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【発明の名称】 キャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法
【発明者】 【氏名】鄭 勝 教

【氏名】崔 容 碩

【氏名】洪 寄 杓

【要約】 【課題】高誘電率セラミックから成る高容量のキャパシタが内蔵された低温同時焼成基板の製造方法を提供する。

【構成】少なくとも一つの高誘電率セラミックシートが含まれた積層体を焼成してキャパシタ部を製造する段階と、導電パターン及び/または導電性バイアホールがそれぞれ形成された複数の低温焼成用グリーンシートを備える段階と、上記キャパシタ部が隣接する上記グリーンシートの導電パターンまたは導電性バイアホールに繋がって内蔵されるように上記複数の低温焼成用グリーンシートを積層してLTCC積層体を形成する段階で、上記キャパシタ部が内蔵されたLTCC積層体を焼成する段階とを含む、キャパシタ内蔵型LTTC基板の製造方法であり、積層型チップキャパシタ構造またはキャパシタ層構造のような多様な形態のキャパシタ部に有益に適用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの高誘電率セラミックシートが含まれた積層体を焼成してキャパシタ部を製造する段階と、
導電パターン及び/または導電性バイアホールがそれぞれ形成された複数の低温焼成用グリーンシートを備える段階と、
前記内蔵されたキャパシタ部が隣接する前記グリーンシートの導電パターンまたは導電性バイアホールに繋がって内蔵されるように前記複数の低温焼成用グリーンシートを積層してLTCC積層体を形成する段階と、
前記キャパシタ部が内蔵されたLTCC積層体を焼成する段階と
を含む、キャパシタ内蔵型LTTC基板の製造方法。
【請求項2】
前記キャパシタ部は複数の誘電体層と各誘電体層の上下面にそれぞれ形成された第1内部電極及び第2内部電極を含む少なくとも一つの積層型キャパシタブロック体であり、
前記LTCC積層体を形成する段階は、
前記LTCC積層体の内部領域に少なくとも一つのキャビティが形成されるように前記複数の低温焼成用グリーンシート中の一部のシートを穿孔する段階と、
前記複数の低温焼成用グリーンシートを積層し、その積層過程において前記少なくとも一つの積層型キャパシタ部を前記キャビティにそれぞれ実装する段階と
を含むことを特徴とする、請求項1記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つのキャビティは、焼成過程における前記低温焼成用グリーンシートの収縮程度を考慮して、そのキャビティに実装される積層型キャパシタブロック体の厚さより厚い厚さを有することを特徴とする、請求項2記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項4】
前記LTCC積層体を形成する段階は、前記LTCC積層体の上面及び下面の少なくとも一面に収縮を抑制するための拘束層を圧着させる段階を含み、
前記LTCC積層体の焼成段階後に、前記LTCC基板から前記拘束層を除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項2記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項5】
前記拘束層は、前記LTCC積層体の両面に設けられることを特徴とする、請求項4記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項6】
前記拘束層は、焼成されたセラミックとガラスの混合層であることを特徴とする、請求項4記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項7】
前記LTCC積層体を形成する段階は、前記複数の低温焼成用グリーンシート中キャビティの開口を形成するグリーンシートと、それに隣接した上部グリーンシートの間に内部拘束層が介在されるように、前記LTCC積層体を形成する段階であることを特徴とする、請求項4記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項8】
前記内部拘束層の厚さは、約3μm〜約20μmであることを特徴とする、請求項7記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項9】
前記内部拘束層は、焼成されたセラミック層とその両面に形成されたガラス層とを含むことを特徴とする、請求項7記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項10】
前記キャパシタ部は、前記LTCC基板の面積と略同じ面積を有する強誘電体層と、その上面及び下面の少なくとも一部領域に設けられた第1電極及び第2電極を含む少なくとも一つのキャパシタ層であり、
