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【発明の名称】 複数の個別配線板を備えた多層プリント配線板、及び個別配線板の不良特定方法。
【発明者】 【氏名】板井 秀史

【氏名】塩原 正幸

【要約】 【課題】複数の個別配線板を備えた多層プリント配線板において、各個別配線の不良箇所を容易に特定する方法の提供。

【構成】下層の回路形成と同時に当該個別配線板に対応した不良確認パッドを形成する第1ステップと、層間絶縁層を介して上層の回路形成を行うと同時に当該個別配線板に対応した不良確認パッドを下層に設けた不良確認パッドと千鳥足状となるように位置をずらして配置形成する第2ステップと、上層から当該層間絶縁層を透過して下層の不良確認パッドの有無を確認し、当該下層の不良確認パッドが確認できなかった場合に上層の不良確認パッドを除去する第3ステップと、当該第2ステップと第3ステップを必要層数分繰り返し行うことによって、内層の個別配線板の不良情報を外層に反映せしめて識別する第4ステップからなる個別配線板の不良特定方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個別配線板を備えた多層プリント配線板であって、当該多層プリント配線板は、各層に個別配線板に対応した不良確認パッドを有し、且つ、当該不良確認パッドは、下層と上層で千鳥足状に位置をずらして配置形成されていることを特徴とする多層プリント配線板。
【請求項2】
当該不良確認パッドが、レーザ加工部位の金属箔に設けた開口部の形状不良の有無を確認できるウィンドウエッチング不良確認パッドと、回路形成不良の有無を確認できる回路不良確認パッドの一対からなることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板。
【請求項3】
多層プリント配線板に複数形成される個別配線板の不良特定方法であって、下層の回路形成と同時に当該個別配線板に対応した不良確認パッドを形成する第1ステップと、層間絶縁層を介して上層の回路形成を行うと同時に当該個別配線板に対応した不良確認パッドを下層に設けた不良確認パッドと千鳥足状となるように位置をずらして配置形成する第2ステップと、上層から当該層間絶縁層を透過して下層の不良確認パッドの有無を確認し、当該下層の不良確認パッドが確認できなかった場合に上層の不良確認パッドを除去する第3ステップと、当該第2ステップと第3ステップを必要層数分繰り返し行うことによって、内層の個別配線板の不良情報を外層に反映せしめて識別する第4ステップからなることを特徴とする個別配線板の不良特定方法。
【請求項4】
当該不良確認パッドが、レーザ加工部位の金属箔に設けた開口部の形状不良の有無を確認できるウィンドウエッチング不良確認パッドと、回路形成不良の有無を確認できる回路不良確認パッドの一対からなり、当該開口部に形状不良が発生した場合に、当該不良箇所に対応するウィンドウエッチング不良確認パッドを事前に取り除き、次いで、レーザ加工工程で個別配線板内の孔明けを行うと同時に当該ウィンドウエッチング不良確認パッドを除去した部位にマーキングを行うことによって、開口部形成工程の不良情報を後工程で識別することを特徴とする請求項3に記載の個別配線板の不良特定方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の個別配線板を備えた多層プリント配線板に関し、特に、不良の個別配線板を容易に特定することができる多層プリント配線板と、当該不良の個別配線板の特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板における配線回路不良の代表的な確認方法として、表裏の配線回路の導通を確認する導通チェッカーが挙げられるが、半導体パッケージ基板等のようなビルドアップ多層プリント配線板の内層配線回路不良の確認においては、以下のような理由により、上記導通チェッカーが使用できない場合があった。
【0003】
例えば、はんだ接続パッドに電解金めっきを形成する際に、各パッド間をめっきリードで接続する場合、或いは、複数の配線回路が内層のベタパターンを共通パターンとして使用している場合などがそうであり、導通チェッカーを行うと、当該パッド間及び配線回路間でショート状態と判別されてしまうからである。
【0004】
