| 【発明の名称】 |
多層プリント配線板及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐原 隆広
【氏名】小林 厚志
【氏名】竹内 清
【氏名】伊賀上 真左彦
|
| 【要約】 |
【課題】実装される部品を選ばず、携帯機器の小型化、薄型化を実現できる多層プリント配線板及びその製造方法を提供する。
【構成】多層プリント配線板は、電子部品を内蔵した領域と、電子部品を埋め込む開口部を有するキャビティとをそれぞれ備えている。その製造方法として、層間接続導体となる導電性バンプを印刷形成しプリプレグを貫通するとともに電子部品を埋め込むキャビティとなる窓及び電子部品を内蔵する空間となる窓を設けた上側プリント配線基板110と、部品を表面に実装した下側プリント配線基板120をそれぞれ別個に製造し、積層プレスして一体化する。積層の際、キャビティとなる側には剥離紙シートを介してコンフォーマル材が充填されるようにし、部品を内蔵する側にはプリプレグの含浸樹脂が浸出されるようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子部品実装用のキャビティと、 前記キャビティと離間した位置に設けられ、電子部品が内蔵された領域と、 を具備することを特徴とする多層プリント配線板。 【請求項2】 前記内蔵された電子部品は、前記キャビティの底面と同一平面に形成された配線層上に実装され接続されていることを特徴とする請求項1記載の多層プリント配線板。 【請求項3】 前記電子部品が内蔵された前記領域の少なくとも一部は、前記多層プリント配線板を構成するプリプレグの含浸樹脂から浸出した樹脂により埋められていることを特徴とする請求項1又は2記載の多層プリント配線板。 【請求項4】 前記キャビティの内壁側面は、前記多層プリント配線板を構成するプリプレグの含浸樹脂から浸出した樹脂によりコーティングされていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の多層プリント配線板。 【請求項5】 上面に電子部品が実装され接続された第1のプリント配線基板と、電子部品実装用のキャビティとなる板厚み方向に貫通する第1の窓と前記接続された電子部品の位置に対応して板厚み方向に貫通する第2の窓とを設けた第2のプリント配線基板とを、プリプレグを介して積層一体化したことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の多層プリント配線板。 【請求項6】 前記プリプレグを貫通して前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板との対向する配線パターン間に挟まれて設けられ、積層方向に一致する軸を有し、前記電子部品が実装された第1のプリント配線基板の面側が前記第2のプリント配線基板の面側よりも小径となるように径が変化している形状である層間接続導体と、 をさらに具備することを特徴とする請求項5記載の多層プリント配線板。 【請求項7】 前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板とは、実質的に等厚であることを特徴とする請求項5又は6記載の多層プリント配線板。 【請求項8】 下側となる第1のプリント配線基板の上面に、内蔵すべき電子部品を実装し接続する工程と、 上側となる第2のプリント配線基板の前記第1のプリント配線基板と接続される側の面に、層間接続導体となる導電性バンプを形成し、プリプレグを積層して前記導電性バンプの先端を前記プリプレグから露出させ、電子部品実装用のキャビティとなる第1の窓と、内蔵すべき電子部品の位置に対応した第2の窓とを設ける工程と、 前記内蔵すべき電子部品が実装され接続された第1のプリント配線基板の上に、前記導電性バンプ形成面を下にした第2のプリント配線基板を積層し、加圧加熱して、電気的かつ機械的に一体化する工程と、 を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 【請求項9】 前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板とを積層し加熱加圧する際、上側に積層配置された第2のプリント配線基板の上に、前記第1の窓に対応する窓が設けられ第2の窓に対応する窓が設けられてない第1の押さえ板を前記窓どうしが重なり合うように位置合わせして積層し、さらにその上に、離型フィルムを介してコンフォーマル材および第2の押さえ板を順に積層して加圧加熱することを特徴とする請求項8記載の多層プリント配線板の製造方法。 【請求項10】 前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板とは、等厚のリジッド配線基板であることを特徴とする請求項8又は9記載の多層プリント配線板の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、多層プリント配線板に関し、例えば携帯機器内にモジュール基板として用いられる多層プリント配線板及びその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、例えば携帯電話などに代表される携帯機器の小型化、薄型化、軽量化、高機能化、複合化が進んでいる。それに伴い、携帯機器内にモジュール基板として用いられる多層プリント配線板には、必要な電子部品を実装できるスペースを確保しつつ、さらに小型化、薄型化することが求められている。 【0003】 このようなモジュール基板への部品実装密度を向上し機器の小型化に資するため、また、例えば0402や0603などの小型チップ部品の接続信頼性向上のため、配線板内に小型チップ部品等の電子部品を内蔵する部品内蔵配線板が提案されている(例えば特許文献1)。 【0004】 また、基板の総厚を抑えるなどの目的のため、電子部品を埋め込むための凹部空間(キャビティ)を備えた多層プリント配線板も提案されている(例えば特許文献2)。特許文献2には、埋め込む電子部品の回路を備えた下側プリント配線基板と、電子部品を囲む開口部を備えた上側プリント配線基板とを、それぞれ別個に用意し、接着性樹脂シートを介して積層一体化することにより、電子部品を埋め込むための凹部空間付きの多層プリント配線板を製造する技術が開示されている。