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【発明の名称】 表面実装機及び表面実装システム
【発明者】 【氏名】井桝 孝彦

【氏名】恒川 祐樹

【要約】 【課題】表面実装機(マウンタ)を操作するオペレータの作業負担を軽減し、操作履歴を保存可能とすると共に、工場内のオペレータの位置を把握して、管理元から最適なオペレータへの作業指示を行えるように成された表面実装機を提供する。

【構成】部品22をノズル44で吸着して基板32に搭載するための表面実装機10において、オペレータ90に携帯させた無線端末92と通信可能な無線通信手段(通信モジュール82)と、前記無線端末と通信を行って、当該表面実装機近傍のオペレータを自動認証し、作業権限内の作業を行っているかチェックする手段とを備える。又、各表面実装機毎に設けられた、オペレータに携帯させた無線端末と通信可能な無線通信手段と、各表面実装機の無線通信手段と通信可能な無線端末を検索して、各表面実装機近傍のオペレータを把握する手段(制御部72)と、最適なオペレータへ作業指示を与える手段とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品をノズルで吸着して基板に搭載するための表面実装機において、
オペレータに携帯させた無線端末と通信可能な無線通信手段と、
前記無線端末と通信を行って、当該表面実装機近傍のオペレータを自動認証し、作業権限内の作業を行っているかチェックする手段と、
を備えたことを特徴とする表面実装機。
【請求項2】
前記チェック結果に基づいて、各オペレータの作業履歴を管理する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の表面実装機。
【請求項3】
部品をノズルで吸着して基板に搭載するための表面実装機が複数台、ネットワークで管理されている表面実装システムであって、
各表面実装機毎に設けられた、オペレータに携帯させた無線端末と通信可能な無線通信手段と、
各表面実装機の無線通信手段と通信可能な無線端末を検索して、各表面実装機近傍のオペレータを把握する手段と、
最適なオペレータへ作業指示を与える手段と、
を備えたことを特徴とする表面実装システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、部品をノズルで吸着して基板に搭載するための部品実装機、及び、複数の部品実装機がネットワークで管理されている実装システムに関する。特に、部品実装機を操作するオペレータの作業負担を軽減し、操作履歴を保持することが可能な表面実装機、及び、オペレータの位置把握ができ、最適なオペレータへ作業指示を与えることが可能な表面実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
IC、抵抗、コンデンサ等の多数の電子部品をノズルで吸着して、プリント基板や液晶基板などの各種基板に搭載する表面実装機(マウンタとも称する)が知られている。このマウンタでは、例えばテープフィーダや部品トレイを部品供給部にセットして実装を行なうが、部品切れが発生した場合には、オペレータが特許文献1に代表されるバーコードやICカードを使用した部品認証で部品の架け替えを行い、特許文献2等のマウンタの記憶装置を使用した作業履歴を保存する方法が取られていた。
【0003】
又、マウンタで障害が発生した場合等は、通常のオペレータとは別にメインテナンス担当者が作業を行う為、特許文献3に記載されているように、オペレータの作業権限が制限されていた。
【0004】
【特許文献1】特許第3421372号公報
【特許文献2】特許第3337604号公報
【特許文献2】特開2003−273577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来のシステムでは、作業権限が限定されたオペレータの作業に対するセュリティ対策が不十分であり、作業権限の無いオペレータも、部品交換や、マウンタの操作を行うことが可能となっていた。その対策として、オペレータがバーコード入りの個人IDを携帯し、部品交換の際はバーコードによるオペレータの認証を行い、その後、部品認証などの作業を行う対策を行っていた。
【0006】
しかしながら、1つの作業を行う度にオペレータ認証を行うことは、部品の架け替えが多い場合など、非常に工数が増大する問題があった。又、部品認証システム等、オペレータの作業内容も複雑化しており、オペレータのスキル差による作業遅れも問題となっている。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、人手によるオペレータ認証を不要として、マウンタを操作するオペレータの作業負担を軽減することを第一の課題とする。
