| 【発明の名称】 |
電子装置およびラック型電子装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷川 孝一
【氏名】山村 英穂
【氏名】奥大谷 孝史
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| 【要約】 |
【課題】電子装置やラック型電子装置において、温度異常が発生したときの原因を容易にかつ迅速に判定すること。
【構成】装置内に搭載する電子部品1a,1b,1c・・・毎にその温度を検出する複数の温度センサ2a,2b,2c・・・を取り付ける。また冷却風の入気部6と排気部7の温度を測定する温度センサ2x,2yを取り付ける。制御回路3は、各温度センサの測定した温度データから装置内の温度異常を検知し異常発生の原因とともに報告する。すなわち、電子部品のうち冷却風の入気部に近い側に配置される複数の電子部品(1a,1b)を特定部品とし、特定部品の温度と冷却風の入気部6の温度を比較することにより冷却風の異常の有無を判定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の電子部品を搭載し該電子部品からの発熱を冷却風にて放熱する電子装置において、 上記電子部品毎にその温度を検出する複数の温度センサおよび冷却風の入気部と排気部の温度を測定する温度センサと、 該各温度センサの測定した温度データから当該電子装置内の温度異常を検知し異常発生の原因とともに報告する制御回路とを備え、 該制御回路は、上記電子部品のうち冷却風の入気部に近い側に配置される複数の電子部品を特定部品とし、該特定部品の温度と上記冷却風の入気部の温度を比較することにより上記冷却風の異常の有無を判定することを特徴とする電子装置。 【請求項2】 請求項1記載の電子装置において、 前記制御回路は、前記冷却風の入気部と排気部の温度差が許容値を超え、前記特定部品の温度が全て許容値を超えている場合は、前記冷却風の通風路が異常であると判定することを特徴とする電子装置。 【請求項3】 請求項1または2記載の電子装置をラックに複数個搭載し、該電子装置からの発熱を冷却風にて放熱するラック型電子装置において、 該ラックに入気する冷却風の温度を測定する温度センサと、 上記各電子装置の温度異常を管理する温度管理装置とを備え、 該温度管理装置は、上記ラックに入気する冷却風の温度データと各電子装置内の温度データを基に、上記電子装置の温度異常の発生を検知し、その原因が当該電子装置自身にあるか、ラック内の冷却風にあるか、当該ラック型電子装置の設置環境にあるかを判定して報告することを特徴とするラック型電子装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、装置内の温度異常を検知する電子装置およびラック型電子装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 電子装置はその許容温度条件内で動作させるために、動作中の温度を検出し、異常が検出された場合には装置を保護するため適切な処理が行われる。一般には装置内の発熱部品に温度センサを取り付け、所定の温度を超えた場合警報を発し、電源を遮断するなどの処置が施される。さらにこの検知機能を高めたものとして次のような提案がなされている。 【0003】 特許文献1には、機器内の任意位置の異常な発熱を検知することを目的とし、機器内に配置した複数の温度センサから温度データを取得し、機器内の温度分布の形状を示すパラメータを演算して測定点以外の温度を推測する技術が開示される。 【0004】 特許文献2には、システムクロックに同期して動作する装置に温度異常が発生した原因を正確に判別し、適切な処置を実行することを目的に、冷却用空気の取り入れ口近傍の雰囲気温度と装置内温度を検出し、冷却手段の動作およびシステムクロックの周波数を制御する技術が開示される。 【0005】 【特許文献1】特開2002−318162号公報 【特許文献2】特開2005−215794号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 近年、1つのラック内に複数の電子装置および電源装置を搭載することが一般的に行われるようになってきた。このラック搭載においては、搭載した装置毎に冷却風の流れが異なったりすることもあり、他の装置の影響で電子装置または電源装置への入気温度が上昇する、冷却風量が低下するなど、冷却環境の問題が発生する場合がある。