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【発明の名称】 制御盤の排気ダクト
【発明者】 【氏名】志津 秀明

【要約】 【課題】インバータユニットとの間に絶縁用のギャップや絶縁物を介在させる必要のない排気ダクトを提供する。

【構成】制御盤の筐体の内部に収納したインバータユニットからの排気を制御盤の筐体の外部に導く排気ダクト1である。排気ダクト1は、絶縁性と柔軟性を有するシート材により筒状に形成されたダクト本体部2と、該ダクト本体部2の上端を外側に向けて略直角に折り曲げることにより形成されたフランジ部3と、で構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御盤の筐体の内部に収納したインバータユニットからの排気を制御盤の筐体の外部に導く排気ダクトであって、
上記排気ダクトは、絶縁性と柔軟性を有するシート材により筒状に形成されたダクト本体部と、該ダクト本体部の上端を外側に向けて略直角に折り曲げることにより形成されたフランジ部と、からなることを特徴とする排気ダクト。
【請求項2】
上記フランジ部は、補強材により補強されていることを特徴とする請求項1に記載の排気ダクト。
【請求項3】
上記ダクト本体部の下端部には錘が取付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排気ダクト。
【請求項4】
上記フランジ部と上記ダクト本体部の下端部にはベルクロテープが取付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排気ダクト。
【請求項5】
上記フランジ部と上記ダクト本体部の下端部にはマグネットが取付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排気ダクト。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、制御盤の排気ダクト、例えばインバータユニットを収納した可変速装置等においてインバータユニットからの排気を制御盤の筐体の外部に導く排気ダクトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インバータユニットを収納した可変速装置等においてインバータユニットからの排気、特に半導体を冷却するヒートシンクからの排気は高温になっている。このような高温の排気を制御盤内に排出することは、盤内温度の上昇に繋がり他の部品に悪影響を与えることになる。
【0003】
インバータユニットからの高温の排気を制御盤内に排出する場合でも盤内の換気を行なうことで制御盤内の温度上昇を抑制して他の部品に悪影響を与えるのを防止することも可能である。しかし、制御盤内を換気することにより制御盤内の温度上昇を抑制する場合にはインバータユニットの放熱量のみならず他の部品からの放熱量を考慮して換気ファンの容量を設定する必要があり、換気ファンの容量が大きくなる。
【0004】
そこで、図11に示すように、制御盤の筐体101の天板102の排気口103と、インバータユニット104に接合された冷却フィン105の排気側と、の間に排気ダクト106を設け、インバータユニット104からの排気を直接、制御盤の筐体101の外部に排出するようにした制御盤も開発されている。なお、図11において、107は冷却フィン105の下面に配置された冷却ファン(換気ファン)、108は筐体101の前面板109に設けられた吸気口であり、前記冷却ファン107により吸気口108から筐体101内に吸入された外気は、冷却フィン105を通ってインバータユニット104を冷却し、排気ダクト106から筐体101の外部に排出される。(特許文献1)
【特許文献1】特開2000−125571号公報(段落0002〜段落0004等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の制御盤において、排気ダクト106は、一般に図12に示すように、鋼板等の剛体により四角形等の筒状に形成されたダクト本体部106aと、該本体部106aの上端を略直角に折り曲げることにより形成されたフランジ部106bと、からなっている。そして、図13に示すように、上記フランジ部106bを制御盤の筐体101の天板102の上面に載置し、ダクト本体部106aを排気口103内に吊り下げた状態で筐体101の天板102にネジ等で取付ける構成になっているために次に述べるような問題点があった。
(1)インバータユニット104の半導体は高速スイッチング素子であって装置の漏れ電流がノイズ源となって種々の問題を引き起こす。このためインバータユニット104は、盤の筐体101から絶縁して、別途の接地極が設けられている。一方、鋼板製の排気ダクト106は、僅かのギャップδでインバータユニット104との間を絶縁したり、或いはインバータユニット104との間に絶縁物を使用して絶縁している。ギャップにより絶縁する場合は、組立誤差などから組立後に調整を必要とする。ギャップを大きくすれば排気が洩れる。また、絶縁物を使用する方法はそのぶん、部品点数が増えてコストアップの原因になる。
(2)インバータユニット104は、盤の筐体101からいくつかの部品を介して取付けられているために組付誤差が発生する。そのため従来の鋼板等の排気ダクト106とインバータユニット104との間には前記絶縁のために必要なギャップδ以上の大きな隙間が生じて、排気が洩れる原因になる。
