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【発明の名称】 ビルドアップ基板、それを有する電子部品及び電子機器
【発明者】 【氏名】齋藤 聡義

【氏名】緑川 健

【氏名】倉石 徹

【氏名】熊谷 睦之

【氏名】藤本 昌司

【氏名】阿部 健一郎

【要約】 【課題】比較的簡単に信号伝送特性を改善するビルドアップ基板、それを有する電子部品及び電子機器を提供する。

【構成】多層構造のビルドアップ層150を有するビルドアップ基板、若しくは、多層構造のコア層140を有するビルドアップ基板において、前記多層構造は、信号配線パターン158と、信号配線パターン158に接続されたパッド152bと、パッド152bと同一層においてパッド152bの周囲に配置された絶縁部156と、同一層において絶縁部156の周囲に配置された導体154とを有し、同一層においてパッド152bの輪郭とパッド152bに最も近い導体154との最小間隔で定義されるキープアウトKが、記多層構造の少なくとも二箇所において異なることを特徴とするパッケージ基板130を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層構造のビルドアップ層を有するビルドアップ基板において、
前記多層構造は、信号配線パターンと、当該信号配線パターンに接続されたパッドと、当該パッドと同一層において前記パッドの周囲に配置された絶縁部と、前記同一層において前記絶縁部の周囲に配置された導体とを有し、
前記同一層において前記パッドの輪郭と当該パッドに最も近い前記導体との最小間隔で定義されるキープアウトが、前記多層構造の少なくとも二箇所において異なることを特徴とするビルドアップ基板。
【請求項2】
多層構造のコア層を有するビルドアップ基板において、
前記多層構造は、信号配線パターンと、当該信号配線パターンに接続されたパッドと、当該パッドと同一層において前記パッドの周囲に配置された絶縁部と、前記同一層において前記絶縁部の周囲に配置された導体とを有し、
前記同一層において前記パッドの輪郭と当該パッドに最も近い前記導体との最小間隔で定義されるキープアウトが、前記多層構造の少なくとも二箇所において異なることを特徴とするビルドアップ基板。
【請求項3】
前記キープアウトは、前記多層構造の少なくとも二層において異なることを特徴とする請求項1又は2記載のビルドアップ基板。
【請求項4】
前記キープアウトは、前記同一層の少なくとも二箇所において異なることを特徴とする請求項1又は2記載のビルドアップ基板。
【請求項5】
前記多層構造は、高周波の信号を伝送するための第1の経路と、当該第1の経路よりも低い周波数の信号を伝送するための第2の経路を有し、前記同一層において前記第1の経路のキープアウトは前記第2の経路のキープアウトよりも大きいことを特徴とする請求項4記載のビルドアップ基板。
【請求項6】
前記絶縁部は複数の小孔部から構成される場合に、前記キープアウトは、前記パッドの輪郭と前記複数の小孔部の輪郭との間の最短距離と前記絶縁部の面積に基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は2記載のビルドアップ基板。
【請求項7】
前記多層構造は、外部のプリント基板に最も近い第1の導電層と、当該第1の導電層に最も近い導電層を第2の導電層とを有し、
前記第2の導電層のキープアウトは、前記第1の導電層のキープアウト以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のビルドアップ基板。
【請求項8】
前記パッドを有するパッド付き導電層の最も近くに配置された導電層は、前記パッド付き導電層の前記パッドに対応する位置にパッドを有さない絶縁部を有するパッド無し導電層であることを特徴とする請求項1又は2記載のビルドアップ基板。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか一項記載のビルドアップ基板を有することを特徴とする電子部品。
【請求項10】
請求項1乃至8のうちいずれか一項記載のビルドアップ基板を有する電子部品を有することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルドアップ基板に関する。また、本発明は、ビルドアップ基板を備えた電子部品(例えば、BGA(Ball Grid Array)パッケージなどのパッケージモジュール、かかるパッケージモジュールを搭載したプリント基板)や、かかる電子部品を備えた電子機器(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバー、携帯電話、デジタルカメラなど)にも関する。
【背景技術】
【0002】
小型で高性能な電子機器の需要を満足するためにBGAパッケージが従来から使用されている。BGAパッケージは、一般にCPUとして機能するICやLSIをパッケージ基板に搭載し、ハンダ付けによってプリント基板(「システム基板」や「マザーボード」と呼ばれる場合もある。)に接続するパッケージモジュールの一種である。BGAパッケージは、パッケージの高密度化により電子機器の高性能化及び小型化を達成することができる。
【0003】
最近ではBGAパッケージにビルドアップ基板を使用することが多い。ビルドアップ基板は、両面プリント基板又は多層プリント基板をコア(芯材)とし、その両面又は片面に、メッキされたスルーホールであるビアによって層間接続されたビルドアップ層を付加する。両面貼り合わせによって反りのバランスを維持することができる。次世代のBGAパッケージには更なる伝送特性の向上が期待されている。伝送特性の向上のために、従来は、コア層を薄くしたり、特定のビア径を小さくしたり、物性値を変更するなどの方法が提案されている。
【0004】
従来技術としては、例えば、特許文献1乃至5がある。
【特許文献1】実開平5−63076号公報
【特許文献2】特開平7−202359号公報
【特許文献3】特開平7−221510号公報
【特許文献4】特開2005−236064号公報
【特許文献5】実開平6−13181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、コア層の薄型化には強度的制約がある。また、複数のビア間の形状バランスも伝送特性に影響するために特定のビア径を小さくするにも制約がある。更に、コア層やビルドアップ層の基材を低融点材料や低損失材料に変更する物性値の変更も低融点材料や低損失材料を劇的に変化させる材料を開発することは困難である。このような制約から従来の方法は伝送特性を大きく改善することができなかった。更に、従来の方法は、製造方法を大幅に変更するのでコストアップを招くという問題もある。
【0006】
本発明は、比較的簡単に信号伝送特性を改善するビルドアップ基板、それを有する電子部品及び電子機器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としてのビルドアップ基板は、多層構造のビルドアップ層を有するビルドアップ基板、若しくは、多層構造のコア層を有するビルドアップ基板において、前記多層構造は、信号配線パターンと、当該信号配線パターンに接続されたパッドと、当該パッドと同一層において前記パッドの周囲に配置された絶縁部と、前記同一層において前記絶縁部の周囲に配置された導体とを有し、前記同一層において前記パッドの輪郭と当該パッドに最も近い前記導体との最小間隔で定義されるキープアウトが、前記多層構造の少なくとも二箇所において異なることを特徴とする。従来のビルドアップ基板の多層構造は、製造歩留まりや高密度化から全てのキープアウトを製造能力によって決定される同一の最小値に設定していた。これに対し、本発明者らはキープアウトを増加すると信号伝送特性が改善されることを発見し、ビルドアップ基板に従来のキープアウトよりも大きいキープアウトを含めている。
【0008】
「多層構造のビルドアップ層」とは、コア層が多層でもよいし、コア層が多層でなくてもよいし、コア層がなくてもよい(コアレス)趣旨である。「多層構造のコア層」とは、少なくともコア層が存在してそれが多層であれば足り、ビルドアップ層が多層構造であってもよい趣旨である。「多層構造のビルドアップ層」も「多層構造のコア層」もキープアウトが比較される多層構造は同一の層のものでなければならない。即ち、たとえビルドアップ層とコア層の両方が多層構造でもビルドアップ層の中の一層のキープアウトとコア層の中の一層のキープアウトは比較されない。また、コア層の両側に一対のビルドアップ層が設けられている場合、2つのキープアウトが比較されるビルドアップ層は一方の側の同一のビルドアップ層である。
【0009】
