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【発明の名称】 データ生成方法およびそのコンピュータプログラム
【発明者】 【氏名】望月 清貴

【要約】 【課題】アパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭を外形とする図形のデータを削減するデータ生成方法およびそのコンピュータプログラムを実現する。

【構成】データ生成方法では、入力データに基づいてアパーチャを移動させたときに生じた軌跡の屈曲部について、この屈曲部を間に挟む各軌跡の輪郭により形成される輪郭を外形とする各図形を1つに合成できるか否かを判定し、合成できる場合には、屈曲部を間に挟む各軌跡の各輪郭とアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち各軌跡の内部には含まれない円弧とを屈曲部付近における図形の外形として決定してこの外形のデータを生成するか、又は、屈曲部を間に挟む各軌跡の各輪郭と径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭のうち各軌跡の内部には含まれない円弧とを屈曲部付近における図形の外形として決定してこの外形のデータを生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭を外形とする図形のデータを演算処理により生成するデータ生成方法であって、
図形を生成するための入力データに基づいてアパーチャを移動させたときに生じた軌跡の屈曲部について、該屈曲部を間に挟む各軌跡をそれぞれ形成することになった各アパーチャの径が同じ長さであるか否かを判定する処理をプロセッサが実行する第1の判定ステップと、
該第1の判定ステップにおいて各前記アパーチャの径が同じ長さであると判定された場合、前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡の、屈曲内側の輪郭同士が交差するか否かを判定する処理をプロセッサが実行する第2の判定ステップと、
前記第1の判定ステップにおいて各前記アパーチャの径が同じ長さではないと判定された場合、各前記アパーチャのうち径が小さい前記アパーチャの移動により形成される軌跡の両側の各輪郭がともに、前記径が大きいアパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭もしくは該径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭のいずれかと交差するか否かを判定する処理をプロセッサが実行する第3の判定ステップと、
前記第2の判定ステップにおいて交差すると判定された場合、前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡の各輪郭と、前記アパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち各前記軌跡の内部には含まれない円弧とを、前記屈曲部付近における図形の外形として決定し、該決定された図形の外形のデータを生成する処理をプロセッサが実行し、前記生成されたデータをメモリに記憶する第1の決定ステップと、
前記第3の判定ステップにおいて交差すると判定された場合、前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡の各輪郭と、前記径が大きいアパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭のうち各前記軌跡の内部には含まれない円弧とを、前記屈曲部付近における図形の外形としてプロセッサが決定し、該決定された図形の外形のデータを生成する処理をプロセッサが実行し、前記生成されたデータをメモリに記憶する第2の決定ステップと、
を備えることを特徴とするデータ生成方法。
【請求項2】
前記第2の判定ステップにおいて交差しないと判定された場合、前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡のうちの一方である第1の軌跡の各輪郭と、前記アパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち、前記第1の軌跡の内部には含まれずかつ前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡のうちのもう一方である第2の軌跡の内部にも含まれない円弧と、前記第1の軌跡の各輪郭のうち前記第2の軌跡の内部に含まれる輪郭の端点と前記円弧と接するほうの前記第2の軌跡の前記輪郭の端点との間を結線する線分とを、前記屈曲部付近における第1の図形の外形として決定し、該決定された第1の図形の外形のデータを生成する処理をプロセッサが実行するとともに、前記第2の軌跡の各輪郭と、当該各輪郭の前記屈曲部上の各端点を結線する線分とを、前記屈曲部付近における第2の図形の外形として決定し、該決定された第2の図形の外形のデータを生成する処理をプロセッサが実行し、前記生成された第1の図形の外形データおよび前記生成された第2の図形の外形のデータをメモリに記憶する第3の決定ステップをさらに備える請求項1に記載のデータ生成方法。
【請求項3】
前記第3の判定ステップにおいて交差しないと判定された場合、前記径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の各輪郭と、前記径が大きいアパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭のうち前記径が大きいアパーチャの移動により形成される前記軌跡の内部には含まれない円弧とを、前記屈曲部付近における第1の図形の外形として決定し、該決定された第1の図形の外形のデータを生成する処理をプロセッサが実行するとともに、前記径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の各輪郭と、該径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の各前記輪郭間を前記屈曲部上で結線する線分とを、前記屈曲部付近における第2の図形の外形として決定し、該決定された第2の図形の外形のデータを生成する処理をプロセッサが実行し、前記生成された第1の図形の外形のデータおよび前記生成された第2の図形の外形のデータをメモリに記憶する第4の決定ステップをさらに備える請求項1に記載のデータ生成方法。
【請求項4】
アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭を外形とする図形のデータを生成するデータ生成処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
図形を生成するための入力データに基づいてアパーチャを移動させたときに生じた軌跡の屈曲部について、該屈曲部を間に挟む各軌跡をそれぞれ形成することになった各アパーチャの径が同じ長さであるか否かを判定する第1の判定ステップと、
該第1の判定ステップにおいて各前記アパーチャの径が同じ長さであると判定された場合、前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡の、屈曲内側の輪郭同士が交差するか否かを判定する第2の判定ステップと、
前記第1の判定ステップにおいて各前記アパーチャの径が同じ長さではないと判定された場合、各前記アパーチャのうち径が小さい前記アパーチャの移動により形成される軌跡の両側の各輪郭がともに、前記径が大きいアパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭もしくは該径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭のいずれかと交差するか否かを判定する第3の判定ステップと、
前記第2の判定ステップにおいて交差すると判定された場合、前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡の各輪郭と、前記アパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち各前記軌跡の内部には含まれない円弧とを、前記屈曲部付近における図形の外形として決定し、該決定された図形の外形のデータを生成する第1の決定ステップと、
前記第3の判定ステップにおいて交差すると判定された場合、前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡の各輪郭と、前記径が大きいアパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭のうち各前記軌跡の内部には含まれない円弧とを、前記屈曲部付近における図形の外形として決定し、該決定された図形の外形のデータを生成する第2の決定ステップと、