(3)インバータユニット104は容量系列があり、その外形に合わせて排気ダクト106が必要となる。排気ダクト106の上端のフランジ部106b側、即ち盤の筐体101の天板102側は平面になっているが、インバータユニット104側はそのデザインやインバータユニットの取付脚等との関係で複雑な形状をしているため、従来の鋼板等の排気ダクト106は、インバータユニット側の端部等をその形状に合わせて形成するのが難しい。
(4)保守点検等の理由からインバータユニット104を盤の筐体101の下部に取付ける場合には、排気ダクト106を長くしなければならない。排気ダクト106が長くなると、排気ダクト106を取り外すためには、盤の設置場所の天井が充分に高くなければならない。
【0006】
本願発明の目的は、インバータユニットとの間に絶縁用のギャップや絶縁物を介在させる必要のない排気ダクトを提供することにある。
【0007】
また、本願発明の他の目的は、インバータユニット等の組付誤差等を容易に吸収してインバータユニットからの排気を洩れなく盤の筐体の外部に排出することのできる排気ダクトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、制御盤の筐体の内部に収納したインバータユニットからの排気を制御盤の筐体の外部に導く排気ダクトであって、
上記排気ダクトを、絶縁性と柔軟性を有するシート材により筒状に形成されたダクト本体部と、該ダクト本体部の上端を外側に向けて略直角に折り曲げることにより形成されたフランジ部と、で構成した。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の排気ダクトにおいて、上記ダクト本体部の上端のフランジ部を、補強材により補強した。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の排気ダクトにおいて、上記ダクト本体部の下端部に錘を取付けた。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の排気ダクトにおいて、上記ダクト本体部の上端のフランジ部と上記ダクト本体部の下端部にベルクロテープを取付けた。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の排気ダクトにおいて、上記ダクト本体部の上端のフランジ部と上記ダクト本体部の下端部にマグネットを取付けた。
【発明の効果】
【0013】
(1)請求項1の発明は、排気ダクトのダクト本体部を、絶縁性と柔軟性を有するシート材を筒状に折り曲げることにより形成したので、従来の鋼板製の排気ダクトに比べて軽量で安価に製造することができる。また、排気ダクトは、絶縁性を有するので、従来の鋼板製の排気ダクトのようにインバータユニットとの間に隙間を設けたり、絶縁材を介在させる必要が無くなる。
(2)請求項2の発明は、排気ダクトのフランジ部を補強したので、該フランジ部の盤の筐体の天板への取付けを容易且つ確実に行なうことができる。
(3)請求項3の発明は、ダクト本体部の下端部に錘を取付けたので錘の重力でダクト本体部を垂直に伸ばすことができる。
(4)請求項4の発明は、ダクト本体部の上端のフランジ部と、ダクト本体部の下端部にベルクロテープを取付けたので、ダクト本体部の上端のフランジ部を取付ける盤の筐体の天板や、ダクト本体部の下端部を取付けるインバータユニット側にもベルクロテープを設けることにより、これらベルクロテープによってダクト本体部の上端のフランジ部やダクト本体部の下端部を盤の筐体の天板やインバータユニット側に容易に取付け固定することができる。
(5)請求項5の発明は、ダクト本体部の上端のフランジ部と、ダクト本体部の下端部にマグネットを取付けたので、ダクト本体部の上端のフランジ部を取付ける盤の筐体の天板やダクト本体部の下端部を取付けるインバータユニット側が磁性材である場合にはマグネット吸着によりダクト本体部の上端のフランジ部やダクト本体部の下端部を盤の筐体の天板やインバータユニット側に容易に取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は制御盤の筐体の内部に収納したインバータユニットからの排気を制御盤の筐体の外部に導く排気ダクト1の斜視図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図である。
【0015】
排気ダクト1は、絶縁性と柔軟性を有するシート材により形成されたダクト本体部2と、該ダクト本体部2の上端を外側に向けて略直角に折り曲げることにより形成されたフランジ部3と、を備えている。
【0016】
ダクト本体部2は、絶縁性と柔軟性を有するシート材、例えば布地やナイロンシート或いはビニールシート等を四角形の筒状に折り曲げて端部を重ね合わせて接着することにより形成されている。
【0017】
フランジ部3は、ダクト本体部2の上端部に略L字状のプラスチックや金属の補強材4を取付け、或いはダクト本体部2の上端部を2重、3重に折り曲げて樹脂でコーティング等することにより形成されている。
【0018】