前記キープアウトは、前記多層構造の少なくとも二層において異なってもよいし、前記同一層の少なくとも二箇所において異なってもよい。層間でキープアウトが異なればその経路を利用した信号伝送特性を改善することができる。また、同一層内でキープアウトが異なれば高速伝送と通常伝送用の二種類の経路を形成することができる。この場合、前記多層構造は、高周波の信号を伝送するための第1の経路と、当該第1の経路よりも低い周波数の信号を伝送するための第2の経路を有し、前記同一層において前記第1の経路のキープアウトは前記第2の経路のキープアウトよりも大きくなる。
【0010】
前記絶縁部は複数の小孔部から構成される場合に、前記キープアウトは、前記パッドの輪郭と前記複数の小孔部の輪郭との間の最短距離と前記絶縁部の面積に基づいて決定されてもよい。面積で調節することによって複数の小孔部の輪郭内で実際に絶縁部が占める割合に基づいた実効的なキープアウトを求めることができる。
【0011】
前記多層構造は、外部のプリント基板に最も近い第1の導電層と、当該第1の導電層に最も近い導電層を第2の導電層とを有し、前記第2の導電層のキープアウトは、前記第1の導電層のキープアウト以上であることが好ましい。本発明者等によるシミュレーション結果によればかかる構成により−6dB乃至−36dBの範囲内で伝送特性が改善したからである。「−36dB」としたのはそれよりも小さいと高密度化が損なわれるからである。「−6dB」としたのはそれよりも大きいと伝送特性が劣化するからである。図27に示すように、第2の導電層L9のパッドを前記第1の導電層L10のパッドに置換した場合のキープアウト(置換キープアウト)は、0乃至120μmであることが好ましく、特に、80μmであることが好ましい。本発明者等によるシミュレーション結果によればかかる範囲で伝送特性が改善したからである。前記第2の導電層に関して前記第1の導電層とは反対側にあり、前記第2の導電層に最も近い第3の導電層のキープアウトは前記第2の導電層のキープアウト以下であるか等しいことが好ましい。本発明者等によるシミュレーション結果によればかかる構成により伝送特性が改善したからである。
【0012】
前記パッドを有するパッド付き導電層の最も近くに配置された導電層は、前記パッド付き導電層の前記パッドに対応する位置にパッドを有さない絶縁部を有するパッド無し導電層であってもよい。このようにパッドを有しない導電層も伝送特性改善の効果が得られる。
【0013】
上述のビルドアップ基板を有する電子部品、かかる電子部品を有する電子機器も本発明の別の側面を構成する。
【0014】
本発明の別の側面としての製造方法は、多層構造のビルドアップ層を有するビルドアップ基板、若しくは、多層構造のコア層を有するビルドアップ基板を製造する製造方法において、前記多層構造は、信号配線パターンと、当該信号配線パターンに接続されたパッドと、当該パッドと同一層において前記パッドの周囲に配置された絶縁部と、前記同一層において前記絶縁部の周囲に配置された導体とを有し、前記方法は、前記同一層において前記パッドの輪郭と前記導体との最小間隔で定義されるキープアウトを前記多層構造の少なくとも二箇所において異なるように、前記パッドと前記導体と前記絶縁部を形成するステップを有することを特徴とする。従来のビルドアップ基板の多層構造は、製造歩留まりや高密度化から全てのキープアウトを製造能力によって決定される同一の最小値に共通に設定していた。これに対し、本発明者らはキープアウトを増加すると信号伝送特性が改善されることを発見した。そこで、本発明の製造方法はビルドアップ基板に従来のキープアウトよりも大きいキープアウトを含めて伝送特性を改善している。かかる製造方法をコンピュータにより実現してキープアウトを決定するプログラムも本発明の別の側面を構成する。形成ステップは、具体的には、マスクの遮光部の形状又は直接描画レーザの照射範囲を設定するステップと、設定ステップによって設定された前記マスクの前記遮光部の形状又は前記直接描画レーザの照射範囲に基づいて前記多層構造の各層を露光するステップとを有することを特徴とする。かかる製造方法は、従来の装置構成をそのまま使用して上述のビルドアップ基板を製造することができる。
【0015】
前記形成ステップは、前記多層構造に2つの異なる信号伝送経路を形成し、前記キープアウトを前記同一層の少なくとも二箇所において異ならせ、前記2つの異なる信号伝送経路のうちより高い周波数の信号伝送経路に対しては大きいキープアウトを設定してもよい。これにより、伝送速度の異なる2種類の信号伝送経路をビルドアップ基板に形成することができる。
【0016】
本発明の他の目的及び更なる特徴は、以下、添付図面を参照して説明される実施例により明らかにされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、比較的簡単に信号伝送特性を改善するビルドアップ基板、それを有する電子部品及び電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としてのビルドアップ基板、かかるビルドアップ基板を有するパッケージモジュール100、パッケージモジュール100を搭載したプリント基板200、プリント基板200を搭載したサーバー(電子機器)300について説明する。本出願は、パッケージモジュール100やプリント基板200を、電子部品の一形態として観念する。ここで、図1は、サーバー300の概略斜視図である。図2は、プリント基板200の外観斜視図である。図3(a)は、パッケージモジュール100の外観斜視図、図3(b)は、図3(a)に示すパッケージモジュール100の分解斜視図である。
【0019】
図1に示すように、本実施例の電子機器は、例示的に、ラックマウント型のUNIXサーバーとして具体化されているが、PC、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)、携帯電話、デジタルカメラ、テスター、その他の電子機器であってもよい。サーバー300は、一対の取り付け部302によって図示しないラックにネジ止めされ、図2に示すプリント基板200を筐体310内に搭載している。
【0020】
筐体310にはファンモジュール320が設けられている。ファンモジュール320は、内蔵する冷却ファンが回転して空気流を発生することによって後述するヒートシンク190を強制的に冷却する。
【0021】
図2に示すように、プリント基板200は、パッケージモジュール100と、パッケージモジュール100周辺のLSIモジュール210と、メモリカード240を挿入するための複数のブロックプレート220と、ハードディスクやLANなどの外部機器とのコネクタ230とを有する。
【0022】
パッケージモジュール100はBGAパッケージとして機能するが、本発明は、LGA(Land Grid Array)パッケージなど他のパッケージがパッケージモジュール100に適用されることを妨げるものではない。
【0023】
パッケージモジュール100は、図3(a)及び図3(b)に示すように、蓋110と、半導体チップ120と、パッケージ基板130と、BGAボール180とを有する。
【0024】
蓋110は、パッケージ基板130と接合して半導体チップ120を封止する。蓋110は、上から見ると、図3(a)に示すように、端面(上面)が正方形形状である四角柱形状を有しているが、裏から見ると、図3(b)に示すように、中央部が窪んだ凹断面を有する。蓋110は、本実施例では、ヒートシンク190と接合するヒートスプレッダ(熱拡散板)として機能する。
【0025】
蓋110は、パッケージ基板130とヒートシンク190との間に配置され、半導体チップ120に図示しない接合材によって接続されている。ヒートスプレッダとしての蓋110は、半導体チップ120からの熱をヒートシンク190に伝達する機能を有する。別の実施例では蓋110は省略されてヒートシンク190は半導体チップ120の上面に直接接合される。
【0026】
半導体チップ120は、発熱性回路素子であり、端子としてのバンプ122によってパッケージ基板130にハンダ付けされる。半導体チップ120とパッケージ基板130との間には、バンプ122の接続信頼性を保証するためにフリップチップ(バンプを有するチップ)に対して一般に使用される樹脂製のアンダーフィルが充填され、バンプ122を封止する。
【0027】
パッケージ基板130は、CPUとして機能する半導体チップ120を上面に搭載し、BGAボール180及び図示しないコンデンサーその他の回路部品を底面に搭載する。本実施形態のパッケージ基板130は、一の半導体チップ120が搭載されたシングルチップ型であるが、本発明はマルチチップ型にも適用可能である。
【0028】
本実施例のパッケージ基板130はビルドアップ基板から構成される。図4にパッケージ基板130の部分拡大断面図を示す。パッケージ基板130は、プリント基板として機能するコア層(「コア基板」ともいう)140と、コア層140の両側(表側と裏側)に接合されたビルドアップ層150a及び150b(なお、150は150a、150bを総括するものとする)とを有する。
【0029】