を備えることを特徴とするデータ生成処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記第2の判定ステップにおいて交差しないと判定された場合、前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡のうちの一方である第1の軌跡の各輪郭と、前記アパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち、前記第1の軌跡の内部には含まれずかつ前記屈曲部を間に挟む各前記軌跡のうちのもう一方である第2の軌跡の内部にも含まれない円弧と、前記第1の軌跡の各輪郭のうち前記第2の軌跡の内部に含まれる輪郭の端点と前記円弧と接する方の前記第2の軌跡の前記輪郭の端点との間を結線する線分とを、前記屈曲部付近における第1の図形の外形として決定するとともに、前記第2の軌跡の各輪郭と、当該各輪郭の前記屈曲部上の各端点を結線する線分とを、前記屈曲部付近における第2の図形の外形として決定し、前記決定された第1の図形の外形のデータおよび前記決定された第2の図形の外形のデータを生成する第3の決定ステップをさらに備える請求項3に記載のデータ生成処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記第3の判定ステップにおいて交差しないと判定された場合、前記径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の各輪郭と、前記径が大きいアパーチャを前記屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭のうち前記径が大きいアパーチャの移動により形成される前記軌跡の内部には含まれない円弧とを、前記屈曲部付近における第1の図形の外形として決定するとともに、前記径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の各輪郭と、該径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の各前記輪郭間を前記屈曲部上で結線する線分とを、前記屈曲部付近における第2の図形の外形として決定し、前記決定された第1の図形の外形のデータおよび前記決定された第2の図形の外形のデータを生成する第4の決定ステップをさらに備える請求項3に記載のデータ生成処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、図形のデータを生成するデータ生成方法およびそのコンピュータプログラムに関し、特に、プリント配線基板を設計するために使われる図形のデータを生成するデータ生成方法およびそのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LSIの大規模高集積化に伴って、CADシステムにより、LSIの回路設計が行われている。特に、回路設計する際のマスクパターンを対象としたアートワークシステムにおいて、図形演算機能はなくてはならないものとなっている。CADシステムでは、ガーバー(Gerber)フォーマットのデータ(非特許文献1)を含め図形データを表現するためのデータフォーマットが複数存在する。プリント配線のためのアプリケーションソフトはこうしたデータフォーマットに準拠しながら個別に作成されている。
【0003】
ガーバーフォーマットはフォトプロッタメーカのガーバー社(Gerber Scientific Instrument Company)が考案したCAD用データ形式であるが、ガーバーフォーマットにおいてはプリント基板の作成を自動化するための情報(穴の位置、大きさ、配線の太さ等)を数値化して表現されているので、プリント配線設計における1つの標準的なフォーマットとなっている。また、別の代表的なフォーマットとしてCandence社のGDSフォーマット(非特許文献2、非特許文献3)があり、GDSフォーマットもプリント配線技術分野で多用されている。ユーザはこれらデータフォーマットの何れかを選択してアプリケーションソフトを作成している。
【0004】
GDSフォーマットは、LSI分野のマスクパターンデータ形式として広く利用されており、マスクメーカへ出図する際の事実上の標準フォーマットとなっている。GDSフォーマットでは、LSIの階層的なセル構造を表現することはできるものの、図形の定義に用いることができるエッジパターンは直線のみである。
【0005】
近年では、MEMS(Micro−Electro−Mechanical Systems:微小電気機械システム)分野の進歩により、曲線表現を有するデータ形式でマスクパターンを設計するケースも増えつつある。この場合においても、マスクメーカへの出図にあたっては、マスクパターンのデータをGDSフォーマットに変換する必要がある。例えば、マスクパターンのデータが、曲線表現を有するガーバーフォーマットで表現されている場合には、「ガーバー−GDS変換ツール」を用いて、マスクパターンのデータを、曲線表現のないGDSフォーマットにデータ変換を行う。
【0006】
図16は、ガーバーフォーマットに基づくマスクパターンのデータから露光データを生成するまでのフローチャートを例示する図である。ガーバーフォーマットで表現されているマスクパターンデータ101は、ステップS1001において、ガーバー−GDS変換ツールを用いてGDSフォーマットで表現されるマスクパターンデータ102へデータ変換される。マスクメーカは、自身の変換システムを用いて、ステップS1002において、GDSフォーマットで表現されるマスクパターンデータ102に対して所定の論理演算処理を施し、露光データ103を生成する。
【0007】
ガーバー−GDS変換ツールの処理は、主として2つの処理から成り立つ。すなわち、(1)アパーチャ(通常は円形状)の輪郭および/またはアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭を用いてマスクパターンすなわち図形の外形を生成する処理、(2)生成した図形の外形に円弧があれば、その円弧については微小線分の集合に近似する処理、である。
【0008】
図17は、一般的なCADシステムにおける、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの直線移動により形成される軌跡の輪郭を用いて配線パターンすなわち図形の外形を生成するデータ生成処理の原理説明図である。CADシステムにおいては、アパーチャを用いてラインの幅やランドの直径(もしくは半径)を指定する。ラインとは配線のことであり、ランドとは丸または四角の図形のことである。図17(a)に示す矢印lは、設計データで指示されている直線状のラインを示し、その始点をS、終点をEでそれぞれ表す。アパーチャの半径はrとする。図17(a)に示すように、アパーチャを始点Sから終点Eへ矢印lに沿って直線移動させると、図17(b)において太線で示されるような、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの直線移動により形成される直線状の軌跡の輪郭が得られる。この軌跡を配線パターンすなわち図形の外形とする。これにより、設計データで指示されたラインlに対する配線パターンを、幅2rを有する直線状の図形として生成することができる。このようにアパーチャを移動させることを一般に「アパーチャインターポレート(aperture interpolate)」とも称するが、本明細書では単に「アパーチャ移動」と称する。
【0009】
図18は、一般的なCADシステムにおける、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの円弧移動により形成される軌跡の輪郭を用いて配線パターンすなわち図形の外形を生成するデータ生成処理の原理説明図である。アパーチャ移動は、図17を参照して説明した直線移動だけではなく、円弧移動の場合もある。図18(a)に示す矢印lは、設計データで指示されている円弧状のラインを示し、その始点をS、終点をEでそれぞれ表す。アパーチャの半径はrとする。図18(a)に示すように、アパーチャを始点Sから終点Eへ矢印lに沿って円弧移動させると、図18(b)において太線で示されるような、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの円弧移動により形成される円弧状(曲線状)の軌跡の輪郭が得られる。この軌跡を図形の外形とする。これにより、設計データで指示されたラインlに対する配線パターンを、幅2rを有する円弧状の図形として生成することができる。
【0010】
【非特許文献1】http://www.interq.or.jp/japan/se-inoue/eagle44.htm
【非特許文献2】EBハンドリングデータフォーマット GDSII. NEO Version1.2、(株)半導体先端テクノロジーズ