前記LTCC積層体を形成する段階は、前記複数の低温焼成用グリーンシートと前記少なくとも一つのキャパシタ層を一緒に積層して前記LTCC積層体を形成する段階であることを特徴とする、請求項1記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項11】
前記LTCC積層体を形成する段階は、前記LTCC積層体の上面及び下面の少なくとも一面に収縮を抑制するための拘束層を圧着させる段階を含み、
前記LTCC積層体の焼成段階後に、前記LTCC基板から前記拘束層を除去する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項10記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項12】
前記拘束層は、前記LTCC積層体の両面に設けられることを特徴とする、請求項11記載の内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項13】
前記キャパシタ層は前記LTCC基板において上面及び下面のいずれか一面に隣接するように位置し、前記拘束層は前記LTCC積層体の上面及び下面のいずれか他面に限って設けられることを特徴とする、請求項11記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項14】
前記拘束層は焼成されたセラミックとガラスの混合層であることを特徴とする、請求項11記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項15】
前記キャパシタ層は、その上下部に位置したグリーンシートの導電パターンまたは導電性バイアホールが互いに繋がるように前記第1電極及び第2電極パターンが形成されない前記誘電体層領域を貫通する導電性バイアホールをさらに含むことを特徴とする、請求項10記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項16】
前記キャパシタ層はその誘電体層を貫通する導電性バイアホールを取り囲むように他の領域より低い低誘電率の物質から成る低誘電率領域を有することを特徴とする、請求項15記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項17】
前記低誘電率領域は、前記LTCC基板を構成する低温同時焼成セラミック物質と同一の物質から成ることを特徴とする、請求項16記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項18】
前記LTCC積層体を形成する段階は、前記キャパシタ層と前記低温同時焼成セラミック基板の間にその結合強度を強化するためのバインダー層が介在されるように前記複数の低温焼成用グリーンシートを積層する段階を含むことを特徴とする、請求項10記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項19】
前記バインダー層は、前記LTCC積層体の焼成過程において除去可能な熱可焼成ポリマー物質から成ることを特徴とする、請求項18記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項20】
前記LTCC積層体を形成する段階は、前記キャパシタ層と前記低温同時焼成セラミック基板の間で活性化されるように60〜100℃で熱処理する段階を含むことを特徴とする、請求項19記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項21】
前記キャパシタ部を構成する高誘電率物質の誘電率は、1000より大きい強誘電性物質であることを特徴とする、請求項1記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項22】
前記LTCC基板の各層はAl23を含むことを特徴とする、請求項21記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項23】
前記キャパシタ部のための高誘電率グリーンシートの焼成温度は、1000〜1400℃の範囲であり、前記LTCC積層体の焼成温度は900〜1100℃の範囲であることを特徴とする、請求項1記載のキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法。
【請求項24】
請求項1乃至請求項23のいずれか1項の製造方法により製造されたキャパシタ内蔵型LTCC基板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、低温同時焼成(LTCC)基板の製造方法に関し、特に電子製品モジュールのためのパッケージ基板を使用することができるキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、多様な電子製品の小型化及び高周波化の傾向により、電子製品に内蔵される部品の小型化、軽量化及び多機能化に対する要求が増えている。一方、近年電子製品では各機能モジュール間の多くの電源分配に対するノイズ発生に備え、デカップリングのための高容量のキャパシタが大きく要求されるので、既存の表面実装型キャパシタの数の増加により基板またはモジュールの大きさや高さが大きくなる問題がある。