本実施例では、コア層140とビルドアップ層150の少なくとも一方は多層構造を有する。従って、コア層140が多層構造を有してビルドアップ層150が多層構造を有さない場合、コア層140が多層構造を有さずにビルドアップ層150が多層構造を有する場合、コア層140とビルドアップ層の両方が多層構造を有する場合がある。また、後述するようにコア層140が存在しない(コアレスの)場合にはビルドアップ層150のみが多層構造を有する。ビルドアップ層150a及び150bのうちの一方のみが多層構造を有してもよい。
【0030】
かかる多層構造は、信号配線パターンと、信号配線パターンに接続されたパッドと、パッドと同一層において前記パッドの周囲に配置された絶縁部と、かかる同一層において絶縁部の周囲に配置された導体とを有する。
【0031】
コア層140には、その厚み方向に貫通するスルーホールビア142が形成されており、スルーホールビア142は、両側のビルドアップ層150a及び150bを電気的に接続している。コア層140の基部は絶縁性材料で構成される。別の実施例ではパッケージ基板130は、コア層140が存在しない(コアレス)。コアレスのビルドアップ基板の一例を図26に示す。図26に示すビルドアップ基板はビルドアップ層150Aとベース140Aとを有する。また、更に別の実施例では、コア層140は多層構造を有し、導電層と絶縁層が交互に積層された積層構造を有する。
【0032】
コア層140の表裏には導電層148a及び148bが形成される。導電層148aはコア層140のビルドアップ層150a側に形成され、導電層148bはコア層140のビルドアップ層150b側に形成される。
【0033】
ビルドアップ層150は、絶縁層155、絶縁部156及び配線部(図4では信号配線パターン158は省略されているが図5(b)に示している)を有する。なお、絶縁層155と絶縁部156は同じ材料から構成される。
【0034】
コア層140に最も近いビルドアップ層150の導電部は、コア層140の表面及び裏面に形成された導電層に接続されている。ビルドアップ層150は、電源層とグラウンド層(これらをまとめて「導電層」と呼び区別しない)を有する。導電層の導体154は銅箔(メッキ)から構成される。
【0035】
ビルドアップ層150は積層構造を有し、内部にコア(芯材)を含んでもよいし、含まなくてもよい。ビルドアップ層150には、レーザで、隣り合う特定の層間に個別に穴を形成して壁面に銅メッキを施す(即ち、ビア152aを形成する)ことで層間接続を行う。本実施例のビア152aには銅メッキが充填されている。これにより、ビルドアップ層150bに示すように、垂直に積み上げるスタックビアが可能になり高密度化を実現することができる。しかし、ビア152aをメッキで充填するかどうかは選択的である。
【0036】
ビルドアップ層150は、複数の導電層(151a、151bなど)を絶縁層155と交互に積層する。また、一般には、各導電層には信号配線パターン158が設けられる。ビア152aは、図4においては、台形断面形状をしており、その立体形状は円錐台形状である。一方、図4において、ビア152aに一体的に接続された矩形断面形状は(信号)パッド152bであり、その立体形状は円板形状をしている。ビア152aとパッド152bは複数の導電層を電気的に接続する。パッド152bは、対応する導電層上に本実施例では一又は一対で配置されると共に信号配線パターン158に接続される。パッド152bの周囲には絶縁部156が配置され、絶縁部156の周囲には導体154が設けられる。
【0037】
パッケージ基板130は、同一層においてパッド152bの輪郭とそのパッド152bに最も近い導体154との最小間隔で定義されるキープアウト(Keep Out)が、多層構造の少なくとも二箇所において異なっている。
【0038】
以下、多層構造のコア層140と、多層構造のビルドアップ層150のそれぞれにおいて、キープアウトを調節する実施例について説明する。但し、キープアウトが調節又は比較される多層構造は同一の層のものでなければならない。即ち、ビルドアップ層とコア層の両方が多層構造でもビルドアップ層の中の一層のキープアウトとコア層の中の一層のキープアウトは比較されない。また、コア層の両側に一対のビルドアップ層が設けられている場合、上側のビルドアップ層の中の一層のキープアウトと下側のビルドアップ層の中の一層のキープアウトは比較されない。
【0039】
キープアウトは、多層構造の少なくとも二層において異なってもよいし、同一層の少なくとも二箇所において異なってもよい。まず、前者について説明する。例えば、少なくとも一層のキープアウトを従来のキープアウトよりも増加するように調節してもよい。「少なくとも一層」であるので、パッケージ基板130に含まれる全ての導電層をキープアウト調節対象としてもよいしその一部であってもよい。
【0040】
本実施例では、コア層140とビルドアップ層150のキープアウトを調節している。このため、キープアウトはコア層140の多層構造の少なくとも二箇所において異なる。具体的には、コア層140の表裏面に形成される導電層148a及び148bのキープアウトは異なる。また、キープアウトは上側ビルドアップ層150aの多層構造の少なくとも二箇所において異なる。具体的には、上側ビルドアップ層150aに形成される導電層151a及び151aのキープアウトは異なる。更に、キープアウトは下側ビルドアップ層150bの多層構造の少なくとも二箇所において異なる。具体的には、下側ビルドアップ層150bに形成される導電層151b乃至151bのそれぞれのキープアウトは異なる。このように、本実施例では、パッケージ基板130の全導電層のキープアウトを調節対象としている。
【0041】
別の実施例の「少なくとも一層」は、上側ビルドアップ層150aに形成される導電層151a及び151aと、下側ビルドアップ層150bに形成される導電層151b乃至151bを含むが、コア層140の表裏面に形成される導電層148a及び148bを含まない。更に別の実施例の「少なくとも一層」は、下側ビルドアップ層150bに形成される導電層151b乃至151bである。また、特定の層を除いて残りの層で調節してもよい。例えば、ビルドアップ層150bを調節する場合にBGAボール180を介してプリント基板200に接続される導電層151bを除いて導電層151b乃至151bのみで調節を行うなどである。
【0042】
パッケージ基板130は、図11に示すように、従来は各導電層で一定であったキープアウトを調節することによって伝送特性を改善する。従来のパッケージ基板10のビルドアップ層30a及び30bにおける多層構造は、製造歩留まりや高密度化から全てのキープアウトを製造能力によって決定される最小値に設定していた。ここで、図11は、図4に対応する従来のパッケージ基板10の概略断面図である。パッケージ基板10はコア層20と一対のビルドアップ層30a及び30bを有する。点線部に着目するとパッドの周囲ではキープアウトが一定である。シミュレーションにおいて、ビルドアップ層の物性値は比誘電率は3.4、比透磁率は1で行った。
【0043】
本発明者らはキープアウトを増加すると信号伝送特性が改善されることを発見し、ビルドアップ層150に従来のキープアウトよりも大きいキープアウトを含めている。図6は、図4に示す各導電層のキープアウトを異ならせたものと図11に示す従来のキープアウトが一定の導電層の伝送特性を比較したグラフである。横軸が周波数(GHz)を示し、縦軸が周波数損失(dB)を示している。図6は、周波数が下にあるほど損失が少ないことを示しており、図4に示す構成は図11に示す構成で−6dB乃至−36dBの周波数帯域に着目すると約2倍乃至4倍改善している。上記シミュレーションは現在使用されている材料の物性値を用いて計算されたもので、将来の新材料を用いるときは別の結果となる。
【0044】
本実施例のパッケージ基板130の製造方法では、キープアウトを複数の導電層の少なくとも二箇所で異ならせるステップを有する。調節又は最適化は、例えば、特定の信号配線パターン158及び積層構造を有する多層基板について各導電層のキープアウトを変更して伝送特性を調べた結果を多数集めたデータベースを作成する。次に、前記特定の信号配線パターン158及び積層構造について最適の伝送特性を有する各導電層のキープアウトの最適値を取得する。別の信号配線パターン158及び積層構造については他の信号配線パターン158及び積層構造について作成したデータベースを利用してシミュレーションによってキープアウトを調節してもよいし、当該信号配線パターン158及び積層構造について実験を行って最適値を取得してもよい。本実施例の製造方法におけるキープアウトの最適化はプログラムとして具現化可能である。
【0045】
別の実施例のパッケージ基板130の製造方法では、パッド152bの周囲の絶縁部156の面積を複数の導電層の少なくとも二箇所で調節するステップを有する。従来はパッド152bの面積が同じであればパッド152bの周囲の絶縁部156の面積は同じであったが、かかる実施例ではそれを調節する。また、二層間でパッド152bの面積が異なる場合には、従来はパッド152bの面積比に応じた絶縁部156の面積がパッド152bの周囲に配置されていたが、かかる実施例ではそれを調節する。