ラックに搭載した電子装置または電源装置に温度異常による障害や故障が発生した場合に、その原因が装置自身にあるのか、冷却環境にあるのかを的確に知る必要がある。全て装置自身の問題とみなして処理するのでは、冷却環境に原因がある場合、無駄な処理となるからである。このことは、単独の電子装置や電源装置についても同様である。 【0007】 前記特許文献1によれば、機器内の温度分布から任意の位置の温度上昇を推測することが可能となるが、異常発熱の原因について判断するには不十分である。すなわち、温度分布のみから発熱の原因が機器自身にあるのか、冷却環境にあるのかの切り分けは困難と予想される。 【0008】 また特許文献2によれば、温度異常が発生した原因を正確に判別することを目的にしているが、迅速な判別は困難と予想される。なぜなら、冷却手段(空冷ファン)の回転数またはシステムクロックの周波数を変化させた結果、装置内温度がどのように変化するかを検証することにより原因を判別するものであって、判別には相当の時間を要する。 【0009】 本発明の目的は、上記課題に鑑み、温度異常が発生したときの原因を容易にかつ迅速に判定できる電子装置およびラック型電子装置を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は、複数の電子部品を搭載し電子部品からの発熱を冷却風にて放熱する電子装置において、電子部品毎にその温度を検出する複数の温度センサおよび冷却風の入気部と排気部の温度を測定する温度センサと、各温度センサの測定した温度データから電子装置内の温度異常を検知し異常発生の原因とともに報告する制御回路とを備える。制御回路は、電子部品のうち冷却風の入気部に近い側に配置される複数の電子部品を特定部品とし、特定部品の温度と冷却風の入気部の温度を比較することにより冷却風の異常の有無を判定する。すなわち制御回路は、冷却風の入気部と排気部の温度差が許容値を超え、特定部品の温度が全て許容値を超えている場合は、冷却風の通風路が異常であると判定する。 【0011】 本発明は、上記の電子装置をラックに複数個搭載し、電子装置からの発熱を冷却風にて放熱するラック型電子装置において、ラックに入気する冷却風の温度を測定する温度センサと、各電子装置の温度異常を管理する温度管理装置とを備える。温度管理装置は、ラックに入気する冷却風の温度データと各電子装置内の温度データを基に、電子装置の温度異常の発生を検知し、その原因が当該電子装置自身にあるか、ラック内の冷却風にあるか、当該ラック型電子装置の設置環境にあるかを判定して報告する。 【発明の効果】 【0012】 本発明の電子装置およびラック型電子装置によれば、温度異常が発生したときの原因を容易にかつ迅速に判定できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明に係る実施形態を図面を用いて説明する。 【実施例1】 【0014】 図1は、本発明による電子装置の一実施例を示す構成図である。電子装置10は、複数の電子部品(以下、単に部品とも呼ぶ)1a,1b,1c・・・を実装し、ファン5により外部から冷却風を取り入れて、実装した各部品からの発熱を放熱する。本実施例では、実装した各部品毎に温度センサ2a,2b,2c・・・を取り付けるとともに、冷却風の入気部6および排気部7近傍にも温度センサ2x,2yを取り付ける。温度センサ2a,2b,2c・・・は、部品1a,1b,1c・・・の表面温度または表面近傍の温度を測定し、温度センサ2x,2yは、入気および排気する冷却風の温度を測定する。各温度センサは、アナログ的に温度を測定することのできるICを使用している。また本実施例では、冷却風の入気部6に近い側に配置される複数の部品を「特定部品(冷却階層レベル1の部品)」として他の部品と区別する。図1では、部品1aと1bとを特定部品とする。特定部品を設けたのは、後述するように、特定部品の温度を比較することで、装置内の温度上昇が異常となったときに、その原因を容易にかつ迅速に分析可能にするためである。 【0015】 制御回路3は、装置内の温度を集中して管理する。制御回路3は、各温度センサにて測定された温度データを定期的に一括して収集し、収集したデータを分析する。そして、装置内温度の異常を検知する。異常が発生したことを検知した場合、その原因を判定し、上位装置100へ異常発生をその原因とともに報告する。また収集したデータを、不揮発性の記憶素子4に記録する。すなわち本実施例では、制御回路3は装置動作中に測定した温度データをもとに、装置温度が異常に上昇した場合、一部の部品が局部的に過熱したのか(構成部品の異常)、または入気する冷却風の温度の上昇や装置内流れの悪さによるのか(冷却環境の異常)等、その原因を判定して報告する。