トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 基板分割装置
【発明者】 【氏名】青木 得夫

【氏名】清水 賢志

【要約】 【課題】分割刃の配置や形状を工夫し、人の力だけで動作できるようにして、生産性の向上、軽量かつ小型で扱い易く、低コストな基板分割装置を提供する。

【構成】電子部品が実装されたプリント配線基板から分割用溝に沿って必要部分を分割取得する装置において、分割刃3は基板6の不要部分6Aを押圧する際に、必要部分の周辺の全部に同時に圧力が掛からない様に、分割刃3の取り付け位置を基板の厚み方向に対して高低差を設けることにより不要部分の分割切断を順次行う様にする事で分割に要する力を低減し、手動による分割を可能にしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要部分と不要部分とがVカットと称される分割用溝を介して連結されている電子部品実装プリント配線基板を該分割用溝に沿って分割する基板分割装置において、基板の必要部分と同寸法の基板載置台と、不要部分を押圧切断する分割刃と、押圧力による基板の撓みを抑える基板抑え部と、分割刃と基板抑え部を手動により昇降させるレバーから成り、一回の分割刃の昇降動作で全ての必要部分と不要部分とを分割できる構成となっていることを特徴とする基板分割装置。
【請求項2】
分割刃の長さを変え又は取り付け位置を変えることにより、分割刃の少なくとも一つを他の分割刃と基板の厚み方向に高低差が生じる様に設置することにより、分割刃が基板の不要部分を押圧する際に必要部分の周辺全部に同時には圧力が掛からない様にして分割に要する力を低減し、手動による分割を可能にしたことを特徴とする請求項1の基板分割装置。
【請求項3】
基板の必要部分に実装された部品が分割用溝を跨ぐ様に不要部分まではみ出ている場合に、分割刃が基板の不要部分を押圧する際に、前記はみ出し部品と分割刃が干渉しないように分割刃の該当箇所を切り欠く事で前記部品を損傷する事無く基板を分割できる構成となっている請求項1又は2の基板分割装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が実装されたプリント配線基板において、その必要部分と不要部分とがVカットと称される分割用溝を介して連結されている基板を、前記分割用溝に沿って分割する基板分割装置である。
【背景技術】
【0002】
従来の分割方法としては、プリント配線基板の一端を保持し不要部分を分割爪で把持しこれを分割用溝を支点に回転させて不要部分を分割除去する装置及びその改良装置が知られている(特許文献1参照)。また、一枚の基板上に形成された複数の回路基板を個々の基板毎に分割する際に、金属塊に打ち抜きするような刃を設けたビク型と称される様な物を大エネルギーを必要とする動力源を用いてエアーシリンダや油圧シリンダによって昇降させ多大な圧力を加えて基板を分割する装置(特許文献2参照)が提案されている。更に、各種電子部品を実装した長尺シートを搬送しながら分割用溝の方向に配置された一対の回転刃を利用して各基板相当部に切断する方法(特許文献3参照)などが考案されている。
【特許文献1】特許公開2001−196329号公報
【特許文献2】特許公開平6−320499号公報
【特許文献3】実用新案公開平5−080699号公報
【0003】
特許文献1に記載の装置は一回に一辺しか分割できず生産性が良いとは言えない。特許文献2の装置は大掛かり(重い、大きい、複雑)であり、取扱いや保守に手間がかかるだけでなく、装置の作成にもコストがかかってしまう。また、特許文献3の装置の様に回転刃に通し切断する方法では、基板の不要部分にはみ出るように実装されたジャック等の部品がある時に回転刃を通すことが出来ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するために、分割刃の配置や形状を工夫し、人の力だけで動作できるようにして、生産性の向上、軽量かつ小型で扱い易く、低コストな基板分割装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の基板分割装置は、必要部分と不要部分とがVカットと称される分割用溝を介して連結されている電子部品実装プリント配線基板を該分割用溝に沿って分割する装置で、基板の必要部分と同寸法の基板載置台、不要部分を押圧切断する分割刃、押圧力による基板の撓みを抑える基板抑え部、及び分割刃と基板抑え部を手動により昇降させるレバーから成り、一回の分割刃の昇降動作で全ての必要部分と不要部分とを分割できる構成となっている基板分割装置である。