【0046】
更に、本実施例の製造方法は、図4に示すパッド152bのない導電層151aのキープアウトや絶縁部156の面積を調節するステップを更に有してもよい。ここで、「パッド152bのない導電層」とはパッドのある導電層に絶縁層を介して隣接してパッドのある導電層のパッドに対応する位置にパッドがない導電層をいう。例えば、導電層151aは、パッド152bがある導電層151aに絶縁層155を介して隣接し、導電層151aのパッド152bに対応する位置にパッドがない(図4及び図5(a)を参照のこと)。
【0047】
このようにパッドを有しない導電層の絶縁部を調節しても伝送特性改善の効果が得られる。パッドを有しない導電層のキープアウトを調節する場合にはまずパッドを有しない導電層におけるキープアウトを定義する。本実施例では、「パッドを有しない導電層のキープアウト」は、絶縁層を介して隣接するパッドのある導電層のパッドを、パッドを有しない導電層の絶縁部156に形成した場合のキープアウトと定義する。例えば、導電層151aのキープアウトは、図5(b)に示す導電層151aのパッド152bを、導電層151aの各パッド152bの中心が図5(a)に示す絶縁部156の上下の半円中心に一致するように、図5(a)に示す絶縁部156に仮想的に形成することによって求める。この際、図5(b)に示す形成する。図5(a)において、上下の半円を点線で表し、それらの中心をX印で表す。なお、コア層140においては、パッドを有しない導電性のキープアウトに仮想的に形成されるパッドはスルーホールビア142のパッドである。
【0048】
また、パッド152bのない導電層151aにおけるパッド周囲の絶縁部156の面積は、図5(a)に示す絶縁部156の面積から、上述のように、仮想的に形成された導電層151aのパッド152bの面積を除いた面積となる。
【0049】
図4に戻って、上側ビルドアップ層150aの2つの導電層151a及び151bと、コア層140の上側導電層148aと下側導電層148b、下側ビルドアップ層150bの4つの導電層151b乃至151bを考える。なお、本実施例ではこれらの導電層を順にL3層乃至L10層と呼ぶ場合もある。各導電層のパッド152bの周囲の絶縁部156を図5(a)乃至図5(h)に示す(もっとも図5(a)については上述したようにパッド152bは存在しない)。図5(b)乃至図5(h)において、kはキープアウトを示している。また、図5(a)乃至図5(h)においては、白い部分が絶縁部156である。キープアウトkはパッド152bの輪郭と導体154との最短距離である。
【0050】
また、本発明者らは、本実施例のパッケージ基板130においては、導電層151bのキープアウト又はその周囲の絶縁部156の面積がパッケージ基板130の中で最も重要であり、導電層151bのキープアウト及び/又は絶縁部156の面積を調節するだけでも伝送特性は大幅に改善することを発見した。
【0051】
また、本発明者らは、導電層151bの次に伝送特性に影響があるのは導電層151bであることを発見した。従って、導電層151b及び151bのキープアウト及び/又は絶縁部156の面積を調節するだけでも伝送特性は大幅に改善することを発見した。導電層151bは、パッケージ基板130がプリント基板200と接続される側に最も近く、BGAボール180用のパッドを有する導電層(第1の導電層)である。導電層151bは、導電層151bに最も近い導電層(第2の導電層)であり、導電層151bの次に搭載側に近い導電層である。
【0052】
まず、図7乃至図9(b)を参照して、キープアウトとパッド152bの周囲の絶縁部156の面積と導電層151b及び151bとの関係について説明する。ここで、図7は、パッド152bの周囲の絶縁部156の対象範囲を説明するための平面図である。
【0053】
図7を参照するに、本実施例では、パッド152bの周囲にパッド152bを含んで長さ3mm、幅2mmの矩形領域RAを設定する。矩形領域RAの面積である6mmにおける絶縁部156の面積に着目する。但し、図7に示す矩形領域RAの大きさは単なる例示である。本実施例ではパッド152bは一対であるが、図8(b)乃至図(d)に示すように、パッド152bが一つの場合もあり得るから各パッド152bの中心を中心とする一辺が2mm以内の正方形領域を考えれば足りる。パッド152bも銅メッキ(導体)であるため、パッド152bの面積は絶縁部156の面積からは除かれる。
【0054】
矩形領域の設定に際しては、絶縁部156と矩形領域との位置合わせが必要である。位置合わせは以下のようにして行う。まず、矩形領域RAに長さを半分にする直線L1と幅を半分にする直線W1とを引いてその交点である中心Cを求める。
【0055】
図5(a)に示す導電層151aはパッド152bを有さずに長方形に一対の半円を組み合わせたトラック形状を有する絶縁部156のみを有する。この場合には、絶縁部156の中心をCに合わせると共に絶縁部156を長さ方向に半分にする直線をL1に合わせ、絶縁部156を幅方向に半分にする直線をW1に合わせて図7に示すように位置合わせを行う。
【0056】
図5(c)乃至図5(h)に示すような、導電層がパッド152bを絶縁部156の中に有する場合には、一対のパッド152bの中心の中間位置を中心Cに合わせながら、一対のパッド152bの中心が直線W1上に配置されるように位置合わせを行えばよい。
【0057】
図5(b)に示す導電層151aは、導体154の上に絶縁部156を介して信号配線パターン158を配置し、パッド152bに接続している。なお、導電層148a、148b、151a、151b乃至151bおいても信号配線パターン158は存在するが、図5(a)、図5(c)乃至図5(h)に示す箇所には現れていないだけである。導電層151aにおいては、信号配線パターン158の下を通る絶縁部156がトラック形状の絶縁部156と結合しており、信号配線パターン158の下を通る絶縁部156も図7に示す領域RA内にある限りパッド152bの周囲の絶縁部156となる。
【0058】
図8(a)は、導体154が多数の円形状絶縁部(貫通孔)156で打ち抜かれている状態を示す平面図である。この場合には、点線で示す絶縁部156の外延Tが図5(d)に示す導電層148bと同様のトラック形状を有するので導電層148bと同様に位置合わせを行って直交座標を設定することができる。
【0059】
図8(a)に示すように、絶縁部156が複数の小孔部で構成されている場合のキープアウトは、図5(d)に示すように、絶縁部156がトラック領域内でパッド152bを除いて完全に打ち抜かれた場合よりも小さく算出される。算出方法の一例は、図8(a)に示す外延T内の絶縁部156の面積(又は絶縁部156の面積の割合)を考慮してキープアウトを算出する。例えば、外延T内でパッド152の周囲に導体154がなく絶縁部156のみがある場合(図5(d)のような状態)のキープアウトをkとして、外延T内の絶縁部156の面積の割合が55%であれば実質的なキープアウトを0.55kとするなどである。もちろん、単純に絶縁部156の面積の割合を乗算するだけでなく正味のキープアウトを算出するのに必要な演算が加えられてもよい。
【0060】
図8(a)におけるパッド152b周囲の絶縁部156の面積は、全ての小孔部及びその他の形状の絶縁部156の面積の合計である。
【0061】
図8(b)は、パッド152bの周囲の絶縁部156aが円形でその周囲に9つの円形状絶縁部(貫通孔)156bを設けた状態を示す概略平面図である。図8(c)は、パッド152bの周囲の絶縁部156aが円形でその周囲に8つの正方形状絶縁部(貫通孔)156cを設けた状態を示す概略平面図である。図8(b)及び図8(c)においては、パッド152bの中心とその周りの円形絶縁部156aの中心が一致し、9つの円形状絶縁部156bと8つの正方形状絶縁部156cはパッド152bの中心からそれぞれ等距離に形成されている。換言すれば、9つの円形状絶縁部156bの円形の外延Tと8つの正方形状絶縁部156cの円形の外延Tはパッド152bの中心に一致する。このため、パッド152bの中心を中心Cに一致させ、直交座標は任意の方向に設定することができる。
【0062】
図8(b)及び図8(c)に示すように、絶縁部156が絶縁部156aと156b又は156cの組み合わせで構成されている場合のキープアウトは、絶縁部156aにおける通常のキープアウトと絶縁部156b又はcにおける図8(a)と同様の正味のキープアウトとの和で算出することができる。また、図8(b)及び図8(c)におけるパッド152b周囲の絶縁部156の面積は、絶縁部156a及び156b又は156cの面積の合計である。
【0063】