従って、上記のような場合には、外観検査で不良品と判別された内層配線回路の部位を、紙に記録するなどして不良品管理を行っていたため、不良品流出対策が不十分であり、製品に不良品が混入するという懸念を有していた。
【0005】
また、プリント配線板の製造は、個別配線板を複数配置したシート状で製造するのが一般的であり、上記懸念を回避する目的で、個別配線板に不良が発生した場合には、シート不良にしてしまうという手段が考えられるが、半導体パッケージ基板においては、個々の個別配線板が非常に小さく、当該シートに多数の個別配線板が配置されるため、上記シート不良にするという手段では、歩留まりが非常に低くなるという問題があった。
【0006】
そこで本出願人は、このような問題を解決する手段を既に報告している(特許文献1参照)。
【0007】
この手段を、図7の多層プリント配線板Pbを用いて簡単に説明すると、内層プリント配線板の各個別配線板Paに対応する不良確認パッド12を、当該内層プリント配線板の表裏面に設け(12aは内層プリント配線板の表面に形成された表面側不良確認パッド、12bは内層プリント配線板の裏面側に形成された裏面側不良確認パッドで、絶縁層から透過している状態を示したものである)、次いで、概観検査により不良が確認された個別配線板に対応する不良確認パッド12を除去し、この不良確認パッド12がない状態を外層の絶縁層を透過して確認できる構成とすることによって、内層の個別配線板Paの不良を容易に特定できるというものである。因みに、図7の例では、不良確認パッド12は列毎に設けられており、当該不良確認パッド12の上部には行数を示す数字が形成されている。従って、この例では、1列目の2行目に位置する個別配線板Paの裏面側と、3列目の2行目に位置する個別配線板Paの表面側に不良が発生していることが確認できる。
【0008】
しかし、上記図7の構成においては、内層プリント配線板として両面プリント配線板でなければ利用できない。これは内層プリント配線板を2層以上にすると、本構成においては下層と上層に形成される不良確認パッドが重なって、内層の不良確認ができなくなってしまうからである。因みに、これを回避するために、積層される層数に対応した不良確認パッドを異なった場所に設けるということも考えられるが、この場合、不良確認パッドの占有面積が大きくなり、製品の取り数が少なくなってしまうため、有効な手段ではなかった。その結果、上記図7の構成は、4層の多層プリント配線板にしか対応できないと云う問題があった。
【0009】
また、外層の個別配線板に不良があった場合の確認手段については何も考慮されていなかったため、内層が良品でも外層で不良が発生している場合には、容易に不良箇所を特定することができなかったのが実状であった。
【特許文献1】特開2003−318553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の如き従来の問題と実状に鑑みてなされたもので、多層プリント配線板の層数に関係なく、また、外層に不良が発生している場合においても容易に個別配線板の不良箇所を特定することができる多層プリント配線板と、不良の個別配線板を容易に特定することができる不良特定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る本発明は、複数の個別配線板を備えた多層プリント配線板であって、当該多層プリント配線板が、各層に個別配線板に対応した不良確認パッドを有し、且つ、当該不良確認パッドが、下層と上層で千鳥足状に位置をずらして配置形成されていることを特徴とする多層プリント配線板により上記課題を解決したものである。
【0012】
これにより、下層と上層の同じエリアに不良確認パッドを形成しても両者が重なることがないため、層数に制限なく不良確認パッドを形成することができ、また、層数に応じて他の部分に不良確認パッドを形成する必要もないため、製品の取り数が少なくなるという不具合もなくすことができる。
【0013】
また、請求項2に係る本発明は、当該不良確認パッドが、レーザ加工部位の金属箔に設けた開口部の形状不良の有無を確認できるウィンドウエッチング不良確認パッドと、回路形成不良の有無を確認できる回路不良確認パッドの一対からなることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板により上記課題を解決したものである。