こうした多層プリント配線板の凹部内には、後に部品が実装され、その部品の周囲が樹脂封止されるなどして、各種電子機器に用いられる。 【特許文献1】特開2004−134424号公報 【特許文献2】特開2005−32739号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、モジュール基板に実装すべき部品には例えば発熱するものもあり、これらの発熱性部品を基板に内蔵すると、熱に依存する不具合が発生するおそれがある。また、例えば、ワイヤーボンディングで実装・接続する部品を基板に内蔵するのは困難であるという事情もある。基板への内蔵に適さない部品でも、基板の凹部空間(キャビティ)内に部品を実装し、基板の総厚を抑えたいという場合もある。 【0006】 このように、例えば携帯機器内にモジュール基板として用いられる多層プリント配線板に実装される部品は多種多様であり、モジュール基板への要求も多様である。そのため、部品を選ばず、部品に合わせて、あらかじめ基板に内蔵するか、内蔵せずに凹部空間内に実装するか、基板表面に実装するか等、実装場所を適宜使い分けできるモジュール基板が期待されるようになってきたが、そのようなモジュール基板は存在しなかった。 【0007】 本発明は、かかる事情を考慮してなされたもので、実装される部品を選ばず、携帯機器の小型化、薄型化を実現できる多層プリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的を達成するために、本発明に係る多層プリント配線板は、電子部品実装用のキャビティと、前記キャビティと離間した位置に設けられ、電子部品が内蔵された領域と、を具備する。 【0009】 ここで、「電子部品実装用のキャビティ」とは、その内部に半導体装置やチップ部品などの所望の電子部品を実装するために必要な大きさの開口部と底面と内側壁面とを有した凹部である。キャビティ内部に電子部品を実装するためには、キャビティ底面に電子部品を載置する必要があるほか、電子部品の電極端子と接続される実装用端子が必要である。実装用端子は必ずしもキャビティ底面に設ける必要はなく、多層プリント配線板の最上層のキャビティ側壁近傍など、電子部品の電極と接続可能な位置に設けられていればよい。 【0010】 また、本発明に係る多層プリント配線板の製造方法は、下側となる第1のプリント配線基板の上面に、内蔵すべき電子部品を実装し接続する工程と、上側となる第2のプリント配線基板の前記第1のプリント配線基板と接続される側の面に、層間接続導体となる導電性バンプを形成し、プリプレグを積層して前記導電性バンプの先端を前記プリプレグから露出させ、電子部品実装用のキャビティとなる第1の窓と、内蔵すべき電子部品の位置に対応した第2の窓とを設ける工程と、前記内蔵すべき電子部品が実装され接続された第1のプリント配線基板の上に、前記導電性バンプ形成面を下にした第2のプリント配線基板を積層プレスし、電気的かつ機械的に一体化する工程と、を有することを特徴とする。 【0011】 内蔵する電子部品を実装した第1のプリント配線基板と窓を設けた第2のプリント配線基板とを積層プレスする際、上側に積層配置された第2のプリント配線基板の上に、前記第1の窓に対応する窓が設けられ第2の窓に対応する窓が設けられてない第1の押さえ板を前記窓どうしが重なり合うように位置合わせして積層し、さらにその上に、離型フィルムを介してコンフォーマル材および第2の押さえ板を順に積層して加熱加圧することが好ましい。そうすることで、含浸樹脂の流量を制御することができ、電子部品実装用のキャビティと、電子部品を内蔵した領域とを同時に形成することができる。 【0012】 電子部品実装用のキャビティとなる窓を明けた上側プリント配線基板と、キャビティ底部となる面を構成する下側プリント配線基板とは、いずれも同じ材料からなる等厚の配線基板を用いることが好ましい。そうすることで、積層プレスした際の基板の反りを防止することができる。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、部品が内蔵されている部分と、部品実装用のキャビティとの両方を併せ持つ多層プリント配線板およびその製造方法を提供することができる。したがって、本発明によれば、実装される部品を選ばず、部品の実装場所を、基板内部、キャビティ内、または、基板表面と、適宜使い分けることで、多層プリント配線板を用いる携帯機器の小型化、薄型化を実現することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。以下、原則として、同一又は同一相当のものには同じ符号を付し、説明を省略する。なお、本発明の実施形態を図面に基づいて記述するが、それらの図面は図解のために提供されるものであり、本発明はそれらの図面に限定されるものではない。また、各図は模式的なもので、各部分の縮尺は必ずしも一様ではない。 【0015】 まず、本発明の実施形態に係る多層プリント配線板及びその製造方法の一例について、図1〜図7に基づき説明する。 【0016】 図1(a)は、この多層プリント配線板の上面図であり、図1(b)は、この多層プリント配線板の下面図(底面図)である。図2は、図1のA−A線に沿う模式的断面図である。図3は、その変形例を示す模式的断面図である。図4〜図7は製造方法の一例を説明するための図である。 【0017】 図1及び図2に示すように、プリント配線板100は、その内部に所望の電子部品を実装するための開口部を有するキャビティ1と、電子部品4を内蔵した領域5と、所望の配線パターンを有する配線層21〜28(計8層)と、絶縁層11〜13と、層間接続導体31〜37と、を有する8層配線板である。電子部品4を内蔵した領域5は、この例では2つ設けられており、各々の領域5に電子部品4が1つずつ埋設され、電子部品4の上部は樹脂で被覆されている。 【0018】 キャビティ1は、その内部に所望の電子部品を所望の向きで載置し埋め込める大きさ及び深さとされ、その上部は開放されている。キャビティ1の底面には、キャビティ内部に載置される電子部品を電気的に接続するための実装用端子2が露出している。多層プリント配線板100の両外層面には、両外層の配線パターンの一部が実装用端子3として露出している。