【0006】
基板載置台は分割取得する基板必要部分と同寸法であることが必要であるが、これは分割溝の幅などによって多少の寸法ずれが生じても必要部分を正確に押圧切断できる様な実質的同寸法であればよい。
【0007】
前記分割刃は基板の不要部分を押圧切断する際に、必要部分の周辺全部に同時に圧力がかからない様に、分割刃の少なくとも一つを取り付け位置を基板の厚み方向に対してずらすことで分割に要する力を低減し、手動による分割をより容易にする事が出来る。または分割刃の長さを変えて設置する事で、分割刃の少なくとも一つが他の分割刃と基板の厚み方向に高低差を生じる様にすることで分割刃が基板の不要部分を押圧する際に分割用溝の全部に同時に圧力が掛かることのない様にして分割に要する力を低減することにより、手動による分割をより容易にすることが出来る。
【0008】
また、前記分割刃は、必要部分に実装された部品が分割用溝を跨ぐように不要部分まではみ出ている場合に、前記分割刃が基板の不要部分を押圧する際に、前記部品と分割刃が干渉しないように分割刃の該当箇所を切り欠く事で前記部品を損傷する事無く基板を分割することを可能としている。
【0009】
分割刃に用いる材質としては鉄、スチールなどが用いられる。梃子の原理により、押圧する力が最大限に働くように、分割刃が基板の不要部分の端点を押圧するように、分割刃の先端は押圧する基板の厚み方向に対して傾斜を設けると良い。分割刃は通常基板の分割用溝の形状に合わせて直線状に形成されているが、基板が四角形ではない特殊な形状を有し、これに対応した分割用溝が形成されている場合にはその形状に合わせた分割刃を用いる事が好ましい。
【0010】
本発明において設置する基板抑え部は基板周囲を分割刃で押圧切断する際に基板の必要部分が撓むのを抑えるもので、適宜の大きさの断面を持つピン等が用いられるが、その抑え面は基板面を傷付けない様に配慮した、例えばABS樹脂、ポリアセタール、PEEK、ポリカーボネートなど所要の強度を有するエンジニアリングプラスチックを用いる事が好ましいが、これに限られるものではない。また、使用する抑え部の数は基板の硬さ、大きさ等に依存するが600〜1200mm当り1個程度設ければ充分である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、特許文献1の装置の様に一回の動作で一辺を分割する装置に対して、一回の分割刃の昇降動作で全ての必要部分と不要部分とを分割出来るため生産性が向上できる。長尺状のシートに複数の基板が設置されており、二辺だけを分割すれば必要部分が取得できる様なケースにも適応できるし、また、四辺またはそれ以上の辺に分割用溝が設けられているケースであっても一回の操作で必要部分を分割取得できる効果を有している。
【0012】
また、特許文献2に記載の様なプレス機を使用する大掛かりな装置と比べてシンプルな構成であり、人の力だけで動作できるように工夫しているため、軽量かつ小型で扱い易く低コストで装置を作成できる。
【0013】
さらに、特許文献3に記載の様な回転刃に通して切断する方法を用いる基板分割装置は、回転刃が通る分割用溝上に被る部品が無いことが前提として作られている。本発明によれば、分割刃が基板の不要部分を押圧する際に、前記部品と分割刃が干渉しないように分割刃の該当箇所を切り欠く事で前記部品を損傷する事無く基板を分割することを可能にしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面に従って具体的に説明する。図1は本発明装置の全体を示す正面図と側面図である。本発明装置は、電子部品が実装されたプリント配線基板6を載置する基板の必要部分と同寸法の台5、不要部分6Aを押圧する分割刃3と、昇降動作する機構部に押圧力による基板の撓みを抑えるための抑えピン8とが設けられ、手動により昇降板2を昇降させる操作レバー1で構成されている。尚、分割刃3は基板6の四辺に対して4枚設けているが、本図では説明の為、前面と後面側の分割刃3は省略している。
【0015】