【0014】
これにより、各層の各個別配線板に対して、開口部の形状不良確認と、回路形成不良確認の2回の不良確認を行うことができるため、不良品流出防止精度がより向上した多層プリント配線板とすることができる。
【0015】
また、請求項3に係る本発明は、多層プリント配線板に複数形成される個別配線板の不良特定方法であって、下層の回路形成と同時に当該個別配線板に対応した不良確認パッドを形成する第1ステップと、層間絶縁層を介して上層の回路形成を行うと同時に当該個別配線板に対応した不良確認パッドを下層に設けた不良確認パッドと千鳥足状となるように位置をずらして配置形成する第2ステップと、上層から当該層間絶縁層を透過して下層の不良確認パッドの有無を確認し、当該下層の不良確認パッドが確認できなかった場合に上層の不良確認パッドを除去する第3ステップと、当該第2ステップと第3ステップを必要層数分繰り返し行うことによって、内層の個別配線板の不良情報を外層に反映せしめて識別する第4ステップからなることを特徴とする個別配線板の不良特定方法により上記課題を解決したものである。
【0016】
これにより、外層から個別配線板の不良箇所を容易に特定することができる。
【0017】
また、請求項4に係る本発明は、当該不良確認パッドが、レーザ加工部位の金属箔に設けた開口部の形状不良の有無を確認できるウィンドウエッチング不良確認パッドと、回路形成不良の有無を確認できる回路不良確認パッドの一対からなり、当該開口部に形状不良が発生した場合に、当該不良箇所に対応するウィンドウエッチング不良確認パッドを事前に取り除き、次いで、レーザ加工工程で個別配線板内の孔明けを行うと同時に当該ウィンドウエッチング不良確認パッドを除去した部位にマーキングを行うことによって、開口部形成工程の不良情報を後工程で識別することを特徴とする請求項3に記載の個別配線板の不良特定方法により上記課題を解決したものである。
【0018】
これにより、各層の各個別配線板に対して、開口部の形状不良確認と、回路形成不良確認の2回の不良確認を行うことができるため、不良品流出防止精度をより向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、不良確認パッドを上下層で千鳥足状に位置をずらして配置形成する構成としたため、下層の確認パッドと上層の確認パッドが重なることがないので、層数に関係なく個別配線板の不良箇所を特定することができ、また、外層にも当該不良確認パッドを形成できるため、外層に不良が発生した場合においても容易に不良箇所を特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態を、図1〜図6を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明の多層プリント配線板に複数形成される個別配線板Paの概略断面図を示したもので、当該個別配線板Paは、表裏に配線パターン2が形成されたコア基板1と、当該コア基板1の表裏に層間絶縁層3と配線パターン2とをそれぞれ2層ずつビルドアップした6層からなり、各層間はビアホール4にて接続されている。尚、図中のL1〜L6は各配線層を示しており、例えばL1層は、第1層目を表している。
【0022】
図2は、図1に示したような個別配線板Paを複数設けたシート状の本発明の多層プリント配線板Pの概略平面図を示したもので、当該個別配線板Paが縦6列×横3行の計18個形成され、更に、1列毎に各行に対応した3つの不良確認パッド5が形成された不良確認パッド郡5c(ここに描かれている「不良確認パッド5」は概略的なもので、実際の形としては図3以降の「WE不良確認パッド5a」、「回路不良確認パッド5b」を参照)が形成されている(不良確認パッド郡5cの上方に付されている数字は、行番号1〜3に対応している)。
【0023】
続いて、図3、図4を用いて、実際の不良確認パッドの利用方法について説明する。尚、図3、図4は良品の場合の利用例についての説明図である。
【0024】
図3は、図2の多層プリント配線板Pにおけるコア基板1の製造方法を示す概略工程図で、図3中、(a1)〜(f1)は当該コア基板1の製造過程を示す断面工程図、同(a2)〜(f2)は(a1)〜(f1)の各工程に対応せしめて不良確認パッド5の形成過程を示す断面工程図、同(a3)〜(f3)は(a2)〜(f2)における不良確認パッド5の平面図となっている。