【非特許文献3】http://www.filcon.co.jp/mcr/pm_s.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ガーバー−GDS変換ツールにおけるアパーチャ移動は、設計データで指定されているラインの始点から終点までを一単位として、特に設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が存在する場合はの屈曲点間で挟まれるラインを一単位として行われ、各アパーチャ移動ごとに独立して図形の外形すなわち配線パターンのデータが形成される。
【0012】
図19は、一般的なガーバー−GDS変換ツールにおける、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの円弧移動により形成される軌跡の輪郭を用いて配線パターンすなわち図形の外形を生成するデータ生成処理の原理説明図である。ここでは、図19(a)に示すように、設計データで指示されているラインlは、ビアV1からビアV2を結線するものであり、途中2つの屈曲点w1およびw2を有する場合における配線パターンのデータ生成処理について説明する。図中、各ビアV1およびV2の中心点をそれぞれv1およびv2で表す。
【0013】
図19(a)に示すような設計データで指示されているラインlならびにビアV1およびV2に対するアパーチャ移動を、図19(b)に示す。設計データで指示されているラインlについては、ラインの幅に対応した径を有するアパーチャA1を用いて、ビアV1の中心点v1を始点としかつ屈曲点w1を終点とするアパーチャ移動が行われ、このアパーチャ移動により軌跡K1が形成される。次いで、アパーチャA1を用いて、屈曲点w1を始点としかつ屈曲点w2を終点とするアパーチャ移動が行われ、このアパーチャ移動により軌跡K2が形成される。そして、アパーチャA1を用いて、屈曲点w2を始点としかつビアV2の中心点v2を終点とするアパーチャ移動が行われ、このアパーチャ移動により軌跡K3が形成される。なお、設計データで指示されているビアV1およびV2については、ビアの半径に対応した径を有するアパーチャA2が用いられるが、これらビアについては、移動量ゼロのアパーチャ移動とみなせばよい。すなわち、アパーチャA2の輪郭がそのままランドの外形となる。
【0014】
図19(c)はアパーチャ移動の結果を示す。上述のようにガーバー−GDS変換ツールにおけるアパーチャ移動では、アパーチャ移動ごとに、独立して図形の外形のデータが形成される。図示の例では、各アパーチャ移動の結果、配線パターンおよびビアのパターンとして、図形Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5の各外形が得られる。次いで、ガーバー−GDS変換ツールでは、生成した図形の外形に含まれる円弧を微小線分の集合に近似する処理を行う。
【0015】
しかしながら、このような別個独立の図形を生成すると、例えばアパーチャA1による円弧D1は、このアパーチャA1よりもさらに径が大きいアパーチャA2の内部に包含されてしまうので、結局のところ図形の外形を形成するものではなく、冗長であるといえる。また、屈曲点w1においては軌跡K1を形成するアパーチャA1のアパーチャ移動と軌跡K2を形成するアパーチャA1のアパーチャ移動が、屈曲点w2においては軌跡K2を形成するアパーチャA1のアパーチャ移動と軌跡K3を形成するアパーチャA1のアパーチャ移動が、それぞれ重複する円弧D2を発生させている。
【0016】
ガーバー−GDS変換ツールによる円弧を微小線分の集合に近似する演算処理は特に時間を要するものである。また、処理すべき円弧が多いほど、GDSフォーマットに変換されたデータ量は増大化する。また、近似される微小線分が微細であるほど、GDSフォーマットベースの図形の精度は向上するが、データ量は増大する。GDSフォーマットに変換されたデータ量の増大化は、その後に実行される露光データの生成における論理演算処理(図16のステップS1002)の増大につながる。上述の円弧D1およびD2は、図形の外形に関するデータとしては本来的に不必要なものであるといえ、これら円弧D1およびD2についても円弧を微小線分の集合に近似する処理をわざわざ実行するのは無駄である。
【0017】
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭を外形とする図形のデータを演算処理により生成するデータ生成方法およびそのコンピュータプログラムにおいて、生成されるデータ量が削減されるデータ生成方法およびそのコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を実現するために、本発明においては、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭を外形とする図形のデータを演算処理により生成するデータ生成方法は、図形を生成するための入力データに基づいてアパーチャを移動させたときに生じた軌跡の屈曲部について、この屈曲部を間に挟む各軌跡をそれぞれ形成することになった各アパーチャの径が同じ長さであるか否かを判定する処理をプロセッサが実行する第1の判定ステップと、第1の判定ステップにおいて各アパーチャの径が同じ長さであると判定された場合、屈曲部を間に挟む各軌跡の、屈曲内側の輪郭同士が交差するか否かを判定する処理をプロセッサが実行する第2の判定ステップと、第1の判定ステップにおいて各アパーチャの径が同じ長さではないと判定された場合、各アパーチャのうち径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の両側の各輪郭がともに、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭もしくはこの径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭のいずれかと交差するか否かを判定する処理をプロセッサが実行する第3の判定ステップと、第2の判定ステップにおいて交差すると判定された場合、屈曲部を間に挟む各軌跡の各輪郭と、アパーチャを屈曲部に位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち各軌跡の内部には含まれない円弧とを、屈曲部付近における図形の外形として決定し、この決定された図形の外形のデータを生成する処理をプロセッサが実行し、生成されたデータをメモリに記憶する第1の決定ステップと、第3の判定ステップにおいて交差すると判定された場合、屈曲部を間に挟む各軌跡の各輪郭と、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭のうち各軌跡の内部には含まれない円弧とを、屈曲部付近における図形の外形としてプロセッサが決定し、この決定された図形の外形のデータを生成する処理をプロセッサが実行し、生成されたデータをメモリに記憶する第2の決定ステップと、を備える。
【0019】
本発明によるデータ生成方法における各ステップは、コンピュータ等の演算処理装置が実行することができるコンピュータプログラムの形式で実現できる。
【0020】
すなわち、本発明においては、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭を外形とする図形のデータを生成するデータ生成処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムは、図形を生成するための入力データに基づいてアパーチャを移動させたときに生じた軌跡の屈曲部について、この屈曲部を間に挟む各軌跡をそれぞれ形成することになった各アパーチャの径が同じ長さであるか否かを判定する第1の判定ステップと、第1の判定ステップにおいて各アパーチャの径が同じ長さであると判定された場合、屈曲部を間に挟む各軌跡の、屈曲内側の輪郭同士が交差するか否かを判定する第2の判定ステップと、第1の判定ステップにおいて各アパーチャの径が同じ長さではないと判定された場合、各アパーチャのうち径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の両側の各輪郭がともに、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭もしくはこの径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭のいずれかと交差するか否かを判定する第3の判定ステップと、第2の判定ステップにおいて交差すると判定された場合、屈曲部を間に挟む各軌跡の各輪郭と、アパーチャを屈曲部に位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち各軌跡の内部には含まれない円弧とを、屈曲部付近における図形の外形として決定し、この決定された図形の外形のデータを生成する第1の決定ステップと、第3の判定ステップにおいて交差すると判定された場合、屈曲部を間に挟む各軌跡の各輪郭と、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭のうち各軌跡の内部には含まれない円弧とを、屈曲部付近における図形の外形として決定し、この決定された図形の外形のデータを生成する第2の決定ステップと、を備える。
