また、ディスプレイ回転軸・第二筐体側スライド部・第一筐体側スライド部がそれぞれ歯車を有し、これらにより回転が伝達されることで第二の筐体の回転・水平移動が実現される点に特徴を有する。
【0029】
<構成>
(構成の特徴)
図14は、本実施例の電子情報表示装置のうち第二の筐体の回転及びこれに連動する水平移動に係る構成部品の外観の一例を図7に示した電子情報表示装置と同じ装置で示した図であって、図7に示した状態から、さらに第二の筐体のシャーシ及びスライド金具を取り外して内部の回転・水平移動に係る機構が見える状態にしたものである。これらの構成部品は大別して、ディスプレイ回転軸1404、第二筐体側スライド部及び第一筐体側スライド部に区別される。ディスプレイ回転軸1404はその先端に第一歯車1406を有する。第二筐体側スライド部は、第二歯車1407及びスライドプレート1408を有する。第一筐体側スライド部は、固定ラックギヤ1410及びシャーシ側板1409を有する。また、ディスプレイ回転軸は本図と図6、図7を比較すれば明らかなように、第二の筐体の内部に埋め込まれる形で配置される。そこで、第二の筐体が開動作を行うとディスプレイ回転軸も一緒に回転することとなり、これとともに第一歯車も回転する。また、第二歯車は、ディスプレイ回転軸及びその先端に取り付けられた第一歯車の回転を第一筐体側スライド部の固定ラックギヤに伝達するためのものである。固定ラックギヤは第一の筐体本体に固定されて動かない構造になっている。なお、図14のうち、1412は軸受部であるが、この軸受部、スライドプレート1408及び第一の筐体の本体シャーシ側板1409については後述する。
なお、図14では、かかるディスプレイ回転軸、第一筐体側スライド部及び第二筐体側スライド部が装置の両側面に設けられている例を示した(これを見やすく表示するため図7のうち奥側側面の側面カバーも取り外した状態を示した)。円滑なスライド動作という観点からはこのように両側面側にかかるスライド部が設けられていることが望ましいが、これは必須ではなく、一方の側面のみにかかるスライド部が設けられているものであってもよい。
【0030】
(構成要素間の関係(1)噛合い関係)
図15は、これら各歯車の噛合い関係を説明するための図であり、図14のうちディスプレイ回転軸、第一歯車、第二歯車及び固定ラックギヤだけを取り出してその相対的な位置関係とともに示した図である。
(a)に示すように、まず、第一歯車1506は第二歯車1507の小歯車(図には表れない)と噛み合う。また、この小歯車と回転軸を共有する第二歯車の大歯車1507aは固定ラックギヤ1510と噛み合う。(b)は、同じくこれらの各歯車の噛合い関係を説明するための図であって、(a)とは別の角度(概ね右やや斜め下方向)から見た図である。本図では(a)では示されていなかった第一歯車1506と第二歯車1507の小歯車1507bとの噛合い関係が示されている。
【0031】
(構成要素間の関係(2)回転の伝達関係)
次にこれら構成要素間の回転の伝達関係について説明する。これら構成要素間の回転の伝達関係は、以下のとおりである。ここでは、ディスプレイ回転軸から第一歯車、第二歯車に順次回転が伝達されるという順序で説明するが、これは、本実施例の構成が、主に手動で第二の筐体を開いて使用時の状態にするという動作に適したものであるからである。ただし、本実施例の構成は、例えば第二筐体側スライド部などに設けられたモータの駆動により、逆に第二歯車の回転が順次第一歯車、ディスプレイ回転軸に伝達される場合を排除しない。
そこで、図15(a)に示すように、ディスプレイ回転軸1504が矢印A方向に回転すると、その先端の第一歯車1506もC方向(A方向と同じ時計回り方向)に回転し、これと噛み合う第二歯車1507の小歯車(図には現れない)が矢印D方向(反時計回り方向)に回転する。すると、この小歯車と回転軸を共有する第二歯車の大歯車1507aもD方向に回転する。そして、この大歯車は固定ラックギヤ1510と噛み合っているので、この大歯車が固定ラックギヤ上を矢印B方向に水平移動する。
次に、この第二歯車の大歯車が固定ラックギヤ上を矢印B方向に水平移動するにつれて第二の筐体全体が同方向に水平移動するための構成について説明する。図16は、図14のうち、第二歯車1407、スライドプレート1408及び本体シャーシ側板1409を取り出して示したものである。本図に示すように、第二歯車1607はスライドプレート1608に設けられたギヤ軸1613にビス1613a、ナット1613b等で回転自在に嵌装されている(本図ではこの状態を見やすく示すため、第二歯車、スライドプレート等を互いに分離した状態で示した)。