【0003】
図1は、低損失高周波特性に優れ脚光を浴びている低温同時焼成用基板を採用した高周波モジュール構造の一例を示す断面図である。
【0004】
図1を参照すれば、高周波モジュール10は複数の低温同時焼成セラミック層11a〜11eから成るLTCC基板11と、上記基板11の上に実装されるICチップ16及びキャパシタ15のような受動素子とを含み、上記低温同時焼成セラミック層11a〜11eは、望む回路を実現するためにそれぞれ所定の導電パターン12と導電性バイアホール13とが形成される。
【0005】
上記に説明したように、近年、製品傾向によるキャパシタ15のより大きい容量が求められるので、モジュール自体を小型化するのに大きい困難がある。
【0006】
かかる問題を解決すべく、印刷回路基板(PCB)のような基板内にキャパシタのような受動素子を内蔵する方案に関する研究及び商品化が活発に展開されている。しかしながら、図1に示す低温同時焼成用セラミック(LTCC)基板の場合には、高容量のキャパシタを実現するための高誘電率材料が低温焼成セラミックと大きく異なる焼成収縮率を有するので、実際にキャパシタが内蔵されたLTCC基板を実現するのに困難がある。
【0007】
勿論、一部の表面実装型デバイス(SMD)部品分野では、低誘電率シートと中間誘電率(通常誘電率100以下)シートを同時焼成してバンドパスフィルターまたはバランスフィルターのような小型部品を製造する例はあるが、モジュールなどに使用される比較的大きいLTCC基板では異種誘電率材料を適用することは、現在まで殆ど製品化されておらず、上記した中間誘電率材料と低誘電率材料で同時に焼成する研究のみ行われている。
【0008】
結果的に、高容量のキャパシタ(100pF〜数nF)は100%SMD部品を表面に実装する方式を適用している状況である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した従来技術の問題を解決するためのものであって、その目的は、基板の機械的安全性を維持しながら高周波の条件に適した低温同時焼成セラミック基板に高温焼結が要求される高誘電率セラミックから成る高容量のキャパシタが内蔵された低温同時焼成基板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術的課題を実現するために、本発明は、少なくとも一つの高誘電率セラミックシートが含まれた積層体を焼成してキャパシタ部を製造する段階と、導電パターン及び/または導電性バイアホールがそれぞれ形成された複数の低温焼成用グリーンシートを備える段階と、上記内蔵されたキャパシタ部が隣接する上記グリーンシートの導電パターンまたは導電性バイアホールに繋がって内蔵されるように上記複数の低温焼成用グリーンシートを積層してLTCC積層体を形成する段階と、上記キャパシタ部が内蔵されたLTCC積層体を焼成する段階とを含む、キャパシタ内蔵型LTTC基板の製造方法を提供する。
【0011】
本発明では、上記キャパシタ部を構成する高誘電率物質の誘電率は1000より大きい強誘電性物質を用いても、焼成の際収縮にもかかわらず変形やクラックのないLTCC基板を提供することができる。上記LTCC基板の各層はAl23を含んで成ることができる。
【0012】
先に行う上記キャパシタ部のグリーンシートに対する焼成工程の温度は、1000〜1400℃の範囲であり、後続する上記LTCC積層体焼成工程の温度は900〜1100℃の範囲であることができる。
【0013】
本発明は、積層型チップキャパシタ構造またはキャパシタ層構造のような多様な形態のキャパシタ部に有益に適用でき、各実施形態により固有の長所をさらに提供する。
【0014】
本発明の一実施形態では、上記キャパシタ部は複数の誘電体層と各誘電体層の上下面にそれぞれ形成された第1内部電極及び第2内部電極を含む少なくとも一つの積層型キャパシタブロック体であり、上記LTCC積層体を形成する段階は、上記LTCC積層体の内部領域に少なくとも一つのキャビティが形成されるように上記複数の低温焼成用グリーンシート中一部シートを穿孔する段階と、上記複数の低温焼成用グリーンシートを積層し、その積層過程において上記少なくとも一つの積層型キャパシタ部を上記キャビティにそれぞれ実装する段階とを含む。
【0015】
好ましくは、上記少なくとも一つのキャビティを、焼成過程における上記低温焼成用グリーンシートの収縮程度を考慮してそのキャビティに実装される積層型キャパシタブロック体の厚さより厚い厚さを有するように形成する。
【0016】