まず、図3(a1)に示したように、コア基板1の表裏に積層されている金属箔2aをエッチングすることによって、後にレーザ加工を行う位置に開口部6を形成する。
【0025】
ここで、当該開口部6を形成するのと同時に、不良確認パッド5の形成部にドーナツ状の開口部6aを形成する(図3(a2)、(a3)参照)。当該開口部6が所定の形状に形成されていない場合は、後述するように、開口部6aの中心部にあるウィンドウエッチング不良確認パッド5a(以降これを「WE不良確認パッド5a」と呼ぶことにする)をカッター等で除去するが、ここでは良品の場合の説明をするので、WE不良確認パッド5aはこのまま残す。
【0026】
次に、図3(b1)に示したように、当該開口部6から露出しているコア基板1にレーザを照射することによって、非貫通孔7を穿孔する(当該レーザ加工の際、不良確認パッド5形成部(即ち、開口部6a形成部)にもレーザを照射するが、WE不良確認パッド5aがあるため当該部分には非貫通孔は穿孔されない(図3(b2)、(b3)参照)。
【0027】
次に、デスミア処理によって当該非貫通孔7のクリーニングを行い、次いで、めっき処理により、非貫通孔7を含んだコア基板1の表面にめっき8を析出させる(図3(c1)、(c2)、(c3)参照)。
【0028】
次に、図3(d1)、(d2)、(d3)に示したように、エッチングレジスト9を形成した後、エッチング処理を行い(図3(e1)、(e2)、(e3)参照)、次いで、当該エッチングレジスト9を剥離することによって、図示しない配線パターンと表裏の配線パターン間を接続するビアホール4、及び円形の抜きパターン11を有する回路不良確認パッド5bが形成された図3(f1)、(f2)、(f3)のコア基板1を得る。
【0029】
以上のようにして出来上がったコア基板1を外観検査機にかけ、良品の場合には当該回路不良確認パッド5bをこのまま残し、不良の場合には当該回路不良確認パッド5bを除去した状態で、上層の積層を行う。
【0030】
続いて、不良確認パッド5の形成と利用方法について、図4を用いて更に詳しく説明する。尚、当該図4は、図1の個別配線板Paに示したL3層〜L1層を積層する際に形成される一部の不良確認パッド郡5cの拡大平面図である(L4層〜L6層についても同じ方法であるためL4層〜L6層に関しては説明を省略する)。
【0031】
まず、上記図3(a1)〜(a3)の工程で、ドーナツ状の開口部6aを形成し(図4(a)参照)、次いで、上記図3(b1)〜(b3)の工程で、当該開口部6a形成部にレーザを照射するが、ここでは、WE不良確認パッド5aによりレーザが反射するため、非貫通孔は穿孔されない(図4(b)参照)。
【0032】
次に、図3(f1)〜(f3)の工程で、図2の多層プリント配線板Pに設けられた複数の個別配線板Paの各行に対応する回路不良確認パッド5bを形成する。尚、図中の符号10は、後にL2層に開口部不良が発生した際に照射されるレーザの受けパターンとして形成する。但し、当該レーザ受けパターン10は、コア基板1の表裏にビルドアップされる層には設ける必要がない。その理由は、絶縁層厚が厚くなる分、レーザ加工によって孔が貫通するおそれがなく、何より層間絶縁層を透過して下層の不良確認パッド5の確認を行うことによって、不良情報を上層に反映させるという本発明の利用ができなくなってしまうからである。
【0033】
次に、外観検査によって、L3層に不良がないのを確認した後、図4(d)に示したように、層間絶縁層3を介してL2層にもL3層と同様の不良確認パッドを形成するのであるが、当該L2層では、L3層に設けた回路不良確認パッド5bと千鳥足状に交互に位置をずらして形成する。
【0034】
これにより、L2層側から層間絶縁層3を透過してL3層の回路不良確認パッド5bの有無を確認することができ、例えば、当該L3層の回路不良確認パッド5bが確認できれば、その場所の個別配線板Paは良品であると特定できる。
【0035】
同じようにL1層(外層)にも、L2層に設けた回路不良確認パッド5bと千鳥足状に交互に位置をずらして当該回路不良確認パッド5bを形成すれば、外観検査でL1層に回路不良が発生した場合においても、その場所の回路不良確認パッド5bを除去することによって、容易に不良の個別配線板Paを特定することができる(図4(e)参照)。
【0036】