【0021】
上記各ステップの処理をコンピュータにより実行させるコンピュータプログラムを記録媒体に格納するという事項も当業者には自明である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭を外形とする図形のデータを演算処理により生成するデータ生成方法およびそのコンピュータプログラムにおいて、このデータ生成処理により生成されるデータ量を、従来例に比べて削減することができ、その後の演算処理についても効率化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の実施例によるデータ生成方法の動作フローを示すフローチャートである。本実施例では、設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が存在する場合におけるアパーチャ移動を用いたデータ生成処理について説明するが、本発明は、この屈曲点を挟んでその前後にアパーチャ移動が連続する場合に適用可能である。本明細書では、説明を簡明にするために、屈曲点を挟んで連続的に行われる2つのアパーチャ移動を次のように命名する。すなわち、アパーチャ移動はある方向に向かって行われることから、先に行われるアパーチャ移動を「前アパーチャ移動」、この前アパーチャ移動の後に屈曲点を挟んで連続して行われるアパーチャ移動を「後アパーチャ移動」と称する。
【0024】
まず、本実施例を説明するに先立ち、アパーチャの輪郭およびアパーチャ移動により形成される軌跡の各部分の、本明細書において用いられる定義について説明する。図2は、本発明の実施例を説明する際に用いられるアパーチャの輪郭およびアパーチャ移動により形成される軌跡の各部分の定義を説明する図である。
【0025】
本実施例では、図2(a)に示すように設計データで指示されている直線状のラインlに対し、幅が2rである直線状の配線パターンのデータを生成する場合を考える。ラインlの始点をS、終点をEでそれぞれ表す。また、アパーチャの半径はrとする。
【0026】
図2(a)に示すように、アパーチャAを始点Sから終点Eへ矢印lに沿って直線移動させると、図2(b)において太線で示されるような、アパーチャAの輪郭および/またはアパーチャAの直線移動により形成される直線状の軌跡の輪郭が得られる。この軌跡を図形の外形とする。ここでは、得られた直線状の軌跡の各輪郭のうち、アパーチャ移動の方向に対して左側の輪郭を「側線L」とし、右側の輪郭を「側線R」とする。側線Lの始点をLS、終点をLEとし、側線Rの始点をRS、終点をREとする。また、アパーチャAが始点Sに位置するときの始端の円弧をASとし、終点Eに位置するときの終端の円弧をAEとする。すなわち、アパーチャAが始点Sから終点Eまでアパーチャ移動することにより形成される軌跡から、点LSから点LEまでの「側線L」、点LEから点REまでの「円弧AE」、点REから点RSまでの「側線R」、点RSから点LSまでの「円弧AS」が得られ、これらをこの順に結ぶことにより、設計データで指示されている直線状のラインlに対し、幅が2rである直線状の配線パターンとして、図2(b)において太線で示される図形の外形が生成されることになる。以下の実施例では直線状のラインlについて説明するが、本発明は円弧状のラインに対しても適用可能である。
【0027】
まず、図1の第1の判定ステップS101において、図形を生成するための入力データに基づいてアパーチャを移動させたときに生じた軌跡の屈曲部について、この屈曲部を間に挟む各軌跡をそれぞれ形成することになった各アパーチャの径が同じ長さであるか否かを判定する。図3は、本発明の実施例における第1の判定ステップを説明する図である。図形を生成するための入力データに基づいてアパーチャを移動させたときに生じた軌跡の屈曲部をXとする。図3(a)は、前アパーチャ移動のアパーチャA1の径と、この前アパーチャ移動の後に屈曲点Xを挟んで連続して行われる後アパーチャ移動のアパーチャA2の径とが、ともに同じ長さの径r1を有している場合を示している。一方、図3(b)は、前アパーチャ移動のアパーチャA1の径r1と、この前アパーチャ移動の後に屈曲点Xを挟んで連続して行われる後アパーチャ移動のアパーチャA2’の径r2とが、異なる場合を示している。第1の判定ステップS101においてアパーチャの径が同じ長さであると判定された場合は第2の判定ステップS102へ進み、同じではないと判定された場合は第3の判定ステップS105へ進む。
【0028】
第2の判定ステップS102では、屈曲部を間に挟む各軌跡の、屈曲内側の輪郭同士が交差するか否かを判定する。第2の判定ステップS102において交差すると判定された場合は第1の決定ステップS103へ進み、交差しないと判定された場合は第3の決定ステップS104へ進む。
【0029】
第1の決定ステップS103では、屈曲部を間に挟む各軌跡の各輪郭と、アパーチャを屈曲部に位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち各軌跡の内部には含まれない円弧とを、屈曲部付近における図形の外形として決定し、この決定された図形の外形のデータを生成する。
【0030】
一方、第3の決定ステップS104では、屈曲部を間に挟む各軌跡のうちの一方である第1の軌跡の各輪郭と、アパーチャを屈曲部に位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち、第1の軌跡の内部には含まれずかつ屈曲部を間に挟む各軌跡のうちのもう一方である第2の軌跡の内部にも含まれない円弧と、第1の軌跡の各輪郭のうち第2の軌跡の内部に含まれる輪郭の端点と円弧と接する方の第2の軌跡の輪郭の端点との間を結線する線分とを、屈曲部付近における第1の図形の外形として決定するとともに、第2の軌跡の各輪郭と、この第2の軌跡の各輪郭の屈曲部上の各端点を結線する線分とを、屈曲部付近における第2の図形の外形として決定し、決定された第1の図形の外形のデータおよび決定された第2の図形の外形のデータを生成する。
【0031】
これら第2の判定ステップS102、第1の決定ステップS103および第3の決定ステップS104について具体例を上げて説明すると次の通りである。図4は、本発明の実施例における第2の判定ステップおよび第1の決定ステップを説明する図である。また、図5は、本発明の実施例における第2の判定ステップおよび第3の決定ステップを説明する図であり、図6は、図5の破線で囲まれた領域の拡大図である。
【0032】
図1の第2の判定ステップS102において屈曲部Xを間に挟む各軌跡の、屈曲内側の輪郭同士が交差すると判定される場合が、図4に例示されている。図示の例では、前アパーチャ移動により形成される軌跡の屈曲内側の輪郭は点LS1から点LE1までの側線L1であり、後アパーチャ移動により形成される軌跡の屈曲内側の輪郭は点LS2から点LE2までの側線L2であり、これら側線L1と側線L2は、点Pで交差する。この場合は、図1の第1の決定ステップS103において図形のデータが作成される。すなわち、図4に示す前アパーチャ移動およびこの前アパーチャ移動の後に屈曲点Xを挟んで連続して行われる後アパーチャ移動により形成される軌跡から、点LS1から点LE1までの側線L1のうち点LS1から点Pまでの線分と、点LS2から点LE2までの側線L2のうち点Pから点LE2までの線分と、点LE2から点RE2までの円弧AE2と、点RE2から点RS2までの側線R2と、点RS2から点RE1までの円弧AE1AS2と、点RE1から点RS1までの側線R1と、点RS1から点LS1までの円弧AS1と、からなる図形の外形(図中、太線で示す。)が決定し、この決定された図形の外形のデータが生成される。このとき、アパーチャを屈曲部Xに位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち各軌跡の内部に含まれる点RE1−点LS2−点LE1−点RS2で画定される円弧についてのデータは従来例とは異なり本発明では生成されることはないので、本発明によって円弧分のデータが削減されたことになる。
【0033】
図1の第2の判定ステップS102において屈曲部Xを間に挟む各軌跡の、屈曲内側の輪郭同士が交差しないと判定される場合が、図5および6に例示されている。すなわち、図示の例では、前アパーチャ移動により形成される軌跡の屈曲内側の輪郭は点LS1から点LE1までの側線L1であり、後アパーチャ移動により形成される軌跡の屈曲内側の輪郭は点LS2から点LE2までの側線L2であるが、これら側線L1と側線L2は、交差しない。この場合は、図1の第3の決定ステップS104において、次に説明するように図形のデータが作成されることになる。
【0034】
第3の決定ステップS104における屈曲部Xを間に挟む各軌跡のうちの一方である第1の軌跡は前アパーチャ移動により形成されるものであり、第2の軌跡は後アパーチャ移動により形成されるものであり、この前アパーチャ移動と、前アパーチャ移動の後に屈曲点Xを挟んで連続して行われる後アパーチャ移動により形成される軌跡とから、2つの図形の外形が決定され、これら別々の図形の外形のデータがそれぞれ生成されることになる。