図17は、スライドプレートの形状の一例として図16などに示したものと同じものを示す。(a)に示すように、スライドプレート1708には、第二歯車(図示を省略)を回転自在に嵌合するためのギヤ軸1713が植立されている。また、(b)は(a)のスライドプレートを別角度から、背面が見える状態で示したものである。(b)に示すように、スライドプレート1708の背面の3箇所において、スライド軸1721a〜cが挿入嵌合され、図示を省略したシャーシ側板のガイド溝を通してスライドワッシャー1722a〜c及びEリング1723a〜cでシャーシ側板に移動自在に取り付けられる。
図18は、かかる構造のスライドプレート1808が本体シャーシ側板1809に設けられた溝1809a、1809bにスライドワッシャー1822a〜c及びEリング1823a〜cで水平移動自在に取り付けられている状態の一例を示す図であって、図16の背面側から見た状態を表したものである。
さらに、図19にスライドプレート、軸受部及びディスプレイ回転軸の相対的位置関係の一例を示すように、このスライドプレート1908は、ディスプレイ回転軸1904とも一体として水平移動可能になっている。即ち、ディスプレイ回転軸は、上下に分割された2個の軸受部1911及び1912によって回転自在に保持される。これらの軸受部どうしは例えばネジで固定される。また、それぞれの軸受部はスライドプレート1908に例えばネジで固定される。また、既述のようにディスプレイ回転軸の先端に取り付けられた第一歯車(図示を省略)と第二歯車(図示を省略)が噛み合うとともに、この第二歯車が固定ラックギヤ(図示を省略)上を水平移動可能であるから、以上の結果、第二歯車が固定ラックギヤ上を水平移動するにつれ、この第二歯車をギヤ軸で保持するスライドプレートも水平移動し、このスライドプレートに固定された軸受部によって保持されるディスプレイ回転軸も回転しながら水平移動する。そして、これも既述のように、ディスプレイ回転軸は第二の筐体内部に埋め込まれているので、第二の筐体全体も、ディスプレイ回転軸と同じ回転速度で回転しながら水平移動するという構成が実現可能となる。
【0032】
(第二の筐体を任意の角度で固定可能にするための具体的構成)
また、本実施例の電子情報表示装置は、第一の筐体上で第二の筐体を任意の角度で固定して使用することができるように構成されていることが望ましい。このための具体的構成の一例は以下のとおりである。
図19に示したように、本実施例の電子情報表示装置のディスプレイ回転軸1904は、スライドプレート1908に固定された軸受部1911及び1912によって保持されているところ、当該軸受部は、ディスプレイ回転軸を回転軸半径方向に分割・固定できるように構成されている。さらに、当該軸受部は固定時にディスプレイ回転軸と軸受部とのラジアル方向に表示パネルを所定角度で保持できるだけの接触圧を発生させるように構成されている。これは、分割された二つの軸受部のそれぞれが軸を加圧しながら挟み込むようにし、軸に対して回転摩擦力を与えるためである。具体的には、例えば図20(a)にその形状の一例を示す軸受部(下側)2011のラジアル受面2011aと、(b)に示す軸受部(上側)2012のラジアル受面2012aとが、両者に挟持されている軸に対して荷重を加えるように取り付ける構成が考えられる。例えば、軸受部の上下を軸を挟持しないでぴったりと合わせたときにできる軸受部内径を挟持すべき軸の径よりわずかに小さく設計する。そして、(c)に示すようにディスプレイ回転軸(図示を省略)を分割された軸受部2011、2012で挟むとともに両軸受部をネジ2025などで締結する。当該ネジの締付けトルクで軸が軸受部から受ける荷重をコントロールし連結構造体の開閉トルク(回転摩擦力)を調整することが可能となる。あるいは、予め計算設計された寸法精度による組立て方法で所定の開閉トルクを発生させるようにしてもよい。要するに、当該軸受部が固定時に軸と軸受部とのラジアル方向に第二の筐体を所定角度で保持できるだけの接触圧を発生させるように構成されていればよく、その実現手段は当業者の適宜の設計事項である。
【0033】
(中継基板、折畳型フラットケーブル)