載置台5は、基板6の必要部分(基板の前後左右の四辺に分割用溝が形成されているものとし、この分割用溝で囲まれた、基板として取得すべき部分)と同寸法で作成されており、載置台5に基板6を載置すると基板6の不要部分6Aが載置台5の外側にはみ出るようになっている。尚、図では省略しているが、載置台5には基板6を載置した際の位置決めのためのリブを設けており、基板6には前記リブを通す穴を設けている。また、基板6は載置台5により面で支持することになるが、基板6に実装された部品で載置台5と接する面側に突き出た部分やリード線の足などが載置台面と接触するのを防ぐために、載置台5には当該箇所に溝が彫られている。
【0016】
抑えピン8にはリブが設けられており、抑えピン8が板金9に空けられた穴にリブで吊り下がるように取り付けられている。本図では省略しているが、板金9の内部で抑えピン8はスプリングにより下方へ押し付けられるように取り付けられている。さらに、板金9は、シャフト7と抜け落ち止めのリブ4により、昇降板2に設けた穴を通して吊り下がるようになっている。尚、本図では省略しているが、前記シャフト7にもスプリングが挿入されていて板金9は前記スプリングにより下方へ押し付けられるように取り付けられている。
【0017】
抑えピン8は、実際の分割作業時に基板6の必要部分に突き当たる為、基板6の当該部分を傷付けないよう抑えピン8の形状及び材質等を考慮することが望ましい。また、基板6の大きさにより分割時の応力が異なるので、その応力に合わせて抑えピン8の数を決めると良い。例えば10000mm程度の必要部分基板面積に対しては9〜13本のピンを設置する事が好ましい。
【0018】
分割刃3は、昇降板2の前後左右に4枚取り付けられ、その幅(内寸法)は載置台5の寸法より若干広くしている。また、分割刃3はその内の少なくとも一つの取り付け位置を変えることにより、またはそれ自体の長さを変えて取り付けることにより、基板6の厚み方向に対して互いに数mm程度の高低差Hを設けている。さらに、分割刃3の先端は基板6の厚み方向に対して傾斜を設けている。この場合、傾斜角度が大きいと押圧する力が過大になり、小さいと昇降のストロークが長くなりすぎるので、概ね25〜35°程度が望ましい。分割刃3は実際の分割作業時に基板6の不要部分6Aを擦るように押圧する為、鉄などの磨耗に強い材質とすることが望ましい。
【0019】
図面には表示してないが、基板6の必要部分に実装された部品が分割用溝を跨ぐように不要部分6Aまではみ出ている場合には、分割刃3が基板6の不要部分6Aを押圧する際に、前記のはみ出た部品と分割刃3が干渉しないように分割刃3の該当箇所を切り欠いて使用する。
【0020】
次に実際の分割動作を行った場合について図2で説明する。レバー1操作により昇降板2を降ろすと、まず、抑えピン8が基板6の必要部分に突き当たり、前述のスプリングの弾性力により基板6を抑え、基板周辺へ押圧があったときに撓みが生じない様にする。さらに昇降板2を降ろすと、分割刃3が基板6の周辺部に相当する不要部分6Aを押圧し、基板6の分割用溝を支点に曲げられ分割用溝に沿って分割される。この際に、前述したように分割刃3に高低差を設けてあると、四辺に設けられた分割刃3は基板6の不要部分6Aに順次突き当たる為、少しの力で分割することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
背景技術に挙げた様に、様々な基板分割装置が考案されている中で、本発明により、生産性の向上、軽量かつ小型で扱い易く、低コストな基板分割装置として用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本装置の正面図と側面図。
【図2】本装置による分割動作時の様子を示す正面図。
【符号の説明】
【0023】
1.操作レバー
2.昇降板
3.分割刃
4.リブ
5.載置台
6.プリント配線基板
6A.プリント配線基板の不要部分
7.シャフト
8.抑えピン
9.板金
【出願人】 【識別番号】591054303
【氏名又は名称】コルコート株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−34575(P2008−34575A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205502(P2006−205502)