【0035】
まず、前アパーチャ移動による第1の軌跡による輪郭から、次のような図形の外形が決定される。前アパーチャ移動により形成される第1の軌跡の輪郭は、点LS1から点LE1までの側線L1と、点RE1から点RS1までの側線R1とからなる。アパーチャを屈曲部Xに位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち、前アパーチャ移動による第1の軌跡の内部には含まれずかつ後アパーチャ移動による第2の軌跡の内部にも含まれない円弧は、点RS2から点RE1までの円弧AE1AS2である。また、前アパーチャ移動による第1の軌跡の各輪郭のうち後アパーチャ移動による第2の軌跡の内部に含まれる輪郭の端点LE1と、円弧AE1AS2と接する方の後アパーチャ移動による第2の軌跡の輪郭の端点RS2と、の間を結線すると線分Mが得られる。よって、前アパーチャ移動による第1の軌跡による輪郭から、点LS1から点LE1までの側線L1と、点LE1から点RS2までの線分Mと、点RS2から点RE1までの円弧AE1AS2と、点RE1から点RS1までの側線R1と、点RS1から点LS1までの円弧AS1と、からなる図形の外形(図中、太線で示す。)が決定し、この決定された図形の外形のデータが生成される。このように、本実施例では、点LE1と点RS2との間の図形の外形は、点LE1から点RS2までの円弧ではなく、点LE1から点RS2までの線分Mとするので、円弧部分を微小線分の集合に変換する際に生じうるデータ量の増大を回避することができる。
【0036】
後アパーチャ移動による第2の軌跡による輪郭から、次のような図形の外形が決定される。第2の軌跡の輪郭は、点LS2から点LE2までの側線L2と、点RE2から点RS2までの側線R2とからなる。この第2の軌跡のこれら各輪郭間を屈曲部X上で結線する線分は、点RS2から点LS2までの線分Nである。よって、後アパーチャ移動による第2の軌跡による輪郭から、点LS2から点LE2までの側線L2と、点LE2から点RE2までの円弧AE2と、点RE2から点RS2までの側線R2と、点RS2から点LS2までの線分Nと、からなる図形の外形(図中、太線で示す。)が決定し、この決定された図形の外形のデータが生成される。このように、本実施例では、点RS2と点LS2との間の図形の外形は、点RS2から点LS2までの円弧ではなく、点RS2から点LS2までの線分Nとするので、円弧部分を微小線分の集合に変換する際に生じうるデータ量の増大を回避することができる。
【0037】
図1の第3の判定ステップS105では、各アパーチャのうち径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の両側の各輪郭がともに、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭もしくはこの径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭のいずれかと交差するか否かを判定する。第3の判定ステップS105において交差すると判定された場合は第2の決定ステップS106へ進み、交差しないと判定された場合は第4の決定ステップS107へ進む。
【0038】
第2の決定ステップS106では、屈曲部を間に挟む各軌跡の各輪郭と、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭のうち各軌跡の内部には含まれない円弧とを、屈曲部付近における図形の外形として決定し、この決定された図形の外形のデータを生成する。
【0039】
一方、第4の決定ステップS107では、径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の各輪郭と、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭のうちこの径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の内部には含まれない円弧とを、屈曲部付近における第1の図形の外形として決定するとともに、径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の各輪郭と、この径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の各輪郭間を屈曲部上で結線する線分とを、屈曲部付近における第2の図形の外形として決定し、決定された第1の図形の外形のデータおよび決定された第2の図形の外形のデータを生成する。
【0040】
これら第3の判定ステップS105、第2の決定ステップS106および第4の決定ステップS107について具体例を上げて説明すると次の通りである。図7は、本発明の実施例における第3の判定ステップおよび第2の決定ステップを説明する図である。また、図8は、本発明の実施例における第3の判定ステップおよび第4の決定ステップを説明する図である。
【0041】
図1の第3の判定ステップS105において径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の両側の各輪郭がともに、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭もしくはこの径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭のいずれかと交差すると判定される場合が、図7に例示されている。すなわち、図示の例では、前アパーチャ移動のアパーチャの径r1は、この前アパーチャ移動の後に屈曲点Xを挟んで連続して行われる後アパーチャ移動のアパーチャの径r2よりも大きい。径が小さいアパーチャによる後アパーチャ移動の軌跡の輪郭は点LS2から点LE2までの側線L2と点RS2から点RE2までの側線R2である。このうち、側線L2は、径が大きいアパーチャによる前アパーチャ移動の軌跡の輪郭の1つである点LS1から点LE1までの側線L1と点PLで交差し、側線R2は、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭と点PRで交差する。この場合は、図1の第2の決定ステップS106において図形のデータが作成される。すなわち、図7に示す前アパーチャ移動およびこの前アパーチャ移動の後に屈曲点Xを挟んで連続して行われる後アパーチャ移動により形成される軌跡から、点LS1から点LE1までの側線L1のうち点LS1から点PLまでの線分と、点LS2から点LE2までの側線L2のうち点PLから点LE2までの線分と、点LE2から点RE2までの円弧AE2と、点RE2から点RS2までの側線R2のうち点RE2から点PRまでの線分と、点PRから点RE1までの円弧AE1AS2と、点RE1から点RS1までの側線R1と、点RS1から点LS1までの円弧AS1と、からなる図形の外形(図中、太線で示す。)が決定し、この決定された図形の外形のデータが生成される。このとき、径が小さいアパーチャを屈曲部Xに位置させたときの当該アパーチャの輪郭は、径が大きいアパーチャを屈曲部Xに位置させたときの当該アパーチャの輪郭の内部に含まれるのでその分のは従来例とは異なり本発明では生成されることはないので、本発明によって当該輪郭のデータが削減されたことになる。
【0042】
図1の第3の判定ステップS105において径が小さいアパーチャの移動により形成される軌跡の両側の各輪郭のうち少なくとも一方が、径が大きいアパーチャを屈曲部に位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭もしくはこの径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭のいずれにも交差しないと判定される場合が、図8に例示されている。すなわち、図示の例では、径が小さいアパーチャによる後アパーチャ移動の軌跡の輪郭は点LS2から点LE2までの側線L2と点RS2から点RE2までの側線R2である。このうち、側線L2は、径が大きいアパーチャを屈曲部Xに位置させたときの当該径が大きいアパーチャの輪郭もしくはこの径が大きいアパーチャの移動により形成される軌跡の輪郭のいずれにも交差しない。この場合は、図1の第4の決定ステップS107において、次に説明するように図形のデータが作成されることになる。すなわち、第4の決定ステップS107においては、径の大きいアパーチャによる前アパーチャ移動と、前アパーチャ移動の後に屈曲点Xを挟んで連続して行われる径の小さいアパーチャによる後アパーチャ移動により形成される軌跡とから、2つの図形の外形が決定され、これら別々の図形の外形のデータがそれぞれ生成されることになる。
【0043】