図8(d)は、パッド152bの周囲の絶縁部156aが円形でその周囲に多数の円形状絶縁部(貫通孔)156bをランダムに設けた状態を示す概略平面図である。この場合は、図8(b)と異なり、絶縁部156a及び156b(参照番号「156」で総括する)の中心を見つけるのが困難である。この場合、中心Cに一致させる点を、1)パッド152bの中心、2)パッド152bを含む絶縁部156aの重心(又は中心)、3)絶縁部156bの外延の領域の重心(又は中心)としてもよい。但し、図8(d)に示すように、絶縁部156の分布が広がれば矩形領域RAの外部に絶縁部156bの幾つかが配置されてしまう可能性もある。なお、ここでは、パッド152bの数が一つなので矩形領域RAは、例えば、1.5mm×1.5mmの正方形領域や2mm×2mmの正方形領域となるであろう。そこで、中心が決定された後は、1)できるだけ多くの絶縁部156が矩形領域RAに含まれるように矩形領域RAの方向を設定するか、2)各導電層に設定される矩形領域RAの直線L1又は直線W1が平行になるようにする(即ち、全ての矩形領域RAが同じ方向を向くようにする)。図8(d)に示す絶縁部156の配置に対するキープアウトや面積の算出は図8(b)や図8(c)と同様である。
【0064】
導電層に絶縁部156を形成すると絶縁部156において強度が低下して多層構造の表面、例えば、導電層151bの下面の平坦度が損なわれ、外部基板との接続不良となるおそれがある。しかし、図8(a)乃至図8(d)のように、小孔部を形成すると、絶縁部156上に導体が配置されるためにある程度の強度を維持することができ、多層構造の表面の平坦度を維持することが可能となる。なお、導電層の面積を除去する場合、図5(a)に示すように、中心から一定の距離で全ての導体(銅)を除去してもよいし、図8(a)に示すように、中心より微小孔を使用して導体を除去してもよい。微小孔の形状は、丸、三角、四角など限定されない。
【0065】
図9(a)は、他のキープアウトを全て0.06mm(60μm)にした条件で導電層151bのパッド152bの周囲の絶縁部156の面積と周波数との関係を示すグラフである。図9(a)において、縦軸は−6dB乃至−36dBの周波数損失における最大周波数帯域であり、横軸は導電層151bのパッド152bの周囲の絶縁部156の面積を表している。従来のパッケージ基板10の導電層151bの絶縁部156の面積は各社毎にばらつくものの0.258mm前後であり、対応する周波数は3.5GHz程度である。図9(a)において、30%以上の周波数改善が顕著であるとすると約4.6GHz以上の周波数が得られればよいから導電層151bのパッド152b周囲の絶縁部156の面積は約0.55mm以上であればよい。より好ましくは、傾きが急激に変化する周波数改善である約5.5GHz以上の周波数が得られればよいから導電層151bのパッド152bの周囲の絶縁部156の面積は約1.0mm以上であればよい。更に好ましくは、周波数改善がピークとなる約10.1GHzの周波数が得られればよいから導電層151bのパッド152b周囲の絶縁部156の面積は約1.348mmであればよい。
【0066】
図9(b)は、他のキープアウトを全て0.06mm(60μm)にした条件で導電層151bのキープアウトと周波数との関係を示すグラフである。図9(b)において、縦軸は−20dBの周波数損失における最大周波数帯域であり、横軸はキープアウトを表している。従来のパッケージ基板10のキープアウトは各社毎にばらつくものの0.06mm前後であり、対応する周波数は3.5GHz程度である。図9(b)において、30%以上の周波数改善が顕著であるとすると約4.6GHz以上の周波数が得られればよいから導電層151bのキープアウトは約0.15mm以上であればよい。より好ましくは、傾きが急激に変化する周波数改善がある約5.5GHz以上の周波数が得られればよいから導電層151bのキープアウトは約0.28mm以上であればよい。更に好ましくは、周波数改善率がピークとなる約10.1GHzの周波数が得られればよいから導電層151bのキープアウトは約0.36mmであればよい。
【0067】
図27に示すように、導電層151bのパッドを導電層151bのパッドに置換した場合のキープアウト(置換キープアウト)は、0乃至120μmであることが好ましく、特に、80μmが導電層151bのキープアウトは約0.36mmに相当する。
【0068】
図19は、導電層151bのキープアウトを0.36mm(360μm)に設定してその他の導電層のキープアウトを60μmに設定したもの(「L9キープアウト360」で表す)を従来のパッケージ基板10(図4に示す全ての導電層のキープアウトを60μmに設定したもの)(「L9キープアウト60」で表す)と比較したグラフである。図19において、縦軸が周波数損失(dB)であり、横軸が周波数(GHz)である。周波数損失−20dBに着目すると、従来のパッケージ基板10(L9キープアウト60)の周波数は3.42GHzであり、本実施例のパッケージ基板130は(L9キープアウト360)は9.87GHzであり、約2.9倍程度改善している。
【0069】
図10(a)は、導電層151bのパッド152bの周囲の絶縁部156の面積と周波数との関係を示すグラフである。図10(a)において、縦軸は−20dBの周波数損失における最大周波数帯域であり、横軸は導電層151bのパッド152bの周囲の絶縁部156の面積を表している。従来のパッケージ基板10の導電層151bの絶縁部156の面積は各社毎にばらつくものの0.574mm前後であり、対応する周波数は約3.4GHzである。図10(a)において、15%以上の周波数改善が顕著であるとすると約3.9GHz以上の周波数が得られればよいから導電層151bのパッド152bの周囲の絶縁部156の面積は約0.90mm以上であればよい。より好ましくは、傾きが急激に変化する周波数改善がある約4.5GHz以上の周波数が得られればよいから導電層151bのパッド152bの周囲の絶縁部156の面積は約0.95mm以上であればよい。
【0070】
図10(b)は、導電層151bのキープアウトと周波数との関係を示すグラフである。図10(b)において、縦軸は−20dBの周波数損失における最大周波数帯域であり、横軸はキープアウトを表している。従来のパッケージ基板10のキープアウトは各社毎にばらつくものの0.060mm前後であり、対応する周波数は3.4GHz程度である。図10(b)において、15%以上の周波数改善が顕著であるとすると約3.9GHz以上の周波数が得られればよいから導電層151bのキープアウトは約0.125mm以上であればよい。より好ましくは、傾きが急激に変化する周波数改善がある約4.5GHz以上の周波数が得られればよいから導電層151bのキープアウトは約0.15mm以上であればよい。
【0071】
導電層151bのキープアウトを120μm、180μm、240μm、300μm、360μm、400μmに設定してその他の導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板を順に、L9キープアウト120乃至L9キープアウト400と呼ぶ。図20は、L9キープアウト120乃至L9キープアウト400を従来のパッケージ基板10(図4に示す全ての導電層のキープアウトを60μmに設定したもの)(「L9キープアウト60」で表す)と比較したグラフである。図20において、縦軸が周波数損失(dB)であり、横軸が周波数(GHz)である。周波数損失−20dBに着目すると、従来のパッケージ基板10(L9キープアウト60)の周波数は3.42GHzであり、L9キープアウト120乃至L9キープアウト400は、順に、4.05GHz、4.65GHz、5.1GHz、6.06GHz、9.87GHz、9.87GHzであり、約1.2倍乃至2.9倍程度改善している。また、5GHz乃至20GHzの周波数範囲では、L9キープアウト120乃至L9キープアウト400はL9キープアウト60よりも2dB以上改善されている。
【0072】
このように、本発明者らによるシミュレーション結果によれば、導電層151bのキープアウトは導電層151bのキープアウトと同程度か大きい方がパッケージ基板130の信号伝送特性が改善することが理解される。
【0073】
また、同様に、本発明者らによるシミュレーション結果によれば、導電層151bのキープアウトは、導電層151a乃至151bのキープアウトよりも大きい方がパッケージ基板130の伝送特性が改善した。特に、本発明者らによるシミュレーション結果によれば、導電層151bのキープアウトは導電層151bのキープアウト以下(殆ど同程度)に設定されると、パッケージ基板130の伝送特性が改善する。
【0074】
導電層151bのキープアウトを360μmに設定し、その他の導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板130(L9キープアウト360、L8キープアウト60)を用意する。(L9キープアウト360、L8キープアウト60)から導電層151bのキープアウトを60μmから徐々に増加し、−20dBの周波数損失における最大周波数帯域を調べた。図21は、かかる結果を示すグラフである。図21において、縦軸は−20dBの周波数損失における最大周波数帯域であり、横軸は導電層151bのキープアウトである。図21からは、導電層151bのキープアウトは300μmから傾きが上昇し、360μmにおいてピークとなることが理解される。