ここで、L1層(外層)においては、不良箇所をマーカーやカッター等で印をつけることも可能であるため、必ずしも不良確認パッド5を形成する必要はなく、例えば下層(L2層)の不良確認パッド5が確認できるように、不良確認パッド郡5c形成部の導体層(金属箔及びめっき)を全面エッチングする等、製品仕様に合わせて随時変更すればよい。
【0037】
続いて、図5、図6を用いて不良が発生した場合の例を説明する。尚、図5も図3と同様にコア基板1の製造方法を示す概略工程図で、図5中、(a1)〜(g1)は当該コア基板1の製造過程を示す断面工程図、(a2)〜(g2)は不良確認パッド5の形成過程を示す断面工程図、(a3)〜(g3)は不良確認パッド5の平面図となっている。
【0038】
まず、図5(a1)に示したように、コア基板1の表裏に積層されている金属箔2aをエッチングすることによって、後にレーザ加工を行う位置に開口部6を形成する。
【0039】
ここで、当該開口部6を形成するのと同時に、不良確認パッド5の形成部にドーナツ状の開口部6aを形成し(図5(a2)、(a3)参照)、当該開口部6が所定の形状に形成されていない場合は、開口部6aの中心部にあるWE不良確認パッド5aをカッター等で除去する(図5(b2)、(b3)参照)。
【0040】
次に、図5(c1)に示したように、当該開口部6から露出しているコア基板1にレーザを照射することによって、非貫通孔7を形成する(当該レーザ加工の際、開口部6aにもレーザを照射するが、ここでは、WE不良確認パッド5aがないため、裏面の金属箔2aに達する非貫通孔7aが穿孔される(図5(c2)、(c3)参照)。
【0041】
次に、デスミア処理によって当該非貫通孔7(7aも含む)のクリーニングを行い、次いで、めっき処理により、非貫通孔7を含んだコア基板1の表面にめっき8を析出させる(図5(d)参照)。
【0042】
次に、図5(e)に示したように、エッチングレジスト9を形成した後、エッチング処理を行い(図5(f)参照)、次いで、当該エッチングレジスト9を剥離することによって、図示しない配線パターンと表裏の配線パターン間を接続するビアホール4、及び非貫通孔7a内にめっき8aが残った状態の開口部不良識別パターン11aを有する回路不良確認パッド5bが形成された図5(g)のコア基板1を得る。
【0043】
続いて、不良確認パッド5の形成と利用方法について、図6を用いて更に詳しく説明する。尚、当該図6も、図4と同様に図1の個別配線板Paに示したL3からL1を積層する際に形成される一部の不良確認パッド郡5cの拡大平面図である。
【0044】
まず、上記図5(a)の工程で、ドーナツ状の開口部6aを形成し(図6(a)参照)、次いで、上記図5(b)の工程で、開口部6の形状不良があった場所に相当するWE不良確認パッド5a(図中では向かって左端のもの)をカッター等で除去する(図6(b)参照)。
【0045】
次に、図5(c)の工程で、開口部6aにレーザを照射することによって、裏面(L4層)の金属箔2aに達する非貫通孔7aを穿孔し(当該非貫通孔7aは、開口部6の形状不良が発生したことを後工程で識別するためのマーキングとして穿孔する)、次いで、図5(g)の工程で、図6(d)の回路不良確認パッド5bを形成する。
【0046】
続いて図6(d)の段階のコア基板1を外観検査機にかけたところ、L3層に配線回路不良が発生していないことが確認できたが、図6(d)の不良確認パッド郡5cの1行目に相当する不良確認パッド5に、開口部6の形状不良を示す開口部不良識別パターン11aが確認できるため、この段階で、当該不良箇所に相当する回路不良確認パッド5bを除去する(図6(e)参照)。
【0047】
次に、図6(f)に示したように、層間絶縁層3を介してL2層にも同様の不良確認パッドを形成するのであるが、上記良品の場合の説明のときと同様に、当該L2層では、L3層に設けた回路不良確認パッド5bと千鳥足状に交互に位置をずらして形成する。
【0048】
ここで、図6(f)の段階で外観検査を行ったところ、L2層の3行目の個別配線板Paに回路不良が発生したとする。この場合、図6(g)に示したように、3行目の回路不良に相当する回路不良確認パッド5bを除去するのであるが、L2層側から層間絶縁層3を透過して、1行目にL3層の回路不良確認パッド5bが除去されているのが確認できる。従って、1行目のものは既に不良品であると特定することができるため、当該3行目の回路不良確認パッド5bを除去するとともに1行目の回路不良確認パッド5bも除去する。