【0008】
本発明は、又、工場内のオペレータの位置が把握でき、管理元から最適なオペレータへ作業指示を行えるようにすることを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、部品をノズルで吸着して基板に搭載するための表面実装機において、オペレータに携帯させた無線端末と通信可能な無線通信手段と、前記無線端末と通信を行って、当該表面実装機近傍のオペレータを自動認証し、作業権限内の作業を行っているかチェックする手段と、を備えることにより、前記第1の課題を解決したものである。
【0010】
更に、前記チェック結果に基づいて、各オペレータの作業履歴を管理する手段を備えることができる。
【0011】
本発明は、又、部品をノズルで吸着して基板に搭載するための表面実装機が複数台、ネットワークで管理されている表面実装システムであって、各表面実装機毎に設けられた、オペレータに携帯させた無線端末と通信可能な無線通信手段と、各表面実装機の無線通信手段と通信可能な無線端末を検索して、各表面実装機近傍のオペレータを把握する手段と、最適なオペレータへ作業指示を与える手段と、を備えることにより、前記第2の課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る表面実装機によれば、マウンタに対する作業を行うときも、人手による認証作業が不要となるので、オペレータの工数が軽減できる。又、マウンタ作業を行うオペレータの作業権限が明確になり、セキュリティが向上する。更に、マウンタの作業履歴に作業オペレータを追加でき、NG作業の回数等、作業結果を反映させることでオペレータのスキル管理を行うことができる。
【0013】
又、本発明に係る部品表面実装システムによれば、オペレータの作業場所を特定でき、効率の良い作業指示をサポートできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0015】
図1に示す如く、本発明に係る表面実装機(マウンタ)10の実施形態は、前部(図の左下側)に配設した部品供給部20と、部品22を搭載する基板32を搬送するための、中央部から少し後方で左上から右下の方向に延在する基板搬送部30と、マウンタ10の前部に移動自在に配設した、X軸ガントリ40X及びY軸ガントリ40YでなるXY移送部40とを主に備えている。
【0016】
前記部品供給部20には、多数の部品22が収納されたテープフィーダ24が多数並設されている。
【0017】
前記XY移送部40には、部品22を部品供給部20で吸着して基板32上に装着するための吸着ノズル44を備えた吸着ヘッド部42が、上下方向(Z軸方向)に移動自在に搭載されている。
【0018】
この吸着ヘッド部42には、その支持部材に取り付けられるようにして、基板32を上方から撮影するための基板認識カメラ50及びその照明52が搭載されている。又、例えば部品供給部20の脇の位置に、吸着ノズル44に吸着された部品を下方から撮影するための部品認識カメラ60及びその照明62が設けられている。
【0019】
又、前記吸着ヘッド部42には、吸着ノズル44に吸着された部品の有無や形状をチェックするためのレーザユニット46が配設されている。
【0020】
更に、前記マウンタ10のオペレーションモニタ70が、該マウンタ10の上方部に配置されている。
【0021】
又、前記基板認識カメラ50、部品認識カメラ60が撮像した画像を演算処理し、更に、本発明による制御を行うための制御部72が、マウンタ10の下方部に配置されている。
【0022】
本発明では、オペレータ90が、ICチップやICタグ等、例えば、半径1m以内の狭い範囲でのみ通信が可能な媒体を組み込んだ無線端末92を携帯し、マウンタ10には、対応した通信モジュール82を装備する。
【0023】
これにより、オペレータ90に近いマウンタ10でのみ通信が可能となり、オペレータ90の位置把握が可能となる。そのため、部品交換等の作業が行われようとしたときに、マウンタ10を操作している作業オペレータ90の自動認証が可能となる。又、オペレータ10の作業権限を事前に登録することで、オペレータ認証時に作業権限の確認ができ、権限以外の作業を行おうとした時は、警告を通知することが可能となる。
【0024】
これにより、マウンタセキュリティの向上に繋がると共に、オペレータの作業履歴がわかるようになり、NG作業の回数等の作業結果を反映させることで、オペレータのスキル管理をすることも可能となる。
【0025】