好ましくは、上記LTCC積層体を形成する段階は、上記LTCC積層体の上面及び下面の少なくとも一面に収縮を抑制するための拘束層を圧着させる段階を含み、上記LTCC積層体の焼成段階後に、上記LTCC基板から上記拘束層を除去する段階をさらに含むことができる。この場合に、上記拘束層は、上記LTCC積層体の両面に提供することによって平面方向の収縮をより効果的に抑制させることができる。
【0017】
このような拘束層は焼成されたセラミックとガラスの混合層であることができ、この場合に焼成過程で拘束層のガラス成分は低温焼成セラミックに吸収され、パウダー状で残存するので、上記混合層である拘束層は容易に除去できる。
【0018】
好ましくは、上記LTCC積層体を形成する段階は、上記複数の低温焼成用グリーンシート中、キャビティの開口を形成するグリーンシートと、それに隣接した上部のグリーンシートの間に内部拘束層が介在されるように、上記LTCC積層体を形成する段階で実現することができる。この場合、十分な挙動抑制機能と設計の便宜性を考慮して、上記内部拘束層の厚さは約3μm〜約20μmであることが好ましい。上記内部拘束層は焼成されたセラミック層とその両面に形成されたガラス層とを含み、ここで、ガラス成分は隣接した低温同時焼成セラミック層に吸収されセラミック層だけが隣接したセラミック層と堅固に結合され残存することができる。
【0019】
本発明の他の実施形態では、上記キャパシタ部は、上記LTCC基板の面積と略同じ面積を有する強誘電体層と、その上面及び下面中のなくとも一部領域に形成された第1電極及び第2電極を含む少なくとも一つのキャパシタ層であり、上記LTCC積層体を形成する段階は、上記複数の低温焼成用グリーンシートと上記少なくとも一つのキャパシタ層を一緒に積層して上記LTCC積層体を形成する段階であることができる。
【0020】
好ましくは、上記LTCC積層体を形成する段階は、上記LTCC積層体の上面及び下面の少なくとも一面に収縮を抑制するための拘束層を圧着させる段階を含み、上記LTCC積層体の焼成段階後に、上記LTCC基板から上記拘束層を除去する段階をさらに含む。この場合にも、上記拘束層は上記LTCC積層体の両面に設けることができる。
【0021】
これと異なって、上記キャパシタ層は上記LTCC基板で上面及び下面のいずれか一面に隣接するように位置する場合に、キャパシタ層自体が拘束層と類似する平面方向の収縮を抑制する機能をするので、上記拘束層は上記LTCC積層体の上面及び下面のいずれか他面にのみ提供しても十分な収縮抑制効果を期待することができる。
【0022】
上記キャパシタ層は、その上下部に位置したグリーンシートの導電パターンまたは導電性バイアホールが互いに繋がるように上記第1電極及び第2電極パターンが形成されない上記誘電体層領域を貫通する導電性バイアホールをさらに含むことができる。好ましくは、上記キャパシタ層はその誘電体層を貫通する導電性バイアホールを取り囲むように他の領域より低い低誘電率物質から成る低誘電率領域を有するように形成し、バイアホールによって発生する寄生インダクタンスを低減させることができる。このような低誘電率領域は上記LTCC基板を構成する低温同時焼成セラミック物質と同じ物質から成ることができる。
【0023】
好ましくは、上記LTCC積層体を形成する段階は、上記キャパシタ層と上記低温同時焼成セラミック基板の間にその結合強度を強化するためのバインダー層が介在されるように上記複数の低温焼成用グリーンシートを積層する段階を含むことができる。
【0024】
上記バインダー層には、上記LTCC積層体の焼成過程において除去可能な熱可焼成ポリマー物質を使用することが好ましい。この場合、上記LTCC積層体を形成する段階は、上記キャパシタ層と上記低温同時焼成セラミック基板の間で活性化されるように60〜100℃で熱処理する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、多様な形態の高容量キャパシタを低温同時焼成セラミック基板に効果的に内蔵させることができる方案を実用化することができる。従って、高周波領域において低損失特性を有する点で優れ、しかも高容量が確保可能なキャパシタ内蔵型LTCC基板を提供することができる。このように、キャパシタ内蔵技術がLTCC基板で実現できるので、LTCC基板でも表面実装(SMT)工程が大きく減少し、結果的にSMTの実装工程中に発生する不良を減少させると期待される。
【0026】
また、高容量のキャパシタを実装する際に通常のソルダ材でなくAgまたはCuのような低温同時焼成電極物質を利用することによって、メッキ工程を省略することができ、低温同時焼成セラミックの層間回路との結合力を増進させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明をより詳しく説明する。
【0028】
図2は本発明によるキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法を説明する順序図である。
【0029】