多層プリント配線板100の外層面のその他の領域は、ソルダーレジスト等の保護層6で被覆されている。図示するように、電子部品4を内蔵した領域5の上面には、ソルダーレジスト等の保護層6は形成されていないが、これは製造方法に依拠している。 【0019】 絶縁層11〜13は、それぞれ、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維などの有機繊維の不織布、紙等の基材に、未硬化のエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド系樹脂、フェノール系樹脂等を含浸させたプリプレグ(例えばガラス―エポキシ系プリプレグ)の硬化物である。絶縁層11と絶縁層12とは、同じ材質から構成されることが好ましい。この例では、絶縁層11、絶縁層12ともに、配線層の数に起因して3層ずつであるが、これに限定されない。絶縁層11の総厚は、内蔵する電子部品4の厚さや、キャビティ1に実装したい部品の厚さに合わせて、適宜選択される。配線層21〜28は、例えば厚さ18μmの電解銅箔を周知のフォトリソグラフィ技術を用いたパターニングにより形成されている。 【0020】 この例では、第1配線層21と第2配線層22とは層間絶縁層11を貫通した層間接続導体31により電気的に接続されている。第2配線層22と第3配線層23とは層間絶縁層11を貫通した層間接続導体32により電気的に接続されている。第3配線層23と第4配線層24とは層間絶縁層11を貫通した層間接続導体33により電気的に接続されている。第4配線層24と第5配線層25とは層間絶縁層13を貫通した層間接続導体34により電気的に接続されている。第5配線層25と第6配線層26とは層間絶縁層12を貫通した層間接続導体35により電気的に接続されている。第7配線層27と第8配線層28とは層間絶縁層12を貫通した層間接続導体37により電気的に接続されている。 【0021】 なお、上記したキャビティ1底部に露出した実装用端子2や最外層に露出した実装用端子3などを含む配線パターンの構成、内蔵する電子部品4の個数や位置、電子部品4を内蔵した領域5の大きさ・形状等は、任意であり、図示したものに限られないことはもちろんである。また、配線層は図示のように8層である必要はなく何層であってもよいが、小型化、高密度化の要請から3層以上とされる。 【0022】 たとえば、キャビティ内部に電子部品を実装するには、その電子部品の電極と電気的に接続するための実装用端子が必要となる。その実装用端子は、図1及び図2に示す符号2のようにキャビティ底面に設けられていることが好ましいが、キャビティ底面である必要はなく、多層プリント配線板の最上層のキャビティ開口部の周縁部など、電子部品の電極と接続可能な箇所に設けられていればよい。 【0023】 領域5に内蔵される電子部品4としては、例えば、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタ、チップダイオード等の受動部品、及び、フリップチップ接続できるタイプの能動部品(ベアチップ)が挙げられる。発熱しにくい部品であることが好ましい。また、電子部品4のサイズとしては、例えば、0.4mm×0.2mm(0402)や0.6mm×0.3mm(0603)等が好ましい。これらのチップ部品の厚さは、部品の短辺の長さと同程度であるから、厚さ0.5mm程度の基板内に内蔵することが可能である。また、これらの小型チップ部品は電極端子の接地面積も小さいので、基板表面やキャビティ内部に実装するよりも、内蔵したほうが部品の脱落事故を防ぐことができる。 【0024】 図2に示すように、本実施形態の多層プリント配線板100では、電子部品4は、多層プリント配線板100のほぼ中央に位置する配線層25の配線パターンの一部である実装用ランド7上に実装されている。すなわち、電子部品4は、配線層25に対して、対向位置し、かつ、キャビティ1開口部側と同一側(図面上側)に位置している。さらに、キャビティ1底部に露出した実装用端子2と、内蔵された電子部品4が接続された実装用ランド7とは、共に同一の配線層25に設けられている。すなわち、キャビティ1底面と、内蔵された電子部品4が実装された面とは、同一平面である。 【0025】 すなわち、この多層プリント配線板100は、図1及び図2に示すように、キャビティ1となる開口部及び内蔵された電子部品4の位置に対応して領域5を設けた上側プリント配線基板110と、電子部品4が実装され接続された下側プリント配線基板120とが絶縁層13となるプリプレグを介して積層され一体化された構成とされている。このような構成とすることで、上下別個に所望の構成のプリント配線基板を製造し、それぞれ導通確認した上で、内蔵すべき電子部品を実装し、内蔵することができる。 【0026】 電子部品4の各電極端子4aと各実装用ランド7とは、それぞれ例えば接続部(半田部)41により電気的かつ機械的に接続されている。なお、接続部41は、ここでは、後に他の電子部品を実装し接続する際などに用いる半田よりも高融点のクリーム半田(たとえば融点200℃〜240℃程度の半田)を用いている。そうすることで、後に他の電子部品を実装し接続する際などに、接続部41の再溶融を回避することができる。 【0027】 なお、図1及び図2に示すように、内蔵された電子部品4の上面は、絶縁層13を構成するプリプレグの含浸樹脂から浸出した合成樹脂により覆われているが、これに限られない。図3に示すように、絶縁層13は少なくとも電子部品4と配線層25との接続部41を覆っていればよい。そうすることにより、少なくとも接続部41は保護され、電子部品4が脱落する事故も防ぐことができる。いずれにしても、電子部品4は、多層プリント配線板100内に埋設されている。 【0028】 なお、図1及び図2に示すように絶縁層13が電子部品4の上面をも覆うように構成されていてもよいし、図3に示すように絶縁層13が電子部品4の上面まで被覆していなくても良い。いずれにしても、電子部品4の少なくとも接続部41の周囲が、絶縁層13となるプリプレグの含浸樹脂により隙間なく覆われていればよい。そうすることで、電子部品4及び接続部41を保護できる。 