なお、本実施例の電子情報表示装置は、さらに第二筐体側スライド部に設けられ、第一の筐体と、第二の筐体との信号のやり取りをするための信号線(線束)を中継する中継基板をしており、この中継基板が第二筐体側スライド部のスライド前進正面もしくはスライド後退正面又は側面に配置されるように構成されていてもよい。
さらに、本実施例の電子情報表示装置は、前記信号線であって、中継基板と第一の筐体側とをつなぎ、スライド部の移動にともなって折畳み自在で、スライド部の底面側又は側面側に位置するフラットケーブルを有していてもよい。
図6に示した電子情報表示装置もかかる中継基板及び折畳型フラットケーブルを有する装置の例である。同図において、0616は信号線(線束)であり、その内側に図には現れない中継基板が配置されている。また、0618は折畳型フラットケーブルであり、本例はスライド部の側面側に設けられている例である。
図21は、図6から信号線を取り除いて中継基板2117が見える状態にしたものである(なお、第二歯車等も取り除いて中継基板の全体形状がわかるようにした)。本図の中継基板は、第二筐体側スライド部の一部であるスライドプレート2108の側面に配置されている例である。また、2118は折畳型フラットケーブルである。
以上のような構成としたのは、中継基板をこのような面に配置することで、装置のサイズを増やす必要がない様にするためである。なお、中継基板の具体的形状及び信号線との具体的接続方法は、当業者の適宜の設計事項である。
【0034】
(第一歯車及び第二歯車の諸元等の一例)
最後に、以上の構成を実現するために好適な第一歯車、第二歯車の小歯車、第二歯車の大歯車の諸元等の一例をこの順に(表1)から(表3)に示す。本図に示すように、本例の歯車はいずれもインボリュートスプライン形状であり、かつエキスターナルの歯車である。上述の各図において示した各歯車もかかる諸元等を有する歯車の例である。
【0035】
【表1】


【0036】
【表2】


【0037】
【表3】


<効果>
【0038】
本実施例により、ディスプレイ面を有する電子情報表示装置のディスプレイ回転軸の回転・水平移動をスムーズに実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1の連結構造体の構成の一例を示す概念図
【図2】実施例1の連結構造体の構成の一例を示す概念図
【図3】実施例1の連結構造体の構成の一例を示す概念図
【図4】実施例1の連結構造体の構成の一例を示す概念図
【図5】実施例1の連結構造体の構成の一例を示す概念図
【図6】実施例1の連結構造体を応用した電子情報表示装置の外観の一例を示す図
【図7】実施例2の連結構造体を応用した電子情報表示装置の第二の筐体の内部の構造を説明するための図
【図8】実施例2の連結構造体を応用した電子情報表示装置の第二の筐体の本体部分及びスライド軸支構造体を示す図
【図9】図8のうち筐体本体部分を示す図
【図10】図8のうちスライド軸支構造体を示す図
【図11】実施例2の連結構造体を応用した電子情報表示装置の具体的構成を説明するための図
【図12】図8のシャーシ及びスライド金具の一部の平面図を模式図的に示した図
【図13】実施例3の電子情報表示装置の外観の一例を示す図
【図14】実施例4の電子情報表示装置のうち第二の筐体の回転及びこれに連動する水平移動に係る構成部品の外観の一例を示す図
【図15】実施例4の電子情報表示装置の各歯車の噛合い関係を説明するための図
【図16】図14のうち第二歯車、スライドプレート及び本体シャーシ側板を示す図
【図17】実施例4の電子情報表示装置のスライドプレートの形状の一例を示す概念図
【図18】実施例4の電子情報表示装置のスライドプレートが本体シャーシ側板に設けられた溝に取り付けられた状態の一例を示す図
【図19】実施例4の電子情報表示装置のスライドプレート、軸受部及びディスプレイ回転軸の相対的位置関係の一例を示す図
【図20】実施例4の電子情報表示装置の軸受部の形状の一例を示す図
【図21】実施例4の中継基板、折畳型フラットケーブルを有する電子情報表示装置の一例を示す図
【符号の説明】
【0040】
0101 第一の筐体
0102 第二の筐体
0102a 第二の筐体の使用面
0104 連結部位
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎


【公開番号】 特開2008−60392(P2008−60392A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−236427(P2006−236427)