図2のように、本発明によるキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法は、キャパシタ部を製造する工程が、低温同時焼成用セラミック基板の焼成工程の前に行われる。
【0030】
先ず、段階21aのように第1電極及び第2電極を有する高誘電率セラミックシートでキャパシタ積層体を形成する。上記キャパシタ積層体は望むキャパシタ構造により多様に実現できる。例えば、複数の高誘電率セラミックシートとその両面に第1内部電極及び第2内部電極が交互に配置された積層型チップキャパシタのための積層体であることができ、これと異なって、単一の高誘電率セラミックシートとその上下面の一領域に第1電極及び第2電極が配置されキャパシタ領域を定義する層型キャパシタ構造のための積層体であることができる。また、上記キャパシタ部は単一キャパシタであることができるが、これと異なって複数のキャパシタが配列されたアレイ形態であることができる。
【0031】
このような高誘電率セラミックシートを構成する高誘電率物質は、約1000以上、好ましくは2000〜3000の誘電率を有する強誘電性材料であることができ、代表的にBaTiO3があり得る。
【0032】
次いで、本発明では上記キャパシタ積層体を低温同時焼成セラミックシートと一緒に積層する前に、上記キャパシタ積層体を高温で焼成してキャパシタ部を製造する(段階21b)。一般的な高誘電率物質を考慮する際に本工程の焼成温度は約1000〜1400℃の範囲である。このようなキャパシタ部の製造工程は通常のキャパシタ製造工程と類似して進行することができるが、外部端子の形成工程中追加的なメッキ工程が不要である。これは後続工程で上記キャパシタ部の外部端子と低温同時焼成セラミックシートの導電パターン(または導電性バイアホール)に堅固に連結するために低温焼成用電極物質を利用するためである。
【0033】
このようなキャパシタ製造工程と別途に、段階(23a)では、複数の低温焼成用セラミックシートを備える工程を実施する。上記低温焼成用セラミックシートとしてはAl23とガラス系成分の混合物のような多様な公知物質を用いることができる。その後、段階(23b)で、上記備えられたセラミックシート上に必要な層間回路のための導電パターンと導電性バイアホール工程を実施する。導電パターンはスクリーン印刷工程のような公知された工程により実施でき、導電性バイアホールはパンチング工程の後導電性物質を充填する印刷工程によって実現できる。
【0034】
段階25で、上記工程で製造されたキャパシタ部と上記備えられた低温焼成用セラミックシートを積層して積層体を形成する。この工程でキャパシタ部はその構造によって適切な内蔵方式で積層または実装することができる。これについては後述する。また、本積層工程で、キャパシタ部の外部電極はそれぞれ低温焼成用セラミックシートの導電パターンまたは導電性バイアホールに繋がる。この場合に、上記に言及したようにキャパシタ部の外部電極と導電パターン(または導電性バイアホール)の連結部分にはAg、Cuまたはその合金のような低温焼成用電極ペーストを追加して堅固な電気的連結を保障することができる。
【0035】
次に、段階27で、上記LTCC積層体を低温焼成しキャパシタ部が内蔵したLTCC基板を製造する。本低温焼成工程は、約900〜1100℃の範囲で実施することができる。このような低温同時焼成過程でキャパシタ部は既に焼成されたので、焼結収縮が発生しない。むしろ、上記キャパシタ部は既焼成材料としてLTCCの焼結収縮、特に平面方向の焼結収縮を抑制する役目を期待することができる。
【0036】
必要に応じて、得られたLTCC基板は外部面に露出された導電パターンに半導体部品などを実装するためにNi/AuまたはNi/Snのような合金をメッキしてボンディングパッドを形成することができる。
【0037】
このように、本発明によれば、上記キャパシタ部を構成する高誘電率物質の誘電率は、1000より大きい強誘電性物質を用いても、焼成の際収縮にもかかわらず、変形やクラックのないLTCC基板を提供することができる。
【0038】
本発明は、積層型チップキャパシタ構造またはキャパシタ層構造のような多様な形態のキャパシタ部に有益に適用することができ、各実施形態により固有な長所をさらに提供する。図3及び図5はそれぞれ異なる内蔵型キャパシタを採用した実施形態を示している。
【0039】
図3(a)乃至図3(d)は、本発明の一実施形態として内蔵型キャパシタが積層型チップキャパシタ構造であるLTCC基板の製造方法を説明するための工程断面図である。
【0040】
図3(a)のように、少なくとも一つの高誘電率セラミックシートが含まれた積層体36を焼成してキャパシタ部35を製造する。
【0041】
本実施形態に採用されたキャパシタ部35は、複数の誘電体層と各誘電体層の上下面にそれぞれ形成された第1内部電極37a及び第2内部電極37bを含む少なくとも一つの積層型チップキャパシタ35であり、各内部電極に繋がった外部端子を含む。