【0029】 層間接続導体31〜37は、ここでは、それぞれ、ペースト状の導電性組成物(導電性ペーストともいう)のスクリーン印刷により形成される略円錐状の導電性バンプを由来とするものであり、その製造工程に依拠して、軸方向(図2の図示で上下の積層方向)に径が変化している。その径が大きい側(大径側)は、導電性バンプが形成された面(ランド)側であることを示し、その径が小さい側(小径側)は、導電性バンプの頭部が当接された面(ランド)側であることを示している。 【0030】 なお、この導電性ペーストは、例えば、ペースト状の樹脂中に銀、金、銅などの良好な導電性を有する金属微細粒を分散させたものである。導電性バンプを導電性ペーストで形成する場合、たとえば比較的厚いメタルマスクを用いたスクリーン印刷法により、アスペクト比の高いバンプを形成することができる。導電性バンプの形成時の底面の径及び高さは、配線間隔や貫通するプリプレグの厚さを考慮して適宜定められる。 【0031】 層間絶縁層を貫挿した導電性バンプからなる層間接続導体により各配線層間を電気的に接続することで、スルーホール、レーザービアホールなど孔をあけてその内壁をめっきするタイプの層間接続法による場合に比べて、導体パターンの微細化に対応でき、製造工程も簡略化できるという利点がある。 【0032】 図2に示すように、層間接続導体34は、電子部品4が実装された配線層25側(下側プリント配線基板120側)が小径で、配線層24側(上側プリント配線基板110側)が大径とされている。これは、後述するように、層間接続導体34となる導電性バンプが、配線層24の接続ランド8上に形設されたからである。このように、層間接続導体34となる導電性バンプを、電子部品4を実装・接続しない配線層24の接続ランド8上に形設したのは、このほうが、電子部品4を実装する面と同一面上に形設するよりも容易かつ効率がよいからである。例えば、電子部品4を実装するためのクリーム半田と、導電性バンプを形成するための銀ペーストとを、同一面に同時にスクリーン印刷しようとする場合には、特殊な印刷装置が必要となるなど、製造する負担が増大する。 【0033】 なお、上側プリント配線基板110内の層間接続導体31〜33、及び、下側プリント配線基板120内の層間接続導体35〜37、については、いずれの側が大径とされていてもよいが、より微細な配線パターンを形成する側(通常は外層側)が小径となるように形成することが好ましい。また、これらの配線基板110、120内の層間接続導体については、導電性バンプに代えて、周知のスルーホール等を用いて構成することもできる。これらの配線基板110,120内についても導電性バンプにより層間接続する場合には、図2に示すように、層間接続導体を板厚み方向に重ねて配置することができるので(いわゆる stacked via 構造)、高密度実装が可能である。 【0034】 上記説明したように、本実施形態による多層プリント配線板100は、0402チップ部品等の電子部品を内蔵しているので、実装する電子部品を減らすことなく基板を小型化できる。また、多層プリント配線板100の両外層面には、他の電子部品を実装することができるので、基板面を有効に活用できる。すなわち、部品を埋設した凹部空間の上面には実装用端子を設けられないものの、凹部をまたぐように配置することにより、これらの凹部空間の上部にも部品を実装することができるし、他の表面領域にも部品を実装できる。したがって、十分に、小型化、薄型化を図ることができる。 【0035】 このように、この多層プリント配線板100は、0402チップ部品などの電子部品4が内蔵されている領域5と、他の部品を実装するための凹部であるキャビティ1との両方を併せ持っている。さらに、これらの凹部空間の上部にも、例えば、凹部をまたぐようにして部品を実装することができる。したがって、実装すべき部品の実装場所を、基板内部、キャビティ内、及び、基板表面と、適宜使い分けることで、モジュール基板の小型化及び薄型化を実現することができる。よって、例えば、小型化、軽量化、薄型化、高密度化が求められる携帯用電子機器のセンサーモジュールやカメラモジュールなどに用いるモジュール基板として好適である。 【0036】 なお、この例では、キャビティ1の内側壁面1aは樹脂でコーティングされている。これにより、キャビティ1内側壁の繊維を固定することができ、発塵を防止することができる。すなわち、キャビティ1がガラス繊維やアラミド繊維など粉塵を生じやすい材料を含む絶縁基板をルーター加工、ドリル加工、レーザー加工等で切断することにより形成された場合であっても、その絶縁基板に含まれる材料に起因する粉塵がキャビティ内側壁面からキャビティ内部に混入するのを防ぐことができる。したがって、キャビティ内に埋め込む電子部品が、部品周囲の粉塵等に敏感な各種センサなどであっても、キャビティ内の発塵に起因する誤動作を防ぐことができる。なお、この例では、キャビティ1の内側壁面1aが樹脂でコーティングされているが、キャビティ1の内側壁面1aは樹脂でコーティングされていなくてもよい。 【0037】 なお、多層プリント配線板100の具体的な寸法は、特に限定されないが、本実施形態によれば、手軽に持ち運べる携帯機器に収納されるモジュール基板として適した寸法とすることができる。 【0038】 図4〜図7は、この多層プリント配線板100の製造方法として最適な実施形態の一例を説明するための模式的な断面図である。図4は、内蔵する電子部品を実装した配線基板を作製する工程を模式的な断面で示す図であり、図5は、部品を埋め込む空間用の窓(貫通穴)を設けた配線基板を作製する工程を模式的な断面で示す図である。図6は、図4(c)で得られた配線基板と、図5(c)で得られた配線基板とを、積層配置する工程を模式的な断面で示す図である。図7は、図6に示したものを積層プレスした状態を模式的な断面で示す図である。 【0039】 図4〜図7に示すように、この製造方法では、内蔵する電子部品を上面に実装した下側プリント配線基板120と、部品を埋め込む空間用の窓(板厚み方向に貫通する穴)を設けた上側プリント配線基板110とを、それぞれ別個に製造する。そして、これらを所定の配置にして積層プレスすることで、多層プリント配線板100を製造することができる。 【0040】 なお、上側プリント配線基板110と下側プリント配線基板120とは、同一の材料からなり、等幅かつ等長かつ等厚のものを用意することが好ましい。