【0049】
同じようにL1層(外層)にも、L2層に設けた回路不良確認パッド5bと同様に千鳥足状に交互に位置をずらして当該回路不良確認パッド5bを形成し(図6(h)参照)、次いで、この段階のコア基板1の外観検査を行い、L1層では回路不良がなかったことを確認する。
【0050】
しかし、L1層から層間絶縁層3を透過して、1行目と3行目に回路不良確認パッド5bが除去されているのが確認でき、1行目と3行目のものは既に不良品であることを特定することができる。
【0051】
従って、この場所の回路不良確認パッド5bを除去し、最終的に形成された不良確認パッド郡5cを確認すれば、容易に不良の個別配線板Paを特定することができる(図6(i)参照)。
【0052】
本発明の注目すべき点は、不良確認パッドを上下層で千鳥足状に交互に位置をずらして配置形成する構成とした点である。
【0053】
これにより、下層の不良確認パッドと上層の不良確認パッドが重ならないため、層数に関係なく個別配線板の不良品箇所を容易に特定することができる。
【0054】
また、他の注目すべき点は、当該不良確認パッドをウィンドウエッチング不良確認パッドと回路不良確認パッドを一対として設けた点である。
【0055】
これにより、各層の各個別配線板に対して、開口部の形状不良確認と、回路形成不良確認の2回の不良確認を行うことができるため、不良品流出防止精度をより向上することができる。
【0056】
本発明を説明するにあたって、縦6列×横3行からなる18個の個別配線板を備えた1シート分の6層プリント配線板を用いて説明したが、構成としてはこの限りでなく、また、不良確認パッドなどの形状も必要に応じて変更することももちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明多層プリント配線板に複数形成される個別配線板の層構成を説明するための概略断面図。
【図2】本発明多層プリント配線板の概略平面図。
【図3】本発明多層プリント配線板のコア基板の製造工程とともに、L3層に形成される不良確認パッドが良品の場合の形状を説明するための概略断面図及び概略平面図。
【図4】不良確認パッドの利用方法(良品のみの場合)を説明するための概略拡大平面図。
【図5】本発明多層プリント配線板のコア基板の製造工程とともに、L3層に形成される不良確認パッドが不良品の場合の形状を説明するための概略断面図及び概略平面図。
【図6】不良確認パッドの利用方法(不良品がある場合)を説明するための概略拡大平面図。
【図7】従来多層プリント配線板の概略平面図。
【符号の説明】
【0058】
1:コア基板
2:配線パターン
2a:金属箔
3:層間絶縁層
4:ビアホール
5:不良確認パッド
5a:WE不良確認パッド
5b:回路不良確認パッド
5c:不良確認パッド郡
6、6a:開口部
7、7a:非貫通孔
8、8a:めっき
9:エッチングレジスト
10:レーザ受けパッド
11:抜きパターン
11a:開口部不良識別パターン
12:不良確認パッド
12a:表面側不良確認パッド
12b:裏面側不良確認パッド
P、Pb:多層プリント配線板
Pa:個別配線板
【出願人】 【識別番号】000228833
【氏名又は名称】日本シイエムケイ株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【識別番号】100121153
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 嘉高

【識別番号】100134935
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 詩木

【識別番号】100130683
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 政広

【識別番号】100140497
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 信宏


【公開番号】 特開2008−16766(P2008−16766A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−189171(P2006−189171)