図4に示すように、排気ダクト1は、絶縁性と柔軟性を有するシート材6に略L字状の補強材4を取付け、該補強材4に所定の間隔で複数の切れ目7を入れ、図5に示すように、前記切れ目7の部分で直角に折り曲げて四角の筒状にして、端部を重ね合わせた後に接着することにより形成されている。8はフランジ部3に設けられた取付け用のネジ穴である。
【0019】
実施の形態の排気ダクト1は、上述のような構成であって、図6に示すように、ダクト本体部2を天板102の排気口103内に挿入し、フランジ部3を制御盤の筐体101の天板102の上面に載置し、フランジ部3を天板102にネジ110で固定すると共に、ダクト本体部2の下端部をインバータユニット104の排気口111の周縁部に固定する。従って、インバータユニット104からの排気は、排気ダクト1を通って天板102の排気口から外部に排出される。
【0020】
本発明にあって、ダクト本体部2は、柔軟性を有しているので、組立誤差等を容易に吸収することができ、天板102側の都合により排気口の位置を任意の位置にすることも容易にできる。
【0021】
また、盤内にインバータユニットを組付ける際に、インバータユニットを盤の天板側から吊り下げて組付ける方法が採られている。この場合に、図7に示すように、インバータユニットには吊り耳104aを設け、該吊り耳を使用してインバータユニットを吊り下げて、盤内に挿入するようになっている。このようにインバータユニットを吊り下げて、盤内に挿入する場合には、インバータユニット104の外形よりも前記吊り耳の分だけ大きなインバータユニット挿入口112を設けて、該インバータユニット挿入口112からインバータユニット104を挿入した後に前記インバータユニット挿入口112を閉塞板113で塞がなければならなかったが、本発明では排気ダクト1のダクト本体部2を柔軟性を有するシート材で形成したので、比較的容易にフランジ部3側を拡径することができ、これにより従来のように閉塞板113を使用すること無く前記フランジ部3側をインバータユニット挿入口に繋ぐことができる。
【0022】
また、柔軟なシート材のダクト本体部2は、撓みや皺等が発生し易いがダクト本体部2の断面積は、インバータユニット104の半導体冷却部の通風路断面積に比べて大きく、排気風速が小さいので、ダクト本体部2に撓みや皺等が原因で問題となるような圧力損失を引き起こすことはない。
【0023】
図8は、ダクト本体部2の下端部に錘11を取付けた場合を示す。前記錘11の重力でダクト本体部2は、垂直方向に伸びて、撓みや皺の発生を抑制するようになっている。
【0024】
図9は、フランジ部3及びダクト本体部2の下端部に、一般にマジックテープ(登録商標)と称されているベルクロテープ12を取付けた場合を示す。従って、筐体101の天板102やインバータユニット104側に前記フランジ部3やダクト本体部の下端部に取付けたベルクロテープ12と対をなすベルクロテープ13、例えばフランジ部3及びダクト本体部2の下端部に取付けたベルクロテープ12がフック状のものであれば、筐体101の天板102やインバータユニット104側に取付けられるベルクロテープ13はフック状のものを取付ける。そして、これら対状のベルクロテープ12,13によってダクト本体部2の上端のフランジ部3やダクト本体部2の下端部を筐体101の天板102やインバータユニット104側に隙間なく取付けることができる。
【0025】
図10は、フランジ部3及びダクト本体部2の下端部にマグネット14を取付けた場合を示す。従って、フランジ部3を取付ける筐体101の天板102やダクト本体部2の下端部を取付けるインバータユニット104側が磁性材である場合にはマグネット吸着によりフランジ部3やダクト本体部2の下端部を筐体101の天板102やインバータユニット104側に容易に取付けることができる。前記マグネット14は、鉄粉等の磁性体を混入した樹脂プレートに着磁した所謂マグネットプレートを貼り付けて良いし、マグネット片を縫い付けるなどして取付けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】排気ダクトの斜視図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図1のB−B断面図。
【図4】排気ダクトの製造方法の一例を示す説明図。
【図5】シート材を切れ目で直角に折り曲げた状態の斜視図。
【図6】排気ダクトを取付けた状態の断面図。
【図7】効果の一例を示す説明図。
【図8】錘を取付けた状態の断面図。
【図9】ベルクロテープを取付けた状態の断面図。
【図10】マグネットを取付けた状態の断面図。
【図11】従来例の説明図。
【図12】従来例の排気ダクトの斜視図。
【図13】従来例の断面図。
【符号の説明】
【0027】
1…排気ダクト
2…ダクト本体部
3…フランジ部
4…補強材
11…錘
12,13…一対のベルクロテープ(マジックテープ)
14…マグネット
101…制御盤の筐体
102…天板
103…排気口
104…インバータユニット
【出願人】 【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛

【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久


【公開番号】 特開2008−16632(P2008−16632A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186203(P2006−186203)