上側基板と下側基板とを同一材料かつ等厚にすることで、積層時の基板の反りを防止することができる。上側基板と下側基板とを等幅等長にすることで、一体的な多層プリント配線板とすることができ、外層の実装面を実質的に平坦にすることができる。 【0041】 まず、図4から順に詳細に説明する。図4(a)に示すように、内蔵する電子部品を実装する土台となる下側プリント配線基板として、ここでは、図2の下側に符号120で示したものと同じ構成の4層リジッド配線基板を用意した。このような4層リジッド配線基板は、公知の方法で製造することができる。なお、下側プリント配線基板120の構成は、必要な回路、電子部品を埋め込むのに必要な厚さ及び大きさ、モジュール基板として要求される厚さ(薄さ)及び大きさ、その他の設計事項を考慮して、適宜定められる。配線層は何層であってもよいが、予め、内層及び外層に導体パターンからなる配線層を形成し、層間接続導体で導通しておく。 【0042】 ここで、図2及び図4(a)に示すように、多層プリント配線板100として外層になる側(図面下側)は、実装用端子3となる導体パターン領域を残して、ソルダーレジスト等の保護層6で被覆されている。キャビティ1底面として露出する領域については、実装用ランド2として露出させる部分を除いてソルダーレジスト等の保護層6が形成されている。このように、あらかじめ外層の配線パターンや保護層を形成しておくことで、上側プリント配線基板110と積層一体化した後にパターニングする必要がなくなる。 【0043】 また、上側プリント配線基板110と接続される側(図面上側)には、内層となる配線層25が例えば周知のフォトリソグラフィによるパターニングにより形成されている。この配線層25の構成は自由であるが、少なくとも、キャビティ内に実装する部品を接続するための実装用ランド2、内蔵する電子部品4を実装するための実装用ランド7、上側プリント配線基板110と接続するための接続ランド9が、それぞれ所定の位置に形成されている。なお、接続ランド9は、上側プリント配線基板110側の接続端子としての導電性バンプ34(層間接続導体34)に対応する位置に(それぞれ多数個)形成されている。 【0044】 続いて、図4(b)に示すように、実装用ランド7上に、例えばスクリーン印刷によりクリーム半田41Aを印刷する。クリーム半田41Aは、スクリーン印刷を用いれば容易に所定パターンに印刷できる。スクリーン印刷に代えてディスペンサを使用することもできる。また、クリーム半田41Aに代えて導電性樹脂を用いることもできる。 【0045】 続いて、電子部品4を、クリーム半田41Aを介して実装用ランド上に例えばマウンタで載置し、さらにその後クリーム半田41Aを例えばリフロー炉でリフローさせる。これにより、図4(c)に示すように、接続部41を介して電子部品4が配線層25の実装用ランド7上に接続された状態の下側プリント配線基板120を得た。 【0046】 一方、上側プリント配線基板110として、図5(a)に示すような4層リジッド配線基板を用意した。なお、上側プリント配線基板110の構成は、自由に設計できるが、キャビティ1に実装する部品、及び、内蔵する電子部品4を埋め込むのに必要な大きさ及び厚さとされる。予め、内層及び外層に所望の導体パターンからなる配線層を形成し、層間接続導体で導通しておく。 【0047】 図2及び図5(a)に示すように、多層プリント配線板100として外層になる側(図面上側)は、実装用端子3となる導体パターン領域を残して、ソルダーレジスト等の保護層6で被覆されている。また、下側プリント配線基板120と接続される側(図面下側)には、絶縁層を介して下側プリント配線基板120と導通できるように、所定位置に接続ランド8が形成され、ソルダーレジスト等の保護層6は形成されていない。電子部品を埋め込むキャビティ1となる窓42及び部品を内蔵する空間を提供するための窓43を形成する領域には、導体パターン等は形成されていない。 【0048】 続いて、図5(b)に示すように、この上側プリント配線基板110の下面(下側プリント配線基板120と接続される面)の配線層24の所定位置(接続ランド8)に、例えばスクリーン印刷により略円錐形の導電性バンプ34を必要数まとめて形成する。所定形状に印刷した後、これを乾燥させて固化させる。固化した導電性バンプ34は、下側プリント配線基板120の接続ランド9と電気的かつ機械的に接続するための層間接続導体34である。導電性バンプ34の底面の径及び高さは、配線間隔や貫通する絶縁層の厚さを考慮して適宜定められる。なお、図5では、図2の向きと合わせて示しているので、導電性バンプ34が下を向いているが、実際に形成する際には、上下反対の状態で形成される。 【0049】 続いて、図5(c)に示すように、この上側プリント配線基板110の導電性バンプ34形成面(導電性バンプ34先端側の面)に、未硬化(Bステージ)のプリプレグ13Aを積層する。そして、両側から板厚み方向に加圧して、導電性バンプ34の頭部をプリプレグ13Aに貫挿し、先端をプリプレグ13Aから露出させる。具体的には、このプリプレグ13Aを当接させ、アルミ箔及びゴムシートを介して、たとえば100℃に保持した熱板の間に配置し、1MPaで1分間ほど加熱加圧することにより、導電性バンプ34の頭部をこのプリプレグ13Aに貫挿させて、導電性バンプ34の先端がこのプリプレグ13Aから突き出した上側プリント配線基板110を得た。なお、露出に際してあるいはその後、その導電性バンプ34の先端を塑性変形させてつぶしてもよいし(図示せず)、つぶさなくてもよい(図5(c))。いずれにしても、導電性バンプ34の形状は、積層方向に一致する軸を有しその軸方向に径が変化する形状である。 【0050】 そして、図5(d)に示すように、電子部品実装用キャビティ1とするための窓42及び部品を内蔵する空間を提供するための窓43を、所望の箇所に所望の大きさ及び形状で、所望の個数分、まとめて形成する。この窓42及び窓43は、いずれも、板厚み方向に貫通する開口部(貫通穴)である。これらの貫通穴は、例えば、ルーター加工、ドリル加工、打ち抜き加工、レーザー加工等公知の貫通孔形成方法により容易に形成することができる。粉塵の発生しにくい加工方法であることが好ましい。