上位装置100は報告を受け、原因に応じて電子装置10に対して必要な制御を行う。また制御回路3は、測定温度の状態や判定結果を表示部(LED等)で表示することにより、装置使用者へ異常を通知する。使用者は、不揮発性の記憶素子4に記録されたデータを参考に、装置の異常箇所を点検し修理・交換を行う。 【0016】 図2は、本実施例における温度異常の判定手順の一例を示すフローチャートである。各温度センサ2a,2b,・・・2x,2yにより所定時間間隔で温度を測定し読み出す(S101)。読み出した温度データTa,Tb,・・・Tx,Tyを、不揮発性の記憶素子4に記録する(S102)。まず、温度センサ2xの測定した入気部6の入気温度Txが正常であるかを判定する(S103)。入気温度Txが装置の使用条件で定められている許容温度以下であれば(S103でYes)、正常とする。もし許容温度を超えている場合は(S103でNo)、冷却風の入気温度の異常(外部環境の異常)と判定する(S108)。そして、上位装置100へ異常発生とその原因の報告、あるいはその表示を行う。また、必要に応じて装置の動作を停止させる(S111)。 【0017】 S103で正常であれば、入気温度Txと排気温度Tyの差、すなわち装置内の温度上昇ΔTを求める(S104)。ここにΔT=Ty−Txとする。この温度上昇ΔTが許容値以下であるかを判定する(S105)。温度上昇ΔTが許容値を超えている場合は(S105でNo)、特定部品(冷却階層レベル1と定義した複数の部品1a,1b)の温度が正常であるかを確認する(S107)。これら複数の部品の温度Ta,Tbと入気温度Txを比較し、複数部品が全て異常である場合は(S107でYes)、何らかの理由により装置内の冷却風の流れが遮断されたために特定部品1a,1bの冷却が十分行えないものと判断できる。この場合には、障害物などによる冷却風の通風路の異常と判定し(S109)、上位装置100に報告あるいは表示し、また、必要に応じて装置を停止させる(S111)。 【0018】 温度上昇ΔTが正常(S105でYes)、または特定部品の温度が全て異常ではない(S107でNo)場合でも、ある部品が単独で高温になる場合がある。そこで、各部品の温度Ta,Tb・・・がそれぞれ正常であるかを判定する(S106)。この中に許容値を超えている部品があれば(S106でNo)、その部品自身が過熱し部品表面が高温になったものと判断する。この場合には、高温になった構成部品の異常(または装置の異常)と判定して(S110)、上位装置100に報告あるいは表示し、また、必要に応じて装置を停止させる(S111)。全ての部品の温度が正常であれば(S106でYes)、異常なしと判定する(S112)。 【0019】 以上の各判定に用いる各許容値(閾値)は、装置内の構成部品の使用条件を満足するように設定する。よって、部品毎に許容値を変えて設定してもよく、装置の動作内容に応じて変更してもよい。 【0020】 本実施例では、特定部品(冷却階層レベル1と定義した複数の部品1a,1b)の温度が正常であるかを確認する工程(S107)を設けたことで、冷却風の通風路の異常を容易に仕分けして判定することができる。また、上記フローチャートの各判定工程は、各温度センサから同一時刻に測定した温度データのみで実行できるので、瞬時に判定できる。 【0021】 上位装置100は電子装置10からの判定結果の報告を受け、異常時には、電子装置10の動作を停止させるなどの制御を行う。その際、異常発生の原因を切り分けて報告を受けるので、適切な処置を行うことができる。例えば、外部環境の異常(上記S108)の場合には、装置の負荷を低減すること、冷却風の通風路の異常(上記S109)の場合には、冷却用ファン5の風量を増大させること、構成部品の異常(上記S110)の場合には、該当部品の動作のみを停止させること、などの暫定処置により、そのまま動作を継続することも可能である。そして装置管理者は、動作終了後、異常原因に応じて異常とされた箇所の修理や交換を行えば、修理作業に無駄がなくかつ迅速に実行することができる。 【0022】 図3は、図2のフローチャートで述べた異常原因の判定結果を表にまとめて示したものである。ケース1は入気温度Txが異常(許容値を超える)の場合で、判定は外部環境の異常とする。対策は、装置の設置される室内の温度を下げることである。ケース2は温度上昇ΔTが異常であり、かつ特定部品1a,1bがともに異常の場合で、判定は冷却風の通風路の異常とする。