まず、径が大きいアパーチャの前アパーチャ移動により形成される軌跡の輪郭から、次のような図形の外形が決定される。径が大きいアパーチャの前アパーチャ移動により形成される軌跡の輪郭は、点LS1から点LE1までの側線L1と、点RE1から点RS1までの側線R1とからなる。径が大きいアパーチャを屈曲部Xに位置させたときの当該アパーチャの輪郭のうち、当該前アパーチャ移動による軌跡の内部には含まれない円弧は、点LE1から点RE1までの円弧AE1AS2である。よって、前アパーチャ移動による軌跡による輪郭から、点LS1から点LE1までの側線L1と、点LE1から点RE1までの円弧AE1AS2と、点RE1から点RS1までの側線R1と、点RS1から点LS1までの円弧AS1と、からなる図形の外形(図中、太線で示す。)が決定し、この決定された図形の外形のデータが生成される。
【0044】
一方、径が小さいアパーチャの後アパーチャ移動により形成される軌跡の輪郭から、点LS2から点LE2までの側線L2と、点LE2から点RE2までの円弧AE2と、点RE2から点RS2までの側線R2と、点RS2から点LS2までの線分Nと、からなる図形の外形(図中、太線で示す。)が決定し、この決定された図形の外形のデータが生成される。このように、本実施例では、点RS2と点LS2との間の図形の外形は、点RS2から点LS2までの円弧ではなく、点RS2から点LS2までの線分Nとするので、円弧部分を微小線分の集合に変換する際に生じうるデータ量の増大を回避することができる。
【0045】
本発明は、設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が存在する場合においてこの屈曲点を挟んで、前後にアパーチャ移動が連続する場合に適用可能であることは上述した通りであるが、本発明は、設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合においても適用することができる。この場合は、屈曲線を挟んで連続する2つのアパーチャ移動ごとに本発明によるデータ生成処理を実行し、図形の外形のデータを生成すればよい。図9および10は、設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合における本発明の適用を説明する図である。ここでは、設計データで指示されているラインの途中に2つの屈曲点X1およびX2が存在する場合における本発明によるデータ生成処理について説明する。この場合は、まず、アパーチャ移動αを前アパーチャ移動としかつアパーチャ移動βを後アパーチャ移動として本発明によるデータ生成処理を実行する。次いで、アパーチャ移動βを前アパーチャ移動としかつアパーチャ移動γを後アパーチャ移動として本発明によるデータ生成処理を実行する。
【0046】
ここで、径がr2であるアパーチャによるアパーチャ移動αと、このアパーチャ移動αの後に屈曲点X1を挟んで連続して行われる径がr1(ただし、r2<r1)であるアパーチャによるアパーチャ移動βと、このアパーチャ移動βの後に屈曲点X2を挟んで連続して行われる径がr1であるアパーチャによるアパーチャ移動γとが、図9に示すような位置関係にある場合について考える。この場合に本発明によるデータ生成処理を実行すると、図示のような図形の外形(図中、太線で示す。)が決定され、そのデータが生成される。アパーチャ移動αとアパーチャ移動βとの境界付近の図形の外形のデータは、上述した図1の第2の決定ステップS106に基づいて生成される。アパーチャ移動βとアパーチャ移動γとの境界付近の図形の外形のデータは、上述した図1の第1の決定ステップS103に基づいて生成される。より具体的に言えば次のとおりである。すなわち、アパーチャ移動αにより形成される軌跡によって決定される図形の外形は、側線L0の終点PL0までのデータと、側線R0の終点PR0までのデータとで表現される。また、アパーチャ移動βにより形成される軌跡によって決定される図形の外形は、円弧AS1AE0の始点PL0から側線L1と側線L2とが交差する点P1までのデータと、側線R0と側線R1とが交差する点PR0から円弧AS2AE1上の点RS2(すなわち側線R2の始点)までのデータとで表現される(図中、一点鎖線で示される矢印を参照。)。また、アパーチャ移動γにより形成される軌跡によって決定される図形の外形は、側線L1と側線L2とが交差する点P1から円弧AE2を通って側線R2の終点RS2までのデータで表現される。なお、点RE1から点RS2までの円弧についてのデータは、径の長さが同じアパーチャ移動βおよびアパーチャ移動γのどちらの軌跡からも生成することができる。図示の例では、上述のように点RS2をデータ生成の境界点とし、点RE1から点RS2までの円弧についてのデータはアパーチャ移動βによる軌跡から生成している。この代替例として、点RE1をデータ生成の境界点とし、点RE1から点RS2までの円弧についてのデータはアパーチャ移動γによる軌跡から生成してもよい。
【0047】
また、径がr1であるアパーチャによるアパーチャ移動αと、このアパーチャ移動αの後に屈曲点X1を挟んで連続して行われる径がr1であるアパーチャによるアパーチャ移動βと、このアパーチャ移動βの後に屈曲点X2を挟んで連続して行われる径がr2(ただし、r2<r1)であるアパーチャによるアパーチャ移動γとが、図10に示すような位置関係にある場合について考えると次のとおりである。この場合に本発明によるデータ生成処理を実行すると、図示のような図形の外形(図中、太線で示す。)が決定され、そのデータが生成される。すなわち、アパーチャ移動αにより形成される軌跡によって決定される図形の外形は、円弧AS1AE0の点LS1までのデータと、側線R0と側線R1とが交差する点P0までのデータとで表現される。また、アパーチャ移動βにより形成される軌跡によって決定される図形の外形は、側線L1の始点LS1から側線L1と側線L2とが交差する点PL1までのデータと、側線R0と側線R1とが交差する点P0から円弧AS2AE1と側線R2とが交差する点PR1までのデータとで表現される(図中、一点鎖線で示される矢印を参照。)。また、アパーチャ移動γにより形成される軌跡によって決定される図形の外形は、側線L1と側線L2とが交差する点PL1から、円弧AE2を通って、円弧AS2AE1と側線R2とが交差する点PR1までのデータで表現される。なお、点LE0から点LS1までの円弧についてのデータは、径の長さが同じアパーチャ移動αおよびアパーチャ移動βのどちらの軌跡からも生成することができる。図示の例では、上述のように点LS1をデータ生成の境界点とし、点LE0から点LS1までの円弧についてのデータはアパーチャ移動αによる軌跡から生成している。この代替例として、点LE0をデータ生成の境界点とし、点LE0から点LS1までの円弧についてのデータはアパーチャ移動βによる軌跡から生成してもよい。
【0048】
図1〜8を参照して説明したように、本発明の実施例によるデータ生成処理では、第2の判定ステップS102および第3の判定ステップS105において交点が存在すると判定された場合に第1の決定ステップS103および第2の決定ステップS106において、屈曲点を間に挟む2つのアパーチャ移動により1つの図形として外形が形成されるが、第2の判定ステップS102および第3の判定ステップS105において交点が存在しないと判定された場合には第3の決定ステップS104および第4の決定ステップS107において別々の図形の外形としてデータがそれぞれ生成される。この理由について説明すると次のとおりである。図11は、本発明の実施例における第3の決定ステップおよび第4の決定ステップにおいて、別々の図形の外形としてデータを生成する理由を説明する図である。ここでは一例として、径が同じ長さを有するアパーチャによるアパーチャ移動α、βおよびγが図示するような位置関係にある場合について考える。
【0049】
まず、アパーチャ移動αを前アパーチャ移動としかつアパーチャ移動βを後アパーチャ移動として本発明によるデータ生成処理を実行する。この場合、図1の第2の判定ステップS102における処理が実行され、次いで第3の決定ステップS104における処理が実行される。この場合、アパーチャ移動αにより決定される図形における側線L1と、アパーチャ移動βにより決定される図形における点LE2から点RE2までの間の円弧とが点Q1で交差する。この点Q1を用いて、第3の決定ステップS104の処理に従わずに、1つの図形としての外形を形成できるようにも思える。しかしながら、次いで、アパーチャ移動βを前アパーチャ移動としかつアパーチャ移動γを後アパーチャ移動として本発明によるデータ生成処理を実行すると、アパーチャ移動αにより決定される図形における側線L1と、アパーチャ移動βにより決定される図形における側線L3とが点Q2で交差する。このときアパーチャ移動γによる軌跡の内部に前述の点Q1が包含されてしまうので、結局のところ、点Q1は、これらアパーチャ移動α、βおよびγにより決定される図形の外形を構成する点にはなっていない。したがって、アパーチャ移動αを前アパーチャ移動としかつアパーチャ移動βを後アパーチャ移動として本発明によるデータ生成処理を実行する際に、点Q1を用いた図形の外形を計算することは無駄となり、仮にこれを計算したとすると、データ量が増大してしまう。そこで、本発明の実施例では、図1〜8を参照して説明したように、第2の判定ステップS102および第3の判定ステップS105において交点が存在しないと判定された場合には第3の決定ステップS104および第4の決定ステップS107において別々の図形の外形としてデータを生成するのである。