窓42及び窓43を形成した後、例えばゴミ取りロール、エアーブロー、集塵機(掃除機)などにより清掃し、上側プリント配線基板110の窓42及び43の近傍に粉塵がない状態とするのが好ましい。又、予めプリプレグ13Aの表面および層間接続導体34のプリプレグ13Aから露出した先端部に剥離可能な保護膜を付設した状態(図示せず)で窓42及び窓43を形成すれば、その加工に伴う粉塵がプリプレグ13Aおよび層間接続導体34の頭部に付着するのを防ぐことができる。 【0051】 なお、上記説明したように、上側プリント配線基板110とプリプレグ13Aとを積層してから窓42及び43を明けても良いし、導電性バンプ34を印刷形成する以前(図5(a))の上側プリント配線基板110に窓42及び窓43を明け、その後、導電性バンプ34を印刷形成し、窓42及び窓43を明けたプリプレグ13Aを積層し、導電性バンプ34を貫通させてその先端を露出させてもよい。いずれにしても、図5(d)に示すように、導電性バンプ34の頭部(先端側)がプリプレグ13Aから露出し、窓42及び43が設けられた状態の上側プリント配線基板110を用意する。 【0052】 なお、上側プリント配線基板110の窓42及び窓43を形成した後、導電性バンプ34をスクリーン印刷にて形成する場合、スクリーン印刷のスクリーンが上側プリント配線基板110の窓42及び窓43でたわみ、印刷をする上で不都合が生じる。その不都合を解消するため、窓42及び窓43を冶具(図示せず)で埋めて表面を平滑にしてから、導電性バンプ34をスクリーン印刷すると良い。 【0053】 ここで、プリプレグ13Aは、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維などの有機繊維の不織布、紙等の基材に、電気絶縁性及び熱融着性を有する未硬化(Bステージ)の合成樹脂を含浸させたフィルム状のシートである。プリプレグ13Aとしては、ノンフロータイプ(成形加工温度において含浸樹脂がほとんど流動しないタイプ)のガラス−エポキシ系のプリプレグを用いることもできるが、フロータイプ(成形加工温度において含浸樹脂が流動するタイプ)としたものを用いることが好ましい。プリプレグ13Aとして、フロータイプのものを用いることで、その含浸樹脂により、内蔵する電子部品4の周囲の空間を十分に埋めることができる。 【0054】 次に、図6に示すように、十分な大きさの平板の押さえ板61の上に、図4(c)で得た下側プリント配線基板120を、電子部品4を実装した面を上にして載置する。その上に、図5(c)で得た上側プリント配線基板110を、窓43が電子部品4と嵌合するように、かつ、先端がこのプリプレグ13Aから突き出した導電性バンプ34と下側プリント配線基板120の接続ランド9とが対向するように、位置合わせして積層配置する。その上に、第1の押さえ板62を積層配置する。この第1の押さえ板62は、キャビティ1となる窓42に対応する位置に窓明けされ、部品を内蔵する空間5となる窓43に対応する位置には窓明けされていない板である。その上に、上下に離型フィルム52を積層した低融点の樹脂フィルムからなるコンフォーマル材51を積層配置する。最上層に、窓あけされていない平板の押さえ板63を積層配置する。 【0055】 ここで、コンフォーマル材51は、プリプレグ13Aに含浸された樹脂が、主として電子部品4の周囲の空間(開口部43)に流れ込んでその空間を埋めるように、窓42の空間に流れ込む樹脂の流量を制御するためのものである。それとともに、コンフォーマル材51は、プリプレグ13Aに含浸された樹脂が、窓42の内側壁面の形状に沿って流動することによりキャビティ1の内側に樹脂の流路を形成し樹脂の流量を制御するためのものでもある。コンフォーマル材51としては、プリプレグ13Aのガラス転移温度より融点が低い樹脂、例えば、融点が90℃程度の低融点ポリエチレンからなるフィルムを用いることができる。 【0056】 押さえ板61、62、63としては、寸法や変形の少ない金属板もしくは耐熱性樹脂板、たとえばステンレス板、真鍮板、ポリイミド樹脂板(シート)、ポリテトラフロロエチレン樹脂板(シート)などを使用することができる。 【0057】 このとき、押さえ板62に設ける窓(板厚み方向に貫通する貫通穴)は、図6に示すように、上側プリント配線基板110に設けた窓42よりも少し小さくしておくことが好ましい。例えば、この押さえ板62にあける窓は、上側プリント配線基板110にあけた窓(貫通穴)42よりも小さく形成され、窓どうしを重ね合わせたときに、押さえ板62の窓と上側プリント配線基板110の窓42の各縁部の差が、キャビティ内側壁面1aのコーティング厚さよりもわずかに大きくすることが好ましい。そうすることで、キャビティ内側壁面1aに沿って適切な厚さでコーティングできるとともに樹脂のキャビティ内壁上部端面の位置をそろえることができる。 【0058】 そして、このコンフォーマル材51の融点以上かつプリプレグ13Aの含浸樹脂が可塑状態になる温度未満の温度、例えば95±5℃、に保持した熱板の間に配置し、例えば2MPaで数10分間ほど加熱加圧する。すると、コンフォーマル材51が流動性を得て、自重により、押さえ板62に明けられた窓を通して下側に積層された離型フィルム52と共に落下して、図7に示すように、キャビティ1(窓42とキャビティ1底面を構成する下側プリント配線基板120の上面とで形成される凹部)の内側の形状に概ね沿った形状に変形する。この変形により、プリプレグ13Aの含浸樹脂の流路が制御されることになる。 【0059】 このとき、図6及び図7に示すように、押さえ板62の窓と上側プリント配線基板110の窓42の各縁部の差を少し設けているので、キャビティ1の内側壁面に沿ってコンフォーマル材51との間に隙間ができる。この隙間が、キャビティ1の内側壁面をコーティングする樹脂の流路となる。一方、実装された部品4に対応して設けられた領域5(窓43)に対応する位置には、押さえ板62に窓が明けられていないのでコンフォーマル材51が落下しない。よって、この空間もプリプレグ13Aの含浸樹脂の流路となる。 【0060】 その後、さらに温度を上げて加熱加圧する。すると、図7に示すように、プリプレグ13Aから突き出た導電性バンプ34の先端が対向する下側プリント配線基板120の接続ランド8に当接してその先端が円錐台状に塑性変形し、上側プリント配線基板110の接続ランド7と下側プリント配線基板120の接続ランド8とを直接接続する層間接続導体34となり、導通し得る状態となるとともに、全体が一体化される。 