更に、図2に示す如く、工場又はフロア上の複数(図では3台)のマウンタ10A、10B、10Cが、工場内サーバ100とネットワーク102を用いてネットワーク管理されている場合、マウンタ付近のオペレータ90A、90Bを検索することにより、工場内のオペレータの位置把握ができ、管理元から最適なオペレータへの作業指示を行うことが可能となる。図2において、82A、82B、82Cは、それぞれマウンタ10A、10B、10Cの通信モジュール、92A、92Bは、各オペレータ90A、90Bの無線端末である。
【0026】
図2の例では、マウンタ10Aがオペレータ90Aを、マウンタ10Bと10Cがオペレータ90Bを認識していることから、それぞれのオペレータの位置把握が可能となる。又、マウンタでは網羅できないエリアがある場合には、別途受信装置を配置すればよい。
【0027】
図2の状態でマウンタ10Bで障害が発生した場合、サーバ100は、オペレータ90A、90Bの位置を取得し、オペレータ90Bがマウンタ10Bの様子を見るのが最適であると判断し、画面表示する。このオペレータを選出する工程では、マウンタに対する作業権限や選出の優先順位等、オペレータのID登録情報を考慮し、優先順位の高い数名(任意)を選出し画面へ表示する。管理者は、選出されたオペレータから適任者を選択し、作業指示を行うことで、効率の良い作業が可能となる。
【0028】
事前作業の例を図3に示す。ステップS1で、事前にマウンタ10にオペレータのIDと作業権限を登録しておく。なお、マウンタ10がサーバ100で一括管理されている場合は、サーバ100への登録も可能である。
【0029】
図4に、部品切れ発生時の処理手順の例を示す。
【0030】
まずステップS11で、オペレータ90が部品交換のためフィーダを外そうとした時、マウンタ10は、ステップS12で、オペレータ90のIDを自動照合する。
【0031】
オペレータのID照合方法としては、例えば、
(1)オペレータ90の位置を随時把握しているため、最寄りのオペレータの権限を常に参照する方法、
(2)オペレータ90がマウンタ10に対して作業を開始した時をトリガとし、そのオペレータの権限を参照する方法がある。
【0032】
オペレータの権限照合は、事前にマウンタ10に登録したもの、もしくは、サーバ100へアクセスして行う。
【0033】
ステップS12での権限照合の結果、ステップS13でオペレータ90に権限が無いと判断された時は、ステップS14に進み、マウンタ10及び/又はサーバ100に警告表示を行う。
【0034】
一方、ステップS13でオペレータ90に権限が有ると判断された時には、ステップS15で作業内容を履歴として保存する。この時、作業結果を合わせて保存することで、オペレータのスキル管理をすることが可能となる。
【0035】
なお、前記実施形態では、無線端末92としてICチップを使用し、狭い範囲内での通信を行う媒体を使用しているが、それ以外にも、GPSや携帯電話など、自分の位置を自動的に把握し、その情報をマウンタやサーバに通知する機能を有する装置でも実現が可能である。
【0036】
又、作業対象も部品切れに限定されず、故障発生時等、他のトラブルにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る表面実装機の実施形態を示す正面図
【図2】本発明に係る表面実装システムの実施形態を示すブロック図
【図3】前記実施形態における事前作業の例を示す流れ図
【図4】同じく部品切れ発生時の処理手順の例を示す流れ図
【符号の説明】
【0038】
10、10A、10B、10C…マウンタ
22…部品
32…基板
44…吸着ノズル
90、90A、90B…オペレータ
92、92A、92B…無線端末
82、82A、82B、82C…通信モジュール
72…制御部
100…サーバ
102…ネットワーク
【出願人】 【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】 【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭

【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑

【識別番号】100089015
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 剛博


【公開番号】 特開2008−60391(P2008−60391A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−236405(P2006−236405)