【0042】
勿論、積層型チップキャパシタ35は図3(a)に特定の構造に限定されず複数のキャパシタが実現されたアレイ構造または導電性バイアホール構造によって外部端子が上下面に形成された構造であることもできる。このように、高温焼成工程によってキャパシタ部を優先的に製造する。
【0043】
次いで、図3(b)のように、導電パターン32及び/または導電性バイアホール33がそれぞれ形成された複数の低温焼成用グリーンシート31a〜31fを備える。上記低温焼成用グリーンシート31a〜31fはAl23とガラスの適切な混合物であることができる。
【0044】
各低温焼成用グリーンシート31a〜31fには必要な層間回路が構成されるようにAg、Cuまたはその合金のような低温焼成用電極物質で導電パターン32及び導電性バイアホール33を形成する。このような工程は印刷工程及び/またはパンチング工程などの公知の工程によって実現することができる。
【0045】
また、上記積層型チップキャパシタ35を内蔵するための空間を確保するために、内部に積層される低温焼成用グリーンシート31d,31cの特定領域に穿孔して窓領域W1,W2を形成する。
【0046】
次に、図3(c)のように、上記積層型チップキャパシタ35が内蔵されるように上記複数の低温焼成用グリーンシート31a〜31fを積層してLTCC積層体31を形成する。
【0047】
本工程で、上記積層型チップキャパシタ35は予め備えられた窓W1,W2から提供されるキャビティ(C)に実装される。このような実装の際に積層型チップキャパシタ35の外部端子は層間回路と繋がるように特定シート31bの導電パターン32に繋がる。この場合に、Ag、Cuまたはその合金のような低温焼成用電極物質(図示せず)を利用して積層型チップキャパシタ35の外部端子38a,38bと導電パターン32の堅固な結合を保障することができる。
【0048】
好ましくは、上記キャビティ(C)は、積層型キャパシタブロック体35の厚さ(tc)より厚い厚さを有するように形成して一定の余裕空間(g)を確保する。このようなキャビティ(C)の寸法は焼成過程における上記低温焼成用グリーンシートの収縮程度、即ち、低温焼成用セラミックシート物質と層厚さなどを適切に考慮して算出することができる。
【0049】
また、本工程で、上記LTCC積層体31の上面及び下面に収縮を抑制するための拘束層34a,34bを圧着させる。勿論、積層体31の一面に限って提供することができるが、より効果的に平面方向の収縮を抑制して変形を防止するために両面に形成することがより好ましい。このような拘束層34a,34bはAl23のような高温焼成されたセラミック粉末とガラスの混合層であることができる。
【0050】
最後に、上記LTCC積層体31を焼成した後に、上記LTCC基板30から上記拘束層34a,34bまたはその残存物を除去することで、図3(d)に示された内蔵型LTCC基板30を得ることができる。
【0051】
本工程は通常的な低温焼成温度である900〜1100℃の範囲であることができる。本焼成工程において、平面方向への収縮は拘束層34a、34bによって効果的に抑制されクラックと変形が防止される反面、LTCC積層体31の厚さ(t1)は厚さ(t2)へと大きく減少される。このような厚さの収縮過程でも既焼成された積層型チップキャパシタ35の厚さ(tc)は殆ど一定に維持されることを考慮して、図3(c)のように余裕空間を備えることが構造的安全性を維持する面で好ましい。
【0052】
上記拘束層34a、34bを既焼成セラミックパウダーとガラスの混合物で形成する場合に、本焼成工程後には大部分のガラス成分が隣接した低温焼成セラミック基板31a,31fに吸収されセラミックパウダーだけで残存するので、容易に除去することができる。
【0053】
本実施形態では単一キャパシタ35を単一キャビティ(C)に実装した形態を示したが、これと異なって、複数のキャパシタを内蔵するために複数のキャビティを形成することができることは当業者であれば容易に理解することができる。
【0054】
図4は内部拘束層を採用したキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造工程を説明するための工程断面図である。本図面はグリーンシートに形成された導電パターンとバイアホールは省略して示したが、LTCC積層体形成工程として図3(c)に示された構造と類似した形態で理解できる。
【0055】
図4に示すように、上記LTCC積層体41を形成する過程において、積層体41の上下面に拘束層44a,44bを圧着させることと共に、キャビティ(C)の開口を形成するグリーンシート41cと、それに隣接した上部のグリーンシート41dの間に内部拘束層49を介在される。
【0056】
このような内部拘束層49はキャパシタ45のためのキャビティ(C)空間で局所的な収縮(矢印)によって発生可能な変形を効果的に抑制できる。
【0057】