【0061】 全体が一体化されるとともに、プリプレグ13Aの含浸樹脂が流動性を得て、上側プリント配線基板110の絶縁層11と下側プリント配線基板120の絶縁層12との隙間、及び、電子部品4の周りの空間(領域5)が埋められる。それと同時に、キャビティ1の内側壁面に沿って、変形したコンフォーマル材51との隙間に浸出し、キャビティ1の内側壁面がこの樹脂によりコーティングされる。なお、押さえ板62の窓と上側プリント配線基板110の窓42の各縁部の差を設けない場合には、キャビティ1の内側壁面は含浸樹脂によりコーティングされない。その場合でも実装された電子部品4の周囲の空間は、含浸樹脂により埋められる。 【0062】 そして、プリプレグ13Aを硬化させた後、冷却してから、押さえ板61、63、変形したコンフォーマル材51、その両面に積層された離型フィルム52、及び、窓を明けた押さえ板62を剥離して、図1及び図2に示す多層プリント配線板100を得た。 【0063】 図1及び図2に示す多層プリント配線板100は、以上のようにして製造される。図3に示す多層プリント配線板100も同様の方法で得ることができる。 【0064】 なお、本発明において、電子部品を埋め込むキャビティを形成する方法、基板内に電子部品を実装して内蔵する方法、キャビティ内側壁面をコーティングする方法などは、上記方法に限られない。例えば、キャビティ1や部品を内蔵する領域5は、あらかじめ8層プリント配線板を製造した後、その上層部を座繰り加工することにより形成することは可能である。そして、領域5の内部に電子部品4を実装した後に別途封止樹脂を用いて電子部品4の周囲の空間を封止し、電子部品4を内蔵することも可能である。また、キャビティ1形成後に別途コーティング樹脂を塗布することにより、キャビティ1の内側壁面をコーティングすることも可能である。 【0065】 しかし、上記のように窓を明けた上側プリント配線基板と部品を実装した下側プリント配線基板とをプリプレグを介して積層プレスするのではなく、上層部を座繰り加工することにより部品を埋め込むための凹部を形成する場合には、形成された配線部を傷つけないように配慮する必要があるので困難を伴う。また、キャビティ形成後に別途コーティング樹脂を塗布することにより内側壁面をコーティングする場合には、垂直な内壁面に沿って均一に樹脂を塗布することが困難であるほか、別工程が必要になる。また、座繰り加工で設けた凹部に小型部品を実装することにも困難を伴う。 【0066】 上記実施形態で説明した多層プリント配線板の製造方法によれば、これらの困難は回避される。その上、電子部品実装用のキャビティと、電子部品を内蔵した空間とを、上下の配線基板の積層と同時に完成することができる。したがって、上記実施形態で説明した多層プリント配線板の製造方法は、電子部品実装用のキャビティと、電子部品を内蔵した空間とを兼ね備えた多層プリント配線板を製造する方法として最適である。 【0067】 なお、図2に示す層間接続導体31〜37となる導電性バンプとしては、たとえば銀、金、銅などの良好な導電性を有する金属粉末、これらの合金粉末もしくは複合(混合)金属粉末と、たとえばポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などのバインダー成分とを混合して調製されたペースト状の導電性組成物(導電性ペースト)、あるいは導電性金属などで構成することができる。導電性バンプを導電性組成物で形成する場合、たとえば比較的厚いメタルマスクを用いた印刷法により、アスペクト比の高いバンプを形成することができる。導電性金属で導電性バンプを形成する手段としては、(a)ある程度形状もしくは寸法が一定の微小金属魂を、粘着剤層を予め設けておいた導電性金属層面に散布し、選択的に固着させる(このときマスクを配置して行ってもよい)、(b)電解銅箔面にめっきレジストを印刷・パターニングして、銅、錫、金、銀、半田などめっきして選択的に微小な金属柱(バンプ)を形成する、(c)導電性金属層面に半田レジストの塗布・パターニングして、半田浴に浸漬して選択的に微小な金属柱(バンプ)を形成する、(d)金属板の一部をレジストにて被覆し、エッチングして微小な金属バンプを形成する、などが挙げられる。ここで、導電性バンプに相当する微小金属魂ないし微小な金属柱は、異種金属を組合わせて成る多層構造、多層シェル構造でもよい。たとえば銅を芯にし表面を金や銀の層で被覆して耐酸化性を付与したり、銅を芯にし表面を半田層被覆して半田接合性をもたせたりしてもよい。なお、本発明において、導電性バンプを導電性組成物で形成する場合には、めっき法などの手段で行う場合に較べて、さらに工程など簡略化し得るので、低コスト化の点で有効である。 【0068】 本実施形態では、部品を実装した面(配線層25の上面)とは別な面(配線層24の仮面)に、層間接続導体34(上側プリント配線基板110と下側プリント配線基板120との接続端子でもある)となる導電性バンプ34を形成した。本実施形態と逆に下側プリント配線基板120側に導電性バンプ34を形成して積層一体化することもできるが、上記理由により、導電性バンプ34を上側プリント配線基板110側に形成したほうが好ましい。 【0069】 [その他] 図8〜図10は、上記実施形態で得られた多層プリント配線板100のキャビティ1内に電子部品を実装した状態の例を模式的に示す断面図である。 【0070】 図8に示す例では、一方の主面に複数の電極端子71aを備えた電子部品71が、電極端子71a面をキャビティ1開口部側に向けてキャビティ1内部に載置されている。その各電極端子71aは、キャビティ1底面に設けられた各実装用端子2と、ボンディングワイヤ81により各々接続されている。電子部品71は、キャビティ1内に埋設されているが、樹脂で埋められてはいない。本発明の多層プリント配線板は、このような構成で電子部品71をキャビティ1内に実装するためのものであってもよい。なお、図8では、部品71が電子部品4よりも小さく描かれているが、これはあくまでも模式的な図示であり、実際には、部品71は、内蔵された電子部品4よりも大きく、かつ、厚いものであってもかまわない。 