対策は、冷却ファンの点検および装置内の障害物の除去である。ケース3とケース4は個別部品1a,1cの異常の場合である。対策は、対象となった部品1a,1cの点検修理または交換である。このように、温度異常の原因を仕分けして知ることができるので、適切な処置を施すことができる。 【0023】 上記実施例では、電子装置における温度異常の検知について述べたが、対象となる装置は特に限定しない。装置内部に発熱する部品、あるいは高温に弱い部品などを含む装置であれば、有効に適用できる。例えば、電子装置に電力を供給する電源装置も発熱部品を含み、対象装置になる。電源装置においても、実装した各部品毎に温度センサを取り付けるとともに、冷却風の入気部および排気部近傍に温度センサを取り付ける。そして、制御回路は、各温度センサにて測定された温度データを分析し、温度に異常が発生した場合、その原因を判定し上位装置へ報告する。 【実施例2】 【0024】 図4は、本発明によるラック型電子装置の一実施例を示す構成図である。本実施例のラック型電子装置は、ラック50の中に、複数個の電子装置10,11,12と複数個の電源装置13,14とを搭載しており、例えばコンピュータ用薄型1Uサーバ等が該当する。各電子装置(電源装置)は、実施例1と同様の内部構成を備え、それぞれの部品、入気部、排気部に設けた複数の温度センサ20と、制御回路30とを含む。ここで各電子装置(電源装置)毎に動作時の最大許容温度や風量(風の向き)などの冷却条件が決められており、それに従って装置の配置と許容値を設定する。またラック50には冷却風を取り入れ、各電子装置(電源装置)の発熱を放熱する。ラックの入気部に温度センサ20zを設け、冷却風の入気温度Tzを測定する。ラック50の外部には各装置の温度を管理する温度管理装置70を備え、ケーブル60を介して各装置とデータの転送を行う。各装置の制御回路30は、温度センサ20からのデータを収集し、比較判定を行い、これを温度管理装置70へ報告する。 【0025】 本実施例では、各装置の温度センサ20およびラックの温度センサ20zで測定したデータは、温度管理装置70で一括して収集して、ラック内の温度分布を解析する。ラック型電子装置では、各電子装置(電源装置)の受ける冷却風の方向や風量は全て同一とは限らず、また各装置は独立に動作するので、発熱量は一定ではない。その結果、ラック内の温度分布に偏り発生し、特定の装置に温度異常が発生する場合がある。このような場合、温度管理装置70により各装置間の温度分布を解析することで、異常発生の原因が電子装置自身にあるか、ラック内の冷却風にあるか、ラック装置の設置環境(コンピュータ室の温度設定)にあるか、を容易にかつ迅速に判定することが可能である。 【0026】 温度管理装置70は、ラック装置内に温度異常が発生した場合、その原因を判定して報告または表示する。その結果対策として、電子装置または電源装置を交換するか、冷却環境の点検・改善を行うか、といった保守内容が明確になり迅速な対応が可能となる。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】本発明による電子装置の一実施例を示す構成図。 【図2】本実施例における温度異常の判定手順の一例を示すフローチャート。 【図3】異常原因の判定結果の一例を示す表。 【図4】本発明によるラック型電子装置の一実施例を示す構成図。 【符号の説明】 【0028】 1…電子部品 2,20…温度センサ 3,30…制御回路 4…不揮発性記憶素子 5…ファン 6…入気部 7…排気部 10,11,12…電子装置 13,14…電源装置 50…ラック 60…ケーブル 70…温度管理装置 100…上位装置。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成18年7月31日(2006.7.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000350 【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
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| 【公開番号】 |
特開2008−34715(P2008−34715A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−208221(P2006−208221) |
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