また、上記内部拘束層49は層間に介在され積層体41の一部を構成するので、焼成後にも層構造が一部として残存できる構成を採用することが求められる。好ましい内部拘束層49は、図4に示すように既焼成されたセラミック層49aと、その両面に形成されたガラス層49bとを含み、上記セラミック層49aは焼成後の基板41成分と同じ物質を用いることができる。
【0058】
この場合に、ガラス層49bは隣接した低温同時焼成シート41c,41dに吸収されセラミック層49bだけが残存して隣接したセラミック層とともにLTCC基板の一部として残ることができる。上記内部拘束層49の厚さは十分な挙動抑制機能のために約3μm以上が好ましく、基板の軽薄化のために約20μm以下であることが好ましい。
【0059】
図5は本発明の他の実施形態によるキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0060】
図5(a)のように、焼成工程によって高容量のキャパシタ層55a,55bを製造する。本実施形態に採用されるキャパシタ層55a,55bは所望のLTCC基板の面積と略同一の面積を有する強誘電体層56a,56bと、その上面及び下面の少なくとも一部領域に設けられた第1電極57a,57b及び第2電極58a,58bを含む。
【0061】
上記キャパシタ層55a,55bは第1電極57a,57b及び第2電極58a,58bが重畳された領域によってキャパシタ容量が決定される。このように、高温焼成工程によってキャパシタ層(但し、本焼成工程は強誘電体層56a,56bに限って適用することができる)を優先的に製造する。
【0062】
本実施形態のように、キャパシタ層55a,55bは、LTCC基板の層間回路の実現のために一部領域に他層の導電パターンまたは導電性バイアホールが互いに繋ぐために強誘電体層56a,56bを貫通する導電性バイアホール53aをさらに含むことができる。このような導電性バイアホール53aは低誘電率であるLTCC基板を貫通するバイアホールと違って多い寄生インダクタンスを誘起することができる。
【0063】
このような問題を防ぐために、上記強誘電体層56a,56bは導電性バイアホール53a,53bを取り囲むように他の領域より低い低誘電率物質から成る低誘電率領域54を有するように形成することができる。このような低誘電率領域54は上記LTCC基板を構成する低温同時焼成セラミック物質と同じ物質から成ることができる。
【0064】
次いで、図5(b)のように、導電パターン52及び/または導電性バイアホール53がそれぞれ形成された複数の低温焼成用グリーンシート51a〜51eを備え、上記キャパシタ層55a,55bを望む位置に配列して積層を準備する。
【0065】
上記低温焼成用グリーンシート51a〜51eはAl23とガラスの適切な混合物であることができる。各低温焼成用グリーンシート51a〜51eには必要な層間回路が構成されるようにAg、Cuまたはその合金のような低温焼成用電極物質で導電パターン52及び導電性バイアホール53を形成する。このような工程は印刷工程及び/またはパンチング工程などの公知の工程によって実現することができる。
【0066】
また、上記で説明したように、キャパシタ層55a,55bの第1電極57a、57b及び第2電極58a、58bは、低温焼成用電極物質で印刷した状態で本工程を行うことができる。勿論、低誘電率領域54及び導電性バイアホール53aも低温同時焼成条件を満たすことができるので、本段階では印刷/充填のみ行い、後続の焼成工程(図5(d))で焼成することができる。
【0067】
次に、図5(c)に示すように、望む位置に配列されたキャパシタ層55a,55bと上記複数の低温焼成用グリーンシート51a〜51dを圧着して、LTCC積層体51を形成する。
【0068】
本工程でキャパシタ層55a,55bの第1電極57a,57b及び第2電極58a,58bは、層間回路と繋がるように特定シート51b,51c,51d,51eの導電性バイアホール53、または導電パターンに繋がる。この場合に、繋がった接続部分はAg、Cuまたはその合金のような低温焼成用電極物質で焼成されない状態であるので、融化され後続焼成工程で一体化できる。
【0069】
本実施形態では、キャパシタ層55a,55bの誘電体層56a,56bは既焼成されたセラミックであるので、積層体51の層間に配置され拘束層と類似するように平面方向の収縮を抑制する作用を期待することができる。このような収縮抑制効果はキャパシタ層55a,55bの数が増加するほど大きく期待することができる。従って、図3に示す実施形態に比べ別途の拘束層に対する要求が大きくない。しかし、より効果的に平面方向の収縮を抑制して変形を防止するために積層体の少なくとも一面に別途の拘束層を形成することができ、この場合に、拘束層はAl23のような高温焼成されたセラミック粉末とガラスの混合層であることができる。
【0070】