【0050】
設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合において本発明の実施例によるデータ生成処理を適用した場合についてさらに詳しく説明すると次のとおりである。図12は、設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合における、本発明の実施例によるデータ生成方法の動作フローを示すものであって、特に、生成されたデータの構築についての動作フローを示すフローチャートである。なお、ステップS101〜S107における各処理は図1〜8を参照して説明したとおりなので詳細な説明は省略し、ここでは、生成されたデータの構築について特に詳しく説明する。なお、説明を簡明にするために、決定される図形の外形の、アパーチャ移動の方向に向かって左側のデータを「左エッジデータ」、右側のデータを「右エッジデータ」と称することにする。
【0051】
また、図13は、設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合における本発明の適用を説明する図(その3)である。ここでは、設計データで指示されているラインの途中に2つの屈曲点X1およびX2が存在し、径がr1であるアパーチャによるアパーチャ移動αと、このアパーチャ移動αの後に屈曲点X1を挟んで連続して行われる径がr1であるアパーチャによるアパーチャ移動βと、このアパーチャ移動βの後に屈曲点X2を挟んで連続して行われる径がr2(ただし、r2<r1)であるアパーチャによるアパーチャ移動γとが、図13(a)に示すような位置関係にある場合について考える。図13(b)は、これら各データ生成処理で生成され構築されるデータを示す。
【0052】
設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合においては、屈曲線を挟んで連続する2つのアパーチャ移動ごとに本発明によるデータ生成処理を実行し、図形の外形のデータを生成するということは上述したとおりである。すなわち、図12に示すフローチャートに従って、アパーチャ移動αを前アパーチャ移動とし、かつアパーチャ移動βを後アパーチャ移動として本発明によるデータ生成処理を実行し、次いで、アパーチャ移動βを前アパーチャ移動とし、かつアパーチャ移動γを後アパーチャ移動として本発明によるデータ生成処理を実行する。なお、図13(a)には、2つの屈曲点X1およびX2が存在する例について示したがそれ以上の個数の屈曲点が存在しても本発明は対応可能である。各ステップS101〜S107における処理は、処理すべき屈曲点がなくなるまで、換言すればアパーチャ移動が連続的に続かなくなるまで、実行される。
【0053】
アパーチャ移動αによる軌跡で決定される図形の外形のデータは、アパーチャ移動αを前アパーチャ移動としかつアパーチャ移動βを後アパーチャ移動として第1の判定ステップS101、第2の判定ステップS102および第1の決定ステップS103が実行されることにより生成される。つまり、図13(b)に示すように、左エッジデータとして、点LS0から点LE0までの側線L0のデータ、および、点LE0から点LS1までの円弧のデータ、からなるデータが構築され、また、右エッジデータとして、点RS0から点RE0までの側線R0のうち点RS0から点P0までの線分のデータが構築される。
【0054】
また、アパーチャ移動βによる軌跡で決定される図形の外形のデータについては次のとおりである。屈曲点X1に対しては、アパーチャ移動αを前アパーチャ移動とし、かつアパーチャ移動βを後アパーチャ移動として第1の判定ステップS101、第2の判定ステップS102および第1の決定ステップS103が実行される。一方、屈曲点X2に対しては、アパーチャ移動βを前アパーチャ移動とし、かつアパーチャ移動γを後アパーチャ移動として第1の判定ステップS101、第3の判定ステップS105および第2の決定ステップS106が実行される。これらの処理により、新たなる左エッジデータとして、点LS1から点LE1までの側線L1のうち点LS1から点PL1までの線分のデータが生成され、また、新たなる右エッジデータとして、点RS1から点RE1までの側線R1のうち点P0から点RE1までの線分のデータ、および、点RE1から点PR1までの円弧のデータが生成される。そして、ステップS108において、新たに生成された左エッジデータは先に構築された左エッジデータに追加され、図13(b)に示すような、点LS0から点LE0までの側線L0のデータ、点LE0から点LS1までの円弧のデータ、および、点LS1から点LE1までの側線L1のうち点LS1から点PL1までの線分のデータ、からなるデータが構築される。また、同じステップS108では、新たに生成された右エッジデータは先に構築された右エッジデータに追加され、図13(b)に示すような、点RS0から点RE0までの側線R0のうち点RS0から点P0までの線分のデータ、点RS1から点RE1までの側線R1のうち点P0から点RE1までの線分のデータ、および、点RE1から点PR1までの円弧のデータ、からなるデータが構築される。
【0055】
そして最後に、アパーチャ移動γによる軌跡で決定される図形の外形のデータは次のとおりである。屈曲点X2に対して、アパーチャ移動βを前アパーチャ移動とし、かつアパーチャ移動γを後アパーチャ移動として第1の判定ステップS101、第3の判定ステップS105および第2の決定ステップS106が実行される。これらの処理により、新たなる左エッジデータとして、点LS2から点LE2までの側線L2のうち点PL1から点LE2までの線分のデータが生成され、また、新たなる右エッジデータとして、点RS2から点RE2までの側線R2のうち点PR1から点RE2までの線分のデータが生成される。そして、ステップS108において、新たに生成された左エッジデータは先に構築された左エッジデータに追加され、図13(b)に示すような、点LS0から点LE0までの側線L0のデータ、点LE0から点LS1までの円弧のデータ、点LS1から点LE1までの側線L1のうち点LS1から点PL1までの線分のデータ、および、点LS2から点LE2までの側線L2のうち点PL1から点LE2までの線分のデータ、からなるデータが構築される。また、同じステップS108では、新たに生成された右エッジデータは先に構築された右エッジデータに追加され、図13(b)に示すような、点RS0から点RE0までの側線R0のうち点RS0から点P0までの線分のデータ、点RS1から点RE1までの側線R1のうち点P0から点RE1までの線分のデータ、点RE1から点PR1までの円弧のデータ、および、点RS2から点RE2までの側線R2のうち点PR1から点RE2までの線分のデータ、からなるデータが構築される。
【0056】
処理すべき屈曲点がなくなり、すなわちアパーチャ移動の連続性がなくなると、ステップS109へ進む。ステップS109では、これまでに構築した左エッジデータおよび右エッジデータに、アパーチャが始端Sに位置するときにおける当該アパーチャの輪郭により決定される点RS0から点LS0までの円弧ASのデータと、アパーチャが終端Eに位置するときにおける当該アパーチャの輪郭により決定される点LE2から点RE2までの円弧AEのデータと、を追加する。すなわち、このステップS109における処理は、左エッジデータで画定される輪郭と右エッジデータで画定される輪郭とを、アパーチャが始端Sに位置するときにおける当該アパーチャの輪郭により決定される点RS0から点LS0までの円弧ASとアパーチャが終端Eに位置するときにおける当該アパーチャの輪郭により決定される点LE2から点RE2までの円弧AEとでつなぎ合わせ、1つの図形の外形を決定するものである。
【0057】
ステップS019の処理により、最終的な図形の外形データとして、図13(b)に示すように、点LS0から点LE0までの側線L0のデータ、点LE0から点LS1までの円弧のデータ、点LS1から点LE1までの側線L1のうち点LS1から点PL1までの線分のデータ、点LS2から点LE2までの側線L2のうち点PL1から点LE2までの線分のデータ、点LE2から点RE2までの円弧AEのデータ、点RS2から点RE2までの側線R2のうち点RE2から点PR1までの線分のデータ、点PR1から点RE1までの円弧のデータ、点RS1から点RE1までの側線R1のうち点RE1から点P0までの線分のデータ、点RS0から点RE0までの側線R0のうち点P0から点RS0までの線分のデータ、点LS0から点RS0までの円弧ASのデータ、からなるデータが構築され、データベースに出力される。
【0058】
なお、第2の判定ステップS102および第3の判定ステップS105において交点が存在しないと判定された場合には第3の決定ステップS104および第4の決定ステップS107において別々の図形の外形としてデータがそれぞれ生成された時点でデータベースに出力し、そして次のアパーチャ移動に対するデータ生成処理に新たに入る。