【0071】 図9に示す例では、一方の主面に複数の電極端子71aを備えた電子部品71が、電極端子71a面をキャビティ1開口部側に向けてキャビティ1内部に載置されている。各電極端子71aは、外層面のキャビティ側壁近傍に設けられた各実装用端子3と、ボンディングワイヤ81により各々接続されている。本発明の多層プリント配線板は、このような構成で電子部品71をキャビティ1内に実装するためのものであってもよい。すなわち、電子部品71の各電極端子71aと接続される実装用端子はキャビティ1底面に設けられていなくてもよい。 【0072】 図10に示す例では、一方の主面に複数の電極端子71aを備えた電子部品71が、電極端子71a面をキャビティ1底面側に向けてキャビティ1内部に載置され、キャビティ1底面に設けられた実装用端子2とフリップチップ接続されている。その上部には、キャビティ1の開口部を塞ぐように他の電子部品72が搭載され、その各電極端子72aは、上側プリント配線基板110の最外層に設けられた各実装用端子3と、ボンディングワイヤ81により各々接続されている。一方、電子部品4が埋設された領域5の上部にも、その領域5を塞ぐように他の電子部品73が搭載され、その各電極端子73aは、上側プリント配線基板110の最外層に設けられた各実装用端子3と、ボンディングワイヤ81により各々接続されている。本発明の多層プリント配線板は、このような構成で電子部品を接続するものであってもよい。 【0073】 キャビティ1内に実装される電子部品や、電子部品4を内蔵した領域5の上部に実装される電子部品の接続方法は、これらに限られず、いろいろの形態を採ることができる。また、キャビティ1のサイズや形状、電子部品4を内蔵した領域5の形状及び個数も、上記に限られず、いろいろの形態を採ることができる。例えば、図1及び図2では、キャビティ1が1つで、電子部品4が内蔵された領域5が2つであるが、それぞれ、多層プリント配線板100として許容される平面サイズの範囲内で、もっと多くの個数を配設することができる。また、キャビティ1内に実装される電子部品や、領域5に内蔵された電子部品4が、複数ある場合であっても、それらは、同一種類の電子部品である必要はなく、その種類やサイズ等はいろいろのものであってよい。 【0074】 上記説明したように、いろいろの形態を採り得るが、いずれの場合であっても、本実施形態による多層プリント配線板100は、電子部品をその内部に埋め込める開口部を有するキャビティ1と、電子部品4が内蔵された領域5とを、それぞれ少なくとも1つずつ、有している。そして、外層面には、それぞれ所望の電子部品を実装できる実装用端子3を備えている。よって、例えば、落下し易い小型チップ部品は内蔵し、発熱性の部品、厚みのある部品、またはワイヤ接続が必要な部品等はキャビティ1内に実装し、その他の大型の部品は表面に実装するというように、電子部品に合わせて実装場所を適宜選択することができる。したがって、実装する部品を選ばずに部品の実装場所を提供でき、基板を十分に小型化かつ薄型化することができる。 【0075】 そして、領域5内に内蔵された電子部品4の、少なくとも接続部41の周囲の空間は、プリプレグの含浸樹脂から浸出した樹脂により、上側プリント配線基板110と下側プリント配線基板120との間に介在する絶縁層13と一体に埋められている。よって、別途の封止樹脂を必要とすることなく、部品を内蔵し保護することができる。 【図面の簡単な説明】 【0076】 【図1】(a)は、本発明の実施形態に係る多層プリント配線板の構成の一例を模式的に示す上面図、(b)は、その底面図。 【図2】図1のA−A線に沿う模式的断面図。 【図3】図2に示す多層プリント配線板の変形例を示す模式的断面図。 【図4】本発明の実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を説明するための模式的断面図。 【図5】本発明の実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を説明するための模式的断面図。 【図6】本発明の実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を説明するための模式的断面図。 【図7】本発明の実施形態に係る多層プリント配線板の製造方法を説明するための模式的断面図。 【図8】本発明に係る多層プリント配線板のキャビティ内に電子部品を実装した例を示す図。 【図9】本発明に係る多層プリント配線板のキャビティ内に電子部品を実装した例を示す図。 【図10】本発明に係る多層プリント配線板のキャビティ内に電子部品を実装した例を示す図。 【符号の説明】 【0077】 1…キャビティ、1a…キャビティ内側壁、2,3…実装用端子、4…電子部品、4a…電極端子、5…電子部品を内蔵する領域、6…保護層(ソルダーレジスト)、7…実装用ランド、8,9…接続ランド(配線パターン)、11…第1の絶縁層、12…第2の絶縁層、13…第3の絶縁層、21,22,23,24,25,26,27,28…配線層、31,32,33,34,35,36,37…層間接続導体(導電性バンプ)、41…接続部(半田部)、41A…クリーム半田、42…キャビティとなる窓(貫通穴)、43…電子部品を内蔵する領域となる窓(貫通穴)、51…コンフォーマル材、52…離型フィルム、61…押さえ板、62…窓を明けた押さえ板、63…押さえ板、71,72,73…電子部品、71a,72a,73a…電極端子、81…ボンディングワイヤ、100…多層プリント配線板、110…上側プリント配線基板、120…下側プリント配線基板。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002897 【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年7月28日(2006.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077849 【弁理士】 【氏名又は名称】須山 佐一
|
| 【公開番号】 |
特開2008−34589(P2008−34589A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−205641(P2006−205641) |
|