最後に、上記LTCC積層体51を焼成することにより図5(d)に示された内蔵型LTCC基板50を得ることができる。上記したように、キャパシタ層55a,55bの第1電極57a,57b及び第2電極58a,58bとバイアホール53a及び周辺低誘電率領域54とが焼成されない状態であれば、本工程で一緒に焼成することができる。
【0071】
本焼成工程で、平面方向への収縮はキャパシタ層55a、55b自体によって効果的に抑制されクラックと変形が防止される反面、LTCC積層体51の厚さ(t1)は厚さ(t2)へと大きく減少される。
【0072】
本実施形態と異なって、キャパシタ層は複数に重ねるように配置することができ、それぞれ最外郭のように異なる位置に積層することも可能であることは、当業者であれば容易に理解することができる。また、キャパシタ層の位置に関連して、キャパシタ層がLTCC積層体において上面及び下面のいずれか一面に隣接するように位置する場合に、キャパシタ層自体が拘束層と類似した平面方向の収縮を抑制する機能をするので、より経済的でありながらも効果的な収縮抑制の面でLTCC積層体の上面及び下面のいずれか他面のみに提供することが好ましい。
【0073】
図6はバインダー層を利用したキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造工程を説明するための工程断面図である。
【0074】
図6に示すように、上記LTCC積層体61を形成する過程で、積層体61の上下面に拘束層64a,64bを圧着させるとともに、既焼成された強誘電体層66の上下面に第1電極67及び第2電極68が設けられたキャパシタ層65と隣接した低温同時焼成セラミックシート61b,61cの間にその結合強度を強化するためのバインダー層69a,69bを介在させることができる。
【0075】
バインダー層69a,69bを使用しなくても図5(c)で説明された積層体の形成工程のように積層体の形成が可能であるが、この場合に十分な圧力を適用する必要がある。しかしながら、過度な圧力の場合にはクラックまたは破損が発生したり、キャパシタ層65の位置がずれてしまい接続不良が生じたりする恐れがある。
【0076】
従って、より少ない圧力で層間結合力を保障するために、図6のように、バインダー層69a,69bを使用することが有用である。このようなバインダー層69a,69bではポリビニルブチラール(PVB)またはアクリル系ポリマーのような熱可焼成ポリマーを用いることができる。この場合に、常温に積層した後に、約60〜100℃で熱処理してバインダー物質を界面で活性化させることによって低い圧力でも高い結合強度を得ることができる。
【0077】
バインダー層69a,69bを構成する熱可焼成ポリマー物質は、脱脂過程で隣接した層の表面に拡散分解され薄くなり、焼成時に完全に消失する。従って、電極及び導電性バイアホールのような回路連結に障害なく既焼成されたキャパシタ層65と隣接した低温焼成セラミック層61b,61cの界面を化学的に完全に結合させることができる。
【0078】
本発明は、上述した実施の形態及び添付された図によって限定されることではなく、特許請求の範囲によって限定されるものである。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で、当該技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】従来のLTCC基板モジュールの一例を示す断面図である。
【図2】本発明によるキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法を示す順序図である。
【図3】本発明の一実施形態によるキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図4】内部拘束層を利用したキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造工程を示す工程断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図6】バインダー層を利用したキャパシタ内蔵型LTCC基板の製造工程を示す工程断面図である。
【符号の説明】
【0080】
31、41、51、61 LTCC積層体
35、45 積層型キャパシタ
55、56 キャパシタ層
32、52、62 導電パターン
33、53、63 導電性バイアホール
34a、34b、44a、44b、66a、66b 拘束層
49 内部拘束層
54 低誘電率領域
69a、69b バインダー層
【出願人】 【識別番号】591003770
【氏名又は名称】三星電機株式会社
【出願日】 平成19年6月29日(2007.6.29)
【代理人】 【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順


【公開番号】 特開2008−16848(P2008−16848A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2007−172599(P2007−172599)