【0059】
なお、図示の例は、ステップS109の処理を、ステップS101〜S108の処理の最後に実行するものであるが、ステップS101〜S108の処理の実行する前に実行してもよい。また、円弧を表すデータをどのアパーチャ移動の段階で生成するかについては図9および10を参照して説明したとおりである。
【0060】
図14は、本発明によるデータ生成処理を図19に示す例に適用した場合を示す図である。図14(a)〜(c)は図19(a)〜(c)と同一であるのでその詳細については省略するが、本発明によるデータ処理をこの場合に適用すると、図14(d)に示されるような図形の外形が生成される。本発明により、図14(c)に示すアパーチャA1による円弧D1およびD2のデータを生成しないので、従来例に比べ、生成される図形の外形についてのデータ量を削減することができる。
【0061】
上述した本発明の実施例によるデータ生成方法は、コンピュータを用いて実現される。図15は、記録媒体に格納された本発明の実施例によるコンピュータプログラムにより動作するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【0062】
本発明の実施例によるデータ生成処理をコンピュータに実行させるプログラムは、図15に示すように、記憶媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM等の外部記憶媒体)110に格納されており、例えば、次に説明するような構成によるコンピュータ100にインストールされてデータ生成装置として動作する。
【0063】
CPU111は、データ生成装置全体を制御する。このCPU111に、バス112を介してROM113、RAM114、HD(ハードディスク装置)115、マウスやキーボード等の入力装置116、外部記憶媒体ドライブ装置117およびLCD、CRT、プラズマディスプレイ、有機EL等の表示装置118が接続されている。CPU111の制御プログラムはROM113に格納されている。
【0064】
本発明によるデータ生成処理をコンピュータ100に実行させるコンピュータプログラム(データ生成処理プログラム)は、記憶媒体110からHD115にインストール(記憶)される。また、RAM114には、データ生成処理をCPU111が実行する際の作業領域や、データ生成処理を実行するプログラムの一部が記憶される領域が確保されている。また、HD115には、入力データ、最終データ、さらにOS(オペレーティングシステム)等が予め記憶される。
【0065】
まず、コンピュータの電源を投入すると、CPU111がROM110から制御プログラムを読み出し、さらにHD115からOSを読み込み、OSを起動させる。これによりコンピュータはデータ生成処理プログラムを記憶媒体110からインストール可能な状態となる。
【0066】
次に、記憶媒体110を外部記憶媒体ドライブ装置117に装着し、入力装置116から制御コマンドをCPU111に入力し、記憶媒体110に格納されたデータ生成処理プログラムを読み取ってHD115等に記憶する。つまりデータ生成処理プログラムがコンピュータにインストールされる。
【0067】
その後は、データ生成処理プログラムを起動させると、コンピュータはデータ生成装置として動作する。オペレータは、表示装置118に表示される対話形式による作業内容と手順に従って、入力装置116を操作することで、上述したデータ生成処理を実行することができる。図1および12に示されたフローチャートの各ステップにおける各処理を実行するプロセッサはCPU111である。また、処理の結果得られた「図形の外形に関するデータ」は、例えば、HD115に記憶しておいて後日利用できるようにしたり、あるいは、処理結果を表示装置118に視覚的に表示するのに用いてもよい。
【0068】
なお、図15のコンピュータでは、記憶媒体110に記憶されたプログラムをHD115にインストールするようにしたが、これに限らず、LAN等の情報伝送媒体を介して、コンピュータにインストールされてもよいし、コンピュータに内蔵のHD115に予めインストールされておいてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、プリント配線基板を設計するために使われる図形のデータを生成する際に利用することができる。すなわち、アパーチャを用いてラインの幅やランドの直径(もしくは半径)を指定し配線を設計するCADシステムに適用することできる。特に、曲線表現を有するガーバーフォーマットで表現されているデータを、曲線表現のないGDSフォーマットにデータ変換するガーバー−GDS変換ツールに適用することができる。本発明によれば、このデータ生成処理により生成されるデータ量を、従来例に比べて削減することができ、その後の演算処理を効率化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施例によるデータ生成方法の動作フローを示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例を説明する際に用いられるアパーチャの輪郭およびアパーチャ移動により形成される軌跡の各部分の定義を説明する図である。
【図3】本発明の実施例における第1の判定ステップを説明する図である。
【図4】本発明の実施例における第2の判定ステップおよび第1の決定ステップを説明する図である。
【図5】本発明の実施例における第2の判定ステップおよび第3の決定ステップを説明する図である。
【図6】図5の破線で囲まれた領域の拡大図である。
【図7】本発明の実施例における第3の判定ステップおよび第2の決定ステップを説明する図である。
【図8】本発明の実施例における第3の判定ステップおよび第4の決定ステップを説明する図である。
【図9】設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合における本発明の適用を説明する図(その1)である。
【図10】設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合における本発明の適用を説明する図(その2)である。
【図11】本発明の実施例における第3の決定ステップおよび第4の決定ステップにおいて、別々の図形の外形としてデータを生成する理由を説明する図である。
【図12】設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合における、本発明の実施例によるデータ生成方法の動作フローを示すものであって、特に、生成されたデータの構築についての動作フローを示すフローチャートである。
【図13】設計データで指示されているラインの途中に屈曲点が複数存在する場合における本発明の適用を説明する図(その3)である。
【図14】本発明によるデータ生成処理を図19に示す例に適用した場合を示す図である。
【図15】記録媒体に格納された本発明の実施例によるコンピュータプログラムにより動作するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図16】ガーバーフォーマットに基づくマスクパターンのデータから露光データを生成するまでのフローチャートを例示する図である。
【図17】一般的なCADシステムにおける、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの直線移動により形成される軌跡の輪郭を用いて配線パターンすなわち図形の外形を生成するデータ生成処理の原理説明図である。
【図18】一般的なCADシステムにおける、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの円弧移動により形成される軌跡の輪郭を用いて配線パターンすなわち図形の外形を生成するデータ生成処理の原理説明図である。
【図19】一般的なガーバー−GDS変換ツールにおける、アパーチャの輪郭および/またはアパーチャの円弧移動により形成される軌跡の輪郭を用いて配線パターンすなわち図形の外形を生成するデータ生成処理の原理説明図である。
【符号の説明】
【0071】
100 コンピュータ
110 外部記憶媒体
111 CPU
112 バス
113 ROM
114 RAM
115 ハードディスク装置(HD)
116 入力装置
117 外部記憶媒体ドライブ装置
118 表示装置
【出願人】 【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100122965
【弁理士】
【氏名又は名称】水谷 好男

【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一


【公開番号】 特開2008−47646(P2008−47646A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220398(P2006−220398)