【0075】
導電層151b及び導電層151bの両方のキープアウトを360μmに設定し、その他の導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板130(L9キープアウト360、L8キープアウト360)を用意する。図22は、(L9キープアウト360、L8キープアウト360)を(L9キープアウト360、L8キープアウト60)と比較したグラフである。図22において、縦軸が周波数損失(dB)であり、横軸が周波数(GHz)である。周波数損失−20dBに着目すると、(L9キープアウト360、L8キープアウト60)の周波数は9.87GHzであり、(L9キープアウト360、L8キープアウト360)の周波数は14.73GHzであり、約1.5倍程度改善している。
【0076】
次に、コア層140の多層構造において、一部のキープアウトを増加した場合について説明する。図23は、コア層140を4層構造とし、全てのキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板(キープアウト60)と、導電層148a及び148bのそれぞれのキープアウトを300μmに設定し、それ以外の導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板(L5、L6キープアウト300)とを比較したグラフである。図23において、縦軸が周波数損失(dB)であり、横軸が周波数(GHz)である。周波数損失−20dBに着目すると、キープアウト60の周波数は1.29GHzであり、(L5、L6キープアウト300)の周波数は1.68GHzであり、約1.3倍程度改善している。
【0077】
本実施例では、キープアウトが、多層構造の少なくとも二箇所において異なるが、これは、多層構造の少なくとも二層に限定されるものではなく、同一層の少なくとも二箇所において異なっていてもよい。図24は、後者の例を示すパッケージ基板130Aの概略断面図である。パッケージ基板130Aは2つの信号伝送経路132及び134を有する。信号伝送経路132は、一般信号伝送に使用される経路であり、信号伝送経路132上にある各導電層のキープアウトは従来のように製造能力(歩留まり)によって決定される60μmである。一方、信号伝送経路134は高速信号伝送に使用される経路であり、信号伝送経路134上にある各導電層のキープアウトは上述のように伝送特性を改善するように60μmよりも増加される。
【0078】
図25は、信号伝送経路132と134を有する導電層の一例の平面図である。信号伝送経路132と134はキープアウトが異なることが理解される。キープアウトを増加することによって伝送特性が向上するため、信号伝送経路134を利用した信号伝送特性を改善することができる。同一層内でキープアウトが異なれば高速伝送と通常伝送用の二種類の経路を形成することができる。本実施例では、いずれかの導電層において信号伝送経路134のキープアウトは信号伝送経路132のキープアウトよりも大きくなる。
【0079】
BGAボール180は、ボール状のハンダバンプ(ハンダボール)として構成され、パッケージ基板130の底面のプリント基板200との接続箇所に格子状に配列される。換言すれば、BGAボール180は端子として機能し、ハンダボール(ハンダ付け)によってプリント基板200に強固に接続する。
【0080】
ヒートシンク190は、蓋110に接合される基部と冷却フィンとを有する。
【0081】
本実施例のパッケージ基板130は、従来の製造方法を大幅に変更しないためコストアップを招かない。以下、図12を参照して、パッケージ基板130の製造方法について説明する。ここで、図12は、パッケージ基板130の製造方法を示すフローチャートである。なお、ここでは、便宜上、ビルドアップ層150のみが多層構造であるパッケージ基板130について説明する。
【0082】
まず、コア層140を製造する(ステップ1100)。コア層140は、カーボンファイバ強化樹脂(CFRP)141の板材を加工して製造される。CFRP板141は、カーボンファイバ材とこれを包容して硬化している樹脂組成物により構成される。CFRP板141の製造においては、まず1枚のカーボンファイバ材に対して液状の樹脂組成物を含浸させる。次に、未硬化状態を維持しながら樹脂組成物を乾燥させることによって、カーボンファイバ強化プリプレグを作製する。次に、このようにして作製したプリプレグを所定枚数積層し、加熱下で積層方向に加圧することによって、これら所定枚数のプリプレグを一体化させる。このようにして、CFRP板を作製する。
【0083】
カーボンファイバ材は、カーボンファイバを束ねたカーボンファイバ糸により織られたカーボンファイバクロスであり、コア層140の面内方向に展延するように配向している。本実施例では、複数枚のカーボンファイバ材が厚み方向に積層されて樹脂組成物により包容されている。カーボンファイバ材としては、カーボンファイバクロスに代えて、カーボンファイバメッシュまたはカーボンファイバ不織布を採用してもよい。
【0084】
樹脂組成物としては、例えば、エポキシ、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリスルホンなどが挙げられる。樹脂組成物に、無機フィラーを分散させてもよい。これにより、コア層の熱膨張率について、面内方向においても厚み方向においても等方的に低減することができる。
【0085】
図4に示す絶縁樹脂部144は、カーボンファイバ材とスルーホールビア142との間の電気的絶縁を確保するために形成される。絶縁樹脂部144は、上述の樹脂組成物と同様の樹脂を使用可能である。
【0086】
コア層140は、カーボンファイバ材の含有率を適宜調節することで、コア層140の面内方向での熱膨張率を調節することができる。また、本発明は、シリコン(Si)その他の材料を基材とするコア層にも適用可能である。コア層140は、例えば、表裏4箇所(例えば、矩形形状の角部)に位置決め用の孔を有している。コア層140は積層構造であってもよいし、なくてもよいが、積層構造の場合には一般にそのピッチは、多層ビルドアップ層150の層間ピッチよりも大きい。
【0087】
以下、図13及び図14を参照して、ステップ1100に示すコア層140の製造工程の詳細を説明する。ここで、図13は、コア層140の製造方法(サブトラクティブ法)を説明するためのフローチャートであり、図14は、図13の工程の概略断面図である。
【0088】
まず、基材にスルーホールビアの穴あけ、IVH導通メッキ(ビア142)、樹脂による穴埋め(絶縁樹脂部144)、蓋メッキ145を実施する(ステップ1102、図14(a))。メッキは全て銅である。なお、穴あけでは、銅143が張られたCFRP板(以下、絶縁性基板という)141におけるスルーホール予定位置に貫通孔がレーザ加工等で形成され、貫通孔が絶縁樹脂により塞がれて絶縁樹脂部144が形成される。レーザ加工には、例えば、パルス発振型炭酸ガスレーザ加工装置を使用する。貫通孔は、ドリルによる切削加工やパンチング金型による打ち抜き加工によって形成してもよい。
【0089】
次に、表裏の蓋メッキ145にドライフィルムレジスト(DFR)146を貼り付ける(ステップ1104、図14(b))。DFR146は、例えば、アルカリ現像タイプであり、ネガタイプの感光性を有する。
【0090】
次に、マスクMを介して露光装置EAでDFR146を露光する(ステップ1106、図14(c))。この時、マスクMの遮光部と光透過部の割合を調節することによってキープアウト及びパッド周囲の絶縁部の面積の少なくとも一方を簡単に調節することができるので、本発明の多層基板の伝送特性の制御方法や製造方法はコストアップを招かない。マスクの光透過部に露光装置EAによって紫外線が照射されてDFR146が固まる。
【0091】
次に、現像を行う(ステップ1108、図14(d))。これにより、マスクMの遮光部に対応する、露光で固まらなかったDFR146を削ぎ落とす。次に、DFR146がない部分に酸でエッチングを行う(ステップ1110、図14(e))。これにより、所定の回路パターンを有する導電層がコア層140の表面に形成される。エッチング液は、例えば、塩化銅である。最後に、DFR146を剥離剤を利用して剥離してコア層140が完成する(ステップ1112、図14(f))。剥離液は、例えば、アルカリ系剥離液である。この結果、DFR146を剥離した蓋メッキ145が露出する。
【0092】
以上のようにして製造されたコア層140は、ビルドアップ層150と接合される前に良品判定を行い、良品のもののみを、図2に示すステップ1700に使用する。
【0093】
次に、多層ビルドアップ層150を製造する(ステップ1200)。ビルドアップ層150は、本実施例では、コア層140と面内方向のサイズがほぼ同じである矩形形状を有し、例えば、4箇所(例えば、矩形形状の角部)に位置決め用の孔を有している。
【0094】
以下、図15及び図16を参照して、ステップ1200に示すビルドアップ層150の製造工程の詳細を説明する。ここで、図15は、ビルドアップ層150の製造方法(セミ・アディティブ法)を説明するためのフローチャートであり、図16は、図15の工程の概略断面図である。なお、図16は便宜上片面のみを示している。
【0095】
まず、下層の上に絶縁層(絶縁部156)を形成する(ステップ1202、図16(a))。下層には、実際には、パッドと信号配線パターンが銅メッキによって形成されている。次に、レーザ穴加工を施し、導体部(銅メッキ)154が露出するような穴156dを形成する(ステップ1204、図16(b))。無電解メッキ157を全面に施してシードメタルを形成する(ステップ1206、図16(c))。次に、DFR158の膜を形成する(ステップ1208、図16(d))。
【0096】
次に、マスクMを介して露光装置EAでDFR158を露光する(ステップ1210、図16(e))。この時、マスクMの遮光部と光透過部の割合を調節することによってキープアウト及びパッド周囲の絶縁部の面積の少なくとも一方を簡単に調節することができるので、本発明の多層基板の伝送特性の制御方法や製造方法はコストアップを招かない。マスクの光透過部に露光装置EAによって紫外線が照射されてDFR158が固まる。なお、図16(e)及び図14(c)に示す露光は、図18に示すようにレーザ発信器を利用した直接露光によって行われてもよい。この場合、レーザにてDFRを固着させる部分にレーザ光を偏向ミラーを使用して照射することになる。
【0097】
次に、現像を行う(ステップ1212、図16(f))。これにより、マスクMの遮光部に対応する、露光で固まらなかったDFR158を削ぎ落とす。次に、電解メッキを行いDFR158がない部分に銅めっきパターンを施す(ステップ1214、図16(g))。この結果、導体154が絶縁部156の上面に形成されると共に穴156aが導体154によって塞がれる。次に、DFR158を剥離し(ステップ1216、図16(h))、エッチングを行ってシードメタルを除去する(ステップ1218、図16(i))。その後、ステップ1202からステップ1218を繰り返し、必要層数を有するビルドアップ層150を形成する。
【0098】
ビルドアップ層150は、コア層140に接合される前に良品判定を行い、良品のもののみをステップ1700に使用する。
【0099】
次に、図12のステップ1300では、図17(a)に示すように絶縁性接着シート160をパターン加工する。絶縁性接着シート160は、例えば、エポキシ樹脂から構成され、様々な種類の絶縁性接着シートが商業的に入手可能である。エポキシ樹脂は熱硬化型接着剤であり、150℃で硬化するが、80℃程度になれば柔らかくなってコア層140と密着して仮止め効果を有する。
【0100】
絶縁性接着シート160の高さは、導電性接着剤170の量を決定する。コア層140とビルドアップ層150とが電気的に接続される部位に対応する位置において貫通孔162を絶縁性接着シート160にドリル164により形成する。図17(a)においては、一定間隔で貫通孔162が設けられているが、かかる配置は例示的である。また、絶縁性接着シート160は本実施例では、コア層140の形状に合わせて矩形又は円形の形状を有し、例えば、4箇所(例えば、矩形形状の角部)に位置決め用の孔を有している。
【0101】
次に、図17(b)に示すように、一対の絶縁性接着シート160をコア層140の両側に位置決め及び仮止めする(ステップ1400)。貫通孔162はパッド152bに位置決めされている。本実施例は、両者の位置決め用の孔を合わせてピンを挿すことによって位置決めを行うが、位置合わせ方法を限定するものではない。仮止めは、コア層140と接着シート160とを、例えば、約80℃に予備加熱することによって行う。加熱後に位置合わせ用のピンを抜く。
【0102】
次に、導電性接着剤170を調製する(ステップ1500)。導電性接着剤は、フィラーとしての金属粒子の表面に、フィラーの融点よりも低い融点のハンダメッキを施したものを接着剤に含有させている。接着剤は、例えば、エポキシ樹脂であり、熱硬化温度は150℃である。金属粒子は、例えば、Cu、Niなどの高融点金属粒子である。ハンダは、本実施例ではSn−Biなどの低温ハンダであり、融点は138℃である。低温ハンダの融点はハンダが溶融する前に接着剤を熱硬化させないために基材としての接着剤の熱硬化温度よりも低いことが好ましい。
【0103】
次に、図17(c)に示すように、導電性接着剤170を貫通孔162に充填する(ステップ1600)。充填は、本実施例においては、メタルマスクを使用したスクリーン印刷によって行うが、本発明は充填方法を限定しない。
【0104】
次に、図17(d)に示すように、ビルドアップ層150をコア層140の両側に位置合わせをして、加熱及び加圧をすることによって接合する(ステップ1700)。位置合わせは、本実施例では、コア層140と接着シート160との位置合わせと同様に行われる。加熱及び加圧は真空環境でプレスを行うこと(「真空ラミネート」ともいう。)により行う。これにより、図17(e)に示すように、コア層140及びビルドアップ層150を有するパッケージ基板130が完成する。
【0105】
本実施例では、コア層140とビルドアップ層150の接合前に、コア層140が良品かどうか、また、ビルドアップ層150が良品かどうかを判定し、良品と判定されたコア層140及びビルドアップ層150のみを使用して、ステップ1700において接合を行う。良品判定をパッケージ基板130の製造完了前に行うことにより、歩留まりを向上することができる。
【0106】
また、低温ハンダは通常のハンダよりも低い融点でハンダは溶融するため、加熱時の温度から常温に戻る際にコア層140とビルドアップ層150との間に作用する熱応力・熱歪を低減し、両層並びに接合層における破壊を防止する。一方、高融点金属粒子が導電性接着剤170の融点を低温ハンダの融点よりも高くすることによって再溶融の温度を上げることができる。この結果、後工程で回路素子を搭載しても導電性接着剤170が再溶融して接着の信頼性が低下することを防止することができる。金属粒子によりコア層140とビルドアップ層150との間の導通性を確保することができる。
【0107】
サーバー300の動作において、パッケージ基板130の伝送特性は向上している。例えば、より広いクロック周波数で半導体チップ120は動作することができるので、本発明は高性能なサーバー300を提供することができる。もちろん、パッケージモジュール100自体やパッケージモジュール100を搭載したプリント基板200もかかる効果を有する。
【0108】
以上、本発明の好ましい実施態様及びその変形をここで詳細に説明してきたが、本発明はこれらの実施態様及び変形に正確に限定されるものではなく、様々な変形及び変更が可能である。
【0109】
本出願は更に以下の事項を開示する。
【0110】
(付記1) 多層構造のビルドアップ層を有するビルドアップ基板において、
前記多層構造は、信号配線パターンと、当該信号配線パターンに接続されたパッドと、当該パッドと同一層において前記パッドの周囲に配置された絶縁部と、前記同一層において前記絶縁部の周囲に配置された導体とを有し、
前記同一層において前記パッドの輪郭と当該パッドに最も近い前記導体との最小間隔で定義されるキープアウトが、前記多層構造の少なくとも二箇所において異なることを特徴とするビルドアップ基板。(1)
(付記2) 多層構造のコア層を有するビルドアップ基板において、
前記多層構造は、信号配線パターンと、当該信号配線パターンに接続されたパッドと、当該パッドと同一層において前記パッドの周囲に配置された絶縁部と、前記同一層において前記絶縁部の周囲に配置された導体とを有し、
前記同一層において前記パッドの輪郭と当該パッドに最も近い前記導体との最小間隔で定義されるキープアウトが、前記多層構造の少なくとも二箇所において異なることを特徴とするビルドアップ基板。(2)
(付記3) 前記キープアウトは、前記多層構造の少なくとも二層において異なることを特徴とする付記1又は2記載のビルドアップ基板。(3)
(付記4) 前記キープアウトは、前記同一層の少なくとも二箇所において異なることを特徴とする付記1又は2記載のビルドアップ基板。(4)
(付記5) 前記多層構造は、高周波の信号を伝送するための第1の経路と、当該第1の経路よりも低い周波数の信号を伝送するための第2の経路を有し、前記同一層において前記第1の経路のキープアウトは前記第2の経路のキープアウトよりも大きいことを特徴とする付記4記載のビルドアップ基板。
【0111】
(付記6) 前記絶縁部は複数の小孔部から構成される場合に、前記キープアウトは、前記パッドの輪郭と前記複数の小孔部の輪郭との間の最短距離と前記絶縁部の面積に基づいて決定されることを特徴とする付記1又は2記載のビルドアップ基板。(6)
(付記7) 前記多層構造は、外部のプリント基板に最も近い第1の導電層と、当該第1の導電層に最も近い導電層を第2の導電層とを有し、
前記第2の導電層のキープアウトは、前記第1の導電層のキープアウト以上であることを特徴とする付記1又は2記載のビルドアップ基板。(7)
(付記8) 前記第2の導電層のキープアウトは第2の導電層のパッドを前記第1の導電層のパッドに置換した場合に0乃至120μmであることを特徴とする付記7記載のビルドアップ基板。
【0112】
(付記9)前記第2の導電層のキープアウトで作成された基板の周波数損失より前記キープアウトの2倍以上で作成された基板の周波数損失が2dB以上改善していることを特徴とする付記7記載ビルドアップ基板。
【0113】
(付記10) 前記多層構造は、前記第2の導電層に関して前記第1の導電層とは反対側にあり、前記第2の導電層に最も近い第3の導電層を更に有し、当該第3の導電層のキープアウトは前記第2の導電層のキープアウト以下であることを特徴とする付記7記載のビルドアップ基板。
【0114】
(付記11) 前記パッドを有するパッド付き導電層の最も近くに配置された導電層は、前記パッド付き導電層の前記パッドに対応する位置にパッドを有さない絶縁部を有するパッド無し導電層であることを特徴とする付記1又は2記載のビルドアップ基板。(8)
(付記12) 前記パッドを有するパッド付き導電層の最も近くに配置された導電層は、前記パッド付き導電層の前記パッドに対応する位置にパッドを有さない絶縁部を複数の小孔を持った導電層で形成したパッド無し導電層であることを特徴とする付記1又は2記載のビルドアップ基板。
【0115】
(付記13) 付記1乃至12のうちいずれか一項記載のビルドアップ基板を有することを特徴とする電子部品。(9)
(付記14) 前記電子部品はBGAパッケージを有することを特徴とする請求項13記載の電子部品。
【0116】
(付記15) 付記1乃至12のうちいずれか一項記載のビルドアップ基板を有する電子部品を有することを特徴とする電子機器。(10)
(付記16) 多層構造のビルドアップ層を有するビルドアップ基板、若しくは、多層構造のコア層を有するビルドアップ基板を製造する製造方法において、
前記多層構造は、信号配線パターンと、当該信号配線パターンに接続されたパッドと、当該パッドと同一層において前記パッドの周囲に配置された絶縁部と、前記同一層において前記絶縁部の周囲に配置された導体とを有し、
前記方法は、前記同一層において前記パッドの輪郭と前記導体との最小間隔で定義されるキープアウトを前記多層構造の少なくとも二箇所において異なるように、前記パッドと前記導体と前記絶縁部を形成するステップを有することを特徴とする製造方法。
【0117】
(付記17) 前記形成ステップは、前記多層構造に2つの異なる信号伝送経路を形成し、前記キープアウトを前記同一層の少なくとも二箇所において異ならせ、前記2つの異なる信号伝送経路のうちより高い周波数の信号伝送経路に対しては大きいキープアウトを設定することを特徴とする付記16の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の一側面としてのサーバー(電子機器)の概略斜視図である。
【図2】図1に示すサーバーに搭載されるプリント基板の概略斜視図である。
【図3】図3(a)は、図2に示すプリント基板に搭載されるパッケージモジュール100の外観斜視図、図3(b)は図3(a)に示すパッケージモジュール100の分解斜視図である。
【図4】図3(a)及び図3(b)に示すパッケージモジュールのパッケージ基板の部分拡大断面図である。
【図5】図5(a)乃至図5(h)は、図4に示すパッケージ基板の各導電層のパッド周囲の絶縁部を示す部分拡大平面図である。
【図6】図4に示すパッケージ基板の伝送特性の改善を説明するためのグラフである。
【図7】パッド周囲の絶縁部の対象範囲を説明するための平面図である。
【図8】図8(a)乃至図8(d)は、パッドの周囲の様々な絶縁部の配列を示す平面図である。
【図9】図9(a)は、図4に示す下から二番目の導電層(第2の導電層)の絶縁部の面積と周波数との関係を示すグラフである。図9(b)は、図4に示す下から二番目の導電層(第2の導電層)のキープアウトと周波数との関係を示すグラフである。
【図10】図10(a)は、図4に示す最下層の導電層(第1の導電層)の絶縁部の面積と周波数との関係を示すグラフである。図10(b)は、図4に示す最下層の導電層(第1の導電層)のキープアウトと周波数との関係を示すグラフである。
【図11】従来のパッケージ基板の部分拡大断面図である。
【図12】図4に示すパッケージ基板の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図13】図12に示すステップ1100の詳細を説明するフローチャートである。
【図14】図14(a)乃至図14(f)は、図13に示すフローチャートの各工程の概略部分拡大断面図である。
【図15】図12に示すステップ1200の詳細を説明するフローチャートである。
【図16】図16(a)乃至図16(i)は、図15に示すフローチャートの各工程の概略部分拡大断面図である。
【図17】図17(a)乃至図17(e)は、図12に示すフローチャートの各工程の概略断面図である。
【図18】図14(c)及び図16(e)に示す露光工程の変形例を説明するための図である。
【図19】図4に示す下から二番目の導電層(第2の導電層)のキープアウトを360μmに設定してその他の導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板を図4に示す全ての導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板と比較したグラフである。
【図20】図4に示す下から二番目の導電層(第2の導電層)のキープアウトを変化させたパッケージ基板を図4に示す全ての導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板と比較したグラフである。
【図21】図4に示す下から二番目の導電層(第2の導電層)のキープアウトを360μmに設定し、図4に示す下から三番目の導電層(第3の導電層)のキープアウトを60μmから徐々に増加したパッケージ基板の−20dBの周波数損失における最大周波数帯域のグラフである。
【図22】図4に示す下から二番目の導電層(第2の導電層)のキープアウトを360μmに設定し、その他の導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板と、図4に示す下から二番目の導電層(第2の導電層)のキープアウトを360μmに設定し、図4に示す下から三番目の導電層(第3の導電層)のキープアウトを360μmに設定し、その他の導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板を比較したグラフである。
【図23】コア層を4層構造とし、全てのキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板と、コア層の最表面の導電層のそれぞれのキープアウトを300μmに設定し、それ以外の導電層のキープアウトを60μmに設定したパッケージ基板とを比較したグラフである。
【図24】同一層の少なくとも二箇所においてキープアウトが異なるパッケージ基板の概略断面図である。
【図25】2種類の信号伝送経路を有する導電層の一例の平面図である。
【図26】コアレスのビルドアップ基板の一例を示す概略断面図である。
【図27】図4に示す下から二番目の導電層(第2の導電層)のパッドを図4に示す最下層の導電層(第1の導電層)のパッドと置換した場合のキープアウト(置換キープアウト)について説明するパッケージ基板の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0119】
100 パッケージモジュール(電子部品)
120 半導体チップ
130 パッケージ基板(多層基板)
140 コア層
148a、148b 導電層
150a、150b、150A ビルドアップ層
152b パッド
154 導体
151a、151b乃至151b 導電層
155 絶縁層
156 絶縁部
158 信号配線パターン
200 プリント基板(電子部品)
300 サーバー(電子機器)
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成19年5月28日(2007.5.28)
【代理人】 【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔


【公開番号】 特開2008−10848(P2008−10848A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−141005(P2007−141005)